JPH11314911A - 多結晶シリコンインゴットの製造方法 - Google Patents

多結晶シリコンインゴットの製造方法

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JPH11314911A
JPH11314911A JP12458698A JP12458698A JPH11314911A JP H11314911 A JPH11314911 A JP H11314911A JP 12458698 A JP12458698 A JP 12458698A JP 12458698 A JP12458698 A JP 12458698A JP H11314911 A JPH11314911 A JP H11314911A
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silicon
ingot
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polycrystalline silicon
melting
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Yoshitake Natsume
義丈 夏目
Toshihiro Onizuka
智弘 鬼塚
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Osaka Titanium Technologies Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】細粒のシリコン粉末を用いて溶解性を損なうこ
となく、しかも低酸素濃度であって、低価格化に対応し
た太陽電池用の多結晶シリコンインゴットを製造する。 【解決手段】(1)シリコン粉末を高圧成形で造粒し、こ
の造粒されたシリコン圧粉体を溶解して脱酸素された溶
解材を破砕してのち、破砕された溶解材を再び溶解原料
としてインゴットを鋳造することを特徴とする多結晶シ
リコンインゴットの製造方法。 (2)シリコン粉末を高圧成形で造粒し、この造粒された
シリコン圧粉体を溶解してのち、脱酸素された溶解材を
再び溶解原料としてインゴットを鋳造することを特徴と
する多結晶シリコンインゴットの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽電池用に用いられ
る多結晶シリコンインゴットを製造する方法に関し、さ
らに詳しくは高純度シリコンの製造にともなって生成さ
れるシリコン粉末を加圧造粒し、この圧粉体を脱酸素の
ために溶解した材料を再び溶解原料とする多結晶シリコ
ンインゴットの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の太陽光発電の普及にともない、太
陽電池の製造技術は半導体用シリコン、アモルファスシ
リコン、多結晶シリコン等と多様な分野で適用され、い
ずれの分野においても技術開発は著しい。開発当初の太
陽電池に要求された特性は光電変換効率の向上を主眼と
する高性能化であったが、太陽電池の普及にともなって
低価格化が指向されるようになってきた。このため、例
えば、多結晶シリコン基板の製造において、原料に半導
体用シリコンとして製造された多結晶シリコンの格外品
や単結晶シリコンの残材等を破砕洗浄して使用されるよ
うになった。ところが、半導体用シリコンの品種が多種
にわたるので一定品質のものが確保できない、あるいは
太陽電池の生産量に応じた数量を安定して確保できない
等の理由から、低価格化にも限界がある。このため、今
後の太陽電池の開発には、所定の光電変換効率を発揮す
る高純度の品質と低コスト化に対応したシリコンの製造
技術の確立が必要になる。
【0003】従来から高純度の多結晶シリコンを製造す
る方法として、シーメンス法(Siemens Method)がある。
この方法は、中間化合物であるトリクロロシラン(SiHC
l3)を水素(H2)によって還元する方法であって、気
化された高純度のトリクロロシランを高純度の水素とと
もに反応炉内に導入し、トリクロロシランを下記の反
応式にしたがって分解させ、両端をグラファイト電極で
支えられ約1100℃に加熱された多結晶シリコン心棒の表
面に多結晶シリコンを気相成長させるものである。
【0004】 SiHCl3 + H2 → Si + 3HCl ・・・ しかしながら、このシーメンス法では、多結晶シリコン
心棒の加熱に多くの電力を消費することから電力原単位
が悪くなる。さらに反応炉に導入されたトリクロロシラ
ンのうち僅かの比率しか多結晶シリコンの生成に寄与し
ないので、生産効率が著しく低い。このため、この製造
方法は、低価格化を指向する太陽電池用シリコン原料の
製造方法として適さない。
【0005】そこで、シーメンス法とは全く異なる粒状
の多結晶シリコンを生成するプロセスとして、流動造粒
法が開発された。この製造方法では、流動床反応炉が用
いられ、反応炉内にシードとなるシリコン微粉末を流動
させておき、その中にモノシラン(SiH4)と水素の混合
ガスとが導入され、600〜700℃に加熱された流動雰囲気
中でモノシランが分解する。このとき下記の反応式を
経て粒状の多結晶シリコンが生成する。
【0006】 SiH4 → Si + 2H2 ・・・ シーメンス法におけるシリコン心棒に比べ、粒状シリコ
ンの総面積は圧倒的に大きいので、流動床反応炉内での
多結晶シリコンの生成効率が高い。さらに、流動造粒法
によって製造された多結晶シリコンの純度はシーメンス
法のそれと比べ同等であるが、消費エネルギーは1/5か
ら1/10程度にまで低減させることができるとともに、設
備投資を半減させることができる。このような観点か
ら、流動造粒法は、太陽電池用シリコン原料の製造方法
として有効な方法であるといえる。
【0007】さらに、反応効率に優れた多結晶シリコン
の製造法として、いわゆる「四塩化珪素の亜鉛還元法」
(以下、単に「亜鉛還元法」という)が、太陽電池用シ
リコン原料の製造方法として採用されるようになってき
た。この製造方法は、下記の反応式で示されるよう
に、中間化合物として四塩化珪素(SiCl4)を用い、こ
れを溶融亜鉛(Zn)で還元することによって多結晶シリ
コンを製造する方法である。
【0008】 SiCl4 + 2Zn → Si + 2ZnCl2 ・・・ 亜鉛還元法は、上記式に示すように、金属シリコンを
塩化処理(ハロゲン化反応)して中間化合物を生成した
のち、それを2次汚染させることなく還元・分解して製
造する方法であるから、高純度シリコンの製造に適す
る。一方、ほぼ全ての四塩化珪素(SiCl4)がシリコン
(Si)に進行する反応系であるから反応効率に優れ、生
産効率のよい製造方法であり、製造コストの面において
も有利な製造方法である。
【0009】図1は、亜鉛還元法による多結晶シリコン
の製造工程の一例を説明する図である。同図から明らか
なように、この亜鉛還元法では、反応原料(SiCl4およ
びZn)の供給工程、還元工程、副生成物の分離工程およ
び高純度シリコン(Si)の取り出し工程と大きく区分さ
れる。
【0010】反応原料の供給工程では、原料として、金
属シリコンを塩化処理した四塩化珪素(SiCl4)と還元
剤である金属亜鉛(Zn)とが準備される。金属亜鉛(Z
n)は、反応炉への供給を容易にするために、450〜550
℃の範囲に加熱され溶融状態にされる。一方、中間化合
物である四塩化珪素(SiCl4)は常温で収容され、液体
状態に保たれる(融点−70℃)。
【0011】還元工程では、中間化合物である四塩化珪
素(SiCl4)を溶融亜鉛(Zn)で還元することによっ
て、多結晶シリコンと副生成した塩化亜鉛(ZnCl2)と
を得る。このとき、塩化亜鉛の沸点は732℃であり、反
応温度は800℃であるので、還元反応によって生成した
塩化亜鉛(ZnCl2)は蒸気となる。また、同時に生成さ
れる多結晶シリコン粉は非常に微細であるので、塩化亜
鉛(ZnCl2)の蒸気とともに還元用の反応炉の外部に排
出される。
【0012】副生成物の分離工程では、副生成した塩化
亜鉛(ZnCl2)を分離するため、蒸発分離法または液体
濾過法が用いられる。蒸発分離法を用いる場合、多結晶
シリコンと塩化亜鉛(ZnCl2)とからなる混合物が分離
容器内に導入され、そののち、真空引きとともに加熱さ
れ、塩化亜鉛(ZnCl2)が蒸発・分離されて、多結晶シ
リコンが回収される。液体濾過法を用いる場合は、分離
容器内に高温特性を有し、かつ汚染が少ない多孔質のフ
ァインセラミックフィルターが施され、導入された混合
物が加圧濾過される。
【0013】高純度シリコンの取り出し工程では、上記
の分離を繰り返すことによって、完全に不純物が除去さ
れ、充分に高純度化した多結晶シリコンが取り出され
る。この亜鉛還元法では、上記の反応原料の供給から高
純度シリコンの取り出しに至る工程を連続して処理する
ことができるので、一層、生産効率の高い製造方法を提
供することができる。
【0014】上述の通り、流動造粒法、亜鉛還元法と
も、低コストに対応した生産効率の高い製造方法であ
り、しかも、2次汚染のおそれもないことから、太陽電
池用シリコン原料の製造方法として有効な方法である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】通常、流動造粒法によ
って製造される粒状の多結晶シリコンは、直径100〜150
0μmで、平均径が700μm程度となる。このとき発生す
る細粒、例えば直径3μm以下の粉末シリコンは、15%
程度発生する。一方、前述の通り、亜鉛還元法では、前
記式で示すように、四塩化珪素を溶融亜鉛によって還
元することによって生成される多結晶シリコン粉末は非
常に微細であり、副生成物を分離後取り出されたシリコ
ンはいずれも直径3μm以下の細粒のものである。
【0016】図4は、後述する多結晶シリコンインゴッ
トの製造に用いられる電磁誘導による連続鋳造装置の概
略構成を示す図である。装置の中心には、互いに電気的
に絶縁されるようにセグメントを切った金属製の水冷坩
堝(コールドクルーシブル)が、誘導コイル中に設置さ
れている。そして、磁界を坩堝内に浸透させることによ
り、磁気圧によって溶融シリコンは無接触で保持されて
溶解が行われる。連続的にインゴットを製造するため、
誘導コイル中のシリコンインゴットの上端面が溶解され
て、その上面に形成された溶融シリコンに粒状の溶解原
料が供給され、原料の溶解および凝固を繰り返してシリ
コンインゴットが下方に引き出される。原料溶解中は、
装置内の真空引き後、不活性ガス雰囲気に保たれる。
【0017】このとき、溶融シリコンに供給される粒状
の溶解原料が細粒、例えば直径1mm以下であると、溶融
シリコンの表面に浮遊するだけであり、溶融シリコンに
は溶け込まず、充分な溶解ができない。しかも、不活性
ガスの吹き出しやガス流れによって飛散し、装置内のガ
ス吸引不良の要因となる。したがって、流動造粒法によ
って製造される粒状の多結晶シリコンを溶解原料とする
場合には、直径1mm以下の細粒シリコンを除去する必要
がある。このため、溶解原料コストの上昇が避けられな
い。また、亜鉛還元法によって生成される多結晶シリコ
ン粉末は、全て直径3μm以下の細粒であることから、
図4に示すような連続鋳造装置では使用できないことに
なる。
【0018】そこで、シリコン粉末の利用促進を図るた
め、直径1mm以下の細粒シリコンや多結晶シリコン粉末
を高圧成形で造粒してのち、この造粒されたシリコン圧
粉体を溶解原料としてインゴットを鋳造することが試み
られたが、製造されたインゴットに含有される酸素濃度
が高く、太陽電池用に供される多結晶シリコンとして満
足する品質を具備しない場合がある。
【0019】太陽電池用多結晶シリコンの前提となる品
質特性として光電変換効率がある。この変換効率を評価
する指標として拡散長があり、両者の間には拡散長が高
ければ変換効率が高く、拡散長が低ければ変換効率が低
くなるという優れた相関性がある。拡散長は、赤外分光
分析(FT-IR法)等の慣用される方法で測定されるが、
通常、太陽電池用多結晶シリコンとしては80μm以上の
拡散長があればよいとされている。
【0020】ところで、多結晶シリコンインゴット中の
酸素濃度が高ければ、拡散長が低くなることが明らかに
されている。このため、鋳造されるインゴットの酸素濃
度を低くするため、シリコン原料の溶解工程において低
酸素化を図ろうとしても、酸素の偏析係数はほぼ1.0で
あることから、偏析処理による脱酸素は困難である。し
たがって、インゴットの酸素濃度を低減するためには、
インゴットの溶解原料の段階から低酸素にする必要があ
る。また、溶解原料中の酸素は溶解に際し蒸発し、雰囲
気中の炭素、例えば加熱ヒーター中のC(炭素)と反応
して、COを形成し、シリコンインゴットの上端面に形成
された溶融シリコン中に侵入して、インゴット中の炭素
濃度を高める。このような炭素も拡散長を低下させる要
因となるので、インゴット中の炭素濃度を低減させる観
点からも、溶解原料の段階から低酸素にする必要があ
る。
【0021】本発明は、従来の連続鋳造法における多結
晶シリコンのインゴット製造に際し、シリコン粉末が有
する問題点に鑑み、細粒のシリコンの粒径改善を図ると
ともに、さらに、インゴットの溶解原料に含有される酸
素濃度の低減を達成して、シリコン粉末の利用を促進
し、生産効率が高め、低価格化に対応した高純度の多結
晶シリコンを製造する方法を提供することを目的として
なされたものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)およ
び(2)の多結晶シリコンインゴットの製造方法を要旨と
している。
【0023】(1)シリコン粉末を高圧成形で造粒し、こ
の造粒されたシリコン圧粉体を溶解して脱酸素された溶
解材を破砕してのち、破砕された溶解材を再び溶解原料
としてインゴットを鋳造することを特徴とする多結晶シ
リコンインゴットの製造方法。
【0024】(2)シリコン粉末を高圧成形で造粒し、こ
の造粒されたシリコン圧粉体を溶解してのち、脱酸素さ
れた溶解材を再び溶解原料としてインゴットを鋳造する
ことを特徴とする多結晶シリコンインゴットの製造方
法。
【0025】ここで、シリコン粉末には、流動造粒法に
よって発生する1mm未満のシリコン粉末および亜鉛還元
法によって生成される多結晶シリコン粉末が含まれる
が、これらの他に、製法の如何に関わらず、所定の純度
を満足する直径1mm未満の細粒シリコンが対象となる。
【0026】
【発明の実施の形態】前述の通り、太陽電池用シリコン
の製造においては、所定の光電変換効率を発揮する性能
を具備することが前提となる。このため、太陽電池用に
供される多結晶シリコンおよびこれを製造するためのシ
リコン原料には、これに必要な高純度、具体的にはそれ
ぞれ6N(99.9999%)、7N(99.99999%)相当の純
度を確保するとともに、充分に酸素濃度を低減すること
が求められる。本発明では、粒径の細かなシリコン粉末
であっても、このような高純度の多結晶シリコンを効率
的に製造できるように、シリコン粉末を造粒し、これを
脱酸素のために溶解した材料を再び溶解原料としてイン
ゴットを鋳造することとを特徴としている。以下、その
内容を説明する。
【0027】(1)シリコン粉末の造粒 シリコン粉末としては、流動造粒法によって製造される
細粒の多結晶シリコンおよび亜鉛還元法で生成される多
結晶シリコン粉が例示され、いずれも、直径3μm以下
の細粒のものである。シリコン粉末は1種または2種以
上を単独、または混合して使用することができる。いず
れの場合にも、完全な均一混合にするのが望ましい。部
分的なバラツキがあると、同一形状、寸法および密度比
の圧粉体を製造した場合に、造粒後、または焼結後の寸
法、特性が異なるからである。
【0028】図2は、本発明でシリコン粉末の造粒の際
に使用した高圧ロール成形機の模式的な構成を示す図で
ある。同図に示すように、均一に混合されたシリコン粉
末1aは、加圧ロール2によって高圧成形され、造粒され
たシリコン圧粉体1bとなる。
【0029】シリコン粉末の造粒には高圧成形が適す
る。シリコン粉末に高圧下で成形加工を施すことによっ
て、粒子表面の凹凸部が相互の摩擦や押し合いによって
崩壊し、または噛み合いによって粒子間にしっかりとし
た接触状況が作られるとともに、圧粉体の密度比を上昇
されることができるからである。
【0030】図2に示す高圧ロール成形機においては、
充分に混合されたシリコン粉末1aに対し、加圧ロール2
の圧下によって1T以上の圧力が加わった状態で成形さ
れる。成形されたシリコン圧粉体1bの粒径は、1mm〜10
mmにするのが望ましい。これは、圧粉体には空隙が多く
伝熱が難しいため、溶解性を確保するには粒径の上限を
10mmとし、一方、溶解原料が細粒になりすぎると、溶融
面上に浮遊するだけになるので、粒径の下限を1mmとす
るのが望ましいからである。
【0031】(2)シリコン圧粉体の溶解(1次溶解) 図3は、シリコン圧粉体の脱酸素を行うために圧粉体を
プラズマ溶解する装置の概略構成を説明する図である。
同図に示すように、シリコン圧粉体1bは、気密容器3で
密閉された真空中でそのまま溶解される。原料装入器4
から溶解ハース5上に連続して投入されたシリコン圧粉
体1bは、溶解ハース5上を照射するプラズマトーチ6aに
よって溶解され、溶湯を作り一定時間保持される。この
場合に、本発明で造粒されたシリコン圧粉体を投入する
ことによって、溶湯の表面に浮遊することなく、溶湯内
に充分に溶け込み、均一に溶解することができる。さら
に、不活性ガスの吹き出しやガス流れによって飛散する
こともない。またこのとき、溶湯の脱酸素処理が行われ
るが、装置内の真空度を上げることによって、充分に脱
酸素処理が行われる。
【0032】その後、シリコン圧粉体1bの溶湯は、プラ
ズマトーチ6bによって照射される鋳造用モールド7内に
滴下され、モールド下方から引き抜かれることによって
1次溶解インゴット8が鋳造される。鋳造の際には、鉄
分等の重金属を偏析処理によって除去するのが望まし
い。また、シリコン圧粉体を鋳造用モールド内に直接供
給して溶解、脱酸、鋳造を同時に行ってもよい。この場
合にも、本発明で造粒されたシリコン圧粉体を投入する
ことによって、溶融シリコンの表面に浮遊することな
く、溶融シリコンに充分に溶け込み、均一に溶解するこ
とができ、さらに不活性ガスの吹き出しやガス流れによ
って飛散することもない。
【0033】1次溶解インゴットは丸棒インゴットの状
態または破砕された状態で、インゴットを鋳造するため
再び溶解原料に供される。丸棒インゴットの状態で供す
る場合には、150φ程度の寸法にするのが望ましい。一
方、破砕された状態で供する場合には、1次溶解インゴ
ットは切断プレスやクラシャーによって破砕され、所定
の粒径に調整される。このとき、上述したように、粒径
が大きすぎると、溶解性を確保するのが難しくなり、粒
径が小さすぎると、溶融面上に浮遊するだけになるの
で、粒径は1mm〜10mmにするのが望ましい。破砕によっ
てシリコン粒表面が汚染されるおそれがあるので、溶解
材料は最終仕上として酸洗浄するのが望ましい。
【0034】(3)インゴットの鋳造 図4は、溶解処理によって脱酸素された材料を再び溶解
原料としてインゴットを連造鋳造する装置の概略構成の
一例を説明する図であり、破砕された溶解原料を使用す
る場合を示している。太陽電池用のシリコンインゴット
の製造に際し、使用すべき装置として連続鋳造を限定す
るものではなく、鋳型を用いたバッチ式若しくは半連続
式鋳造法でもよいが、本発明のように効率的なインゴッ
ト製造を意図する場合には、連続式鋳造装置を用いるの
が望ましい。
【0035】図4に示す装置は電磁誘導による連続鋳造
方式を採用しており、この方式では磁気圧によって坩堝
12と溶融シリコン16とを無接触状態で保持して溶解でき
るので、2次汚染を回避できる。鋳造装置の外観は、水
冷処理された気密容器3からなる。気密容器3内を真空
排除できるように真空引き口9は真空排気ポンプと連結
され、気密容器3内を不活性ガスを任意圧力で制御でき
るように不活性ガス口10が設けられている。また、この
気密容器3は上部および下部を真空弁11に仕切られ、原
料装入およびインゴットの取り出しを不活性雰囲気中で
できるようになっている。
【0036】装置の中央部に金属製で無底形状の水冷式
坩堝12が設けられ、その周囲に誘導コイル13が巻回し、
誘導コイル13の下方には保温炉14が設置される。誘導コ
イル12中のインゴット15の上端部は溶解され、溶融シリ
コン16が形成される。原料装入器4の下方には原料ホッ
パーが設けられ、装入された粒状の溶解原料1bが旋回式
の装入ダクトを介して溶融シリコンに供給される。保温
炉14の下方には、引抜装置17が設けられており、シリコ
ンインゴット15を所定の速度で連続して引き抜くように
なっている。このようにして、シリコンインゴットを効
率的に製造することができる。
【0037】
【実施例】本発明の効果を、実施例1、2に基づいて具
体的に説明する。
【0038】(実施例1)純度が7Nで、平均粒径が0.
35μmのシリコン粉末を造粒したシリコン圧粉体を溶解
して、これを再び溶解原料としてシリコンインゴットを
製造した。
【0039】a.造粒 シリコン粉末の造粒には、図2に示す高圧ロール成形機
を用い、加圧ロールによる圧下は1Tとした。高圧ロー
ル成形機の高圧成形によって、直径3〜5mmのブリケッ
ト(圧粉体)を製造した。
【0040】b.シリコン圧粉体の1次溶解 造粒されたシリコン圧粉体の脱酸素を行うため、図3に
示す装置でプラズマ溶解を実施した。装置内の真空度は
70Torrとした。投入されたシリコン圧粉体は、溶解ハー
ス上でプラズマトーチによって溶解され、溶湯の状態で
脱酸素処理が行われた。その後、溶湯は鋳造用モールド
内に滴下され、鋳造速度10mm/minで、直径150φの1次
溶解インゴットが鋳造された。シリコン圧粉体の酸素濃
度は3200ppmであったが、1次インゴットの酸素濃度は
8ppmまで低減された。
【0041】c.1次溶解インゴットの破砕、洗浄 破砕された状態で溶解原料として供するため、1次溶解
インゴットは切断プレスおよびクラシャーによって破砕
し、粒径を1〜10mmに調整して、そののち塩酸洗浄を実
施した。
【0042】d.溶解 図4に示す連続鋳造装置によって、破砕された溶解原料
を用いてインゴットを製造した。気密容器内を真空排気
した後、アルゴンガスを封入して+30Torrの圧力条件と
した。坩堝の上方にある原料装入器の装入ダクトを横方
向に退避させた状態で、図示しない発熱体を坩堝内に降
下させ、インゴットの直上に接近配置して、誘導コイル
に通電する。誘導コイル中のインゴットの上端面が溶解
され、その上面に溶融シリコンが初期形成される。溶融
シリコンを初期形成した後、破砕された溶解材が溶解原
料として供給され、シリコン原料として溶解するととも
に、保温炉内で徐々に凝固させて、引抜装置を作動させ
てシリコンインゴットを引き出す。
【0043】連続して鋳造装置の下方から、引き出され
たインゴットを分析したところ、純度は7N(99.99999
%)であり、太陽電池用として適用できることを確認し
た。さらに、拡散長を測定すると、105μmであり、所
定の光電変換効率を満足することが分かる。
【0044】(実施例2)亜鉛還元法で四塩化珪素を還
元することによって生成される多結晶シリコン粉を初期
原料として、シリコンインゴットを製造した。生成され
たシリコン粉末はいずれも直径3μm以下の細粒で、純
度は7Nであった。
【0045】a.造粒 実施例1と同じ条件で、高圧ロール成形機の高圧成形に
よって、直径3〜5mmのブリケット(圧粉体)を製造し
た。
【0046】b.シリコン圧粉体の1次溶解 実施例1と同様に、造粒されたシリコン圧粉体の脱酸素
を行った。投入されたシリコン圧粉体は溶解ハース上で
溶解され、溶湯の状態で脱酸素処理が行われ、次いで溶
湯は鋳造用モールド内に滴下され、鋳造速度10mm/min
で、直径150φの1次溶解インゴットが鋳造された。実
施例2においても、インゴットの酸素濃度は、3200ppm
から8ppmに低減された。
【0047】c.1次溶解インゴットの成形 実施例2では、丸棒インゴットの状態で溶解原料として
供するため、1次溶解インゴットは直径150φ×長さ200
0mmに成形された。
【0048】d.溶解 図4に示す連続鋳造装置によって、丸棒インゴットの溶
解材料を用いてインゴットを製造した。誘導コイル中の
インゴットの上端面が溶解され、その上面に溶融シリコ
ンが初期形成されたのち、丸棒インゴットが溶解原料と
して供給され、シリコン原料として溶解するとともに、
保温炉内で徐々に凝固させて、引抜装置を作動させてシ
リコンインゴットが引き出される。
【0049】引き出されたインゴットを分析したとこ
ろ、純度は7N(99.99999%)であり、太陽電池用とし
て問題のない品質であることを確認した。さらに、拡散
長を測定すると、98μmであり、所定の光電変換効率を
満足するものである。
【0050】
【発明の効果】本発明の多結晶シリコンの製造方法によ
れば、細粒のシリコン粉末であっても、溶解原料として
の溶解性を損なうことなく使用することができ、しかも
溶解原料中の酸素濃度を著しく低減できるので、溶解原
料のコストをそれほど上昇させることなく、品質的に安
定して、太陽電池用基板として最適な高純度の多結晶シ
リコンを高い効率で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】亜鉛還元法による多結晶シリコンの製造工程の
一例を説明する図である。
【図2】本発明でシリコン粉末の造粒の際に使用した高
圧ロール成形機の模式的な構成を示す図である。
【図3】本発明でシリコン圧粉体の脱酸素を行うために
圧粉体をプラズマ溶解する装置の概略構成を説明する図
である。
【図4】本発明で溶解処理によって脱酸素された材料を
再び溶解原料としてインゴットを連造鋳造する装置の概
略構成の一例を説明する図である。
【符号の説明】
1a:シリコン粉末、 1b:シリコン圧粉体 2:加圧ロール、 3:気密容器 4:原料装入器、 5:溶解ハース 6a、6b:プラズマトーチ 7:鋳造用モールド、 8:1次溶解インゴット 9:真空引き口、 10:不活性ガス口 11:真空弁、 12:坩堝 13:誘導コイル、 14:保温炉 15:インゴット、 16:溶融シリコン 17:引抜装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコン粉末を高圧成形で造粒し、この造
    粒されたシリコン圧粉体を溶解して脱酸素された溶解材
    を破砕してのち、破砕された溶解材を再び溶解原料とし
    てインゴットを鋳造することを特徴とする多結晶シリコ
    ンインゴットの製造方法。
  2. 【請求項2】シリコン粉末を高圧成形で造粒し、この造
    粒されたシリコン圧粉体を溶解してのち、脱酸素された
    溶解材を再び溶解原料としてインゴットを鋳造すること
    を特徴とする多結晶シリコンインゴットの製造方法。
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