JPH11319753A - アルミドロス残灰の処理方法 - Google Patents

アルミドロス残灰の処理方法

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JPH11319753A
JPH11319753A JP10129205A JP12920598A JPH11319753A JP H11319753 A JPH11319753 A JP H11319753A JP 10129205 A JP10129205 A JP 10129205A JP 12920598 A JP12920598 A JP 12920598A JP H11319753 A JPH11319753 A JP H11319753A
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aluminum
weight
residual ash
aluminum dross
alumina composition
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JP10129205A
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Akira Morita
彰 森田
Masaharu Sugiyama
雅春 杉山
Noboru Sugiyama
昇 杉山
Hiroshi Watanabe
寛 渡邉
Masatoshi Nanba
正敏 南波
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Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミドロス残灰から資源的及び設備的に効
率良く有害不純物を除去し、産業上有用なアルミナ組成
物を得ることができるアルミドロス残灰の処理方法を提
供する。 【解決手段】 アルミニウム又はアルミニウム合金から
なるアルミ原材料を溶解するアルミ溶解工程で発生する
アルミドロスより金属状のアルミニウム又はアルミニウ
ム合金を回収した後のアルミドロス残灰に、水酸化カル
シウム又は水酸化ナトリウムと水とを添加し、固形分濃
度400〜800g/リットル又は30〜55重量%で
攪拌・混練下にペースト状態を維持しながら水熱処理し
たのち、水又は温湯で洗浄し、次いで固液分離してアル
ミナ組成物を得る、アルミドロス残灰の処理方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アルミニウム
(以下「アルミ」と略称する)又はアルミ合金からなる
アルミ原材料を溶解するアルミ溶解工程で不可避的に発
生するアルミドロスより金属状のアルミ又はアルミ合金
を回収した後のアルミドロス残灰を、簡単な方法で処理
して環境上又は利用上問題となる有害不純物を除去し、
産業上有用資源化するのに容易なアルミナ組成物とする
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミ又はアルミ合金からなるアルミ製
品は、その耐蝕性、軽量性、導電性、伝熱性等において
優れた特性を有し、このために車両、船舶、機械、電
気、建築、日用品、飲料用缶等の極めて多くの分野で広
範囲に利用されており、また、その形態も鋳塊品、圧延
品、押出品、鍛造品等の種々の製品として極めて多岐に
及んでいる。
【0003】そして、このようなアルミ製品の製造は、
一般的には、アルミ新地金、アルミ母合金、工場内で生
じる製品のアルミ切れ端(工場内リターン材)、二次ア
ルミ塊、二次アルミ母合金塊、回収アルミスクラップ等
のアルミ原材料を溶解して基本的な形態のスラブ、ビレ
ット、アルミ塊、アルミ合金塊等のアルミ鋳塊品を製造
し、次いで、このアルミ鋳塊品に圧延、押出、鍛造等の
加工を施して所望の形状に形成し、このうち多くは、表
面の清浄化や、表面に耐蝕性や意匠性を付与する等の目
的で、陽極酸化処理等の表面処理を施し、所望のアルミ
製品とされている。
【0004】このため、アルミ原材料からアルミ鋳塊品
を製造するにはこのアルミ原材料を溶解するアルミ溶解
工程が不可欠であり、アルミ又はアルミ合金が元来酸化
され易い金属であることから、このアルミ溶解工程で溶
湯表面が酸化される。そこで、この溶湯表面の酸化を防
止するために、通常フラックスが使用されているが、こ
の溶湯表面の酸化を完全に防止することは困難であり、
溶湯表面にアルミ酸化物を主成分とする、いわゆるアル
ミドロスが不可避的に発生する。
【0005】そして、このアルミドロスについては、通
常それが80重量%にも及ぶアルミを含んでいるので、
溶湯表面上から掻き出されたアルミドロスを回転羽根式
等のしぼり機を用いて、あるいは加圧下に溶融金属アル
ミを絞り出して回収している。また、この1次回収処理
した後、冷却、固化したアルミドロスを再度溶解処理
し、同様にして金属アルミを可及的に回収している。
【0006】このようにしてアルミドロスから溶融金属
アルミを可及的に回収した後の残滓、すなわちアルミド
ロス残灰は、主としてアルミ酸化物からなるものである
が、依然として金属アルミ(合金も含む)を含み、ま
た、水と反応してアンモニアや塩化水素を発生し、悪臭
等の公害の原因になる窒化アルミ(AlN)やフラック
ス由来の塩素含有成分を含んでいる。
【0007】このため、このアルミドロス残灰について
は、これまでに、無公害化処理したり、あるいは、アル
ミナ源として再利用することが種々検討されている。し
かしながら、このアルミドロス残灰に含まれている不純
物の窒化アルミは、通常5〜15重量%にも達し、放置
ないし保管中でも空気中の水分と反応してアンモニアを
発生し、安全性や環境上の問題を引き起こすが、中性な
いしは還元性雰囲気中では、高温でもかなり安定であ
り、例えば化学工業原料、窯業原料、金属製精錬用造滓
剤等としての有用資源化の障害となっている。
【0008】このような不純物の窒化アルミを除去する
方法としては、古くからか焼法や水熱処理法が知られて
いる。そして、か焼法では、アルミドロス残灰を赤熱以
上に加熱して窒化アルミを酸化分解しているが、90重
量%以上を分解して生成物中の窒化アルミの量を1重量
%以下にするには、1300℃にも及ぶ高温が必要にな
り、エネルギーコスト等の問題があるほか、時には粘性
のあるクリンカーが生成し、操業に支障が出ることもあ
る。
【0009】また、古典的な水熱処理法では、アルミド
ロス残灰に多量の水、時には海水を加え、開放容器中で
攪拌下に加熱して AlN + 3H2 O → Al(OH)3 + NH3 の反応を行わせているが、処理に長時間を必要とし、反
応槽の設備負担が大きくなり、しかも、なお窒化アルミ
の除去効率が十分ではなく、その80重量%以上を分解
除去するのは極めて困難である。
【0010】近年、無公害アンモニア燃焼装置等のアン
モニア処理技術が発達し、このような技術を用いて発生
するアンモニアを無公害化処理することも考えられる
が、水熱反応が長時間を要するため、フード等によるア
ンモニアの捕集ではアンモニア濃度が希薄すぎて経済的
な操業が困難であり、実用化には至っていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、アルミ製品の製造工程で発生する処理の困難なアル
ミドロス残灰を、環境上の問題がなく、しかも、効率的
かつ経済的に有用資源化するための方法について鋭意検
討した結果、従来の長時間かつ非効率的で、しかも、ア
ンモニア対策の困難な水熱処理法において、アルカリ性
分散媒を用いると窒化アルミの分解が促進され、しか
も、攪拌・混練下に高固形分濃度のペースト状態を維持
しながら水熱処理することにより、通常のスラリー状水
熱処理に比べて極めて短時間で窒化アルミを分解するこ
とができ、その結果、発生するアンモニアの回収も容易
になることを見出し、本発明を完成した。
【0012】従って、本発明の目的は、アルミドロス残
灰から資源的及び設備的に効率良く有害不純物を除去
し、産業上有用なアルミナ組成物を得ることができるア
ルミドロス残灰の処理方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ア
ルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミ原材料
を溶解するアルミ溶解工程で発生するアルミドロスより
金属状のアルミニウム又はアルミニウム合金を回収した
後のアルミドロス残灰に、水酸化カルシウム又は水酸化
ナトリウムと水とを添加し、固形分濃度400〜800
g/リットル又は30〜55重量%で攪拌・混練下にペ
ースト状態を維持しながら水熱処理したのち、水又は温
湯で洗浄し、次いで固液分離してアルミナ組成物を得
る、アルミドロス残灰の処理方法である。
【0014】本発明において処理の対象となるアルミド
ロス残灰は、それがアルミやアルミ合金からなるアルミ
原材料を溶解するアルミ溶解工程で副生するものであれ
ば特に制限されるものではなく、具体的には、例えば、
アルミ新地金、アルミ母合金、工場内で生じる製品のア
ルミ切れ端(工場内リターン材)、二次アルミ塊、二次
アルミ母合金塊、自動車部品やアルミ缶等の回収アルミ
スクラップ等のアルミ原材料を溶解して基本的な形態の
スラブ、ビレット、アルミ塊、アルミ合金塊等のアルミ
鋳塊品を製造する際のアルミ溶解工程で副生するアルミ
ドロスから得られるアルミドロス残灰である。このよう
なアルミドロス残灰の組成は、概ね、金属アルミ8〜1
5重量%、酸化アルミ(Al2 O3 )50〜60重量
%、窒化アルミ(AlN)5〜15重量%、鉄(Fe)
0.5〜2重量%、珪素(Si)0.5〜10重量%、
マグネシウム(Mg)0〜6重量%、アルカリ(Na+
K)1.5〜3重量%、カルシウム(Ca)0〜1重量
%、塩素(Cl)1〜6重量%、弗素(F)0.5〜2
重量%等である。
【0015】本発明においては、上記アルミドロス残灰
に水酸化カルシウム又は水酸化ナトリウムと水とを添加
し、攪拌・混練下にペースト状態を維持しながら水熱処
理を行う。ここで用いる水酸化カルシウムや水酸化ナト
リウムは、窒化アルミの分解反応や金属状アルミの酸化
反応を促進する作用を有するものであり、生成物の純度
の観点から通常の工業用水酸化カルシウム又は工業用水
酸化ナトリウムのごときものを用いることができる。
【0016】そして、これら水酸化カルシウムや水酸化
ナトリウムの添加量については、水熱処理の際の接触液
相のpHが実質11.5以上になればよく、また、アル
ミドロス残灰中の酸性成分(Cl、F、SO3 等)と反
応して相当する塩を生成したり、SiO2 成分と反応し
てアルミノ珪酸塩を生成して消費されるのを考慮し、通
常、アルミドロス残灰100重量部に対して1〜8重量
部、好ましくは2〜6重量部の範囲で用いればよい。こ
の添加量が必要以上に多くなると、特に水酸化カルシウ
ムの場合には残留水酸化カルシウムの量が多くなって得
られるアルミナ組成物の純度が低下し、また、水酸化ナ
トリウムの場合にはアルミナの溶解損失を招来する結果
となる。また、この添加量が1重量部より少ないと、窒
化アルミや金属状アルミの分解促進効果が乏しく、いた
ずらに長時間を要し、設備的、エネルギー的にコスト負
担が増加する。
【0017】上記アルミドロス残灰、水酸化カルシウム
又は水酸化ナトリウム及び水により構成される混合物
は、攪拌・混練下にペースト状態を維持するために、固
形分濃度が400〜800g/リットル又は30〜55
重量%、好ましくは600〜700g/リットル又は4
5〜50重量%の範囲である必要がある。この固形分濃
度が400g/リットル又は30重量%より低いと、混
合物の流動性が過多になり、アルミドロス残灰粒子相互
の接触による摩砕作用を期待できなくなるほか、通常の
スラリー状水熱処理と変わらなくなり、反対に、800
g/リットル又は55重量%より高くなると、アルミド
ロス残灰粒子と水との接触が不十分になって水熱反応が
十分に進行しなくなり、また、水分の蒸発により局部的
に塊が発生し、混合物の混練や移送に支障が生じる。
【0018】このような攪拌・混練下で行われるペース
ト状態での水熱処理において、処理温度は、高ければ高
いほど水熱反応が速やかに進行するが、あまり高温にな
って液相の沸点、すなわちアルミドロス残灰中の可溶性
塩類、添加した水酸化カルシウムや水酸化ナトリウム、
あるいはこの添加した水酸化カルシウムや水酸化ナトリ
ウムから生成した塩類等の溶解により上昇した沸点の約
110℃を超えると、いたずらに水分の蒸発量が多くな
って熱エネルギー効率が低下するので、通常は90〜1
10℃、好ましくは95〜105℃程度がよい。
【0019】また、このペースト状態での水熱処理にお
いては、水熱反応の進行と共に水酸化アルミニウムが生
成する等の水和反応生成物が生成し、これに加えて不可
避的に水分が蒸発し、混合物の固形分濃度が高くなる傾
向にあるので、必要によりスチームや熱湯を補給し、こ
の水熱処理中ペースト状態が維持できるようにする。こ
の水熱処理の処理時間は、通常は、所定温度に到達後2
0〜60分であり、20〜40分で窒化アルミの90重
量%以上が分解する。そして、この水熱処理の間に発生
するアンモニアについては、必要により空気等のキャリ
アガスを導入し、処理の容易な濃度のアンモニア含有ガ
スとして回収する。
【0020】本発明の水熱処理の方法については、攪拌
・混練下にペースト状態を維持して加熱することがで
き、また、水熱反応の際に発生するアンモニアを抜き出
すことができれば特に制限はなく、バッチ式であって
も、また、連続式であってもよいが、熱エネルギーの放
散やアンモニア回収操作の点で連続式で行うのが便利で
ある。また、加熱の方法についても、電熱式や蒸気によ
る間接加熱法、あるいは、生蒸気吹込、高温空気吹込等
の直接加熱法、更にはこれらの方法の組み合わせ等、任
意の方法を採用することができる。
【0021】本発明の方法においては、その水熱処理中
に、窒化アルミの分解によりアンモニアを発生し、ま
た、金属アルミニウムの反応により水素が発生する。こ
のため、本発明方法においては、水熱処理中、水熱処理
槽の底部から空気を吹込、生成するアンモニアや水素を
この空気と同伴させ、水熱処理槽の上部から回収し、燃
焼等の通常の排ガス処理方法により処理する。
【0022】この水熱処理中の空気吹込量については、
吹き込まれた空気中に同伴されるアンモニアや水素の濃
度が乾燥気体換算でその爆発限界以内、すなわちアンモ
ニアについては16体積%以下及び水素については4体
積%以下である必要があり、好ましくはアンモニア濃度
が6体積%以下、より好ましくは1〜4体積%となる範
囲であるのがよく、これによって水熱処理中に生成した
アンモニアを安全かつ容易に処理することができる。
【0023】本発明方法において、攪拌・混練下のペー
スト状態での水熱処理が終了したのち、得られたアルミ
ドロス残灰の反応生成物は、次いでリパルビング洗浄等
の方法で、水又は温湯により洗浄され、更に固液分離さ
れて湿潤状態のアルミナ組成物が回収される。
【0024】このようにして得られた湿潤アルミナ組成
物は、金属状アルミ、窒化アルミ、可溶性塩類等をほと
んど含まないので、このまま又は乾燥して水酸化アルミ
質(易反応性)アルミナ組成物として有用資源化が可能
であるが、更に必要により加熱焼成し無水アルミナ組成
物として用いることもできる。
【0025】この湿潤アルミナ組成物の加熱焼成処理
は、最早、金属状アルミや窒化アルミ、その他の高温揮
発性有害不純物(例えば、塩素含有物質)等を除去する
必要が無く、主として水酸化アルミニウム中の水分を除
去すればよいので、従来のか焼法のように1300℃に
も及ぶ高温は必要なく、例えば簡単なロータリー式焼成
装置や流動層式焼成装置等を用い、通常500〜100
0℃、好ましくは700〜900℃程度の低温下に10
〜20分程度の焙焼で十分に行うことができ、アルミナ
(Al2 O3 )含有率70重量%以上、好ましくは75
重量%以上の安定な無水アルミナ組成物を得ることがで
きる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図1に示すプロセスフロー
チャートに基づいて、本発明の好適な実施の形態の一例
を説明する。なお、水熱処理装置としては、攪拌・混練
下にペースト状態を維持しながら水熱処理を行うことが
できるスクリューコンベア式の連続混練機又はパドルを
装備した傾斜型の連続混練機を用いた例で説明する。
【0027】図1に示すように、アルミドロス残灰、工
業用水酸化カルシウム又は25重量%工業用水酸化ナト
リウム水溶液、及び水を所定の割合で連続的に連続混練
機に装入し、上記又は高温流体用ジャケットや電熱帯等
の保温帯付きの外部加熱装置で保温又は加熱しながら所
定の温度で攪拌・混練し、ペースト状態で水熱処理を行
う。なお、連続混練機の内壁には着脱可能なスチールラ
イニング等を設けておくと、内壁が磨耗した際の補修に
便利である。
【0028】この水熱処理の際に発生するアンモニア含
有ガスは、連続混練機に設けられた排気孔から吸引下に
排気され、また、所定時間の水熱処理後に生成したペー
スト状の水熱反応生成物は、この連続混練機の出口から
連続的に押し出され、回転羽根を備えた洗浄槽に送り込
まれ、そこで水又は温湯により固形分濃度100〜30
0g/リットルのスラリーにリパルビングされて洗浄さ
れる。なお、この洗浄処理中、洗浄槽の底部から空気を
吹き込み、その上部から排気を回収するようにしておけ
ば、ペースト状の水熱反応生成物の液相中に溶存したア
ンモニアもその大部分を回収することができ、次の工程
の固液分離後の濾液の排水処理が極めて容易になる。
【0029】洗浄槽での洗浄処理は、通常、滞留時間1
0〜60分であり、この洗浄槽をオーバーフローしたス
ラリーは任意の方法で固液分離される。得られた水熱反
応生成物の濾過性は特に問題はなく、通常の加圧濾過装
置(フィルタープレス等)等により容易に濾過すること
ができ、付着水分15〜30重量%程度の湿潤アルミナ
組成物として回収することができる。
【0030】また、このようにして得られた湿潤アルミ
ナ組成物は、必要により、所定の温度で所定時間焼成
し、容易に無水アルミナ組成物とすることができる。
【0031】本発明によれば、従来法とは異なり、アン
モニアを効率的に回収して環境上の問題を解決しつつ、
従来法に比べて極めて短時間(通常の1/150〜1/
300程度)でアルミドロス残灰中に含まれるその有用
資源化に有害な不純物を除去することができる。例え
ば、本発明においては、窒化アルミ、アルカリ金属、並
びに、塩素及び弗素がいずれも90重量%以上も除去さ
れたアルミナ組成物を得ることができ、しかも、無水ア
ルミナ組成物を得るための焼成温度も従来法に比べては
るかに低温でよく、有用資源化に適した無水物換算で窒
化アルミ1重量%以下、金属状アルミ0.5重量%以
下、Na2 O:0.1重量%以下、K2 O:0.1重量
%以下、及び塩素1.0重量%以下のアルミナ組成物を
容易に得ることができる。
【0032】
【実施例】以下、試験例及び実施例に基づいて、本発明
をより具体的に説明する。
【0033】実施例1 アルミドロス残灰〔組成(105℃乾燥物):金属状ア
ルミニウム(Al)1.9重量%、窒化アルミ(Al
N)14.5重量%、アルミナ(Al2 O3 )54.0
重量%、Fe(Fe2 O3 として)1.34重量%、M
g(MgOとして)9.29重量%、Si(SiO2 と
して)3.42重量%、Na(Na2 Oとして)0.9
0重量%、K(K2 Oとして)0.86重量%、Ca
(CaOとして)1.09重量%、Cl:4.9重量
%、及びF:1.6重量%〕を60kg/時、工業用水
酸化カルシウムを2.4kg/時、及び水を60kg/
時の割合で、内幅32cm及び高さ45cmのU字型断
面を有する長さ3mの外部電熱式スクリュー式連続混練
機の端部に連続的に装入し、105℃に維持しながら水
熱処理を行った。
【0034】この水熱処理中、蒸発水分を補給し、ま
た、固形分濃度50重量%のペースト状態を維持するた
め、150℃の蒸気及び熱湯を110kg/時で補給
し、また、連続混練機の排気孔からは水蒸気を随伴した
アンモニア含有ガスを3.2kg/時の割合で抜き出
し、希釈空気により3体積%(乾燥ベース)に希釈して
アンモニア処理装置に移送した。
【0035】連続混練機の出口からは固形分濃度50重
量%のペースト状態の水熱反応生成物を205kg/時
の速度で排出させ、この水熱反応生成物(アルミナ組成
物)を0.9m3 /時の温湯と共に1mφ×深さ2mの
回転攪拌羽根付き保温洗浄槽内に送り込み、蒸気及び空
気を吹き込み、かつ、アンモニアを含有する空気を回収
しながら、90℃で洗浄処理を行い、滞留時間1時間の
後にオーバーフローをフィルタープレスに導いて固液分
離し、湿潤状態の水熱反応生成物(湿潤アルミナ組成
物)110kg/時を得た。
【0036】この得られた湿潤アルミナ組成物の付着水
分量は約20重量%であり、その乾燥物の組成は、金属
状アルミニウム(Al)0.32重量%(分解率93
%)、窒化アルミ(AlN)0.80重量%(分解率9
2%)、アルミナ(Al2 O3)56.6重量%であっ
た。
【0037】実施例2 上記実施例1で得られた湿潤アルミナ組成物500gを
電気炉に装入し、昇温時間1時間及び800℃保持時間
15分の条件で焼成し、無水アルミニウム組成物396
gを得た。この無水アルミニウム組成物の組成は、金属
状アルミニウム(Al)0.44重量%、窒化アルミ
(AlN)0.79重量%、アルミナ(Al2 O3 )7
7.9重量%、Fe(Fe2 O3 として)1.26重量
%、Mg(MgOとして)8.70重量%、Si(Si
O2 として)3.20重量%、Na(Na2 Oとして)
0.05重量%、K(K2 Oとして)0.05重量%、
Ca(CaOとして)1.37重量%、Cl:0.68
重量%、及びF:0.16重量%であった。
【0038】比較例1 実施例1で用いたアルミドロス残灰について、上記実施
例1で行ったような水熱処理をすることなくそのまま実
施例2と同様にして焼成し、無水アルミニウム組成物を
得た。得られた無水アルミニウム組成物の組成は、金属
状アルミニウム(Al)2.82重量%、窒化アルミ
(AlN)2.08重量%、アルミナ(Al2 O3 )7
0.2重量%、Fe(Fe2 O3 として)1.24重量
%、Mg(MgOとして)8.52重量%、Si(Si
O2 として)3.14重量%、Na(Na2 Oとして)
0.82重量%、K(K2 Oとして)0.79重量%、
Ca(CaOとして)0.99重量%、Cl:3.30
重量%、及びF:1.45重量%であり、金属状アルミ
ニウム(Al)や窒化アルミ(AlN)の分解が不十分
であった。
【0039】実施例3 水酸化カルシウムに代えて水酸化ナトリウムを用いた以
外は、上記実施例1及び2と同様にしてアルミドロス残
灰の水熱処理を行い、次いで得られた湿潤アルミナ組成
物の焼成処理を行って無水アルミナ組成物を得た。得ら
れた無水アルミニウム組成物の組成は、Ca(CaOと
して)が1.0重量%でNa(Na2 Oとして)が0.
5重量%であった以外は、上記実施例2の場合とほとん
ど同じであった。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、アルミ溶解工程で発生
する処理の困難なアルミドロス残灰を水熱処理するに当
たり、その処理時間を大幅に短縮できるほか、この水熱
処理の間に発生するアンモニア等の有害ガスを効率良く
回収して処理することができ、しかも、好ましくない不
純物を効率良く除去できて工業的に有用なアルミナ組成
物として回収することができ、アルミドロス残灰の有用
資源化の観点から極めて実用的価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施の一例を示すプロセス
フローチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 昇 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 日本軽金属株式会社グループ技術センター 内 (72)発明者 渡邉 寛 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 日本軽金属株式会社グループ技術センター 内 (72)発明者 南波 正敏 東京都品川区東品川2丁目2番20号 日本 軽金属株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金から
    なるアルミ原材料を溶解するアルミ溶解工程で発生する
    アルミドロスより金属状のアルミニウム又はアルミニウ
    ム合金を回収した後のアルミドロス残灰に、水酸化カル
    シウム又は水酸化ナトリウムと水とを添加し、固形分濃
    度400〜800g/リットル又は30〜55重量%で
    攪拌・混練下にペースト状態を維持しながら水熱処理し
    たのち、水又は温湯で洗浄し、次いで固液分離してアル
    ミナ組成物を得ることを特徴とするアルミドロス残灰の
    処理方法。
  2. 【請求項2】 水熱処理は、90〜110℃の温度で2
    0〜60分間行う請求項1に記載のアルミドロス残灰の
    処理方法。
  3. 【請求項3】 水酸化カルシウム又は水酸化ナトリウム
    の添加量が、アルミドロス残灰100重量部に対して1
    〜8重量部である請求項1又は2に記載のアルミドロス
    残灰の処理方法。
  4. 【請求項4】 固液分離して得られたアルミナ組成物を
    焼成して無水アルミナ組成物を得る請求項1〜3のいず
    れかに記載のアルミドロス残灰の処理方法。
  5. 【請求項5】 アルミナ組成物の焼成を500〜100
    0℃の温度で行う請求項4に記載のアルミドロス残灰の
    処理方法。
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