JPH11319573A - ハロゲン化芳香族化合物の異性化触媒組成物および異性化方法 - Google Patents

ハロゲン化芳香族化合物の異性化触媒組成物および異性化方法

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JPH11319573A JP11057653A JP5765399A JPH11319573A JP H11319573 A JPH11319573 A JP H11319573A JP 11057653 A JP11057653 A JP 11057653A JP 5765399 A JP5765399 A JP 5765399A JP H11319573 A JPH11319573 A JP H11319573A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハロゲン化芳香族化合物の異性化活性の高い触
媒組成物及びそれを用いたハロゲン化芳香族化合物の異
性化方法を提供する。 【解決手段】触媒成型体中の主空洞の入口が10員酸素
環からなるゼオライトの二次粒子径が最大5ミクロン以
下であることを特徴とする触媒組成物を用いることによ
りハロゲン化芳香族化合物の異性化活性を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化芳香族化
合物の異性化触媒組成物および異性化方法に関する。特
にジクロルベンゼン(以下、DCB)、クロルトルエン
(以下、CT)などのハロゲン化芳香族を異性化してm
−DCB、m−CTを増加させる異性化触媒および異性
化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化芳香族化合物の1つであるD
CBはベンゼンのクロル化によって得られるが、この反
応はo、p−配向性の強い反応であり、m−異性体が必
要な場合は異性化によらなければならない。また、DC
Bの各異性体の需要量の比は、クロル化時の各異性体の
生成比率と異なる場合が多い。したがってDCBを有効
に利用するためにも、その異性化法は重要な技術的意義
を有する。
【0003】DCB各異性体、さらには異性化によって
生成せしめられるm−DCBは、その単体として利用す
るには分離する必要がある。
【0004】これら異性体を分離する方法としては、沸
点が互いに接近しているため蒸留法では多段の精留塔が
必要である。最近では、特公平1−12732号公報、
特公平7−86092号公報などに示されるように、吸
着分離法あるいは吸着分離法と蒸留法の組合せによる方
法が開示されている。
【0005】目的とするDCB異性体を分離除去せしめ
た残りのDCB異性体は、異性化反応により再び目的と
する異性体濃度を増大せしめることが経済的に極めて重
要である。その後、再び目的とするDCB異性体を分離
除去し、このサイクルを繰り返す。
【0006】このような異性化反応を行わせしめる方法
として、特公昭64−9972号公報などに酸型のモル
デナイトや主空洞の入口が10員酸素環からなるゼオラ
イトによる方法が開示されているが、異性化活性をさら
に向上させることが工業的には重要である。
【0007】また、CTはトルエンのクロル化によって
得られるが、この反応はo、p−配向性の強い反応であ
り、m−異性体が必要な場合は異性化によらなければな
らない。また、CTの各異性体の需要量の比は、クロル
化時の各異性体の生成比率と異なる場合が多い。したが
ってCTを有効に利用するためにも、その異性化法は重
要な技術的意義を有する。
【0008】CT各異性体、さらには異性化によって生
成せしめられるm−CTは、その単体として利用するに
は分離する必要がある。
【0009】これら異性体を分離する方法としては、沸
点が互いに接近しているため蒸留法では超精密蒸留塔を
必要として工業的方法とはいえない。最近、特公昭63
−24495号公報、特公昭63−64412号公報な
どに示されるように、吸着分離法あるいは吸着分離法と
蒸留法の組合せによる方法が開示されている。
【0010】目的とするCT異性体を分離除去せしめた
残りのCT異性体は、異性化反応により再び目的とする
異性体濃度を増大せしめることが経済的に極めて重要で
ある。その後、再び目的とするCT異性体を分離除去
し、このサイクルを繰り返す。
【0011】このような異性化反応を行わせしめる方法
として、特公昭62−15050号公報などに主空洞の
入口が10員酸素環からなるゼオライトによる方法が開
示されているが、異性化活性をさらに向上させることが
工業的には重要である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】これら従来知られてい
た異性化触媒の活性をさらに向上させることができれ
ば、反応温度を下げることができる。触媒は反応に使用
すると、触媒活性が低下し、その活性低下を補うため反
応温度を高くしていく操作が一般に行われる。したがっ
て、反応温度が下げられれば、使用できる温度領域が拡
大し、その結果、触媒寿命を向上させることができる。
本発明は、異性化触媒の活性を向上させることを課題と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するべ
く、触媒活性を向上させる方法について鋭意検討した結
果、触媒成型体中の主空洞の入口が10員酸素環からな
るゼオライトの二次粒子径を小さくするとハロゲン化芳
香族異性化反応の触媒活性が向上することを見出し、本
発明に到達した。
【0014】本発明は触媒成型体中の主空洞の入口が1
0員酸素環からなるゼオライトの二次粒子径が最大5ミ
クロン以下である触媒組成物およびその触媒を用いるハ
ロゲン化芳香族化合物の異性化方法を提供するものであ
る。主空洞の入口が10員酸素環からなるゼオライトを
含有する触媒組成物は異性化反応に使用するに先立っ
て、酸型にすることが好ましい。
【0015】また、前記(I)式で示されるハロゲン化芳
香族化合物の具体例としては、DCB、ジブロムベンゼ
ン、クロロブロムベンゼン、CT、ブロムトルエンなど
が挙げられ、特にDCB、CTの異性化の際に効果があ
る。以下に詳細に説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるゼオライトは
主空洞の入口が10員酸素環からなるものであるが、か
かるゼオライトはいわゆるペンタシル型ゼオライトとし
て知られ、米国特許3894106号明細書にその組成
および製造法が、また、Nature271、30March 、4
37(1978)にその結晶構造が記載されているZS
M−5ゼオライトおよびそれと同じ系列に属すると考え
られているゼオライトが包含され、具体的には例えば前
記ZSM−5の他に、英国特許1334243号明細書
に記載されているZSM−8、特公昭53−23280
号公報に記載されているZSM−11、米国特許400
1346号明細書に記載されているZSM−21、特開
昭53−144500号公報に記載されているZSM−
35、特開昭51−67299号公報に記載されている
ゼオライトゼータ1および特開昭51−67298号公
報に記載されているゼオライトゼータ3などが例示され
る。主空洞の入口が10員酸素環からなる構造特性を有
するゼオライトであればもちろん前記例示に限定されず
使用可能である。
【0017】また、ペンタシル型ゼオライトを製造する
方法にはこれまで種々の方法が開示されている。例え
ば、特開昭52−115800号公報、特開昭53−1
34798号公報および特開昭57−123815号公
報などを挙げることができる。かかるゼオライトを構成
するシリカ/アルミナモル比としては10から100が
好ましく用いられる。さらに好ましくは18から50で
ある。シリカ/アルミナモル比が10から100の範囲
の場合、触媒活性の点で好ましい。
【0018】前記ゼオライトが粉末状態である場合に
は、触媒として工業的に使用するには成型することが必
要である。成型法には圧縮成型法、混練法、オイル・ド
ロップ法など種々の方法があるが、混練法が好ましく用
いられる。混練法としては、バインダーが一般に必要で
あり、無機酸化物および/または粘土類が用いられる。
【0019】本発明により好ましく用いられるバインダ
ーとしてアルミナゾル、アルミナゲルを挙げることがで
きる。バインダー量はゼオライト100重量部に対して
絶乾基準で5から30重量部、好ましくは10から20
重量部である。成型性が悪いときには、混練時に塩化ナ
トリウム、塩化マグネシウム、塩化バリウムなどのアル
カリ金属塩、アルカリ土類金属塩を添加したり、ポリビ
ニールアルコール、スパン、レオドールなどの界面活性
剤を添加すると効果がある。成型体はその後50から2
00℃で乾燥され、次いで350から600℃で焼成
し、成型体強度を増加させる。
【0020】本発明に用いられる主空洞の入口が10員
酸素環からなるゼオライトの二次粒子径とは、かかるゼ
オライトの一次結晶子が凝集したものであるが、触媒成
型体中の二次粒子径は走査電子顕微鏡(SEM)で容易
に調べることができる。本発明の目的には、触媒成型体
中の主空洞の入口が10員酸素環からなるゼオライトの
二次粒子径が最大5ミクロン以下が有効である。かかる
原料ゼオライトが無機酸化物および/または粘土類と均
一に混合し成型される際、その二次粒子は一部崩れ分散
されるが、触媒成型体中の主空洞の入口が10員酸素環
からなるゼオライトの二次粒子が十分小さく、高度に分
散されているほど触媒有効度が向上し、ハロゲン化芳香
族化合物異性化反応の触媒活性の向上が達成される。触
媒成型中の二次粒子径は成型条件およびかかる原料ゼオ
ライト粉末の二次粒子径などにより制御される。成型条
件としてはかかる原料ゼオライトと無機酸化物および/
または粘土類の混合時の時間および水分率などが重要で
あり、例えば混練時間が長いほど触媒成型体中の二次粒
子径は小さくなり好ましい。また、かかる原料ゼオライ
ト粉末の二次粒子径は合成時の反応混合物組成比、結晶
化時間、撹拌条件および乾燥方法などにより制御でき、
使用する原料により異なり一概にはいえないので、適宜
合成条件を選択する必要がある。これまでの知見によれ
ば、合成時の反応混合物中のアルカリ度を低くしたり、
結晶化時間を短くすると二次粒子径が小さくなる傾向が
ある。
【0021】本発明の成型体中に含まれる主空洞の入口
が10員酸素環からなるゼオライトを酸型体にすること
が好ましい。成型前に酸型体あるいは水素イオン前駆体
であるアンモニウムイオンあるいは有機カチオンの形態
の場合には必ずしも酸型体にする処理を新たに行う必要
はないが、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオ
ンなどを含んでいる場合には酸型体にするためのイオン
交換処理が行われる。イオン交換処理は無機酸、有機酸
などの水溶液で直接に酸型にする場合と、塩化アンモニ
ウム、硝酸アンモニウムなどの水溶液でイオン交換しア
ンモニウムイオンを導入し、次いで焼成することにより
水素イオンに変換し、酸型体にする方法がある。酸水溶
液でイオン交換するとかかるゼオライトの脱アルミニウ
ムがおきやすいので、アンモニウム塩水溶液でイオン交
換するのが好ましい。このようにして調製された触媒組
成物は50から200℃で乾燥され、次いで350から
600℃で焼成されハロゲン化芳香族化合物の異性化反
応に供される。
【0022】本発明のDCB、CTなどのハロゲン化芳
香族化合物の異性化反応は、従来知られている種々の異
性化操作に準じて行うことが可能であって、気相反応、
液相反応いずれでも好結果が得られる。また、異性化反
応方式は、固定床、移動床、流動床いずれの方法も用い
られるが、操作の容易さから固定床流通反応方式が特に
好ましい。反応温度は200から550℃、好ましくは
250から500℃である。反応圧力は特に限定される
ものではないが、液相反応の場合、反応系を液相状態に
保つべく反応圧力を設定しなければならないのは言うま
でもない。また、異性化反応時に水素、芳香族化合物、
あるいは供給原料とは異なるポリハロゲン化芳香族化合
物を共存させると、副反応の減少や触媒寿命の延長にし
ばしば効果がある。重量空間速度(WHSV)は0.0
5から30Hr-1、好ましくは0.1から20Hr-1で
ある。
【0023】かくして異性化により得られたDCB、C
Tなどの各異性体は吸着分離及び/又は蒸留法により分
離される。
【0024】これら異性体は医薬、農薬の中間体などと
して利用される。
【0025】
【実施例】以下に、本発明を実施例を持って説明する。
【0026】実施例1(ペンタシル型ゼオライトの合
成) 固形カセイソーダ(NaOH含量96.0wt%、H2
O含量4.0wt%、片山化学)7.3グラム、酒石酸
粉末(酒石酸含量99.7wt%、H2 0含量0.3w
t%,片山化学)10.2グラム、を水583.8グラ
ムに溶解した。この溶液にアルミン酸ソーダ溶液(Al
2 O3 含量18.5wt%、NaOH含量26.1wt
%、H2 0含量55.4wt%、住友化学)35.4グ
ラムを加えて均一な溶液とした。この混合液にケイ酸粉
末(SiO2 含量91.6wt%、Al2 O3 含量0.
33wt%、NaOH含量0.27wt%、ニップシー
ルVN−3、日本シリカ)111.5グラムを撹拌しな
がら徐々に加え、均一なスラリー状水性反応混合物を調
製した。この反応混合物の組成比(モル比)は次のとお
りであった。
【0027】 SiO2 /Al2 O3 25 H2 O/SiO2 20 OH- /SiO2 0.164 A/Al2 O3 1.0 A:酒石酸塩 反応混合物は、1000ml容のオートクレーブに入れ
密閉し、その後250rpmで撹拌しながら160℃で
72時間反応させた。
【0028】反応終了後、蒸留水で5回水洗、濾過を繰
り返し、約120℃で一晩乾燥した。得られた生成物は
表1に示すX線回折パターンを有するペンタシル型ゼオ
ライトであった。このゼオライトのシリカ/アルミナモ
ル比は組成分析の結果、21.9であった。ゼオライト
の二次粒子径は最大で40ミクロンであった。
【0029】
【表1】 実施例2(触媒の調製:触媒組成物A) 実施例1で得られたゼオライト粉末30グラム(絶乾基
準)にアルミナゾル(Al2O3含量10wt%、コロイ
ダルアルミナ200、日産化学)24グラム、アルミナ
ゲル(Al2O3含量70wt%、CataloidAP
(Cー10)、触媒化成)3グラムを加え、約2時間混
練りした。混練りする時、混練り状態を見て適量の蒸留
水を加え、ペースト状の混合物とした。これを0.8m
mФの孔があるスクリーンを通してヌードル状の成形体
とした。120℃で一晩乾燥した後、500℃で1時間
焼成した。
【0030】焼成した成形体30グラムをとり、10w
t%の塩化アンモニウム水溶液を用いて80から85℃
で1時間イオン交換処理をした。このイオン交換処理を
5回繰り返した後、蒸留水で5回水洗した。120℃で
一晩乾燥し、アンモニウムイオン交換型の成形体を得
た。その後、550℃で2時間焼成し、アンモニウムイ
オンを水素イオンに変換し、酸型の主空洞の入口が10
員酸素環からなるゼオライトを含有する触媒組成物Aを
得た。また、SEM観察により、触媒成型体中のゼオラ
イトの最大二次粒子径は3ミクロンであった。観察した
SEM像の例を図1に示す。
【0031】比較例1(触媒の調製:触媒組成物B) 触媒成型時における混練時間が約30分である以外、触
媒組成物Aと同様にして調製し触媒組成物Bを得た。S
EM観察により、触媒成型体中のゼオライトの最大二次
粒子径は10ミクロンであった。観察したSEM像の例
を図2に示す。
【0032】実施例3(DCB異性化反応) 上記の方法で触媒成型体中の主空洞の入口が10員酸素
環からなるゼオライトの二次粒子径を変化させた触媒組
成物AおよびBについて、液相でo-DCBの異性化反応
試験を行った結果を表2に示す。
【0033】
【表2】 表2から、触媒成型体中の主空洞の入口が10員酸素環
からなるゼオライトの二次粒子径の最大値が5ミクロン
より小さいと触媒活性が高くなり、反応温度を低くする
ことができることがわかる。
【0034】実施例4(CT異性化反応) 上記の方法で触媒成型体中の主空洞の入口が10員酸素
環からなるゼオライトの二次粒子径を変化させた触媒組
成物AおよびBについて、液相でCT異性化反応試験を
行った結果を表3に示す。
【0035】
【表3】 表3から、触媒成型体中の主空洞の入口が10員酸素環
からなるゼオライトの二次粒子径の最大値が5ミクロン
より小さいと触媒活性が高くなり、反応温度を低くする
ことができることがわかる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、DCB、CTなどのハ
ロゲン化芳香族化合物の異性化反応の触媒活性が向上し
反応温度を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で調製した触媒組成物AのSEM像を
表す図である。
【図2】比較例1で調製した触媒組成物BのSEM像を
表す図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒成型体中の主空洞の入口が10員酸素
    環からなるゼオライトの二次粒子径が最大5ミクロン以
    下であることを特徴とするハロゲン化芳香族化合物の異
    性化触媒組成物。
  2. 【請求項2】ハロゲン化芳香族化合物が次の一般式(I)
    で示される化合物であることを特徴とする請求項1記載
    のハロゲン化芳香族化合物の異性化触媒組成物。 【化1】 (式中、X1はハロゲン原子、X2はハロゲン原子また
    はメチル基)。
  3. 【請求項3】ハロゲン化芳香族化合物がジクロロベンゼ
    ンまたはクロロトルエンである請求項2記載のハロゲン
    化芳香族化合物の異性化触媒組成物。
  4. 【請求項4】主空洞の入口が10員酸素環からなるゼオ
    ライトが酸型であることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項記載のハロゲン化芳香族化合物の異性化触媒
    組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項記載のハロゲ
    ン化芳香族化合物の異性化触媒組成物をハロゲン化芳香
    族化合物と接触させるハロゲン化芳香族化合物の異性化
    方法。
  6. 【請求項6】ハロゲン化芳香族化合物が次の一般式(I)
    で示される化合物であることを特徴とする請求項5記載
    のハロゲン化芳香族化合物の異性化方法。 【化2】
  7. 【請求項7】ハロゲン化芳香族化合物がジクロロベンゼ
    ンまたはクロロトルエンである請求項6記載のハロゲン
    化芳香族化合物の異性化方法
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