JPH11320699A - コンタクトレンズの製造方法 - Google Patents

コンタクトレンズの製造方法

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JPH11320699A
JPH11320699A JP13972998A JP13972998A JPH11320699A JP H11320699 A JPH11320699 A JP H11320699A JP 13972998 A JP13972998 A JP 13972998A JP 13972998 A JP13972998 A JP 13972998A JP H11320699 A JPH11320699 A JP H11320699A
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JP
Japan
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contact lens
male mold
mold
lens
hot water
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JP13972998A
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English (en)
Inventor
Yoichi Ushiyama
洋一 牛山
Kanji Katagiri
寛司 片桐
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 角膜に接するベースカーブ面を型によって形
成し、フロントカーブ面を切削によって形成する片面モ
ールド法において、コンタクトレンズを雄型から容易に
分離させることができると共に、生産工程数を減らすこ
とができるコンタクトレンズの製造方法を提供する。 【解決手段】 雄型1に付着しているコンタクトレンズ
7を熱水Wに浸漬処理して雄型1から自然剥離させる。
熱水Wに界面活性剤を配合して洗浄を兼ねる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンタクトレンズ
の製造方法に関し、特に、角膜に接するベースカーブ面
を型によって形成し、フロントカーブ面を切削によって
形成するコンタクトレンズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ソフトコンタクトレンズは、その
装用感の良さから従来のハードコンタクトレンズを装用
できなかった人々に広く使用されており、ソフトコンタ
クトレンズ装用者の割合が増加しつつある。
【0003】そのため、低コストで品質のよいソフトコ
ンタクトレンズを製造する技術が求められている。
【0004】従来より、コンタクトレンズの製造方法に
は、棒状から切り出した又は成形したボタン状のコンタ
クトレンズ原料の両面を旋盤により切削、研磨して製造
するレースカット法、レンズ形状のキャビティを有する
成形型を用いてこのキャビティに重合性モノマーを充填
し、重合させてコンタクトレンズを得る一括成形法、重
合性モノマーを回転する型の中に流し込み、遠心力で原
料が薄く広がるのを利用してコンタクトレンズを製造す
るスピンキャスト法が知られている。
【0005】レースカット法は、あらゆる種類のコンタ
クトレンズを製造できるものの、製造コストが高いとい
う問題がある。一括成形法は、製造コストは低いもの
の、形状の異なった多品種のコンタクトレンズを製造す
る場合は多種の成形型を必要とすること、寸法精度や面
精度は型の精度に大きく左右され、精度のよいコンタク
トレンズを製造することが困難であるという問題があ
る。また、スピンキャスト法は、製造コストは低いもの
の、重合性モノマーの粘度、表面張力、量、回転数など
の多くの因子を制御する必要があり、精度のよいコンタ
クトレンズの製造が困難であると共に、適用可能なレン
ズ材料も特定のものに限定されてしまうという問題があ
る。
【0006】そのため、近年、レンズ半完成品をモール
ド法で製造し、その後切削加工でコンタクトレンズを製
造するというレースカット法と一括成形法の中間の片面
モールド法と呼ばれる製造方法が提案されている。
【0007】この片面モールド法は、ソフトコンタクト
レンズでは、コンタクトレンズの角膜に直接接触するベ
ースカーブ面はそれほど多くの種類を必要としないた
め、モールド法によりベースカーブ面を型で直接成形
し、コンタクトレンズとして必要な厚さの数倍〜数十倍
の厚さのレンズ半完成品を製造した後、度数を決定する
フロントカーブ面は切削加工で形成するものである。
【0008】この片面モールド法は、フロントカーブ側
を切削加工で任意の曲率に形成できるために、度数や中
心厚を自由に設定することができるだけでなく、エッジ
部の形成が容易にできる特徴がある。
【0009】片面モールド法の一般的な製造方法は、ま
ず、ベースカーブ面を転写する雄型と、雄型と組み合わ
されてキャビティを形成する雌型とを射出成形法などで
それぞれ成形する。次に、雌型に重合性モノマーを注入
した後、雄型を雌型に組み合わせてこれらの型の間のレ
ンズ状のキャビティに重合性モノマーを充填し、重合性
モノマーを熱又は紫外線で重合させてレンズ半完成品を
製造する。重合終了後、雌型を取り除きあるいは雌型を
そのまま取り付けた状態でレンズ半完成品が付着した雄
型をレンズ切削用旋盤に取り付け、レンズ半完成品を切
削、研磨加工してフロントカーブ面を作製し、コンタク
トレンズを得る。雄型に得られたコンタクトレンズが付
着している状態でコンタクトレンズ表面を洗浄した後、
水又は生理食塩水でハイドレーションを行い、その後、
膨潤したコンタクトレンズを雄型から手作業で取り外
す。そして、生理食塩水で抽出、置換を行ってコンタク
トレンズが完成する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、片面モ
ールド法では、レンズ半完成品を雄型に付着させた状態
で切削、研磨を行う必要があるため、切削、研磨加工時
にレンズ半完成品にかかる応力でレンズ半完成品が雄型
から剥離しないように、雄型の素材としてレンズ素材と
接着性のよい樹脂を用いている。そのため、コンタクト
レンズが雄型に強固に付着し、コンタクトレンズを雄型
から分離するのが困難である。現状では、分離の前に研
磨時にコンタクトレンズに付着したシリコンオイルや研
磨材を洗浄する工程とハイドレーション工程を設け、コ
ンタクトレンズを膨潤させた後にコンタクトレンズを雄
型から手作業で剥がす作業を行っており、製造工程が多
く、手間がかかり、製造コストが高くなるという問題が
ある。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、片面モールド法において、コンタクトレンズを雄型
から容易に分離させることができると共に、生産工程数
を減らすことができるコンタクトレンズの製造方法を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意検討を重ねた結果、切削、研磨後にコ
ンタクトレンズが、例えば、レンズ素材と接着性のよい
エチレン−ビニルアルコール共重合体で構成される雄型
に強固に付着している状態で、好ましくは80℃以上の
熱水中に浸漬処理することにより、コンタクトレンズが
熱水中で自然に雄型から剥離すると共に、水で膨潤し、
これにより、脱型とハイドレーションを兼用できること
を見い出した。
【0013】また、片面モールド法ではレースカット法
と比べて汚れはシリコンオイルや研磨材であり、汚れの
付着が少ないため、熱水浸漬処理に際し、水に界面活性
剤を配合することにより、コンタクトレンズに付着した
汚れを有効に除去できることを見い出した。従って、界
面活性剤を配合した熱水浸漬処理により、洗浄、ハイド
レーション、脱型を一つの工程で行うことができること
を確認し、本発明をなすに至った。
【0014】従って、請求項1記載の発明は、雄型と雌
型とを組み合わせてこれらの間の空隙に重合性モノマー
を充填する工程と、前記空隙に充填した重合性モノマー
を重合させてレンズ半完成品を製造する工程と、前記雌
型を取り外して又は取り外さずに前記雄型に付着してい
るレンズ半完成品を該雄型に付着させた状態で切削して
コンタクトレンズを形成する工程と、前記雄型と該雄型
に付着している前記コンタクトレンズとを熱水中で分離
させる工程とを有することを特徴とするコンタクトレン
ズの製造方法を提供する。
【0015】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載のコンタクトレンズの製造方法において、前記熱水中
に界面活性剤を配合することを特徴とするコンタクトレ
ンズの製造方法を提供する。
【0016】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は2記載のコンタクトレンズの製造方法において、前記
雄型がエチレン−ビニルアルコール共重合体で構成され
ていることを特徴とするコンタクトレンズの製造方法を
提供する。
【0017】更に、請求項4記載の発明は、請求項1〜
3いずれかに記載のコンタクトレンズの製造方法におい
て、前記熱水が80℃以上の温度であることを特徴とす
るコンタクトレンズの製造方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て具体的に説明するが、本発明は下記の実施の形態に限
定されるものではない。
【0019】本発明のコンタクトレンズの製造方法は、
上述したように、雄型と雌型とを組み合わせてこれらの
間の空隙に重合性モノマーを充填する工程を有する。
【0020】図1に、雄型と雌型の一実施形態を示し
た。図1(a)は雄型1を示し、(b)は雌型2を示
す。雄型1は、樹脂製で、コンタクトレンズのベースカ
ーブを直接転写するベースカーブ光学面11と、ベース
カーブ光学面の外周に存し、雌型2と協働して液溜部を
形成する突起部12と、更に突起部12の外周側にはリ
ング状の突き当て面13が設けられている。また、後面
側には円筒状のアタッチメント14が設けられ、成形
後、このアタッチメント14でレンズ切削用旋盤に取り
付けることができるようになっている。
【0021】一方、雌型2は、樹脂製で、キャビティを
構成する凹面21を備え、その凹面21の端縁と連な
り、組み立てたとき雄型1の突き当て面13と当接する
接触面22を備える。
【0022】雄型1と雌型2は、例えばそれぞれ射出成
形により形成することができる。使用できる樹脂として
は、成形精度が良く、モノマーにより変性を受けず、重
合に悪影響を与えず、熱硬化することを考慮して耐熱性
が良好で、かつレンズ材料と共に切削されることから、
切削可能な樹脂が好ましい。更に、雄型1では、レンズ
材料が切削加工される間レンズ材料を保持する必要があ
るため、レンズ材料との接着性が良好であることが好ま
しく、更に水等によるハイドレーションによってレンズ
と容易に分離する離型性がよいことが好ましい。これら
の条件から、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール
共重合体、ポリアセタール、ポリエステル、ポリスルフ
ォン、ポリオレフィンなどを例示することができる。こ
れらの中でも雄型1には接着性、離型性、耐溶剤性、転
写性のバランスに優れているエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体が好ましい。
【0023】図2に、これらの雄型1と雌型2とを組み
合わせて成形型を形成した状態を示す。雄型1の凸面1
1と雌型2の凹面21との間にレンズ状の空隙3が形成
され、この空隙3はレンズ半完成品を成形するためのキ
ャビティとなっている。キャビティ3の厚さはコンタク
トレンズとして必要な厚さの2〜20倍、特に5〜10
倍程度の厚さを有することが好ましい。また、キャビテ
ィ3の外周には液溜部4が形成されている。
【0024】このキャビティ3に重合性モノマーを充填
するには、例えば、雌型2の凹面21を上側にしてこの
凹面21に液状モノマーを入れ、その後、雄型1を雌型
2にかぶせて図2に示したように組み合わせる。このと
き、モノマーの量は空隙3の容量よりやや多く入れ、モ
ノマーが空隙3から溢れて液溜部4に溜まるようにす
る。
【0025】本発明に適用可能な重合性モノマーは、一
般的に用いられるラジカル重合可能な化合物であり、ビ
ニル基、アリル基、アクリル基、またはメタクリル基を
分子中に1個以上含む化合物で、通常ハードコンタクト
レンズまたはソフトコンタクトレンズ材料として使用さ
れている物質である。具体的には、アルキル(メタ)ア
クリレート、シロキサニル(メタ)アクリレート、フル
オロアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、多価アルコールの(メタ)アクリル
酸エステル、ビニル(メタ)アクリレート等の(メタ)
アクリル酸エステル類、スチレンの誘導体、N−ビニル
ラクタム、(多価)カルボン酸ビニル等のビニル化合
物、フルオロアルキル(メタ)アクリレート、オルガノ
シロキサニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。さ
らに具体的には、例えば、スチレン、アクリル酸、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアク
リレート、フェニルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、
ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、2
−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、フ
マル酸およびそれらのエステル類、メタクリロニトリ
ル、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニル−2
−ピロリドン、2,2,2−トリフルオロエチルメタク
リレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピ
ルメタクリレート等が挙げられる。
【0026】さらに架橋剤として、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グ
リセリンジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンジ
アリルフタレート、ジエチレングリコールビスアリルカ
ーボネート等の多官能モノマーを用いることもできる。
【0027】これらの使用する重合性モノマーの特性、
つまり粘度、体積収縮率、重合速度等を考慮して、これ
に適した重合方法、重合開始剤の種類、添加量等を選択
して行なう必要がある。
【0028】重合開始剤としては、例えばアゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリ
ル、ペルオキシ炭酸ジイソプロピルなどを挙げることが
できる。重合開始剤の添加量は、全モノマー量に対して
0.01〜3重量%程度である。
【0029】次に、本発明のコンタクトレンズの製造方
法は、空隙3に充填した重合性モノマーを重合させる。
この場合の重合方法に制限はなく、熱重合あるいは紫外
線等の光重合のいずれでもよい。このようにして、ベー
スカーブ面が雄型2で形成され、フロントカーブを形成
する凸面側が予定するコンタクトレンズより厚いレンズ
半完成品を得ることができる。
【0030】次に、本発明のコンタクトレンズの製造方
法は、前記雌型2を取り外して又は取り外さずに雄型1
に付着しているレンズ半完成品を雄型1に付着させた状
態で切削してコンタクトレンズを形成する。
【0031】好ましくは雌型2を取り外した後、レンズ
切削用旋盤に雄型1のアタッチメント14を使って固定
し、図3に示すように、バイト5を用いてレンズ半完成
品6を切削し、コンタクトレンズのフロントカーブを形
成する。その後シリコンオイルに研磨材を懸濁した研磨
液などを用いて研磨を行い、所定の度数を有するコンタ
クトレンズを得る。雄型1をエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体で形成していると、切削、研磨工程中にレン
ズ半完成品6が雄型1から剥離せずに安定して切削、研
磨を行うことができる。
【0032】このようにして得られるコンタクトレンズ
は、ドライ状態で雄型1に強固に付着しており、表面に
は研磨加工に用いたシリコンオイル、研磨剤などの汚れ
が付着している。
【0033】次に、本発明の特徴である雄型とコンタク
トレンズとを熱水中で分離させる熱水浸漬処理工程を行
う。
【0034】なお、この離型工程の前処理としてコンタ
クトレンズの洗浄を行ってもよい。例えば後述する非イ
オン系界面活性剤などの界面活性を配合した水溶液、あ
るいは有機溶剤の中に浸漬し、超音波を与えて洗浄する
ことができる。
【0035】熱水浸漬処理工程は、図4に示すように、
雄型1に付着したコンタクトレンズ7を熱水W中に浸漬
することにより行うことができる。熱水浸漬処理に用い
る水は、コンタクトレンズのハイドレーションを兼用す
るため、純水を用いることが好ましい。そして、純水を
好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上、最
も好ましくは95℃以上に加熱する。80℃より低い温
度ではコンタクトレンズが雄型から剥離しないか、剥離
に時間がかかりすぎる場合がある。オートクレーブを用
いることによって100℃以上の加熱温度も可能であ
り、加熱温度の上限は、雄型を構成している樹脂に依存
し、雄型が熱水に溶解したり、加水分解したりしてコン
タクトレンズに悪影響を及ぼさない温度である。エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体の場合、融点は188℃
程度であるので、融点近くまでは使用可能温度である
が、実用的には2気圧のオートクレーブで得られる12
1℃程度が上限である。通常は、エチレン−ビニルアル
コール共重合体に与える影響が少ない97〜100℃の
範囲の大気炉中で熱水処理を行うことが好ましい。この
温度では、浸漬時間は30分〜1時間半程度である。ま
た、オートクレーブを用いた100℃を超える温度での
浸漬処理では1分程度の浸漬時間で済む場合があり、オ
ートクレーブを用いることにより処理時間を短くするこ
とができる。
【0036】熱水浸漬処理により、コンタクトレンズ7
は短時間で雄型1から自然に剥離すると共にハイドレー
ションされる。コンタクトレンズは膨潤し、体積が1.
1〜1.3倍程度まで膨張する。自然剥離はこの膨張に
よる歪みで生じると考えられる。
【0037】熱水浸漬処理では、用いる水に界面活性剤
を配合することが好ましい。界面活性剤を配合した水を
用いて熱水浸漬処理を行うことにより、コンタクトレン
ズの洗浄とハイドレーションと脱型の3工程を1回の熱
水浸漬処理で行うことができ、製造工程を大幅に削減す
ることができる。これにより、短い時間でこれらの3つ
の工程を行えると共に、洗浄工程で用いる危険な有機溶
剤を使用せずに済み、かつ雄型からコンタクトレンズを
手作業で剥離する場合に比べて、不良が低減する。ま
た、コンタクトレンズを雄型から確実に剥離することが
できるため、接着性の良好な樹脂を用いて雄型1を成形
でき、これにより切削、研磨工程でレンズ半完成品が雄
型から剥離するおそれを更に少なくすることができる。
更に、場合によっては離型性を高めるために雄型1の凸
面に施していた撥水処理が不要になり、工程数を更に減
らすことができる。
【0038】界面活性剤としては、特に制限されず、陰
イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン系界
面活性剤を用いることができるが、人体に対する安全性
とコンタクトレンズへの影響の少なさを考慮して非イオ
ン系界面活性剤を用いることが好ましい。非イオン系界
面活性剤としては、例えばポリ(オキシエチレン)−ポ
リ(オキシプロピレン)ブロック共重合体、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエス
テル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステ
ル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸モノグリ
セリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸
ショ糖エステル及びポリ(オキシエチレン)−ポリ(オ
キシプロピレン)エチレンジアミン縮合物などを挙げる
ことができ、これらの1種を単独で又は2種以上を併用
して用いることができる。
【0039】界面活性剤の配合量は、0.01重量%〜
熱水に対する溶解度までの範囲、特に0.05〜5%の
範囲とすることが好ましい。この範囲とすることによ
り、経済性と十分な洗浄力とを両立することができる。
また、超音波を併用すると、更に離型を早めることがで
きる。
【0040】雄型から離型され、洗浄、ハイドレーショ
ンされたコンタクトレンズは、次に、抽出・置換工程で
コンタクトレンズとして完成する。この抽出・置換工程
は、コンタクトレンズから重合未反応のモノマーを抽出
すると共に、生理食塩水でコンタクトレンズ内部の水を
置換する工程であり、上述した界面活性剤を含有した熱
水でコンタクトレンズを離型した場合は、コンタクトレ
ンズの界面活性剤を除去する役割も有する。
【0041】抽出・置換は、例えば生理食塩水にコンタ
クトレンズを入れ、オートクレーブ中で121℃、2時
間の条件で行うことができる。
【0042】このようなコンタクトレンズの製造方法に
よれば、レンズ半完成品を雄型に付着させたまま切削、
研磨する片面モールド法で問題となる雄型からのコンタ
クトレンズの離型を、短時間で、コンタクトレンズに損
傷を与えず、確実に行うことができる。また、用いる水
に界面活性剤を配合することにより、洗浄、ハイドレー
ション、離型の3つの工程を一つの工程で行うことが可
能であり、工程数を削減して製造コストを低減すること
ができる。
【0043】
【実施例】(実施例1)エチレン−ビニルアルコール共
重合体で雄型1を成形し、ポリプロピレンで雌型2を成
形した。重合性モノマーとしては、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート99重量%、エチレングリコールジメ
タクリレート0.4重量%、2,2’−アゾビス(2,
4−ジメチルバレロニトリル)0.3重量%を良く混合
した後、この混合物を脱気、窒素置換を繰り返して調製
した。
【0044】雌型2に、重合性モノマー0.22gを吐
出し、そこに雄型1を真上からゆっくり下ろして雄型1
と雌型2とを図2に示したように組み立てた。組み立て
られた樹脂型を熱風循環式の恒温槽内に投入し、30〜
70℃を1時間かけて昇温、その後70℃で2時間、1
00℃で2時間加熱して重合した。この後、レンズ半完
成品が接着していた雄型1のアタッチメント14をレン
ズ切削用旋盤に取り付け、フロントカーブ側を曲率7.
7mmにて切削、研磨した。さらに、レンズの外周規定
部が滑らかな曲線形状になるように切削してエッジ部分
を形成した。更に、研磨材をシリコンオイルに懸濁した
研磨液を用いて研磨を行った。
【0045】得られたドライ状態のコンタクトレンズを
非イオン系界面活性剤のニューポールPE−108(三
洋化成工業(株)製)1重量%を溶解した水溶液中に浸
漬し、大気炉中にて98℃で90分間の加熱を行った。
図4に示したように、コンタクトレンズ7は雄型1から
自然剥離し、洗浄不要であった。
【0046】これら膨潤したコンタクトレンズ7を生理
食塩水に浸漬して、所定量の吸水をさせると共に、溶出
物の溶出を完結させた。
【0047】(実施例2)エチレンビニルアルコール共
重合体で雄型1を成形し、ポリプロピレンで雌型2を成
形した。重合性モノマーとしては、2,2,2−トリフ
ルオロエチルメタクリレート70重量%、トリス(トリ
メチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート10重
量%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート3.5重量
%、エチレングリコールジメタクリレート1重量%、
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)0.5重量%を良く混合した後、この混合物を脱気
・窒素置換を繰り返して調製した。
【0048】雌型2に、重合性モノマー0.35gを吐
出し、そこに雄型1を実施例と同様に組み立て、重合、
切削、研磨し、ドライ状態のコンタクトレンズを得た。
【0049】得られたドライ状態のコンタクトレンズを
ニューポールPE−108の1重量%水溶液に浸漬し、
オートクレーブにて105℃で1分間の加熱を行った。
図4に示したように、コンタクトレンズは雄型1から自
然剥離し、洗浄不要であった。
【0050】これら膨潤したコンタクトレンズ7を生理
食塩水に浸漬して、所定量の吸水をさせると共に、溶出
物の溶出を完了させた。
【0051】
【発明の効果】本発明のコンタクトレンズの製造方法に
よれば、樹脂型に付着させたまま切削、研磨を行う片面
モールド法における樹脂型からの困難な脱型を極めて容
易にかつ確実にできると共に、工程数を減らしてコスト
を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンタクトレンズの製造方法に用いる
樹脂型を示す断面図であり、(a)は雄型、(b)は雌
型を示す。
【図2】図1の雄型と雌型を組み合わせた状態を示す断
面図である。
【図3】雄型に付着しているレンズ半完成品を切削加工
している状態を示す断面図である。
【図4】熱水中でコンタクトレンズが樹脂型から自然剥
離した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…雄型、11…ベースカーブ光学面(凸面)、12…
突起部、13…突き当て面、14…アタッチメント、2
…雌型、21…凹面、3…空隙(キャビティ)、4…液
溜部、5…バイト、6…レンズ半完成品、7…コンタク
トレンズ、W…熱水

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雄型と雌型とを組み合わせてこれらの間
    の空隙に重合性モノマーを充填する工程と、 前記空隙に充填した重合性モノマーを重合させてレンズ
    半完成品を製造する工程と、 前記雌型を取り外して又は取り外さずに前記雄型に付着
    しているレンズ半完成品を該雄型に付着させた状態で切
    削してコンタクトレンズを形成する工程と、 前記雄型と該雄型に付着している前記コンタクトレンズ
    とを熱水中で分離させる工程とを有することを特徴とす
    るコンタクトレンズの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のコンタクトレンズの製造
    方法において、 前記熱水中に界面活性剤を配合することを特徴とするコ
    ンタクトレンズの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のコンタクトレンズ
    の製造方法において、 前記雄型がエチレン−ビニルアルコール共重合体で構成
    されていることを特徴とするコンタクトレンズの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載のコンタク
    トレンズの製造方法において、 前記熱水が80℃以上の温度であることを特徴とするコ
    ンタクトレンズの製造方法。
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