JPH11318455A - ヒト癌退縮抗原タンパク質 - Google Patents
ヒト癌退縮抗原タンパク質Info
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- JPH11318455A JPH11318455A JP10126398A JP12639898A JPH11318455A JP H11318455 A JPH11318455 A JP H11318455A JP 10126398 A JP10126398 A JP 10126398A JP 12639898 A JP12639898 A JP 12639898A JP H11318455 A JPH11318455 A JP H11318455A
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Abstract
も多くの患者に応用でき、又は腫瘍の治療や診断を補完
しつつ各種腫瘍に応用できる癌療法の一助となる腫瘍抗
原タンパク質、腫瘍抗原ペプチド等を提供すること。 【解決手段】タンパク質の一部がMHCクラスI抗原と
結合してT細胞により認識される腫瘍抗原タンパク質を
コードするポリヌクレオチド分子、該ポリヌクレオチド
分子によりコードされる腫瘍抗原タンパク質、該ポリヌ
クレオチド分子の一部からなるオリゴヌクレオチド分
子、該オリゴヌクレオチド分子によりコードされる腫瘍
抗原ペプチド、該ポリヌクレオチド分子の塩基配列と相
補的な配列からなるオリゴヌクレオチド分子、該腫瘍抗
原タンパク質又はペプチドを含有する医薬、該腫瘍抗原
タンパク質又はペプチドに対する抗体、該ポリ又はオリ
ゴヌクレオチド分子を含有する医薬、該ポリ又はオリゴ
ヌクレオチド分子を有するプラスミド並びに該プラスミ
ドを含む形質転換体。
Description
しくは癌または自己免疫疾患を処置する方法、さらに詳
しくは細胞傷害性T細胞によって攻撃を受けて退縮する
癌退縮抗原およびそれを利用する免疫療法等に関する。
細胞が重要な役割を果たしていることが知られている。
実際、ヒトの腫瘍局所には腫瘍細胞に対して傷害活性を
示すリンパ球の浸潤が認められ(Arch.Surg.126:200-20
5,1990)、メラノーマから自己の腫瘍細胞を認識する細
胞傷害性T細胞(CTL)が分離されている(Immunol.T
oday 8:385、1987、J.Immunol.138:989,1987、Int.J.Ca
ncer 52:52-59 、1992等) 。また、T細胞移入によるメ
ラノーマ治療の臨床結果も腫瘍排除によるT細胞の重要
性を示唆している(J.Natl.Cancer.Inst.86:1159,1994)
。
抗原ペプチドが主要組織適合遺伝子複合体(MHC)ク
ラスI抗原に結合した複合体をT細胞受容体(TCR)
を用いて認識し、自己の腫瘍細胞を攻撃している。この
腫瘍抗原ペプチドは、腫瘍抗原(タンパク質)が細胞内
で合成された後、プロテオソームによって細胞質内でペ
プチドに分解されることによって生成される。一方、M
HCクラスI抗原は、上記の腫瘍抗原ペプチドと結合
し、シスゴルジを経て成熟側のトランスゴルジへと移動
し細胞表面に発現する(臨床免疫27(9):1034-1042 、19
95)。
提示され、宿主T細胞の標的分子となる腫瘍抗原タンパ
ク質が1991年にT.Boonにより同定された(Science254:16
43-1647,1991) 。この抗原は、この抗原を発現する癌細
胞がCTLによって攻撃を受け退縮することから癌退縮
抗原と呼ばれ、また、メラノーマ細胞から同定されたこ
とよりMelanoma antigen(MAGE)と名付けられてい
る。その後、CTLにより認識される腫瘍抗原タンパク
質がメラノーマ細胞などから相次いで同定された。今ま
でに同定された腫瘍抗原タンパク質はその由来、構造
(変異の有無)や発現様式により以下の4つのカテゴリ
ーに分類される(T.Boon et al.,J.Exp.Med.183:725-72
9,1996):
ic Shared Antigens) ここに分類される抗原は正常組織では睾丸と胎盤でのみ
発現され、腫瘍組織ではメラノーマ、頭頚部癌、非小細
胞性肺癌、膀胱癌など各種の癌に広範に発現が認められ
る一群のタンパク質である。このカテゴリーの腫瘍抗原
タンパク質としては、上記のMAGE、その12種類以
上の類似するファミリーを形成するタンパク質群(J.Ex
p.Med.178:489-495,1993)、BAGE(Immunity 2:167-
175、1995)およびGAGE(J.Exp.Med.182:689-698,19
95)があり、いづれもメラノーマ細胞から同定されてい
る。また最近、メラノーマに限って広範に発現されるN
A17−Aが報告された。それは、N−アセチルグルコ
サミニルトランスフェラーゼV遺伝子のイントロンに相
当する部分が翻訳され、HLA−A2拘束性に抗原ペプ
チド(VLPOVFIRC)が癌退縮抗原として発現
し、CTLにより認識される。
s ) ここに分類される腫瘍抗原タンパク質は、正常組織では
メラノサイトで発現しており、腫瘍組織ではメラノーマ
でのみ発現が認められる一群のタンパク質である。これ
らの組織特異的なタンパク質は腫瘍細胞のメラノーマに
強度に発現しているが、他の組織型の癌(腺癌や扁平上
皮癌)には認められないことから、メラノーマに特異的
な腫瘍抗原タンパク質と考えられる。このカテゴリーの
腫瘍抗原タンパク質としては、チロシナーゼ(J.Exp.Me
d.178:489-495,1993)、MART−1(Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 91: 3515, 1994)、gp100(J.Exp.Med. 17
9: 1005-1009, 1994) ,gp75(J.Exp.Med. 181: 799
-352, 1995)があり、これらの遺伝子はいづれもメラノ
ーマ細胞からクローニングされている。なお、他にMela
n-A (J.Exp.Med. 180: 35, 1994)が同定されたが、後
にMART−1と同一の分子であることが判明した。ま
た、ここに分類される抗原は正常のメラノサイトにも発
現していることから、メラノサイト破壊性自己免疫疾患
での標的分子としての可能性が存在する。特にMART
−1/melan-Aはvon −小柳−原田氏病における標的分
子と考えられる(S.Sugita, et al., Int.Immunol.8:79
9-803,1996)。gp100はそれを発現するメラノーマ
が免疫療法に高い感受性を示すので、in vivoでの癌退
縮抗原として作用している可能性がある。このカテゴリ
ーの腫瘍抗原タンパク質は、メラノーマ以外の腫瘍では
発現していないため、他の腫瘍に応用することはできな
い。
ns Specific for Individual Tumors ) この領域に分類される腫瘍抗原タンパク質は、正常細胞
が癌化する過程でおこる遺伝子変化に伴う癌特有の新し
い抗原である。遺伝子変化としては点突然変異(point
mutation、変異CDK4抗原、変異β−Catenin 抗原、
MUM−抗原)、alterative open reading frame
(変異gp75抗原)がこれまでに知られている。した
がって、このような抗原は癌に特異的であり特異免疫の
成立が容易に成立するものと考えられる。しかしなが
ら、一方で各々の遺伝子変化は個々の腫瘍もしくは個々
の腫瘍細胞に限って発現していることが殆どである。し
たがって発現頻度はきわめて低く、癌治療を目的とした
ワクチン分子として臨床応用され難いという欠点を有す
る。
される(ubiquitous)抗原がCTLの癌認識分子になっ
ているケースとしては、p15が知られている。p15
分子はHLA−A24結合性ペプチドを有する。p15
は正常細胞に比して癌細胞により強く発現されている。
その観点からは、腺癌等に強発現している癌遺伝子タン
パク質であるHER−2/neu抗原も同類として分類
される。即ち、HER−2/neuはHLA−A2結合
性ペプチドを有し、癌退縮抗原として宿主キラーT細胞
により認識される。ここに分類される抗原を腫瘍抗原タ
ンパク質とした場合、普遍的に発現しているために広範
な癌に応用可能と考えられるが、疾病特異性に乏しいた
め、正常組織に障害を与える可能性があり、またCTL
誘導が困難である可能性(トランスのため)が考えられ
る。
−1抗原特異的CTLが同抗原由来ペプチドSTAPP
AHGVをHLA−A11拘束性に認識すると報告さ
れ、またMAGE−3ペプチドを用いての臨床試験の初
期成績が報告された(M.Marchand,et al., Int.J.Cance
r 63:883-885,1995 )。これらは、癌退縮抗原を用いて
の癌ワクチン開発の可能性を示唆している。
はHER−2/neuを除き、その殆どがメラノーマか
ら発見されており、発病頻度の高い扁平上皮癌や腺癌で
は全く報告されていない。しかし、我々は最近、食道扁
平上皮癌よりHLA2601拘束性の癌抗原ペプチドが
存在し宿主CTLによって認識されることを報告した
(M.Nakao, et al., Cancer Res. 55:4248-4252,199
5)。したがって、扁平上皮癌にも同様の抗原ペプチド
をコードする腫瘍抗原タンパク質の存在することが示唆
される。扁平上皮癌は、ヒトの癌で最も多く認められる
癌のひとつであり、特に食道癌や肺癌での扁平上皮癌は
現在の化学療法や放射線療法に比較的抵抗性を示すこと
が知られている。その点からも腫瘍抗原ペプチド等を用
いた特異的免疫療法の開発が期待される。
上皮癌等の幅広い腫瘍に応用でき、または応用可能な腫
瘍が限られていてもその腫瘍の患者のうち多くの人に応
用でき、またはその腫瘍の治療や診断を補完しつつ各種
腫瘍に応用できる癌療法の一助となる腫瘍抗原タンパク
質、腫瘍抗原ペプチド等を提供することにある。また、
腫瘍において高発現している腫瘍抗原タンパク質は、一
方で、正常組織にも発現しその腫瘍抗原タンパク質に由
来する免疫反応が過剰に起こることで、自己免疫疾患を
引き起こしているとも考えられている。例えば、化学療
法剤とIL−2を併用してメラノーマの治療を行った場
合、白斑症状の出現が認められるとの報告がある(J.Cli
n.Oncol.10:1338-1343,1992)。これは、メラノーマに出
現する腫瘍抗原タンパク質の断片ペプチドとMHC複合
体に対してCTLまたは抗体が誘導、産生され、正常組
織である皮膚組織に作用することで自己免疫疾患様の症
状である白斑症状が出現したためと考えられる。腫瘍抗
原タンパク質に由来する特異的免疫が過剰に惹起される
ことにより自己免疫疾患が発症した場合には、腫瘍抗原
タンパク質をコードする遺伝子の発現を妨ぐアンチセン
スDNA や腫瘍抗原ペプチドのアンタゴニストなどを用い
て、免疫反応を特異的にブロックする治療法が期待され
る。
瘍細胞、特に扁平上皮癌等の治療や診断に幅広く応用で
きる腫瘍抗原タンパク質またはその対応する腫瘍抗原ペ
プチド等を得るために、扁平上皮癌からの腫瘍抗原タン
パク質の同定を試みた。本発明者らは食道癌患者の末梢
血リンパ球からリンパ球腫瘍混合培養法により、HLA-A2
402 拘束性の腫瘍抗原ペプチドを認識するCTL(KE-4-
CTL)を樹立した。このCTLはHLA-A2402 陽性の食道癌
細胞株KE-4を強く障害する。そこで、サル腎細胞株COS7
細胞に、KE-4癌細胞株から作製したcDNAライブラリーの
組換えプラスミドとHLA-A2402 cDNAの組換えプラスミド
を同時にトランスフェクトし、そのトランスフェクタン
トにKE-4-CTL細胞を作用させ、KE-4-CTL細胞が活性化さ
れたか否かをIFN-γの産生量で測定しスクリーニングし
た。その結果、メラノーマ以外の腫瘍細胞KE-4から本発
明の腫瘍抗原タンパク質をコードする遺伝子をクローニ
ングすることに成功した。
のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド分子、
(2)配列番号:1のアミノ酸配列において、1もしく
は複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入または付加され
たタンパク質をコードするポリヌクレオチド分子、
(3)配列番号:1の塩基配列からなるポリヌクレオチ
ド分子、(4)配列番号:1の塩基配列において、1も
しくは複数個の塩基が置換、欠失、挿入または付加され
たポリヌクレオチド分子、および(5)前記(1)〜
(4)のいずれかのポリヌクレオチド分子にストリンジ
ェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド
分子からなる群より選択されるポリヌクレオチド分子で
あって、該ポリヌクレオチド分子がコードするタンパク
質の一部からなるペプチドが主要組織適合遺伝子複合体
(MHC)クラスI抗原と結合してT細胞により認識さ
れる腫瘍抗原ペプチドであるポリヌクレオチド分子;本
発明のポリヌクレオチド分子によりコードされる腫瘍抗
原タンパク質;本発明の腫瘍抗原タンパク質の部分ペプ
チドであってMHCクラスI抗原と結合してT細胞によ
り認識される腫瘍抗原ペプチドまたはその誘導体;本発
明の腫瘍抗原タンパク質または腫瘍抗原ペプチドもしく
はその誘導体を含有する医薬;本発明の腫瘍抗原タンパ
ク質または腫瘍抗原ペプチドもしくはその誘導体に対す
る抗体;本発明の腫瘍抗原ペプチドまたはその誘導体を
コードするオリゴヌクレオチド分子、好ましくは腫瘍抗
原タンパク質をコードしている塩基配列が配列番号:1
の塩基配列である該オリゴヌクレオチド分子;配列番
号:1の腫瘍抗原タンパク質をコードするポリヌクレオ
チド分子のコーディング配列またはその5' ノンコーデ
ィング配列中の塩基配列と相補的な配列からなるオリゴ
ヌクレオチド分子またはその化学的修飾体;本発明のポ
リヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド分子もしくは
その化学的修飾体を含有する医薬;本発明のポリヌクレ
オチドまたはオリゴヌクレオチド分子を有するプラスミ
ド;および本発明のプラスミドによって形質転換された
形質転換体、に関する。
意義を明らかにするとともに、発明の実施形態を説明す
る。本発明のポリヌクレオチド分子は、新規な腫瘍抗原
タンパク質をコードするものであり、(1)配列番号:
1のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド分子、
(2)配列番号:1のアミノ酸配列において、1もしく
は複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入または付加され
たタンパク質をコードするポリヌクレオチド分子、
(3)配列番号:1の塩基配列からなるポリヌクレオチ
ド分子、(4)配列番号:1の塩基配列において、1も
しくは複数個の塩基が置換、欠失、挿入または付加され
たポリヌクレオチド分子、および(5)前記(1)〜
(4)のいずれかのポリヌクレオチド分子にストリンジ
ェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド
分子、からなる群より選択され、該ポリヌクレオチド分
子がコードするタンパク質の一部からなるペプチドは、
主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI抗原と結
合してT細胞により認識される腫瘍抗原ペプチドであ
る。
はRNA の形態をとることができ、DNA にはcDNA、ゲノム
DNA および合成DNA が包含される。また、DNA およびRN
A は一本鎖または二本鎖であってよく、一本鎖の場合は
センス鎖またはアンチセンス鎖の両者が包含され得る。
入または付加されたポリヌクレオチド分子は、Molecula
r Cloning: A Laboratory Manual第2版第1−3巻 Sam
brook, J. ら著、Cold Spring Harber Labolatory Pres
s 出版 New York 1989年などに記載の方法によって製造
することができ、例えば部位特異的変異誘発やPCR法
などにより製造できる。本発明のポリヌクレオチド分子
はこれらの変異型ポリヌクレオチド分子も包含する。か
かる変異型ポリヌクレオチド分子としては、例えば、配
列番号:1の塩基配列において1もしくは複数個の塩基
が置換、欠失、挿入または付加されたポリヌクレオチド
分子が挙げられる。また、本発明のポリヌクレオチド分
子には「本発明のポリヌクレオチド分子にストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド分
子」も包含される。ポリヌクレオチド分子としてDNA 分
子を代表例にとると、「DNA 分子にストリンジェントな
条件下でハイブリダイズするDNA 分子」は、例えば前述
のMolecular Cloning に記載の方法によって得ることが
できる。ここで、「ストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズする」とは、例えば、6×SSC、0. 5%S
DSおよび50%ホルムアミドの溶液中で42℃にて加
温した後、0. 1×SSC、0. 5%SDSの溶液中で
68℃にて洗浄する条件でも依然として陽性のハイブリ
ダイズのシグナルが観察されることを表す。
ヌクレオチド分子によりコードされるタンパク質であ
る。
するタンパク質の一部からなるペプチドがMHCクラス
I抗原と結合してT細胞により認識される腫瘍抗原ペプ
チド」とは、腫瘍抗原タンパク質の連続した少なくとも
7個、好ましくは7〜10個、特に好ましくは9個の連
続するアミノ酸配列からなる部分ペプチドであって、細
胞表面のMHCクラスI抗原と結合して細胞表面に提示
された場合、その結合体に対して特異的に結合するT細
胞が結合するとそのT細胞にシグナルを伝えることので
きる、即ちT細胞に認識されるMHCクラスI抗原との
結合体を形成できるそのようなペプチドを意味する。な
お、ここでいう「結合」とは非共有結合である。
T細胞に認識されることを確かめる方法としては、例え
ば、ペプチドを適当な細胞に内因性に発現させるか、ま
たは外部から加える(パルスする)ことによりMHCク
ラスI抗原に結合させることで細胞表面にペプチドを提
示させ、つづいて、そのペプチド提示細胞に対して腫瘍
抗原タンパク質特異的なT細胞を作用させ、そのペプチ
ド提示細胞が傷害を受けた際に産生されるサイトカイン
(インターフェロンαやTNFα、およびCTLが産生
するサイトカイン)を測定する方法などがある。また、
ペプチド提示細胞の傷害を測定する方法として、51Cr
で標識したペプチド提示細胞を用いる方法も使用でき
る。ここで、認識するT細胞としては、CTLを用いる
のが好ましい。
瘍抗原ペプチドは例えば、以下のようにして同定するこ
とができる。まず、これらの同定に際し、MHC−クラ
スIアレルの一致した腫瘍細胞およびこの細胞を攻撃す
るCTLのセットを用意する。次いで、腫瘍細胞のMH
CクラスI抗原に結合している腫瘍抗原ペプチドを酸性
化して抽出し、高速液体クロマトグラフィーで分離され
た種々のペプチドを、抗原提示MHCを発現しているが
腫瘍抗原タンパク質を発現していない細胞(例えば、同
一患者のB細胞など)にパルスし、CTLの反応を調べ
ることにより腫瘍抗原ペプチドを同定し、さらにマスス
ペクトロメタリーなどを用いて配列を決定する方法であ
る。この方法によって、メラノーマ細胞からgp100
と同一分子のPme117由来の腫瘍抗原ペプチドが同定され
ている(Science 264: 716-719, 1994)。
を直接同定する方法とは異なり、腫瘍抗原タンパク質を
コードする遺伝子を決定してさらにその対応する腫瘍抗
原ペプチドを同定する方法もある。これは、分子生物学
的手法を用いて腫瘍抗原タンパク質をコードする遺伝子
をクローニングするものである。腫瘍細胞からcDNAを調
製し、そのcDNAを腫瘍抗原タンパク質を発現していない
細胞(例えばCOS 細胞など)に抗原提示MHCクラスI
抗原遺伝子とともにトランスフェクトして一過的にそれ
らを発現させ、それに対するCTLの反応性によりスク
リーニングを繰り返し行い、腫瘍抗原タンパク質をコー
ドする遺伝子を単離する。この方法により、上記のMA
GE、チロシナーゼ、MART−1、gp100、gp
75の遺伝子がクローニングされている。
CクラスI抗原に結合して提示されている腫瘍抗原ペプ
チドを推定、同定するためには次のような方法を用い
る。まず、PCR、エキソヌクレアーゼ、制限酵素など
により様々なサイズの腫瘍抗原タンパク質をコードする
遺伝子のフラグメントを作製し、抗原提示MHCクラス
I抗原遺伝子とともに腫瘍抗原タンパク質を発現してい
ない細胞(例えばCOS 細胞など)にトランスフェクトし
て一過性に発現させ、CTLの反応性により腫瘍抗原ペ
プチドを含む領域を限定する。その後、ペプチドを合成
し、抗原提示MHCクラスI抗原は発現しているが腫瘍
抗原タンパク質を発現していない細胞にパルスし、同様
にCTLの反応を調べることにより腫瘍抗原ペプチドを
同定できる(J.Exp.Med. 176: 1453, 1992 、J.Exp.Med.
179: 24,759、1994) 。
1 ,-A6801,-B7 ,-B8 ,-B2705,-37 ,-Cw0401 ,-C
w0602 などのMHCクラスI抗原の型については、結合
して提示されるペプチドの配列の規則性(モチーフ)が
判明しており (seminars inIMMUNOLOGY 5: 81-94, 199
3)、それを参考にして腫瘍抗原ペプチドの候補を調べ、
そのペプチドを結合して上記と同様な方法で確認する方
法も用いられる(Eur.J.Immunol,24: 759,1994, J.Exp.M
ed.180: 347,1994) 。
酸配列において、HLA-A24 抗原に結合して提示される9
マーのモチーフを参考にして腫瘍抗原ペプチドの候補を
調べたところ、それぞれ配列番号:2〜11に示される
P1〜P10のペプチドが腫瘍抗原ペプチドの候補とし
て挙げられる(表1)。CTLの反応性という観点か
ら、P2(配列番号:3)、P3(配列番号:4)、P
8(配列番号:9)、P9(配列番号:10)およびP
10(配列番号:11)のペプチドが好ましく、P9の
ペプチドがより好ましい。
のペプチド化学において知られている方法で製造するこ
とができる。例えば、"Peptide Synthesis", Interscie
nce,New York. 1996、"The Proteins", Vol.2, Academi
c Press Inc., New York. 1976、「ペプチド合成」丸善
(株) 、1975、「ペプチド合成の基礎と実験」丸善
(株) 、1985、等に記載されている方法等が挙げられ
る。すなわち、C末端部位の構成により液相法、固相法
のいずれかを選択して合成することができ、なかでも液
相法がより好ましい。すなわち、アミノ酸の官能基を適
当な保護基で適宜保護および脱保護を行い、アミノ酸
を、1残基または数残基づつ結合させることでペプチド
を製造することができる。なお、アミノ酸の官能基の保
護基については、例えば前述のペプチド化学について記
載する書籍等に記載されている。
の誘導体」とは、本発明の腫瘍抗原ペプチドのアミノ酸
配列のうち1つまたは複数個が置換、欠失、挿入または
付加されたペプチドを意味する。好ましい誘導体として
は、腫瘍抗原ペプチドのうちでCTLとの結合に関与す
るエピトープ領域はそのままであってMHCクラスI抗
原との結合に関与するアミノ酸残基が置換、欠失、挿入
または付加された誘導体が挙げられ、さらに好ましくは
その誘導体であって一つのアミノ酸残基のみを置換した
ものが挙げられる(Immunol. 84: 298-303,1995 )。か
かる誘導体は、CTLとの結合性はそのまま維持しつ
つ、MHCクラスI抗原により強く結合可能であるた
め、さらに有用な腫瘍抗原ペプチドとして適用ができ
る。
oning: A Laboratory Manual第2版第1−3巻 Sambroo
k,J.ら著、Cold Spring Harber Labolatory Press 出版
NewYork 1989年に記載の方法で調製することができ、
部位特異的変異誘発やPCR法などの方法によって調製
することができる。
その誘導体は、後述の本発明のオリゴヌクレオチド分子
によりコードされるものである。
腫瘍抗原ペプチドまたは該ペプチドの一部のアミノ酸残
基を置換、欠失、挿入または付加した誘導体のアミノ基
もしくはカルボキシル基を修飾した誘導体も包含され
る。
基が挙げられ、具体的には炭素数1から6のアルカノイ
ル基、フェニル基で置換された炭素数1から6のアルカ
ノイル基、炭素数5から7のシクロアルキル基で置換さ
れたカルボニル基、炭素数1から6のアルキルスルホニ
ル基、フェニルスルホニル基等が挙げられる。
エステル基およびアミド基が挙げられ、エステル基の具
体例としては、炭素数1から6のアルキルエステル基、
フェニル基で置換された炭素数0から6のアルキルエス
テル基、炭素数5から7のシクロアルキルエステル基等
が挙げられ、アミド基の具体例としては、アミド基、炭
素数1から6のアルキル基1つまたは2つで置換された
アミド基、フェニル基で置換された炭素数0から6のア
ルキル基1つまたは2つで置換されたアミド基、アミド
基の窒素原子を含んで5から7員環のアザシクロアルカ
ンを形成するアミド基等が挙げられる。
ク質または腫瘍抗原ペプチドもしくはその誘導体を含有
する医薬を提供する。本発明の腫瘍抗原タンパク質およ
び腫瘍抗原ペプチドは、細胞性免疫が効果的に成立する
ようにアジュバントとともに投与したり、粒子状の剤型
にして投与することができる。アジュバントとしては、
文献(Clin. Microbiol.Rev.7:277-289、1994)に記載
のものなどが応用可能である。また、剤型としては、リ
ポソーム製剤、直径数μm のビーズに結合させた粒子状
の製剤、リピッド(脂質)を結合させた製剤など外因性
の抗原ペプチドをMHCクラスI抗原へ効率良く抗原提
示させうる投与法が用いられる。また、腫瘍抗原ペプチ
ドをパルスした樹状細胞やマイクロファージなどの抗原
提示細胞や腫瘍抗原タンパク質をコードするDNA を導入
した細胞を投与する方法も考えられる。製剤中の本発明
の腫瘍抗原タンパク質および腫瘍抗原ペプチドの投与量
は、治療目的の疾患、患者の年齢、体重等により適宜調
整することができるが、通常0.0001mg〜1000mg、好まし
くは0.001mg 〜1000mgであり、これを数日ないし数月に
1回投与するのが好ましい。
原ペプチドもしくはその誘導体に対する「抗体」は、例
えば、Antibodies; A Laboratory Manual, Lane.H.
D.ら編、Cold Spring Harber Laboratory Press 出
版 New York 1989年などに記載の方法により、腫瘍抗
原タンパク質またはその断片ペプチドを用いて適切な方
法で適切な動物を免疫することにより、腫瘍抗原タンパ
ク質を認識する抗体、あるいはその活性を中和する抗体
を容易に作製できる。抗体の用途としては、アフィニテ
ィークロマトグラフィー、cDNAライブラリーのスクリー
ニング、免疫学的診断法、医薬等が挙げられる。免疫学
的診断法は、イムノブロット法、放射免疫測定法(RI
A)、酵素免疫測定法(ELISA)、蛍光あるいは発
光測定法等より適宜選択できる。
ドまたはその誘導体をコードするオリゴヌクレオチド分
子に関する。本発明のオリゴヌクレオチド分子はDNA ま
たはRNA の形態をとることができ、DNA にはcDNA、ゲノ
ムDNA および合成DNA が包含される。また、DNA および
RNA は一本鎖または二本鎖であってよく、一本鎖の場合
はセンス鎖またはアンチセンス鎖の両者が包含され得
る。
入または付加されたオリゴヌクレオチド分子は、前記ポ
リヌクレオチド分子と同様の部位特異的変異誘発やPC
R法などにより製造できる。本発明のオリゴヌクレオチ
ド分子は、これらの変異型オリゴヌクレオチド分子も包
含する。かかる変異型オリゴヌクレオチド分子として
は、例えば、配列番号:1の塩基配列において1もしく
は複数個の塩基が置換、欠失、挿入または付加されたオ
リゴヌクレオチド分子が挙げられる。また、本発明のオ
リゴヌクレオチド分子には「本発明のオリゴヌクレオチ
ド分子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
るオリゴヌクレオチド分子」も包含される。オリゴヌク
レオチド分子としてDNA 分子を代表例にとると、「DNA
分子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする
DNA 分子」は、例えば前記ポリヌクレオチド分子と同様
の条件によって得ることができ、ここで、「ストリンジ
ェントな条件下でハイブリダイズする」とは、例えば、
前記ポリヌクレオチド分子において記載された条件が挙
げられる。
腫瘍抗原ペプチドをコードするDNAを発現させることに
よって、腫瘍抗原タンパク質または腫瘍抗原ペプチドを
大量に製造することが可能となる。
は、例えば、前述のMolecular Cloning 等の多くの成書
や文献に基づいて実施することができる。発現させたい
DNA の上流に翻訳開始コドンを、下流には翻訳終始コド
ンを付加し、転写を制御するプロモーター配列(例え
ば、trp、lac、T7、SV40初期プロモータ
ー)等の制御遺伝子を付加し、適当なベクター(例え
ば、pBR322、pUC19、pSV・SPORT1
など)に組み込むことにより、宿主細胞内で複製し、機
能する発現プラスミドを作製する。
導入して形質転換体細胞を得る。宿主細胞としては、大
腸菌などの原核生物、酵母のような単細胞真核生物、昆
虫、動物などの多細胞真核生物の細胞などが挙げられ
る。また、宿主細胞への遺伝子導入法としては、リン酸
カルシウム法、DEAE−デキストラン法、電気パルス
法などがある。形質転換体は、適当な培地で培養するこ
とによって目的とするタンパク質を生産する。以上のよ
うにして得られたタンパク質は一般的な生化学的方法に
よって単離精製することができる。
転換された形質転換体も本発明の範囲に包含される。
ド分子またはオリゴヌクレオチド分子もしくはその化学
的修飾体を含有する医薬に関する。本発明のポリヌクレ
オチド分子またはオリゴヌクレオチド分子を含有する
「医薬」は、例えば、本発明のDNA を腫瘍患者等に投与
することで腫瘍を治療または予防することができる。本
発明のDNA を投与し細胞内に導入する方法としては、ウ
イルスベクターによる方法およびその他の方法(日経サ
イエンス、1994年4 月号、20-45 頁、月刊薬事、36(1)2
3-48(1994)、実験医学増刊、12(15)、(1994)、およびこ
れらの引用文献等) のいずれの方法も適用することがで
きる。
えばレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイ
ルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポック
スウイルス、ポリオウイルス、シンドビスウイルス等の
RNA ウイルスまたはDNA ウイルスに本発明のDNA を組み
込んで導入する方法が挙げられる。この中で、レトロウ
イルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ワクシ
ニアウイルス等を用いた方法が特に好ましい。
直接筋肉内に投与する方法(DNA ワクチン法)、リポソ
ーム法、リポフェクチン法、マイクロインジェクション
法、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法等
が挙げられ、特にDNA ワクチン法、リポソーム法が好ま
しい。
たはオリゴヌクレオチド分子を有するプラスミドも本発
明の範囲に含まれる。
伝子を実際に医薬として作用させるには、遺伝子を直接
体内に導入するin vivo方法、およびヒトからある種の
細胞を採取し体外で遺伝子を該細胞に導入しその細胞を
体内に戻すex vivo方法がある(日経サイエンス、1994
年4 月号、20-45 頁、月刊薬事、36(1)23-48(1994)、実
験医学増刊、12(15)、(1994)、およびこれらの引用文献
等)。in vivo方法がより好ましい。
目的の疾患、症状等に応じた適当な投与経路により投与
され得る。例えば、静脈、動脈、皮下、筋肉内などに投
与することが出来る。in vivo方法により投与する場合
は、例えば、液剤等の製剤形態をとりうるが、一般的に
は有効成分である本発明のDNA を含有する注射剤等とさ
れ、必要に応じて、慣用の担体を加えてもよい。また、
本発明のDNA を含有するリポソームまたは膜融合リポソ
ーム(センダイウイルス(HVJ)−リポソーム等)に
おいては、懸濁剤、凍結剤、遠心分離濃縮凍結剤等のリ
ポソーム製剤の形態とすることができる。
疾患、患者の年齢、体重等により適宜調整することがで
きるが、通常本発明のDNA として、0.0001mg〜100mg 、
好ましくは0.001mg 〜10mgであり、これを数日ないし数
月に1回投与するのが好ましい。
配列を有する腫瘍抗原タンパク質をコードするポリヌク
レオチド分子のコーディング配列またはその5' ノンコ
ーディング配列中の塩基配列と相補的な配列からなるオ
リゴヌクレオチド分子またはその化学的修飾体に関す
る。好ましくは、配列番号:1の塩基配列(構造遺伝子
部分)からなるポリヌクレオチド分子のコーディング配
列またはその5' ノンコーディング配列中の塩基配列と
相補的な配列をもつ9塩基以上からなるDNA もしくはRN
A である。このようなDNA もしくはRNA とは、二本鎖DN
A のアンチセンス鎖のDNA またはそのアンチセンス鎖の
DNA に対応するRNA であって9塩基以上からなるもの
(以下、アンチセンスオリゴヌクレオチドという)をい
う。
例えば本発明の腫瘍抗原タンパク質をコードする遺伝子
の塩基配列を基にしてDNA として製造するか、またこの
DNAをアンチセンスの向きに遺伝子発現プラスミドに組
み込むことで容易に対応するRNA を製造することができ
る。
本発明の遺伝子であるcDNAのコーディング部分、5' ノ
ンコーディング部分のいずれの部分の相補的な配列であ
ってもよいが、好ましくは転写開始部位、翻訳開始部
位、5' 非翻訳領域、エクソンとイントロンとの境界領
域もしくは5'CAP 領域に相補的配列であることが望まし
い。
体」とは、DNA またはRNA の細胞内への移行性または細
胞内での安定性を高めることができる化学的修飾体を表
し、例えば、ホスホチオエート、ホスホロジチオエー
ト、アルキルホスホトリエステル、アルキルホスホナー
ト、アルキルホスホアミデート等の誘導体("Antisense
RNA and DNA" WILEY −LISS刊 1992 P.1-50)が挙げら
れる。この化学的修飾体は、同文献等に従って製造する
ことができる。
またはその化学的修飾体を用いて、腫瘍抗原タンパク質
をコードする遺伝子の発現を制御することができる。こ
の方法によって腫瘍抗原タンパク質の生産量を減らすこ
とで、自己免疫疾患を治療または予防することができ
る。このようなアンチセンスオリゴヌクレオチドを含有
する医薬も本発明に包含される。
ま投与する場合は、このアンチセンスオリゴヌクレオチ
ドの好ましい長さとしては、例えば5〜200塩基のも
のが挙げられる。
発現プラスミドに組み込む場合は、このアンチセンスオ
リゴヌクレオチドの好ましい長さとしては、例えば10
0塩基以上が挙げられ、好ましくは300塩基以上が挙
げられ、さらに好ましくは500塩基以上が挙げられ
る。
ラスミドに組み込む場合、このアンチセンスオリゴヌク
レオチドを細胞に導入する方法としては例えば、実験医
学12巻 1994年に述べられている方法が挙げられ、リポ
ソームや組換えウイルスなどを利用した方法が挙げられ
る。アンチセンスオリゴヌクレオチドの発現プラスミド
は通常の発現ベクターを用いてプロモーターの後ろに逆
向きに、すなわち本発明の遺伝子が3' から5' の向き
に転写されるように、本発明の遺伝子をつなぐだけで簡
単に作製できる。
ドを有するプラスミドも本発明に包含される。アンチセ
ンスオリゴヌクレオチドまたはその化学的修飾体をその
まま投与する場合、安定化剤、緩衝液、溶媒などと混合
して製剤された後、投与時には抗生物質、抗炎症剤、麻
酔薬などと同時に用いることもできる。こうして作製さ
れた製剤は様々な方法で投与可能である。投与は連日ま
たは数日から数週間おきになされるのが好ましい。ま
た、この様な頻回の投与を避けるために徐放性のミニペ
レット製剤を作製し患部近くに埋め込むことも可能であ
る。あるいはオスモチックポンプなどを用いて患者に連
続的に徐々に投与することも可能である。通常投与量は
作用部位における濃度が0.1nM-10μM になるように調製
する。
ドまたはその化学的修飾体を含有する医薬も本発明に包
含される。
明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定
されるものではない。
樹立 67歳男性の食道癌患者末梢血リンパ球をリンパ球腫瘍
混合培養法により、インターロイキン2存在下で約60
日間、5%炭酸ガス(95%空気)培養器にて培養し
た。その間、培養28日目以降、頻回に培養して増殖す
るT細胞の各種癌細胞に対する細胞障害能を51Cr遊離
法とIFN−γ測定法にて解析した。その結果、培養3
9日目〜49日目のT細胞がCD8陽性のキラーT細胞
を主体とし、かつMHCクラスI抗原のうちのHLA-A240
2 拘束性のCTL活性を示すことが判明した。HLA-A240
2 陽性の癌細胞中、扁平上皮癌であるKE-4細胞株(M.Na
kaoら, Cancer Research 55,4248-4252, 1995)が最も
高い感受性を上記CTLに対して示した。そこで、上記
CTL(KE-4-CTLと命名)を大量に液体窒素添加細胞凍
結保存用タンクに保存し、CTLの認識する癌退縮抗原
遺伝子のクローニングに備えた。
い、KE-4細胞由来のHLA-A2402 cDNAを発現ベクターpCR3
(INVITROGEN社製)に組込み、組換えプラスミドを作製
した。
い添付のプロトコールに従い、KE-4細胞から全RNA 画分
の分離およびオリゴ(dT)カラムによるポリ(A) + mRNAの
調製を行った。mRNAよりスーパースクリプトプラスミド
システム(GIBCOBRL 社製) を用い添付のプロトコールに
従い、両端にNot 1アダプターとSal1アダプターを連
結したcDNAを作製した後、このcDNAを発現ベクターpSV-
SPORT1(GIBCO BRL社製)の制限酵素Not 1およびSal
1の切断部位に連結して組換えプラスミドを得た。この
組換えプラスミドをジーンパルサー(Bio-Rad社製) を用
いて25μF, 200Ω, 2.5kV の条件で、電気パルスにより
大腸菌のエレクトロマックスDH10B/p3TMセル(GIBCO B
RL社製)に導入し、アンピシリン(50μg/ml)を含む
LB培地(1%バクトトリプトンTM、0.5%NaCl、pH7.3 )
上にて組換えプラスミドが導入されている形質転換体を
選択した。
イムノアッセイ(ELISA )により行った。96ウェルマ
イクロプレートに一次抗体として抗ヒトIFN-γマウスモ
ノクロール抗体を吸着させ、ウシ血清アルブミンで非特
異的結合をブロックした後、検体中のIFN-γを抗体に結
合させた。次に二次抗体として抗ヒトIFN-γウサギポリ
クロール抗体を結合させ、さらにペルオキシダーゼ標識
した抗ウサギ免疫グロブリンロバ抗体を結合した後、発
色剤としてTMBZ(テトラメチルベンジディン)を反
応させ、2N H2SO4 を等量加えて反応を停止させた後、
吸光度(450 nm)を測定した。これを標準品のIFN-γより
得られた値と比較することにより定量した。
換えプラスミドDNA を回収する。アンピシリン(50μg
/ml)を含むLB培地の入った96ウェルU底マイクロプレ
ートにウェルあたり100-200 個の形質転換体を加え培養
後、その一部をウェル当たり0.3ml のTYGPN 培地(F.M.
Ausubelら編、CURRENT PROTCOLS IN MOLECULARBIOLOG
Y, John Wiley & Sons, Inc.)の入った別の96ウェルU
底マイクロプレートに移して37℃で48時間培養し、
残りのLB培地のマイクロプレートは凍結保存した。TYGP
N 培地で培養した形質転換体の組換えプラスミドDNA
は、マイクロプレートでアルカリ溶解法(F.M. Ausubel
ら編、CURRENT PROTCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, John
Wiley & Sons, Inc.)により調製した。イソプロパノー
ル沈殿で回収した組換えプラスミドDNA は、50μlの20
ng /ml RN アーゼを含む10mMTris ,1mM EDTA,pH7.4
溶液に懸濁した。
DNA と参考例2にて調製したHLA-A2402 cDNAの組換えプ
ラスミドをCOS7細胞(Gluzan,Y. Cell,23: 175-182, 19
81)にリポフェクチン法により同時にトランスフェクト
する。COS7細胞を96ウェル平底マイクロプレートのウェ
ル当たり1 ×104 個を加え、100 μlの10%FCS を含む
RPMI培養液で1 日培養した。形質転換体約100 個分のKE
-4cDNAの組換えプラスミド25μlに参考例2にて調製し
たHLA-A2402 cDNAの組換えプラスミド100 ngを加え、さ
らに約100 倍に希釈したリポフェクチン試薬(リポフェ
クタミン、GIBCO-BRL 社製)25μlを加えた。得られた
混合液 50 μl(リポソームと組換えプラスミドの融合
懸濁液)を、培養したCOS7細胞に加えてダブルトランス
フェクトした。トランスフェクタントは2 点ずつ用意し
た。トランスフェクタントは48〜72時間、37℃で培養し
た後、培養液を除去し、ウェル当たり1 ×104 個のKE-4
CTLを加えて100 μlの10%ヒト血清と50U/mlのIL
-2を含む培養液で37℃で16〜24時間培養した。培養液を
回収し、IFN-γをELISA で測定した。
が認められた8群について、該当する凍結保存しておい
たKE-4cDNAの組換えプラスミドによる形質転換体約100
〜200 クローン/ウェルのプールを用いてさらに以下の
ようにスクリーニングを行う。形質転換体のプ―ルを約
6時間LB(アンピシリン50μg /mlを含む)培地にて培
養し、さらに培養物をアンピシリン(50μg /ml)を含
むLB寒天培地のプレートにまいて1日培養し、得られた
単一コロニー各群200 コロニー、合計8 ×200コロニー
をそれぞれ96穴マイクロプレートの各ウェルに移し、
ウェル当たりの形質転換体が1種類となる条件で上記と
同様の方法で培養し、KE-4 cDNA の組換えプラスミドDN
A を調製した。さらに上記と同様な方法によりKE-4 cDN
A の組換えプラスミドとHLA-A2402 cDNAの組換えプラス
ミドとをCOS7細胞にダブルトランスフェクトし、引き続
いてKE-4- CTLとの混合培養を行い、KE-4- CTLが
反応して産生した培養液中のIFN-γを定量し、陽性プラ
スミドを選択した。この操作により、KE-4- CTLと反
応するKE-4細胞cDNA組換えプラスミドクローンが選択さ
れ、SART-2と命名した。SART-2について、さらにもう一
度、同様な操作を繰り返してKE-4- CTLによるIFN-γ
の産生を確認した。
スミドを持つ形質転換体SART-2をそれぞれ、500ml のア
ンピシリン(50μg /ml)を含むLB培地で37℃で14〜16
時間培養し、遠心分離にて菌体を回収した。菌体からPL
ASMID MAXI キット(QIAGEN社製)に従い、組換えプラ
スミドを回収した。cDNAは、SP6 RNAポリメラーゼプロ
モーター配列とT7 RNA ポリメラーゼプロモーター配列
に挟まれた部位に組み込まれている。そこで文献(DNA
4: 165,1985 )に記載のSP6 プロモータープライマーお
よびT7プロモータープライマーを合成した。次に、SP6
プロモータープライマーまたはT7プロモータープライマ
ーをFluore-dATP LabelingMix(ファルマシアバイオテ
ク社製)およびAutoRead Sequencing Kit (ファルマシ
アバイオテク社製)と組み合わせてジデオキシシークエ
ンシング反応を行い、蛍光DNA シーケンサー(ファルマ
シアバイオテク社製)を使用し、両端からcDNAの塩基配
列を決定した。SART-2cDNAの塩基配列は全長が3998塩基
対と決定され、配列番号:1の通りであった。また、SA
RT-2cDNAの塩基配列から推定される最長のオープンリー
ディングフレームを有するアミノ酸配列を配列番号:1
および図1に示す。
番号:1に記載の塩基配列の検索を行った。その結果、
SART-2遺伝子は、第6染色体長腕(6q22)上に存在
していた。
末端欠失変異体腫瘍抗原タンパク質をコードする遺伝子
の断片を作製した。この断片を含む組換えプラスミドDN
A と参考例2にて調製したHLA-A2402 cDNAの組換えプラ
スミドをCOS7細胞に実施例1に記載の手法によりダブル
トランスフェクトし、IFN-γ産生量をELISA によって測
定した。得られた結果は、トリプリケートの平均値を示
し、関連性のない遺伝子をHLA-A2402 遺伝子とダブルト
ランスフェクトしたネガティブコントロールへの反応性
に対して、いずれも有意差(p<0.05)が認められた
(図3)。
パク質は、全長のSART-2腫瘍抗原タンパク質に比べてIF
N-γ産生量が低下しており、低下の程度からSART-2の腫
瘍抗原ペプチドは、N末端側とC末端側に存在している
ことが示唆された。
については、結合して提示されるペプチドの配列の規則
性(モチーフ)が判明しており(seminars in IMMUNOL
OGY5:81-94,1993)、それを参考にして腫瘍抗原ペプチド
の候補を調べたところ、表1に示される10個のペプチド
P1〜P10(配列番号:2〜11)が腫瘍抗原ペプチ
ドの候補として挙げられた。
度10μg/mlとなるように10%FCS 添加RPMI640 培養液に
加え、HLA-A2402 cDNAをトランスフェクトしたCOS7細胞
にパルスし、前記と同様にIFN-γ産生量を調べることに
より腫瘍抗原ペプチドを同定した(図4)。
(配列番号:4)、P8(配列番号:9)、P9(配列
番号:10)およびP10(配列番号:11)が活性が
あり、このうちP9が最も活性が高いことが示された。
ラスミドベクターを、一定量(100ng/ウエル) のHLA-A2
402 cDNAまたはHLA-A2601 cDNAとダブルトランスフェク
トしたCOS7細胞それぞれに対して、KE-4- CTLが用量
依存的に反応するかどうかをIFN-γ産生量を調べること
により検討した(図5)。
HLA-A2402 拘束性であることが示された。
抗原ペプチドを用いた抗腫瘍免疫を活性化するための医
薬、本発明の腫瘍抗原タンパク質に対する抗体等を用い
た自己免疫疾患を治療するための医薬、および腫瘍抗原
タンパク質をコードするDNA 等を含有する医薬を提供す
ることができ、また腫瘍または自己免疫疾患の診断方法
を提供することができる。
最長のオープンリーディングフレームを有するアミノ酸
配列(1文字標記)を示す。
る。ORFは、オープンリーディングフレームを示す。
γ産生量をELISA によって測定したグラフである。図
中、NCはネガティブコントロールを示す。
を用いてIFN-γ産生量をELISAによって測定したグラフ
である。
ンパク質がHLA-A2402 拘束性であることを示すグラフで
ある。
Claims (11)
- 【請求項1】 (1)配列番号:1のアミノ酸配列をコ
ードするポリヌクレオチド分子、(2)配列番号:1の
アミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が
置換、欠失、挿入または付加されたタンパク質をコード
するポリヌクレオチド分子、(3)配列番号:1の塩基
配列からなるポリヌクレオチド分子、(4)配列番号:
1の塩基配列において、1もしくは複数個の塩基が置
換、欠失、挿入または付加されたポリヌクレオチド分
子、および(5)前記(1)〜(4)のいずれかのポリ
ヌクレオチド分子にストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズするポリヌクレオチド分子、からなる群より選
択されるポリヌクレオチド分子であって、該ポリヌクレ
オチド分子がコードするタンパク質の一部からなるペプ
チドが主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI抗
原と結合してT細胞により認識される腫瘍抗原ペプチド
であるポリヌクレオチド分子。 - 【請求項2】 請求項1記載のポリヌクレオチド分子に
よりコードされる腫瘍抗原タンパク質。 - 【請求項3】 請求項1記載のポリヌクレオチド分子の
一部からなるオリゴヌクレオチド分子であって、MHC
クラスI抗原と結合してT細胞により認識される腫瘍抗
原ペプチドをコードするオリゴヌクレオチド分子。 - 【請求項4】 配列番号:1のアミノ酸配列中、連続し
た少なくとも7個のアミノ酸残基を含む腫瘍抗原ペプチ
ドをコードする請求項3記載のオリゴヌクレオチド分
子。 - 【請求項5】 配列番号:1のアミノ酸配列を有する腫
瘍抗原タンパク質をコードするポリヌクレオチド分子の
コーディング配列またはその5' ノンコーディング配列
中の塩基配列と相補的な配列からなるオリゴヌクレオチ
ド分子またはその化学的修飾体。 - 【請求項6】 請求項3または4記載のオリゴヌクレオ
チド分子によりコードされる腫瘍抗原ペプチドまたはそ
の誘導体。 - 【請求項7】 請求項2記載の腫瘍抗原タンパク質また
は請求項6記載の腫瘍抗原ペプチドもしくはその誘導体
を含有する医薬。 - 【請求項8】 請求項2記載の腫瘍抗原タンパク質また
は請求項6記載の腫瘍抗原ペプチドもしくはその誘導体
に対する抗体。 - 【請求項9】 請求項1記載のポリヌクレオチド分子、
請求項3もしくは4記載のオリゴヌクレオチド分子また
は請求項5記載のオリゴヌクレオチド分子もしくはその
化学的修飾体を含有する医薬。 - 【請求項10】 請求項1記載のポリヌクレオチド分子
または請求項3〜5いずれか記載のオリゴヌクレオチド
分子を有するプラスミド。 - 【請求項11】 請求項10記載のプラスミドによって
形質転換された形質転換体。
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|---|---|---|---|
| JP12639898A JP4138073B2 (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | ヒト癌退縮抗原タンパク質 |
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