JPH11322618A - 有核細胞分離回収方法及び有核細胞含有液 - Google Patents

有核細胞分離回収方法及び有核細胞含有液

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JPH11322618A
JPH11322618A JP10146718A JP14671898A JPH11322618A JP H11322618 A JPH11322618 A JP H11322618A JP 10146718 A JP10146718 A JP 10146718A JP 14671898 A JP14671898 A JP 14671898A JP H11322618 A JPH11322618 A JP H11322618A
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nucleated
cells
nucleated cells
blood
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JP10146718A
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Masaya Sumida
政哉 澄田
Shuji Terajima
修司 寺嶋
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Asahi Medical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 安価で且つ簡便・短時間操作で、造血幹細胞
等、有核細胞が高率に回収できる細胞分離回収方法の提
供。 【解決手段】 少なくとも有核細胞と赤血球を含む有核
細胞含有液を、有核細胞を実質的に捕捉し赤血球は実質
的に通過する細胞捕捉手段に導入し、赤血球を該細胞捕
捉手段から導出させ、次に該細胞捕捉手段に回収液を導
入して該細胞捕捉手段に捕捉されている有核細胞を回収
する細胞分離方法において、前記細胞捕捉手段に導入す
る有核細胞含有液中には、有核細胞の生体からの採取後
及び/又は採取時に添加されたクエン酸含有溶液が下記
の式で表される対細胞数作用価が0.0005以上とな
るように含有されていることを特徴とする有核細胞分離
回収方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば造血幹細胞
及び/又は造血前駆細胞(以下、造血幹細胞と略す)や
リンパ球などの有核細胞を含有する液体の分離方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】臍帯血幹細胞は、ドナー侵襲皆無の造血
幹細胞移植ソースとして注目を集めており、欧米諸国を
中心にさかんに臨床応用が試みられている。臍帯血幹細
胞は、他の造血幹細胞移植、即ち、骨髄移植或いは末梢
血幹細胞移植のようにドナーから採取されてすぐ患者に
移植されることはまれであるので、採取時から使用時ま
で保存しておくことが必要である(特に非血縁者間移植
の場合)。特公平8−69号公報には臍帯血を凍結保存
後、解凍して移植に用いることが開示されている。とこ
ろで、臍帯血は凍結保存に際し、解凍後の破壊赤血球に
よる副作用防止及び凍結保存時の体積を小さくする目的
で、有核細胞を分離(赤血球を除去)すべきとされてお
り、現在はほとんどが分離保存が通常となっている(南
江堂、「末梢血幹細胞移植」、173ページ)。事実、
特公平8−69号公報でもフィコールハイパキュー(比
重液による遠心分離)法で分離すること(以下フィコー
ル法と略す)及びそのプロトコールの詳細が開示されて
いる。しかしながら、フィコール法は非常に煩雑で長時
間を要する操作であるという問題がある。WO96/1
7514公報にはヒドロキシエチルスターチを用いて赤
血球を凝集沈降分離し、有核細胞濃厚液を得るためのバ
ッグシステム、方法が開示されている。本法はシステム
化されているものの、遠心分離が2回必要であるため、
やはり長時間作業となる。ところで、フィコール法や赤
血球凝集除去法に代わる造血幹細胞分離方法も散見され
るようになった。特開平8−104643号公報では赤
血球は通過するフィルターに造血幹細胞を捕捉させた
後、最初の通液方向とは逆方向の液流を惹起させて回収
する方法が開示されており、実施例では原料細胞液をハ
ンクス液(HBSS)で希釈している。しかしながら原
料細胞液に特定の溶液を添加することで細胞回収率が向
上することの記載は一切無い。一方、特開昭57−20
0163号公報では血液を白血球分離器に供給し、血液
中の白血球成分を分離材に捕捉させて分離するさいに、
希釈液にて希釈した血液を白血球分離器に供給すること
が開示されている。しかしながら、同公報は粘着性の強
い血小板の粘着力を、原料血液を希釈することで抑制
し、流出・回収することが技術課題であり、捕捉された
細胞(白血球)の回収率を高めるものではない。事実、
同公報310ページには「血液を希釈することにより血
小板の固形物質に対する粘着力が大幅に抑制され、他の
血球の粘着力には殆ど影響を与えない」との記述があ
る。また、希釈液としては前記課題を達成するために適
したものとして血液から分子量10万以上の物質を除去
した血液成分があげられているが、クエン酸という特定
成分に着目した溶液の検討は一切なされていない。とこ
ろで、クエン酸は血液凝固に必要なカルシウムイオンを
キレートすることで抗凝固作用を有することから、CP
D(citrate−phosphate−dextr
ose)、ACD(acid−citrate−dex
trose)などが抗凝固剤作用を有する血液保存剤と
して汎用されている。通常これらの存在量は、例えばC
PD液の場合、全血100mLに対して14mLである
(文光堂、「血液病学」、1491ページ)。これらは
あらかじめ、血液バッグやチューブに一定量が入ってお
り、末梢血管など生体から採取針付きシリンジ等によっ
て採取された血液と混和されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安価
で且つ簡便・短時間操作で、造血幹細胞等、有核細胞が
高率に回収できる細胞分離回収方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく、捕捉細胞の粘着性低減の観点から、鋭意検
討した結果、採血時の抗凝固剤として通常用いられる量
よりもはるかに多量のクエン酸を含有する溶液を原料血
液に添加することにより、造血幹細胞の粘着性が適度に
弱まり(捕捉率は低下せず)、細胞の回収率が向上する
という驚くべき効果を見出し、本発明を完成させたもの
である。即ち、本発明は少なくとも有核細胞と赤血球を
含む有核細胞含有液を、有核細胞を実質的に捕捉し赤血
球は実質的に通過する細胞捕捉手段に導入し、赤血球を
該細胞捕捉手段から導出させ、次に該細胞捕捉手段に回
収液を導入して該細胞捕捉手段に捕捉されている有核細
胞を回収する細胞分離方法において、前記細胞捕捉手段
に導入する有核細胞含有液中には、有核細胞の生体から
の採取後及び/又は採取時に添加されたクエン酸含有溶
液が下記の式で表される対細胞数作用価が0.0005
以上となるように含有されている有核細胞分離回収方法
である。 また有核細胞の生体からの採取後及び/又は採取時に添
加されたクエン酸含有溶液を含む有核細胞含有液であっ
て、該クエン酸含有溶液は下記の式で表される対細胞数
作用価が0.0005以上となるように含有されている
有核細胞含有液である。
【0005】以下本発明を詳細に説明する。本発明で言
う有核細胞とは細胞内に核を有する細胞のことを言い、
具体的には白血球、顆粒球、好中球、好酸球、好塩基
球、骨髄球、赤芽球、リンパ球、Tリンパ球、ヘルパ−
Tリンパ球、サプレッサーTリンパ球、細胞傷害性Tリ
ンパ球、Bリンパ球、NK細胞、NKT細胞、単球、マ
クロファージ、樹状細胞、造血幹細胞、破骨細胞、骨芽
細胞、骨細胞、繊維芽細胞、軟骨芽細胞等があげられ
る。また、本発明で言う有核細胞含有液とは前記有核細
胞を含有する液体のことであり、例えば末梢血、リンパ
液、骨髄液、臍帯血、或いはこれらに何らかの処理を施
した液体等があげられる。本発明における有核細胞を実
質的に捕捉し赤血球は実質的に通過する細胞捕捉手段と
は、例えば、有核細胞は実質的に捕捉し、赤血球は実質
的に通過する材料を充填した液体流入口と液体流出口を
有する容器、或いは成型容器で、容器内面に細胞捕捉面
が存在するものがあげられる。有核細胞を実質的に捕捉
し、赤血球は実質的に通過する材料は、通常用いられて
いる細胞捕捉材であればいかなる材料も使用できるが、
成型性、滅菌性や細胞毒性が低いという点で好ましいも
のを例示すると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、アクリル樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポ
リカーボネート、ポリアクリルアミド、ポリウレタン等
の合成高分子、アガロース、セルロース、酢酸セルロー
ス、キチン、キトサン、アルギン酸塩等の天然高分子、
ハイドロキシアパタイト、ガラス、アルミナ、チタニア
等の無機材料、ステンレス、チタン、アルミニウム等の
金属があげられる。また、これらの捕捉材はこのままで
も用いることができるが、細胞の選択的通過或いは捕捉
を行う等の必要に応じ、表面改質を施したものでもよ
い。例えば、血小板通過性を高めるにはWO87/05
812公報で提案されている非イオン性親水基と塩基性
含窒素官能基を有するポリマーのコートによる方法等が
あげられ、細胞の選択的捕捉を行う場合、アミノ酸、ペ
プチド、糖類、糖タンパク(抗体、接着分子等のバイオ
リガンドを含む)といった、特定の細胞に親和性のある
リガンドを、例えば特開平2−261833号公報で提
案されているハロアセトアミド法により固定する方法等
があげられる。また、捕捉材の形状としては粒状、繊維
塊、織布、不織布、スポンジ状多孔質体、平板等があげ
られるが、体積あたりの表面積が大きいという点で粒
状、繊維塊、織布、不織布、スポンジ状多孔質体が好ま
しい。有核細胞は捕捉し、少なくとも赤血球は実質的に
捕捉しない材料を充填する容器は、成型性、滅菌性や細
胞毒性が低いという点で好ましいものを例示すると、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル
樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポ
リアクリルアミド、ポリウレタン、塩化ビニル等の合成
高分子、ハイドロキシアパタイト、ガラス、アルミナ、
チタニア等の無機材料、ステンレス、チタン、アルミニ
ウム等の金属があげられ。本発明で言う「実質的に捕捉
し」とは有核細胞含有液中の有核細胞を60%以上捕捉
することを言い、また「赤血球は実質的に通過する」と
は有核細胞含有液中の赤血球が60%以上通過すること
を言う。
【0006】本発明における、前記細胞捕捉手段に導入
して捕捉されている有核細胞を回収する回収液は生理的
溶液であればいかなるものも使用可能であるが、幾つか
例示すると、生理食塩水、D−PBSやHBSSなどの
緩衝液、RPMI1640などの培地があげられる。こ
れらの生理的溶液に、細胞保護、栄養補給、凍結保存時
の凍害保護、粘度向上(回収率向上に有効な場合があ
る)等の目的で必要に応じ、デキストラン、ヒドロキシ
エチルデンプン、アルブミン、グロブリン、ゼラチン、
グルコース、サッカロース、トレハロース等を添加して
も良い。本発明におけるクエン酸とは狭義のクエン酸
(通常、一水和物C687・H2 Oを言う。無水物
はC687 )、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリ
ウムなど、狭義のクエン酸とその塩、更にはそれらが水
溶液中で電離してクエン酸イオンとなっているもののこ
とを言う。このクエン酸含有溶液のpHは通常5.0以
上8.5以下であり、好ましくは5.5以上7.5以
下、より好ましくは5.5以上7.0以下である。pH
が5.0未満でも8.5を超えても細胞にとって好まし
くない。この溶液には、細胞保護、栄養補給、抗凝固作
用の強化等の目的で必要に応じアルブミン、グロブリ
ン、グルコース、サッカロース、トレハロース、ヘパリ
ン、EDTA等を添加しても良い。本溶液は用時、各原
料粉末を溶解して調製してもよいが、市販の血液保存液
であるCPD(citrate−phosphate−
dextrose)が好適に用いられる。なお、CPD
の組成は以下のとおりである(文光堂、「血液病学」、
1491ページ)。クエン酸ナトリウム(二水和物)2
6.3g/L、クエン酸(一水和物)3.27g/L、
ブドウ糖23.2g/L、リン酸二水素ナトリウム(二
水和物)2.51g/L。本発明による細胞分離方法で
はこれらの溶液を、有核細胞の生体からの採取後及び/
又は採取時に添加して、細胞捕捉手段に導入する有核細
胞含有液を調製する。本発明におけるクエン酸量は、下
記の式で表される対細胞数作用価が0.0005以上で
あるように設定される。 ここで言うクエン酸量(モル)とは以下の式で算出され
たものを言う。 (添加されたクエン酸含有溶液中にクエン酸化合物A、
Bが存在する場合) ここで0.0005未満ではクエン酸による粘着軽減効
果が発揮できないおそれがある。ちなみに、通常行われ
ている末梢血採血では対細胞数作用価は、0.0000
735〜0.00049である。クエン酸含有溶液の添
加方法は、予め血液バッグ等の採取容器に存在させてお
く、又は通常採血で用いられる濃度の抗凝固剤が入った
血液バッグ等の採取容器に有核細胞を採取した後に添加
する、のいずれでも、また両方を組み合わせてもよい。
【0007】本発明で言う有核細胞含有液を、有核細胞
を実質的に捕捉し赤血球は実質的に通過する細胞捕捉手
段に導入する方法としては、前記手段にチューブを介し
て有核細胞含有液を入れたバッグ或いはボトルを接続し
て落差、ローラーポンプ、バッグを押しつぶし液流を惹
起させる、などにより導入するか、有核細胞含有液を入
れたシリンジを接続し、手押し又はシリンジポンプなど
で送液して導入すればよい。有核細胞を該手段に導入す
ると、有核細胞は該手段内に捕捉され、赤血球は該手段
から流出するが、若干容器内にも残存する場合があるの
で、残存した微量の赤血球を洗浄除去する目的で前記手
段に洗浄液を導入して洗浄してもよい。洗浄液としては
生理的溶液であればいかなるものも使用可能であるが、
幾つか例示すると、生理食塩水、ダルベッコリン酸緩衝
液(D−PBS)やハンクス液(HBSS)などの緩衝
液、RPMI1640などの培地があげられる。これら
の生理的溶液に、細胞保護、栄養補給等の目的で必要に
応じ、デキストラン、ヒドロキシエチルデンプン、アル
ブミン、グロブリン、グルコース、サッカロース、トレ
ハロース等を添加しても良い。洗浄液の送液方向は有核
細胞含有液を導入した方向と同一方向が好ましい。逆方
向ではこの洗浄操作により、有核細胞が漏出してしまう
おそれがある。
【0008】本発明における、前記捕捉手段に回収液を
導入する方法としては、該手段にチューブを介して回収
液を入れたバッグ或いはボトルを接続して落差、ローラ
ーポンプ、バッグ押しつぶしなどで送液するか、回収液
を入れたシリンジを接続し、手押し又はシリンジポンプ
などで送液すればよい。この際、回収液の送液方向とし
ては、有核細胞含有液を導入した方向と同一方向、その
逆方向の2通りがあるが、一般に細胞回収率は後者の方
が高いので好ましい。回収液の流速は早い方が回収率が
高くなるので好ましい。本発明は更に有核細胞の生体か
らの採取後及び/又は採取時に添加されたクエン酸含有
溶液を含む有核細胞含有液であって、該クエン酸含有溶
液は前述の対細胞数作用価が0.0005以上となるよ
うに含有されている有核細胞含有液を提供する。本発明
の有核細胞含有液を用いることで、有核細胞を実質的に
捕捉し赤血球は実質的に通過する細胞捕捉手段に導入
し、赤血球を該細胞捕捉手段から導出させ、次に該細胞
捕捉手段に回収液を導入して該細胞捕捉手段に捕捉され
ている有核細胞を回収する細胞分離方法において、細胞
回収率の向上が可能となる。なお、クエン酸イオン含有
化合物がなぜ造血幹細胞の粘着性を適度に低減させ、回
収率が向上するかについては現在詳細に検討中である
が、本発明者らは造血幹細胞表面上に存在する、固体物
質への接着に関与する分子がクエン酸イオンのキレート
作用によりマスクされたためではないかと推察してい
る。
【0009】
【実施例】以下に実施例及び比較例により本発明をより
詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるも
のではない。
【実施例1】細胞分離器 容器外寸(縦×横×厚み)41×41×18mmで、液
体流出口と液体流入口を対角線上にもつポリカーボネー
ト製容器の入口側に平均繊維径12μmのポリエステル
不織布12枚を、出口側に平均繊維径2.3μmのポリ
エステル不織布25枚を充填し細胞分離器(1)とし
た。尚、充填密度は0.2g/cm3、有効濾過面積1
2.25cm2、有効濾過長12.4mmであった。ま
た、この細胞分離器に血小板通過性を付与する目的で、
親水性ポリマーのコーティングを行った。即ち、ヒドロ
キシエチルメタクリレート・ジメチルアミノエチルメタ
クリレート共重合体(ヒドロキシエチルメタクリレート
とジメチルアミノエチルメタクリレートのモル比=9
7:3)の1%エタノール溶液を該フィルターの入口側
から通液した後、窒素ガスを通して乾燥させた。 細胞分離操作 娩出後の胎盤及び臍帯から50mLディスポーザブルシ
リンジ(18ゲージ針付き)を用いて、臍帯血を予めC
PD(pH5.6)1.5mLが入っている10mL採
血管に採取した。この採血管内の臍帯血を200mL血
液バッグに集めたところ、総量50mLであった(正味
血液量42.5mL、CPD7.5mL)。この血液バ
ッグにCPD(pH5.6)150mLを添加し、有核
細胞含有液とした。なお、本有核細胞含有液の有核細胞
数、添加されたクエン酸含有溶液のクエン酸量(モル、
以下単にクエン酸量と略す)、対細胞数作用価を表1に
示す。 この血液バッグ(2)を途中に細胞回収用バッグ(5)
が接続した三方活栓(4)とメッシュチャンバー(3)
を有するチューブで、で作製した細胞分離器(1)の
入口側に接続した。細胞分離器(1)の出口側は途中に
回収用シリンジ接続用の三方活栓(6)を有するチュー
ブでドレーンバッグ(7)を接続した。原料血液バッグ
(2)中の有核細胞含有液を約60cmの落差で細胞分
離器に通液し、細胞分離器(1)から流出する赤血球含
有液をドレーンバッグ(7)に排液した。次に、三方活
栓(6)に市販のデキストラン40生理食塩水溶液(ヒ
ト血清アルブミンを4%含む)25mLを入れた30m
Lディスポーザブルシリンジを接続し、三方活栓(6)
をシリンジと細胞分離器のみが連通する方向に回し、ま
た三方活栓(4)を細胞分離器(1)と細胞回収用バッ
グ(5)のみが連通する方向に回した後、シリンジを押
して細胞分離器内に捕捉されている細胞を細胞回収用バ
ッグ(5)に回収した。 分析 有核細胞数、赤血球数、血小板数は自動血球計算機にて
測定、有核細胞中のCD34陽性率はFITC標識抗C
D34抗体を用い、SSC−FITCに展開するフロー
サイトメトリー法(宮崎、他:日常診療と血液、第5巻
2号、21〜24ページ、1995年)を用いて測定し
た。なお、回収率、除去率の算出方法は以下のとおりで
ある。 回収率(%)=100×(回収後細胞数/原料血液中の
細胞数) 除去率(%)=100−100×(回収後細胞数/原料
血液中の細胞数) 結果 結果のまとめを表2に示す。回収した細胞液中には有核
細胞、CD34陽性細胞が高率に回収できており、赤血
球、血小板が高率に除去されていることがわかる。
【0010】
【比較例1】細胞分離器 実施例1と同様の細胞分離器を用いた。 細胞分離操作 血液バッグにCPD50mLを加える代わりに生理食塩
水50mLを加える以外は実施例1と同様な操作を行っ
た。即ち、もともと採血管に添加されていたクエン酸量
以上のクエン酸は添加せずに、言い換えれば、通常の末
梢血採血時に使用されるクエン酸量以上のクエン酸が存
在しない条件で細胞分離操作を行った。なお、本有核細
胞含有液の有核細胞数、クエン酸量(モル)、対細胞数
作用価を表3に示す。 分析 実施例1と同様の方法で分析した。 結果 結果のまとめを表4に示す。回収した細胞液中には赤血
球、血小板は高率に除去されているが、有核細胞、CD
34陽性細胞の回収率は実施例1と比べて低値であっ
た。
【0011】
【実施例2】細胞分離器 実施例1と同様の細胞分離器を用いた。 細胞分離操作 採取した臍帯血総量が40mL(正味血液量36mL、
CPD6mL)、添加したCPD(pH5.6)が20
mLである以外は実施例1と同様の操作を行った。な
お、本有核細胞含有液の有核細胞数、クエン酸量(モ
ル)、対細胞数作用価を表5に示す。 分析 実施例1と同様の分析を行った。 結果 結果のまとめを表6に示す。回収した細胞液中には有核
細胞、CD34陽性細胞が高率に回収できており、赤血
球、血小板が高率に除去されていることがわかる。
【0012】
【比較例2】細胞分離器 実施例1と同様の細胞分離器を用いた。 細胞分離操作 添加したCPD(pH5.6)が6mLである以外は実
施例2と同様な操作を行った。即ち、もともと採血管に
添加されていたクエン酸量に更にごく僅かのクエン酸量
が添加され、言い換えれば、通常の末梢血採血時に使用
されるクエン酸量に比し、過剰のクエン酸は存在しない
条件で細胞分離操作を行った。なお、本有核細胞含有液
の有核細胞数、クエン酸量(モル)、対細胞数作用価を
表7に示す。 分析 実施例1と同様の方法で分析した。 結果 結果のまとめを表8に示す。回収した細胞液中には赤血
球、血小板は高率に除去されているが、有核細胞、CD
34陽性細胞の回収率は実施例2と比べて低値であっ
た。
【0013】
【発明の効果】以上示したように、本発明によれば安価
で且つ簡便・短時間操作で、造血幹細胞等、有核細胞が
高率に回収できる有核細胞分離回収方法を提供すること
ができるので臨床現場での省力化に貢献するところ大で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いた細胞分離回路システムの模式
図である。
【符号の説明】
1 細胞分離器 2 血液バッグ 3 メッシュチャンバー 4 三方活栓 5 細胞回収用バッグ 6 三方活栓 7 ドレーンバッグ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも有核細胞と赤血球を含む有核
    細胞含有液を、有核細胞を実質的に捕捉し赤血球は実質
    的に通過する細胞捕捉手段に導入し、赤血球を該細胞捕
    捉手段から導出させ、次に該細胞捕捉手段に回収液を導
    入して該細胞捕捉手段に捕捉されている有核細胞を回収
    する細胞分離方法において、前記細胞捕捉手段に導入す
    る有核細胞含有液中には、有核細胞の生体からの採取後
    及び/又は採取時に添加されたクエン酸含有溶液が下記
    の式で表される対細胞数作用価が0.0005以上とな
    るように含有されていることを特徴とする有核細胞分離
    回収方法。
  2. 【請求項2】 クエン酸含有溶液のpHが5.0以上
    8.5以下であることを特徴とする請求項1記載の有核
    細胞分離回収方法。
  3. 【請求項3】 有核細胞の生体からの採取後及び/又は
    採取時に添加されたクエン酸含有溶液を含む有核細胞含
    有液であって、該クエン酸含有溶液は下記の式で表され
    る対細胞数作用価が0.0005以上となるように含有
    されていることを特徴とする有核細胞含有液。
  4. 【請求項4】 クエン酸含有溶液のpHが5.0以上
    8.5以下であることを特徴とする請求項3記載の有核
    細胞含有液。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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