JPH1132795A - 病原性プリオン蛋白質の検出方法及びその濃縮方法 - Google Patents
病原性プリオン蛋白質の検出方法及びその濃縮方法Info
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- JPH1132795A JPH1132795A JP19380197A JP19380197A JPH1132795A JP H1132795 A JPH1132795 A JP H1132795A JP 19380197 A JP19380197 A JP 19380197A JP 19380197 A JP19380197 A JP 19380197A JP H1132795 A JPH1132795 A JP H1132795A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 動物組織由来物質から、比較的低濃度でも高
感度で迅速かつ簡便に、病原性プリオン蛋白質を検出で
きる病原性プリオン蛋白質の検出方法を提供すること。 【解決手段】 動物組織由来物質の種類に応じた界面活
性剤と酵素とを用いて前記動物組織由来物質を均一化す
る第1の工程と、前記均一化物を分解酵素を用いて分解
処理する第2の工程と、前記第2の工程で分解された均
一化物から前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮物
を得る第3の工程とを有する病原性プリオン蛋白質の濃
縮工程を経て、病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮物
を溶剤に溶解して前記濃縮物の溶解物を得る第4の工程
と、この溶解物中の前記病原性プリオン蛋白質を吸着面
に吸着させる第5の工程と、吸着された前記病原性プリ
オン蛋白質を発色させる第6の工程とを有する酵素免疫
吸着測定法によって前記病原性プリオン蛋白質を検出す
る、病原性プリオン蛋白質の検出方法。
感度で迅速かつ簡便に、病原性プリオン蛋白質を検出で
きる病原性プリオン蛋白質の検出方法を提供すること。 【解決手段】 動物組織由来物質の種類に応じた界面活
性剤と酵素とを用いて前記動物組織由来物質を均一化す
る第1の工程と、前記均一化物を分解酵素を用いて分解
処理する第2の工程と、前記第2の工程で分解された均
一化物から前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮物
を得る第3の工程とを有する病原性プリオン蛋白質の濃
縮工程を経て、病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮物
を溶剤に溶解して前記濃縮物の溶解物を得る第4の工程
と、この溶解物中の前記病原性プリオン蛋白質を吸着面
に吸着させる第5の工程と、吸着された前記病原性プリ
オン蛋白質を発色させる第6の工程とを有する酵素免疫
吸着測定法によって前記病原性プリオン蛋白質を検出す
る、病原性プリオン蛋白質の検出方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動物組織由来物質
から病原性プリオン蛋白質を検出する病原性プリオン蛋
白質の検出方法、さらに、この検出方法の実施に際し、
検出されるべき前記病原性プリオン蛋白質を濃縮する、
病原性プリオン蛋白質の濃縮方法に関するものである。
から病原性プリオン蛋白質を検出する病原性プリオン蛋
白質の検出方法、さらに、この検出方法の実施に際し、
検出されるべき前記病原性プリオン蛋白質を濃縮する、
病原性プリオン蛋白質の濃縮方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリオン病の1つであるスレーピーは、
羊において約200年以上前から西ヨーロッパで深刻な
病気として知られていた。また、近年、英国でスクレー
ピー感染羊を未加熱のまま牛飼料として投与し、狂牛病
(牛海綿状脳症:BSE;Bovine Spongiform Encephal
opathy)の大発生を起こした。
羊において約200年以上前から西ヨーロッパで深刻な
病気として知られていた。また、近年、英国でスクレー
ピー感染羊を未加熱のまま牛飼料として投与し、狂牛病
(牛海綿状脳症:BSE;Bovine Spongiform Encephal
opathy)の大発生を起こした。
【0003】また、狂牛病の牛クズ肉を食することと、
人プリオン病の1つであるクロイツフェルト・ヤコブ病
(CJD; Creutfelt Jakob Disease)の新型のものと
の因果関係も指摘されている。即ち、人類にとって重要
な動物性蛋白質資源である羊肉やその乳、牛肉や牛乳に
関して、危機的な汚染が進行しているといっても過言で
はない。
人プリオン病の1つであるクロイツフェルト・ヤコブ病
(CJD; Creutfelt Jakob Disease)の新型のものと
の因果関係も指摘されている。即ち、人類にとって重要
な動物性蛋白質資源である羊肉やその乳、牛肉や牛乳に
関して、危機的な汚染が進行しているといっても過言で
はない。
【0004】しかしながら、プリオン病は、これまでに
報告された伝染性細菌、ウイルス性疾患等とは異なり、
その病原性物質が本来生体に存在する蛋白質であるこ
と、伝播機能が新しいこと、発病までに比較的長時間を
有すること、病原性の失活が困難であることなどから、
有効な診断方法及び予防方法の開発が遅れている。
報告された伝染性細菌、ウイルス性疾患等とは異なり、
その病原性物質が本来生体に存在する蛋白質であるこ
と、伝播機能が新しいこと、発病までに比較的長時間を
有すること、病原性の失活が困難であることなどから、
有効な診断方法及び予防方法の開発が遅れている。
【0005】現在行われている最も高感度な病原性プリ
オン蛋白質(異常プリオン蛋白質)の検出方法として、
羊のスクレーピーに関して、発病前の低濃度での病原性
プリオン蛋白質を検出するウエスタンブロット法(WB
法;Western Blotting)が開発されている。
オン蛋白質(異常プリオン蛋白質)の検出方法として、
羊のスクレーピーに関して、発病前の低濃度での病原性
プリオン蛋白質を検出するウエスタンブロット法(WB
法;Western Blotting)が開発されている。
【0006】しかしこの方法は、病原物質の蓄積部位の
相違や、この方法を実施するのに時間がかかることや処
理頭数などの関係から、牛に関しての適用は困難であ
る。即ち、迅速な処理は困難である。
相違や、この方法を実施するのに時間がかかることや処
理頭数などの関係から、牛に関しての適用は困難であ
る。即ち、迅速な処理は困難である。
【0007】上述した方法以外では、病原性プリオン蛋
白質に対する抗体を用いた免疫組織染色や病理所見によ
る感染牛の検出法が広く実施されているのが現状であ
る。
白質に対する抗体を用いた免疫組織染色や病理所見によ
る感染牛の検出法が広く実施されているのが現状であ
る。
【0008】しかしながら、これらの方法は、発病後顕
著な神経症状を呈したり、死亡した家畜に関し有効なも
のであり、潜伏期間にある家畜の安全性、言い換えれ
ば、屠蓄場まで、見かけ上、正常な牛についての安全性
が確保できなかった。
著な神経症状を呈したり、死亡した家畜に関し有効なも
のであり、潜伏期間にある家畜の安全性、言い換えれ
ば、屠蓄場まで、見かけ上、正常な牛についての安全性
が確保できなかった。
【0009】また、近年、海外から、酵素免疫吸着測定
法(ELISA:enzyme-linked immnosorbent assay)
や、尿や血液による診断方法の報告もあるが、その感度
や特異性には疑問があった。
法(ELISA:enzyme-linked immnosorbent assay)
や、尿や血液による診断方法の報告もあるが、その感度
や特異性には疑問があった。
【0010】即ち、目的とする病原物質に含まれる病原
性プリオン蛋白質をその測定試料調製段階で濃縮し、ま
た、ELISA法用のマイクロタイタープレートへ効率
良く吸着させれば、この方法での検出感度を向上させる
ことができるが、これまでの方法では検出感度上の限界
があった。
性プリオン蛋白質をその測定試料調製段階で濃縮し、ま
た、ELISA法用のマイクロタイタープレートへ効率
良く吸着させれば、この方法での検出感度を向上させる
ことができるが、これまでの方法では検出感度上の限界
があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ウシ海綿状脳症(BS
E:ウェールズ他、1987年)は、食事として与えら
れた肉や骨髄を介してスクレーピーに汚染された羊のく
ず肉が畜牛の飼料に含まれていたために発生し、その結
果新しく感染した畜牛材が再循環した(ウイルスミス
他、1993年)ことは明らかであった。
E:ウェールズ他、1987年)は、食事として与えら
れた肉や骨髄を介してスクレーピーに汚染された羊のく
ず肉が畜牛の飼料に含まれていたために発生し、その結
果新しく感染した畜牛材が再循環した(ウイルスミス
他、1993年)ことは明らかであった。
【0012】その後英国では、ネコ科の動物と同様に数
種の捕獲有蹄動物(ワイアット他、1991年)が再
度、海綿状脳症を発病している。これら全てのケースに
おいて、BSEは汚染された飼料を介して発生したもの
と考えられる。
種の捕獲有蹄動物(ワイアット他、1991年)が再
度、海綿状脳症を発病している。これら全てのケースに
おいて、BSEは汚染された飼料を介して発生したもの
と考えられる。
【0013】ウイル他が行った(1996年)英国にお
けるクロイッフェルト−ヤコブ病(CIJ)の特殊な例
に関する報告では、伝染性海綿状脳症(TSE)又はプ
リオン病の当グループにおける人間変異体の一つが報告
されているが、それによると、BSEが人間に伝染する
可能性(ウイル他、1996年)が示唆されている。こ
のため全てのTSEについて、種を越えて発生する(デ
ィリンガー、1995年)可能性が一般的に考えられ
る。
けるクロイッフェルト−ヤコブ病(CIJ)の特殊な例
に関する報告では、伝染性海綿状脳症(TSE)又はプ
リオン病の当グループにおける人間変異体の一つが報告
されているが、それによると、BSEが人間に伝染する
可能性(ウイル他、1996年)が示唆されている。こ
のため全てのTSEについて、種を越えて発生する(デ
ィリンガー、1995年)可能性が一般的に考えられ
る。
【0014】現在の調査最優先事項は、スクレーピーや
BSEに感染している動物及び材料を検知し、感染の拡
大や食物連鎖システムへの侵入を防ぐ方法を開発するこ
とにある。
BSEに感染している動物及び材料を検知し、感染の拡
大や食物連鎖システムへの侵入を防ぐ方法を開発するこ
とにある。
【0015】残念ながら今までのところ、これらの防止
方法や管理対策、又スクレーピー及びBSEの撲滅プロ
グラムは、診断の困難さから上手く捗っているとは言え
ない。
方法や管理対策、又スクレーピー及びBSEの撲滅プロ
グラムは、診断の困難さから上手く捗っているとは言え
ない。
【0016】現在使用されている診断方法で最も一般的
な方法は、中枢神経系の代表的な海綿変化が顕著に認め
れる場合に感染と診断する組織病理学的方法(フレイサ
ー、1976年)と、プロテイナーゼK処理法に対して
部分的に耐性を示すほか(ボルトン他、1982年;デ
ィリンガー他、1983年)、中性界面活性剤により抽
出できない(メイヤー他、1986年;ボルトン他、1
987年)と言う特性を有するがために正常なプリオン
蛋白質(PrPC )と区別することができるプリオン蛋
白質のスクレーピー特殊イソフォーム(PrPSC)検出
方法の二つである。
な方法は、中枢神経系の代表的な海綿変化が顕著に認め
れる場合に感染と診断する組織病理学的方法(フレイサ
ー、1976年)と、プロテイナーゼK処理法に対して
部分的に耐性を示すほか(ボルトン他、1982年;デ
ィリンガー他、1983年)、中性界面活性剤により抽
出できない(メイヤー他、1986年;ボルトン他、1
987年)と言う特性を有するがために正常なプリオン
蛋白質(PrPC )と区別することができるプリオン蛋
白質のスクレーピー特殊イソフォーム(PrPSC)検出
方法の二つである。
【0017】また、最近になって、羊の生検扁桃組織を
使用した免疫組織化学アッセイによる細網リンパ系臓器
内のPrPSC検出方法が報告された(シュルーダー他、
1996年)。しかしながら、牛では、細網リンパ系臓
器において異常プリオンの蓄積が顕著でないために、こ
の方法は適さない。
使用した免疫組織化学アッセイによる細網リンパ系臓器
内のPrPSC検出方法が報告された(シュルーダー他、
1996年)。しかしながら、牛では、細網リンパ系臓
器において異常プリオンの蓄積が顕著でないために、こ
の方法は適さない。
【0018】その反面、組織病理学は、潜伏期間中での
中枢神経系の病理学的変化が後になって発生するため、
前記PrPSC検出法と比較した場合、実験用のスクレー
ピー及びBSEの両者(ボルトン他、1991年;ジェ
ンドロスカ他、1991年)でその使用有効性が低減し
ている。
中枢神経系の病理学的変化が後になって発生するため、
前記PrPSC検出法と比較した場合、実験用のスクレー
ピー及びBSEの両者(ボルトン他、1991年;ジェ
ンドロスカ他、1991年)でその使用有効性が低減し
ている。
【0019】最近では、プリオン病の重大性が高まって
きているため、羊や畜牛を屠殺時に選別するためのより
感度の高い診断方法が求められている。
きているため、羊や畜牛を屠殺時に選別するためのより
感度の高い診断方法が求められている。
【0020】選別方法としてはELISA法が適切な方
法と言えるが、現在、この方法はTSEの基本的な研究
のみで使用されているにすぎない(カスクザック他、1
987年、サファー他、1990年;サーバン他、19
90年)。これらの研究では、高純度PrPSCのみがマ
イクロタイタプレートに吸着されているが、診断におい
ては原組織抽出液の使用も必要となる。
法と言えるが、現在、この方法はTSEの基本的な研究
のみで使用されているにすぎない(カスクザック他、1
987年、サファー他、1990年;サーバン他、19
90年)。これらの研究では、高純度PrPSCのみがマ
イクロタイタプレートに吸着されているが、診断におい
ては原組織抽出液の使用も必要となる。
【0021】上述したように、プリオン病のうち、人類
に対して最も大きな脅威となる疾病の1つに牛海綿状脳
症(BSE)が挙げられる。
に対して最も大きな脅威となる疾病の1つに牛海綿状脳
症(BSE)が挙げられる。
【0022】この疾病は外来の病原性プリオン蛋白質が
引き金となり、家畜体内の中枢神経等に病原性プリオン
蛋白質を蓄積し、神経症状を呈して死亡に至る疾病であ
り、病原性物質としての病原性プリオン蛋白質の蓄積濃
度と病気の進行具合とは顕著に比例する。
引き金となり、家畜体内の中枢神経等に病原性プリオン
蛋白質を蓄積し、神経症状を呈して死亡に至る疾病であ
り、病原性物質としての病原性プリオン蛋白質の蓄積濃
度と病気の進行具合とは顕著に比例する。
【0023】そのため、罹患後、潜伏期間中には病原性
物質の蓄積濃度が低いため、特異的で高感度の検出方法
が必要であった。また、全世界で処理される牛の頭数を
考慮すれば、測定試料の調製法(即ち、濃縮法)並びに
検出法は、簡便性、正確性、迅速性、経済性等が必要で
あることは言うまでもない。
物質の蓄積濃度が低いため、特異的で高感度の検出方法
が必要であった。また、全世界で処理される牛の頭数を
考慮すれば、測定試料の調製法(即ち、濃縮法)並びに
検出法は、簡便性、正確性、迅速性、経済性等が必要で
あることは言うまでもない。
【0024】他方、本疾病は、罹患した牛の中枢神経系
臓器を食することによる人間への伝播性が強く示唆され
ている。これらの問題を解決するためには、広く検疫調
査を行い、本疾病に罹った羊や牛などを見出し、食物連
鎖の初期の段階での駆除が有効である。
臓器を食することによる人間への伝播性が強く示唆され
ている。これらの問題を解決するためには、広く検疫調
査を行い、本疾病に罹った羊や牛などを見出し、食物連
鎖の初期の段階での駆除が有効である。
【0025】本発明は、上述した従来の実情に鑑みてな
されたものであり、その目的は、動物組織由来物質か
ら、比較的低濃度でも迅速かつ簡便に、そして高感度で
組織特異的に病原性プリオン蛋白質を検出できる病原性
プリオン蛋白質の検出方法、および、その検出方法の実
施に際し、検出されるべき前記病原性プリオン蛋白質を
濃縮する病原性プリオン蛋白質の濃縮方法を提供するこ
とにある。
されたものであり、その目的は、動物組織由来物質か
ら、比較的低濃度でも迅速かつ簡便に、そして高感度で
組織特異的に病原性プリオン蛋白質を検出できる病原性
プリオン蛋白質の検出方法、および、その検出方法の実
施に際し、検出されるべき前記病原性プリオン蛋白質を
濃縮する病原性プリオン蛋白質の濃縮方法を提供するこ
とにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した課
題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、動物組織由来
物質から病原性プリオン蛋白質を検出する病原性プリオ
ン蛋白質の検出方法において、検出対象となる動物組織
由来物質の種類に応じて、使用する調製剤(特に界面活
性剤)や調製方法、検出方法を適宜選択することによっ
て、前記病原性プリオン蛋白質を比較的低濃度でも迅速
かつ簡便に、そして高感度で検出できることを見出し
た。
題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、動物組織由来
物質から病原性プリオン蛋白質を検出する病原性プリオ
ン蛋白質の検出方法において、検出対象となる動物組織
由来物質の種類に応じて、使用する調製剤(特に界面活
性剤)や調製方法、検出方法を適宜選択することによっ
て、前記病原性プリオン蛋白質を比較的低濃度でも迅速
かつ簡便に、そして高感度で検出できることを見出し
た。
【0027】即ち、本発明は、動物組織由来物質から病
原性プリオン蛋白質を検出する病原性プリオン蛋白質の
検出方法において、前記動物組織由来物質の種類に応じ
た界面活性剤と酵素とを用いて前記動物組織由来物質を
均一化する第1の工程と、前記第1の工程で得られた均
一化物を分解酵素を用いて分解処理する第2の工程と、
前記第2の工程で分解された前記均一化物から前記病原
性プリオン蛋白質を含有する濃縮物を得る第3の工程と
を有する前記病原性プリオン蛋白質の濃縮工程を経て、
前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮物を溶剤に溶
解して前記濃縮物の溶解物を得る第4の工程と、この溶
解物中の前記病原性プリオン蛋白質を吸着面に吸着させ
る第5の工程と、前記第5の工程において吸着された前
記病原性プリオン蛋白質を発色させる第6の工程とを有
する酵素免疫吸着測定法によって前記病原性プリオン蛋
白質を検出することを特徴とする、病原性プリオン蛋白
質の検出方法(以下、本発明の検出方法と称する。)に
係るものである。
原性プリオン蛋白質を検出する病原性プリオン蛋白質の
検出方法において、前記動物組織由来物質の種類に応じ
た界面活性剤と酵素とを用いて前記動物組織由来物質を
均一化する第1の工程と、前記第1の工程で得られた均
一化物を分解酵素を用いて分解処理する第2の工程と、
前記第2の工程で分解された前記均一化物から前記病原
性プリオン蛋白質を含有する濃縮物を得る第3の工程と
を有する前記病原性プリオン蛋白質の濃縮工程を経て、
前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮物を溶剤に溶
解して前記濃縮物の溶解物を得る第4の工程と、この溶
解物中の前記病原性プリオン蛋白質を吸着面に吸着させ
る第5の工程と、前記第5の工程において吸着された前
記病原性プリオン蛋白質を発色させる第6の工程とを有
する酵素免疫吸着測定法によって前記病原性プリオン蛋
白質を検出することを特徴とする、病原性プリオン蛋白
質の検出方法(以下、本発明の検出方法と称する。)に
係るものである。
【0028】本発明の検出方法によれば、まず、病原性
プリオン蛋白質の濃縮工程において、上述した第1の工
程〜第3の工程を有しており、特に、動物組織由来物質
の種類に応じた界面活性剤を用いてこれを均一化してい
るので、前記動物組織由来物質に蓄積される病原性プリ
オン蛋白質の蓄積濃度が比較的小さくても、これを十分
に濃縮させることができる。
プリオン蛋白質の濃縮工程において、上述した第1の工
程〜第3の工程を有しており、特に、動物組織由来物質
の種類に応じた界面活性剤を用いてこれを均一化してい
るので、前記動物組織由来物質に蓄積される病原性プリ
オン蛋白質の蓄積濃度が比較的小さくても、これを十分
に濃縮させることができる。
【0029】さらに、第4の工程から第6の工程を有す
る酵素免疫吸着測定法(ELISA法;以下、同様)に
基づいてこれを検出しているので、病原性プリオン蛋白
質を特異的に、かつ強固に吸着(固定化)させることが
でき、迅速かつ簡便に、そして高感度でこれを検出する
ことができる。
る酵素免疫吸着測定法(ELISA法;以下、同様)に
基づいてこれを検出しているので、病原性プリオン蛋白
質を特異的に、かつ強固に吸着(固定化)させることが
でき、迅速かつ簡便に、そして高感度でこれを検出する
ことができる。
【0030】即ち、本発明の検出方法によれば、例えば
牛や羊などをプリオン病(スクレーピーやBSE)感染
初期の段階で診断、選別することが可能となり、また、
これを大量かつ迅速に行うことができる。特に、羊では
リンパ節を用いた生検が可能とされているが、本発明に
よれば、例えば牛に関してもリンパ節を用いた生検が可
能になると考えられる。
牛や羊などをプリオン病(スクレーピーやBSE)感染
初期の段階で診断、選別することが可能となり、また、
これを大量かつ迅速に行うことができる。特に、羊では
リンパ節を用いた生検が可能とされているが、本発明に
よれば、例えば牛に関してもリンパ節を用いた生検が可
能になると考えられる。
【0031】また、本発明は、動物組織由来物質から病
原性プリオン蛋白質を検出する病原性プリオン蛋白質の
検出方法の実施に際し、検出されるべき前記病原性プリ
オン蛋白質を濃縮する方法において、前記動物組織由来
物質の種類に応じたN−ドデシル−N,N−ジメチル−
3−アミノ−1−プロパンスルホネート又はt−オクチ
ルフェノキシポリエトキシエタノールと酵素とを用いて
前記動物組織由来物質を均一化する第1の工程と、前記
第1の工程で得られた均一化物を分解酵素を用いて分解
処理する第2の工程と、前記第2の工程で分解された前
記均一化物から前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃
縮物を得る第3の工程とを有することを特徴とする、病
原性プリオン蛋白質の濃縮方法(以下、本発明の第1の
濃縮方法と称する。)を提供するものである。
原性プリオン蛋白質を検出する病原性プリオン蛋白質の
検出方法の実施に際し、検出されるべき前記病原性プリ
オン蛋白質を濃縮する方法において、前記動物組織由来
物質の種類に応じたN−ドデシル−N,N−ジメチル−
3−アミノ−1−プロパンスルホネート又はt−オクチ
ルフェノキシポリエトキシエタノールと酵素とを用いて
前記動物組織由来物質を均一化する第1の工程と、前記
第1の工程で得られた均一化物を分解酵素を用いて分解
処理する第2の工程と、前記第2の工程で分解された前
記均一化物から前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃
縮物を得る第3の工程とを有することを特徴とする、病
原性プリオン蛋白質の濃縮方法(以下、本発明の第1の
濃縮方法と称する。)を提供するものである。
【0032】さらに、本発明は、動物組織由来物質から
病原性プリオン蛋白質を検出する病原性プリオン蛋白質
の検出方法の実施に際し、検出されるべき前記病原性プ
リオン蛋白質を濃縮する方法において、前記動物組織由
来物質の種類に応じた界面活性剤と酵素とを用いて前記
動物組織由来物質を均一化する第1の工程と、前記第1
の工程で得られた均一化物を分解酵素を用いて分解処理
する第2の工程と、前記第2の工程で分解された前記均
一化物から前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮物
を得る第3の工程と前記第3の工程で得られた前記病原
性プリオン蛋白質を含有する濃縮物をN−ドデシル−
N,N−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホネ
ートからなる非イオン性界面活性剤で洗浄する洗浄工程
とを有することを特徴とする、病原性プリオン蛋白質の
濃縮方法(以下、本発明の第2の濃縮方法と称する。)
も提供するものである。
病原性プリオン蛋白質を検出する病原性プリオン蛋白質
の検出方法の実施に際し、検出されるべき前記病原性プ
リオン蛋白質を濃縮する方法において、前記動物組織由
来物質の種類に応じた界面活性剤と酵素とを用いて前記
動物組織由来物質を均一化する第1の工程と、前記第1
の工程で得られた均一化物を分解酵素を用いて分解処理
する第2の工程と、前記第2の工程で分解された前記均
一化物から前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮物
を得る第3の工程と前記第3の工程で得られた前記病原
性プリオン蛋白質を含有する濃縮物をN−ドデシル−
N,N−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホネ
ートからなる非イオン性界面活性剤で洗浄する洗浄工程
とを有することを特徴とする、病原性プリオン蛋白質の
濃縮方法(以下、本発明の第2の濃縮方法と称する。)
も提供するものである。
【0033】本発明の第1の濃縮方法及び第2の濃縮方
法によれば、前記動物組織由来物質に蓄積される病原性
プリオン蛋白質の蓄積濃度が比較的小さくても、これを
十分に濃縮させることができる。
法によれば、前記動物組織由来物質に蓄積される病原性
プリオン蛋白質の蓄積濃度が比較的小さくても、これを
十分に濃縮させることができる。
【0034】ここで、前記動物組織由来物質とは、動物
の中枢神経系組織、細網リンパ系組織や骨、更には、こ
れらの組織に由来する物質(例えば、食品、移植用硬
膜、医療用コラーゲン)なども含むものである(以下、
同様)。また、前記病原性プリオン蛋白質とは、プリオ
ン病の原因であると考えられている異常プリオン蛋白質
を意味し、前記プリオン病としては、上述したCJDや
スクレーピー、BSEなどが挙げられる。本発明の検出
方法、本発明の第1の濃縮方法及び本発明の第2の濃縮
方法は、羊のスクレーピーやBSEに限定されず、様々
なプリオン病に対処することが可能である。
の中枢神経系組織、細網リンパ系組織や骨、更には、こ
れらの組織に由来する物質(例えば、食品、移植用硬
膜、医療用コラーゲン)なども含むものである(以下、
同様)。また、前記病原性プリオン蛋白質とは、プリオ
ン病の原因であると考えられている異常プリオン蛋白質
を意味し、前記プリオン病としては、上述したCJDや
スクレーピー、BSEなどが挙げられる。本発明の検出
方法、本発明の第1の濃縮方法及び本発明の第2の濃縮
方法は、羊のスクレーピーやBSEに限定されず、様々
なプリオン病に対処することが可能である。
【0035】
【発明の実施の形態】まず、本発明の検出方法について
説明する。
説明する。
【0036】本発明の検出方法における第1の工程とし
て、前記動物組織由来物質の種類に応じた界面活性剤と
酵素とを用いて、この動物組織由来物質を均一化する均
一化工程を有しているので、前記酵素の作用で前記動物
組織由来物質を十分に溶解し、また、その種類に応じた
前記界面活性剤の存在下で非特異的物質を可溶化し、病
原性プリオン蛋白質を含有する前記動物組織由来物質を
十分に均一化することができる。
て、前記動物組織由来物質の種類に応じた界面活性剤と
酵素とを用いて、この動物組織由来物質を均一化する均
一化工程を有しているので、前記酵素の作用で前記動物
組織由来物質を十分に溶解し、また、その種類に応じた
前記界面活性剤の存在下で非特異的物質を可溶化し、病
原性プリオン蛋白質を含有する前記動物組織由来物質を
十分に均一化することができる。
【0037】従って、前記動物組織由来物質における病
原性プリオン蛋白質の割合が比較的低濃度であっても、
これを良好に均一化することができ、ひいては良好な病
原性プリオン蛋白質の濃縮物を得ることができる。つま
り、病原性プリオン蛋白質を分離、抽出するために有効
な均一化物(ホモジネート)を得ることができる。
原性プリオン蛋白質の割合が比較的低濃度であっても、
これを良好に均一化することができ、ひいては良好な病
原性プリオン蛋白質の濃縮物を得ることができる。つま
り、病原性プリオン蛋白質を分離、抽出するために有効
な均一化物(ホモジネート)を得ることができる。
【0038】この第1の工程において、前記動物組織由
来物質が中枢神経系組織(例えば、脳組織や脊髄組織な
ど)の場合は、前記界面活性剤をズイッタージェント
(Zwittergent) 3-12 〔商品名:カルビオケミカル社
製:N−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アミノ−1
−プロパンスルホネート(N-dodecyl-N,N-dimethyl-3-a
mino-1-propanesulfonate):分子量336.6〕又はト
リトン(Triton) X-100〔商品名:シグマ社製:t−オク
チルフェノキシポリエトキシエタノール(t-octylpheno
xypolyethoxyethanol)〕からなる非イオン性界面活性剤
とすることが望ましい。なお、前記界面活性剤以外に
も、例えばカルビオケミカル社製のズイッタージェント
3−08、3−10、3−14、3−16やノニデット
P−40(octylphenoxypolyethoxyethanol)などを使用
してもよい。
来物質が中枢神経系組織(例えば、脳組織や脊髄組織な
ど)の場合は、前記界面活性剤をズイッタージェント
(Zwittergent) 3-12 〔商品名:カルビオケミカル社
製:N−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アミノ−1
−プロパンスルホネート(N-dodecyl-N,N-dimethyl-3-a
mino-1-propanesulfonate):分子量336.6〕又はト
リトン(Triton) X-100〔商品名:シグマ社製:t−オク
チルフェノキシポリエトキシエタノール(t-octylpheno
xypolyethoxyethanol)〕からなる非イオン性界面活性剤
とすることが望ましい。なお、前記界面活性剤以外に
も、例えばカルビオケミカル社製のズイッタージェント
3−08、3−10、3−14、3−16やノニデット
P−40(octylphenoxypolyethoxyethanol)などを使用
してもよい。
【0039】上記の各界面活性剤を使用することによっ
て、前記脳組織における非特異的物質(正常プリオン蛋
白質やその他の蛋白質:以下、同様)を十分に可溶化す
ることができる。特に、前記中枢神経系組織として脳組
織を用いることがさらに望ましい。
て、前記脳組織における非特異的物質(正常プリオン蛋
白質やその他の蛋白質:以下、同様)を十分に可溶化す
ることができる。特に、前記中枢神経系組織として脳組
織を用いることがさらに望ましい。
【0040】界面活性剤の選択により検出感度の組織特
異性が向上するメカニズムとしては、例えば脳組織で
は、濃度0.5%、pH7.5程度のサーコシル〔商品
名:シグマ社製(分子式C15H25NO3 Na)〕でもP
rPSCのロスが少なく、十分非特異的に蛋白質の抽出が
でき、これに対してリンパ、脾臓組織などでは、非特異
的な夾雑蛋白質の除去が不十分となることがあり、改め
て高濃度の前記サーコシルでPrPSCを選択的に抽出す
ることが望ましいからであると考えられる。
異性が向上するメカニズムとしては、例えば脳組織で
は、濃度0.5%、pH7.5程度のサーコシル〔商品
名:シグマ社製(分子式C15H25NO3 Na)〕でもP
rPSCのロスが少なく、十分非特異的に蛋白質の抽出が
でき、これに対してリンパ、脾臓組織などでは、非特異
的な夾雑蛋白質の除去が不十分となることがあり、改め
て高濃度の前記サーコシルでPrPSCを選択的に抽出す
ることが望ましいからであると考えられる。
【0041】また、前記動物組織由来物質が細網リンパ
系組織(例えば、脾臓やリンパ節、骨髄など)の場合
は、前記界面活性剤をt−オクチルフェノキシポリエト
キシエタノールからなる非イオン性界面活性剤とするこ
とが望ましい。
系組織(例えば、脾臓やリンパ節、骨髄など)の場合
は、前記界面活性剤をt−オクチルフェノキシポリエト
キシエタノールからなる非イオン性界面活性剤とするこ
とが望ましい。
【0042】上記界面活性剤を使用することによって、
前記脾臓組織における非特異的物質を十分に可溶化する
ことができる。特に、前記細網リンパ系組織として脾臓
組織を用いることがさらに望ましい。
前記脾臓組織における非特異的物質を十分に可溶化する
ことができる。特に、前記細網リンパ系組織として脾臓
組織を用いることがさらに望ましい。
【0043】次に、前記第2の工程として、前記第1の
工程で得られた均一化物を分解酵素を用いて分解処理す
る分解処理工程を有しているので、前記均一化物中の病
原性プリオン蛋白質を含む物質(特に、染色体やDNA
など)を十分に分解、消化させて、目的物である病原性
プリオン蛋白質を十分に取り出すことができる。
工程で得られた均一化物を分解酵素を用いて分解処理す
る分解処理工程を有しているので、前記均一化物中の病
原性プリオン蛋白質を含む物質(特に、染色体やDNA
など)を十分に分解、消化させて、目的物である病原性
プリオン蛋白質を十分に取り出すことができる。
【0044】一般に、病原性プリオン蛋白質は、染色体
中の遺伝子上にのっていると考えられている。従って、
特異的にこの蛋白質を取り出すためには、これを含む蛋
白質を分解することが要求される。この第2工程は、非
特異的物質を分解すると共に病原性プリオン蛋白質を含
む蛋白質を分解する操作である。
中の遺伝子上にのっていると考えられている。従って、
特異的にこの蛋白質を取り出すためには、これを含む蛋
白質を分解することが要求される。この第2工程は、非
特異的物質を分解すると共に病原性プリオン蛋白質を含
む蛋白質を分解する操作である。
【0045】ここで、前記分解酵素としてコラーゲン分
解酵素(コラゲナーゼ: Collagenase)及びDNA分解
酵素(DNアーゼ:DNase )を用いて前記均一化物を分
解し、さらに蛋白質分解酵素(プロテイナーゼ:Protei
nase又はプロテアーゼ:Protease)を用いて分解するこ
とが望ましい。
解酵素(コラゲナーゼ: Collagenase)及びDNA分解
酵素(DNアーゼ:DNase )を用いて前記均一化物を分
解し、さらに蛋白質分解酵素(プロテイナーゼ:Protei
nase又はプロテアーゼ:Protease)を用いて分解するこ
とが望ましい。
【0046】また、前記分解酵素としてパパイン(Papa
in:SH酵素)やブロメリン(Bromelain :SH酵素)
等の植物プロテアーゼ(Protease)や微生物プロテアー
ゼを用いて前記均一化物を分解することもできる。
in:SH酵素)やブロメリン(Bromelain :SH酵素)
等の植物プロテアーゼ(Protease)や微生物プロテアー
ゼを用いて前記均一化物を分解することもできる。
【0047】特に、前記ブロメリンは、パイナップル由
来の酵素で、主に蛋白質に作用するが、脂肪の分解も行
うことができる。また、作用温度も約80℃までは酵素
活性を失わないなど安定性の高い酵素といえる。PrP
SC検出の目的でブロメリン等のプロテアーゼを用いるこ
とは、本発明者によって初めて見出された。
来の酵素で、主に蛋白質に作用するが、脂肪の分解も行
うことができる。また、作用温度も約80℃までは酵素
活性を失わないなど安定性の高い酵素といえる。PrP
SC検出の目的でブロメリン等のプロテアーゼを用いるこ
とは、本発明者によって初めて見出された。
【0048】また、前記分解酵素としてブロメリン等を
使用する場合は、濃度0.08〜20Unit/ml 、反応温
度45℃程度において、PrPSCの分解はプロテイナー
ゼKによる分解と同程度(耐性がある)である。
使用する場合は、濃度0.08〜20Unit/ml 、反応温
度45℃程度において、PrPSCの分解はプロテイナー
ゼKによる分解と同程度(耐性がある)である。
【0049】さらに、PrPSC以外の蛋白質、核酸の分
解も十分に行うことができる。通常の蛋白質は、45℃
程度で熱変性し、分解を受け易くなることも、ブロメリ
ン等が熱耐性であることを考慮すればブロメリン等を用
いる効果といえる(PrPSCは100℃以上の耐熱性を
有するので熱分解も受けない)。
解も十分に行うことができる。通常の蛋白質は、45℃
程度で熱変性し、分解を受け易くなることも、ブロメリ
ン等が熱耐性であることを考慮すればブロメリン等を用
いる効果といえる(PrPSCは100℃以上の耐熱性を
有するので熱分解も受けない)。
【0050】次に、前記第3の工程として、前記第2の
工程で分解された前記均一化物から前記病原性プリオン
蛋白質を含有する濃縮物を得る分離工程を有しているの
で、上記の第1の工程及び第2の工程で十分に均一化及
び分解された前記病原性プリオン蛋白質を含有する物質
を効率的に分離することができる。
工程で分解された前記均一化物から前記病原性プリオン
蛋白質を含有する濃縮物を得る分離工程を有しているの
で、上記の第1の工程及び第2の工程で十分に均一化及
び分解された前記病原性プリオン蛋白質を含有する物質
を効率的に分離することができる。
【0051】この分離工程では、例えば、遠心分離(超
遠心分離)等の手段を用いて分離、濃縮することができ
る。
遠心分離)等の手段を用いて分離、濃縮することができ
る。
【0052】以上が、前記病原性プリオン蛋白質の濃縮
工程の基本的な構成であるが、本発明の検出方法におけ
る濃縮工程では、上述した第1の工程〜第3の工程に加
えて、例えば、下記のような工程を付加することが望ま
しい。
工程の基本的な構成であるが、本発明の検出方法におけ
る濃縮工程では、上述した第1の工程〜第3の工程に加
えて、例えば、下記のような工程を付加することが望ま
しい。
【0053】例えば、前記濃縮工程中に、前記第3の工
程で得られた前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮
物を分解酵素を用いて分解し、次いで分離後に塩析処理
を施す工程を更に有することが望ましい。
程で得られた前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮
物を分解酵素を用いて分解し、次いで分離後に塩析処理
を施す工程を更に有することが望ましい。
【0054】即ち、前記病原性プリオン蛋白質の溶解性
を一層向上させるために、例えば、サーコシル(Sarkos
yl、商品名:シグマ社製:C15H25NO3 Na)等の分
解酵素を使用して溶解処理、分離処理を行い、得られた
分離抽出物を例えばNaClを用いて塩析した後、分離
処理を行うことによって、一層濃縮された病原性プリオ
ン蛋白質を含有する濃縮物を得ることができる。
を一層向上させるために、例えば、サーコシル(Sarkos
yl、商品名:シグマ社製:C15H25NO3 Na)等の分
解酵素を使用して溶解処理、分離処理を行い、得られた
分離抽出物を例えばNaClを用いて塩析した後、分離
処理を行うことによって、一層濃縮された病原性プリオ
ン蛋白質を含有する濃縮物を得ることができる。
【0055】また、前記濃縮工程中に、前記第3の工程
で得られた前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮物
を界面活性剤で洗浄する洗浄工程を更に有することが望
ましい。
で得られた前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮物
を界面活性剤で洗浄する洗浄工程を更に有することが望
ましい。
【0056】即ち、前記濃縮物(例えばペレット状)の
付加的な洗浄工程として、界面活性剤を用いて前記濃縮
物を洗浄することによって、前記濃縮物中の不所望の物
質(非特異性物質)をさらに多く除去することができ
る。
付加的な洗浄工程として、界面活性剤を用いて前記濃縮
物を洗浄することによって、前記濃縮物中の不所望の物
質(非特異性物質)をさらに多く除去することができ
る。
【0057】ここで、使用する界面活性剤としては、N
−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アミノ−1−プロ
パンスルホネート(例えばズイッタージェント 3-12, 3
-08,3-10 など)からなる非イオン性界面活性剤が望ま
しい。
−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アミノ−1−プロ
パンスルホネート(例えばズイッタージェント 3-12, 3
-08,3-10 など)からなる非イオン性界面活性剤が望ま
しい。
【0058】次に、本発明の検出方法に基づく、酵素免
疫吸着測定法(第4の工程から第6の工程)について説
明する。
疫吸着測定法(第4の工程から第6の工程)について説
明する。
【0059】ここで、上記酵素免疫吸着測定法(ELI
SA:enzyme-linked immnosorbentassay)は、酵素抗体
法とも呼ばれ、特定の吸着面に抗原を配し、抗原と抗体
とを吸着せしめて、その複合体を形成し、これを検出す
る方法である。
SA:enzyme-linked immnosorbentassay)は、酵素抗体
法とも呼ばれ、特定の吸着面に抗原を配し、抗原と抗体
とを吸着せしめて、その複合体を形成し、これを検出す
る方法である。
【0060】まず、前記第4の工程として、前記病原性
プリオン蛋白質を含有する濃縮物を溶剤に溶解して前記
濃縮物の溶解物を得る工程(溶解工程)を有しているの
で、次段の吸着工程で吸着面に吸着され易い病原性プリ
オン蛋白質の濃縮物を作製することができる。
プリオン蛋白質を含有する濃縮物を溶剤に溶解して前記
濃縮物の溶解物を得る工程(溶解工程)を有しているの
で、次段の吸着工程で吸着面に吸着され易い病原性プリ
オン蛋白質の濃縮物を作製することができる。
【0061】ここで、前記溶剤としてグアニジンチオシ
アネート( GdnSCN )を使用することが望ましい。
アネート( GdnSCN )を使用することが望ましい。
【0062】グアニジンチオシアネートは、前記濃縮物
を次段での吸着工程で吸着されやすくする作用を有する
と考えられる。これは、グアニジンチオシアネートによ
って抗プリオン蛋白質抗体の免疫反応性が増大するよう
な抗原性サイトが発現することによるものと考えられ、
グアニジンチオシアネートでの溶解処理によって、抗原
−抗体複合体の強固で特異的な反応を検出することがで
きる。
を次段での吸着工程で吸着されやすくする作用を有する
と考えられる。これは、グアニジンチオシアネートによ
って抗プリオン蛋白質抗体の免疫反応性が増大するよう
な抗原性サイトが発現することによるものと考えられ、
グアニジンチオシアネートでの溶解処理によって、抗原
−抗体複合体の強固で特異的な反応を検出することがで
きる。
【0063】前記グアニジンチオシアネートは、1〜5
モル濃度(M)のものを使用することが望ましい。この
濃度は3〜4モル濃度がさらに望ましい。また、上述し
たグアニジンチオシアネート中への前記濃縮物の溶解
は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS;pH≦5)などを
バッファとして行うことが望ましい。
モル濃度(M)のものを使用することが望ましい。この
濃度は3〜4モル濃度がさらに望ましい。また、上述し
たグアニジンチオシアネート中への前記濃縮物の溶解
は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS;pH≦5)などを
バッファとして行うことが望ましい。
【0064】次に、前記第5の工程として、前記溶解物
中の前記病原性プリオン蛋白質を吸着面に吸着させる工
程(吸着工程)を有しており、前段で溶解された溶解物
中の病原性プリオン蛋白質を、例えばマイクロタイター
プレート(microtiter pleate)などに吸着させることが
できる。従って、抗原−抗体複合体の形成のための強く
特異的な反応をこの方法にて検出することができる。
中の前記病原性プリオン蛋白質を吸着面に吸着させる工
程(吸着工程)を有しており、前段で溶解された溶解物
中の病原性プリオン蛋白質を、例えばマイクロタイター
プレート(microtiter pleate)などに吸着させることが
できる。従って、抗原−抗体複合体の形成のための強く
特異的な反応をこの方法にて検出することができる。
【0065】また、前記吸着面を一次抗体で形成し、こ
の一次抗体と前記病原性プリオン蛋白質との抗原−抗体
複合体を前記吸着面に生成させることができる。一般
に、ELISA法は、測定対象である抗原とその固定化
のための抗体とにおける抗原−抗体複合体を生じせし
め、これを発色法にて検出するものである。
の一次抗体と前記病原性プリオン蛋白質との抗原−抗体
複合体を前記吸着面に生成させることができる。一般
に、ELISA法は、測定対象である抗原とその固定化
のための抗体とにおける抗原−抗体複合体を生じせし
め、これを発色法にて検出するものである。
【0066】次に、前記第6の工程として、上記第5の
工程において吸着された前記病原性プリオン蛋白質を発
色させる工程(発色工程)を有しているので、これを比
色計や分光光度計などにより容易に検出できる。即ち、
前記病原性プリオン蛋白質を発色させ、その発色濃度を
検出することによって病原性プリオン蛋白質の有無、さ
らにはその蓄積濃度を調べることができる。
工程において吸着された前記病原性プリオン蛋白質を発
色させる工程(発色工程)を有しているので、これを比
色計や分光光度計などにより容易に検出できる。即ち、
前記病原性プリオン蛋白質を発色させ、その発色濃度を
検出することによって病原性プリオン蛋白質の有無、さ
らにはその蓄積濃度を調べることができる。
【0067】また、前記発色を蛍光発光とすることが望
ましい。さらに、前記蛍光発光の発光剤として化学発光
物質を用いることが望ましい。例えば、前記化学発光物
質(発色試薬)としては、2,2−アジゾ−ビス(3−
エチル−ベンズチアゾリン−6−スルホネート)等を使
用することができる。
ましい。さらに、前記蛍光発光の発光剤として化学発光
物質を用いることが望ましい。例えば、前記化学発光物
質(発色試薬)としては、2,2−アジゾ−ビス(3−
エチル−ベンズチアゾリン−6−スルホネート)等を使
用することができる。
【0068】この発色方法としては、前記病原性プリオ
ン蛋白質に結合するアビジン(avidin)と、前記化学発
光物質に結合するビオチン(biotin)との複合体の形成
に基づく発色を観察するアビジン−ビオチン複合体法
(ABC法)やホースラディッシュペルオキシダーゼ複
合ロバ抗兎免疫グロブリン(horseradish peroxidase-c
onjugated donky anti-rabbit IgG )を使用する間接法
(HRP法)などを使用できる。
ン蛋白質に結合するアビジン(avidin)と、前記化学発
光物質に結合するビオチン(biotin)との複合体の形成
に基づく発色を観察するアビジン−ビオチン複合体法
(ABC法)やホースラディッシュペルオキシダーゼ複
合ロバ抗兎免疫グロブリン(horseradish peroxidase-c
onjugated donky anti-rabbit IgG )を使用する間接法
(HRP法)などを使用できる。
【0069】この検出方法の概要は、例えば、ウエルに
吸着されたPrPSCがポリクローナル抗体B103と特
異的に結合、その抗体をさらに特異的に認識する2次抗
体(抗ウサギIgG)−ビオチン複合体で結合、そこへ
アジビンを結合、次にホースラディシュベルオキシター
ゼ(HRP)−ビオチンを結合させ、HRPの基質であ
る2,2−アジゾ−ビスを反応させ発色させる方法であ
る。
吸着されたPrPSCがポリクローナル抗体B103と特
異的に結合、その抗体をさらに特異的に認識する2次抗
体(抗ウサギIgG)−ビオチン複合体で結合、そこへ
アジビンを結合、次にホースラディシュベルオキシター
ゼ(HRP)−ビオチンを結合させ、HRPの基質であ
る2,2−アジゾ−ビスを反応させ発色させる方法であ
る。
【0070】一般に、アビジン−ビオチン複合体法によ
り得られる結果は、間接法よりも再現性が高いが、特
に、前記動物組織由来物質として脾臓組織中の病原性プ
リオン蛋白質を検出する場合、前記アビジン−ビオチン
複合体法を用いることが望ましい。
り得られる結果は、間接法よりも再現性が高いが、特
に、前記動物組織由来物質として脾臓組織中の病原性プ
リオン蛋白質を検出する場合、前記アビジン−ビオチン
複合体法を用いることが望ましい。
【0071】上述したように、本発明の酵素免疫吸着法
(ELISA法)によれば、測定対象である病原性プリ
オン蛋白質が比較的低濃度であっても、これを強く、特
異的に吸着させることができ、迅速かつ簡便に前記病原
性プリオン蛋白質を検出することができる。
(ELISA法)によれば、測定対象である病原性プリ
オン蛋白質が比較的低濃度であっても、これを強く、特
異的に吸着させることができ、迅速かつ簡便に前記病原
性プリオン蛋白質を検出することができる。
【0072】なお、ELISA法による検出は、上述し
たウエスタンブロッティング法(WB法)に比べて、少
なくとも同等の感度を示し、さらに、その測定は実用的
かつ迅速である。また、ELISA法による検出の利点
は、多くのサンプルを1回で分析することができ、潜在
的に感染されている動物を大量に診断、選別することが
でき、感染によるプリオン病(特にBSE)をコントロ
ールするという広汎は用途に利用することが可能であ
る。
たウエスタンブロッティング法(WB法)に比べて、少
なくとも同等の感度を示し、さらに、その測定は実用的
かつ迅速である。また、ELISA法による検出の利点
は、多くのサンプルを1回で分析することができ、潜在
的に感染されている動物を大量に診断、選別することが
でき、感染によるプリオン病(特にBSE)をコントロ
ールするという広汎は用途に利用することが可能であ
る。
【0073】次に、上記した本発明の第1の濃縮方法を
説明する。
説明する。
【0074】本発明の第1の濃縮方法によれば、動物組
織由来物質から病原性プリオン蛋白質を検出する病原性
プリオン蛋白質の検出方法の実施に際し、検出されるべ
き前記病原性プリオン蛋白質を濃縮する方法において、
前記第1の工程として、前記動物組織由来物質の種類に
応じたN−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アミノ−
1−プロパンスルホネート又はt−オクチルフェノキシ
ポリエトキシエタノールと酵素とを用いて前記動物組織
由来物質を均一化する均一化工程を有しているので、前
記酵素の作用で前記動物組織由来物質を十分に溶解し、
また、その種類に応じた界面活性剤として、N−ドデシ
ル−N,N−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスル
ホネート又はt−オクチルフェノキシポリエトキシエタ
ノールからなる非イオン性界面活性剤の存在下で非特異
的物質を可溶化し、病原性プリオン蛋白質を含有する前
記動物組織由来物質を十分に均一化することができる。
織由来物質から病原性プリオン蛋白質を検出する病原性
プリオン蛋白質の検出方法の実施に際し、検出されるべ
き前記病原性プリオン蛋白質を濃縮する方法において、
前記第1の工程として、前記動物組織由来物質の種類に
応じたN−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アミノ−
1−プロパンスルホネート又はt−オクチルフェノキシ
ポリエトキシエタノールと酵素とを用いて前記動物組織
由来物質を均一化する均一化工程を有しているので、前
記酵素の作用で前記動物組織由来物質を十分に溶解し、
また、その種類に応じた界面活性剤として、N−ドデシ
ル−N,N−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスル
ホネート又はt−オクチルフェノキシポリエトキシエタ
ノールからなる非イオン性界面活性剤の存在下で非特異
的物質を可溶化し、病原性プリオン蛋白質を含有する前
記動物組織由来物質を十分に均一化することができる。
【0075】従って、前記動物組織由来物質における病
原性プリオン蛋白質の割合が比較的低濃度であっても、
これを良好に均一化することができ、ひいては良好な病
原性プリオン蛋白質の濃縮物を得ることができる。つま
り、病原性プリオン蛋白質を分離、抽出するために有効
な均一化物(ホモジネート)を得ることができる。
原性プリオン蛋白質の割合が比較的低濃度であっても、
これを良好に均一化することができ、ひいては良好な病
原性プリオン蛋白質の濃縮物を得ることができる。つま
り、病原性プリオン蛋白質を分離、抽出するために有効
な均一化物(ホモジネート)を得ることができる。
【0076】ここで、前記動物組織由来物質を中枢神経
系組織とすることが望ましい。また、前記中枢神経系組
織を脳組織とすることがさらに望ましい。
系組織とすることが望ましい。また、前記中枢神経系組
織を脳組織とすることがさらに望ましい。
【0077】また、第2の工程として、前記第1の工程
で得られた均一化物を分解酵素を用いて分解処理する分
解処理工程を有しているので、前記均一化物中の病原性
プリオン蛋白質を含む物質(特に、染色体)を十分に分
解、消化させて、目的物である病原性プリオン蛋白質を
十分に取り出すことができる。
で得られた均一化物を分解酵素を用いて分解処理する分
解処理工程を有しているので、前記均一化物中の病原性
プリオン蛋白質を含む物質(特に、染色体)を十分に分
解、消化させて、目的物である病原性プリオン蛋白質を
十分に取り出すことができる。
【0078】前記分解酵素として、コラーゲン分解酵素
及びDNA分解酵素を用いて前記均一化物を分解し、さ
らに蛋白質分解酵素を用いて分解することが望ましい。
及びDNA分解酵素を用いて前記均一化物を分解し、さ
らに蛋白質分解酵素を用いて分解することが望ましい。
【0079】また、前記分解酵素として、前述したパパ
インやブロメリン等の植物プロテアーゼ及び/又は微生
物プロテアーゼを用いて前記均一化物を分解することも
できる。
インやブロメリン等の植物プロテアーゼ及び/又は微生
物プロテアーゼを用いて前記均一化物を分解することも
できる。
【0080】次に、第3の工程として、前記第2の工程
で分解された前記均一化物から前記病原性プリオン蛋白
質を含有する濃縮物を得る分離工程を有しているので、
上記の第1の工程及び第2の工程で十分に均一化及び分
解された前記病原性プリオン蛋白質を含有する物質を効
率的に分離することができる。
で分解された前記均一化物から前記病原性プリオン蛋白
質を含有する濃縮物を得る分離工程を有しているので、
上記の第1の工程及び第2の工程で十分に均一化及び分
解された前記病原性プリオン蛋白質を含有する物質を効
率的に分離することができる。
【0081】この分離工程では、例えば、遠心分離(超
遠心分離)等の手段を用いて分離、濃縮することができ
る。
遠心分離)等の手段を用いて分離、濃縮することができ
る。
【0082】以上が、本発明の第1の濃縮方法の基本的
な構成であるが、本発明の第1の濃縮方法では、上述し
た本発明の検出方法と同様に、前記第1の工程〜第3の
工程に加えて、例えば、下記のような工程を付加するこ
とが望ましい。
な構成であるが、本発明の第1の濃縮方法では、上述し
た本発明の検出方法と同様に、前記第1の工程〜第3の
工程に加えて、例えば、下記のような工程を付加するこ
とが望ましい。
【0083】例えば、前記濃縮工程中に、前記第3の工
程で得られた前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮
物を分解酵素を用いて分解し、次いで分離後に塩析処理
を施す工程を更に有することが望ましい。
程で得られた前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮
物を分解酵素を用いて分解し、次いで分離後に塩析処理
を施す工程を更に有することが望ましい。
【0084】即ち、前記病原性プリオン蛋白質の溶解性
を一層向上させるために、例えば、サーコシル等の分解
酵素を使用して溶解処理、分離処理を行い、得られた分
離抽出物を例えば、NaCl等を用いて塩析を行った
後、分離処理を行うことによって、一層濃縮された病原
性プリオン蛋白質を含有する濃縮物(例えばペレット)
を得ることができる。
を一層向上させるために、例えば、サーコシル等の分解
酵素を使用して溶解処理、分離処理を行い、得られた分
離抽出物を例えば、NaCl等を用いて塩析を行った
後、分離処理を行うことによって、一層濃縮された病原
性プリオン蛋白質を含有する濃縮物(例えばペレット)
を得ることができる。
【0085】また、前記濃縮工程中に、前記第3の工程
で得られた前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮物
を界面活性剤で洗浄する洗浄工程を更に有することが望
ましい。
で得られた前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮物
を界面活性剤で洗浄する洗浄工程を更に有することが望
ましい。
【0086】即ち、前記濃縮物(例えばペレット状)の
付加的な洗浄工程として、前記界面活性剤を用いて前記
濃縮物を洗浄することによって、前記濃縮物中の不所望
の物質(非特異的物質)をさらに多く除去することがで
きる。前記界面活性剤としては、N−ドデシル−N,N
−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホネート
(例えば、前記ズイッタージェント 3-12, 3-08, 3-10
など)からなる非イオン性界面活性剤を使用することが
望ましい。
付加的な洗浄工程として、前記界面活性剤を用いて前記
濃縮物を洗浄することによって、前記濃縮物中の不所望
の物質(非特異的物質)をさらに多く除去することがで
きる。前記界面活性剤としては、N−ドデシル−N,N
−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホネート
(例えば、前記ズイッタージェント 3-12, 3-08, 3-10
など)からなる非イオン性界面活性剤を使用することが
望ましい。
【0087】次に、上記した本発明の第2の濃縮方法を
説明する。
説明する。
【0088】本発明の第2の濃縮方法によれば、動物組
織由来物質から病原性プリオン蛋白質を検出する病原性
プリオン蛋白質の検出方法の実施に際し、検出されるべ
き前記病原性プリオン蛋白質を濃縮する方法において、
第1の工程として、前記動物組織由来物質の種類に応じ
た界面活性剤と酵素とを用いて前記動物組織由来物質を
均一化する均一化工程を有しているので、前記酵素の作
用で前記動物組織由来物質を十分に溶解し、また、その
種類に応じた前記界面活性剤の存在下で非特異的物質を
可溶化し、病原性プリオン蛋白質を含有する前記動物組
織由来物質を十分に均一化することができる。
織由来物質から病原性プリオン蛋白質を検出する病原性
プリオン蛋白質の検出方法の実施に際し、検出されるべ
き前記病原性プリオン蛋白質を濃縮する方法において、
第1の工程として、前記動物組織由来物質の種類に応じ
た界面活性剤と酵素とを用いて前記動物組織由来物質を
均一化する均一化工程を有しているので、前記酵素の作
用で前記動物組織由来物質を十分に溶解し、また、その
種類に応じた前記界面活性剤の存在下で非特異的物質を
可溶化し、病原性プリオン蛋白質を含有する前記動物組
織由来物質を十分に均一化することができる。
【0089】従って、前記動物組織由来物質における病
原性プリオン蛋白質の割合が比較的低濃度であっても、
これを良好に均一化することができ、ひいては良好な病
原性プリオン蛋白質の濃縮物を得ることができる。つま
り、病原性プリオン蛋白質を分離、抽出するために有効
な均一化物を得ることができる。
原性プリオン蛋白質の割合が比較的低濃度であっても、
これを良好に均一化することができ、ひいては良好な病
原性プリオン蛋白質の濃縮物を得ることができる。つま
り、病原性プリオン蛋白質を分離、抽出するために有効
な均一化物を得ることができる。
【0090】この第1の工程において、前記動物組織由
来物質を細網リンパ系組織とすることが望ましい。特
に、前記細網リンパ系組織が脾臓組織である場合は、上
述したように、上記界面活性剤を使用することによっ
て、前記脾臓組織における非特異的物質を十分に可溶化
することができる。
来物質を細網リンパ系組織とすることが望ましい。特
に、前記細網リンパ系組織が脾臓組織である場合は、上
述したように、上記界面活性剤を使用することによっ
て、前記脾臓組織における非特異的物質を十分に可溶化
することができる。
【0091】次に、第2の工程として、前記第1の工程
で得られた均一化物を分解酵素を用いて分解処理する分
解処理工程を有しているので、前記均一化物中の病原性
プリオン蛋白質を含む物質(特に、染色体)を十分に分
解、消化させて、目的物である病原性プリオン蛋白質を
十分に取り出すことができる。
で得られた均一化物を分解酵素を用いて分解処理する分
解処理工程を有しているので、前記均一化物中の病原性
プリオン蛋白質を含む物質(特に、染色体)を十分に分
解、消化させて、目的物である病原性プリオン蛋白質を
十分に取り出すことができる。
【0092】ここで、前記分解酵素としてコラーゲン分
解酵素及びDNA分解酵素を用いて前記均一化物を分解
し、さらに蛋白質分解酵素を用いて分解することが望ま
しい。
解酵素及びDNA分解酵素を用いて前記均一化物を分解
し、さらに蛋白質分解酵素を用いて分解することが望ま
しい。
【0093】また、前記分解酵素として、前述したパパ
インやブロメリン等の植物プロテアーゼ及び/又は微生
物プロテアーゼを用いて前記均一化物を分解することも
できる。
インやブロメリン等の植物プロテアーゼ及び/又は微生
物プロテアーゼを用いて前記均一化物を分解することも
できる。
【0094】次に、第3の工程として、前記第2の工程
で分解された前記均一化物から前記病原性プリオン蛋白
質を含有する濃縮物を得る分離工程を有しているので、
上記の第1の工程及び第2の工程で十分に均一化及び分
解された前記病原性プリオン蛋白質を含有する物質を効
率的に分離することができる。
で分解された前記均一化物から前記病原性プリオン蛋白
質を含有する濃縮物を得る分離工程を有しているので、
上記の第1の工程及び第2の工程で十分に均一化及び分
解された前記病原性プリオン蛋白質を含有する物質を効
率的に分離することができる。
【0095】この分離工程では、例えば、遠心分離(超
遠心分離)等の手段を用いて分離、濃縮することができ
る。
遠心分離)等の手段を用いて分離、濃縮することができ
る。
【0096】次に、洗浄工程として、前記第3の工程で
得られた前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮物を
N−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アミノ−1−プ
ロパンスルホネートからなる非イオン性界面活性剤で洗
浄する洗浄工程を更に有しているので、前記濃縮物中の
不所望の物質(非特異性物質;例えば、正常なプリオン
蛋白質や他の蛋白質など)をさらに多く除去することが
できる。
得られた前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮物を
N−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アミノ−1−プ
ロパンスルホネートからなる非イオン性界面活性剤で洗
浄する洗浄工程を更に有しているので、前記濃縮物中の
不所望の物質(非特異性物質;例えば、正常なプリオン
蛋白質や他の蛋白質など)をさらに多く除去することが
できる。
【0097】上述した、本発明の第1の濃縮方法及び第
2の濃縮方法によれば、前記動物組織由来物質に蓄積さ
れる病原性プリオン蛋白質の蓄積濃度が比較的小さくて
も、これを十分に濃縮させることができる。なお、上記
各濃縮方法で得られた病原性プリオン蛋白質を含有する
濃縮物は、後段でELISA法に用いてもよいし、ま
た、WB法や電気泳動法などに用いてもよい。
2の濃縮方法によれば、前記動物組織由来物質に蓄積さ
れる病原性プリオン蛋白質の蓄積濃度が比較的小さくて
も、これを十分に濃縮させることができる。なお、上記
各濃縮方法で得られた病原性プリオン蛋白質を含有する
濃縮物は、後段でELISA法に用いてもよいし、ま
た、WB法や電気泳動法などに用いてもよい。
【0098】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例について説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0099】本実施例は、スクレーピー感染マウスから
の粗組織抽出物のPrPsc(病原性プリオン蛋白質:以
下、同様)のPrPscの検出、及び検出されるべきPr
Pscの濃縮を行うものである。
の粗組織抽出物のPrPsc(病原性プリオン蛋白質:以
下、同様)のPrPscの検出、及び検出されるべきPr
Pscの濃縮を行うものである。
【0100】1.本実施例ではSIc/ICR マウスを用い
た。このマウスは、オビヒロ種スクレーピーを脳内感染
したもの(シナガワ他、1985年)であり、明らかに
スクレーピーを発症したマウスから脳組織及び脾臓組織
を取り出した。
た。このマウスは、オビヒロ種スクレーピーを脳内感染
したもの(シナガワ他、1985年)であり、明らかに
スクレーピーを発症したマウスから脳組織及び脾臓組織
を取り出した。
【0101】2.脳組織及び脾臓組織からのPrPscの
濃縮 サンプルは図1〜図3に示す8種の異なる濃縮法で調製
した。すべての8つの方法は、ハサミで細かく切り刻ん
だ組織サンプルを、分解酵素で消化させたこと(第2の
工程)、および、非イオン性界面活性剤の存在下で、可
溶性の非特異的物質を抽出し、遠心分離(第3の工程)
する目的のために均一化を行うこと(第1の工程)にお
いて共通している。
濃縮 サンプルは図1〜図3に示す8種の異なる濃縮法で調製
した。すべての8つの方法は、ハサミで細かく切り刻ん
だ組織サンプルを、分解酵素で消化させたこと(第2の
工程)、および、非イオン性界面活性剤の存在下で、可
溶性の非特異的物質を抽出し、遠心分離(第3の工程)
する目的のために均一化を行うこと(第1の工程)にお
いて共通している。
【0102】以下、PrPscの濃縮方法に関し、方法1
〜方法8について図1〜3を参照しながら簡単に説明す
る。
〜方法8について図1〜3を参照しながら簡単に説明す
る。
【0103】方法1 まず、8%ズイッタージェント 3-12 (非イオン性界面活
性剤)と、サーコシル(酵素)と、100mM 塩化ナトリウ
ム(NaCl)と、5mM 塩化マグネシウム(MgCl)と、50m
M、pH=7.5のトリス−塩酸緩衝液(Tris-HCl)とを加え
て、上記脳組織を均一化し、均一化物( ホモジネート)
を作製した(第1の工程)。
性剤)と、サーコシル(酵素)と、100mM 塩化ナトリウ
ム(NaCl)と、5mM 塩化マグネシウム(MgCl)と、50m
M、pH=7.5のトリス−塩酸緩衝液(Tris-HCl)とを加え
て、上記脳組織を均一化し、均一化物( ホモジネート)
を作製した(第1の工程)。
【0104】次いで、この均一化物を、0.5mg/100mg コ
ラゲナーゼ〔3,4,24,3〕(Collagenase)及び 4
0 μg/100mg のDNアーゼ〔3,1,21,1〕(DNas
e)を用いて、温度37℃、4 〜12時間で分解(消化)処
理を行い、さらに、50μg/100mg のプロテイナーゼ
〔3,4,21,14〕(Proteinase K)を用い、温度
37℃、0.5 〜2 時間で分解(消化)処理を行った(第2
の工程)。この分解(消化)処理は、前記組織中の病原
性プリオン蛋白質以外の測定夾雑物質の酵素分解のため
に行ったものである。
ラゲナーゼ〔3,4,24,3〕(Collagenase)及び 4
0 μg/100mg のDNアーゼ〔3,1,21,1〕(DNas
e)を用いて、温度37℃、4 〜12時間で分解(消化)処
理を行い、さらに、50μg/100mg のプロテイナーゼ
〔3,4,21,14〕(Proteinase K)を用い、温度
37℃、0.5 〜2 時間で分解(消化)処理を行った(第2
の工程)。この分解(消化)処理は、前記組織中の病原
性プリオン蛋白質以外の測定夾雑物質の酵素分解のため
に行ったものである。
【0105】次いで、反応を停止した後、回転数15,000
rpm、室温で20分間遠心分離を行った。これを、5% SDS
(硫酸ドデシルナトリウム)で10分間加熱溶解させ(第
3の工程)、PrPsc含有の濃縮物を得た(図1)。
rpm、室温で20分間遠心分離を行った。これを、5% SDS
(硫酸ドデシルナトリウム)で10分間加熱溶解させ(第
3の工程)、PrPsc含有の濃縮物を得た(図1)。
【0106】方法2 まず、方法1と同様に、上記脳組織を均一化し均一化物
を作製した(第1の工程)。次いで、前記均一化物を、
ブロメリン〔3,4,22,23〕(Bromelain)を用い
て温度45℃、0.5〜2時間で分解(消化)した(第
2の工程)。
を作製した(第1の工程)。次いで、前記均一化物を、
ブロメリン〔3,4,22,23〕(Bromelain)を用い
て温度45℃、0.5〜2時間で分解(消化)した(第
2の工程)。
【0107】次いで、反応を停止した後、回転数15,000
rpm、室温で20分間遠心分離を行った。これを、5% SDS
(硫酸ドデシルナトリウム)で10分間加熱溶解させ(第
3の工程)、PrPsc含有の濃縮物を得た(図1)。
rpm、室温で20分間遠心分離を行った。これを、5% SDS
(硫酸ドデシルナトリウム)で10分間加熱溶解させ(第
3の工程)、PrPsc含有の濃縮物を得た(図1)。
【0108】なお、ブロメリンを用いる場合、作用温度
45〜80℃、作用時間1〜10時間程度が望ましい。
ブロメリンを用いる結果、使用する酵素の種類が1種類
となり、また操作が簡便(操作時間の短縮や経費圧縮)
になる。なお、測定結果は、3種類の酵素(コラゲナー
ゼ、DNアナーゼ、プロテイナーゼ)を用いた場合と感
度においても遜色のない(同程度)結果であった。
45〜80℃、作用時間1〜10時間程度が望ましい。
ブロメリンを用いる結果、使用する酵素の種類が1種類
となり、また操作が簡便(操作時間の短縮や経費圧縮)
になる。なお、測定結果は、3種類の酵素(コラゲナー
ゼ、DNアナーゼ、プロテイナーゼ)を用いた場合と感
度においても遜色のない(同程度)結果であった。
【0109】方法3 組織重量の5 〜8 倍容量の 4% トリトン X-100(非イオ
ン性界面活性剤)と、0.5% サーコシルと、100mM 塩化
ナトリウム(NaCl)と、5mM 塩化マグネシウム(MgCl)
と、50mM、pH=7.5のトリス−塩酸緩衝液とを加えて、上
記脾臓組織及び脳組織を均一化し均一化物を作製した
(第1の工程)。
ン性界面活性剤)と、0.5% サーコシルと、100mM 塩化
ナトリウム(NaCl)と、5mM 塩化マグネシウム(MgCl)
と、50mM、pH=7.5のトリス−塩酸緩衝液とを加えて、上
記脾臓組織及び脳組織を均一化し均一化物を作製した
(第1の工程)。
【0110】次いで、方法1と同様の分解(消化)処理
を行った(第2の工程)。さらに方法1と同様の分離処
理を行った(第3の工程)。
を行った(第2の工程)。さらに方法1と同様の分離処
理を行った(第3の工程)。
【0111】次いで、前記分離処理(第3の工程)で得
られた沈殿物を 6.25% サーコシル及び10mM、pH=9.2の
トリス−塩酸緩衝液を用いて懸濁化、分解した(分解工
程)。
られた沈殿物を 6.25% サーコシル及び10mM、pH=9.2の
トリス−塩酸緩衝液を用いて懸濁化、分解した(分解工
程)。
【0112】次いで、これを超音波破砕してから、回転
数15,000rpm で遠心分離し、その後、遠心分離で得られ
た溶液の上澄みに、最終濃度 12%で HClを添加、攪拌し
た(塩析工程)。この後、回転数55,000rpm で超遠心分
離し、5% SDSを用いて加熱溶解し、PrPsc含有の濃縮
物を得た(図2)。
数15,000rpm で遠心分離し、その後、遠心分離で得られ
た溶液の上澄みに、最終濃度 12%で HClを添加、攪拌し
た(塩析工程)。この後、回転数55,000rpm で超遠心分
離し、5% SDSを用いて加熱溶解し、PrPsc含有の濃縮
物を得た(図2)。
【0113】方法4 方法3と、分離処理(第3の工程)までは同様にして、
上記脾臓組織及び脳組織の分離を行ったのち、得られた
沈殿物(ペレット状)を5% SDSを用いて加熱溶解し、P
rPsc含有の濃縮物を得た(図2)。
上記脾臓組織及び脳組織の分離を行ったのち、得られた
沈殿物(ペレット状)を5% SDSを用いて加熱溶解し、P
rPsc含有の濃縮物を得た(図2)。
【0114】方法5 方法3と、分離処理(第3の工程)までは同様にして、
上記脾臓組織の分離を行ったのち、得られた沈殿物(ペ
レット状)を 8% ズイッタージェント 3-12 (非イオン
性界面活性剤)と、10mM、pH=7.5のトリス−塩酸緩衝液
とを加えて均一化し、均一化物を作製した(第1の工
程)。
上記脾臓組織の分離を行ったのち、得られた沈殿物(ペ
レット状)を 8% ズイッタージェント 3-12 (非イオン
性界面活性剤)と、10mM、pH=7.5のトリス−塩酸緩衝液
とを加えて均一化し、均一化物を作製した(第1の工
程)。
【0115】次いで、回転数15,000rpm で遠心分離し、
得られた沈殿物(ペレット状)を5%SDSを用いて加熱溶
解し、PrPsc含有の濃縮物を得た(図2)。
得られた沈殿物(ペレット状)を5%SDSを用いて加熱溶
解し、PrPsc含有の濃縮物を得た(図2)。
【0116】方法6 方法3において、その分解処理工程(第2の工程)で、
コラゲナーゼ及びDNアーゼ、更には、プロテイナーゼ
を用いて分解(消化)処理を行う代わりに、方法2と同
様のブロメリン(Bromelain)を用いて、組織中の病原性
プリオン蛋白質以外の測定夾雑物質を酵素分解した以外
は方法3と同様にして、PrPsc含有の濃縮物を得た
(図3)。
コラゲナーゼ及びDNアーゼ、更には、プロテイナーゼ
を用いて分解(消化)処理を行う代わりに、方法2と同
様のブロメリン(Bromelain)を用いて、組織中の病原性
プリオン蛋白質以外の測定夾雑物質を酵素分解した以外
は方法3と同様にして、PrPsc含有の濃縮物を得た
(図3)。
【0117】方法7 方法4において、その分解処理工程(第2の工程)で、
コラゲナーゼ及びDNアーゼ、更には、プロテイナーゼ
を用いて分解(消化)処理を行う代わりに、方法2と同
様のブロメリンを用いて、組織中の病原性プリオン蛋白
質以外の測定夾雑物質を酵素分解した以外は方法4と同
様にして、PrPsc含有の濃縮物を得た(図3)。
コラゲナーゼ及びDNアーゼ、更には、プロテイナーゼ
を用いて分解(消化)処理を行う代わりに、方法2と同
様のブロメリンを用いて、組織中の病原性プリオン蛋白
質以外の測定夾雑物質を酵素分解した以外は方法4と同
様にして、PrPsc含有の濃縮物を得た(図3)。
【0118】方法8 方法5において、その分解処理工程(第2の工程)で、
コラゲナーゼ及びDNアーゼ、更には、プロテイナーゼ
を用いて分解(消化)処理を行う代わりに、方法2と同
様のブロメリンを用いて、組織中の病原性プリオン蛋白
質以外の測定夾雑物質を酵素分解した以外は方法5と同
様にして、PrPsc含有の濃縮物を得た(図3)。
コラゲナーゼ及びDNアーゼ、更には、プロテイナーゼ
を用いて分解(消化)処理を行う代わりに、方法2と同
様のブロメリンを用いて、組織中の病原性プリオン蛋白
質以外の測定夾雑物質を酵素分解した以外は方法5と同
様にして、PrPsc含有の濃縮物を得た(図3)。
【0119】即ち、方法3、方法4及び方法5では、5
〜8倍容量の4%(wt/vol)トリトンX-100を均一化バッ
ファに添加し、方法1では、8%(wt/vol)ズイッタージ
ェント 3-12 を前記トリトン X-100の代わりに添加し
た。
〜8倍容量の4%(wt/vol)トリトンX-100を均一化バッ
ファに添加し、方法1では、8%(wt/vol)ズイッタージ
ェント 3-12 を前記トリトン X-100の代わりに添加し
た。
【0120】方法5で用いたズイッタージェント 3-12
は、不所望な材料(非特異的物質)を更に多く除去する
ために、第3の工程(回転数15,000 rpm)での遠心分離
(TLA 100.3 回転子、オプティマ TLX デスクトップ型
超遠心機、ベックマン(Beckman)社製) で得られたペレ
ットの付加的な洗浄工程として用いた。
は、不所望な材料(非特異的物質)を更に多く除去する
ために、第3の工程(回転数15,000 rpm)での遠心分離
(TLA 100.3 回転子、オプティマ TLX デスクトップ型
超遠心機、ベックマン(Beckman)社製) で得られたペレ
ットの付加的な洗浄工程として用いた。
【0121】方法3では、PrPscの溶解性を上げるた
め、PrPscを6.25%(wt/vol)サーコシルによりp
H=9.2 (これは従来用いたpHよりも高い値であ
る) で抽出した。サーコシル抽出後は、PrPscの溶解
性を再び下げるため、10%(vol/vol) HClでpHを
中性に戻し、次いで12%(wt/vol)NaClによるPr
Pscの塩析と、55,000 rpmでの最終遠心分離処理を行
い、一層濃縮されたPrPscを含有するペレットを得
た。このサーコシル抽出とNaClによるPrPscの塩
析は、方法4、方法5、方法1では省略し、サンプル調
製プロセスを簡略化した。
め、PrPscを6.25%(wt/vol)サーコシルによりp
H=9.2 (これは従来用いたpHよりも高い値であ
る) で抽出した。サーコシル抽出後は、PrPscの溶解
性を再び下げるため、10%(vol/vol) HClでpHを
中性に戻し、次いで12%(wt/vol)NaClによるPr
Pscの塩析と、55,000 rpmでの最終遠心分離処理を行
い、一層濃縮されたPrPscを含有するペレットを得
た。このサーコシル抽出とNaClによるPrPscの塩
析は、方法4、方法5、方法1では省略し、サンプル調
製プロセスを簡略化した。
【0122】3.ウエスタンブロット分析 スクレーピーに感染させたマウスの脳、脾臓をサンプル
とした。脳は方法1で脾臓は方法3で調製した。サンプ
ルは23 倍から211倍希釈した。WB法に先立ち、各希
釈サンプルのSDS−PAGE(電気泳動)を行い、こ
れをPVDF膜に転写した。ブロッキングには、5%の
スキムミルクを用い、検出にはB103ポリクローナル
抗体を使用した。ELC−Western blot detection sys
tem(Amersham社製)で検出した。
とした。脳は方法1で脾臓は方法3で調製した。サンプ
ルは23 倍から211倍希釈した。WB法に先立ち、各希
釈サンプルのSDS−PAGE(電気泳動)を行い、こ
れをPVDF膜に転写した。ブロッキングには、5%の
スキムミルクを用い、検出にはB103ポリクローナル
抗体を使用した。ELC−Western blot detection sys
tem(Amersham社製)で検出した。
【0123】4.ELISA法 図4に示すように、マイクロタイタープレートへの適切
な吸着条件を調べるために、まず、脳組織及び脾臓組織
抽出物を、5% SDS :硫酸ドデシルナトリウム中で 10 分
間加熱沸騰させ(1)、これを 10 倍容量以上の氷冷メ
タノール中で沈殿させた(2)。この組織抽出物は、通
常、 10 〜 40mg の原組織を含有していた。但し、前記
(数値)は、図4中の(数値)と対応するものである
(以下、同様)。
な吸着条件を調べるために、まず、脳組織及び脾臓組織
抽出物を、5% SDS :硫酸ドデシルナトリウム中で 10 分
間加熱沸騰させ(1)、これを 10 倍容量以上の氷冷メ
タノール中で沈殿させた(2)。この組織抽出物は、通
常、 10 〜 40mg の原組織を含有していた。但し、前記
(数値)は、図4中の(数値)と対応するものである
(以下、同様)。
【0124】次いで、遠心分離処理(3)後、得られた
ペレット状沈殿物を 100μl の異なる濃度(1〜5M) のグ
アニジンチオシアネート (グアニジンチオシアン酸エス
テル:GdnSCN) 、 PBS (リン酸緩衝生理食塩水: 最終 p
H ≦ 5 )中で超音波溶解させた(4)。ここまでの工程
(1)〜(4)は上述した第4の工程に相当するもので
ある。
ペレット状沈殿物を 100μl の異なる濃度(1〜5M) のグ
アニジンチオシアネート (グアニジンチオシアン酸エス
テル:GdnSCN) 、 PBS (リン酸緩衝生理食塩水: 最終 p
H ≦ 5 )中で超音波溶解させた(4)。ここまでの工程
(1)〜(4)は上述した第4の工程に相当するもので
ある。
【0125】また、図5に示すように、溶剤として SDS
を用いた場合の測定を行うために、GdnSCN の使用に変
えて、ペレットを 100μl の異なる濃度(0.1〜4%(vol/v
ol))の SDS 、 PBS (最終 pH ≦ 5 )中に溶解させた。
を用いた場合の測定を行うために、GdnSCN の使用に変
えて、ペレットを 100μl の異なる濃度(0.1〜4%(vol/v
ol))の SDS 、 PBS (最終 pH ≦ 5 )中に溶解させた。
【0126】次いで、それぞれの溶液を、96穴丸底マキ
シソープ免疫プレート(商品名:Maxisorp immuno plat
e :Nunc)上に分布させ、室温で一晩、振揺下で培養し
た(5)(なお、例えばコーニング社製ELISAプレ
ート高結合型430452を用いてもよい)。
シソープ免疫プレート(商品名:Maxisorp immuno plat
e :Nunc)上に分布させ、室温で一晩、振揺下で培養し
た(5)(なお、例えばコーニング社製ELISAプレ
ート高結合型430452を用いてもよい)。
【0127】次いで、前記プレートを、PBS で3回洗浄
し(6)、PBS-5% 脱脂乳中で 1時間、37℃でブロッキ
ング(閉塞状態にすること)を行った(7)。
し(6)、PBS-5% 脱脂乳中で 1時間、37℃でブロッキ
ング(閉塞状態にすること)を行った(7)。
【0128】次いで、前記プレートを、0.05% トゥイー
ン(Tween)20 を含有する PBS(以下、PBSTと称する)で
3回洗浄した(8)。
ン(Tween)20 を含有する PBS(以下、PBSTと称する)で
3回洗浄した(8)。
【0129】次いで、兎の抗血清 B-103 (ホリウチ他、
1995年) を一次抗体として PBSの初期容量分を用
い、33% 硫酸アンモニウムでの沈殿処理後に、PBST-0.5
% 脱脂乳中で 2,000倍に希釈した後、ウエル(上記穴:
以下、同様)中に 100μl 分布させた。前記プレート
は、室温で 1時間、振揺下で培養し、抗原−抗体反応複
合体を形成した(9)。ここで、前記工程(5)〜
(9)は、第5の工程に相当する。
1995年) を一次抗体として PBSの初期容量分を用
い、33% 硫酸アンモニウムでの沈殿処理後に、PBST-0.5
% 脱脂乳中で 2,000倍に希釈した後、ウエル(上記穴:
以下、同様)中に 100μl 分布させた。前記プレート
は、室温で 1時間、振揺下で培養し、抗原−抗体反応複
合体を形成した(9)。ここで、前記工程(5)〜
(9)は、第5の工程に相当する。
【0130】このプレートを PBST で3回洗浄した後、
アビジン(Avidin)−ビオチン(Biotin)複合体 (ABC)
法により、下記のようにして顕在化させたところ、上記
抗原−抗体複合体が目視状態となった。ただし、ABC
法用のキットとしてベクタステイン・エリート ABC
キット、ベクター研究所製(Vectastain Elite ABC ki
t, Vector Laboratories)を使用した。
アビジン(Avidin)−ビオチン(Biotin)複合体 (ABC)
法により、下記のようにして顕在化させたところ、上記
抗原−抗体複合体が目視状態となった。ただし、ABC
法用のキットとしてベクタステイン・エリート ABC
キット、ベクター研究所製(Vectastain Elite ABC ki
t, Vector Laboratories)を使用した。
【0131】ビオチン(ビタミンH)化した抗ウサギ免
疫グロブリン(anti-rabbit IgG)をPBST-0.5% 脱脂乳
中で 1,500倍に希釈し、ウエルを室温、振揺下で 1時
間、 100μl を培養した(10)。
疫グロブリン(anti-rabbit IgG)をPBST-0.5% 脱脂乳
中で 1,500倍に希釈し、ウエルを室温、振揺下で 1時
間、 100μl を培養した(10)。
【0132】次いで、 PBST で 4回洗浄し、PBS で 1回
洗浄した後(11)、キットの成分A(アビジン)と成
分B(ビオチン)とをそれぞれ、200 倍の希釈率で PBS
に添加し、ウエル中に分布させた(12)。ここで、
前記キットとは、上記ABC法を実施するための用具や
調製剤が組になっているものである。
洗浄した後(11)、キットの成分A(アビジン)と成
分B(ビオチン)とをそれぞれ、200 倍の希釈率で PBS
に添加し、ウエル中に分布させた(12)。ここで、
前記キットとは、上記ABC法を実施するための用具や
調製剤が組になっているものである。
【0133】次いで、培養及び洗浄を、ビオチン化され
た抗体(即ち、吸着された抗体)に関して行った(1
3)。
た抗体(即ち、吸着された抗体)に関して行った(1
3)。
【0134】発色は、基質溶液〔 100μl/mlの 2,2'-ア
ジゾ−ビス (3-エチル- ベンズチアゾリン-6- スルホネ
ート): ABTS〕 100μl で培養後、0.05M クエン酸−リ
ン酸エステルからなる緩衝液中で 0.04%の過酸化水素で
室温、 1時間、暗中で行った(14)。
ジゾ−ビス (3-エチル- ベンズチアゾリン-6- スルホネ
ート): ABTS〕 100μl で培養後、0.05M クエン酸−リ
ン酸エステルからなる緩衝液中で 0.04%の過酸化水素で
室温、 1時間、暗中で行った(14)。
【0135】次いで、マイクロプレートリーダー〔Mode
l 2550, バイオ−レッド研究所(Bio-Red Laboratorie
s)〕で波長 405nmの発色を確認した(15)。
l 2550, バイオ−レッド研究所(Bio-Red Laboratorie
s)〕で波長 405nmの発色を確認した(15)。
【0136】この ABC法に基づく発色法に代えて、ホー
スラディッシュペルオキシダーゼ複合ロバ抗兎 IgG(ho
rse radish peroxidase-conjugated donky annti-rabbi
t IgG (Amersham 社製)) 100μl で PBST-0.5%脱脂乳中
で 800倍の希釈下でウエルを培養した(16)。この
後、 PBST で4回洗浄し、PBS で1回洗浄した(1
7)。以下、この方法を間接法と称する。
スラディッシュペルオキシダーゼ複合ロバ抗兎 IgG(ho
rse radish peroxidase-conjugated donky annti-rabbi
t IgG (Amersham 社製)) 100μl で PBST-0.5%脱脂乳中
で 800倍の希釈下でウエルを培養した(16)。この
後、 PBST で4回洗浄し、PBS で1回洗浄した(1
7)。以下、この方法を間接法と称する。
【0137】また、培養と洗浄とをビオチン化された抗
体に対して行った。なお、カットオフラインは、平均光
学濃度(OD)と非感染マウスの組織抽出物でコーティング
した、4〜8個の負のコントロール群の標準偏差との合
計で決定した。
体に対して行った。なお、カットオフラインは、平均光
学濃度(OD)と非感染マウスの組織抽出物でコーティング
した、4〜8個の負のコントロール群の標準偏差との合
計で決定した。
【0138】5.測定結果 (1) 適当なコーティング条件の決定 マイクロタイタープレートへの高い吸着率を実現するた
めには、PrPscを十分に溶解させる必要がある。ここ
で、PrPscを溶解させるために GdnSCN と SDS の有
用性を評価した(図5)。
めには、PrPscを十分に溶解させる必要がある。ここ
で、PrPscを溶解させるために GdnSCN と SDS の有
用性を評価した(図5)。
【0139】図5において、マイクロタイタープレート
へのPrPsc吸着時の GdnSCN 及びSDSの効果を見るた
めに、スクレーピー感染マウスの脳組織(A) 及び脾臓組
織(B) からのサンプルを方法1及び方法5によってそれ
ぞれ調製した。各 SDS 及びGdnSCN の各濃度におい
て、脳(A) 及び脾臓(B) の1mg 相当量から抽出液を採取
し、これをマイクロタイタープレート1枚当たり3つの
ウエルにコーティングした。
へのPrPsc吸着時の GdnSCN 及びSDSの効果を見るた
めに、スクレーピー感染マウスの脳組織(A) 及び脾臓組
織(B) からのサンプルを方法1及び方法5によってそれ
ぞれ調製した。各 SDS 及びGdnSCN の各濃度におい
て、脳(A) 及び脾臓(B) の1mg 相当量から抽出液を採取
し、これをマイクロタイタープレート1枚当たり3つの
ウエルにコーティングした。
【0140】非感染マウスからの各組織抽出物を調製
し、 3M の GdnSCN-PBS に溶解させ、負のコントロール
群(negative controls(Ctrl.); コントロール)として
用いた。ここでは、2mg の脳等価物(6ウエル分) 又は
2.5mgの脾臓等価物(4ウエル分)を各ウエルに対して用い
た。
し、 3M の GdnSCN-PBS に溶解させ、負のコントロール
群(negative controls(Ctrl.); コントロール)として
用いた。ここでは、2mg の脳等価物(6ウエル分) 又は
2.5mgの脾臓等価物(4ウエル分)を各ウエルに対して用い
た。
【0141】また、図5に平均値及びその標準偏差(S.
D.)を示した。カットオフラインは、それぞれの平均値
に対し3つの標準偏差値(3 S.D. :以下、同様)を加
えることによって決めた。なお、間接法及び ABC法を脳
組織及び脾臓組織についてそれぞれ適用した。なお、前
記カオトロピックイオン剤は、疎水性分子の水溶性を増
加させ、疎水結合を弱め、膜蛋白質等の抽出に用いられ
るものであり、例えばGdnSCNが挙げられる。
D.)を示した。カットオフラインは、それぞれの平均値
に対し3つの標準偏差値(3 S.D. :以下、同様)を加
えることによって決めた。なお、間接法及び ABC法を脳
組織及び脾臓組織についてそれぞれ適用した。なお、前
記カオトロピックイオン剤は、疎水性分子の水溶性を増
加させ、疎水結合を弱め、膜蛋白質等の抽出に用いられ
るものであり、例えばGdnSCNが挙げられる。
【0142】PBS へのPrPscの溶解は、カオトロピッ
クイオン(chaotropic)剤又は界面活性剤なしで行う
と、マイクロタイタープレートへの吸着が脳組織のもの
では幾らか生じるが、脾臓組織のものでは生じなかった
(図5(A) 、(B) : OMのGdnSCN) 。また、SDS 濃度が最
低濃度(0.1%)であっても、脳組織からPrPscの吸着は
生じていなかった(図5(A) )。
クイオン(chaotropic)剤又は界面活性剤なしで行う
と、マイクロタイタープレートへの吸着が脳組織のもの
では幾らか生じるが、脾臓組織のものでは生じなかった
(図5(A) 、(B) : OMのGdnSCN) 。また、SDS 濃度が最
低濃度(0.1%)であっても、脳組織からPrPscの吸着は
生じていなかった(図5(A) )。
【0143】これに対して、PBS 濃度を増やしながら G
dnSCN を PBSに添加すると、コーティング効率が向上
し、 GdnSCN の濃度が 4M の側で脾臓組織のものについ
てのピークが生じた(図4(B) )。また、 3M 付近の G
dnSCN 濃度で、脳組織のものについてはピークを示した
(図4(A) )。即ち、溶剤として1〜5M(特に3〜4
M)の GdnSCN を使用したとき、強く特異的な吸着が見
られた。
dnSCN を PBSに添加すると、コーティング効率が向上
し、 GdnSCN の濃度が 4M の側で脾臓組織のものについ
てのピークが生じた(図4(B) )。また、 3M 付近の G
dnSCN 濃度で、脳組織のものについてはピークを示した
(図4(A) )。即ち、溶剤として1〜5M(特に3〜4
M)の GdnSCN を使用したとき、強く特異的な吸着が見
られた。
【0144】PBS 中での GdnSCN 濃度が高くなれば、pH
値が低下 (≦ 5) するので、0.05Mの重炭酸ナトリウム
のカーボネートバッファ (pH=9.6) を PBS に対して定
量的に置換することによって GdnSCN と SDS双方を希釈
し、これによって最終 pH を8以上に高めた。しかしな
がら、吸着率は低下する傾向があった (データは示さ
ず) 。
値が低下 (≦ 5) するので、0.05Mの重炭酸ナトリウム
のカーボネートバッファ (pH=9.6) を PBS に対して定
量的に置換することによって GdnSCN と SDS双方を希釈
し、これによって最終 pH を8以上に高めた。しかしな
がら、吸着率は低下する傾向があった (データは示さ
ず) 。
【0145】(2) 2つの異なる検出方法 : 間接法及び
ABC法の比較 間接法と ABC法とを感度及び特異性について比較した。
図6は、抗原−抗体複合体の検出に関する ABC法と間接
法との比較を示す。
ABC法の比較 間接法と ABC法とを感度及び特異性について比較した。
図6は、抗原−抗体複合体の検出に関する ABC法と間接
法との比較を示す。
【0146】スクレーピー感染マウスの脳組織のサンプ
ル(A) を方法1で調製し、引き続いて、 3M の GdnSCN
中へ順次2倍ずつ希釈した。脾臓組織(B) については、
方法3を適用し、 4M の GdnSCN を用いた。 2つの測定
方法は、 2つの検出方法における平均値を求めた。負の
コントロール群(コントロール)についても示した。標
準偏差(S.D.)は小さすぎて図示していない。カットオフ
ラインはそれぞれに対して 3 S.D. を加えて決めた。脾
臓組織の測定におけるカットオフラインは 40mg の脾臓
等価物(即ち、40mgの脾臓に相当する量:以下、同
様)からなる負のコントロール群のデータに基づいて決
めた。
ル(A) を方法1で調製し、引き続いて、 3M の GdnSCN
中へ順次2倍ずつ希釈した。脾臓組織(B) については、
方法3を適用し、 4M の GdnSCN を用いた。 2つの測定
方法は、 2つの検出方法における平均値を求めた。負の
コントロール群(コントロール)についても示した。標
準偏差(S.D.)は小さすぎて図示していない。カットオフ
ラインはそれぞれに対して 3 S.D. を加えて決めた。脾
臓組織の測定におけるカットオフラインは 40mg の脾臓
等価物(即ち、40mgの脾臓に相当する量:以下、同
様)からなる負のコントロール群のデータに基づいて決
めた。
【0147】この測定結果によれば、脳組織については
ABC法の方がわずかに優れている(図5(A) )が、 ABC
法は脾臓組織について明らかに好ましいことが分かった
(図5(B) )。脾臓組織に関して、 ABC法は、間接法に
比べて少なくとも 2倍の感度を示した。また、一般に、
ABC法により得られる結果は、間接法よりも再現性が高
いことが分かった (データは図示せず) 。従って、最終
的な測定(図8のELISA法とWB法との比較)で
は、脾臓組織及び脳組織に対し、 ABC法を適用した。
ABC法の方がわずかに優れている(図5(A) )が、 ABC
法は脾臓組織について明らかに好ましいことが分かった
(図5(B) )。脾臓組織に関して、 ABC法は、間接法に
比べて少なくとも 2倍の感度を示した。また、一般に、
ABC法により得られる結果は、間接法よりも再現性が高
いことが分かった (データは図示せず) 。従って、最終
的な測定(図8のELISA法とWB法との比較)で
は、脾臓組織及び脳組織に対し、 ABC法を適用した。
【0148】(3) 適切なサンプル調製法(濃縮法)の確
立 ELISA法については方法3を用いた。このサンプル
調製(濃縮)法は公知のウエスタンブロット法(グレイ
スウォール他、1996年)用のサンプル調製法であ
る。ここで、サーコシル抽出及び NaCl によるPrPsc
の塩析は、方法4、方法5、方法1では省略した。
立 ELISA法については方法3を用いた。このサンプル
調製(濃縮)法は公知のウエスタンブロット法(グレイ
スウォール他、1996年)用のサンプル調製法であ
る。ここで、サーコシル抽出及び NaCl によるPrPsc
の塩析は、方法4、方法5、方法1では省略した。
【0149】そして、抽出によるPrPscの分離に代え
て、8%(wt/vol)ズイッタージェント3-12 を用いてサン
プルからPrPc (正常なプリオン蛋白質) 及び他の蛋
白質を十分に除去した。前記ズイッタージェント 3-12
は、トリトン X-100よりも有効な洗浄剤であることが分
かった。それ故、前者を方法1の均一化バッファにおい
てトリトン X-100に代えて用いた。
て、8%(wt/vol)ズイッタージェント3-12 を用いてサン
プルからPrPc (正常なプリオン蛋白質) 及び他の蛋
白質を十分に除去した。前記ズイッタージェント 3-12
は、トリトン X-100よりも有効な洗浄剤であることが分
かった。それ故、前者を方法1の均一化バッファにおい
てトリトン X-100に代えて用いた。
【0150】脾臓組織については、コラゲナーゼによる
消化は、4%(wt/vol)トリトン X-100と 0.5%(wt/vol) サ
ーコシルとを用いて行った(方法3、方法4及び方法
5)。そして方法5においては、より非特異的な物質を
除去する目的で、40,000 rpmの遠心力下で得られたペレ
ット(濃縮物)を 8%(wt/vol) ズイッタージェント 3-1
2 及び 0.5%(wt/vol) サーコシルで更に抽出した。
消化は、4%(wt/vol)トリトン X-100と 0.5%(wt/vol) サ
ーコシルとを用いて行った(方法3、方法4及び方法
5)。そして方法5においては、より非特異的な物質を
除去する目的で、40,000 rpmの遠心力下で得られたペレ
ット(濃縮物)を 8%(wt/vol) ズイッタージェント 3-1
2 及び 0.5%(wt/vol) サーコシルで更に抽出した。
【0151】(3-1) 脳組織について 図7は、脳組織及び脾臓組織の適切なサンプル調製法を
示すものである。図7(A) 、(B) とも、繰り返し行った
測定結果である。
示すものである。図7(A) 、(B) とも、繰り返し行った
測定結果である。
【0152】脳組織抽出物は、方法4、方法3、方法1
で調製(濃縮)し、 3M の GdnSCN-PBS 中で2倍ずつ溶
解、希釈化した。ここで、プレートを調べるのに間接法
を用いた。負のコントロール群(コントロール)とし
て、 8個のウエルをそれぞれ、非感染マウスの 20mg の
脳組織等価物から方法1で得られた抽出物でコーティン
グした。カットオフ値は、3 S.D. を加えた平均値とし
た。
で調製(濃縮)し、 3M の GdnSCN-PBS 中で2倍ずつ溶
解、希釈化した。ここで、プレートを調べるのに間接法
を用いた。負のコントロール群(コントロール)とし
て、 8個のウエルをそれぞれ、非感染マウスの 20mg の
脳組織等価物から方法1で得られた抽出物でコーティン
グした。カットオフ値は、3 S.D. を加えた平均値とし
た。
【0153】脾臓組織抽出物は、方法4、方法3、方法
5で調製(濃縮)し、 4M の GdnSCN-PBS 中で4倍ずつ
溶解、希釈化した。ここで、プレートを調べるのに ABC
法を用いた。負のコントロール群(コントロール)とし
て、各方法において 5個のウエルを非感染マウスの 40m
g の脾臓組織等価物からの抽出物でコーティングした。
平均値を示したが、S.D.は小さすぎて示していない。○
と□で表した曲線に対し、コントロールはゼロに近く、
カットオフ値は y軸上の 0.1U であったが、これは脾臓
組織で繰り返し得られた値におおよそ対応している(図
6及び図8)。
5で調製(濃縮)し、 4M の GdnSCN-PBS 中で4倍ずつ
溶解、希釈化した。ここで、プレートを調べるのに ABC
法を用いた。負のコントロール群(コントロール)とし
て、各方法において 5個のウエルを非感染マウスの 40m
g の脾臓組織等価物からの抽出物でコーティングした。
平均値を示したが、S.D.は小さすぎて示していない。○
と□で表した曲線に対し、コントロールはゼロに近く、
カットオフ値は y軸上の 0.1U であったが、これは脾臓
組織で繰り返し得られた値におおよそ対応している(図
6及び図8)。
【0154】図7(A) によれば、均一化バッファ(方法
1)におけるズイッタージェント−サーコシルの組み合
わせによって、7.8 μg の脳組織と同量においてもPr
Pscの検出を可能としたことが分かる。
1)におけるズイッタージェント−サーコシルの組み合
わせによって、7.8 μg の脳組織と同量においてもPr
Pscの検出を可能としたことが分かる。
【0155】また、トリトン−サーコシルの組み合わせ
(方法4)で得られた感度を方法1のものと比べた。方
法4は方法1もやや感度が劣るが、十分に実用的なもの
である。但し、方法3では、125 μg 以上の脳等価物で
しかPrPscが検出されなかった。このように、サーコ
シル及び NaCl によるPrPscの付加的な抽出は、EL
ISA法による高感度抽出には至らないことが分かる。
(方法4)で得られた感度を方法1のものと比べた。方
法4は方法1もやや感度が劣るが、十分に実用的なもの
である。但し、方法3では、125 μg 以上の脳等価物で
しかPrPscが検出されなかった。このように、サーコ
シル及び NaCl によるPrPscの付加的な抽出は、EL
ISA法による高感度抽出には至らないことが分かる。
【0156】方法1は、高感度に加えて、比較サンプル
(図7(A) )の継続して弱い非特異的反応も明らかにし
た。従って、方法1は、脳組織のサンプル調製には最も
適した方法と考えられた。
(図7(A) )の継続して弱い非特異的反応も明らかにし
た。従って、方法1は、脳組織のサンプル調製には最も
適した方法と考えられた。
【0157】(3-2) 脾臓組織について 方法4で得られた負のコントロール群のウエルは、完全
に正のシグナルを示す非特異反応を呈した(図7(B)
)。従って、この方法は、脾臓組織の調製には不適当
であることが分かった。負のコントロール群に基づいて
方法3及び方法5における感度のあるカットオフライン
を確立することは、負のコントロール群の非常に弱い反
応のために可能ではなかった。
に正のシグナルを示す非特異反応を呈した(図7(B)
)。従って、この方法は、脾臓組織の調製には不適当
であることが分かった。負のコントロール群に基づいて
方法3及び方法5における感度のあるカットオフライン
を確立することは、負のコントロール群の非常に弱い反
応のために可能ではなかった。
【0158】従って、図6(B) 及び図8(C) の結果を含
め、脾臓組織について繰り返して確立した値を考慮しな
がら、カットオフラインを y軸の 0.1U とした。これに
よって、方法3と方法1について類似したPrPscの検
出にとって効果的な反応が実現された(図7(B) )。但
し、方法5は、大量の組織等価物について方法3の感度
には及ばなかったし、繰り返しの測定により、方法3の
感度のほぼ 2倍の感度を示した (データは示さず) が、
これはサーコシル抽出及び NaCl によるPrPscの塩析
について検討する必要がある。
め、脾臓組織について繰り返して確立した値を考慮しな
がら、カットオフラインを y軸の 0.1U とした。これに
よって、方法3と方法1について類似したPrPscの検
出にとって効果的な反応が実現された(図7(B) )。但
し、方法5は、大量の組織等価物について方法3の感度
には及ばなかったし、繰り返しの測定により、方法3の
感度のほぼ 2倍の感度を示した (データは示さず) が、
これはサーコシル抽出及び NaCl によるPrPscの塩析
について検討する必要がある。
【0159】図7(B) に示したすべての方法の結果を比
較すると、脾臓組織についての感度及び特異性を向上さ
せるためには、ズイッタージェント 3-12 を含む洗浄剤
の組み合わせで非特異的蛋白を十分に除去すること、或
いは、抽出物及び塩析によってPrPscを分離すること
が、効果的で必要な工程であることが分かる。
較すると、脾臓組織についての感度及び特異性を向上さ
せるためには、ズイッタージェント 3-12 を含む洗浄剤
の組み合わせで非特異的蛋白を十分に除去すること、或
いは、抽出物及び塩析によってPrPscを分離すること
が、効果的で必要な工程であることが分かる。
【0160】(4) ウエスタンブロット法とELISA法
の感度の比較 脳組織又は脾臓組織から抽出されたPrPscを検出する
ための診断方法として、ELISA法の有用性は、EL
ISA法とウエスタンブロット( WB) 法の感度比較で
確かめられた。
の感度の比較 脳組織又は脾臓組織から抽出されたPrPscを検出する
ための診断方法として、ELISA法の有用性は、EL
ISA法とウエスタンブロット( WB) 法の感度比較で
確かめられた。
【0161】感染病状の発現前段階での動物の診断法に
類似した比較であって、PrPscのごく少量が潜伏して
いる組織サンプルの比較を行うために、非感染マウスの
組織均一化物で希釈されたスクレーピー感染マウスから
の組織均一化物を処理した。
類似した比較であって、PrPscのごく少量が潜伏して
いる組織サンプルの比較を行うために、非感染マウスの
組織均一化物で希釈されたスクレーピー感染マウスから
の組織均一化物を処理した。
【0162】図8は、ELISA法とウエスタンブロッ
ト法との感度比較を示している。すべての結果は各測定
のデータである。脳組織についての結果は、図8(A)
(ELISA法)、図8(B) (WB法)に示し、脾臓組
織についての結果は、図8(C)(ELISA法)、図8
(D) (WB法)に示す。
ト法との感度比較を示している。すべての結果は各測定
のデータである。脳組織についての結果は、図8(A)
(ELISA法)、図8(B) (WB法)に示し、脾臓組
織についての結果は、図8(C)(ELISA法)、図8
(D) (WB法)に示す。
【0163】(4-0) ELISA法及びWB法のサンプル
調製:脳組織は方法1で、脾臓組織は方法3で調製し
た。スクレーピー感染マウスから得られた組織均一化物
を、非感染マウスの対応する組織の 20mg 等価物からの
ホモジネート中で順次2倍ずつ希釈した。 23 倍 (即
ち、2.5mg/20mg に等しい組織等価物全量に対するスク
レーピー組織等価物の割合) から 211倍(9.8μg/20mg)
への希釈工程の結果を示す。
調製:脳組織は方法1で、脾臓組織は方法3で調製し
た。スクレーピー感染マウスから得られた組織均一化物
を、非感染マウスの対応する組織の 20mg 等価物からの
ホモジネート中で順次2倍ずつ希釈した。 23 倍 (即
ち、2.5mg/20mg に等しい組織等価物全量に対するスク
レーピー組織等価物の割合) から 211倍(9.8μg/20mg)
への希釈工程の結果を示す。
【0164】ELISA法(図8(A) 、図8(C) );
マイクロタイタープレートへの吸着に関し、各希釈工程
のサンプルは 20mg の組織等価物からの抽出物からな
り、脳組織及び脾臓組織についてそれぞれ 3M 及び 4M
の GdnSCN-PBS に溶解した。両組織とも、マイクロタイ
タープレートの 5個のウエルを非感染マウスからの 20m
g 当量の抽出物でコーティングし、ELISA法の負の
コントロール群(コントロール)とした。これらを図示
したが、標準偏差(S.D.)は小さすぎて図示していない。
また、カットオフラインは各平均値に 3 S.D. を加えた
値に相当している。
マイクロタイタープレートへの吸着に関し、各希釈工程
のサンプルは 20mg の組織等価物からの抽出物からな
り、脳組織及び脾臓組織についてそれぞれ 3M 及び 4M
の GdnSCN-PBS に溶解した。両組織とも、マイクロタイ
タープレートの 5個のウエルを非感染マウスからの 20m
g 当量の抽出物でコーティングし、ELISA法の負の
コントロール群(コントロール)とした。これらを図示
したが、標準偏差(S.D.)は小さすぎて図示していない。
また、カットオフラインは各平均値に 3 S.D. を加えた
値に相当している。
【0165】WB法(図8(B) 、図8(D) ); 各希釈工
程について、組み合わせ総量が 20mg の組織から採取し
た抽出物を使用して1レーン当たりの負荷を行った。薄
膜はフィルムに15時間露出させた。
程について、組み合わせ総量が 20mg の組織から採取し
た抽出物を使用して1レーン当たりの負荷を行った。薄
膜はフィルムに15時間露出させた。
【0166】(4-1) 脳組織 ELISA法は、28倍の希釈工程の場合に明らかに積極
的な反応が生じることそ示し、29倍の希釈工程において
もカットオフライン以上となることが分かった。このこ
とは、スクレーピー感染マウスからの脳組織が全ホモジ
ネート量の 1/512 にすぎない場合 (これは脳等価物 2
0mg の全量中の 39 μg に相当する。)でも、PrPsc
を検出できることを意味する(図8(A) )。
的な反応が生じることそ示し、29倍の希釈工程において
もカットオフライン以上となることが分かった。このこ
とは、スクレーピー感染マウスからの脳組織が全ホモジ
ネート量の 1/512 にすぎない場合 (これは脳等価物 2
0mg の全量中の 39 μg に相当する。)でも、PrPsc
を検出できることを意味する(図8(A) )。
【0167】一方、WB法は、薄膜を15時間露出させた
後に、28倍の希釈工程(これは1/256 の比率、即ち、 2
0mg の脳組織全量中の 78 μg のスクレーピー脳に相当
する。)で非常に弱いバンドを示すに過ぎなかった(図
8(B) )。
後に、28倍の希釈工程(これは1/256 の比率、即ち、 2
0mg の脳組織全量中の 78 μg のスクレーピー脳に相当
する。)で非常に弱いバンドを示すに過ぎなかった(図
8(B) )。
【0168】この結果、ELISA法はWB法と少なく
とも同等の感度を示していることがわかる。
とも同等の感度を示していることがわかる。
【0169】(4-2) 脾臓組織 ELISA法は、26倍の希釈工程の場合に明らかに積極
的な反応が生じることを示し、スクレーピー感染マウス
の脾臓組織が全量の 1/64 にすぎない(即ち、20mg の
脾臓等価物の全量中の 312.5μg に相当する。)場合で
も、PrPscが抽出物中に検出されたことを示す(図8
(C) )。
的な反応が生じることを示し、スクレーピー感染マウス
の脾臓組織が全量の 1/64 にすぎない(即ち、20mg の
脾臓等価物の全量中の 312.5μg に相当する。)場合で
も、PrPscが抽出物中に検出されたことを示す(図8
(C) )。
【0170】WB法は、15時間の露出後に、25倍以下の
希釈(これは、スクレーピー感染マウスの組織の 1/32
、即ち、20mgの脾臓組織等価物全量中の 625μg に相
当する。)で、24.5 kDa、21 kDa、17 kDaのPrPsc特
有のバンドを示した(図8(D))。
希釈(これは、スクレーピー感染マウスの組織の 1/32
、即ち、20mgの脾臓組織等価物全量中の 625μg に相
当する。)で、24.5 kDa、21 kDa、17 kDaのPrPsc特
有のバンドを示した(図8(D))。
【0171】従って、脾臓組織についても、ELISA
法の感度はWB法の感度以上に相当するものであること
が分かる。
法の感度はWB法の感度以上に相当するものであること
が分かる。
【0172】ここで、脾臓組織に関しELISA法によ
る積極的な結果を得るのに求められる組織等価物は、脳
組織に関して求められる組織等価物より 8倍多いだけで
あった。
る積極的な結果を得るのに求められる組織等価物は、脳
組織に関して求められる組織等価物より 8倍多いだけで
あった。
【0173】6.評価 マウスのスクレーピーは感染後 1週間目にWB法で診断
され (グレイスウォール他、1996年)、レイスとエ
ルンスト(1992b) は感染後 2週間目にPrPscのデノボ
合成を検出した。羊のスクレーピーもWB法によって感
染初期段階で診断された (イケガミ他、1991年 ;ム
ラマツ他、19993年)。
され (グレイスウォール他、1996年)、レイスとエ
ルンスト(1992b) は感染後 2週間目にPrPscのデノボ
合成を検出した。羊のスクレーピーもWB法によって感
染初期段階で診断された (イケガミ他、1991年 ;ム
ラマツ他、19993年)。
【0174】これらの結果を組織病理学(Histopatholo
gy)(レイス他、1992a)、電子顕微鏡法(ルーベンシュ
タイン他、1991年)、又は免疫組織化学法 (シュル
ーダー他、1996年)による羊の扁桃腺中のPrPsc
の予備臨床についての新しい報告の如き他の方法で得ら
れた結果と比較すると、WB法はスクレーピーの初期で
の最も高感度な方法の 1つであり、面倒なバイオアッセ
イ(bio assay) を省略できる。
gy)(レイス他、1992a)、電子顕微鏡法(ルーベンシュ
タイン他、1991年)、又は免疫組織化学法 (シュル
ーダー他、1996年)による羊の扁桃腺中のPrPsc
の予備臨床についての新しい報告の如き他の方法で得ら
れた結果と比較すると、WB法はスクレーピーの初期で
の最も高感度な方法の 1つであり、面倒なバイオアッセ
イ(bio assay) を省略できる。
【0175】また、腸壁(腹膜)内面の感染後 1週間目
に、マウスからの脾臓中のPrPscの検出が十分な組織
均一化物によって実現され、ホモジネートのコラゲナー
ゼ消化によって行われた(グレイスウォール他、199
6年)これによって、本発明者によるWB法の感度が他
の報告 (ルーベンシュタイン他、1991年;レイス及
びエルンスト 1992b)で述べられているマウス脾臓から
のPrPscの検出結果と少なくとも一致していることが
分かった。
に、マウスからの脾臓中のPrPscの検出が十分な組織
均一化物によって実現され、ホモジネートのコラゲナー
ゼ消化によって行われた(グレイスウォール他、199
6年)これによって、本発明者によるWB法の感度が他
の報告 (ルーベンシュタイン他、1991年;レイス及
びエルンスト 1992b)で述べられているマウス脾臓から
のPrPscの検出結果と少なくとも一致していることが
分かった。
【0176】本発明者は、WB法と感度が少なくとも同
等であり、容易かつ短時間に検出可能なELISA法を
脳組織及び脾臓組織に適用した。
等であり、容易かつ短時間に検出可能なELISA法を
脳組織及び脾臓組織に適用した。
【0177】スクレーピー診断にELISA法を開発す
る上での大きな障害は、PrPscが容易に沈積状態に凝
集することであった (メイヤー他、1986年)。スク
レーピー感染組織のギ酸又は SDSでの予備処理(カスク
サック他、1987年)更に、純粋なPrPscの GdnSC
N での変性 (これはマイクロタイタープレートへの吸着
後に行われた ;サーバン他、1990年)が報告されて
おり、これは、抗 PrP抗体の免疫反応性を増大させる。
また、マイクロタイタープレートへの BSA牛胎児血清 )
の吸着がグアニジンの存在下で向上することが報告され
た(ズー他、1993年)グアニジンはおそらく、抗原
性サイトが生じることによって次々と耐プリオン蛋白質
抗体の免疫反応性を増大させるPrPscの展開を促進さ
せるものと考えられる。
る上での大きな障害は、PrPscが容易に沈積状態に凝
集することであった (メイヤー他、1986年)。スク
レーピー感染組織のギ酸又は SDSでの予備処理(カスク
サック他、1987年)更に、純粋なPrPscの GdnSC
N での変性 (これはマイクロタイタープレートへの吸着
後に行われた ;サーバン他、1990年)が報告されて
おり、これは、抗 PrP抗体の免疫反応性を増大させる。
また、マイクロタイタープレートへの BSA牛胎児血清 )
の吸着がグアニジンの存在下で向上することが報告され
た(ズー他、1993年)グアニジンはおそらく、抗原
性サイトが生じることによって次々と耐プリオン蛋白質
抗体の免疫反応性を増大させるPrPscの展開を促進さ
せるものと考えられる。
【0178】これらの観察及び考察に基づいて、本発明
者は、PrPsc含有物質を直接溶解させるために 1M 〜
5M(特に3M及び4M)の GdnSCN を用い、この濃度での G
dnSCN の存在下でマイクロタイタープレートへのPrP
scの吸着に成功した。
者は、PrPsc含有物質を直接溶解させるために 1M 〜
5M(特に3M及び4M)の GdnSCN を用い、この濃度での G
dnSCN の存在下でマイクロタイタープレートへのPrP
scの吸着に成功した。
【0179】ELISA法で分析可能な組織等価量の限
界、即ち、感度の向上が見込めない限界値は、 40mg 付
近 (データは図示せず) にある。
界、即ち、感度の向上が見込めない限界値は、 40mg 付
近 (データは図示せず) にある。
【0180】ELISA法の利点は、多くのサンプルを
1回で分析できるため、潜在的に感染された動物を大量
に診断、選別することによって、感染による病気をコン
トロールするという広汎な用途に導けることである。
1回で分析できるため、潜在的に感染された動物を大量
に診断、選別することによって、感染による病気をコン
トロールするという広汎な用途に導けることである。
【0181】PrPscの検出を経て TSE (伝播性海綿状
脳症:Transmissible Spongiform Encephalopathies)を
実際に診断する方法に対する障害は、血液又はその成分
を未だ診断に使用しにくいことにある。PrPscは脳又
はリンパ線組織から抽出されるべきものであるから、サ
ンプル調製は最も時間を要するファクタである。脳組織
について適用される方法(方法1)はかなり簡単な方法
であり、高感度化に導くものである。但し、方法1は、
脾臓組織には十分ではない。これに関して、Sarksyl に
よる PrPscの抽出及びこれに続く NaCl による塩析 (方
法3) によって、感度が向上し、非特異性シグナルが減
少する。
脳症:Transmissible Spongiform Encephalopathies)を
実際に診断する方法に対する障害は、血液又はその成分
を未だ診断に使用しにくいことにある。PrPscは脳又
はリンパ線組織から抽出されるべきものであるから、サ
ンプル調製は最も時間を要するファクタである。脳組織
について適用される方法(方法1)はかなり簡単な方法
であり、高感度化に導くものである。但し、方法1は、
脾臓組織には十分ではない。これに関して、Sarksyl に
よる PrPscの抽出及びこれに続く NaCl による塩析 (方
法3) によって、感度が向上し、非特異性シグナルが減
少する。
【0182】この方法は、時間がかかるが、ごく少量の
PrPscを検査するのに有用である。一方、PrPscの抽
出及び塩析を省略し、サンプル調製(濃縮)を方法5で
行うと、ELISA法の感度が約 2倍低下するが、なお
も、WB法と同等であった (データは示さず) 。このこ
とと、方法5が方法3よりも短時間で行える事実とか
ら、方法5は診断にとって実用可能であると考えられ
る。
PrPscを検査するのに有用である。一方、PrPscの抽
出及び塩析を省略し、サンプル調製(濃縮)を方法5で
行うと、ELISA法の感度が約 2倍低下するが、なお
も、WB法と同等であった (データは示さず) 。このこ
とと、方法5が方法3よりも短時間で行える事実とか
ら、方法5は診断にとって実用可能であると考えられ
る。
【0183】本実施例を行うなかで見出されたWB法に
おける 0.6mgの脾臓組織のPrPsc検出限界は、公知の
0.3mgの検出限界(グレイスウォール他、1996年)
とほぼ同等であった。この場合、最終的な組織抽出物は
SDS-PAGE サンプルバッファによって希釈しているが、
通常の組織ホモジネートを希釈剤として用いて、最初の
抽出工程後に順次希釈を行ているため、PrPsc検出条
件はあまり有利ではなかった。ELISA法について報
告されている極限の検出限界はより困難な条件を考慮し
て見出されるべきである。
おける 0.6mgの脾臓組織のPrPsc検出限界は、公知の
0.3mgの検出限界(グレイスウォール他、1996年)
とほぼ同等であった。この場合、最終的な組織抽出物は
SDS-PAGE サンプルバッファによって希釈しているが、
通常の組織ホモジネートを希釈剤として用いて、最初の
抽出工程後に順次希釈を行ているため、PrPsc検出条
件はあまり有利ではなかった。ELISA法について報
告されている極限の検出限界はより困難な条件を考慮し
て見出されるべきである。
【0184】脳組織についての結果を脾臓組織のそれと
比較すると(図6、図7及び図8)、脳組織中のPrP
sc量は脾臓組織中のPrPsc量の 8〜30倍であるものと
考えられる。異なるマウス適用の TSEは脾臓組織に含ま
れるPrPscで変化することを考慮しても、ルーベンシ
ュタイン等(1993)によってスクレーピー感染マウスで発
見された 500倍よりもかなり少なく、また、感染の終わ
りの段階で CJD (Creutfelt Jakob disease)感染マウス
においてサカグチ等(1993)によって発見された50 倍以
上よりも少ない。ラズメザス等(1996a)のみが細菌、マ
ウスモデルに関する約30倍の差を報告した。
比較すると(図6、図7及び図8)、脳組織中のPrP
sc量は脾臓組織中のPrPsc量の 8〜30倍であるものと
考えられる。異なるマウス適用の TSEは脾臓組織に含ま
れるPrPscで変化することを考慮しても、ルーベンシ
ュタイン等(1993)によってスクレーピー感染マウスで発
見された 500倍よりもかなり少なく、また、感染の終わ
りの段階で CJD (Creutfelt Jakob disease)感染マウス
においてサカグチ等(1993)によって発見された50 倍以
上よりも少ない。ラズメザス等(1996a)のみが細菌、マ
ウスモデルに関する約30倍の差を報告した。
【0185】本発明者は、PrPsc回収を高効率に行う
ことが改善されたサンプル調製で実現することを考慮し
ている。そして、マウス脾臓中のPrPsc量はこれまで
考えられていたものより多いように思われる。
ことが改善されたサンプル調製で実現することを考慮し
ている。そして、マウス脾臓中のPrPsc量はこれまで
考えられていたものより多いように思われる。
【0186】予備臨床に関するリンパ線組織の潜在力に
着目して、ヴァン・クーレン等(1996) は免疫組織化学
法によってPrPsc量を幾つかの上記組織について調べ
た。この研究によれば、扁桃腺、脾臓及び腸間リンパ節
はこの順に、予備臨床の最も好適な組織である。本発明
者は、実験的モデル (イケガミ他、1991年) 及び天
然の羊スクレーピー (ムラマツ他、1993年)の双方
について、スクレーピーの予備臨床段階での生検表面リ
ンパ節に含まれるPrPscを検出したことを報告した。
しかし、PrPsc量と各組織の得られ易さとを考える
と、シュルーダー等(1996)において提案されているよう
に、扁桃腺の生検及び検査は、生前試験(antemortem t
est)としてより適していると思える。
着目して、ヴァン・クーレン等(1996) は免疫組織化学
法によってPrPsc量を幾つかの上記組織について調べ
た。この研究によれば、扁桃腺、脾臓及び腸間リンパ節
はこの順に、予備臨床の最も好適な組織である。本発明
者は、実験的モデル (イケガミ他、1991年) 及び天
然の羊スクレーピー (ムラマツ他、1993年)の双方
について、スクレーピーの予備臨床段階での生検表面リ
ンパ節に含まれるPrPscを検出したことを報告した。
しかし、PrPsc量と各組織の得られ易さとを考える
と、シュルーダー等(1996)において提案されているよう
に、扁桃腺の生検及び検査は、生前試験(antemortem t
est)としてより適していると思える。
【0187】上述した実施例から、脳及び脾臓組織から
のPrPsc検出のために、 ABC法と共にELISA法を
使用する方法は、少なくともWB法と同等の感度が得ら
れると結論づけられる。また、このELISA法を羊の
スクレーピーや牛のBSE の診断に適用すれば、現行のW
B法に比べて、より実用的な、速い診断ができると思わ
れる。しかしながら、調査方法として適当なものにする
ためには、PrPscの抽出に要する手間をより簡便にす
る必要がある。
のPrPsc検出のために、 ABC法と共にELISA法を
使用する方法は、少なくともWB法と同等の感度が得ら
れると結論づけられる。また、このELISA法を羊の
スクレーピーや牛のBSE の診断に適用すれば、現行のW
B法に比べて、より実用的な、速い診断ができると思わ
れる。しかしながら、調査方法として適当なものにする
ためには、PrPscの抽出に要する手間をより簡便にす
る必要がある。
【0188】原組織抽出物や GdnSCN 溶解物に含まれる
PrPscをマイクロタイタープレートに容易に吸着でき
ることは、より高感度にPrPscの検出を可能にする上
で基本事項と考えられる。発色ELISA法はWB法に
比べてわずかに高感度であるが、蛍光物質や化学発光物
質のような発色試薬を使用することで、さらに感度を向
上させることができる。
PrPscをマイクロタイタープレートに容易に吸着でき
ることは、より高感度にPrPscの検出を可能にする上
で基本事項と考えられる。発色ELISA法はWB法に
比べてわずかに高感度であるが、蛍光物質や化学発光物
質のような発色試薬を使用することで、さらに感度を向
上させることができる。
【0189】
【発明の作用効果】本発明の検出方法によれば、動物組
織由来物質から病原性プリオン蛋白質を検出する病原性
プリオン蛋白質の検出方法において、前記動物組織由来
物質の種類に応じた界面活性剤と酵素とを用いて前記動
物組織由来物質を均一化する第1の工程と、前記第1の
工程で得られた均一化物を分解酵素を用いて分解処理す
る第2の工程と、前記第2の工程で分解された前記均一
化物から前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮物を
得る第3の工程とを有する前記病原性プリオン蛋白質の
濃縮工程を経て、前記病原性プリオン蛋白質を含有する
濃縮物を溶剤に溶解して前記濃縮物の溶解物を得る第4
の工程と、この溶解物中の前記病原性プリオン蛋白質を
吸着面に吸着させる第5の工程と、前記第5の工程にお
いて吸着された前記病原性プリオン蛋白質を発色させる
第6の工程とを有する酵素免疫吸着測定法によって前記
病原性プリオン蛋白質を検出することを特徴としてお
り、まず、病原性プリオン蛋白質の濃縮工程において、
上述した第1の工程〜第3の工程を有しており、特に、
動物組織由来物質の種類に応じた界面活性剤を用いてこ
れを均一化しているので、前記動物組織由来物質に蓄積
される病原性プリオン蛋白質の蓄積濃度が比較的小さく
ても、これを十分に濃縮させることができる。
織由来物質から病原性プリオン蛋白質を検出する病原性
プリオン蛋白質の検出方法において、前記動物組織由来
物質の種類に応じた界面活性剤と酵素とを用いて前記動
物組織由来物質を均一化する第1の工程と、前記第1の
工程で得られた均一化物を分解酵素を用いて分解処理す
る第2の工程と、前記第2の工程で分解された前記均一
化物から前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮物を
得る第3の工程とを有する前記病原性プリオン蛋白質の
濃縮工程を経て、前記病原性プリオン蛋白質を含有する
濃縮物を溶剤に溶解して前記濃縮物の溶解物を得る第4
の工程と、この溶解物中の前記病原性プリオン蛋白質を
吸着面に吸着させる第5の工程と、前記第5の工程にお
いて吸着された前記病原性プリオン蛋白質を発色させる
第6の工程とを有する酵素免疫吸着測定法によって前記
病原性プリオン蛋白質を検出することを特徴としてお
り、まず、病原性プリオン蛋白質の濃縮工程において、
上述した第1の工程〜第3の工程を有しており、特に、
動物組織由来物質の種類に応じた界面活性剤を用いてこ
れを均一化しているので、前記動物組織由来物質に蓄積
される病原性プリオン蛋白質の蓄積濃度が比較的小さく
ても、これを十分に濃縮させることができる。
【0190】さらに、第4の工程から第6の工程を有す
る酵素免疫吸着測定法に基づいてこれを検出しているの
で、病原性プリオン蛋白質を特異的に、かつ強固に吸着
(固定化)させることができ、迅速かつ簡便に、そして
高感度でこれを検出することができる。
る酵素免疫吸着測定法に基づいてこれを検出しているの
で、病原性プリオン蛋白質を特異的に、かつ強固に吸着
(固定化)させることができ、迅速かつ簡便に、そして
高感度でこれを検出することができる。
【0191】即ち、本発明の検出方法によれば、例えば
牛や羊などをプリオン病(スクレーピーやBSE)感染
初期の段階で診断、選別することが可能となり、また、
これを大量かつ迅速に行うことができる。
牛や羊などをプリオン病(スクレーピーやBSE)感染
初期の段階で診断、選別することが可能となり、また、
これを大量かつ迅速に行うことができる。
【0192】また、本発明の第1の濃縮方法及び第2の
濃縮方法によれば、動物組織由来物質から病原性プリオ
ン蛋白質を検出する病原性プリオン蛋白質の検出方法の
実施に際し、検出されるべき前記病原性プリオン蛋白質
を濃縮する方法において、蓄積濃度が比較的小さくても
これを十分に濃縮できる有効な濃縮方法を提供できる。
濃縮方法によれば、動物組織由来物質から病原性プリオ
ン蛋白質を検出する病原性プリオン蛋白質の検出方法の
実施に際し、検出されるべき前記病原性プリオン蛋白質
を濃縮する方法において、蓄積濃度が比較的小さくても
これを十分に濃縮できる有効な濃縮方法を提供できる。
【図1】本実施例における病原性プリオン蛋白質の濃縮
方法の概要を示すフロー図である。
方法の概要を示すフロー図である。
【図2】同、他の濃縮方法の概要を示すフロー図であ
る。
る。
【図3】同、他の濃縮方法の概要を示すフロー図であ
る。
る。
【図4】同、病原性プリオン蛋白質の検出に用いる酵素
免疫吸着測定法の概要を示すフロー図である。
免疫吸着測定法の概要を示すフロー図である。
【図5】同、酵素免疫吸着測定法における吸着の前段階
で使用する溶剤の種類及び濃度による病原性プリオン蛋
白質の検出能の変化を示すグラフである(脳組織(A) 、
脾臓組織(B) )。
で使用する溶剤の種類及び濃度による病原性プリオン蛋
白質の検出能の変化を示すグラフである(脳組織(A) 、
脾臓組織(B) )。
【図6】同、発色法による検出能を示すグラフである
(脳組織(A) 、脾臓組織(B) )。
(脳組織(A) 、脾臓組織(B) )。
【図7】同、病原性プリオン蛋白質の濃縮方法による検
出能を示すグラフである(脳組織(A) 、脾臓組織(B)
)。
出能を示すグラフである(脳組織(A) 、脾臓組織(B)
)。
【図8】同、酵素免疫吸着測定法における検出能を示す
グラフ(脳組織(A) 、脾臓組織(C) )、及びWB法にお
ける検出能を示す図(脳組織(B) 、脾臓組織(D) )であ
る。
グラフ(脳組織(A) 、脾臓組織(C) )、及びWB法にお
ける検出能を示す図(脳組織(B) 、脾臓組織(D) )であ
る。
Claims (28)
- 【請求項1】 動物組織由来物質から病原性プリオン蛋
白質を検出する病原性プリオン蛋白質の検出方法におい
て、 前記動物組織由来物質の種類に応じた界面活性剤と酵素
とを用いて前記動物組織由来物質を均一化する第1の工
程と、 前記第1の工程で得られた均一化物を分解酵素を用いて
分解処理する第2の工程と、 前記第2の工程で分解された前記均一化物から前記病原
性プリオン蛋白質を含有する濃縮物を得る第3の工程と
を有する前記病原性プリオン蛋白質の濃縮工程を経て、 前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮物を溶剤に溶
解して前記濃縮物の溶解物を得る第4の工程と、 この溶解物中の前記病原性プリオン蛋白質を吸着面に吸
着させる第5の工程と、 前記第5の工程において吸着された前記病原性プリオン
蛋白質を発色させる第6の工程とを有する酵素免疫吸着
測定法によって前記病原性プリオン蛋白質を検出するこ
とを特徴とする、病原性プリオン蛋白質の検出方法。 - 【請求項2】 前記動物組織由来物質を中枢神経系組織
とし、前記界面活性剤をN−ドデシル−N,N−ジメチ
ル−3−アミノ−1−プロパンスルホネート又はt−オ
クチルフェノキシポリエトキシエタノールからなる非イ
オン性界面活性剤とする、請求項1に記載した病原性プ
リオン蛋白質の検出方法。 - 【請求項3】 前記中枢神経系組織を脳組織とする、請
求項2に記載した病原性プリオン蛋白質の検出方法。 - 【請求項4】 前記動物組織由来物質を細網リンパ系組
織とし、前記界面活性剤をt−オクチルフェノキシポリ
エトキシエタノールからなる非イオン性界面活性剤とす
る、請求項1に記載した病原性プリオン蛋白質の検出方
法。 - 【請求項5】 前記細網リンパ系組織を脾臓組織とす
る、請求項4に記載した病原性プリオン蛋白質の検出方
法。 - 【請求項6】 前記第2の工程において、前記分解酵素
としてコラーゲン分解酵素及びDNA分解酵素を用いて
前記均一化物を分解し、さらに蛋白質分解酵素を用いて
分解する、請求項1に記載した病原性プリオン蛋白質の
検出方法。 - 【請求項7】 前記第2の工程において、前記分解酵素
として植物プロテアーゼ及び/又は微生物プロテアーゼ
を用いて前記均一化物を分解する、請求項1に記載した
病原性プリオン蛋白質の検出方法。 - 【請求項8】 前記濃縮工程中に、前記第3の工程で得
られた前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮物を分
解酵素を用いて分解し、次いで分離後に塩析処理を施す
工程を更に有する、請求項1に記載した病原性プリオン
蛋白質の検出方法。 - 【請求項9】 前記濃縮工程中に、前記第3の工程で得
られた前記病原性プリオン蛋白質を含有する濃縮物を界
面活性剤で洗浄する洗浄工程を更に有する、請求項1に
記載した病原性プリオン蛋白質の検出方法。 - 【請求項10】 前記界面活性剤をN−ドデシル−N,
N−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホネート
からなる非イオン性界面活性剤とする、請求項9に記載
した病原性プリオン蛋白質の検出方法。 - 【請求項11】 前記第4の工程における前記溶剤とし
てグアニジンチオシアネートを使用する、請求項1に記
載した病原性プリオン蛋白質の検出方法。 - 【請求項12】 1〜5モル濃度の前記グアニジンチオ
シアネートを使用する、請求項11に記載した病原性プ
リオン蛋白質の検出方法。 - 【請求項13】 前記吸着面を一次抗体で形成し、この
一次抗体と前記病原性プリオン蛋白質との抗原−抗体複
合体を前記吸着面に生成させる、請求項1に記載した病
原性プリオン蛋白質の検出方法。 - 【請求項14】 前記第6の工程において、前記病原性
プリオン蛋白質を発色させ、その発色濃度を検出する、
請求項1に記載した病原性プリオン蛋白質の検出方法。 - 【請求項15】 前記発色を蛍光発光で行う、請求項1
4に記載した病原性プリオン蛋白質の検出方法。 - 【請求項16】 前記蛍光発光の発光剤として化学発光
物質を用いる、請求項15に記載した病原性プリオン蛋
白質の検出方法。 - 【請求項17】 動物組織由来物質から病原性プリオン
蛋白質を検出する病原性プリオン蛋白質の検出方法の実
施に際し、検出されるべき前記病原性プリオン蛋白質を
濃縮する方法において、 前記動物組織由来物質の種類に応じたN−ドデシル−
N,N−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホネ
ート又はt−オクチルフェノキシポリエトキシエタノー
ルと酵素とを用いて前記動物組織由来物質を均一化する
第1の工程と、 前記第1の工程で得られた均一化物を分解酵素を用いて
分解処理する第2の工程と、 前記第2の工程で分解された前記均一化物から前記病原
性プリオン蛋白質を含有する濃縮物を得る第3の工程と
を有することを特徴とする、病原性プリオン蛋白質の濃
縮方法。 - 【請求項18】 前記動物組織由来物質を中枢神経系組
織とする、請求項17に記載した病原性プリオン蛋白質
の濃縮方法。 - 【請求項19】 前記中枢神経系組織を脳組織とする、
請求項18に記載した病原性プリオン蛋白質の濃縮方
法。 - 【請求項20】 前記第2の工程において、前記分解酵
素としてコラーゲン分解酵素及びDNA分解酵素を用い
て前記均一化物を分解し、さらに蛋白質分解酵素を用い
て分解する、請求項17に記載した病原性プリオン蛋白
質の濃縮方法。 - 【請求項21】 前記第2の工程において、前記分解酵
素として植物プロテアーゼ及び/又は微生物プロテアー
ゼを用いて前記均一化物を分解する、請求項17に記載
した病原性プリオン蛋白質の濃縮方法。 - 【請求項22】 前記第3の工程で得られた前記病原性
プリオン蛋白質を含有する濃縮物を分解酵素を用いて分
解し、次いで分離後に塩析処理を施す工程を更に有す
る、請求項17に記載した病原性プリオン蛋白質の濃縮
方法。 - 【請求項23】 前記第3の工程で得られた前記病原性
プリオン蛋白質を含有する濃縮物を界面活性剤で洗浄す
る洗浄工程を更に有する、請求項17に記載した病原性
プリオン蛋白質の濃縮方法。 - 【請求項24】 動物組織由来物質から病原性プリオン
蛋白質を検出する病原性プリオン蛋白質の検出方法の実
施に際し、検出されるべき前記病原性プリオン蛋白質を
濃縮する方法において、 前記動物組織由来物質の種類に応じた界面活性剤と酵素
とを用いて前記動物組織由来物質を均一化する第1の工
程と、 前記第1の工程で得られた均一化物を分解酵素を用いて
分解処理する第2の工程と、 前記第2の工程で分解された前記均一化物から前記病原
性プリオン蛋白質を含有する濃縮物を得る第3の工程と
前記第3の工程で得られた前記病原性プリオン蛋白質を
含有する濃縮物をN−ドデシル−N,N−ジメチル−3
−アミノ−1−プロパンスルホネートからなる非イオン
性界面活性剤で洗浄する洗浄工程とを有することを特徴
とする、病原性プリオン蛋白質の濃縮方法。 - 【請求項25】 前記動物組織由来物質を細網リンパ系
組織とする、請求項24に記載した病原性プリオン蛋白
質の濃縮方法。 - 【請求項26】 前記細網リンパ系組織を脾臓組織とす
る、請求項25に記載した病原性プリオン蛋白質の濃縮
方法。 - 【請求項27】 前記第2の工程において、前記分解酵
素としてコラーゲン分解酵素及びDNA分解酵素を用い
て前記均一化物を分解し、さらに蛋白質分解酵素を用い
て分解する、請求項24に記載した病原性プリオン蛋白
質の濃縮方法。 - 【請求項28】 前記第2の工程において、前記分解酵
素として植物プロテアーゼ及び/又は微生物プロテアー
ゼを用いて前記均一化物を分解する、請求項24に記載
した病原性プリオン蛋白質の濃縮方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19380197A JPH1132795A (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | 病原性プリオン蛋白質の検出方法及びその濃縮方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19380197A JPH1132795A (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | 病原性プリオン蛋白質の検出方法及びその濃縮方法 |
Related Child Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2004231819A Division JP4049135B2 (ja) | 2004-08-09 | 2004-08-09 | 病原性プリオン蛋白質の検出方法及びその濃縮方法、並びにその濃縮又は検出試薬キット |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1132795A true JPH1132795A (ja) | 1999-02-09 |
| JPH1132795A5 JPH1132795A5 (ja) | 2005-06-02 |
Family
ID=16314009
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19380197A Pending JPH1132795A (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | 病原性プリオン蛋白質の検出方法及びその濃縮方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1132795A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| WO2009066454A1 (ja) | 2007-11-20 | 2009-05-28 | Morinaga Milk Industry Co., Ltd. | 異常型プリオン蛋白質結合剤および異常型プリオン蛋白質の検出方法 |
-
1997
- 1997-07-18 JP JP19380197A patent/JPH1132795A/ja active Pending
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