JPH11322366A - 膜、光学部材、表面汚染物付着抑制方法 - Google Patents

膜、光学部材、表面汚染物付着抑制方法

Info

Publication number
JPH11322366A
JPH11322366A JP10127118A JP12711898A JPH11322366A JP H11322366 A JPH11322366 A JP H11322366A JP 10127118 A JP10127118 A JP 10127118A JP 12711898 A JP12711898 A JP 12711898A JP H11322366 A JPH11322366 A JP H11322366A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
light
optical member
contaminants
wavelength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10127118A
Other languages
English (en)
Inventor
Motoi Ueda
基 上田
Satoru Oshikawa
識 押川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP10127118A priority Critical patent/JPH11322366A/ja
Publication of JPH11322366A publication Critical patent/JPH11322366A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面汚染を低減した物品、特に表面汚染物に
よる光損失を低減した光学部材を得る。 【解決手段】 f電子系元素のフッ化物のいずれか一種
または二種以上と、フッ化イットリウムとの、双方また
はいずれか一方を含む膜11を、光学部材などのその他
の物品の表面に、最外層として設ける。膜11の表面エ
ネルギーは小さいため、この膜11の表面すなわち光学
部材などの表面への、浮遊汚染物の付着を抑制すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、物品の表面に対
する表面汚染物の付着を低減させる方法と、特に、その
方法を適用した膜および光学部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、様々な分野で、表面の付着物
による汚染を低減させる試みがなされてきた。物品の表
面は、空気中を浮遊する物質などにより、常に汚染に晒
されている。汚染物の付着により、本来の機能が阻害さ
れる物でなくとも、その付加的な機能とも言える美観な
どが損なわれる。様々な日用品などで、その表面の汚染
物を除去することが望まれている。
【0003】特に、光を透過または反射させて使用する
部材、例えば、窓ガラスや鏡などの表面においては、付
着物による汚染のため、光の透過阻害が生じ、それら部
材の特性を劣化させる原因となっていた。そのため、そ
のような部材においては、表面汚染物による光の透過阻
害を低減させることが望まれている。なお、表面汚染物
とは、例えば、大気中のガス、有機物、埃などである。
【0004】光の透過阻害の原因となる汚染物を低減さ
せることは、精密で複雑な光学系を構成する光学部材に
対して、殊に望まれている。例えば、光リソグラフィ装
置などの光学系は、非常に多くの光学部材によって複雑
に構成されている。そして、各々の光学部材に表面汚染
物が付着して光の吸収などが生じた場合、全体の光学系
では、非常に大きな透過阻害となって現れる。
【0005】表面汚染物による光の吸収は、紫外光領域
において特に顕著となる。上述したリソグラフィ装置の
例では、露光に用いる光の短波長化により、現在では、
KrFエキシマレーザ(波長248nm)やArFエキ
シマレーザ(波長193nm)などを用いることが検討
されている。そのような紫外光領域においては、表面汚
染物の中でも、有機物が透過または反射の阻害の大きな
原因となることが知られている。それは、有機物が、そ
のような波長域において吸収帯を有していることによ
る。
【0006】表面汚染物が部材の表面に付着するのは、
部材の製造中、装置の組立および稼働中に至るまで、こ
の部材が大気中に置かれているからである。装置の稼働
中などにおいて、大気中に浮遊している汚染物を部材か
ら完全に遠ざけておくことは、技術的およびコスト的に
困難である。
【0007】従来より、様々な物品の表面汚染を低減す
るために、洗浄作用を具えた膜を、部材の表面に設けて
いる。例えば、文献I(特開昭63−5301号公報)
に開示されている方法は、酸化チタンなどの光触媒反応
を利用した表面洗浄方法である。この方法は、酸化チタ
ンなどからなる膜を表面に配した反射鏡に対して、波長
が約400nm以下の光を照射することにより、その膜
の表面に付着した表面汚染物を酸化分解するという現象
を利用して、表面を清浄に保持する方法である。このよ
うに酸化チタン膜を表面に配することにより、部材の表
面の清浄性を高めることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】周知の通り、光触媒反
応を行わせるためには、触媒層の表面を活性化するため
の光の吸収が必要である。すなわち、光触媒反応には、
酸化チタンからなる光触媒層によって、上述したように
約400nm以下の波長の光が吸収されることが、不可
避的に必要である。
【0009】このように、光吸収の原因となる表面汚染
物を低減させるために、光触媒層を表面に配したのち、
波長400nm以下の光を照射する。その照射により、
光吸収の原因となる表面汚染物を除去して物品や部材の
表面を洗浄する。
【0010】しかしながら、例えば、光リソグラフィ装
置などの光学系に高い透過率が要求される光学装置に対
しては、表面汚染の低減を図るために、光触媒層を用い
ることは、光触媒層によって光が吸収されるため、適当
ではない。
【0011】また、酸化チタンは微粒子の形で、透明の
コーティング材料の中に分散させて用いられており、可
視光域の光に対しても、僅かではあるが吸収や散乱によ
り透過阻害を生じる。
【0012】そのため、光触媒反応のように光の吸収や
散乱を伴うことなく、物品の表面を清浄に保持する技術
が望まれていた。特に、光触媒層の光吸収の顕著な紫外
光領域において、余分な吸収を生じることなく、有機物
などの表面汚染物による光透過阻害を低減することので
きる技術が望まれていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような状況に鑑み
て、この出願に係る発明者は、鋭意研究を重ねた。先
ず、固体表面への表面汚染物などの吸着および付着が、
その固体の表面エネルギーに依存することに着目した。
なお、表面エネルギーとは、界面エネルギーとも言われ
ており、界面における表面の自由エネルギーの違いによ
り生じるものである。表面エネルギーが大きいことは、
すなわち大気中に浮遊している汚染物などを引きつけ易
いということである。なお、この出願で、吸着と付着と
は、使い分けていない。また、吸着とは、化学吸着と物
理吸着とがあるが、それらは概念的には区別できても、
実際の現象的には区別できないことが多いことから、そ
れら両者を指すこととする。
【0014】現在のところ、物質表面の物性を解析した
研究は、それほど発達はしていない。それゆえ、物質の
各パラメータ、例えば表面の形状や状態などが、表面エ
ネルギーに対して、どのように寄与しているかは明確で
はないと言われている。
【0015】しかし、この出願に係る発明者は、表面エ
ネルギーと吸着との関係についての考察を重ねて、汚染
されにくい膜という、従来にはない着想を得るに至っ
た。
【0016】すなわち、この発明の膜によると、f電子
系元素のフッ化物のいずれか一種または二種以上と、フ
ッ化イットリウムとの、双方またはいずれか一方を含む
膜であって、その膜の表面に表面汚染物が当該膜に付着
するのを抑制する性質を具えていることを特徴とする。
【0017】なお、f電子系元素とは、元素の周期律表
の中で、ランタンからルテチウムまでのランタノイドの
15種類と、アクチニウムからローレンシウムまでのア
クチノイドの15種類とを合わせた30種類の元素を指
す。
【0018】すなわち、この構成によると、膜が、f電
子系元素およびイットリウムを合わせた31種類の元素
のフッ化物のうちから選ばれる少なくとも一種類の化合
物を含むことにより、その膜に付着しようとする表面汚
染物の当該膜の表面に対する付着を抑制することができ
る。
【0019】膜の表面に対する汚染物の付着を抑制する
作用については、この出願に係る発明者による考察およ
び過去における実験に基づいて、以下に説明を記載す
る。
【0020】表面エネルギーを決定する大きな要因は、
表面における原子の配列である。一般に、物質表面の構
造は、物質内部の構造とは異なっていることが知られて
いる。そのような、物質内部の構造の対称性に対して、
物質表面においては、その対称性の崩れから、未結合手
(ダングリングボンド)が生じる。それにより、表面準
位というエネルギーレベルが生じる。
【0021】一方、図6(B)は、分子軌道法により求
めた、酸化チタン(TiO2 )のエネルギー構造を示し
ている。内部の構造により決定される価電子帯と伝導帯
とのエネルギー差、すなわちエネルギーギャップは約4
00nmである。分子軌道法により計算すると、表面準
位はエネルギーギャップ中に生じることが判った。な
お、表面準位は、表面の分子構造を模すために、一つの
酸素原子を欠損させた構造として計算した。なお、酸化
チタンはルチル型またはアナターゼ型という構造をとる
が、同様に表面準位はエネルギーギャップ中に生じる。
【0022】酸化チタンなどのように、表面準位がエネ
ルギーギャップの中に形成されるということは、すなわ
ち表面の電子が内部の電子に比べ励起されやすいという
ことを示している。言い換えると、エネルギーギャップ
中に表面準位が形成される物質は、反応活性になり易
く、表面エネルギーが高いことを示している。表面エネ
ルギーの高い酸化チタンなどは、表面汚染物を積極的に
表面に吸着して、その表面汚染物を強い酸化力によっ
て、酸化分解する。
【0023】このように汚染物などの吸着と、その表面
準位との関係に着目して考察を進めていくことで、表面
汚染を低減させるためには、表面の原子構造に対して電
子エネルギー構造が鈍感であり、エネルギーギャップ中
に明確な表面準位を形成しない物質を表層すなわち最外
側の層に配することが、有効であるという結論を得るに
至った。
【0024】そして、そのような物質としては、f電子
系元素のフッ化物またはフッ化イットリウムが、最も適
切であることを見い出した。
【0025】図6(A)に、f電子系元素のフッ化物ま
たはフッ化イットリウムの一例として挙げた、フッ化ラ
ンタンのエネルギー構造を示す。エネルギーギャップは
約200nmとなる。この数字は、この出願に係る発明
者の過去の知見などによる。図6(A)に示すように、
価電子帯と伝導帯との差であるエネルギーギャップ中に
は、表面準位が生じないことが分かった。また、その他
のf電子系元素のフッ化物やフッ化イットリウムも同じ
ようなエネルギー構造をとることも確認した。このよう
に、エネルギーギャップ中に表面準位を生じないこと
は、すなわち、表面の電子状態の励起が比較的抑制され
るということである。よって、表面エネルギーを低減で
きることから、その表面への物質の付着または吸着を抑
制することができる。
【0026】上述した説明から明らかなように、この発
明の構成によれば、表面エネルギーを低減させることに
よって、膜の表面に対する汚染物の付着を抑制すること
ができる。また、この発明の構成によれば、光触媒反応
のように400nm以下なる波長域の光の照射を必要と
しない。従って、この発明の膜は、例えば暗所に設置さ
れても汚染されにくいという性質は変わらない。
【0027】また、より好適には、この膜を、光を透過
または反射させる部材の表面に最外側の層として設けら
れている膜とすると良い。
【0028】一般的に言うと、光を透過または反射させ
る部材においては、その部材において余分な光吸収が無
いことが望ましい。光触媒反応による洗浄作用を有する
酸化チタン膜においては、その光吸収により透過阻害が
生じていた。しかし、この発明の膜であると、光透過性
に優れているため、光を透過または反射させる部材の表
面に最外層すなわち最外側の層として用いると、その部
材の表面にて吸収が生じないため、その部材の透過特性
または反射特性を損なうことがないので有用である。
【0029】また、より好適には、その部材を光学部材
とすると良い。なぜなら、光学部材においては、その表
面において余分な光吸収が無いのが望ましい。特に、複
雑な光学系を構成する光学部材においては、僅かな光吸
収すら生じないようにすることが望ましい。そのため、
上述の構成の膜を、光学部材用として、光学部材の表面
の最外層として用いることは有用である。なお、この出
願で、光学部材とは、光学薄膜が設けられた、または設
けられていない光学部材の双方を指す。
【0030】また、より好適には、前述の光を紫外光を
含む光とすると良い。なぜなら、この発明の膜は、紫外
光領域においては、特に光透過性にすぐれているためで
ある。このように、膜の光透過性が優れているというこ
とは、光学部材の表面において光吸収が生じることが少
ないということであり、すなわち、この膜を形成する前
の光学部材の本来の特性を損なうことなく、その光学部
材の表面を汚染されにくくすることができることを示し
ている。
【0031】また、既に説明したように、光触媒反応に
よる洗浄効果を有する膜である酸化チタンなどは、波長
400nm以下の光を吸収するという性質を有してい
る。これは紫外光領域で用いる光学部材としては、不適
当である。しかしながら、この発明の膜であれば、紫外
光を吸収することなく、光学部材の表面の汚染を抑制す
ることができる。
【0032】また、より好適には、その紫外光を波長1
80nm以上250nm以下の波長域の光とすると良
い。なぜなら、紫外光領域において、有機物による光吸
収が顕著となるのが、波長250nm以下の波長域であ
り、そのような光を用いる光学部材に対して、この発明
の膜は特に有用であるためである。また、波長180n
m以下の光は、大気中の分子によっても光吸収が生じ
る。言い換えると、波長180nm以下の波長域の光
は、大気雰囲気中では用いられることはないと言える。
それは取りも直さず大気中の浮遊物が無い雰囲気で用い
られる光学部材に対しては、汚染されにくい膜を表面に
設ける必要性が無いということを意味しているので、実
用上、この発明の膜が有効に機能するのは180nm以
上の波長の光に対してであるからである。
【0033】また、この発明の光学部材によれば、光を
透過または反射させる光学部材であって、その光学部材
の表面に、f電子系元素のフッ化物のいずれか一種また
は二種以上と、フッ化イットリウムとの、双方またはい
ずれか一方を含む膜を具え、その膜は当該光学部材の表
面に表面汚染物が付着するのを抑制する性質を有してい
ることを特徴とする。
【0034】この構成の光学部材によると、既に説明し
たところの、f電子系元素のフッ化物のいずれか一種ま
たは二種以上と、フッ化イットリウムとの、双方または
いずれか一方を含む膜を、表面に具えている。それによ
り、汚染物が浮遊する雰囲気中に光学部材が置かれて
も、この膜の作用により、この光学部材の表面に対する
表面汚染物の付着を抑制することができる。
【0035】この光学部材は、従来周知の光学薄膜など
を形成した光学部材でも良いし、光学薄膜を形成してい
ない光学部材でも良い。この発明の膜は、前述したよう
に、光透過性に優れている。更に、後述する実施例にお
いて形成した例のように、非常に薄く形成できる。その
ため、光学部材の本来の光学特性を実質的に損なうこと
なく、この発明の膜を光学部材の表面に設けることがで
きる。すなわち、従来周知の殆どの光学部材の表面に、
この膜を設けることにより、その光学部材の本来の特性
に、汚染されにくいという特性を付加した光学部材を得
ることができる。
【0036】また、より好適には、前述の光を紫外光と
すると良い。なぜなら、前述したように、この膜の紫外
光領域における光透過性が優れているためである。
【0037】また、より好適には、前述の紫外光を、波
長180nm以上250nm以下の波長域の光とすると
良い。なぜなら、前述したように、紫外光領域における
光の特性が変化するためである。
【0038】また、この発明の表面汚染物付着抑制方法
によれば、物品の表面に最外層として、f電子系元素の
フッ化物のいずれか一種または二種以上と、フッ化イッ
トリウムとの、双方またはいずれか一方を含む膜を設け
て、その物品の表面に表面汚染物が付着するのを抑制す
ることを特徴とする。
【0039】この構成によると、光学部材やその他の物
品の表面に最外層として、f電子系元素のフッ化物のい
ずれか一種または二種以上と、フッ化イットリウムと
の、双方またはいずれか一方を含む膜を設けている。そ
れにより、その物品の表面に表面汚染物の付着を抑制す
ることができる。
【0040】汚染されやすい雰囲気にて用いられる物品
に限らず、大気中に設置されている物品も、ガスや埃や
有機物などにより、常に表面の汚染に晒されている。そ
のような物品の表面に最外層として、このような膜を設
けることによって、表面汚染物が付着するのを抑制する
ことができる。
【0041】
【発明の実施の形態】この発明では、f電子系元素のフ
ッ化物のいずれか一種または二種以上のフッ化物とフッ
化イットリウムとの双方またはいずれか一方を含むこと
に特色がある。従って、以下この膜について、説明す
る。
【0042】この膜は、少なくとも、f電子系元素のフ
ッ化物またはフッ化イットリウムを含む。具体的には、
例えば、この膜を、フッ化イットリウムを含む膜として
も良い。あるいは、f電子系元素であるフッ化ランタン
を含む膜としても良い。または、フッ化イットリウムと
フッ化ランタンとを含む膜としても良い。
【0043】更には、それらのフッ化物以外の物質を含
む膜として設けても良い。既に説明したように、f電子
系元素のフッ化物のいずれか一種または二種以上のフッ
化物とフッ化イットリウムとの双方またはいずれか一方
を含む膜であれば、膜の表面エネルギーは低く、それだ
け膜は汚染されにくくなる。従って、それらフッ化物の
膜における割合には上限はないと考えられる。その下限
としては、表面エネルギーの低減が見込め、所望とする
汚染されにくさに応じた、適切な割合とすれば良いと言
える。
【0044】また、以上、f電子系元素のフッ化物のい
ずれか一種または二種以上のフッ化物とフッ化イットリ
ウムとの双方またはいずれか一方を含む膜につき説明し
たが、この発明の主旨である汚染されにくい膜とするた
めには、このフッ化物を酸化物としても良いと考えられ
る。すなわち、f電子系元素の酸化物のいずれか一種ま
たは二種以上と、酸化イットリウムとの、双方またはい
ずれか一方を含む膜としても良い。このように、酸化物
とした場合も、酸素の電気陰性度がフッ素の電気陰性度
に比べ小さいため、表面エネルギーは大きくはなるもの
の、汚染されにくい膜を得ることができる。
【0045】しかし一般に、酸化物は、フッ化物よりも
エネルギーギャップが小さいので、それだけ短波長の光
を吸収しやすくなることが知られている。逆に言うと、
フッ化物であると、エネルギーギャップは十分に大きい
ので、紫外光領域の光の透過に優れていると言える。
【0046】次に、上述した膜が、光を透過または反射
させる部材の表面に最外層として設けられている場合に
ついて、説明する。
【0047】膜の形成方法については、膜を設けるべき
下地の表面の条件に応じた従来周知の形成方法をとれば
良い。下地の表面に、一般的な周知の成膜方法、例え
ば、化学気相成長法、蒸着法、スパッタ法などが適用で
きる。
【0048】このように、f電子系元素のフッ化物のい
ずれか一種または二種以上と、フッ化イットリウムと
の、双方またはいずれか一方を含む膜であれば、既に説
明したように、エネルギーギャップ中に表面準位を生じ
ない。すなわち、その表面準位が伝導帯の下限よりも、
エネルギーが高いレベルに生じる。それにより、価電子
帯からの励起は、主に伝導帯への励起が中心であって、
表面準位への励起は少ない。よって、表面は比較的不活
性となり、浮遊物などを付着あるいは吸着しにくくなる
ため、表面が汚染されにくくなる。したがって、このよ
うな膜を、様々な物品の表面に最外層として設ければ、
その物品は汚染されにくくなる。
【0049】また、このような膜が、光を透過または反
射させる部材の最表層として設けられていると、その部
材の表面も汚染されにくくなるため、好適である。ま
た、この膜は、光の透過性も優れているため、光を透過
または反射させる部材に対しては、その部材本来の、透
過や反射などの特性を損なうことなく、表面を清浄に保
つことができる。
【0050】なお、光を透過させる部材とは、窓、蛍光
灯、ブラウン管、またはその他の透明である性質を用い
ているものなどである。光を反射させる部材とは、鏡、
照明器具の傘部分、またはその他の光を反射させる性質
を利用しているものなどである。
【0051】また、このような膜が、光学部材の表面に
最外層として設けられていると、更に好適である。既に
説明したように、厳密な光学系、すなわち僅かな光損失
も許されない光学系においては、特に有効である。
【0052】なお、光学部材とは、例えば、レンズ、プ
リズム、ウインドー、プレート、ミラー、またはハーフ
ミラーその他を指す。或いは、表面に従来周知の光学薄
膜を形成した光学部材、または光学薄膜を形成していな
い光学部材に対しても、上述した膜を形成して、汚染を
抑制した光学部材を得ることができる。
【0053】また、f電子系元素のフッ化物、またはフ
ッ化イットリウムのうちの幾つかは、従来より、光学薄
膜における最外層よりも下地に近い層として用いられて
きた。すなわち、従来は最表層としては用いておらず、
最外層より2層目以下に用いられてきた。そのため、こ
の膜は、従来周知の方法によって、簡単に成膜できる。
例えば、後述する実施例において、フッ化ランタンを2
層目に含む反射防止膜の最外層に、更にフッ化ランタン
を形成した。このように成膜を、同一の材料および方法
を用いて形成できるという利点もある。
【0054】ところで、光学部材は複雑な光学系を有す
る装置に用いられることが多い。このような装置は組立
や稼働中において、大気中にて用いられることが多く、
常に汚染が進行している状態である。そのような汚染が
進む雰囲気中から浮遊汚染物を排除することは、技術的
に、またはコスト的に難しい。従って、上述の膜を光学
部材の最外層に設けるという単純な工程を経ることで、
容易に汚染を低減することができるという利点もある。
【0055】また、特に紫外光を透過または反射させる
光学部材の最表層に設けるのが好適である。
【0056】紫外光領域の光の損失は、表面汚染物のう
ち、特に有機物による光の吸収によることが知られてい
る。上述のこの発明の膜を形成した光学部材であると、
そのような有機物の当該光学部材表面に対する付着を抑
制することができる。
【0057】また、一般的に、光触媒作用による自浄作
用を有する酸化チタンなどは、紫外光を吸収する。その
ため、紫外光領域で用いることのできるこの発明の膜
は、特に有効である。例えば、光リソグラフィ装置など
に用いられる紫外光は、この発明の膜であれば、実質的
に吸収を生じない。また、光リソグラフィ装置は、複雑
な光学系を有しており、その組立、または稼働中におけ
る汚染に対して洗浄を行うことは非常に難しいことが知
られている。よって、この発明の膜を設けることにより
汚染を抑制することは、洗浄の回数を減らすことができ
るという利点がある。
【0058】また、波長180nm以上250nm以下
の波長域の光を、透過または反射させる光学部材の最表
層に設けると好適である。
【0059】既に説明したように、紫外光領域において
有機物による光吸収が顕著となるのが、波長250nm
以下の波長域であり、そのような光を用いる光学部材に
対して、本発明の膜は特に有用であるためである。ま
た、波長180nm以下の光は、大気中の分子によって
も光吸収が生じる。言い換えると、波長180nm以下
の波長域では、大気雰囲気中では用いられることはない
ことを示す。それは取りも直さず大気中の浮遊物が無い
雰囲気で用いられる光学部材に対しては、汚染されにく
い膜を表面に設ける必要性が無いということを示してい
ると考えるためである。
【0060】上述した説明から明らかなように、この発
明は、物品の表面に最外層として、f電子系元素のフッ
化物のいずれか一種または二種以上と、フッ化イットリ
ウムとの、双方またはいずれか一方を含む膜を設けて、
その物品の表面に表面汚染物が付着するのを抑制するこ
とにある。
【0061】なお、物品とは、汚染される雰囲気中にお
かれている物であって、かつその表面に汚染物が付着す
ることが一般的に望まれていない物を指す。自動車の塗
装面、家具表面、または電気製品の外装面などに、その
ような膜を形成しても良いし、或いは、極端な条件下で
使用されるような装置などに、その膜を形成しても良
い。それにより、その膜を形成してある面は、汚染され
にくくなるため好適である。また、例えば、水滴などの
付着も抑制することができると考えられる。
【0062】この膜を形成できる形成方法としては、一
般的に用いられている化学気相成長法または物理気相成
長法などを用いることができる。現在のところ、例え
ば、自動車の塗装面などの広大な面に対して成膜を行う
方法として、例えば、溶射などの比較的広い面に対する
成膜方法により、この発明の膜を形成することができる
と予測される。
【0063】
【実施例】以下、実施例および比較例により、この発明
について、更に説明する。なお、以下の実施例で述べる
使用材料や、数値条件はこの発明の範囲内の一例に過ぎ
ない。したがって、この発明は、以下の使用材料や数値
条件に限定されない。なお、各図は、この発明の理解の
ために参考とするに過ぎない。よって、この発明は図示
例のみに限定されない。
【0064】なお、ここでは、光学薄膜が設けられた光
学部材の表面に、f電子系元素のフッ化物のいずれか一
種または二種以上と、フッ化イットリウムとの、双方ま
たはいずれか一方を含む膜として、フッ化ランタンから
なる膜を用いた。そして、汚染されにくい膜を設けた例
と、設けていない例とについて、実験を行った。
【0065】先ず、石英ガラスを切断して、直径30m
mおよび厚さ3mmの円板状とし、その後、その両面に
鏡面加工を施すことにより、同一の性質を有する12枚
の石英ガラス基板を形成した。
【0066】続いて、その石英ガラス基板の表面を従来
周知の洗浄法により、洗浄したのち、6枚の基板には波
長193nm用の反射防止膜のみを形成し、他方の6枚
の基板には波長193nm用の反射防止膜とその最外層
として更なるフッ化ランタン(LaF3 )膜とを形成し
た。それらの膜の構成の詳細については後述する。
【0067】以下、最外層にLaF3 を具えた6つの試
料を、それぞれ試料1〜試料6と称し、最外層にLaF
3 を具えていない6つの試料を、それぞれ試料7〜試料
12と称する。
【0068】それらの反射防止膜は、周知のごとく、使
用する波長により構成が変化する。なお、この発明の汚
染されにくい膜である、厚さ20ÅのLaF3 層を設け
た試料については、反射防止膜の設計シミュレーション
を用いて、もととなる反射防止膜に変更を加えた。
【0069】<実施例1>汚染を抑制する膜であるLa
3 膜を最外層に具えている、試料1〜試料6の反射防
止膜の構成を図1(A)に示す。なお、この反射防止膜
は、波長193nm用の反射防止膜とした。
【0070】試料1〜試料6は、同一の構成であり、図
1(A)に示すように、石英ガラス基板19の上に、厚
さ316.9ÅのMgF2 層17、厚さ315.8Åの
LaF3 層15および厚さ151.7ÅのMgF2 層1
3が順次に設けられ、その最外層として、更に厚さ20
ÅのLaF3 層11が設けられた構造となっている。
【0071】ところで、LaF3 は、屈折率が高いこと
が知られている。そして、反射防止膜の最外層には、屈
折率の低い物質を用いなければならない。よって、La
3を最外層に用いることで、表面での反射の不本意な
増加が生じることが懸念される。
【0072】ここで、試料1〜試料6に対して、200
nm以上300nm以下の波長域における反射率のシミ
ュレーションを行った。図2(A)にその結果を示す。
なお、図2のグラフにおいて、横軸は光の波長(nm)
を示し、および縦軸は反射率(%)を示す。
【0073】図2(A)に示すように、波長193nm
近傍において反射率が極小となっている。そして、すべ
ての波長域における反射率は、後述する比較例1の試料
の反射率(図5(A)参照)との差は、実質的に無いこ
とが分かった。すなわち、反射防止効果を損なうこと無
く、反射防止膜の最外層にこの発明の膜を設けることが
できることが分かった。
【0074】次に、試料1〜試料6を大気中に放置し
て、その表面に大気中を浮遊する汚染物を付着させた。
続いて、その試料1〜6に対して、水銀ランプを用いた
紫外線洗浄を施した。この洗浄には、UV光洗浄装置
(オーク製作所製VUM−3073)を用いた。
【0075】その紫外線洗浄の前後において、水の接触
角を測定した。この測定には、滴下式接触角測定装置
(協和界面科学社製CA−A型)を用いた。図7(A)
に、その測定の結果を示す。図に示すように、洗浄前に
おいては、それら試料の平均の接触角は約36度であっ
た。また、洗浄後においては、それら試料の平均の接触
角は約7度となっていた。
【0076】また、洗浄後において、光の透過率を測定
したところ、大気中に放置する前の状態まで回復してお
り、試料の表面は清浄となっていた。
【0077】一般的に、水の接触角はその物質の表面エ
ネルギーを反映していると考えることができる。水の接
触角が大きいほど、その表面は物質を吸着しにくくなっ
ている。すなわち、その表面は汚染されにくくなってい
ると言える。また、表2にその結果を示す。
【0078】上述の試料と同様の試料を用いて、その試
料を大気中に放置したときの透過損失の変化の実験を行
った。この実験は、洗浄によって表面を清浄にした試料
を4日間に渡り、室温大気中に設置して、初期透過率を
測定した。その後、半日後、1日後、2日後、および4
日後の合計5回、その透過率を測定した。その結果を表
1に示す。また、その測定点をグラフにプロットしたも
のを、図3の曲線αに示す。図3において、横軸が試料
の放置時間(日)で、および縦軸は透過損失(%)を示
す。また、曲線αは各測定点をなだらかに繋ぐ曲線とし
て描いている。図3の曲線αに示すように、徐々に透過
率は悪化し、4日間にわたり大気中に放置した後におい
ては、透過率は0.53%低下している。表1にその結
果を示す。
【0079】なお、この透過率の悪化は、試料の表面に
有機物などが付着したためと考えることができる。なぜ
なら、再び紫外線洗浄を行うか、あるいは300℃の熱
処理を行うことによって、透過率が回復したからであ
る。
【0080】<比較例1>比較例1では、LaF3 膜を
最外層に設けていない、すなわち従来の反射防止膜を具
えている試料7〜試料12を用いる。試料7〜試料12
の反射防止膜の構成を図4(A)に示す。実施例1と同
じく、この反射防止膜は、波長193nm用の反射防止
膜とした。
【0081】試料7〜試料12は、同一の構成であり、
図4(A)に示すように、石英ガラス基板19の上に、
厚さ148.5ÅのMgF2 層29、厚さ344.0Å
のLaF3 層27および厚さ336.5ÅのMgF2
25が、順次に設けられた構造となっている。
【0082】ここで、上述の実施例1と同様に、試料7
〜試料12に対して、200nm以上300nm以下の
波長域における反射率のシミュレーションを行った。図
5(A)にその結果を示す。なお、図5のグラフにおい
て、横軸は光の波長(nm)を示し、および縦軸は反射
率(%)を示す。
【0083】図5(A)に示すように、波長193nm
近傍において反射率が極小となる。実施例1の試料の反
射率(図2(A)参照)との差は実質的に無いことは、
既に説明したとおりである。
【0084】次に、試料7〜試料12を、実施例1と同
様の条件で、大気中に放置して、その表面に大気中を浮
遊する汚染物を付着させた。同じく、その試料7〜12
に対して、水銀ランプを用いた、前述と同様の装置によ
り紫外線洗浄を施した。
【0085】紫外線洗浄の前後において、前述と同様の
装置により、水の接触角を測定した。その結果、図7
(B)に示すように、洗浄前においては、それら試料の
平均の接触角は約36度であった。また、洗浄後におい
ては、それらの試料の接触角は測定限度以下の0度とな
った。
【0086】その紫外線洗浄後において、光の透過率を
測定したが、大気中に放置する前の状態まで回復してい
た。すなわち試料の表面は、実施例と同様に、清浄とな
っていることが分かった。
【0087】このように水の接触角が0度となったの
は、洗浄によって試料の表面エネルギーが、汚染前の状
態に回復したため、このように増大したと考えられる。
また、接触角が0度となったことは、それだけ試料の表
面が汚染されやすくなっていると言える。その結果を表
2に示す。
【0088】実施例1と同じく、この比較例にて用いた
試料と同様の試料を用いて、その試料を大気中に放置し
たときの透過損失の実験を行った。なお、この実験は、
実施例1とまったく同一の条件とした。その結果を表1
に示す。また、その測定点をグラフにプロットしたもの
を、図3の曲線βに示す。図3において、横軸が試料の
放置時間(日)で、および縦軸は透過率(%)を示す。
また、曲線βは各測定点をなだらかに繋ぐ曲線として描
いている。図3の曲線βに示すように、徐々に透過率は
悪化し、4日間にわたり大気中に放置した後において
は、透過率は0.92%低下している。
【0089】上述した実施例1および比較例1の結果か
ら、次のようなことが分かった。
【0090】汚染されにくい膜であるLaF3 を最表層
に設けた実施例1の試料1〜試料6と、LaF3 を設け
ていない比較例1の試料7〜試料12とは、その反射防
止効果を比較すると、その設計にもよるが、実質的に同
等な効果を具えることができる。これは、LaF3 層の
エネルギーギャップ光の波長が、約200nm以下であ
ることにより、紫外光領域における光透過に優れている
ことに加え、LaF3層の厚さが例えば20Åと極めて
薄く形成できることによる。
【0091】また、表2および図7の結果から、試料を
大気中に放置したときは、実施例1および比較例1のど
ちらも同程度にまで表面エネルギーが低下していた。し
かし、試料の表面を洗浄した後には、実施例1および比
較例1の表面エネルギーには、顕著な差が見られた。比
較例1の試料と比べると、実施例1の試料は、その表面
エネルギーが少なく、すなわち、大気中を浮遊する物質
を吸着しにくくなっていた。また、洗浄前の水の接触角
の実験によると、実施例1および比較例1の表面エネル
ギーは同程度であった。しかし、その時、試料の表面に
付着している汚染物などの浮遊物は実施例の方が少ない
と推定できる。
【0092】また、表1および図3の結果から、それら
試料は、その表面エネルギーに応じて大気中の浮遊汚染
物により汚染を受けるが、実施例の試料の方が汚染され
にくくなっていることが分かる。また、この結果は、上
述した水の接触角測定による汚染物は、実施例の方が少
ないとの推定を裏付けている。また、この透過率の経時
的変化の実験において、主に透過阻害を生じる汚染物は
有機物であると考えられる。なぜなら、これら放置した
試料に、紫外線洗浄を施すか、あるいは約300℃の熱
を加えると、その試料の透過率が回復したからである。
【0093】以上説明したように、LaF3 膜を最外層
に有する光学部材は、その表面エネルギーが小さく、汚
染されにくいと言える。
【0094】また、実施の形態にて説明したように、従
来より、f電子系元素のフッ化物またはフッ化イットリ
ウムは、反射防止膜における表層より二層目以下の層を
形成する材料として用いられている。従って、従来周知
の方法によって、そのような膜を同一の工程にて形成で
きるため、特別な形成方法によらない簡単な方法により
形成できることも有用であると考えられる。
【0095】<実施例2>上述した実施例1および比較
例1は、波長193nm用の反射防止膜として形成した
が、この実施例2においては、その反射防止膜を波長2
48nm用のものとして形成した例を示す。
【0096】図1(B)に示すのは、LaF3 を最外層
に設けた、波長248nm用の反射防止膜である。それ
らの構成は、石英ガラス基板19の上に、厚さ334.
1ÅのNdF3 層23および厚さ424.3ÅのMgF
2 層21が設けられており、そして、その最外層に厚さ
20ÅのLaF3 層11が設けられた構造となってい
る。
【0097】その構成の、反射率のシミュレーションを
行った結果を図2(B)に示す。なお、このグラフにお
いて、横軸は光の波長(nm)を示し、および縦軸は反
射率(%)を示す。
【0098】また、図4(B)に示すのは、LaF3
最外層に設けていない、波長248nm用の反射防止膜
である。それらの構成は、石英ガラス基板の上に、厚さ
374.5ÅのNdF3 層33および厚さ442.1Å
のMgF2 層31が設けられた構造となっている。
【0099】同様に、その構成の、反射率のシミュレー
ションを行った結果を図5(B)に示す。なお、このグ
ラフにおいて、横軸は光の波長(nm)を示し、および
縦軸は反射率(%)を示す。
【0100】これらLaF3 を最外層に設けた反射防止
膜と、LaF3 を最外層に設けていない反射防止膜とを
比較する。図2(B)および図5(B)のグラフの比較
によると、どちらも波長248nm付近で反射率が極小
となっている。そして、波長200nmなどの短波長側
においては、LaF3 を最外層に設けた部材の反射率
が、約0.3%高くなっている。しかしながら、双方と
も、波長248nm付近においては、まったく遜色の無
い反射抑制効果を得ることができることが分かる。
【0101】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、f電子
系元素のフッ化物のいずれか一種または二種以上と、フ
ッ化イットリウムとの、双方またはいずれか一方を含む
膜は、その膜の表面に付着しようとする表面汚染物など
を抑制することができる。そのため、その膜を様々な物
品の最外層として設けることにより、その物品の表面の
汚染を抑制することができる。
【0102】また、特に光を透過または反射させる部材
の表面に最外層として設けられたときは、その本来の特
性を損なうことなく、その部材の汚染を低減することが
できる。
【0103】或いは、光学部材の表面に最外層として設
けられたときは、光損失を低減できることに加え、光学
部材の煩雑な洗浄の頻度を低減することができる。
【0104】また、紫外光領域に用いる光学部材とした
ときは、特にその波長域において光損失の原因となる有
機物が光学部材の表面へ付着しにくくなるため有効であ
る。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の説明に供する、この発明の膜の反射防
止膜への適用例を示す。
【図2】実施例の説明に供する、この発明の膜の反射防
止膜の、シミュレーションによる反射率を示すグラフで
ある。
【図3】実施例および比較例の説明に供する、透過率の
経時的な変化を示すグラフ。
【図4】比較例の説明に供する、従来の反射防止膜を示
す。
【図5】比較例の説明に供する、従来の反射防止膜の、
シミュレーションによる反射率を示すグラフである。
【図6】エネルギー構造を描いた図である。
【図7】実施例および比較例の説明に供する、洗浄前後
における水の接触角の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
19:石英ガラス基板 11、15、27:LaF3 層 13、17、21、25、29、31:MgF2 層 23、33:NdF3

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 f電子系元素のフッ化物のいずれか一種
    または二種以上と、フッ化イットリウムとの、双方また
    はいずれか一方を含む膜であって、 該膜の表面に表面汚染物が当該膜に付着するのを抑制す
    る性質を具えていることを特徴とする膜。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の膜において、 前記膜は、光を透過または反射させる部材の表面に最外
    層として設けられていることを特徴とする膜。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の膜において、 前記部材を光学部材とすることを特徴とする膜。
  4. 【請求項4】 請求項2および請求項3のいずれか一方
    に記載の膜において、 前記光を、紫外光を含む光とすることを特徴とする膜。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の膜において、 前記紫外光を、波長180nm以上250nm以下の波
    長域の光とすることを特徴とする膜。
  6. 【請求項6】 光を透過または反射させる光学部材であ
    って、 該光学部材の表面に、f電子系元素のフッ化物のいずれ
    か一種または二種以上と、フッ化イットリウムとの、双
    方またはいずれか一方を含む膜を具え、該膜は当該光学
    部材の表面に表面汚染物が付着するのを抑制する性質を
    有していることを特徴とする光学部材。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の光学部材において、 前記光を、紫外光を含む光としたことを特徴とする光学
    部材。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の光学部材において、 前記紫外光を、波長180nm以上250nm以下の波
    長域の光としたことを特徴とする光学部材。
  9. 【請求項9】 物品の表面に最外層として、f電子系元
    素のフッ化物のいずれか一種または二種以上と、フッ化
    イットリウムとの、双方またはいずれか一方を含む膜を
    設けて、該物品の表面に表面汚染物が付着するのを抑制
    することを特徴とする表面汚染物付着抑制方法。
JP10127118A 1998-05-11 1998-05-11 膜、光学部材、表面汚染物付着抑制方法 Withdrawn JPH11322366A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10127118A JPH11322366A (ja) 1998-05-11 1998-05-11 膜、光学部材、表面汚染物付着抑制方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10127118A JPH11322366A (ja) 1998-05-11 1998-05-11 膜、光学部材、表面汚染物付着抑制方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11322366A true JPH11322366A (ja) 1999-11-24

Family

ID=14952060

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10127118A Withdrawn JPH11322366A (ja) 1998-05-11 1998-05-11 膜、光学部材、表面汚染物付着抑制方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11322366A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006343293A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Toyota Motor Corp 排ガス分析装置
WO2021111813A1 (ja) * 2019-12-03 2021-06-10 コニカミノルタ株式会社 光学部材及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006343293A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Toyota Motor Corp 排ガス分析装置
WO2021111813A1 (ja) * 2019-12-03 2021-06-10 コニカミノルタ株式会社 光学部材及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0869156B1 (en) Photocatalytic process for making surface hydrophilic and composite material having photocatalytically hydrophilic surface
CN1280009C (zh) 氧化钛光催化剂薄膜的制造方法
KR20010106229A (ko) 가시광선 응답형 광촉매
JP2865065B2 (ja) 親水性表面を備えた複合材
JP5270820B2 (ja) 長寿命エキシマーレーザ光学素子
JP4261353B2 (ja) 光触媒体、光触媒体の製造方法及び光触媒体の製造装置
MX2007000528A (es) Recubrimientos de oxicarburo de silicio que tienen propiedades hidrofilicas durables.
EP0982071B1 (en) Photocatalyst excitation apparatus
JP2000239047A (ja) 親水性光触媒部材
US6982133B2 (en) Damage-resistant coatings for EUV lithography components
US20230146688A1 (en) Functional film and production method of functional film
KR102125986B1 (ko) 실리카-개질된-플루오르화물 넓은 각도 반사-방지 코팅
JPH11322366A (ja) 膜、光学部材、表面汚染物付着抑制方法
JPH10140046A (ja) 表面を光触媒的に親水性にする方法、および、光触媒性親水性表面を備えた複合材、および、基材の表面に親水性被膜を形成するコーティング組成物
JP3264317B2 (ja) 光触媒性親水性部材及びその製造方法
EP1258917A1 (en) Method and device for preventing oxidation on substrate surface
JPH0820569B2 (ja) 多層干渉膜
JPH1060665A (ja) 親水性被膜およびその製造方法
JP4042509B2 (ja) 可視光線応答型光触媒
JP3266526B2 (ja) 光触媒性親水性部材、及びその製造方法
CN212111846U (zh) 一种镀膜防雾超亲水性自清洁镜片结构
JP2000147203A (ja) 光学部品の表面処理方法及び光学部品及び光学装置
JP2006021494A (ja) 積層膜付き基材およびその製造方法
JP3400259B2 (ja) 親水性被膜およびその製造方法
Thomas et al. Processes for the elimination of fogging on KDP crystals prior to and during use in laser systems

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050802