JPH11328761A - 光磁気記録媒体および光磁気再生方法 - Google Patents
光磁気記録媒体および光磁気再生方法Info
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- JPH11328761A JPH11328761A JP12893198A JP12893198A JPH11328761A JP H11328761 A JPH11328761 A JP H11328761A JP 12893198 A JP12893198 A JP 12893198A JP 12893198 A JP12893198 A JP 12893198A JP H11328761 A JPH11328761 A JP H11328761A
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- magnetic
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 隣接する情報トラック間の磁性層の磁気的結
合の分断を必要とせず、磁性膜の変質や欠陥を引き起こ
さない光磁気記録媒体、ないしはその光磁気再生方法を
提供する。 【解決手段】 光磁気記録媒体には、第1〜第3磁性層
11〜13が設けられ、これらのキュリー温度の関係
が、Tc1>Tc2かつTc3>Tc2とされている。そし
て、再生磁界Hrにより形成されたリアマスクの遷移副
格子磁化と記録マークの遷移副格子磁化とが平行となる
ようにレーザビームと再生磁界とが加えられたときに、
記録マークが媒体移動方向に拡大するようになってお
り、これにより磁性膜の変質や欠陥が防止される。
合の分断を必要とせず、磁性膜の変質や欠陥を引き起こ
さない光磁気記録媒体、ないしはその光磁気再生方法を
提供する。 【解決手段】 光磁気記録媒体には、第1〜第3磁性層
11〜13が設けられ、これらのキュリー温度の関係
が、Tc1>Tc2かつTc3>Tc2とされている。そし
て、再生磁界Hrにより形成されたリアマスクの遷移副
格子磁化と記録マークの遷移副格子磁化とが平行となる
ようにレーザビームと再生磁界とが加えられたときに、
記録マークが媒体移動方向に拡大するようになってお
り、これにより磁性膜の変質や欠陥が防止される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報を磁性膜の磁
区パターンとして記録する一方、該情報の再生を磁気光
学効果を用いて行う光磁気記録媒体等に関するものであ
って、より詳しくは、磁区パターンとして記録された記
録マークの磁壁を再生時に移動させて記録マークを拡大
させることにより再生信号を増大させ、再生光学系の分
解能より小さな記録マークの再生を可能にした光磁気記
録媒体および光磁気再生方法に関するものである。
区パターンとして記録する一方、該情報の再生を磁気光
学効果を用いて行う光磁気記録媒体等に関するものであ
って、より詳しくは、磁区パターンとして記録された記
録マークの磁壁を再生時に移動させて記録マークを拡大
させることにより再生信号を増大させ、再生光学系の分
解能より小さな記録マークの再生を可能にした光磁気記
録媒体および光磁気再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、光磁気記録媒体において情報を
記録する際には、該情報を、レーザ光による熱磁気記録
法により、垂直磁気異方性を有する磁性膜に磁区パター
ンとして記録するようにしている。具体的には、例え
ば、磁性膜の初期磁化状態を下向き磁化としておき、こ
れに上向き磁化の領域からなる記録マークを形成するこ
とにより、かかる磁区パターンを形成することができ
る。また、かかる光磁気記録媒体において情報を再生す
る際には、カー効果と呼ばれる磁気光学効果により、磁
性膜の磁化方向を電気信号に変換して検出するようにし
ている。そして、昨今の光磁気記録媒体の高記録密度化
への要望に応えるため、再生に用いる光の波長と再生光
学系の光学的分解能を超えるような非常に微細な記録マ
ークを再生する技術が開発されている。かかる微細な記
録マークの再生を、記録媒体の工夫により達成する手法
の1つとして、磁気超解像再生法が従来より知られてい
る。この手法では、磁性多層膜において、再生スポット
内に磁気的に一方向に揃ったマスク領域を形成すること
により、従来に比べマスクにより狭くなった検出領域で
のみ転写された記録マークを検出するため、信号検出領
域が実質的に制限され、光学系の分解能を超えた再生が
可能になる。
記録する際には、該情報を、レーザ光による熱磁気記録
法により、垂直磁気異方性を有する磁性膜に磁区パター
ンとして記録するようにしている。具体的には、例え
ば、磁性膜の初期磁化状態を下向き磁化としておき、こ
れに上向き磁化の領域からなる記録マークを形成するこ
とにより、かかる磁区パターンを形成することができ
る。また、かかる光磁気記録媒体において情報を再生す
る際には、カー効果と呼ばれる磁気光学効果により、磁
性膜の磁化方向を電気信号に変換して検出するようにし
ている。そして、昨今の光磁気記録媒体の高記録密度化
への要望に応えるため、再生に用いる光の波長と再生光
学系の光学的分解能を超えるような非常に微細な記録マ
ークを再生する技術が開発されている。かかる微細な記
録マークの再生を、記録媒体の工夫により達成する手法
の1つとして、磁気超解像再生法が従来より知られてい
る。この手法では、磁性多層膜において、再生スポット
内に磁気的に一方向に揃ったマスク領域を形成すること
により、従来に比べマスクにより狭くなった検出領域で
のみ転写された記録マークを検出するため、信号検出領
域が実質的に制限され、光学系の分解能を超えた再生が
可能になる。
【0003】しかしながら、かかる磁気超解像再生法に
おいては、再生分解能を向上させようとすると有効に使
用される信号検出領域を狭くする必要があるので、再生
信号振幅自体は低下するといった問題がある。そこで、
この問題点を解決する手法として、信号検出領域を狭く
するのではなく、記録マークを拡大して再生するといっ
た手法が提案されている。例えば、特開平6−2904
96号公報には、基本的には3層からなる磁性層で構成
された光磁気記録媒体と、この光磁気記録媒体の記録情
報を再生する際に再生ビームによって形成された温度勾
配によって記録マークの磁壁を移動させて記録マークを
拡大再生するといった方法とが開示されている。本明細
書において、以下ではこの再生方法を「磁壁移動検出
法」と呼ぶことにする。
おいては、再生分解能を向上させようとすると有効に使
用される信号検出領域を狭くする必要があるので、再生
信号振幅自体は低下するといった問題がある。そこで、
この問題点を解決する手法として、信号検出領域を狭く
するのではなく、記録マークを拡大して再生するといっ
た手法が提案されている。例えば、特開平6−2904
96号公報には、基本的には3層からなる磁性層で構成
された光磁気記録媒体と、この光磁気記録媒体の記録情
報を再生する際に再生ビームによって形成された温度勾
配によって記録マークの磁壁を移動させて記録マークを
拡大再生するといった方法とが開示されている。本明細
書において、以下ではこの再生方法を「磁壁移動検出
法」と呼ぶことにする。
【0004】なお、本明細書において「記録マーク」と
は、周囲と逆向きの方向に磁化された磁区を意味する。
したがって、本明細書では、周囲が下向き磁化であり、
記録マークが上向き磁化である場合を例にとって説明を
行っているが、これとは逆に周囲が上向き磁化であり記
録マークが下向き磁化であり場合でも、同様の説明が成
り立つことはいうまでもない。
は、周囲と逆向きの方向に磁化された磁区を意味する。
したがって、本明細書では、周囲が下向き磁化であり、
記録マークが上向き磁化である場合を例にとって説明を
行っているが、これとは逆に周囲が上向き磁化であり記
録マークが下向き磁化であり場合でも、同様の説明が成
り立つことはいうまでもない。
【0005】また、一般に記録方式としては、記録マー
クが存在する位置に情報を担わせるマークポジション記
録方式と、記録マークの前縁および後縁に情報を担わせ
るマークエッジ記録方式とがあるが、本発明の光磁気記
録媒体においては、いずれの記録方式についても同様の
作用・効果があるので、本明細書では両記録方式をとく
には区別せずに説明する。
クが存在する位置に情報を担わせるマークポジション記
録方式と、記録マークの前縁および後縁に情報を担わせ
るマークエッジ記録方式とがあるが、本発明の光磁気記
録媒体においては、いずれの記録方式についても同様の
作用・効果があるので、本明細書では両記録方式をとく
には区別せずに説明する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
磁壁移動検出法を用いる光磁気記録媒体においては、ノ
イズの少ない良好な再生信号を得ようとすると、隣接す
る情報トラック間の磁性層の磁気的結合を分断する必要
がある。これは、情報トラック間の磁性膜が物理的ない
しは物性的に連続した一様な膜である場合は、記録マー
クは閉じた磁壁で周囲を囲まれた磁区として存在するの
で、この記録マークを拡大させる方向に磁壁を移動させ
ようとすると、必然的に磁壁面積が拡大して磁壁の有す
るエネルギーが大きくなり、その結果磁壁移動の動作が
不安定となるからであると考えられる。この問題を避け
るため、前記の特開平6ー290496号公報には、磁
気的結合を分断するための3つの方法が挙げられてい
る。
磁壁移動検出法を用いる光磁気記録媒体においては、ノ
イズの少ない良好な再生信号を得ようとすると、隣接す
る情報トラック間の磁性層の磁気的結合を分断する必要
がある。これは、情報トラック間の磁性膜が物理的ない
しは物性的に連続した一様な膜である場合は、記録マー
クは閉じた磁壁で周囲を囲まれた磁区として存在するの
で、この記録マークを拡大させる方向に磁壁を移動させ
ようとすると、必然的に磁壁面積が拡大して磁壁の有す
るエネルギーが大きくなり、その結果磁壁移動の動作が
不安定となるからであると考えられる。この問題を避け
るため、前記の特開平6ー290496号公報には、磁
気的結合を分断するための3つの方法が挙げられてい
る。
【0007】すなわち、第1に、情報トラックと情報ト
ラックとの間に矩形の案内溝を設け、案内溝側面の磁性
膜厚を薄くするといった方法が開示されている。第2
に、情報トラックと情報トラックとの間の案内溝部分の
磁性膜を高出力レーザーでアニールして磁気的性質を変
質させるといった方法が開示されている。そして、第3
に、エッチング処理によってパターンニングするといっ
た方法が開示されている。なお、第1の方法の変形例と
して、ランド部と矩形溝部とを略同一幅に構成し、ラン
ドおよび矩形溝の両方を情報トラックとして用いるとい
った方法(いわゆるランド・グルーブ記録法)も考えら
れる。これらの方法は、いずれも隣接する情報トラック
同士を物理的形状ないしは物性の変化を伴う方法によっ
て分断して、磁壁面積を増加させることなく記録マーク
を拡大させようとするものである。
ラックとの間に矩形の案内溝を設け、案内溝側面の磁性
膜厚を薄くするといった方法が開示されている。第2
に、情報トラックと情報トラックとの間の案内溝部分の
磁性膜を高出力レーザーでアニールして磁気的性質を変
質させるといった方法が開示されている。そして、第3
に、エッチング処理によってパターンニングするといっ
た方法が開示されている。なお、第1の方法の変形例と
して、ランド部と矩形溝部とを略同一幅に構成し、ラン
ドおよび矩形溝の両方を情報トラックとして用いるとい
った方法(いわゆるランド・グルーブ記録法)も考えら
れる。これらの方法は、いずれも隣接する情報トラック
同士を物理的形状ないしは物性の変化を伴う方法によっ
て分断して、磁壁面積を増加させることなく記録マーク
を拡大させようとするものである。
【0008】しかしながら、上記の第1の方法において
は、矩形溝によって磁気的結合を切断するには溝の深さ
を非常に深くし、かつ溝側面の磁性膜厚を薄くする必要
があり、そのためには成膜時に磁性原子を基板に垂直入
射させるなどといった特殊な成膜法が必要とされる。ま
た、溝の深さは、光ビームを情報トラック上に位置させ
るためのトラッキングサーボ制御のための溝信号に大き
な影響を与えるので、他の要因でその深さに条件が付加
されることは望ましくない。さらに、ランド・グルーブ
記録法では、溝の深さによって隣接トラックの再生光の
位相差を制御することにより、隣接トラックからのクロ
ストーク量を低減するようにしているので、この点にお
いても溝の深さに他の条件が付け加わることは望ましく
ない。
は、矩形溝によって磁気的結合を切断するには溝の深さ
を非常に深くし、かつ溝側面の磁性膜厚を薄くする必要
があり、そのためには成膜時に磁性原子を基板に垂直入
射させるなどといった特殊な成膜法が必要とされる。ま
た、溝の深さは、光ビームを情報トラック上に位置させ
るためのトラッキングサーボ制御のための溝信号に大き
な影響を与えるので、他の要因でその深さに条件が付加
されることは望ましくない。さらに、ランド・グルーブ
記録法では、溝の深さによって隣接トラックの再生光の
位相差を制御することにより、隣接トラックからのクロ
ストーク量を低減するようにしているので、この点にお
いても溝の深さに他の条件が付け加わることは望ましく
ない。
【0009】上記の第2の方法では、高出力レーザー照
射によって膜の物理的な欠陥が惹起されて記録媒体とし
ての信頼性が損なわれるおそれがある。また、上記の第
3の方法では、エッチング処理がウエットエッチング処
理とドライエッチング処理のいずれであっても、磁性膜
の変質や欠陥が引き起こされ、製造歩留まりが大幅に低
下するおそれがある。
射によって膜の物理的な欠陥が惹起されて記録媒体とし
ての信頼性が損なわれるおそれがある。また、上記の第
3の方法では、エッチング処理がウエットエッチング処
理とドライエッチング処理のいずれであっても、磁性膜
の変質や欠陥が引き起こされ、製造歩留まりが大幅に低
下するおそれがある。
【0010】さらに、図14に示すように、従来の磁壁
移動検出法では、最高温度点Bで磁壁エネルギーが最低
となる関係上記録マークの磁壁がA点に達するとB点ま
で移動するといった現象が生じることを利用している。
しかしながら、光スポット後方のC点からB点の方向に
も磁壁を移動させる力が作用するため、検出したい記録
マーク以外からの信号が混入してノイズとなり、再生特
性を劣化させるおそれがある。
移動検出法では、最高温度点Bで磁壁エネルギーが最低
となる関係上記録マークの磁壁がA点に達するとB点ま
で移動するといった現象が生じることを利用している。
しかしながら、光スポット後方のC点からB点の方向に
も磁壁を移動させる力が作用するため、検出したい記録
マーク以外からの信号が混入してノイズとなり、再生特
性を劣化させるおそれがある。
【0011】本発明は、このような従来技術の問題点を
解決すべくなされたものである。すなわち、本発明は、
従来の磁壁移動検出法を用いることができる光磁気記録
媒体で必要とされる隣接する情報トラック間の磁性層の
磁気的結合の分断を必要とせず、かつ磁性膜の変質や欠
陥を引き起こして製造歩留まりを大幅に低下させるなど
といった不具合を生じさせることのない光磁気記録媒体
を提供することを解決すべき課題とする。さらには、リ
アマスクにより再生分解能を向上させるとともに、記録
された記録マークの磁壁を再生時に移動させて記録マー
クを拡大させることにより再生信号を増大させ、再生光
学系の分解能より小さな記録マークの再生を可能にする
光磁気再生方法を提供することも解決すべき課題とす
る。
解決すべくなされたものである。すなわち、本発明は、
従来の磁壁移動検出法を用いることができる光磁気記録
媒体で必要とされる隣接する情報トラック間の磁性層の
磁気的結合の分断を必要とせず、かつ磁性膜の変質や欠
陥を引き起こして製造歩留まりを大幅に低下させるなど
といった不具合を生じさせることのない光磁気記録媒体
を提供することを解決すべき課題とする。さらには、リ
アマスクにより再生分解能を向上させるとともに、記録
された記録マークの磁壁を再生時に移動させて記録マー
クを拡大させることにより再生信号を増大させ、再生光
学系の分解能より小さな記録マークの再生を可能にする
光磁気再生方法を提供することも解決すべき課題とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下に述べ
る本発明に係る光磁気記録媒体または光磁気再生方法に
よって解決される。上記の課題を解決するためになされ
た本発明の第1の態様に係る光磁気記録媒体は、(a)
基板上に少なくとも第1、第2、第3磁性層がこの順に
設けられ、(b)第i磁性層のキュリー温度をTc
i(i=1,2,3)とすれば、各磁性層のキュリー温度
が、不等式Tc1>Tc2および不等式Tc3>Tc2であ
らわされる条件を満足し、(c)周囲温度からキュリー
温度Tc2までの間の温度範囲内の第1の温度T1で、
第3磁性層から第2磁性層を介して第1磁性層に及ぼさ
れる交換結合力(エネルギー)が第1磁性層の保磁力
(エネルギー)を上回るようになっていて、(d)第1
の温度T1より高い第2の温度T2で、第1磁性層の反
転磁界H1が再生磁界Hrよりも小さくなるようになっ
ている光磁気記録媒体において、(e)周囲温度から、
再生レーザ光により昇温される温度までの範囲内では、
第3磁性層の反転磁界H3が再生磁界Hrよりも大き
く、(f)第3磁性層から交換力により第1磁性層に転
写された磁区が、該媒体の移動する方向に拡大するよう
になっていることを特徴とするものである。この光磁気
記録媒体によれば、隣接する情報トラック間の磁性層の
磁気的結合の分断を必要とせず、かつ磁性膜の変質や欠
陥を引き起こして製造歩留まりを大幅に低下させるなど
といった不具合が生じないので、再生分解能が向上す
る。
る本発明に係る光磁気記録媒体または光磁気再生方法に
よって解決される。上記の課題を解決するためになされ
た本発明の第1の態様に係る光磁気記録媒体は、(a)
基板上に少なくとも第1、第2、第3磁性層がこの順に
設けられ、(b)第i磁性層のキュリー温度をTc
i(i=1,2,3)とすれば、各磁性層のキュリー温度
が、不等式Tc1>Tc2および不等式Tc3>Tc2であ
らわされる条件を満足し、(c)周囲温度からキュリー
温度Tc2までの間の温度範囲内の第1の温度T1で、
第3磁性層から第2磁性層を介して第1磁性層に及ぼさ
れる交換結合力(エネルギー)が第1磁性層の保磁力
(エネルギー)を上回るようになっていて、(d)第1
の温度T1より高い第2の温度T2で、第1磁性層の反
転磁界H1が再生磁界Hrよりも小さくなるようになっ
ている光磁気記録媒体において、(e)周囲温度から、
再生レーザ光により昇温される温度までの範囲内では、
第3磁性層の反転磁界H3が再生磁界Hrよりも大き
く、(f)第3磁性層から交換力により第1磁性層に転
写された磁区が、該媒体の移動する方向に拡大するよう
になっていることを特徴とするものである。この光磁気
記録媒体によれば、隣接する情報トラック間の磁性層の
磁気的結合の分断を必要とせず、かつ磁性膜の変質や欠
陥を引き起こして製造歩留まりを大幅に低下させるなど
といった不具合が生じないので、再生分解能が向上す
る。
【0013】本発明の第2の態様に係る光磁気記録媒体
は、本発明の第1の態様に係る光磁気記録媒体におい
て、第2の温度T2において、第1磁性層が遷移金属副
格子磁化優勢であることを特徴とするものである。この
光磁気記録媒体においては、再生分解能がより向上す
る。
は、本発明の第1の態様に係る光磁気記録媒体におい
て、第2の温度T2において、第1磁性層が遷移金属副
格子磁化優勢であることを特徴とするものである。この
光磁気記録媒体においては、再生分解能がより向上す
る。
【0014】本発明の第3の態様に係る光磁気記録媒体
は、本発明の第2の態様に係る光磁気記録媒体におい
て、第1磁性層の補償温度が、周囲温度より高く第2の
温度T2より低いことを特徴とするものである。この光
磁気記録媒体においては、再生分解能がさらに向上す
る。
は、本発明の第2の態様に係る光磁気記録媒体におい
て、第1磁性層の補償温度が、周囲温度より高く第2の
温度T2より低いことを特徴とするものである。この光
磁気記録媒体においては、再生分解能がさらに向上す
る。
【0015】本発明の第4の態様に係る光磁気記録媒体
は、本発明の第1〜第3の態様のいずれか1つに係る光
磁気記録媒体において、周囲温度から第1の温度T1ま
での間の温度範囲における第1磁性層の反転磁界H1が
再生磁界Hrより小さいことを特徴とするものである。
この光磁気記録媒体においては、再生分解能がなお一層
向上する。
は、本発明の第1〜第3の態様のいずれか1つに係る光
磁気記録媒体において、周囲温度から第1の温度T1ま
での間の温度範囲における第1磁性層の反転磁界H1が
再生磁界Hrより小さいことを特徴とするものである。
この光磁気記録媒体においては、再生分解能がなお一層
向上する。
【0016】本発明の第5の態様に係る光磁気再生方法
は、(a)本発明の第1〜第3の態様のいずれか1つに
係る光磁気記録媒体を用いて、(b)再生レーザ光によ
り磁性膜を第2の温度T2以上の温度まで昇温させ、
(c)光スポット内にある第2の温度T2以上の高温領
域に再生磁界Hrにより第1磁性層の磁化方向を揃えた
リアマスクを形成し、(d)リアマスクにおける第1磁
性層の遷移金属副格子磁化方向と、第1の温度T1にお
ける第1磁性層の遷移金属副格子磁化方向が平行である
磁区を媒体の移動方向に拡大させることによって、再生
信号を検出することを特徴とするものである。この光磁
気再生方法においては、リアマスクにより再生分解能を
向上させるとともに、記録された記録マークの磁壁を再
生時に移動させて記録マークを拡大させることにより再
生信号を増大させることができる。よって、再生光学系
の分解能より小さな記録マークを、高い再生分解能でも
って再生することができる。
は、(a)本発明の第1〜第3の態様のいずれか1つに
係る光磁気記録媒体を用いて、(b)再生レーザ光によ
り磁性膜を第2の温度T2以上の温度まで昇温させ、
(c)光スポット内にある第2の温度T2以上の高温領
域に再生磁界Hrにより第1磁性層の磁化方向を揃えた
リアマスクを形成し、(d)リアマスクにおける第1磁
性層の遷移金属副格子磁化方向と、第1の温度T1にお
ける第1磁性層の遷移金属副格子磁化方向が平行である
磁区を媒体の移動方向に拡大させることによって、再生
信号を検出することを特徴とするものである。この光磁
気再生方法においては、リアマスクにより再生分解能を
向上させるとともに、記録された記録マークの磁壁を再
生時に移動させて記録マークを拡大させることにより再
生信号を増大させることができる。よって、再生光学系
の分解能より小さな記録マークを、高い再生分解能でも
って再生することができる。
【0017】本発明の第6の態様に係る光磁気再生方法
は、(a)本発明の第4の態様に係る光磁気記録媒体を
用いて、(b)周囲温度から第1の温度T1までの間の
温度範囲における第1磁性層の反転磁界H1より大きい
再生磁界Hrを印加し、(c)再生レーザ光により、磁
性膜を第2の温度T2以上の温度まで昇温させ、(d)
光スポット内にある第2の温度T2以上の高温領域に再
生磁界Hrにより第1磁性層の磁化方向を揃えたリアマ
スクを形成し、(e)リアマスクにおける第1磁性層の
遷移金属副格子磁化方向と、第1の温度T1における第
1磁性層の遷移金属副格子磁化方向が平行である磁区を
該媒体の移動方向に拡大させることによって、再生信号
を検出することを特徴とするものである。この光磁気再
生方法においては、リアマスクにより再生分解能を向上
させるとともに、記録された記録マークの磁壁を再生時
に移動させて記録マークを拡大させることにより再生信
号を増大させることができる。よって、再生光学系の分
解能より小さな記録マークを、高い再生分解能でもって
再生することができる。
は、(a)本発明の第4の態様に係る光磁気記録媒体を
用いて、(b)周囲温度から第1の温度T1までの間の
温度範囲における第1磁性層の反転磁界H1より大きい
再生磁界Hrを印加し、(c)再生レーザ光により、磁
性膜を第2の温度T2以上の温度まで昇温させ、(d)
光スポット内にある第2の温度T2以上の高温領域に再
生磁界Hrにより第1磁性層の磁化方向を揃えたリアマ
スクを形成し、(e)リアマスクにおける第1磁性層の
遷移金属副格子磁化方向と、第1の温度T1における第
1磁性層の遷移金属副格子磁化方向が平行である磁区を
該媒体の移動方向に拡大させることによって、再生信号
を検出することを特徴とするものである。この光磁気再
生方法においては、リアマスクにより再生分解能を向上
させるとともに、記録された記録マークの磁壁を再生時
に移動させて記録マークを拡大させることにより再生信
号を増大させることができる。よって、再生光学系の分
解能より小さな記録マークを、高い再生分解能でもって
再生することができる。
【0018】なお、本発明に類似の先行発明として、特
開平8−203152号公報及び特開平8−29313
5号公報には、温度勾配により磁壁を移動させて磁区を
拡大させ、情報を再生するようにした光磁気記録媒体な
いしは光磁気記録再生方法が開示されているが、いずれ
も本発明における第1の温度および第2の温度について
の開示はなく、したがって本発明とは構成及び作用・効
果を異にするものである。さらに、特開平6−2598
23号公報には、記録トラック上にバブルを形成し、該
バブルを拡大させた状態で情報を読み出し、この後バブ
ルを縮小させるようにしたバブル拡大再生方法による光
磁気記録媒体ないしは光磁気記録再生方法が開示されて
いるが、これにも本発明における第1の温度および第2
の温度についての開示はなく、したがって本発明とは構
成及び作用・効果を異にするものである。
開平8−203152号公報及び特開平8−29313
5号公報には、温度勾配により磁壁を移動させて磁区を
拡大させ、情報を再生するようにした光磁気記録媒体な
いしは光磁気記録再生方法が開示されているが、いずれ
も本発明における第1の温度および第2の温度について
の開示はなく、したがって本発明とは構成及び作用・効
果を異にするものである。さらに、特開平6−2598
23号公報には、記録トラック上にバブルを形成し、該
バブルを拡大させた状態で情報を読み出し、この後バブ
ルを縮小させるようにしたバブル拡大再生方法による光
磁気記録媒体ないしは光磁気記録再生方法が開示されて
いるが、これにも本発明における第1の温度および第2
の温度についての開示はなく、したがって本発明とは構
成及び作用・効果を異にするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
光磁気記録媒体および光磁気再生方法を、添付の図面を
参照しながら説明する。図1は、本発明に係る光磁気記
録媒体の基本的な構造を示す模式図である。図1におい
て、30は透明基板であり、31は第1誘電体層であ
り、32は第2誘電体層であり、11は第1磁性層であ
り、12は第2磁性層であり、13は第3磁性層であ
り、33は保護層である。また、21は光ビームであ
り、22は外部補助磁界発生装置である。
光磁気記録媒体および光磁気再生方法を、添付の図面を
参照しながら説明する。図1は、本発明に係る光磁気記
録媒体の基本的な構造を示す模式図である。図1におい
て、30は透明基板であり、31は第1誘電体層であ
り、32は第2誘電体層であり、11は第1磁性層であ
り、12は第2磁性層であり、13は第3磁性層であ
り、33は保護層である。また、21は光ビームであ
り、22は外部補助磁界発生装置である。
【0020】なお、本発明に係る光磁気記録媒体に用い
られる磁性層材料は、詳しくは後記のとおりであるが、
遷移金属合金または希土類・遷移金属合金を用いること
ができる。ここで、遷移金属合金においては、主として
遷移金属の磁化が合金の磁化を担っている。他方、希土
類・遷移金属合金は、希土類金属の副格子磁化と遷移金
属の副格子磁化とが逆方向に結合してなるフェリ磁性体
であり、この場合は両者の差し引き磁化が外部で磁化と
して観測される。
られる磁性層材料は、詳しくは後記のとおりであるが、
遷移金属合金または希土類・遷移金属合金を用いること
ができる。ここで、遷移金属合金においては、主として
遷移金属の磁化が合金の磁化を担っている。他方、希土
類・遷移金属合金は、希土類金属の副格子磁化と遷移金
属の副格子磁化とが逆方向に結合してなるフェリ磁性体
であり、この場合は両者の差し引き磁化が外部で磁化と
して観測される。
【0021】また、本発明に係る光磁気記録媒体のよう
な多層磁性膜では、隣接する磁性層間に、同じ種類の副
格子磁化の方向を同じ方向に揃えようとするような交換
力がはたらく。このような隣接層間の磁気的な結合は、
一般に交換結合と呼ばれている。本明細書では、磁化の
方向を遷移金属磁化、あるいは遷移金属副格子磁化の方
向で代表させることとし、以下ではとくに断らない限
り、磁化とは遷移金属磁化または遷移金属副格子磁化を
指すものとする。そして、外部に観測される差し引き磁
化をとくにあらわす場合は「トータル磁化」と呼ぶこと
にする。また、本明細書中においては、再生磁界Hrの
印加方向は上向きを+(プラス)方向として一般的に記
録磁界方向に対応させ、−(マイナス)方向を消去磁界
方向として用いている。
な多層磁性膜では、隣接する磁性層間に、同じ種類の副
格子磁化の方向を同じ方向に揃えようとするような交換
力がはたらく。このような隣接層間の磁気的な結合は、
一般に交換結合と呼ばれている。本明細書では、磁化の
方向を遷移金属磁化、あるいは遷移金属副格子磁化の方
向で代表させることとし、以下ではとくに断らない限
り、磁化とは遷移金属磁化または遷移金属副格子磁化を
指すものとする。そして、外部に観測される差し引き磁
化をとくにあらわす場合は「トータル磁化」と呼ぶこと
にする。また、本明細書中においては、再生磁界Hrの
印加方向は上向きを+(プラス)方向として一般的に記
録磁界方向に対応させ、−(マイナス)方向を消去磁界
方向として用いている。
【0022】透明基板30の材料としては、例えばガラ
ス、ポリカーボネート等を用いることができる。第1誘
電体層31および第2誘電体層32は、第1〜第3磁性
層11〜13の保護に用いられる。ここで、光が入射す
る側の第1誘電体層31は、光の干渉効果によって反射
率を調整するためにも用いられ、透明性の高い材料で形
成される。第1誘電体層31および第2誘電体層32の
材料としては、Al、Si、Ge、Ta、Yなどの酸化物、
窒化物または酸化窒化物を用いることができる。
ス、ポリカーボネート等を用いることができる。第1誘
電体層31および第2誘電体層32は、第1〜第3磁性
層11〜13の保護に用いられる。ここで、光が入射す
る側の第1誘電体層31は、光の干渉効果によって反射
率を調整するためにも用いられ、透明性の高い材料で形
成される。第1誘電体層31および第2誘電体層32の
材料としては、Al、Si、Ge、Ta、Yなどの酸化物、
窒化物または酸化窒化物を用いることができる。
【0023】第1〜第3磁性層11〜13の材料として
は、Gd、Tb、Dy、Ho、Nd、Sm等の希土類金属元
素から選択された1種類以上の元素と、Fe、Co、Ni
などの鉄族遷移金属元素から選択された1種類以上の元
素とからなる希土類・遷移金属合金において、希土類金
属が10〜40at%含まれる材料を用いることができ
る。なお、これに、Al、Ti、Cr、Pt、Au、Ag、I
n、Mn、Pb、Biなどの元素を少量添加してもよい。ま
た、本発明に係る光磁気記録媒体の第1〜第3磁性層1
1〜13は、そのキュリー温度が規定(特定)されてい
るが、キュリー温度を所定の値に調整するには、良く知
られているように、例えば鉄族金属中のFe、Co、Ni
の比率を調整すれば良い。また、添加元素量や希土類金
属の量によってもキュリー温度を微調整することが可能
である。
は、Gd、Tb、Dy、Ho、Nd、Sm等の希土類金属元
素から選択された1種類以上の元素と、Fe、Co、Ni
などの鉄族遷移金属元素から選択された1種類以上の元
素とからなる希土類・遷移金属合金において、希土類金
属が10〜40at%含まれる材料を用いることができ
る。なお、これに、Al、Ti、Cr、Pt、Au、Ag、I
n、Mn、Pb、Biなどの元素を少量添加してもよい。ま
た、本発明に係る光磁気記録媒体の第1〜第3磁性層1
1〜13は、そのキュリー温度が規定(特定)されてい
るが、キュリー温度を所定の値に調整するには、良く知
られているように、例えば鉄族金属中のFe、Co、Ni
の比率を調整すれば良い。また、添加元素量や希土類金
属の量によってもキュリー温度を微調整することが可能
である。
【0024】第1磁性層11の材料としては、磁区拡大
しやすい材料、つまり磁壁抗磁力の比較的小さい材料を
用いるのが望ましく、例えばGdFe、GdFeCo、GdN
dFeCo、GdDyFeなどを主成分として含む材料を用い
ることができる。第1磁性層11の厚みは、必要な信号
振幅が得られ安定な再生動作を行えるよう、10nmか
ら100nmの範囲内に設定するのが望ましい。第1磁
性層11のキュリー温度Tc1は、第2磁性層12のキ
ュリー温度Tc2より高いことが必要であり、かつ再生
光ビーム21による昇温によって大きくカー回転角が低
下しないよう、180°C以上であるのが望ましい。な
お、第1磁性層11のキュリー温度Tc1の上限は、動
作上何°C以下でなければならないというような限界
(上限)はないので、とくには限定されない。
しやすい材料、つまり磁壁抗磁力の比較的小さい材料を
用いるのが望ましく、例えばGdFe、GdFeCo、GdN
dFeCo、GdDyFeなどを主成分として含む材料を用い
ることができる。第1磁性層11の厚みは、必要な信号
振幅が得られ安定な再生動作を行えるよう、10nmか
ら100nmの範囲内に設定するのが望ましい。第1磁
性層11のキュリー温度Tc1は、第2磁性層12のキ
ュリー温度Tc2より高いことが必要であり、かつ再生
光ビーム21による昇温によって大きくカー回転角が低
下しないよう、180°C以上であるのが望ましい。な
お、第1磁性層11のキュリー温度Tc1の上限は、動
作上何°C以下でなければならないというような限界
(上限)はないので、とくには限定されない。
【0025】第2磁性層12の材料としては、キュリー
温度Tc2を比較的低温に調節することができる材料、
例えばDyFe、DyFeCo、TbFe、TbFeCo、TbDy
Fe、TbDyFeCo、あるいはこれらにGdまたはNiを
添加した材料を主成分として含む材料を用いることがで
きる。また、第2磁性層12の厚みは、そのキュリー温
度Tc2以上で第1磁性層1と第3磁性層13との交換
結合を充分に切断することができ、かつ安定な再生動作
を行えるよう、3nmから80nmの範囲内に設定する
のが望ましい。第2磁性層12のキュリー温度Tc
2は、第1磁性層11のキュリー温度Tc1より低く、か
つ第3磁性層13のキュリー温度Tc3より低いことが
必要であり、かつ安定な再生動作を行うためには、60
°C以上250°C以下の範囲内に設定するのが望まし
い。
温度Tc2を比較的低温に調節することができる材料、
例えばDyFe、DyFeCo、TbFe、TbFeCo、TbDy
Fe、TbDyFeCo、あるいはこれらにGdまたはNiを
添加した材料を主成分として含む材料を用いることがで
きる。また、第2磁性層12の厚みは、そのキュリー温
度Tc2以上で第1磁性層1と第3磁性層13との交換
結合を充分に切断することができ、かつ安定な再生動作
を行えるよう、3nmから80nmの範囲内に設定する
のが望ましい。第2磁性層12のキュリー温度Tc
2は、第1磁性層11のキュリー温度Tc1より低く、か
つ第3磁性層13のキュリー温度Tc3より低いことが
必要であり、かつ安定な再生動作を行うためには、60
°C以上250°C以下の範囲内に設定するのが望まし
い。
【0026】第3磁性層13は、記録情報を安定に保持
するために、垂直磁気異方性が大きい垂直磁化膜である
のが望ましく、その材料としては、例えばDyFe、Dy
FeCo、TbFe、TbFeCo、TbDyFe、TbDyFeCo
を主成分として含む材料を用いることができる。第3磁
性層13の厚みは、第1磁性層11および第2磁性層1
2の磁壁移動や磁化消失などの変化に対しても安定に記
録情報を保持できるよう、10nmから250nmの範
囲内に設定するのが望ましい。第3磁性層13のキュリ
ー温度Tc3は、前記のとおり第2磁性層12のキュリ
ー温度Tc2より高いことが必要であり、かつ再生時の
昇温により磁化消失しない温度であることが必要であ
る。さらには、実用的な記録感度を有し安定な再生動作
を行うために、120°C以上360°C以下の範囲内
に設定するのが望ましい。また、第3磁性層13の反転
磁界H3は、再生時に印加される再生磁界Hr以上でな
ければならない。
するために、垂直磁気異方性が大きい垂直磁化膜である
のが望ましく、その材料としては、例えばDyFe、Dy
FeCo、TbFe、TbFeCo、TbDyFe、TbDyFeCo
を主成分として含む材料を用いることができる。第3磁
性層13の厚みは、第1磁性層11および第2磁性層1
2の磁壁移動や磁化消失などの変化に対しても安定に記
録情報を保持できるよう、10nmから250nmの範
囲内に設定するのが望ましい。第3磁性層13のキュリ
ー温度Tc3は、前記のとおり第2磁性層12のキュリ
ー温度Tc2より高いことが必要であり、かつ再生時の
昇温により磁化消失しない温度であることが必要であ
る。さらには、実用的な記録感度を有し安定な再生動作
を行うために、120°C以上360°C以下の範囲内
に設定するのが望ましい。また、第3磁性層13の反転
磁界H3は、再生時に印加される再生磁界Hr以上でな
ければならない。
【0027】本発明に係る光磁気記録媒体においては、
情報は、第3磁性層13の磁化の方向として記録保持さ
れている。そして、この光磁気記録媒体においては、第
3磁性層13から第2磁性層12を介して第1磁性層1
1に及ぼされる交換結合力(エネルギー)が第1磁性層
11の保磁力(エネルギー)を上回るような温度T1
(第1の温度)が、周囲温度から第2磁性層12のキュ
リー温度Tc2までの間の温度範囲内に存在する。昇温
・降温動作中にこの温度T1を経由することにより、室
温において、または室温から第2磁性層12のキュリー
温度Tc2までの間の温度範囲内の温度T1において、
第1磁性層11の磁化方向は、第2磁性層12および第
3磁性層13の磁化方向と同一方向に揃えられる。
情報は、第3磁性層13の磁化の方向として記録保持さ
れている。そして、この光磁気記録媒体においては、第
3磁性層13から第2磁性層12を介して第1磁性層1
1に及ぼされる交換結合力(エネルギー)が第1磁性層
11の保磁力(エネルギー)を上回るような温度T1
(第1の温度)が、周囲温度から第2磁性層12のキュ
リー温度Tc2までの間の温度範囲内に存在する。昇温
・降温動作中にこの温度T1を経由することにより、室
温において、または室温から第2磁性層12のキュリー
温度Tc2までの間の温度範囲内の温度T1において、
第1磁性層11の磁化方向は、第2磁性層12および第
3磁性層13の磁化方向と同一方向に揃えられる。
【0028】さらに、温度T1より高い温度領域に、第
1磁性層11の反転磁界H1が再生時に印加する再生磁
界Hrより小さくなる温度T2(第2の温度)が存在す
る。この温度T2以上の温度領域においては、再生磁界
Hrにより第1磁性層11の磁化が一方向に揃えられた
マスク領域が形成される。このとき、再生磁界Hrは記
録マークとマスク領域の遷移金属副格子磁化が同一方向
となるように印加される。そして、記録マークおよびマ
スク領域の周囲には、磁化が下向きから上向きに変化す
る磁壁と呼ばれる遷移領域が存在し、この磁壁には磁気
的なエネルギー(磁壁エネルギー)が蓄えられている。
1磁性層11の反転磁界H1が再生時に印加する再生磁
界Hrより小さくなる温度T2(第2の温度)が存在す
る。この温度T2以上の温度領域においては、再生磁界
Hrにより第1磁性層11の磁化が一方向に揃えられた
マスク領域が形成される。このとき、再生磁界Hrは記
録マークとマスク領域の遷移金属副格子磁化が同一方向
となるように印加される。そして、記録マークおよびマ
スク領域の周囲には、磁化が下向きから上向きに変化す
る磁壁と呼ばれる遷移領域が存在し、この磁壁には磁気
的なエネルギー(磁壁エネルギー)が蓄えられている。
【0029】図3は、記録マークが存在しない状態にお
けるリアマスクの状態を示す模式図である。なお、図3
において、上半部(B−B’線が中心線をなす方の部
分)は平面図であり、下半部は立面断面図である。つま
り、図3下部は、情報トラック上のB−B’線に対応す
る部分における第1磁性層11の磁化状態を示すととも
に、第2磁性層12内のキュリー温度Tc2以上となっ
た領域(斜線部)となっていない領域(白抜き部)とを
示している。第1磁性層11の温度T2以上の領域に再
生磁界方向に磁化したリアマスクが形成され、点Xに磁
化の遷移領域である磁壁が存在する。図3は、温度T2
が第2磁性層12のキュリー温度Tc2より高い場合、
すなわちT2>Tc2の場合の状態を示している。な
お、以下の図では、該図を見やすくするため、磁化方向
を斜線領域のみで表現して矢印を省略する場合がある。
後で説明するように、温度T2は、第2磁性層12のキ
ュリー温度Tc2より高くなくてもよい。
けるリアマスクの状態を示す模式図である。なお、図3
において、上半部(B−B’線が中心線をなす方の部
分)は平面図であり、下半部は立面断面図である。つま
り、図3下部は、情報トラック上のB−B’線に対応す
る部分における第1磁性層11の磁化状態を示すととも
に、第2磁性層12内のキュリー温度Tc2以上となっ
た領域(斜線部)となっていない領域(白抜き部)とを
示している。第1磁性層11の温度T2以上の領域に再
生磁界方向に磁化したリアマスクが形成され、点Xに磁
化の遷移領域である磁壁が存在する。図3は、温度T2
が第2磁性層12のキュリー温度Tc2より高い場合、
すなわちT2>Tc2の場合の状態を示している。な
お、以下の図では、該図を見やすくするため、磁化方向
を斜線領域のみで表現して矢印を省略する場合がある。
後で説明するように、温度T2は、第2磁性層12のキ
ュリー温度Tc2より高くなくてもよい。
【0030】以下、本発明に係る光磁気再生方法を説明
する。図2は、情報トラックの略円形の記録マークを再
生する場合における、再生時の温度プロファイルと、各
磁性層11〜13の磁化状態とを示している。各磁性層
11〜13内の矢印は、遷移金属副格子磁化の方向をあ
らわしている。該媒体が移動しているため、温度プロフ
ァイルのピークは、光スポット中心より前方位置となっ
ている。レーザビーム21(図1参照)による温度上昇
により、第2磁性層12のキュリー温度Tc2以上の温
度となった領域が形成されるとともに、第1磁性層11
の反転磁界H1が再生磁界Hrより小さくなる温度T2
以上の温度となって再生磁界方向に第1磁性層11の磁
化方向が揃う領域すなわちリアマスク領域が形成され
る。ここで、第1磁性層11は、温度T2において遷移
金属副格子磁化優勢であるため、その磁化方向は再生磁
界Hrと平行である。そして、光スポット内に、磁化方
向がリアマスクの遷移金属副格子磁化方向と平行な記録
マークが入ると、記録マークの前エッジ部磁壁がリアマ
スク方向へ移動して拡大し、リアマスクと結合する。
する。図2は、情報トラックの略円形の記録マークを再
生する場合における、再生時の温度プロファイルと、各
磁性層11〜13の磁化状態とを示している。各磁性層
11〜13内の矢印は、遷移金属副格子磁化の方向をあ
らわしている。該媒体が移動しているため、温度プロフ
ァイルのピークは、光スポット中心より前方位置となっ
ている。レーザビーム21(図1参照)による温度上昇
により、第2磁性層12のキュリー温度Tc2以上の温
度となった領域が形成されるとともに、第1磁性層11
の反転磁界H1が再生磁界Hrより小さくなる温度T2
以上の温度となって再生磁界方向に第1磁性層11の磁
化方向が揃う領域すなわちリアマスク領域が形成され
る。ここで、第1磁性層11は、温度T2において遷移
金属副格子磁化優勢であるため、その磁化方向は再生磁
界Hrと平行である。そして、光スポット内に、磁化方
向がリアマスクの遷移金属副格子磁化方向と平行な記録
マークが入ると、記録マークの前エッジ部磁壁がリアマ
スク方向へ移動して拡大し、リアマスクと結合する。
【0031】(磁区拡大)以下、磁区拡大現象および磁
区縮小現象について詳細に説明する。図4(a)、
(b)は、記録マークの拡大現象を模式的に示した図で
ある。図4(a)に示すように、再生磁界Hrにより、
記録マークおよびリアマスクの遷移金属副格子磁化方向
がともに上向きとなる。なお、図4(a)、(b)の下
部は、それぞれ、図3の場合と同様に、B−B’線に対
応する部分(断面)における第1磁性層11の磁化状態
と、第2磁性層12の温度状態(キュリー温度Tc2以
上か否か)とを示している。そして、図4(a)に示す
ような拡大前の状態では、第1磁性層11内において、
記録マークとスペースとの間、あるいはスペースとリア
マスクとの間にはそれぞれ磁化の遷移領域である磁壁が
存在する。
区縮小現象について詳細に説明する。図4(a)、
(b)は、記録マークの拡大現象を模式的に示した図で
ある。図4(a)に示すように、再生磁界Hrにより、
記録マークおよびリアマスクの遷移金属副格子磁化方向
がともに上向きとなる。なお、図4(a)、(b)の下
部は、それぞれ、図3の場合と同様に、B−B’線に対
応する部分(断面)における第1磁性層11の磁化状態
と、第2磁性層12の温度状態(キュリー温度Tc2以
上か否か)とを示している。そして、図4(a)に示す
ような拡大前の状態では、第1磁性層11内において、
記録マークとスペースとの間、あるいはスペースとリア
マスクとの間にはそれぞれ磁化の遷移領域である磁壁が
存在する。
【0032】そして、記録マークが移動してリアマスク
に接近し、第2磁性層12のキュリー温度Tc2以上の
温度となっている領域に達すると、第2磁性層12から
の交換力が遮断されるので、記録マークは第2磁性層1
2を介しての第3磁性層13による束縛から解放されて
安定状態へ遷移する。かくして、記録マークが媒体移動
方向、つまりリアマスク方向に拡大し、リアマスク領域
と結合して図4(b)に示すような状態になる。これ
は、記録マークとリアマスクとの間に存在している磁壁
がなくなることによる安定化効果と、遷移金属副格子磁
化優勢状態における第1磁性層11の組成への再生磁界
Hrの効果とによるものである。
に接近し、第2磁性層12のキュリー温度Tc2以上の
温度となっている領域に達すると、第2磁性層12から
の交換力が遮断されるので、記録マークは第2磁性層1
2を介しての第3磁性層13による束縛から解放されて
安定状態へ遷移する。かくして、記録マークが媒体移動
方向、つまりリアマスク方向に拡大し、リアマスク領域
と結合して図4(b)に示すような状態になる。これ
は、記録マークとリアマスクとの間に存在している磁壁
がなくなることによる安定化効果と、遷移金属副格子磁
化優勢状態における第1磁性層11の組成への再生磁界
Hrの効果とによるものである。
【0033】(磁区縮小)図5(a)、(b)は、記録
マークの縮小現象を模式的に示した図である。図5
(a)に示すように、記録マークが、第2磁性層12の
キュリー温度Tc2以上の温度となっている領域に入る
と、記録マーク部において、第3磁性層13から第2磁
性層12を介して第1磁性層11へ作用する交換力が完
全に遮断される。この場合、第1磁性層11の磁化状態
は、温度プロファイルによる第1磁性層11の反転磁界
H1と再生磁界Hrの関係によって決まる。かくして、
図5(b)に示すように、第1磁性層11の磁化方向
は、温度T2で規定された領域のみが再生磁界Hrの方
向に揃い、図3に示す場合と同様の記録マークがない状
態となる。したがって、記録マークはリアマスク領域に
完全に達する前に縮小(磁区コプラス)し、これにより
急峻な立ち下がりの再生信号が得られる。
マークの縮小現象を模式的に示した図である。図5
(a)に示すように、記録マークが、第2磁性層12の
キュリー温度Tc2以上の温度となっている領域に入る
と、記録マーク部において、第3磁性層13から第2磁
性層12を介して第1磁性層11へ作用する交換力が完
全に遮断される。この場合、第1磁性層11の磁化状態
は、温度プロファイルによる第1磁性層11の反転磁界
H1と再生磁界Hrの関係によって決まる。かくして、
図5(b)に示すように、第1磁性層11の磁化方向
は、温度T2で規定された領域のみが再生磁界Hrの方
向に揃い、図3に示す場合と同様の記録マークがない状
態となる。したがって、記録マークはリアマスク領域に
完全に達する前に縮小(磁区コプラス)し、これにより
急峻な立ち下がりの再生信号が得られる。
【0034】以上の説明においては、磁区拡大および磁
区縮小の開始位置は、磁壁がTc2以上の温度となって
いる領域内に位置する場合に限定されている。しかしな
がら、本発明はこのようなもののみに限定されるわけで
はない。すなわち、例えば図6と、図7(a)、(b)
と、図8(a)、(b)とに示すように、第1磁性層1
1の磁壁移動力が、第2磁性層12を介して作用する第
3磁性層13からの交換力以上であればよく、したがっ
て、たとえTc2以下の温度であっても、磁区拡大現象
および磁区縮小現象は生じ、前記の場合と同様の作用・
効果が得られることにかわりはない。
区縮小の開始位置は、磁壁がTc2以上の温度となって
いる領域内に位置する場合に限定されている。しかしな
がら、本発明はこのようなもののみに限定されるわけで
はない。すなわち、例えば図6と、図7(a)、(b)
と、図8(a)、(b)とに示すように、第1磁性層1
1の磁壁移動力が、第2磁性層12を介して作用する第
3磁性層13からの交換力以上であればよく、したがっ
て、たとえTc2以下の温度であっても、磁区拡大現象
および磁区縮小現象は生じ、前記の場合と同様の作用・
効果が得られることにかわりはない。
【0035】
【実施例】以下、具体的な実施例により本発明に係る光
磁気記録媒体および光磁気再生方法をさらに詳細に説明
する。なお、以下の実施例における開示事項はあくまで
も例示であって、本発明は該実施例の具体的な開示事項
に限定されるものではないのはもちろんである。
磁気記録媒体および光磁気再生方法をさらに詳細に説明
する。なお、以下の実施例における開示事項はあくまで
も例示であって、本発明は該実施例の具体的な開示事項
に限定されるものではないのはもちろんである。
【0036】実施例1.円形の表面にスパイラル状の案
内溝を有し、トラックピッチが1.4μmである、厚み
1.2mm、直径13cmの円盤状のガラス2P製の透
明基板上に、次に示す薄膜をスパッタ法により順次成膜
して、図1に示すような構成の光磁気記録媒体を製作
し、さらに機械的な保護のため、第2誘電体層上にUV
硬化樹脂層を形成した。
内溝を有し、トラックピッチが1.4μmである、厚み
1.2mm、直径13cmの円盤状のガラス2P製の透
明基板上に、次に示す薄膜をスパッタ法により順次成膜
して、図1に示すような構成の光磁気記録媒体を製作
し、さらに機械的な保護のため、第2誘電体層上にUV
硬化樹脂層を形成した。
【0037】 (実施例1の薄膜の性状) <層> <材料> <膜厚> <キュリー温度> 第1誘電体層 SiNx 60nm 第1磁性層 GdFeCo 50nm Tc1>300°C 第2磁性層 GdFeAl 25nm Tc2=160°C 第3磁性層 TbFeCo 50nm Tc3=240°C 第2誘電体層 SiNx 90nm 保護層 UV樹脂
【0038】第1磁性層は11、周囲温度において反転
磁界H1が500 Oeであり、組成は希土類金属副格
子磁化優勢であった。また、第1磁性層11の補償温度
を測定したところ約110°Cであった。この光磁気記
録媒体に、下記の実験条件にて光ディスクテスターによ
り光磁気記録再生実験を行った。
磁界H1が500 Oeであり、組成は希土類金属副格
子磁化優勢であった。また、第1磁性層11の補償温度
を測定したところ約110°Cであった。この光磁気記
録媒体に、下記の実験条件にて光ディスクテスターによ
り光磁気記録再生実験を行った。
【0039】(実施例1の実験条件) レーザ波長 : 688nm N.A. : 0.55 線速度LV : 9.37m/sec 最短マークピッチ : 0.70μm 再生磁界Hr : −900〜+900 Oe 再生パワーPR : 1.4/2.8mW 記録パワーPp(peak): 6.7mW 記録パワーPb(bias): 2.8mW
【0040】(テストパターン)最短記録マーク長(=
0.35μm)を(1,7)RLL−NRZI変調における2T
マーク長とし、[2T・2T'・2T・2T'・2T・2T'・2T・2T'・2T・8T'
・2T・10T'・2T・14T']の記録パターンを記録して、光磁気
記録再生の評価を行った。ここで、Tはチャネルクロッ
クであり、(2T)および(2T')は、それぞれ、長
さ2Tの記録マークおよびスペースをあらわしている。
なお、図9および図13において、記録マークは、明細
書本文と同様に(2T)などといった標記であらわされ
ているが、スペースは、(2T')などといった標記で
はなく、アンダーライン(下線)を付した標記であらわ
されている。
0.35μm)を(1,7)RLL−NRZI変調における2T
マーク長とし、[2T・2T'・2T・2T'・2T・2T'・2T・2T'・2T・8T'
・2T・10T'・2T・14T']の記録パターンを記録して、光磁気
記録再生の評価を行った。ここで、Tはチャネルクロッ
クであり、(2T)および(2T')は、それぞれ、長
さ2Tの記録マークおよびスペースをあらわしている。
なお、図9および図13において、記録マークは、明細
書本文と同様に(2T)などといった標記であらわされ
ているが、スペースは、(2T')などといった標記で
はなく、アンダーライン(下線)を付した標記であらわ
されている。
【0041】(記録)光ビームを情報トラックにトラッ
キングさせ、300 Oeの外部磁界を上向きに印加し
ながら、光ビームを、チャネルクロックTが18nse
cで上記記録パターンとなるように記録時のレーザパワ
ーを2.8mWと6.7mWに強度変調して照射した。こ
れによって6.7mWで照射された部分のみが上向き磁
化の記録マークとなり、約0.35μmの長さのマーク
(2T)と各種スペースとを含む記録パターンが記録さ
れる。なお、これは光強度変調記録法による記録方法で
あるが、磁界変調記録法による記録方法であっても同様
の記録パターンを記録することができる。
キングさせ、300 Oeの外部磁界を上向きに印加し
ながら、光ビームを、チャネルクロックTが18nse
cで上記記録パターンとなるように記録時のレーザパワ
ーを2.8mWと6.7mWに強度変調して照射した。こ
れによって6.7mWで照射された部分のみが上向き磁
化の記録マークとなり、約0.35μmの長さのマーク
(2T)と各種スペースとを含む記録パターンが記録さ
れる。なお、これは光強度変調記録法による記録方法で
あるが、磁界変調記録法による記録方法であっても同様
の記録パターンを記録することができる。
【0042】(再生)図9は、本発明に係る光磁気記録
媒体の光磁気再生波形である。図9中において、aで示
す部分は、テスト記録パターンを、再生パワーPRを
1.4mWとして再生したときの再生波形である。この
場合は、再生パワーが低く、媒体温度が温度T2まで達
しないため、リアマスク領域がなく、光スポット全域で
再生を行う通常再生動作である。かかる通常再生では、
前後に長いスペースがある場合にのみ再生が可能であ
り、細密パターンの記録マークは、再生光学系の分解能
以下となり、十分な信号が得られていない。
媒体の光磁気再生波形である。図9中において、aで示
す部分は、テスト記録パターンを、再生パワーPRを
1.4mWとして再生したときの再生波形である。この
場合は、再生パワーが低く、媒体温度が温度T2まで達
しないため、リアマスク領域がなく、光スポット全域で
再生を行う通常再生動作である。かかる通常再生では、
前後に長いスペースがある場合にのみ再生が可能であ
り、細密パターンの記録マークは、再生光学系の分解能
以下となり、十分な信号が得られていない。
【0043】図9において、bおよびcで示す部分は、
再生パワーPRを2.8mWとした上で、再生磁界Hr
をそれぞれ400 Oeと750 Oe印加したときの再
生波形である。リアマスクの形成により、細密パターン
の記録マークにおいても良好な再生信号が得られてい
る。cでは、とくに周囲温度における第1磁性層11の
反転磁界H1(=500 Oe)より大きな再生磁界H
rを印加することにより、リアマスクに加えてフロント
マスクを形成してダブルマスク再生とすることができ、
再生光学系の分解能をさらに向上させることができた。
再生パワーPRを2.8mWとした上で、再生磁界Hr
をそれぞれ400 Oeと750 Oe印加したときの再
生波形である。リアマスクの形成により、細密パターン
の記録マークにおいても良好な再生信号が得られてい
る。cでは、とくに周囲温度における第1磁性層11の
反転磁界H1(=500 Oe)より大きな再生磁界H
rを印加することにより、リアマスクに加えてフロント
マスクを形成してダブルマスク再生とすることができ、
再生光学系の分解能をさらに向上させることができた。
【0044】(磁区拡大)次に、磁区拡大による再生信
号の増大について詳細に説明する。図9において、前後
に10T'と14T'(図9中では、アンダーラインで標
記されている)の長いスペースに挟まれた2Tマークの
各再生波形を拡大し重ね合わせたものを図10に示す。
図10においては、各再生波形の測定時の再生パワーP
Rが異なるため、縦軸レンジを再生パワーPRで規格化
補正して比較している。再生磁界により記録マークと同
一副格子磁化方向のリアマスクが形成されている条件下
での再生波形bおよびcにおいては、通常再生波形aに
比べて振幅値が増大し、分解能も向上している。また、
通常再生波形aに比べて急峻な再生波形の立ち上がり
は、記録マーク磁区の拡大を示している。
号の増大について詳細に説明する。図9において、前後
に10T'と14T'(図9中では、アンダーラインで標
記されている)の長いスペースに挟まれた2Tマークの
各再生波形を拡大し重ね合わせたものを図10に示す。
図10においては、各再生波形の測定時の再生パワーP
Rが異なるため、縦軸レンジを再生パワーPRで規格化
補正して比較している。再生磁界により記録マークと同
一副格子磁化方向のリアマスクが形成されている条件下
での再生波形bおよびcにおいては、通常再生波形aに
比べて振幅値が増大し、分解能も向上している。また、
通常再生波形aに比べて急峻な再生波形の立ち上がり
は、記録マーク磁区の拡大を示している。
【0045】図10に示すような再生信号となる再生動
作について、模式的に図11(a)〜(c)に示す。な
お、図11(a)〜(c)は、それぞれ、図10中のグ
ラフa〜cに対応する。拡大再生波形の見られる図11
(b)において、光スポット内に入った記録マークは、
通常再生と同様に検出される。この後、記録マークは光
スポット前方に形成されたリアマスクと結合するように
拡大する。この拡大現象により再生信号の急峻な立ち上
がりと振幅増大とが生じる。図11(c)では、周囲温
度での第1磁性層11における反転磁界H1以上の再生
磁界Hrの印加によりフロントマスクが形成されている
ため、記録マークは光スポット内に十分に入る。このた
め、第3磁性層13から第2磁性層12を介して第1磁
性層11に及ぼされる交換結合力(エネルギー)が第1
磁性層11の保磁力(エネルギー)を上回る第1の温度
T1において現れる。そして、図11(b)の場合と同
様に、記録マークはリアマスク方向に拡大し、再生信号
の急峻な立ち上がりと振幅増大が生じる。図11(c)
ではダブルマスクとすることにより、再生分解能の非常
に高い特性が得られている。また、磁壁移動検出法で見
られる光スポット前方からの信号は本発明の再生方法に
よれば、リアマスクにより抑制されている。
作について、模式的に図11(a)〜(c)に示す。な
お、図11(a)〜(c)は、それぞれ、図10中のグ
ラフa〜cに対応する。拡大再生波形の見られる図11
(b)において、光スポット内に入った記録マークは、
通常再生と同様に検出される。この後、記録マークは光
スポット前方に形成されたリアマスクと結合するように
拡大する。この拡大現象により再生信号の急峻な立ち上
がりと振幅増大とが生じる。図11(c)では、周囲温
度での第1磁性層11における反転磁界H1以上の再生
磁界Hrの印加によりフロントマスクが形成されている
ため、記録マークは光スポット内に十分に入る。このた
め、第3磁性層13から第2磁性層12を介して第1磁
性層11に及ぼされる交換結合力(エネルギー)が第1
磁性層11の保磁力(エネルギー)を上回る第1の温度
T1において現れる。そして、図11(b)の場合と同
様に、記録マークはリアマスク方向に拡大し、再生信号
の急峻な立ち上がりと振幅増大が生じる。図11(c)
ではダブルマスクとすることにより、再生分解能の非常
に高い特性が得られている。また、磁壁移動検出法で見
られる光スポット前方からの信号は本発明の再生方法に
よれば、リアマスクにより抑制されている。
【0046】なお、以上の動作説明では、周囲温度近傍
では交換結合によって第1磁性層11および第2磁性層
12の磁化の方向は、第3磁性層13に記録された記録
マークパターンの磁化方向に常に揃っているものとして
説明を行っている。しかしながら、微細磁区化による静
磁エネルギーの減少などの項目も考慮した微妙なエネル
ギーのバランスによっては、第1磁性層11の記録マー
クの一部分が下向き磁化となることもあり、また室温近
傍での磁壁エネルギーが大きい第1磁性層11の場合
は、室温では第1磁性層11に記録磁区が保持できずコ
ラプスしている場合もある。いずれの場合においても、
記録情報自体は第3磁性層13の記録マークパターンと
して保持される。そのような場合には,再生光ビーム2
1の照射によって、第3磁性層13から第2磁性層12
を介して第1磁性層11に及ぼされる交換結合力(エネ
ルギー)が第1磁性層11の保磁力(エネルギー)を上
回る温度T1以上で、かつ第1磁性層11に記録磁区を
保持できるような温度まで磁性層11〜13の温度を昇
温させることにより、記録マークを第1磁性層11に完
全に浮かび上がらせるようにすることができる。これ
は、例えば、昇温したときに第1磁性層11と第3磁性
層13との間の交換結合が強くなるような交換結合力調
整層を、第1磁性層11と第2磁性層12の間、または
第2磁性層12と第3磁性層13の間にはさむことによ
っても可能である。
では交換結合によって第1磁性層11および第2磁性層
12の磁化の方向は、第3磁性層13に記録された記録
マークパターンの磁化方向に常に揃っているものとして
説明を行っている。しかしながら、微細磁区化による静
磁エネルギーの減少などの項目も考慮した微妙なエネル
ギーのバランスによっては、第1磁性層11の記録マー
クの一部分が下向き磁化となることもあり、また室温近
傍での磁壁エネルギーが大きい第1磁性層11の場合
は、室温では第1磁性層11に記録磁区が保持できずコ
ラプスしている場合もある。いずれの場合においても、
記録情報自体は第3磁性層13の記録マークパターンと
して保持される。そのような場合には,再生光ビーム2
1の照射によって、第3磁性層13から第2磁性層12
を介して第1磁性層11に及ぼされる交換結合力(エネ
ルギー)が第1磁性層11の保磁力(エネルギー)を上
回る温度T1以上で、かつ第1磁性層11に記録磁区を
保持できるような温度まで磁性層11〜13の温度を昇
温させることにより、記録マークを第1磁性層11に完
全に浮かび上がらせるようにすることができる。これ
は、例えば、昇温したときに第1磁性層11と第3磁性
層13との間の交換結合が強くなるような交換結合力調
整層を、第1磁性層11と第2磁性層12の間、または
第2磁性層12と第3磁性層13の間にはさむことによ
っても可能である。
【0047】図12に、(1,7)RLL-NRZI変調でラン
ダムパターンを記録し、再生パワーPRを2.8mWと
し、再生磁界Hrを750 Oeとして再生したときの
タイムインターバルヒストグラムを示す。前エッジ−前
エッジ(Leading to leading)と後エッジ−後エッジ
(Trailing to trailing)とで、それぞれ、10.6%
と11.4%のほぼ実用レベルの良好なジッタ値が得ら
れている。
ダムパターンを記録し、再生パワーPRを2.8mWと
し、再生磁界Hrを750 Oeとして再生したときの
タイムインターバルヒストグラムを示す。前エッジ−前
エッジ(Leading to leading)と後エッジ−後エッジ
(Trailing to trailing)とで、それぞれ、10.6%
と11.4%のほぼ実用レベルの良好なジッタ値が得ら
れている。
【0048】比較例1.図13は、本発明に係る光磁気
記録媒体に実施例1と同一条件で記録したテスト記録パ
ターンを、再生パワーPRを2.8mWとし、再生磁界
Hrを−750Oeとして再生したときの再生波形と、
その再生動作を説明する模式図である。再生磁界を消去
磁界方向に印加することにより、実施例1とは異なり、
リアマスクの遷移金属副格子磁界方向は記録マークの遷
移金属副格子磁化方向と逆向き(図中では白色で表現)
となる。このため、光スポット内に入ってきた記録マー
クはリアマスク方向へ拡大することなく進行する。そし
て、リアマスクに入ると再生磁界Hrによりリアマスク
方向に磁化反転するコラプス現象が生じる。この場合、
前エッジ−前エッジ(Leading to leading)と後エッジ
−後エッジ(Trailing to trailing)とで、それぞれ、
ジッタ値は16%と12%であり、前エッジ−前エッジ
でのジッタ値は不十分な結果しか得られていない。
記録媒体に実施例1と同一条件で記録したテスト記録パ
ターンを、再生パワーPRを2.8mWとし、再生磁界
Hrを−750Oeとして再生したときの再生波形と、
その再生動作を説明する模式図である。再生磁界を消去
磁界方向に印加することにより、実施例1とは異なり、
リアマスクの遷移金属副格子磁界方向は記録マークの遷
移金属副格子磁化方向と逆向き(図中では白色で表現)
となる。このため、光スポット内に入ってきた記録マー
クはリアマスク方向へ拡大することなく進行する。そし
て、リアマスクに入ると再生磁界Hrによりリアマスク
方向に磁化反転するコラプス現象が生じる。この場合、
前エッジ−前エッジ(Leading to leading)と後エッジ
−後エッジ(Trailing to trailing)とで、それぞれ、
ジッタ値は16%と12%であり、前エッジ−前エッジ
でのジッタ値は不十分な結果しか得られていない。
【0049】実施例1の場合と再生パワーPRが等しい
のにもかかわらず、すなわち磁壁エネルギー勾配が等し
いのにもかかわらず、磁壁移動は生じていない。これ
は、リアマスクの遷移金属副格子磁化方向と記録マーク
の遷移金属副格子磁化方向とが平行であることの重要性
を示しており、リアマスクの存在によって記録マーク磁
区が拡大し、再生振幅が増大することがわかる。
のにもかかわらず、すなわち磁壁エネルギー勾配が等し
いのにもかかわらず、磁壁移動は生じていない。これ
は、リアマスクの遷移金属副格子磁化方向と記録マーク
の遷移金属副格子磁化方向とが平行であることの重要性
を示しており、リアマスクの存在によって記録マーク磁
区が拡大し、再生振幅が増大することがわかる。
【0050】実施例2.表面にスパイラル状の案内溝を
有し、トラックピッチが1.6μmである、厚み1.2m
m、直径13cmの円盤状のポリカーボネート製の透明
基板上に、実施例1の場合と同様のスパッタ法により下
記の薄膜を成膜し、UV樹脂の保護膜付きの光磁気記録
媒体を製作した。
有し、トラックピッチが1.6μmである、厚み1.2m
m、直径13cmの円盤状のポリカーボネート製の透明
基板上に、実施例1の場合と同様のスパッタ法により下
記の薄膜を成膜し、UV樹脂の保護膜付きの光磁気記録
媒体を製作した。
【0051】 (実施例2の薄膜の性状) <層> <材料> <膜厚> <キュリー温度> 第1誘電体層 SiNx 60nm 第1磁性層 GdFe 30nm Tc1=220°C 第2磁性層 DyFeCo 20nm Tc2=125°C 第3磁性層 TbFeCo 60nm Tc3=210°C 第2誘電体層 SiNx 90nm 保護層 UV樹脂
【0052】この実施例2では、第1磁性層11は周囲
温度において反転磁界H1が9.8kOeであり、組成
は希土類金属副格子磁化優勢であった。また、第1磁性
層11の補償温度を測定したところ約70°Cであっ
た。この光磁気記録媒体に下記の条件にて光ディスクテ
スターにより、最短記録マーク長が0.35μmの(1,
7)RLL−NRZI変調でランダムパターンを記録し、再生
パワーPRを2.0mWとし、再生磁界Hrを350 O
eとして再生したときジッタ値として、約10%の良好
な結果を得た。このときの線速度LVは4.0m/se
cであった。
温度において反転磁界H1が9.8kOeであり、組成
は希土類金属副格子磁化優勢であった。また、第1磁性
層11の補償温度を測定したところ約70°Cであっ
た。この光磁気記録媒体に下記の条件にて光ディスクテ
スターにより、最短記録マーク長が0.35μmの(1,
7)RLL−NRZI変調でランダムパターンを記録し、再生
パワーPRを2.0mWとし、再生磁界Hrを350 O
eとして再生したときジッタ値として、約10%の良好
な結果を得た。このときの線速度LVは4.0m/se
cであった。
【0053】実施例3.表面にスパイラル状の案内溝を
有し、トラックピッチが1.6μmである、厚み1.2m
m、直径13cmの円盤状のポリカーボネート製の透明
基板上に、実施例1の場合と同様のスパッタ法により下
記の薄膜を成膜し、UV樹脂の保護膜付きの光磁気記録
媒体を製作した。
有し、トラックピッチが1.6μmである、厚み1.2m
m、直径13cmの円盤状のポリカーボネート製の透明
基板上に、実施例1の場合と同様のスパッタ法により下
記の薄膜を成膜し、UV樹脂の保護膜付きの光磁気記録
媒体を製作した。
【0054】 (実施例3の薄膜の性状) <層> <材料> <膜厚> <キュリー温度> 第1誘電体層 SiNx 60nm 第1磁性層 GdFe 50nm Tc1=220°C 第2磁性層 DyTbFe 20nm Tc2=115°C 第3磁性層 TbFeCo 60nm Tc3=240°C 第2誘電体層 SiNx 90nm 保護層 UV樹脂
【0055】実施例3においては、第1磁性層11は周
囲温度において反転磁界H1が14.8kOeであり、
組成は遷移金属副格子磁化優勢であった。この光磁気記
録媒体に下記の条件にて光ディスクテスターにより、最
短記録マーク長が0.35μmの(1,7)RLL-NRZI変調
でランダムパターンを記録し、再生パワーPRを1.8
mWとし、再生磁界Hrを300 Oeとして再生した
ときジッタ値として、約11%の良好な結果を得た。な
お、このときの線速度LVは4.0m/secであっ
た。
囲温度において反転磁界H1が14.8kOeであり、
組成は遷移金属副格子磁化優勢であった。この光磁気記
録媒体に下記の条件にて光ディスクテスターにより、最
短記録マーク長が0.35μmの(1,7)RLL-NRZI変調
でランダムパターンを記録し、再生パワーPRを1.8
mWとし、再生磁界Hrを300 Oeとして再生した
ときジッタ値として、約11%の良好な結果を得た。な
お、このときの線速度LVは4.0m/secであっ
た。
【0056】比較例2.表面にスパイラル状の案内溝を
有し、トラックピッチが1.6μmである、厚み1.2m
m、直径13cmの円盤状のポリカーボネート製の透明
基板上に、実施例1の場合と同様のスパッタ法により下
記の薄膜を成膜し、UV樹脂の保護膜付きの光磁気記録
媒体を作成した。
有し、トラックピッチが1.6μmである、厚み1.2m
m、直径13cmの円盤状のポリカーボネート製の透明
基板上に、実施例1の場合と同様のスパッタ法により下
記の薄膜を成膜し、UV樹脂の保護膜付きの光磁気記録
媒体を作成した。
【0057】 (比較例2の薄膜の性状) <層> <材料> <膜厚> <キュリー温度> 第1誘電体層 SiNx 60nm 第1磁性層 GdFe 30nm Tc1=210°C 第2磁性層 DyFeCo 20nm Tc2=125°C 第3磁性層 TbFeCo 60nm Tc3=250°C 第2誘電体層 SiNx 90nm 保護層 UV樹脂
【0058】この比較例2においては、第1磁性層11
は周囲温度において反転磁界H1は3.7k Oeであ
り、組成は希土類金属副格子磁化優勢であり、周囲温度
から第1磁性層11のキュリー温度Tc1までの間に補
償温度を持っていない。この光磁気記録媒体では、消去
磁界方向に再生磁界Hrを印加することにより、記録マ
ークの副格子磁化方向と平行にリアマスクを形成するこ
とができるため、評価は消去磁界方向の再生磁界Hrを
印加して行った。この光磁気記録媒体に下記の条件にて
光ディスクテスターにより、最短記録マーク長が0.3
5μmの(1,7)RLL-NRZI変調でランダムパターンを
記録し、再生パワーPRを2.0mWとし、再生磁界H
rを−800 Oeとして再生したところ、ジッタ値は
約15%であった。
は周囲温度において反転磁界H1は3.7k Oeであ
り、組成は希土類金属副格子磁化優勢であり、周囲温度
から第1磁性層11のキュリー温度Tc1までの間に補
償温度を持っていない。この光磁気記録媒体では、消去
磁界方向に再生磁界Hrを印加することにより、記録マ
ークの副格子磁化方向と平行にリアマスクを形成するこ
とができるため、評価は消去磁界方向の再生磁界Hrを
印加して行った。この光磁気記録媒体に下記の条件にて
光ディスクテスターにより、最短記録マーク長が0.3
5μmの(1,7)RLL-NRZI変調でランダムパターンを
記録し、再生パワーPRを2.0mWとし、再生磁界H
rを−800 Oeとして再生したところ、ジッタ値は
約15%であった。
【0059】第1磁性層11が、周囲温度からキュリー
温度Tc1までの間に補償温度を持たない希土類金属副
格子磁化優勢の組成である場合、温度T2での第1磁性
層11の反転磁界H1が大きいので、リアマスク形成に
大きな再生磁界Hrが必要である。また、磁壁エネルギ
ーが小さく磁壁移動が生じにくいので、十分な特性が得
られない。したがって、第1磁性層11の組成は、温度
T2において遷移金属副格子磁化優勢であることが重要
である。
温度Tc1までの間に補償温度を持たない希土類金属副
格子磁化優勢の組成である場合、温度T2での第1磁性
層11の反転磁界H1が大きいので、リアマスク形成に
大きな再生磁界Hrが必要である。また、磁壁エネルギ
ーが小さく磁壁移動が生じにくいので、十分な特性が得
られない。したがって、第1磁性層11の組成は、温度
T2において遷移金属副格子磁化優勢であることが重要
である。
【0060】なお、本発明に係る光磁気記録媒体の第3
磁性層13上に、交換結合可能な1つもしくは複数の磁
性層を付加することにより、光強度変調法によるダイレ
クトオーバライト(直接重ね書き)を可能にした構成の
光磁気記録媒体においても本発明と同様の作用・効果が
得られる。
磁性層13上に、交換結合可能な1つもしくは複数の磁
性層を付加することにより、光強度変調法によるダイレ
クトオーバライト(直接重ね書き)を可能にした構成の
光磁気記録媒体においても本発明と同様の作用・効果が
得られる。
【0061】以上の説明においては、情報の記録は光強
度変調法で行っているが、これに代えて磁界変調法で記
録を行っても本発明の作用・効果はかわらない。また、
いずれの実施例においても、交換力を調節するための層
を磁性層間に挟むことができる。また、記録膜の熱的な
特性を調節するために、熱伝導率の高い金属層などを基
板と逆側において第2誘電体層32上に設けても良い。
また本発明では、透明基板30の側から光を入射した場
合について説明しているが、各誘電体層31、32、お
よび磁性層11〜13の積層順を逆にすれば、透明基板
30と逆側から記録再生する構成としても構わない。ま
た本発明の光磁気記録媒体に記録する直前や再生する直
前において、記録パワーや再生パワー、再生磁界の大き
さを最適に調整するためのテスト記録、テスト再生を用
いることができることはいうまでもない。
度変調法で行っているが、これに代えて磁界変調法で記
録を行っても本発明の作用・効果はかわらない。また、
いずれの実施例においても、交換力を調節するための層
を磁性層間に挟むことができる。また、記録膜の熱的な
特性を調節するために、熱伝導率の高い金属層などを基
板と逆側において第2誘電体層32上に設けても良い。
また本発明では、透明基板30の側から光を入射した場
合について説明しているが、各誘電体層31、32、お
よび磁性層11〜13の積層順を逆にすれば、透明基板
30と逆側から記録再生する構成としても構わない。ま
た本発明の光磁気記録媒体に記録する直前や再生する直
前において、記録パワーや再生パワー、再生磁界の大き
さを最適に調整するためのテスト記録、テスト再生を用
いることができることはいうまでもない。
【0062】
【発明の効果】本発明の第1〜第6の態様に係る光磁気
記録媒体または光磁気再生方法においては、案内溝の深
さに条件をつけ加える必要はなく、したがってトラッキ
ングやクロストーク特性が良好となる。また、特殊な成
膜法を必要としないので、安価に製造することができ
る。さらに、アニールやエッチングなど膜の形状、物性
変化を引き起こす工程を用いることなく製造することが
できる。したがって、磁性膜に欠陥や物性劣化を引き起
こすことなく、磁区を拡大縮小して微細記録マークの再
生を行うことができる光磁気記録媒体を得ることができ
る。また、繰り返し記録再生を行っても劣化することの
ない良好な記録再生特性を得ることができる。さらに、
従来の磁壁移動検出法で問題とされている光スポット前
方からの磁壁移動による信号(ノイズ)を、本発明に係
る再生方法では記録マークと遷移金属副格子磁化が同一
方向のリアマスクにより抑制することができ、信号劣化
を抑えることができる。
記録媒体または光磁気再生方法においては、案内溝の深
さに条件をつけ加える必要はなく、したがってトラッキ
ングやクロストーク特性が良好となる。また、特殊な成
膜法を必要としないので、安価に製造することができ
る。さらに、アニールやエッチングなど膜の形状、物性
変化を引き起こす工程を用いることなく製造することが
できる。したがって、磁性膜に欠陥や物性劣化を引き起
こすことなく、磁区を拡大縮小して微細記録マークの再
生を行うことができる光磁気記録媒体を得ることができ
る。また、繰り返し記録再生を行っても劣化することの
ない良好な記録再生特性を得ることができる。さらに、
従来の磁壁移動検出法で問題とされている光スポット前
方からの磁壁移動による信号(ノイズ)を、本発明に係
る再生方法では記録マークと遷移金属副格子磁化が同一
方向のリアマスクにより抑制することができ、信号劣化
を抑えることができる。
【0063】とくに、本発明の第1の態様に係る光磁気
記録媒体によれば、隣接する情報トラック間の磁性層の
磁気的結合の分断を必要とせず、かつ磁性膜の変質や欠
陥を引き起こして製造歩留まりを大幅に低下させるなど
といった不具合が生じないので、再生分解能が向上す
る。
記録媒体によれば、隣接する情報トラック間の磁性層の
磁気的結合の分断を必要とせず、かつ磁性膜の変質や欠
陥を引き起こして製造歩留まりを大幅に低下させるなど
といった不具合が生じないので、再生分解能が向上す
る。
【0064】本発明の第2の態様に係る光磁気記録媒体
によれば、第2の温度T2において第1磁性層が遷移金
属副格子磁化優勢であるので再生分解能がより向上す
る。
によれば、第2の温度T2において第1磁性層が遷移金
属副格子磁化優勢であるので再生分解能がより向上す
る。
【0065】本発明の第3の態様に係る光磁気記録媒体
によれば、第1磁性層の補償温度が、周囲温度より高く
上記第2の温度T2より低いので、再生分解能がさらに
向上する。
によれば、第1磁性層の補償温度が、周囲温度より高く
上記第2の温度T2より低いので、再生分解能がさらに
向上する。
【0066】本発明の第4の態様に係る光磁気記録媒体
によれば、周囲温度から第1の温度T1までの間の温度
範囲における第1磁性層の反転磁界H1が再生磁界Hr
より小さいので、再生分解能がなお一層向上する。
によれば、周囲温度から第1の温度T1までの間の温度
範囲における第1磁性層の反転磁界H1が再生磁界Hr
より小さいので、再生分解能がなお一層向上する。
【0067】本発明の第5の態様に係る光磁気再生方法
によれば、リアマスクにより再生分解能を向上させると
ともに、記録された記録マークの磁壁を再生時に移動さ
せて記録マークを拡大させることにより再生信号を増大
させることができる。よって、再生光学系の分解能より
小さな記録マークを、高い再生分解能でもって再生する
ことができる。
によれば、リアマスクにより再生分解能を向上させると
ともに、記録された記録マークの磁壁を再生時に移動さ
せて記録マークを拡大させることにより再生信号を増大
させることができる。よって、再生光学系の分解能より
小さな記録マークを、高い再生分解能でもって再生する
ことができる。
【0068】本発明の第6の態様に係る光磁気再生方法
によれば、リアマスクにより再生分解能を向上させると
ともに、記録された記録マークの磁壁を再生時に移動さ
せて記録マークを拡大させることにより再生信号を増大
させることができる。よって、再生光学系の分解能より
小さな記録マークを、高い再生分解能でもって再生する
ことができる。
によれば、リアマスクにより再生分解能を向上させると
ともに、記録された記録マークの磁壁を再生時に移動さ
せて記録マークを拡大させることにより再生信号を増大
させることができる。よって、再生光学系の分解能より
小さな記録マークを、高い再生分解能でもって再生する
ことができる。
【図1】 本発明に係る光磁気記録媒体の構造を示す模
式図である。
式図である。
【図2】 本発明に係る光磁気記録媒体の再生動作の説
明図である。
明図である。
【図3】 本発明に係る光磁気記録媒体の、記録マーク
がない状態での再生時の磁化状態を示す模式図である。
がない状態での再生時の磁化状態を示す模式図である。
【図4】 (a)、(b)は、それぞれ、本発明に係る
光磁気記録媒体の、再生時の磁区拡大現象の説明図であ
る。
光磁気記録媒体の、再生時の磁区拡大現象の説明図であ
る。
【図5】 (a)、(b)は、それぞれ、本発明に係る
光磁気記録媒体の、再生時の磁区縮小現象の説明図であ
る。
光磁気記録媒体の、再生時の磁区縮小現象の説明図であ
る。
【図6】 本発明に係る光磁気記録媒体の、記録マーク
がない状態での再生時の磁化状態を示す模式図である
(T2<Tc2)。
がない状態での再生時の磁化状態を示す模式図である
(T2<Tc2)。
【図7】 (a)、(b)は、それぞれ、本発明に係る
光磁気記録媒体の、再生時の磁区拡大現象の説明図であ
る(T2<Tc2)。
光磁気記録媒体の、再生時の磁区拡大現象の説明図であ
る(T2<Tc2)。
【図8】 (a)、(b)は、それぞれ、本発明に係る
光磁気記録媒体の、再生時の磁区縮小現象の説明図であ
る(T2<Tc2)。
光磁気記録媒体の、再生時の磁区縮小現象の説明図であ
る(T2<Tc2)。
【図9】 本発明に係る光磁気記録媒体の再生波形と再
生状態とを示す説明図である。
生状態とを示す説明図である。
【図10】 本発明に係る光磁気記録媒体の再生波形を
示す図である。
示す図である。
【図11】 (a)〜(c)は、それぞれ、本発明に係
る光磁気記録媒体の、拡大再生状態を示す説明図であ
る。
る光磁気記録媒体の、拡大再生状態を示す説明図であ
る。
【図12】 本発明に係る光磁気記録媒体のタイムイン
ターバルヒストグラムである。
ターバルヒストグラムである。
【図13】 本発明の比較例1に係る再生方法による再
生波形と再生状態とを示す説明図である。
生波形と再生状態とを示す説明図である。
【図14】 従来の磁壁移動検出法の光磁気再生動作の
説明図である。
説明図である。
【符号の説明】 11 第1磁性層、12 第2磁性層、13 第3磁性
層、21 光ビーム、22 外部補助磁界発生装置、3
0 透明基板、31 第1誘電体層、32 第2誘電体
層、33 保護層。
層、21 光ビーム、22 外部補助磁界発生装置、3
0 透明基板、31 第1誘電体層、32 第2誘電体
層、33 保護層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 康一 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 基板上に少なくとも第1、第2、第3磁
性層がこの順に設けられ、 第i磁性層のキュリー温度をTci(i=1,2,3)とす
れば、上記の各磁性層のキュリー温度Tciが、不等式
Tc1>Tc2および不等式Tc3>Tc2であらわされる
条件を満足し、 周囲温度からキュリー温度Tc2までの間の温度範囲内
の第1の温度T1で、第3磁性層から第2磁性層を介し
て第1磁性層に及ぼされる交換結合力が第1磁性層の保
磁力を上回るようになっていて、 上記第1の温度T1より高い第2の温度T2で、第1磁
性層の反転磁界H1が再生磁界Hrよりも小さくなるよ
うになっている光磁気記録媒体において、 周囲温度から、再生レーザ光により昇温される温度まで
の温度範囲内では、第3磁性層の反転磁界H3が再生磁
界Hrよりも大きく、 第3磁性層から交換力により第1磁性層に転写された磁
区が、該媒体の移動する方向に拡大するようになってい
ることを特徴とする光磁気記録媒体。 - 【請求項2】 上記第2の温度T2において、第1磁性
層が遷移金属副格子磁化優勢であることを特徴とする請
求項1に記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項3】 上記第1磁性層の補償温度が、周囲温度
より高く上記第2の温度T2より低いことを特徴とする
請求項2に記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項4】 周囲温度から上記第1の温度T1までの
間の温度範囲における第1磁性層の反転磁界H1が再生
磁界Hrより小さいことを特徴とする、請求項1〜3の
いずれか1つに記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の光
磁気記録媒体を用いて、 再生レーザ光により磁性膜を第2の温度T2以上の温度
まで昇温させ、 光スポット内にある第2の温度T2以上の高温領域に再
生磁界Hrにより第1磁性層の磁化方向を揃えたリアマ
スクを形成し、 リアマスクにおける第1磁性層の遷移金属副格子磁化方
向と、第1の温度T1における第1磁性層の遷移金属副
格子磁化方向が平行である磁区を媒体の移動方向に拡大
させることによって、再生信号を検出することを特徴と
する光磁気再生方法。 - 【請求項6】 請求項4に記載の光磁気記録媒体を用い
て、 周囲温度から第1の温度T1までの間の温度範囲におけ
る第1磁性層の反転磁界H1より大きい再生磁界Hrを
印加し、 再生レーザ光により、磁性膜を第2の温度T2以上の温
度まで昇温させ、 光スポット内にある第2の温度T2以上の高温領域に再
生磁界Hrにより第1磁性層の磁化方向を揃えたリアマ
スクを形成し、 リアマスクにおける第1磁性層の遷移金属副格子磁化方
向と、第1の温度T1における第1磁性層の遷移金属副
格子磁化方向が平行である磁区を該媒体の移動方向に拡
大させることによって、再生信号を検出することを特徴
とする光磁気再生方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12893198A JPH11328761A (ja) | 1998-05-12 | 1998-05-12 | 光磁気記録媒体および光磁気再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12893198A JPH11328761A (ja) | 1998-05-12 | 1998-05-12 | 光磁気記録媒体および光磁気再生方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11328761A true JPH11328761A (ja) | 1999-11-30 |
Family
ID=14996947
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12893198A Pending JPH11328761A (ja) | 1998-05-12 | 1998-05-12 | 光磁気記録媒体および光磁気再生方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11328761A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2001080230A1 (fr) * | 2000-04-19 | 2001-10-25 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Unite de disque magneto-optique capable de reproduction par expansion du domaine magnetique sous champ magnetique continu et procede de reproduction |
-
1998
- 1998-05-12 JP JP12893198A patent/JPH11328761A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2001080230A1 (fr) * | 2000-04-19 | 2001-10-25 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Unite de disque magneto-optique capable de reproduction par expansion du domaine magnetique sous champ magnetique continu et procede de reproduction |
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