JPH11322501A - 遺体保存方法 - Google Patents

遺体保存方法

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JPH11322501A
JPH11322501A JP14654898A JP14654898A JPH11322501A JP H11322501 A JPH11322501 A JP H11322501A JP 14654898 A JP14654898 A JP 14654898A JP 14654898 A JP14654898 A JP 14654898A JP H11322501 A JPH11322501 A JP H11322501A
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JP
Japan
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corpse
chlorine dioxide
preserving
detergent
absorbent
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JP14654898A
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Yasuo Arai
保男 荒井
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HAKUZENSHA KK
Original Assignee
HAKUZENSHA KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な操作によって遺体の腐敗を抑制し、異
臭の発生等を防止でき、遺体の外観を美しく保つことが
できるともに、血液などの体液の漏出を停止し作業者へ
の感染事故を防止することのできる遺体処理方法の提供
を目的とする。 【解決手段】 遺体の顔面,頸部,耳部を殺菌洗浄剤を
含浸した殺菌洗浄剤吸収体で拭き清める拭き清め工程
と、二酸化塩素を含有する二酸化塩素吸収体を前記遺体
の頭下及び腹上に敷設する敷設工程と、二酸化塩素ガス
を発生するガス発生剤を前記遺体の周囲に配置し二酸化
塩素ガスを発生させる二酸化塩素ガス発生工程と、を備
えた構成を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遺体を埋葬又は火葬
に付するまでの間の腐敗を抑制し、消臭し、外観を美し
く保つことができるとともに、作業者への感染事故を防
止することのできる遺体保存方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】臨終後の遺体は大脳や内臓から分解が始
まり、外観が損なわれたり、体液等の漏出によって異臭
を発生することが知られている。そこで従来、納棺した
遺体の周囲にドライアイスを配置する方法が広く採用さ
れている。しかしながら、ドライアイスによる冷却は遺
体表面にとどまり、遺体内部の分解腐敗を十分抑制する
ことが困難であるとともに、急冷によってドライアイス
が当たった部分の遺体が黒ずみやすいという問題点を有
していた。また、ドライアイスの保管施設や供給不足の
ため、入手が困難な場合があり、供給が遅れ臨終からド
ライアイス処理迄の時間が長引くと、遺体に血斑が生じ
やすく、ドライアイス処理を行っても一端発生した血斑
は消えないという問題点を有していた。さらに、ドライ
アイスが昇華した二酸化炭素は地球温暖化ガスであるこ
とが知られ環境へ与える影響が大きいという問題点を有
していた。そこで近年、酸化力が強いため、遺体の血斑
の原因となる赤血球中のヘモグロビンに配位して赤色か
ら暗紫色を呈する発色団を形成する2価の鉄原子を3価
に酸化し無色化することにより血斑を消失させることが
できるとともに、雑菌を死滅させることができる二酸化
塩素をドライアイスの代わりに使用する遺体保存方法が
種々検討されている。例えば、 1)特開昭59−186901号公報(以下イ号公報と
いう)には、「遺体表面を安定化二酸化塩素で塗布乃至
蒲団、シーツ、枕などに含浸して包被する遺体保存方
法」が開示されている。 2)特開昭60−42301号公報(以下ロ号公報とい
う)には、「安定化二酸化塩素を遺体表面に塗布乃至包
被し、又、遺体内部に注入する遺体保存方法」が開示さ
れている。 3)特開昭60−148506号公報(以下ハ号公報と
いう)には、「二酸化塩素のアルカリ性水溶液を含浸し
た保水性マットを、一面が液体及び気体の透過性大の薄
層、他面が液体及び気体の透過性小の薄層の袋体中に封
入した祭礼用化粧布とそれを用いた遺体保存方法」が開
示されている。 4)特開平7−265367号公報(以下ニ号公報とい
う)には、「安定化二酸化塩素を含む吸水性樹脂粉末で
ある遺体の体液封止剤とそれを用いた遺体保存方法」が
開示されている。 5)実開昭62−12327号公報(以下ホ号公報とい
う)には、「経典型に成形した箱体に二酸化塩素を粉状
化して袋詰めした防腐防臭剤と二酸化塩素水溶液を布に
含ませた清浄布とを組み合わせて収納した遺体損傷防止
剤セットとそれを用いた遺体保存方法」が開示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の遺体保存方法は、以下の様な課題を有していた。イ号
乃至ホ号公報に記載の遺体保存方法は、 a)二酸化塩素溶液を直接皮膚に塗布する場合は、カル
キ様の刺激臭が強いため作業性に欠けるとともに、酸化
漂白作用が強力すぎるため不自然な程皮膚が白くなり白
蝋化を起こし遺体を損傷するという問題点を有してい
た。 b)塗布せずに二酸化塩素ガスを発生させる場合は、血
斑を消失させるまでに長時間を要するという問題点を有
していた。 c)遺体の顔面や頸部を主とする部分のシワやむくみを
消すことができないという問題点を有していた。 d)遺体に傷口や手術痕がある場合は、臨終後もその部
位から血液や他の体液が漏出してくる場合があり、著し
く外観を損ねるとともに、作業者への感染事故のおそれ
があるという問題点を有していた。 ロ号公報に記載の遺体保存方法は、内臓の腐敗を防止す
るためには注射器で二酸化塩素溶液を注入しなければな
らず、操作に熟練を要するとともに、誤って注射針を手
や指等に刺し、傷を生じたりウイルス性の疾病に感染す
る事故の可能性があるという問題点を有していた。ま
た、処理後の注射器や注射針の廃棄も厳重な注意が必要
であるという問題点を有していた。ハ号公報に記載の遺
体保存方法は、化粧布を被せた部分しか血斑を消す効果
が見られないという問題点を有していた。ニ号公報に記
載の遺体保存方法は、耳孔、鼻孔、咽喉からの体液漏出
を防止するために、二酸化塩素を含む吸水性樹脂を詰め
込まなければならず、作業に熟練を要するとともに、吸
水性樹脂が体液を吸収すると膨潤し著しく体積が増大す
るため、顔面の様相が変わりやすく外観が著しく損なわ
れるという問題点を有していた。
【0004】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、簡便な操作によって遺体の腐敗を抑制し、異臭の発
生等を防止でき、遺体の外観を美しく保つことができる
ともに、血液などの体液の漏出を停止し作業者への感染
事故を防止することのできる遺体処理方法の提供を目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るため本発明の遺体保存方法は、遺体の顔面,頸部,耳
部を殺菌洗浄剤を含浸した殺菌洗浄剤吸収体で拭き清め
る拭き清め工程と、二酸化塩素を含有する二酸化塩素吸
収体を前記遺体の頭下及び腹上に敷設する敷設工程と、
二酸化塩素ガスを発生するガス発生剤を前記遺体の周囲
に配置し二酸化塩素ガスを発生させる二酸化塩素ガス発
生工程と、を備えた構成を有している。この構成によ
り、簡単な操作によって遺体の腐敗、異臭の発生等を防
止でき、シワやむくみが取れ、血斑を消して外観を美し
く保つことができるともに、血液などの体液の漏出を防
止し作業者への感染事故を防止することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の遺体保
存方法は、遺体の顔面,頸部,耳部を殺菌洗浄剤を含浸
した殺菌洗浄剤吸収体で拭き清める拭き清め工程と、二
酸化塩素を含有する二酸化塩素吸収体を前記遺体の頭下
及び腹上に敷設する敷設工程と、二酸化塩素ガスを発生
するガス発生剤を前記遺体の周囲に配置し二酸化塩素ガ
スを発生させる二酸化塩素ガス発生工程と、を備えた構
成を有している。この構成により、殺菌洗浄剤を含浸し
た吸収体で顔面,頸部,耳部を拭き清めるため皮膚表面
の脂肪分や水分、垢等の老廃物を除去することができる
ため、皮膚が緊張しシワが伸びてむくみを取ることがで
きるという作用を有する。さらに脂肪分や老廃物等が拭
い取られているので、二酸化塩素ガスが皮膚に吸収され
やすくなり、その酸化力によって皮膚中の蛋白質を収れ
んさせることができるためこの状態を長時間維持するこ
とができるという作用を有する。また、拭き清め工程で
は殺菌洗浄剤を含浸した吸収体中に二酸化塩素を含まな
いので、作業中の刺激臭がなく、作業者に不快感を与え
ることがないという作用を有する。また、皮膚から吸収
されるガス状の二酸化塩素により赤血球中の発色団を形
成する2価の鉄原子を3価に酸化することができるため
顔面,頸部,耳部に生じた血斑を消失させることができ
るとともに、皮膚には直接二酸化塩素溶液を接触させな
いため、不自然に白くなったり白蝋化するのを防止でき
るという作用を有する。頭下と腹上に二酸化塩素吸収体
を敷設しているため、分解しやすい脳や内臓に二酸化塩
素のガスが効率よく吸収され、蛋白質の凝固作用と殺菌
作用によって分解を抑制することができ、口部や鼻孔,
耳孔からの液体の漏出を抑制することができるという作
用を有する。ガス発生剤を前記遺体の周囲に配置し二酸
化塩素ガスを発生させるため、空中落下菌を死滅させ、
腐敗の進行を抑制することができるとともに、蛋白質や
漏出した体液が分解し発生するメルカプタン,硫化水
素,アミン等の異臭成分を酸化し消臭することができる
という作用を有する。
【0007】ここで、拭き清め工程としては、顔全体と
耳,頸部を拭き清めるが、特に目,鼻,口、シワやむく
みの部分を重点的に拭き清めることが望ましい。殺菌洗
浄剤としては、メタノール,エタノール,イソプロパノ
ール等の低級アルコール、四級アンモニウム塩,ピリジ
ニウム塩,イミダゾリニウム塩,スルホニウム塩,ホス
ホニウム塩等のカチオン性界面活性剤、ベタイン型,グ
リシン型,アラニン型,スルホベタイン型の両性界面活
性剤等が用いられる。 なお、殺菌洗浄剤中にポリオキ
シエチレン(C12〜C22アルキル)エーテル、ポリオキ
シエチレン(C5 〜C15アルキルフェニル)エーテル等
のノニオン性界面活性剤を含有させてもよい。洗浄力を
さらに高め遺体の顔面を美しくすることができるととも
に、殺菌性を更に向上させることができるためである。
各吸収体の材質としては、木綿、麻等の天然繊維やレー
ヨン、アセテート等の合成繊維を含む織布や不織布、パ
ルプ、紙、ウレタンスポンジ、セルローススポンジ、ア
クリル高分子架橋材等の高分子吸収材を含有するシート
等、活性炭、シリカゲルや硫酸カルシウム等の無機粉末
等が使用される。各吸収体に含有させるか、ガス発生剤
中の二酸化塩素としては、溶液、デンプンや寒天,カラ
ギーナン等の多糖類のゲル,高分子吸収材,ケイ酸ナト
リウムゲル等に吸収させたゼリー状のもの、粘土,活性
炭,シリカゲル,硫酸カルシウム等に吸着させた粉末や
顆粒状のものが使用される。吸収体に二酸化塩素を含有
させる場合は、溶液を噴霧するか滴下して使用すること
ができ、ゼリー状のものは練り混むか塗布し、粉末,顆
粒状のものは載せるか包んで使用することができる。ガ
ス発生剤として溶液を使用する場合は、開口容器等に入
れて遺体の横に置くか噴霧、滴下することができ、ゼリ
ー状や粉末,顆粒状のものを使用する場合は、棺内に適
宜分散させて塗布するか、撒いて使用することができ
る。溶液を使用する場合の溶媒としては、メタノール,
エタノール,イソプロパノール等の低級アルコール、エ
チレングリコール,グリセリン等の多価アルコール、ア
セトン,メチルエチルケトン等のケトン類、水等が使用
される。ここで、炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウム
等の弱塩基性の塩類、塩化シアヌル等を混合すると安定
性が増し、二酸化塩素の急激な気化を抑制することがで
きる。二酸化塩素の濃度としては、100〜200,0
00ppm、好ましくは1,000〜50,000pp
mのものが用いられる。ここで、二酸化塩素の濃度が5
0,000ppmよりも高くなるにつれ刺激臭が強くく
なり作業者に不快感を与えるとともに、急激な二酸化塩
素ガスの発生が見られ、皮膚が白くなりすぎる傾向を生
じるため好ましくない。また、1,000ppmより低
くなるにつれ所定の効果が得られにくくなる傾向を生じ
るためいずれも好ましくない。
【0008】本発明の請求項2に記載の遺体保存方法
は、請求項1に記載の遺体保存方法において、前記二酸
化塩素ガス発生工程が、前記遺体を納棺した後である構
成を有している。この構成により、二酸化塩素ガスが徐
々に棺中に充満し、遺体外部の臭気成分を酸化分解する
ため、消臭作用をさらに高めることができ、空中落下菌
も速やかに死滅するため、防腐効果を向上させることが
できるという作用を有する。また、二酸化塩素ガスが揮
散しがたいため、効力を長時間持続させることができる
という作用を有する。
【0009】本発明の請求項3に記載の遺体保存方法
は、請求項1又は2に記載の遺体保存方法において、前
記殺菌洗浄剤、及び/又は前記二酸化塩素を含有する体
液吸収体で前記遺体の体液(血液)漏出部を拭き体液
(血液)の漏出を停止する漏出停止工程を備えた構成を
有している。この構成により、遺体の傷口等からの血液
や肺水、腹水等の体液を安全に取り除くことができると
ともに、二酸化塩素ガスが漏出部に作用し体液や漏出部
を凝固させるため漏出を停止することができるという作
用を有する。体液、特に血液の漏出が止まりにくい場合
でも二酸化塩素を含有する吸収体で体液漏出部を拭くこ
とにより、血小板やフィブリン等の蛋白質を強力に凝固
させ漏出を停止することができるという作用を有する。
【0010】本発明の請求項4に記載の遺体保存方法
は、請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の遺体保存
方法において、前記二酸化塩素吸収体に前記殺菌洗浄剤
が添加されている構成を有している。この構成により、
請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の発明の作用に
加えて、殺菌洗浄剤に二酸化塩素が溶解し、殺菌洗浄剤
の皮膚への浸透性と相まって二酸化塩素の吸収性が増大
するため、腐敗防止や消臭、血斑の消失等を強化するこ
とができるという作用を有する。
【0011】本発明の請求項5に記載の遺体保存方法
は、請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の遺体保存
方法において、前記殺菌洗浄剤が、両性界面活性剤、及
び/又はカチオン性界面活性剤を含有する構成を有して
いる。この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1
項に記載の遺体保存方法の作用に加えて、優れた洗浄力
を有するため遺体の汚れや皮脂,余分な水分を強力に除
去することができるともに、殺菌性も優れているため作
業者への感染事故等も防止することができるという作用
を有する。特に両性界面活性剤は毒性が低いことに加
え、溶液のpH等に影響されず、蛋白質が共存する条件
でも優れた殺菌性を示すため好適に使用される。ここ
で、両性界面活性剤としては、N,N,N−トリアルキ
ル−N−(C10〜C20アルキレン)アンモニオカルボキ
シベタイン、N,N−ジアルキル−N−βヒドロキシエ
チル−N−(C8 〜C20アルキレン)アンモニオカルボ
キシベタイン、N−(C10〜C20アルキル)オキシメチ
ル−N,N−ジアルキルグリシン等のベタイン型両性界
面活性剤、N−(C10〜C20アルキル)アミノエチルグ
リシンやN,N−ジ(C6 〜C12アルキルアミノエチ
ル)グリシン、N−(C6 〜C12アルキルアミノエチ
ル)−N−アルキルジ(アミノエチル)グリシン等のグ
リシン型両性界面活性剤、N−(C8 〜C14アルキルア
ラニン等のアラニン型両性界面活性剤、N−(C8 〜C
14アルキル)スルホタウリンや(C12〜C20アルキル)
アミノメチルベンゼンスルホン酸等のスルホベタイン型
両性界面活性剤が用いられる。カチオン性界面活性剤と
しては、適宜置換されてもよいC8 〜C20アルキル基,
8 〜C20アルキルアミドエチル基,C4 〜C12アルキ
ル基又はC6 〜C16アルコキシ基で置換されてもよいフ
ェノキシエチル基,C8 〜C16アルキルカルボニル基,
6 〜C20アルキルアミノエチル基,C6 〜C20アルキ
ルチオエチル基,C8 〜C20アルキルベンジル基,ベン
ジル基のうちいずれか1以上を有する四級アンモニウム
塩,ピリジニウム塩,イミダゾリニウム塩,スルホニウ
ム塩,ホスホニウム塩等が好適に使用される。
【0012】本発明の請求項6に記載の遺体保存方法
は、請求項5に記載の遺体保存方法において、前記両性
界面活性剤が、グリシン型又はアラニン型両性界面活性
剤である構成を有している。この構成により、請求項5
に記載の作用に加えて、グリシン型又はアラニン型の両
性界面活性剤の官能基であるアミノ基、カルボキシル基
がそれぞれ二酸化塩素によって酸化されN−オキシド、
過酸を生じ、いずれも蛋白質との反応性が高いため、筋
肉中のミオグロビン等と反応し美しい肌色を呈すること
ができるとともに、口唇を鮮やかな赤色に呈色させるこ
とができるため遺体の顔面、頸部、耳部の色調を整え活
き活きさせることができるという作用を有する。
【0013】本発明の請求項7に記載の遺体保存方法
は、請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の遺体保存
方法において、前記遺体の下に吸水性シートを敷設する
吸水性シート敷設工程を備えた構成を有している。この
構成により、遺体から体液が漏出する場合でも吸水性シ
ートが吸収するため、周囲を汚染しないとともに、異臭
の発生を抑制することができるという作用を有する。こ
こで、吸水性シートには、パルプや脱脂綿等の吸水材や
アクリル系高分子架橋体等の高分子吸収材等が使用され
る。
【0014】本発明の請求項8に記載の遺体保存方法
は、請求項1乃至7の内いずれか1項に記載の遺体保存
方法において、前記殺菌洗浄剤吸収体、前記二酸化塩素
吸収体、体液吸収体、ガス発生剤のうち1以上に植物抽
出成分を0.05wt%〜20wt%添加含有させた構
成を有している。この構成により、植物抽出成分の殺菌
効果により防腐、消臭効果をさらに高めることができ、
二酸化塩素のカルキ様の臭気を消すことができるととも
に、芳香を付加することができるという作用を有する。
植物抽出成分としては、椿油,レモン油,レモングラス
油,オレンジ油,ガムテレピン,セスキテルピン,ミル
セン等の精油成分,杉,ヒバ,ヒノキ,松,桑,桜,熊
笹,桃,ヨモギ等の抽出液等が使用される。ここで、植
物抽出成分が0.05wt%より少なくなるにつれ所定
の殺菌効果や消臭効果が得られがたくなる傾向を生じ、
また、20wt%より多くなるにつれ、経済的でなくな
るとともに、香気が過剰になり却って雰囲気を損なう傾
向を生じるので好ましくない。
【0015】以下に、本発明を実施例を用いてより詳細
に説明する。
【実施例】(実施例1)まず、準備工程として高分子吸
水樹脂を含有するマットを遺体の下に敷設した。次いで
拭き清め工程として0.005〜0.5%、好ましくは
0.01〜0.1%のジ(オクチルアミノエチル)グリ
シン(商品名:オバノール明治、100倍希釈)を10
〜20ml含浸させたガーゼ,不織布,布や脱脂綿等の
布帛で遺体の顔面、耳、首を数回ずつ、特に目,鼻,口
と、シワやむくみが見られる部分は重点的に拭き清め
た。敷設工程として前記拭き清め工程で使用した不織布
に1,000〜20,0000ppm、好ましくは2,
000〜8,000ppmの二酸化塩素溶液を10〜2
0mlスプレーヤで噴霧して加え、納棺した遺体の腹上
に敷設した。また、別途用意した前記ジ(オクチルアミ
ノエチル)グリシン10〜20mlを含浸した布帛に前
記二酸化塩素溶液10〜20mlを噴霧し、頭下に敷設
した。二酸化塩素ガス発生工程として、前記二酸化塩素
溶液を10〜30mlを入れたプラスチック製の開口容
器を遺体の腋下に挟んだ後、蒲団で覆った。これによ
り、顔面、頸部は速やかにシワが伸び、むくみや血斑が
消失した。顔面,頸部等に生じた血斑は消失し、自然な
肌色に戻った。また、注射等によって二酸化塩素を注入
しなくても脳や内臓の腐敗を抑制することができ、耳
孔,鼻,口腔からの液体流出も見られず、異臭の発生も
なかった。特に、顔面に限らず、出血部位がある場合は
その部位をジ(オクチルアミノエチル)グリシンを含浸
した不織布で拭き清めることによって血痕を取り除くこ
とができ、二酸化塩素ガスによってその後の出血も停止
できることがわかった。さらに、ドライアイスを使用し
ないため、遺体の黒ずみは見られず遺体の外観を美しく
保つことができるとともに、冷却されていないため、火
葬に付した場合の所要時間がドライアイスを使用した場
合1時間半程度必要なのが1時間に短縮され、燃料の消
費量も大幅に削減することができた。
【0016】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1に記載の
発明によれば、 1)殺菌洗浄剤を含浸した吸収体で顔面,頸部,耳部を
拭き清めるため皮膚表面の余分な脂肪分や水分、垢等の
老廃物を除去することができるため、皮膚が緊張しシワ
が伸びてむくみを取ることができ、さらに皮膚に吸収さ
れる二酸化塩素ガスの酸化力によって皮膚タンパクが凝
固し収れんさせることができるためこの状態を維持する
ことができる。 2)顔面,頸部,耳部に生じた血斑を消失させることが
できるとともに、二酸化塩素溶液を接触させないため、
漂白作用が強くなりすぎず、不自然に白くなったり白蝋
化するのを防止できる。 3)頭下と腹上に二酸化塩素吸収体を敷設しているた
め、分解しやすい部分に二酸化塩素が効率よく吸収さ
れ、蛋白質の凝固作用と殺菌作用によって分解を抑制す
ることができるとともに、口部や鼻孔,耳孔からの液体
漏出を抑制することができるため、周囲の汚染や作業者
への感染事故を防止でき、安全性や衛生性に優れる。 4)二酸化塩素ガス発生剤を前記遺体の周囲に配置し二
酸化塩素ガスを発生させるため、体内の蛋白質や漏出し
た体液が分解し発生するメルカプタン,硫化水素,アミ
ン等の異臭成分を酸化し消臭することができる。 5)簡単な作業により上記の効果が得られるとともに、
拭き清め工程に使用する吸収体中には二酸化塩素を含有
しないので、作業中の刺激臭がなく、作業者に不快感を
与えないため、作業性に優れる。
【0017】本発明の請求項2に記載の発明によれば、
請求項1に記載の発明の効果に加え、二酸化塩素ガスが
徐々に棺中に充満し、遺体外部の臭気成分を酸化分解す
るため、消臭作用をさらに高めることができ、空中落下
菌も速やかに死滅するため、防腐効果を向上させること
ができるという作用を有する。また、二酸化塩素ガスが
揮散しがたいため、効力を長時間持続させることができ
る。
【0018】本発明の請求項3に記載の遺体保存方法に
よれば、請求項1又は2に記載の遺体保存方法の効果に
加え、遺体の傷口等からの体液を安全に取り除くことが
できるため安全性や作業性に優れるとともに、血小板や
フィブリン等に二酸化塩素が直接作用して凝固させ血液
の漏出が止まるため、遺体の外観を美しく保つことがで
きる。
【0019】本発明の請求項4に記載の発明によれば、
請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の遺体保存方法
の効果に加えて、殺菌洗浄剤に二酸化塩素が溶解し、殺
菌洗浄剤の皮膚への浸透性と相まって二酸化塩素の吸収
性が増大するため、腐敗防止性や消臭性、血斑の消失性
等を強化することができる。
【0020】本発明の請求項5に記載の発明によれば、
請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の発明の効果に
加えて、界面活性剤が優れた洗浄力を有するため遺体の
汚れや皮脂,余分な水分を強力に除去することができる
ため、シワやむくみを取る効果が大きくすることができ
るとともに、殺菌性も優れているため作業者への感染事
故等も防止することができるため安全性に優れる。
【0021】本発明の請求項6に記載の発明によれば、
請求項5に記載の発明の効果に加えて、グリシン型又は
アラニン型の両性界面活性剤の官能基であるアミノ基、
カルボキシル基がそれぞれ二酸化塩素によって酸化され
N−オキシド、過酸を生じ、いずれも蛋白質との反応性
が高いため、筋肉中のミオグロビン等と反応し美しい肌
色を呈することができるとともに、口唇を鮮やかな赤色
に呈色させることができるため遺体の顔面、頸部、耳部
の色調を整え美しくすることができる。
【0022】本発明の請求項7に記載の発明によれば、
請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の発明の効果に
加えて、遺体から体液が漏出する場合でも吸水性シート
が吸収するため、周囲の汚染を防止できるとともに、異
臭の発生を抑制することができるので衛生性をさらに高
めることができる。
【0023】本発明の請求項8に記載の発明によれば、
請求項1乃至7の内いずれか1項に記載の発明の効果に
加えて、消臭力をさらに高めることができ、二酸化塩素
のカルキ臭も消すことができる。また、種々の香気成分
を選択し付加することにより、遺族の心情を満たすこと
ができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遺体の顔面,頸部,耳部を殺菌洗浄剤を
    含浸した殺菌洗浄剤吸収体で拭き清める拭き清め工程
    と、二酸化塩素を含有する二酸化塩素吸収体を前記遺体
    の頭下及び腹上に敷設する敷設工程と、二酸化塩素ガス
    を発生するガス発生剤を前記遺体の周囲に配置し二酸化
    塩素ガスを発生させる二酸化塩素ガス発生工程と、を備
    えたことを特徴とする遺体保存方法。
  2. 【請求項2】 前記二酸化塩素ガス発生工程が、前記遺
    体を納棺した後であることを特徴とする請求項1に記載
    の遺体保存方法。
  3. 【請求項3】 前記殺菌洗浄剤、及び/又は前記二酸化
    塩素を含有する体液吸収体で前記遺体の体液(血液)漏
    出部を拭き体液(血液)の漏出を停止する漏出停止工程
    を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遺体
    保存方法。
  4. 【請求項4】 前記二酸化塩素吸収体に前記殺菌洗浄剤
    が添加されていることを特徴とする請求項1乃至3の内
    いずれか1項に記載の遺体保存方法。
  5. 【請求項5】 前記殺菌洗浄剤が、両性界面活性剤、及
    び/又はカチオン性界面活性剤を含有することを特徴と
    する請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の遺体保存
    方法。
  6. 【請求項6】 前記両性界面活性剤が、グリシン型又は
    アラニン型両性界面活性剤であることを特徴とする請求
    項5に記載の遺体保存方法。
  7. 【請求項7】 前記遺体の下に吸水性シートを敷設する
    吸水性シート敷設工程を備えたことを特徴とする請求項
    1乃至6の内いずれか1項に記載の遺体保存方法。
  8. 【請求項8】 前記殺菌洗浄剤吸収体、前記二酸化塩素
    吸収体、体液吸収体、ガス発生剤のうち1以上に植物抽
    出成分を0.05wt%〜20wt%添加含有させたこ
    とを特徴とする請求項1乃至7の内いずれか1項に記載
    の遺体保存方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021250907A1 (ja) * 2020-06-08 2021-12-16 株式会社ピーアンドエス 滅菌剤

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