JPH11318062A - トルクリップルを低減したモータ - Google Patents

トルクリップルを低減したモータ

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JPH11318062A
JPH11318062A JP12499898A JP12499898A JPH11318062A JP H11318062 A JPH11318062 A JP H11318062A JP 12499898 A JP12499898 A JP 12499898A JP 12499898 A JP12499898 A JP 12499898A JP H11318062 A JPH11318062 A JP H11318062A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種モータにおいてトルクリップルを低減す
る。 【解決手段】 永久磁石型同期モータ、リラクタンスモ
ータにおいて、モータの各相に3相正弦波電流を通電す
ると仮定し、ステータ7の各スロットの電流ベクトルの
大きさが等しく、また、各スロットの電流ベクトルの位
相が各スロットのロータ回転方向の電気角的位相に一致
した位相となるように各スロットに巻回すべき各相の巻
き線回数を選び、極数をNRRとする時ロータ鋼板3の
各磁極の中心位置を360°/NRRに等分に分割した
位置に対してスロットピッチ/NRR、2×スロットピ
ッチ/NRR、3×スロットピッチNRR、・・・・
・、1スロットピッチだけロータ回転方向にシフトした
モータ。さらには、ステータとロータとを相対的にスロ
ットピッチ/NRRだけスキューしたモータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石型同期モ
ータ、シンクロナスリラクタンスモータ、インダクショ
ンモータ等の一般的なモータに関し、特にそのトルクリ
ップルの低減技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大別していくつかの種類のモータ
が種々の産業用途、民生用途などに使用されている。
【0003】図17に示すモータは、位置制御及び速度
制御等を行うサーボ用途に使用される永久磁石型の同期
モータの例である。ステータ12には、数字で示すスロ
ット1からスロット36までの36個のスロットが配設
されている。各スロット内の中程に引いた線は各スロッ
ト内に2組の巻き線が配置される場合の各巻き線境界を
表している。ロータ側は、3がロータ軸、10がロータ
コア、11が永久磁石であり、永久磁石に記述された
N,Sは永久磁石の極性N,Sを表している。図の例で
は、6極のロータであり、1磁極ピッチは図示するよう
に60度である。ステータ12の各スロットには、図2
の巻き線図に示すような3相6極の巻き線が巻回されて
いる。図2の上方に記述する数字はスロット番号であ
り、スロット1からスロット12までの配線パターンが
ステータの全周に3組配置されることになる。U,V,
Wは3相の交流端子であり、Nはスター結線した場合の
中性点である。通常、各スロットの巻き線はステータの
残り2/3の巻き線と直列に巻回されるのであるが、図
2では説明を簡単に行うため全モデルの1/3だけを記
述している。これらの各スロットの巻き線に3相交流電
流を通電した場合の各スロットの電流のベクトルを図3
に示す。各端子U,V,Wに流れる電流の180度反対
方向の電流をそれぞれX,Y,Zとしている。(1)、
(2)等がスロット番号を表している。例えば、スロッ
ト1,2へはU相の電流が流れ、スロット7,8へはU
相の逆相であるX相の電流が流れることを示している。
その電流の振幅はRRである。
【0004】図4に示す巻き線図に示す巻き方は、短節
巻きといわれるもので、3相交流を印加するとき各スロ
ットの電流のロータ回転方向の分布がより正弦波的に分
布し、ロータ回転方向の変化がよりスムーズに変化して
いくように考えられたものである。具体的には、各スロ
ットの巻き線をスロットの上下に2分割し、それぞれの
片側の半分の巻き線を反時計回転方向CCWへ1スロッ
トピッチだけシフトしたものである。これらの各スロッ
トの巻き線の電流を正弦波電流制御することにより、3
相正弦波電流を通電した場合の各スロットの電流のベク
トルを図5の実線と一点鎖線で示す。例えば、スロット
2の巻き線の電流ベクトルの振幅RSは、U/2とZ/
2のベクトル和UZSであり、振幅RRに比較し、CO
S30°=0.866である。なお、振幅SSは振幅R
Rの1/2である。
【0005】図18は、3相6極のシンクロナスリラク
タンスモータの従来例である。ステータ12は図17と
同じである。ロータ13には、各磁極ごとに9本の細い
磁路14が配置され、おのおのの細い磁路14の間には
磁束の導通を阻害するスリットが配置されている。各細
い磁路14は、ロータの中央部からラジアル方向つなぎ
部15によって保持されており、ロータ回転時において
各細い磁路が遠心力によって破壊分離されることを防
ぐ。ロータの外周部にも、ロータ外周つなぎ部16があ
り、ロータの外周がつながっている。このシンクロナス
リラクタンスモータの動作は、ステータの磁束を励磁す
る電流すなわちd軸電流により帯状の細い磁路14にそ
の方向に磁束を作り、一方でロータ表面で磁束が集まっ
ている部分であるロータの磁極が向いているロータ回転
方向位置へステータのトルク電流すなわちq軸電流を流
すことにより、フレミングの左手の法則に従う回転トル
クを得るものである。
【0006】図19は、3相6極のインダクションモー
タの従来例である。ステータ12は図17,18と同じ
である。ロータ17には、2次導体を配設するロータス
ロット18がロータのほぼ外周近傍に配置されている。
ロータスロット18はロータ表面側が開いた形状など種
々の形状のロータスロットがある。
【0007】図20は、突極の歯と巻き線を備える永久
磁石型の同期モータである。詳細には特願平10−30
218号に記載されている。22はステータで3相の交
流巻き線が巻回されている。突極の歯STU、STXに
はU相巻き線であるMU1、MU2がそれぞれ巻回され
ている。突極の歯STV、STYにはV相巻き線である
MV1、MV2がそれぞれ巻回されている。突極の歯S
TW、STZにはW相巻き線であるMW1、MW2がそ
れぞれ巻回されている。各歯の幅はロータ回転方向角度
で45°であり、電気角では180°である。各歯の間
にはロータからステータ22のヨーク部へ磁束を通過さ
せるバイパス磁路BPTが配置されている。バイパス磁
路BPTの幅は15°であり、電気角では60°であ
る。
【0008】U,V,Wの各相巻き線はそれぞれ相対的
に電気角で120°づつの相対位相を持っている。
【0009】21はロータであり、外周には永久磁石が
取り付けられ、磁極の向きは図示するN極、S極の向き
である。図の例では、8極のロータであり、1つの磁極
の幅は45°の幅であり、電気角では180°である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題はトルクリップルである。
【0011】図17,図18,図19、図20等の従来
モータのステータに共通して言えることは、ステータの
巻き線が各スロットに分散して配置されているため、巻
き線の分布がロータ回転方向に離散的であること、そし
て、通電する電流が通常2相あるいは3相であり、図2
の巻き線図、図3の各電流のベクトル図に示すように不
連続であり、離散的である。 各スロットがステータの
円周上に離散的に配置されていることはこの形式のモー
タの基本構造であるが、スロット数を多くすることによ
り、より連続的にし、改善することは可能である。ま
た、スロットの離散性に起因するトルクリップルを低減
する方法として、ステータとロータとを相対的に1スロ
ットピッチだけスキューするという方法がある。しかし
この場合、スキューを行うために構造が複雑になりモー
タコストが大きくなるという問題、スキューによりモー
タ出力トルクが低減するという問題がある。また、特に
図18に示すようなリラクタンスモータの場合には、ロ
ータ内部の磁束がロータ回転方向だけでなく、スキュー
によりロータの軸方向にも存在するように作用し、図1
8のモータ断面図だけでは考えられないトルクリップル
成分が発生するという問題があることを実験的に確認し
ている。
【0012】次に、モータの各相に3相正弦波電流を通
電するとき、各スロットに流れる電流のステータ円周上
の分布について考えてみると、理想的にはステータ円周
上に電流分布が正弦波状であることが望まれる。しか
し、図3の電流ベクトル図に示すように、例えば、スロ
ット1と2には同じU相電流が流れているが、隣のスロ
ット3にはW相の逆相であるZ相の電流が流れており、
スロット2とスロット3との電流には電気角で60度の
位相差がある。このようにステータの円周上の各スロッ
トの電流の分布は正弦波状には分布していないために、
モータ電流を3相正弦波電流で駆動してもモータの発生
するトルクは不均一となり、トルクリップルが発生する
という問題がある。
【0013】次に、ステータ円周上の電流分布がより正
弦波状に分布する構造である図4の短節巻きの巻き線図
で示される構造のモータについて考えてみる。図5の電
流ベクトル図において、前述したように、スロットの
1,3,5,7,9,11には適切な位相と振幅RRの
電流が流されることが解る。しかし、スロット2,4,
6,8,10,12に流される電流は、位相は適切であ
るが、振幅はRSで示され、振幅RRに比較し、COS
30°=0.866と小さな値となっている。このよう
に、この不均一性に起因するトルクリップルが発生する
という問題がある。
【0014】各スロットにおける電流分布が不均一な場
合、トルクリップルの他にモータの磁気振動、磁気騒音
の問題もある。特に振動、騒音などが嫌われる精密機
器、生活環境に関わる家電製品などの用途では大きな問
題である。
【0015】図20に示す突極の歯と巻き線を備える永
久磁石型の同期モータにおいては、図17の永久磁石型
同期モータに比較し、ステータの巻き線作業が容易でコ
ストが小さく、巻き線を高密度に巻けることとコイルエ
ンドを小さくできることからモータを小型化、低コスト
化できるという利点がある。しかし、ステータ形状が単
純であるため、正弦波状の磁束分布とすることが難し
く、トルクリップルが大きいという問題がある。また、
5相正弦波電流で制御するようにモータ形状を変形する
ことによりトルクリップルを低減するなどのトルクリッ
プル低減策も考えられるが、いずれも、モータのコスト
アップとなるという問題、あるいは、モータの出力トル
クが低減するという問題がある。
【0016】なお、トルクリップルが大きい場合、精密
なモータ制御の精度上の問題、振動、騒音の問題などが
発生する。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、トルク
リップルの低減であり、トルクリップルを低減すること
により、より精密な回転速度、位置の制御を実現し、同
時に、振動、騒音も低減することである。
【0018】ステータに巻き線を配設する複数のスロッ
トが円周上に配置される、ごく普通の3相の交流モータ
等において、3相正弦波電流が通電されるとき、ステー
タの各スロット内の巻き回数と通電電流の積、すなわち
アンペア・ターン数で表される電流ベクトルの位相と振
幅が、それぞれのスロットを基準にして見た時にほぼ等
しくなるように、各スロットに各相の巻き線を巻回す
る。
【0019】また、ステータのスペースをより有効に活
用する構造について提案する。その方法は、ステータの
各歯のロータ回転方向の位置は、ステータの内周に均一
に配置し、各スロットの断面積が、各スロットの巻き線
の量にほぼ比例するような面積関係となるスロットとす
ることにより、それぞれのスロットの広さがそれぞれの
スロットに巻回される巻き線量に最適な広さとなるよう
にステータ内の面積の取り合いを決めるものである。
【0020】ステータに巻き線を配設する複数のスロッ
トが円周上に配置される多相の交流モータにおいて、各
スロットに配置された巻き線の電流ベクトルが不均一で
ある場合にその不均一さを是正する他の方法として、ス
テータのそれぞれの歯の間隔が各スロット内に配設され
ている巻き線が作り出す電流ベクトルの大きさ、すなわ
ち電流最大値にほぼ比例する構造とする。
【0021】ステータ内にスロットが離散的に配置され
ることに起因するトルクリップルを低減する方法とし
て、ロータに複数の磁極を持ち、その各磁極のロータ回
転方向位置が等間隔である位置に対してステータの1ス
ロットピッチのNN/NRだけロータ回転方向にシフト
した構造のロータとする。ここでNNは各磁極ごとにき
める整数であり、そのロータの全磁極の中には2種類以
上の整数があり、NRはロータの磁極をロータ回転方向
にシフトする種類を表し、最大値はロータの極数であ
り、そのロータに固有の1種類の整数である。
【0022】さらにトルクリップルを低減する方法とし
て、前記のロータ回転方向にシフトされたロータ磁極の
種類数がNRである時、ロータとステータを相対的に
(スロットピッチ/2)以下の角度でロータ回転方向に
スキューするかあるいはロータ軸方向に2組以上に分割
し相対的にロータ回転方向にずらしてスキューと同等の
効果を得る構造である。前記のロータ磁極をシフトする
手法によって除去しきれないトルクリップル成分をわず
かな角度のスキューにより除去することができる。
【0023】ステータ内のスロットが離散的に配置され
ているが、ロータ側もスロットあるいはスリットがロー
タ回転方向に離散的に配置されている場合、トルクリッ
プルの低減方法として、ロータ内部構成の離散的である
離散ピッチとステータのスロットピッチとが整数倍とな
らない構成すなわちバーニアの関係とする。さらには前
記の各種トルクリップル低減構造と組み合わせることに
より一層の効果を得る。
【0024】ロータ外周にN極あるいはS極がロータ回
転方向にほぼ連続して配置されている永久磁石型の同期
電動機において、スロットに起因するトルクリップルを
低減する方法として、N極磁極とS極磁極との境界位置
がロータ回転方向に等間隔である位置に対してステータ
の1スロットピッチのNN/NRだけロータ回転方向に
シフトした構造のロータとする。
【0025】ステータに巻き線を配設する複数のスロッ
トが円周上に配置される多相の交流モータにおいて、ス
テータの磁極数をNPPとすると、ステータをロータ回
転方向にNPP以下の数NPP1に機能的に分割し、分
割されたステータの機能ブロックがロータ回転方向位置
に等間隔である位置に対してステータの1スロットピッ
チのNPP2/NPP1だけロータ回転方向にシフトし
た構造のステータとする。ここでNPP2は整数であ
る。
【0026】ステータの一つの歯にある相の巻き線を巻
回するような突極構造のステータを持つ、NB相の永久
磁石型同期モータにおいて、トルクリップルを低減する
ために、(NB+2)個以上のステータの歯を備え、2
個以上のステータの歯にはそれぞれ2種類以上の相の巻
き線が巻回された合成巻き線を備えるモータとする。
【0027】さらにこのNB相の永久磁石型同期モータ
においてトルクリップルを低減するために、ステータの
各歯のロータ回転方向位置は、ステータの円周上に電気
角で(NB+2)個以上の種類の位相の位置AEに配置
され、ステータの各歯に巻かれた巻き線の全電流合計を
それぞれの歯の電流ベクトルとして表したとき各歯の電
流ベクトルの大きさがほぼ等しく、前記電流ベクトルの
方向は、各歯が配置されたロータ回転方向位置の電気角
的位相にほぼ一致している構成のモータとする。
【0028】さらにトルクリップルを低減するために、
ステータの歯のロータ回転方向位置が電気角でAEとす
ると、各歯の電気角AEもしくは(AE−180°)が
それぞれ0°から180°の間に整数NSKに等分に配
置され、ロータとステータとが相対的にほぼ(180°
/NSK)の角度もしくはその整数倍の角度だけスキュ
ーしている構成のモータとする。
【0029】前記突極型の永久磁石同期モータにおい
て、ロータからステータのヨーク部へモータ動作的には
不要であり、かつ有害な磁束を通過させるバイパス磁路
BPTを備え、このバイパス磁路BPTはステータの歯
の間に配置されていて、前記バイパス磁路BPTは各歯
へ巻き線を巻回するときに作業性を改善するためにステ
ータから分離できる構造となっているモータとする。各
巻回作業の後に、前記バイパス磁路BPTを取り付ける
ことができる。
【0030】
【作用】ステータに巻き線を配設する複数のスロットが
円周上に配置される、ごく普通の3相の交流モータ等に
おいて、3相正弦波電流が通電されるとき、ステータの
各スロットの電流ベクトルの位相と振幅が、それぞれの
スロットの位置に応じた位相で、全てのスロットの電流
ベクトルの大きさが同じであれば、ステータのスロット
が離散的に配置されていることに起因するトルクリップ
ルを除いて、全てのトルクリップルは原理的に除去され
ることになり、トルクリップルが低減できる。
【0031】前記モータにおいては、各スロットの電流
ベクトルの位相と振幅が適切になるように各相の巻き回
数をそれぞれに設定する必要がある。その結果、各スロ
ットの巻き線の総巻き回数は全て同じ巻き回数とはなら
ない。従って、各スロットの断面積が、各スロットの巻
き線の量にほぼ比例するような面積関係となるスロット
とすることにより、ステータの有効利用率を上げること
ができ、モータの小型化を行うことができる。
【0032】各スロットに配置された巻き線の電流ベク
トルが不均一である場合に、電流ベクトルを均一にする
ように巻き回数を変えるのではなく、その不均一さを是
正する他の方法として、ステータのそれぞれの歯の間隔
が各スロット内に配設されている巻き線が作り出す電流
ベクトルの大きさ、すなわち電流最大値にほぼ比例する
構造とする。この結果、例えば電流ベクトルの振幅が小
さい場合は歯の間隔を小さくするので、電流ベクトルの
大きさと該当する部分の歯の間隔との比、すなわち、単
位角度あたりの電流密度はステータ全周にわたってほぼ
均一になり、トルクリップルを低減することができる。
【0033】ステータ内にスロットが離散的に配置され
ることに起因するトルクリップルを低減する方法とし
て、ロータに複数の磁極を持ち、その各磁極のロータ回
転方向位置が等間隔である位置に対してステータの1ス
ロットピッチのNN/NRだけロータ回転方向にシフト
した構造のロータとする。
【0034】ステータと各ロータ磁極との間にはあるト
ルクが発生し、そのトルクにはスロットピッチ周期のト
ルクリップル成分とその高調波成分が含まれているが、
前記の磁極シフトによりスロットピッチ周期以下の周期
のトルクリップル成分がキャンセルされることになり、
トルクリップルが低減する。
【0035】さらにトルクリップルを低減する方法とし
て、ロータとステータを相対的に(スロットピッチ/
2)以下の角度でロータ回転方向にスキューするかある
いはロータ軸方向に2組以上に分割し相対的にロータ回
転方向にずらしてスキューと同等の効果を得る構造とす
ることにより、スロットピッチ周期の1/2以下の周期
のトルクリップルをキャンセルすることができ、トルク
リップルが低減する。
【0036】ステータ内のスロットが離散的に配置され
ているが、ロータ側もスロットあるいはスリットがロー
タ回転方向に離散的に配置されている場合、トルクリッ
プルの低減方法として、ロータ内部構成の離散的である
離散ピッチとステータのスロットピッチとが整数倍とな
らない構成すなわちバーニアの関係とする。このバーニ
ア構造とすることによりトルクリップルが低減し、特
に、その他の各種トルクリップル低減構造と組み合わせ
ることにより一層の効果を得ることができ、トルクリッ
プルを極小のレベルまで低減することが容易となる。
【0037】ロータ外周にN極あるいはS極がロータ回
転方向にほぼ連続して配置されている永久磁石型の同期
電動機において、N極磁極とS極磁極との境界位置がロ
ータ回転方向に等間隔である位置に対してステータの1
スロットピッチのNN/NRだけロータ回転方向にシフ
トした場合、前記の磁極シフトと同様の効果があり、ト
ルクリップルを低減することができる。
【0038】ステータに巻き線を配設する複数のスロッ
トが円周上に配置される多相の交流モータにおいて、ス
テータの磁極数をNPPとすると、ステータをロータ回
転方向にNPP以下の数NPP1に機能的に分割し、分
割されたステータの機能ブロックがロータ回転方向位置
に等間隔である位置に対してステータの1スロットピッ
チのNPP2/NPP1だけロータ回転方向にシフトし
た場合、前記の磁極シフトとは反対にステータ側をシフ
トしているわけであり、相対的には同じ構成であるから
同様の効果があり、トルクリップルを低減することがで
きる。
【0039】ステータの一つの歯にある相の巻き線を巻
回するような突極構造のステータを持つ、NB相の永久
磁石型同期モータにおいて、トルクリップルを低減する
ために、(NB+2)個以上のステータの歯を備え、2
個以上のステータの歯にはそれぞれ2種類以上の相の巻
き線が巻回された合成巻き線を備えることにより、実質
的により多相の交流モータを実現することができ、より
滑らかな運転が可能となる。言い換えるとトルクリップ
ルを小さくできる。
【0040】さらにこのNB相の永久磁石型同期モータ
において、ステータの各歯の電流ベクトルの大きさと位
相が電気角的により均一な分布、位相的に等間隔となる
構造とすることにより、トルクリップルを低減すること
ができる。
【0041】さらに、前記の等間隔の位相となっている
場合、その間隔のピッチだけもしくはその整数倍のピッ
チだけスキューすることにより、等間隔の位相のピッチ
より小さな周期のトルクリップルをキャンセルすること
ができトルクリップルを低減することができる。
【0042】前記突極型の永久磁石同期モータにおい
て、バイパス磁路BPTをステータから分離できる構造
とすることにより、ステータの巻き線作業を行うときは
BPTをはずすことが可能となり、巻き線作業の容易
化、モータコストの低減が可能となる。
【0043】
【実施の形態】図1に本発明の実施形態を示す。3相、
6極、36スロットのリラクタンスモータである。前述
したように、図2の巻き線図に示す全節巻きの場合は、
各巻き線に3相正弦波電流を通電したと仮定して、各ス
ロットに流れる電流の各電流ベクトルを図3のように表
現することができ、隣り合うスロット間の電流ベクトル
の不連続性が大きいことが解る。
【0044】図4の巻き線図に示す短節巻きの場合は、
各電流ベクトルを図5のように表現することができ、隣
り合うスロット間の電流ベクトルの不連続性は図3に比
べかなり改善されている。前述したように、スロット2
の巻き線は、スロット1のU相巻き線の半分の巻き回数
の巻き線とスロット3のZ相巻き線の半分の巻き回数の
巻き線とが巻回されており、その合計の電流ベクトルの
振幅RSは、U/2とZ/2のベクトル和UZSであ
り、振幅RRに比較し、COS30°=0.866であ
る。電流ベクトルUZSの位相は適切であり、U相に比
較し電気角で30°の位相差である。
【0045】本発明では、スロット2の電流ベクトルを
振幅がRSのUZSから振幅がRRのUZへ変更するも
のである。具体的には、スロット2へ巻回されたU相巻
き線とV相巻き線の巻き回数をスロット1の巻き回数の
(0.5/COS30°)=0.57735倍の巻き数
にそれぞれ増加するものである。その結果、スロット2
の電流ベクトル振幅はRRとなり、スロット4,6,
8,10,12等にも同様の対応を行うことにより、1
2相の位相的には均一に分布したそして振幅の等しい電
流ベクトルでモータを駆動することになる。この状態
は、スロットがステータ円周上に離散的に配置されてい
ることを除けば、理想的なモータ駆動の状態であるとい
える。従って、トルクリップルはスロットピッチより大
きい周期の成分は存在しないことになる。
【0046】なお、振幅がRRの電流ベクトルUZを作
る方法は、U,V,W相の巻き線の各巻き数を選び組み
合わせることにより無限種類の組み合わせ方法が可能で
あり、本発明にはそれらも含むものである。最も簡単な
方法は前記のスロット2の巻き線をU,V相の2相から
作る方法である。当然のことながら、最も単純で、材料
コスト、組立コストが低い組み合わせ方法が有利であ
る。3相、4極、36スロットの場合は、後で図12,
図13で示すが、各巻き線回数の値が変わってくる。し
かし、各スロットの電流ベクトルの位相と振幅を適切に
するという考え方は同じである。また、どのような相
数、極数、スロット数でも、同様の方法で、大きさが同
じで位相が均一に分布した電流ベクトルは容易に作るこ
とができる。
【0047】また、各スロットへ巻き線を接続する結線
方法すなわち巻き順については、理解がし易いように、
規則的な巻き方を図2,図4で示したが、巻き順を変更
してもモータとしての作用はほとんど変わらないため、
変更が可能である。通常は、いわゆるコイルエンドが最
も短くでき、コイルエンド部の銅量が少なく、巻き線作
業の容易な方法が用いられることが多い。
【0048】なおこの手法は、同様のステータを構成す
る永久磁石型同期モータ、リラクタンスモータ、インダ
クションモータ等に共通して応用できる技術である。
【0049】次に、ステータの各スロットの総巻き回数
が異なる場合のより有効なスロット断面積について説明
する。図5の電流ベクトル図で説明したように、例え
ば、スロット1とスロット2とでは巻き回数が異なり、
さらには、スロット2の場合2つの相の巻き線が巻回さ
れることから相間絶縁を行うため絶縁材のスペースも余
分に必要となる。この対応として図1のリラクタンスモ
ータのスロット断面形状に示すように、破線で示す均一
なスロット断面形状に対して実線で示すスロット断面形
状のように、各スロットの断面積を必要な面積に応じて
変えることが有効である。
【0050】他の方法として、スロットの断面積は均一
にして、巻き回数の少ないスロットの巻き線径を大きく
し、ステータの発熱合計を低減する方法も実用的であ
る。
【0051】次に図4の巻き線図に示す短節巻きにおい
て、各スロットの電流ベクトルの振幅が異なる状態でト
ルクリップルを低減する他の方法を図6で示す。図5の
電流ベクトル図に示したように、電流ベクトルUZSの
振幅RSは電流ベクトルUの振幅RRに比較し、COS
30°=0.866である。図6に示す様に歯の間隔を
1:0.866=32.854°:27.845°にす
れば、その間の電流密度は等価的に均一になったことに
なる。このような方法で、各スロットの歯の間隔を変え
ることにより電流ベクトルの振幅の不均一さに起因する
トルクリップルを改善することができる。なお、図6で
は各歯の中心線の位置が解りやすいように図示したため
スロット1とスロットの2の断面積が異なるように図示
しているが、歯のステータ内周部にあたる位置は変えず
に歯の中央部の位置を変えて各スロットの断面積を均一
にすることは容易にできる。
【0052】次に、ステータのスロットピッチ以下の周
期のトルクリップルを低減する技術について説明する。
図7は永久磁石型の同期モータのロータ例である。図7
では、4極のロータであり、1はロータ軸、2はロータ
鉄心、PM1は角度PMの幅の永久磁石である。ステー
タは図示していないが、4極、36スロットのステータ
を想定している。各永久磁石の時計回転方向端のロータ
回転方向位置は、90°ごとに区切られた中心線に対し
てそれぞれ10°、12.5°、15°、17.5°の
位置に固定されている。各永久磁石のほぼ両端近傍に示
す破線は、第1象限の永久磁石PM1を第2,3,4象
限に配置したときの位置を示している。各象限の永久磁
石の位置は、2.5°づつロータ回転方向へシフトされ
ている。2.5°という量は36スロットを想定してい
るので(スロットピッチ)/(極数4)=2.5°であ
る。各永久磁石が関わって生成される各モータトルク成
分は、1/4スロットピッチづつシフトされているの
で、スロットピッチ周期のトルクリップル成分及び1/
2スロットピッチ周期のトルクリップル成分はキャンセ
ルされ、除去できている。また、スロットピッチより大
きい周期のトルクリップル成分は、前記のステータの巻
き線方法を改良する技術で除去できることが示されてお
り、1/2スロットピッチ周期以下のトルクリップル成
分はロータとステータとを1/2スロットピッチ以下の
角度でスキューすることにより除去できることが後に示
される。
【0053】次に図8に円筒状の永久磁石PM2を使用
した永久磁石型同期モータにおいて、図7のモータと同
様な効果が得られる方法について示す。それは図8に示
すように、永久磁石PM2のそれぞれの着磁境界を2.
5°,5°,7.5°とシフトする方法である。また他
の方法として、円筒状の永久磁石を使用して、磁極の境
界部に着磁されていない部分を作り、実質的に図7と等
価なロータを構成することもできる。
【0054】次に、図1に示すリラクタンスモータのロ
ータを拡大して図9に示す。1はロータ軸、3はロータ
軸近傍のロータ鋼板、4,5,6は磁束を通す磁路、2
5は空隙もしくは非磁性体、15,16は前記磁路4,
5,6を相互に固定しロータ鋼板3へ固定するつなぎ部
である。
【0055】60°ごとのロータ中心線が1点鎖線で示
されており、各ロータの磁極中心は前記中心線に対して
それぞれ0°,1.67°,3.33°,5°,6.6
7°,8.33°の位置にあり、(1ステータスロット
ピッチ/6極)=1.67°づつロータ回転方向にシフ
トしてある。各シフト角の配置は種々の組み合わせが可
能である。このような構成とすることにより、ロータ各
磁極とステータとの電磁気的作用は前記シフト角分づつ
ロータ回転方向にシフトされており、1ステータスロッ
トピッチ周期以下の周期のトルクリップルはキャンセル
されトルクリップルが低減する。具体的には、1スロッ
ト周期と1/3スロット周期のトルクリップルがキャン
セルされることは幾何学的に容易に理解できる。また、
スロットピッチより大きい周期のトルクリップル成分
は、前記のステータの巻き線方法を改良する技術で除去
できることが示されている。残りの1/3スロットピッ
チ周期以下の高調波のトルクリップル成分は、残った高
調波トルクリップル成分のうち、最も低次の高調波成分
の周期の角度だけロータとステータとを相対的にスキュ
ーすることにより除去できることが後に示される。
【0056】前記のロータ磁極位置をシフトする手法
は、それ自身でトルクリップルを低減する効果がある
が、さらに高調波のトルクリップルを除去しようとする
ときにスキューの角度を(ステータスロット周期/2)
以下の角度に小さくできるためスキューの問題点を軽減
できるという効果もある。特に図1,図18に示すリラ
クタンスモータにおいては、スキューをしてもロータ内
の磁束がロータ軸方向にも存在するようになり、スキュ
ー角度以下の周期のトルクリップル成分を低減できるが
十分に除去できないことが実験で確認されている。その
意味で、スロット周期に近いトルクリップル成分を前記
磁極シフトの手法で除去し、ごく高調波のトルクリップ
ル成分だけをスキューで除去することに意味がある。ま
た、本来、モータ用電磁鋼板は渦電流損を低減するた
め、通常0.5mmの厚みで表面は電気絶縁膜が施され
ており、ラジアル方向及びロータ回転方向の磁束変化に
対しては渦電流損が発生しにくい構造となっており、ロ
ータ軸方向に磁束が変化するとロータ及びステータで渦
電流損が増加するという問題がある。その意味ではスキ
ューはできるだけ小さい角度の方が望ましい。
【0057】特に、ロータの形状と特性の関係が複雑
で、現在でも十分に設計理論が確立していないリラクタ
ンスモータにおいては、ロータ外形及びロータ内部の形
状に関係されないトルクリップル低減手法を確立するこ
とは重要である。例えば、図18に示すリラクタンスモ
ータのロータは、ロータ外形をほぼ円形形状とし、ロー
タ内部形状のパターンもロータ磁極の磁束分布ができる
だけロータ回転方向に滑らかに変化し、かつ、正弦波的
な分布になるように作られている。そうすることにより
トルクリップルが比較的小さなモータが実現している。
また、ロータ内部のパターン、すなわち、細い磁路14
間の空隙はより微細なパターンにした方がトルクリップ
ルが低減できることが実験的に確認されている。
【0058】図18のリラクタンスモータの問題点は、
ロータ内部のパターンを微細化したロータをエッチング
技術あるいはワイヤ放電加工機などで製作可能であるが
低コストで量産するために金型を使用したプレス加工で
生産する必要があり図18に示す程度の粗い内部パター
ンではトルクリップルを十分に小さくできないという問
題、ロータの磁極の境界部近傍にも磁性体が存在するた
めに磁極境界部近傍からステータ側へ意図しない磁束が
存在してしまい出力トルクが低減する問題、同様に力率
及び効率が低くなる問題、同様に高速回転域での界磁弱
め制御による定パワー制御の特性が低下する問題等があ
る。これらの種々問題を解決するためロータ形状を変え
るとトルクリップルが増加するというトレードオフの関
係になっていた。
【0059】本発明のトルクリップル低減手法を適用し
た図1,図9のリラクタンスモータにおいては、ロータ
の外形形状は円形ではなくロータの磁極境界部に磁束が
存在しにくいように凹部を作り磁極の境界部近傍にロー
タ中心からステータの方向へ磁束が存在しにくい形状と
している。ロータ内部形状も磁路4,5,6の間の空隙
25の幅を極力広くし、磁路4,5,6の方向と直角の
方向への磁束の成分が極力小さくなる構造としている。
また、金型を用いてプレス機で低コストに量産できるよ
うにロータ内部形状は十分金型が製作可能な粗い形状と
している。
【0060】従来技術ではこのようなロータ形状とする
と大きなトルクリップルが発生していたが、本発明技術
を適用した図1のモデルは有限要素法を用いたコンピュ
ータシミュレーション評価によりトルクリップルが従来
の1/2から1/20に低減できることを確認した。図
18の従来リラクタンスモータに比較しても1/3以下
のトルクリップルであることを確認した。
【0061】図9のロータ形状をさらに図10のロータ
8の形状に変形しても、コンピュータシミュレーション
の計算誤差程度のごく小さなトルクリップルに押さえら
れることを確認した。図10のリラクタンスモータは図
9に比較しさらに空隙部を広くして、トルクリップル以
外のモータ特性の改善を図っている。
【0062】本発明技術により、極端な特殊なロータ形
状でない限りほとんどの形状のロータでもトルクリップ
ルをほとんど零にすることができると考えられる。従っ
て、目的に応じた、より自由度の高いモータ設計が可能
となる。
【0063】次に、3相、4極、36スロットの場合の
本発明の実施形態について示す。図11は、3相、4
極、36スロットのリラクタンスモータの断面図であ
り、9はそのロータである。図12はその巻き線図であ
り、36スロットの内18スロット分を実線で示してい
る。破線で示す巻き線は残りの18スロット分の巻き線
の一部である。また、U,V、W相の巻き線はそれぞれ
36スロット分が直列に巻回され、それぞれの各端X、
Y、Zが結線され中性点Nとしスター結線するが、図1
2では18スロット分の端を中性点Nとして示してい
る。また本発明は、デルタ結線、並列巻きなどにも適用
できるものである。
【0064】図13に、本発明を適用した電流ベクトル
図を示す。これは各3相巻き線へ3相正弦波電流を通電
したと仮定した場合に、各スロットの電流をベクトルと
して表現したものであり、それぞれ電気角で表してい
る。スロット1,7,13へはU,V,W相の3相正弦
波電流が通電され、スロット10,16,4へはU,
V,W相とは逆向きの電流であるX,Y,Z相の電流が
通電される。その他のスロットへはU,V,W,X,
Y,Z相の内、位相の近い2相の巻き線を適切な巻き数
だけそれぞれに巻回することにより、2つの位相の電流
が流され合成された電流が通電される。
【0065】スロット2の電流ベクトルUZはスロット
1の電流ベクトルと大きさが同じで位相が20°異なる
ようにU相巻き線とZ相巻き線の巻き回数を選べば良い
ことになる。Z相はU相に対して60°の位相差を持っ
ているので、U相成分である電流ベクトルUGの大きさ
は(COS20°−SIN20°/TAN60°)=
0.7422となり、Z相成分である電流ベクトルZS
の大きさは(SIN20°/SIN60°)=0.39
49と計算することができる。この結果、スロット2へ
巻回する巻き線は、U相巻き線をスロット1のU相巻き
線の巻き回数に比較し0.7422倍の巻き回数と、Z
相の巻き線を0.3949倍の巻き回数だけ巻回すれば
UZ相の電流ベクトルを作ることができる。スロット3
はスロット2に対してU相とZ相の関係が逆になってい
るので、U相巻き線をスロット1のU相巻き線の巻き回
数に比較し0.3949倍の巻き回数と、Z相の巻き線
を0.7422倍の巻き回数だけ巻回すれば、電流ベク
トルUSと電流ベクトルZGの合成としてZU相の電流
ベクトルを作ることができる。スロット5,6,8,9
等の巻き線の相及び巻き回数も同様に求めることができ
る。なお、前にも記述したように、各スロットの電流ベ
クトルは図13で示した電流ベクトルの合成方法以外
に、U,V,W,X,Y,Z相の組み合わせで無限数の
合成方法があり、どの合成方法でも良い。図13で示し
た電流ベクトルの合成方法は、最も簡単な合成方法であ
る。
【0066】次に、ステータの構造を工夫してトルクリ
ップルを低減する方法について示す。図14は3相、6
極、36スロットの例である。この例では、6個のスロ
ットと歯を一つの機能単位として考えその角度PPAで
表している。スロット1から6までで構成される機能単
位を基準に考え、各機能単位の時計回転方向CWの間隔
をそれぞれSSA1,SSA2,SSA3、SSA4,
SSA5、SSA6とする。図14のステータの基本的
な構成方法は、スロット3を含む各機能単位の中心線を
BASELとすると、時計回転方向CWの各機能単位の
中心位置が、各60度に分割された中心線に対して、時
計回転方向CWにそれぞれ1/6スロットピッチ、2/
6スロットピッチ、3/6スロットピッチ、4/6スロ
ットピッチ、5/6スロットピッチだけシフトされてい
るステータの構成方法である。このような構成となって
いる場合は、ロータが6極の対称構造であるとすると、
ステータの各機能単位とロータとの間の電磁気的作用は
それぞれに1/6スリットピッチだけ回転方向にシフト
された作用をすることになり、1スロットピッチ以下の
周期のトルクリップルが低減される結果となる。これは
前記のロータ各磁極位置をシフトする方法と類似の作
用、効果でもある。
【0067】図14について具体的な各角度の例を計算
してみる。1例としてSSA6=0と仮定する。スロッ
ト3を含む機能単位に対してスロット33を含む機能単
位は5/6スロットピッチだけ時計回転方向CWへシフ
トされていることから PPA=(60°−5/6スロットピッチ) となる。それぞれの機能単位はそれぞれ1/6スロット
ピッチ、2/6スロットピッチ、3/6スロットピッ
チ、4/6スロットピッチ、5/6スロットピッチだけ
シフトされていることから、 360°=6×PPA+6×(スロットピッチ/6+PX) =360°−4×スロットピッチ+6×PX ∴ PX=2/3×スロットピッチ となる。
【0068】ステータ全周360°が何スロットピッチ
に相当するかを考えると、6×PPAの間に36スロッ
トピッチあり、6×(スロットピッチ/6+PX)=5
×スロットピッチなので、合計41スロットピッチとな
る。従って、整理すると、 1スロットピッチ=360°/41 SSA1=5/6×スロットピッチ =SSA2=SSA3=SSA4=SSA5 SSA6=0 PPA=(60°−5/6スロットピッチ) となる。なお、初期値としたSSA6もしくはPXの選
び方には自由度があり、前記計算で示した値とは異なる
それぞれの値もとることができる。
【0069】また、図14の各スロットの巻き回数は、
本発明の各スロットの電流ベクトルの位相と大きさを適
切に選択する前記手法が適用可能である。
【0070】次に、図9に示したリラクタンスモータの
ロータにおけるスキューの効果について説明する。図1
5は、図9の各ロータの磁極中心のシフト量がそれぞれ
0°,1.67°,3.33°,5°,6.67°,
8.33°の位置にある円周上の各磁極中心線を部分的
に取り出して横軸に並べ、1/6スロットピッチだけス
キューした図である。それぞれの磁極が1/6スロット
ピッチだけシフトされ、さらに、1/6スロットピッチ
だけスキューされた結果、図15より明らかなようにロ
ータの全周を合計すると、幾何学的には1スロットピッ
チだけスキューした関係になっている。従って、1スロ
ットピッチ以下のトルクリップル成分はほぼ完全に除去
されることになる。実際には、1/6スロットピッチだ
けしかスキューしていないので、スキュー角が大きいと
ロータ軸方向の磁束成分が現れるという弊害もなく、良
好なトルクリップルの除去が可能である。
【0071】次に、1スロットピッチ周期以下のトルク
リップルを除去する他の方法について説明する。それ
は、ロータ内部構成の離散的である離散ピッチとステー
タのスロットピッチとが整数倍とならない構成すなわち
バーニアの関係とする方法である。例として、図10の
ステータスロットとロータの表面近傍の分割された磁路
の関係では、3スロットピッチの間に5個の分割された
磁路が配置される関係になっていることが解る。このバ
ーニアの方法だけでは十分にトルクリップルを低減する
ことはできないが、特に高い高調波成分を除去する効果
があるため、各スロットの電流ベクトルの位相と大きさ
を適切に選択する前記手法とロータのそれぞれの磁極位
置をロータ回転方向にシフトする前記手法とを併用すれ
ばほとんどのトルクリップルを除去することが可能とな
る。
【0072】次に突極型のステータの歯と巻き線を持つ
永久磁石型同期モータを図16に示す。これは、3相、
8極のモータである。ロータ21には永久磁石20が取
り付けられ、8極の磁極が規則正しく対称形に作られて
いる。ロータの構造については永久磁石をロータ内部に
配置した構造、永久磁石の代わりに励磁巻き線を施した
電磁石界磁でも同様の動作が可能である。ステータ22
には6個の歯STU,STV,STW,STUZ,ST
VX、STWYが配置されている。歯STU,STV,
STWの位置関係は、機械角で120°づつの間隔で、
電気角でも8極のロータに対して120°づつの間隔で
あり、ロータが時計回転方向CWへ回転するときそれら
の位相の順は歯STU,STV,STWの順である。歯
STUZは、歯STUより機械角で187.5°時計回
転方向CWに位置し、モータとしての作用的には電気角
で7.5°×4=30°時計回転方向CWに位置してい
る。歯STUZ,STVX、STWYの相対的関係は機
械角で120°の関係に位置している。歯STU,ST
V,STWにはそれぞれU,V,W相の巻き線である巻
き線MU,MV,MWが単独で巻回されている。歯ST
UZには、U相の巻き線である巻き線MUMとW相の逆
相でありZ相の巻き線である巻き線MZMが巻回されて
いる。歯STVXには同様に、V相の巻き線である巻き
線MUMとU相の逆相でありX相の巻き線である巻き線
MXMが巻回されている。歯STWXには同様に、W相
の巻き線である巻き線MWMとV相の逆相でありY相の
巻き線である巻き線MYMが巻回されている。また、各
歯のロータ回転方向幅は、ロータの1磁極ピッチとほぼ
同じ幅である。各歯の間にはバイパス磁路BPTが配置
され、ロータが生成する磁束の内歯と歯の間に位置する
ロータ部分の磁束をバイパス磁路BPTを通過させてス
テータのヨーク部へ導いている。もしバイパス磁路BP
Tがなければ、それらの磁束は一部が各歯に通るなど有
害な作用を及ぼし、モータ出力トルクが低減するなどの
弊害を及ぼす。
【0073】図16のモータにU,V,W相の3相正弦
波電流を通電する場合、各歯とその巻き線の電流の作用
は、図5の電流ベクトルと同様の作用となる。歯ST
U,STV,STWとそれらの巻き線は、図5のU,
V,Wの電流ベクトルに相当し、歯STUZ,STV
X、STWYとそれらの巻き線は、図5のUZ,VX,
WYの電流ベクトルに相当する。ただし、図5でそうで
あったように、巻き線MUM,MZM,MVM,MX
M、MWM,MYMの巻き回数は巻き線MUMの巻き回
数の0.57735倍の巻き回数である必要がある。こ
の結果、図16のモータの作用は6相の正弦波電流制御
がなされているかのように作用し、電気角で30°周
期、機械角で7.5°周期より大きい周期のトルクリッ
プル成分は除去され、存在しない構造となっている。
【0074】図16の突極構造の永久磁石電動機は各歯
に作用する電流ベクトルが、モータの作用として、位相
と振幅が均一に作用する構成を実現した例であり、その
趣旨で種々の変形が可能である。例えば、図13の電流
ベクトル図を実現するように歯の数を増加する、2相と
3相を混在させる、4相以上の多相交流のモータとする
などの方法及びそれらの組み合わせなどである。
【0075】次に、図16のモータにおいて、機械角で
7.5°,電気角で30°以下の周期のトルクリップル
を低減する方法について説明する。一つの方法は、ステ
ータとロータを相対的に機械角で7.5°だけスキュー
する方法である。このスキューにより機械角で7.5°
以下の周期のトルクリップルをほとんど除去できること
になる。前記手法の効果と併せて、図16のモータのト
ルクリップルはほとんど除去できたことになる。
【0076】なお、スキュー角が大きいと出力トルクが
減少するという弊害があるので、その意味では図13の
ベクトル図で示すように歯の数を多くして、スキュー角
が小さくて済むような構成の方がモータの効率がよい。
反面、モータ構造が少し複雑になるという欠点もある。
【0077】その他のトルクリップルを低減する方法と
して、図16に示すモータを軸方向に2分割し相対的に
機械角で3.75°だけロータ回転方向にシフトする方
法、あるいは3分割して2.5度づつシフトする方法も
ある。他の方法として、ロータ表面のロータ回転方向磁
束分布が正弦波状に分布するようにロータ磁極構造を工
夫する方法もある。
【0078】次に図16の永久磁石モータの製作上の構
成について説明する。図16ではモータとして電磁気的
に必要な構成だけを示しているが、ステータの鉄心を分
割して各巻き線の巻き線作業が容易になるような工夫な
どが可能である。その1例として、各バイパス磁路BP
Tを実線と破線23で示すような形状としておき、ステ
ータ22から分離しておくことにより隣り合う歯と歯の
間のスペースを広くし、巻き線機で各巻き線を巻回し、
その後に各バイパス磁路BPTを装着する。固定部材2
4はバイパス磁路BPTの固定強度が不足する場合、隣
接する歯と接合し補強するもので、非磁性体である方が
好ましい。
【0079】通常、巻き線作業時は、歯と歯との間のス
ペースに巻き線機の巻き線を導く電線ガイド棒が通され
るので、歯と歯の間のスペースを広くとることにより、
高速の巻き線作業を行うことが可能となり、また、作業
上の自由度が増すためより正確な巻き線作業による高密
度な巻き線が可能となる。
【0080】本発明について、いくつかの例を示して説
明したが、モータの相数、極数、スロット数等を変えた
変形、応用、組み合わせなどが可能である。モータを直
線上に展開して、リニアモータへの応用も可能であり、
それらも本発明に含むものである。
【0081】
【発明の効果】本発明により、モータの種々周期のトル
クリップルをそれぞれの手法、あるいはそれらの組み合
わせで低減することができるため、精密な制御の実現、
振動、騒音の低減が可能となる。また、モータ設計は各
種性能の改善がトルクリップル増大とのトレードオフ関
係になっていることが多く、その意味では、ロータ内部
構造に関わりのないトルクリップル低減技術が確立され
ることによりモータの設計自由度が大幅に向上し、モー
タ性能の向上が実現するという効果もある。なお、本発
明の対象となるモータは永久磁石型の同期モータ、リラ
クタンスモータ、インダクションモータなどほとんどの
種類のモータである。
【0082】また、突極型の永久磁石型同期モータにお
いては、バイパス磁路BPTを巻き線作業後に取り付け
可能とすることにより、その生産性の向上、巻き線の高
密度化による出力トルクの向上もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のリラクタンスモータの断面図であ
る。
【図2】 図1のモータの全節巻きの巻き線図である。
【図3】 図2の巻き線を行ったときの電流ベクトル図
である。
【図4】 図1のモータの短節巻きの巻き線図である。
【図5】 図4の巻き線を行ったときの電流ベクトル図
である。
【図6】 電流ベクトルとスロット幅との関係を示す図
である。
【図7】 本発明の永久磁石型モータのロータである。
【図8】 本発明の永久磁石型モータのロータである。
【図9】 図1のモータのロータの拡大説明図である。
【図10】 本発明のリラクタンスモータの断面図であ
る。
【図11】 リラクタンスモータの断面図である。
【図12】 図11のモータの巻き線図である。
【図13】 図12の巻き線図に基づく本発明の電流ベ
クトル図である。
【図14】 本発明のステータ断面図である。
【図15】 ロータの磁極シフト技術とスキューの関係
を示す図である。
【図16】 本発明の突極構造の永久磁石型同期モータ
の断面図である。
【図17】 従来の永久磁石型モータの断面図である。
【図18】 従来のリラクタンスモータの断面図であ
る。
【図19】 従来のインダクションモータの断面図であ
る。
【図20】 従来の突極構造の永久磁石型同期モータの
断面図である。
【符号の説明】
1 ロータ軸、3 ロータ鋼板、4,5,6 磁路、7
ステータ。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステータに巻き線を配設する複数のスロッ
    トが円周上に配置される多相の交流モータにおいて、 前記多相の正弦波電流が通電されるとき、ステータの各
    スロット内の巻き回数と通電電流の積、すなわちアンペ
    ア・ターン数で表される電流ベクトルの位相と振幅が、
    それぞれのスロットを基準にして見た時にほぼ等しくな
    るように、各スロットに各相の巻き線が巻回されている
    ことを特徴とするトルクリップルを低減したモータ。
  2. 【請求項2】ステータの各歯のロータ回転方向の位置
    は、ステータの内周に均一に配置し、 各スロットの断面積が、各スロットの巻き線の量にほぼ
    比例するような面積関係となるスロット、 を備えることを特徴とする請求項1項記載のトルクリッ
    プルを低減したモータ。
  3. 【請求項3】ステータに巻き線を配設する複数のスロッ
    トが円周上に配置される多相の交流モータにおいて、 ステータのそれぞれの歯の間隔が各スロット内に配設さ
    れている巻き線が作り出す電流ベクトルの大きさ、すな
    わち電流最大値にほぼ比例していることを特徴とするト
    ルクリップルを低減したモータ。
  4. 【請求項4】ロータに複数の磁極を持ち、その各磁極の
    ロータ回転方向位置が等間隔である位置に対してステー
    タの1スロットピッチのNN/NR(ここでNNは各磁
    極ごとにきめる整数であり、そのロータの全磁極の中に
    は2種類以上の整数があり、NRはロータの磁極をロー
    タ回転方向にシフトする種類を表しそのロータに固有の
    1種類の整数である)だけロータ回転方向にシフトした
    構造のロータ、 を備えることを特徴とする請求項1項記載のトルクリッ
    プルを低減したモータ。
  5. 【請求項5】ロータとステータを相対的に(スロットピ
    ッチ/2)以下の角度でロータ回転方向にスキューする
    かあるいはロータ軸方向に2組以上に分割し相対的にロ
    ータ回転方向にずらしてスキューと同等の効果を得る構
    造であることを特徴とする請求項4項記載のトルクリッ
    プルを低減したモータ。
  6. 【請求項6】ロータの各磁極の内部構成が電磁気的に離
    散的な構成であるモータにおいて、 ロータ内部構成の離散的である離散ピッチとステータの
    スロットピッチとが整数倍とならない構成すなわちバー
    ニアの関係となっていることを特徴とする請求項4項記
    載のトルクリップルを低減したモータ。
  7. 【請求項7】ロータ外周にN極あるいはS極がロータ回
    転方向にほぼ連続して配置されている永久磁石型の同期
    電動機において、 N極磁極とS極磁極との境界位置がロータ回転方向に等
    間隔である位置に対してステータの1スロットピッチの
    NN/NRだけロータ回転方向にシフトした構造のロー
    タ、 を備えることを特徴とする請求項4項又は5項記載のト
    ルクリップルを低減したモータ。
  8. 【請求項8】ステータに巻き線を配設する複数のスロッ
    トが円周上に配置される多相の交流モータにおいて、 ステータの磁極数をNPPとすると、ステータをロータ
    回転方向にNPP以下の数NPP1に機能的に分割し、
    分割されたステータの機能ブロックがロータ回転方向位
    置に等間隔である位置に対してステータの1スロットピ
    ッチのNPP2/NPP1(ここでNPP2は整数であ
    る)だけロータ回転方向にシフトした構造のステータ、 を備えることを特徴とするトルクリップルを低減したモ
    ータ。
  9. 【請求項9】ステータの一つの巻き線は一つの歯に巻回
    するような突極構造のステータを持つNB相の永久磁石
    型同期モータにおいて、 (NB+2)個以上のステータの歯を備え、 2個以上のステータの歯にはそれぞれ2種類以上の相の
    巻き線が巻回された合成巻き線を備えていることを特徴
    とするトルクリップルを低減したモータ。
  10. 【請求項10】ステータの各歯のロータ回転方向位置
    は、ステータの円周上に電気角で(NB+2)個以上の
    種類の位相の位置AEに配置され、 ステータの各歯に巻かれた巻き線の全電流合計をそれぞ
    れの歯の電流ベクトルとして表したとき各歯の電流ベク
    トルの大きさがほぼ等しく、 前記電流ベクトルの方向は、各歯が配置されたロータ回
    転方向位置の電気角的位相にほぼ一致していることを特
    徴とする請求項9項記載のトルクリップルを低減したモ
    ータ。
  11. 【請求項11】ステータの歯のロータ回転方向位置が電
    気角でAEとすると、各歯の電気角AEもしくは(AE
    −180°)がそれぞれ0°から180°の間に整数N
    SKに等分に配置され、 ロータとステータとが相対的にほぼ(180°/NS
    K)の角度もしくはその整数倍の角度だけスキューして
    いることを特徴とする請求項9項記載のトルクリップル
    を低減したモータ。
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