JPH11329316A - 傾斜ディセル装置とそのイオンビームの形成方法 - Google Patents

傾斜ディセル装置とそのイオンビームの形成方法

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JPH11329316A
JPH11329316A JP10139580A JP13958098A JPH11329316A JP H11329316 A JPH11329316 A JP H11329316A JP 10139580 A JP10139580 A JP 10139580A JP 13958098 A JP13958098 A JP 13958098A JP H11329316 A JPH11329316 A JP H11329316A
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decel
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gap
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオンビームの減速及び中性粒子の分離を同
時に達成するための傾斜ディセル装置とそのイオンビー
ムの形成方法を提供すること。 【解決手段】 開口を有する複数のディセル電極17,18,
19,20 を傾斜させて配置し、質量分析器2から放出され
るイオンビームを、ビーム径路の基軸10に対して所定の
偏向角とオフセット距離Dでディセル電極の開口に入射
させ、ディセル電極の間に形成される間隙によって、イ
オンビームを減速または加速しかつ同時にイオンビーム
を中性粒子から分離させる。複数のディセル電極は、第
1,第2,第3の間隙を形成する前側電極17、抑制電極
18,19 及び後側電極20で構成され、オフセット修正され
たイオンビームが基軸10に沿う方向に移動する。中性粒
子は、ディセル電極20の開口を通過できないか、ウエハ
7に到達する前に捕捉され、イオンのみがウエハに衝突
することにより、ウエハへのエネルギー汚染をなくす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造技術等
に利用される高電流型イオン注入装置に直接使用して、
高電流でエネルギー汚染のない超低エネルギーのイオン
ビームを発生させることを可能にするディセル装置およ
びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】イオン注入装置は、イオン源からB+
びP+ 等のイオンを生成してイオンビーム形成し、イオ
ン注入室内に設けられた1つまたは複数のウエハにイオ
ンを注入して半導体製品の製造を行うものである。
【0003】イオン源室内で生成されてそこから放出さ
れたイオンは、質量と電荷の差により質量分離され、そ
して加速されてイオンビームを形成する。このイオンビ
ームは、イオンをウエハに注入するのに十分なエネルギ
ーを有しており、ビーム径路に沿ってイオン注入室に向
けられ、1つまたは複数のウエハに突入する。
【0004】従来のイオン注入装置では、マスクや不活
性化層を使用する選択注入でIC(集積回路)を製造す
ることができる。この注入技術のための装置は、大き
く、複雑で、高価であり、また、低いエネルギーでイオ
ンを注入できるという点ではその能力が制限されてい
る。
【0005】集積回路の製造において、ウルトラ−シャ
ロウ(Ultra shallow) 接合を形成するために、近い将
来、高電流及び超低エネルギーのイオン注入が必要とな
る。それゆえ、商業的に利用される最新の高電流型イオ
ン注入装置は、その作動レンジを1KeV(キロエレク
トロンボルト)又は数百eV程度の低いエネルギーにま
で拡張する必要がある。
【0006】超低エネルギーで高電流を得るために、イ
オンビームは、通常、比較的高エネルギーでイオン源か
ら引き出され、それから、質量分析され、さらにウエハ
に近い位置まで運ばれる。そこで、イオンビームは、必
要とされる超低エネルギーに減速される。このイオンビ
ームを減速(deceleration)するための装置は、ディセル
(decel) と呼ばれている。この減速されたイオンビーム
は、その後、ウエハ等のターゲットにまで運ばれる。
【0007】また、イオンビームを形成する荷電イオン
は、いわゆる空間電荷力によって互いに反発し、この力
は、低いエネルギーにおいてより強くなる。この空間電
荷の力によって、イオンビームの横方向への拡がりは、 (√m/√q)×Iz2 /U3/2 (1) に比例する。
【0008】ここで、イオンビームは断面が円形状の均
一なビームを想定している。m及びqは、イオンの質量
と電荷、Iは、ビーム電流、Uは、ビームエネルギー、
zは、イオンビームの通過距離である。明らかなよう
に、イオンビームの移動距離が短いと、より大きな電流
を得るのに好適である。
【0009】そこで、高電流で超低エネルギービームを
与える、現在の商業的なイオン注入装置を製造するため
に、ディセル装置を設けることが予想される。しかし、
このディセル装置には、設計上の問題として重要な2つ
の技術的課題があると考えられている。
【0010】第1の課題は、エネルギー汚染(energy c
ontamination)に起因するものである。これは、イオン
がディセル電極に到着する前に残余ガス分子と衝突し、
一部のイオンが中性粒子となり、そして、ディセル電極
を通過した後に、イオンのエネルギーは減じられるが、
中性粒子のエネルギーはそのまま保持されて、高いエネ
ルギーの中性粒子がイオンとともにウエハに到達するこ
とにより起こるエネルギー汚染のことである。また、ビ
ーム電流を増加させるために、減速前のビームエネルギ
ーを増加させる程、よりエネルギー汚染の害はひどくな
る。従って、理想的には、減速機能だけでなく、分離機
能を有するディセル装置が一番望ましい。しかしなが
ら、そのようなディセル装置は、商業的な高電流型イオ
ン注入装置にこれまで使用されていない。
【0011】第2の課題は、超低エネルギービームの空
間電荷力の急激な増加に起因するものである。イオンビ
ームエネルギーが低くなると、空間電荷力が極端に大き
くなり、荷電イオンが互いに反発し合う。このため、イ
オンビームのウエハまでの飛行距離が長くなると、イオ
ンをウエハに到達させることが難しくなる。そこで、デ
ィセル装置からウエハまでの距離を短くすることが必要
であり、この距離の短縮は、大電流の超低エネルギービ
ームを得るために非常に重要なことである。この第2の
課題を解決するために、中性粒子をイオンビームから分
離する分離装置を可能な限りコンパクトにすることが必
要となる。
【0012】また、高電流型イオン注入装置のビームエ
ネルギーよりも、より高いビームエネルギーを必要とす
る中電流型イオン注入装置などにおいて、ディセルが使
用されることがある。この中電流型イオン注入装置など
に使用される従来のディセルは、イオンビームの進行方
向に対して全て垂直に位置する開口を有する電極であ
る。従って、中性粒子(neutrals)は、それを通過する
ことができる。
【0013】上述したように、分離機能を有する分離装
置は、エネルギー汚染を除去するためにディセルの後段
に設けられる。そこで中性粒子をイオンビームから分離
するためには、一般的に、2種類の装置が用いられる。
第1の装置は、横方向の電界がイオンビームを曲げ、か
つ中性粒子に何ら影響を及ぼさない電気偏向装置であ
る。イオンビームと中性粒子は、所定の移動距離を通過
後、分離される。第2の装置は、イオンビームに進行方
向に対して横向きの磁界によってイオンビームを曲げる
磁石であり、これにより、イオンビームを中性粒子から
分離する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
装置は、イオンビームの個々のイオンを広い領域に発散
させてしまうので、長い距離に渡って超低エネルギービ
ームを運ぶためには致命的な欠陥となり、我々の所望の
目的に使用することができない。
【0015】また、第2の装置である磁石は、通常、大
きくてウエハまでの距離が長くなり、超低エネルギービ
ームに使用するにはあまりにビームの飛行経路が長くな
ってしまう。
【0016】また、超低エネルギーで高電流を得るため
の上述した概念は、高エネルギーの中性粒子に起因する
いわゆるエネルギー汚染(energy contamination)が起
こるために、商業的に利用可能な高電流型イオン注入装
置には、現実にこれまで適用されていなかった。
【0017】有害な中性粒子(neutrals)は、イオンと
残留ガス分子の間の衝突によってディセル電極の前側領
域で生じる。ここで発生した中性粒子は、ディセル電極
を直進して通過し、ウエハに到達する。中性粒子は、減
速されたイオンよりも高いエネルギーを有しているの
で、ウエハのより深い領域へと入り込むことになる。こ
れがエネルギー汚染と呼ばれ、ディセル装置を使用する
際の本質的な問題となる。
【0018】エネルギー汚染は、イオンビームから中性
粒子を分離することによって原則的に除去することが可
能である。
【0019】そこで、本発明は、イオンビームの減速及
び中性粒子の分離を同時に達成することのできるイオン
ビームの形成方法及びそのための新しい傾斜ディセル装
置を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、各請求項に記載の構成を有している。本
発明の新しいディセル装置を、傾斜ディセル装置と呼ぶ
ことにするが、それは、傾斜ディセル装置の電極がイオ
ン注入装置におけるビーム径路の基軸に対して垂直に配
置されていないからである。
【0021】本発明は、現在の高電流型イオン注入装置
に組み込んで使用できる傾斜ディセル装置の好ましい構
造を開示する。この好ましい構造により、現在得ること
ができる電流よりも大きな電流で、エネルギー汚染のな
い超低エネルギーのイオンビームを得ることが可能であ
る。傾斜ディセル装置は、簡素であり操作しやすいもの
である。
【0022】本発明は、イオンビームの減速及び中性粒
子の分離の両機能を有する全く新しいディセル装置を提
供するものであり、本発明における傾斜ディセル装置の
高エネルギー部の長さは、従来のディセル装置の長さと
比較して僅かに長くなり、ウエハに至るまでの減速され
たビームの飛行距離をより短くするのに適した構造を備
えている。
【0023】本発明の傾斜ディセル装置は、開口を有す
る複数のディセル電極をビーム径路の基軸に垂直な軸に
対して傾斜させて配置され、予め定めたイオンビームの
オフセット距離と偏向角で入射するイオンビームが、デ
ィセル電極の間に形成される間隙を通過することによっ
て、イオンビームを減速かつ同時に中性粒子をイオンビ
ームから分離する。これにより、高電流で十分に純粋な
超低エネルギーのイオンビームを形成する。
【0024】そして、さらなる好ましい構成によれば、
少なくとも2組のディセル電極間の間隙と、抑制電極で
構成されたドリフト空間の間隙を有しており、ディセル
電極を通過するビーム移動を確実にしかつウエハまでビ
ームを移動させるための集束力を与え、該集束力は、傾
斜ディセル装置の設計段階で、後述する抑制比を変えて
調節することが可能である。
【0025】また、傾斜したディセル電極の電極間の第
1の間隙において、イオンビームを湾曲及び加速させ、
次に、イオンビームが、ビーム経路の基軸に近づく方向
にドリフト空間の第2の間隙を進み、さらに、第3の間
隙において、イオンビームを減速させることにより、ビ
ームのオフセット距離が修正されて、イオンビームが傾
斜したディセル電極を通過後にビーム径路の基軸に沿っ
て平行に移動することができ、この場合、オフセット距
離Dをゼロに修正することが可能となる。
【0026】また、ディセル電極の前開口と後開口が所
定のオフセット距離だけ偏位して配置されていることか
ら、ディセル電極の前側電極の前で発生する中性粒子
は、ディセル電極の後側電極の開口を通過することがで
きず、さらに、抑制電極を構成する抑制ボックス内で発
生する中性粒子は、ウエハに到達する前に最終的に壁に
衝突してなくなる。その結果、中性粒子がウエハに衝突
するのを排除して、エネルギー汚染を発生させない。
【0027】さらに、本発明の構成によれば、傾斜した
ディセル電極の数が2つないし3つの場合において、中
性粒子がディセル電極の各開口を通過できたとしても、
イオンと中性粒子は確実に分離されており、中性粒子は
ウエハに到達する前に捕捉され、イオンのみがウエハに
突入する。
【0028】このように、本発明によれば、中性粒子
は、イオンビームからほぼ完全に分離されるので、減速
前のビームエネルギーと減速後のビームエネルギーとの
比をディセル比と呼ぶことにすると、ディセル比をかな
り大きくすることができる。例えば、ディセル比を3と
すると、3KeVから1KeVのビームを作ることがで
き、ディセル比を6とすると、3KeVから0.5Ke
Vのビームを作ることができ、ディセル比を8程度の高
いものとすると、2KeVから0.25KeVを作るこ
とができる。
【0029】さらに、減速した超低エネルギービームの
電流を増加させるために、ディセル電極内で減速する前
に電流を増加させて、ディセル比が非常に大きくなるよ
うに構成することもできる。従って、新しい傾斜ディセ
ル装置は、現在の高電流型イオン注入装置において、超
低エネルギービームに大きな電流を確実に与えることが
できる。
【0030】本発明の上記目的、優位性及び特徴は、本
発明の好適な実施の形態を説明した詳細な説明及び図面
に基いてより良く理解できるであろう。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1は、本発明における第1の実施の形
態を示す傾斜ディセル装置3を備えた高電流型イオン注
入装置の概略図であり、傾斜ディセル装置3を複数のデ
ィセル電極17,18,19,20で表示している。イ
オン注入装置は、主として集積回路に用いられる半導体
のシリコンウエハにイオンビームを衝突させてイオン注
入を行うために使用されている。機械軸上に位置するイ
オンビーム11は、イオン源1から引出され、さらに、
質量分析磁石2によっておよそ90°曲げられる。磁石
2の水平方向の焦点にて、イオンビーム11は、質量分
析磁石によって、ビームが、質量差による曲折度の差に
より方向を分けられ、そして、質量分析器に設けた質量
分離孔を通過することによって必要なイオンのみに分離
される。
【0032】必要ならば、ビームサイズは、その焦点の
水平投影面において小さいので、ディセル電極17〜2
0は、その焦点の位置に備えつけられる。これらの各デ
ィセル電極の開口も質量分離孔として機能する。上記目
的からして、本発明の傾斜ディセル装置3の前側電極1
7は、焦点位置にセットすることができる。
【0033】図1では、これらのディセル電極は、2つ
の電極が対となって配置され、各対の電極は、基軸に垂
直な軸に対してそれぞれ角度θ1 ,θ2 だけ傾斜してい
る。また、各開口は、それぞれのディセル電極のほぼ中
央に位置し、開口幅はオフセット距離にほぼ等しく、実
施例における寸法は2cm程度である。一般に、ビーム
の断面は、楕円形で楕円の長手方向が開口の縦方向に対
応している。したがって、電極の開口は、通常矩形状で
あり、その縦寸法が、イオンビーム断面の長手方向開口
幅よりも大きくなっている。
【0034】ディセル電極17〜20のオン−オフに応
じて、イオンビームは減速したりされなかったりする。
ディセル電極17〜20を通過した後、イオンビームは
最終的にウエハ7に到達する。そのウエハ7の背面にお
いて、ディスクファラデーカップ8がイオンビームのサ
ンプル電流を検出する。傾斜ディセル装置3とウエハ7
の間には、多くの他の必要な装置が配置されている。
【0035】図1に示すフラグファラデーカップ4は、
ビームを調整しているときに、イオンビームの電流を測
定する。電子反射器5は、プラズマシャワー6の影響を
安定化させる。プラズマシャワー6は、ウエハの帯電を
減少するための電子を供給する。もう1つの可動式ファ
ラデーカップ9は、物理的に許容可能な範囲で、できる
だけウエハに近接して取り付けられることが示唆されて
いる。ファラデーカップ9は、減速された超低エネルギ
ービームの調整を容易にし、さらに、大きな電流がウエ
ハ7に到達できるようにしている。
【0036】本発明に係る新しい傾斜ディセル装置3
は、他の実施の形態においても同様に、複数の電極で構
成されるものであり、少なくとも2つの電極を備えてい
る。全ての電極は、分離及び減速(あるいは加速)の両
方を実現するために、ビーム径路の基軸10に垂直な軸
に対して傾いている。現在の商業的な高電流型イオン注
入装置が、主作業モードであるドリフトモード(ディセ
ルしないモード)で作動しているとき、本発明のディセ
ル電極は、後述するように、適当な開口を有してフィー
ルド・フリー空間に位置している。イオンビーム11の
中心は、常に機械軸すなわちビーム経路の基軸10に沿
って動く。イオンビームがディセルモードで作動してい
るとき、傾斜ディセル装置3の前方にある質量分析磁石
2からウエハ7まで4つの開口の全てを通過することが
できる直線でないビーム軌道を形成するために、電極
は、図1に示されるように調節される。
【0037】従って、中性粒子は、最も後方のディセル
電極20を通過することができず、さらにエネルギー汚
染も全く生じない。各電極3の電位は、設計値に合わせ
られる。質量分析磁石2は、通常の設定よりも僅かに低
い磁界強度で動作する。この質量分析磁石2の調整によ
り、イオンビーム12は、機械軸10から所定のオフセ
ット距離Dだけ離れた位置となりかつ磁石2の終端にお
いて、小さな偏向角δθを有するようになっている。
【0038】イオンビームがドリフトしかつディセル電
極3の入口に到達すると、このオフセット距離Dは、偏
向角δθにより増加している。全オフセット距離は、お
よそ2cm程度である質量分離孔より大きいか、少なく
とも等しい程度の大きさが必要とされる。本発明の好ま
しい傾斜ディセル装置3は、4つのディセル電極を通過
してこのオフセット距離を修正し、さらに同時にイオン
ビームを減速させる。ディセル通過後、減速されたイオ
ンビームは、再び機械軸10に沿って動き、ウエハの表
面に到達する。ディセルモードにおけるイオンビームの
中心は、図1において符号12で示される。
【0039】本発明は、中性粒子をイオンビームから分
離するとともに、イオンビームを減速させる両方の機能
を同時に達成するために、ディセル電極を傾けて配置す
ることを提案する。図2は、そのような傾斜した一対の
電極の原理を図示したものである。
【0040】図2において、内部電界Eは、2つの電極
13,14に対して垂直に作用する。両電極が同一の角
度で傾斜されていると、電界は2つの分力Ex ,Ez が
働くように作用する。分力Ez は、従来の減速電界であ
る。この分力Ex により、イオンビームの進行方向は曲
げられ、一方、中性粒子の移動方向(Ez の反対方向)
は、真直ぐに保たれる。その結果として、イオンビーム
は減速されかつ中性粒子から分離される。
【0041】2つの電極の電位差に応じて、イオンは、
減速又は加速される。電極に設けられた開口15,16
は、その開口から内部電界が漏れるので、電界の分布に
影響を与える。しかし、本発明は、電極の大きさと比較
してその開口が小さいものであるならば、イオンビーム
における電界の総合的作用は、明らかに変化しないと考
えている。
【0042】しかしながら、好ましいディセル装置に
は、図2に示すような2つの電極を有する傾斜ディセル
電極の間に電子が加速されることを防止するために、2
つの一対の電極の間に抑制電極を設けている。
【0043】この抑制電極は、ディセル装置の設計を複
雑にする。本発明は、この抑制機能と上記2つの機能、
即ち、減速と分離とを兼ね備えた現実的なディセル装置
を提供する。図3,図4は、4つの電極と各対の電極間
に形成される3つの間隙(gap) を有する傾斜ディセル装
置が、いかに動作するのかを示した図である。図3は、
図1に示すイオン注入装置の全体構成において使用され
る傾斜ディセル装置3に対応している。
【0044】すなわち、4つの電極は、二つの組に分け
られる。第一組の2つの電極17,18は、機械軸10
に対して角度θ1 傾斜して第1の間隙を形成する。第二
組の2つの電極19,20は、機械軸10に対して角度
θ2 傾斜して第3の間隙を形成する。第2,第3の電極
18,19は抑制電極となっており、これらは同電位で
あるため、第一組、第二組の電極間は、第2の間隙とし
て電界のないドリフト空間を形成する。
【0045】説明を容易にするために、ここで、各電極
の電位をビームエネルギーレベルで表現することにす
る。図3において、U1 及びU2 は、傾斜ディセル装置
3を通過する前後のビームエネルギーを表わし、U1
は、ディセル電極17を通過する前のエネルギーレベル
であり、U2 は、ディセル電極20を通過した後のエネ
ルギーレベルである。Us は、抑制電極として作用する
ディセル電極18,19間でのビームエネルギーレベル
である。これらのディセル電極に対して、通常、Us >
1 >U2 の関係が成り立つ。便宜上、U1 /U2 をデ
ィセル比、さらにUs /U1 を抑制比と定義する。
【0046】イオンビームは、ディセル電極の開口にイ
オンビームが入射する位置において定められた偏向角δ
θとオフセット距離Dを有してディセル電極に進入す
る。図3において、偏向角δθは、入射するイオンビー
ムの基軸10に対する角度であり、オフセット距離D
は、イオンビームがビーム経路の基軸10から離れた距
離を示している。このイオンビームは、ディセル電極1
7に入射した後、ディセル電極18までの第1の間隙
で、最初加速されて偏向する。それから、ディセル電極
18,19間の第2の間隙におけるドリフト空間でドリ
フトしてイオンビームは、基軸10に接近し、ディセル
電極19,20間の第3の間隙で減速され、基軸10に
戻るように再び偏向される。この第1の実施形態では、
最終的に、オフセット距離はゼロに調整されている。
【0047】イオンビームにおける上記の最初のオフセ
ット距離と偏向角は、質量分析磁石2を調整することに
よって与えられる。オフセット距離Dの一次近似値とデ
ィセルの入口での偏向角δθは、以下のように与えられ
る。
【0048】 δθ=δR/R (2) D=δR(1+F/R) ここで、Rは磁石2の曲率半径、Fは磁石からディセル
電極17までの距離、Dはディセル電極で要求されるオ
フセット距離、δθは偏向角、δRは磁石の出口でのオ
フセット距離である(図1及び図3参照)。通常,Rは
Dより非常に大きい値であるので、δθおよびδRは、
かなり小さい値になり、磁石の性能に影響を及ぼさな
い。
【0049】いわゆるスネル(Schnell)の法則による
と、その角は、以下の相関関係がある。 √U1 sin(θ1 +δθ)=√Us sin(θ1 +δθ−φ) (3) √Us sin(θ2 −φ)=√U2 sinθ2 (4) この運動方程式を解くことによって、ビームオフセット
距離の焦点に合わせたディセル電極位置を推測すること
が可能である。また、オフセット修正距離Dcが以下の
数式で示される。
【0050】
【数1】 この数式は、Dc =Dが望ましい。ここで、L1 (第1
の間隙),L2 (第3の間隙)は、前側及び後側のギャ
ップ長さであり、Ls は、2つの抑制電極間のドリフト
空間である第2の間隙である。また、φは、ビーム基軸
に対して第2の間隙で曲げられたイオンビームの偏向角
度である。ディセル装置は、概略的には、 Ld 〜L1 +L2 +Ls (6) で与えられ、ここでLd はディセル電極の長さである。
【0051】上記の全てのパラメータを変換することに
よって、商業的な高電流型イオン注入装置に一番適合す
るものを決定することができる。ディセル装置を機械的
に単純化すると、θ1 ,θ2 ,及びDは、不変数とみな
すことができ、さらに、ディセル電極は、ディセル比の
広いレンジで作動すると考えれば、設計を単純化して、
例えば、θ1 =30°、θ2 =15°とし、D=2c
m,L1 =L2 =1cm,Ls =8cmとしたとき、現
在の高電流型イオン注入装置において、Ld は約10c
mとなる。
【0052】また、
【表1】 は、上記設計値におけるいくつかのエネルギーレベルに
おける作動パラメータを示す表である。各電極の傾斜角
度は、固定されており、それぞれのオフセット修正距離
Dc は、互いに接近している。イオン注入装置の性能
は、機械軸から1または2mmだけのわずかなオフセッ
トされただけでは影響を受けない。後側電極が接地電位
(0電位)にあるとするならば、他の電極の電位を決定
することができ、抑制電極の電位は、−(Us −U2
であり、前側電極の電位は、−(U 1 −U2 )である。
【0053】図5は、電極の傾斜角度が固定されている
場合における傾斜ディセル装置の一例の詳細なグラフで
あり、オフセット修正距離と、ディセル比の関数として
変化する抑制比を示している。これから、ディセル比が
3より大きい場合には、オフセット修正距離が、ほんの
僅かなだけ変化することが明らかである。この結果は、
機械的構造を変更することなく、ディセル比の広範囲に
渡って、傾斜ディセル装置3が動作可能であることを意
味している。したがって、傾斜ディセル装置3は機械的
に簡易に作製することができる。
【0054】空間電荷は、超低エネルギーのイオンビー
ムの運動において、非常に大きな影響を与えるというこ
とが知られている。空間電荷の力に起因して、イオンビ
ームの横方向への拡がりは、U-3/2の関数で与えられ
る。したがって、傾斜ディセル装置の第3の間隙の後方
のビーム伝搬は、その設計研究における非常に重要な問
題となる。
【0055】電位差に起因して、傾斜ディセル装置3の
第1と第3の2つの間隙は、また、横方向に集束する力
もイオンビーム上に与えることになる。他の通常の電極
のように、各間隙の電位差は、ビームの集束力の大きさ
を決定する。傾斜ディセル装置に関して、Us /U1
抑制比は、集束力の大きさを変更する手段を提供する。
注意深いシミュレーションによる設計研究及び必要なビ
ーム試験研究によって、傾斜ディセルのオフセット修正
及び横方向の集束の両方を満足する抑制比を選択するこ
とができる。
【0056】図1において傾斜ディセル装置3の後段に
置かれた可動式ファラデーカップ9は、物理的に許容さ
れる範囲内で可能な限りウエハ7に近設させて取り付け
ることが示唆されている。ファラデーカップ9から傾斜
ディセル装置3までの距離は、長くなり、ファラデーカ
ップ9からウエハ7までの距離が短くなる。このファラ
デーカップ9は、減速された超低エネルギービームにの
み働く。減速されたビームを調整しているとき、そのフ
ァラデーカップは機械軸10上に位置している。
【0057】このファラーデカップ9の利点として、2
つの面がある。第1には、作動中、オペレータは、ファ
ラデーカップ9でのイオンビーム電流が最大となるよう
に調整し、これによりオフセットは正しく修正され、イ
オンビームは機械軸10に沿って進ませることができ
る。第2には、輸送経路が短くなるので、大部分のイオ
ンビームがウエハに到達できる。低エネルギーの伝搬は
困難なため、距離が長くなるとビーム損失が大きくな
る。調整後、ファラデーカップ9は機械軸10から引き
離される。
【0058】次に、図6において、本発明における第2
の実施の形態としての傾斜ディセル装置100が示され
ている。機械的に単純構造にするために、2つの抑制電
極は一緒に接続され、抑制ボックス22を形成してい
る。このボックスは、その表面に多くの溝が形成されて
おり、真空達成率、すなわち、真空室からの空気排出の
容易性が改善されている。抑制ボックス22は、確実に
その内部空間がフィールドフリー(零電界)である。
【0059】この良好な傾斜ディセル装置100は、デ
ィセルモード時の超低エネルギービームに動作するだけ
でなく、比較的高いエネルギービームに対して動作する
ドリフトモードにおいても、両立して動作可能である。
この傾斜ディセル装置100の好ましい機械的構造は、
図7aないし図7cに示されており、その好ましい形態
において、3つの動作モードを有する。
【0060】傾斜ディセル装置100は、前側電極2
1、抑制ボックス22及び後側電極23の3つの主要部
を含んでいる。その長さは、所定の商業的な高電流型イ
オン注入装置に最適となるように決定される。ディセル
モードで動作しているときの電極の位置は、図7aに示
される。
【0061】この前側電極21は、質量分析磁石2の焦
点に位置している。前側電極21は、二つの開口を有
し、1つは、ボロン用の開口25であり、他の1つは、
リン用の開口24である。両開口24,25は、高電流
型イオン注入装置に備わる開口と同様の作用を呈する。
選択されたイオンのために設けられる開口の1つは、機
械軸10から設計されたオフセット距離だけ離れた位置
に置かれている。他の抑制ボックス22と後側電極23
は、それらの設計位置に置かれている。終端に位置する
後側電極23の開口28は、ちょうど機械軸10上に位
置する。また、これら3つの部材は、すべて設計された
電位に接続されている。
【0062】前側電極21の前で発生した中性粒子は、
前開口25と後開口28が対向していないために、後側
電極23の開口28を通過することができない。抑制ボ
ックス22内で発生したこれらの中性粒子は、最後の開
口28を通過することができるが、これらは、ウエハ7
に到達する前に最終的にイオンビーム経路の壁に衝突す
る。したがって、イオン注入装置に傾斜ディセル装置1
00を使用した場合、ウエハ等の加工物にイオン注入す
る際にエネルギー汚染が起こらない。
【0063】イオンビームは、第3の間隙から実際に減
速される。これは、ウエハまでのビームの移動距離が、
従来のディセル装置の場合の移動距離と比較して、傾斜
ディセル電極の長さの分だけ短くなることを意味してい
る。したがって、このビームの移動距離が短くなること
によって、ウエハまでの輸送中に失われるイオンビーム
が少なくなり、それだけウエハに到達するイオンが増加
し、傾斜ディセル電極100によってビーム電流は、従
来のディセルのビーム電流よりも高くなる。
【0064】図7bのように、ボロン用のドリフトモー
ドで動作しているときには、電位が0のターンオフ状態
になる。それから前側電極のボロン用開口25は、機械
軸10上に位置するように合わせられ、また、抑制ボッ
クス22及び終端の後側電極23は、機械軸10から引
き下げられている。このため、ボロンイオンのビーム
は、図7bに示すように、前側電極の開口25を通過
し、他の電極の影響を受けないでウエハまで直進するこ
とが可能となる。リンイオンのビームを使用する場合に
は、前側電極21は、図7cに示されるように、軸10
上にリン用開口24が位置するように再び調整される。
このように、本発明の傾斜ディセル装置100は、高電
流型イオン注入装置のドリフトモードにおいて、ビーム
経路の基軸上に所定のイオンを通過させる前側電極の開
口を合わせるように調整できるので、傾斜ディセル電極
は、ドリフトモードの操作に何ら悪影響を与えることが
ない。
【0065】次に、図8および図9において、本発明に
おける第3の実施の形態としての傾斜ディセル装置20
0が示されている。図8は、偏向角δθで、ディセル電
極を通過するイオンビームの進行状態を示す原理図であ
り、図9は、このためのディセル電極30〜32の配置
構造とイオンビームの進路を示している。この実施形態
において、傾斜ディセル装置200は、傾斜する3つの
ディセル電極で構成され、前側電極30、抑制電極3
1、後側電極32からなる。各電極は、それぞれイオン
ビームが通過する開口33,34,35を有している。
前側電極30は、機械軸(基軸)に垂直な軸に対してθ
1 傾斜し、また後側電極32はθ2 傾斜している。
【0066】図8において、質量分析磁石を通過したイ
オンビームは、偏向磁石によって、機械軸10から偏向
角δθだけ偏向した方向に進む。このイオンビームは、
3つのディセル電極30〜32の開口を通過して、イオ
ンと中性粒子が分離される。イオンは、各ディセル電極
によってその進行方向が屈曲させられて、後側電極32
の開口から出るとき、イオンビームのオフセット距離D
が完全に修正されずに、機械軸10から所定距離d1
け離れて機械軸と平行に進む。このため、第3の形態に
おいては、上述したオフセット距離Dをゼロに修正する
第1,第2の実施形態とは異なっている。
【0067】このように、オフセット距離Dをd1 に修
正する場合でも、イオンと中性粒子は分離される。すな
わち、イオンは、機械軸10から所定の距離だけ離れた
状態でウエハ表面に衝突し、一方、中性粒子は、ディセ
ル電極の影響を受けることなく開口を通過してまっすぐ
に進むが、ウエハに近い距離にあるスクラッパー(scrap
er) 50によって、その進行が妨げられている。本形態
では、中性粒子を捕捉するスクラッパー50は、機械軸
10に直交した位置に配置されているが、ディセル電極
32を通過した中性粒子がウエハに到達できないように
配置すれば良い。図8において、このスクレーパ50に
衝突する中性粒子と、ウエハ7に衝突する前にスクラッ
パーの延長線上を通過するイオンとの距離は、d2 だけ
離れており、イオンは中性粒子と完全に分離してウエハ
7に衝突する。
【0068】次に、図10および図11において、本発
明における第4の実施の形態としての傾斜ディセル装置
300が示されている。この形態では、ディセル電極が
2つであり、ディセル電極40,41の各開口42,4
3をイオンと中性粒子は共に通過する。これらの電極
は、機械軸10に垂直な軸に対してθ傾斜している。こ
の場合も、イオンはディセル電極40,41によって減
速されて開口内を屈曲して進み、中性粒子は、影響され
ずに直進する。このために、イオンと中性粒子は分離さ
れ、そして中性粒子はスクラッパー50によって捕捉さ
れてしまうが、イオンはウエハ7に到達できる。
【0069】
【発明の効果】以上述べたことから明らかなように、本
発明の傾斜ディセル装置は、簡単なディセル電極の構造
で、イオンビームの減速及び分離の両方を同時に兼ね備
えているので、イオン注入装置を小型化し、かつエネル
ギー汚染を防止することができる。
【0070】また、この傾斜ディセル装置は、ディセル
電極の長さ及び配置により、ウエハまでのビームの移動
距離を短くし、さらにディセル比を飛躍的に大きくする
ことができるので、超低エネルギービームに対して大電
流を供給することができる。さらに、傾斜ディセル装置
自体も、操作が容易な機械的構造であるために単純化さ
れている。
【0071】また、この傾斜ディセル装置は、ディセル
モード以外に、高電流イオン注入装置のドリフトモード
においても使用でき、完全に両立モードに対して適用で
きる。そのとき、ドリフトモードの操作に何ら影響を及
ぼすことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る傾斜ディセル装置が設けられる高
電流型イオン注入装置の概略図である。
【図2】イオンビームの減速及び中性粒子の分離を同時
に実現するために、傾斜して配置した2つのディセル電
極の原理を説明する図である。
【図3】4つの電極と3つの間隙を有する構造からなる
本発明の第1の実施形態を示す傾斜ディセル装置の動作
を説明するための図である。
【図4】図3における傾斜ディセル装置の構成を示す模
式図である。
【図5】オフセット距離とディセル比の関係を示すグラ
フである。
【図6】本発明に係る第2の実施形態を示す3つのディ
セル電極を備える傾斜ディセル装置の構成を示す模式図
である。
【図7】図6における本発明の傾斜ディセル装置におけ
る3つの動作モードを示し、(a) は、ディセルモード、
(b) は、ボロンイオンビームのドリフトモード、(c)
は、リンイオンビームのドリフトモード、における各デ
ィセルの動作を説明するための図である。
【図8】本発明に係る第3の実施形態を示す3つのディ
セル電極を備える傾斜ディセル装置の動作を説明するた
めの図である。
【図9】図8における傾斜ディセル装置の構成を示す模
式図である。
【図10】本発明に係る第4の実施形態を示す2つのデ
ィセル電極を備える傾斜ディセル装置の動作を説明する
ための図である。
【図11】図10における傾斜ディセル装置の構成を示
す模式図である。
【符号の説明】
1 イオン源 2 質量分析磁石 3 ディセル電極 4 フラグファラデーカップ 7 ウエハ 9 ファラデーカップ 10 機械軸(基軸) 11 ドリフトモードのイオンビーム 12 ディセルモードのイオンビーム 17,18,19,20 ディセル電極 21 前側電極 22 抑制ボックス 23 後側電極 24,25,27,28 開口

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開口を有する複数のディセル電極をビーム
    径路の基軸に垂直な軸に対して傾斜させて配置し、 前記ディセル電極にイオンビームが入射する位置での、
    前記基軸からのイオンビームのオフセット距離と、前記
    入射するイオンビームの前記基軸に対する偏向角を決定
    し、 前記ディセル電極の間に形成される間隙によって、イオ
    ンビームを減速かつ同時に中性粒子をイオンビームから
    分離して、高電流で十分に純粋な超低エネルギーを有す
    るイオンビームを形成することを特徴とする傾斜ディセ
    ル装置。
  2. 【請求項2】複数のディセル電極は、イオンビームのオ
    フセット距離の修正及び中性粒子の分離を共に実現する
    ために、前記イオンビームの進行方向に対して第1,第
    2,第3の間隙を形成しかつ前側電極と後側電極の間に
    一対の抑制電極を配置しており、前記第2の間隙が前記
    抑制電極間のドリフト空間であることを特徴とする請求
    項1記載の傾斜ディセル装置。
  3. 【請求項3】イオンビームのオフセット距離と偏向角
    は、ディセル電極の前方に設けられた質量分析器を調整
    して決定されることを特徴とする請求項1または請求項
    2記載の傾斜ディセル装置。
  4. 【請求項4】動作時において減速されたビームを調整す
    るために、ディセル電極の後方にあってウエハに近接す
    る位置に配置され、超低エネルギービームに対してのみ
    使用される可動式ファラデーカップをさらに設けたこと
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに傾斜ディセ
    ル装置。
  5. 【請求項5】開口を有する少なくとも2つの傾斜したデ
    ィセル電極を間隙を置いて配置し、質量分析器から放出
    されるイオンビームを、ビーム径路の基軸に対して所定
    の偏向角とオフセット距離で前記ディセル電極の開口に
    入射させ、 前記ディセル電極の間隙を通過するイオンビームのイオ
    ンと中性粒子を分離するとともに、イオンを減速させて
    前記ビーム径路の基軸に近づく方向に屈曲させて前記イ
    オンビームのオフセット距離を修正し、 前記分離した中性粒子をウエハに到達する前に捕捉さ
    せ、イオンのみをウエハに衝突させるように、前記傾斜
    したディセル電極を通過したイオンビームが前記基軸に
    沿う方向に移動する、各工程を有することを特徴とする
    イオンビームの形成方法。
  6. 【請求項6】オフセット修正工程は、ディセル電極間に
    形成された第1の間隙において、イオンビームを湾曲及
    び加速させ、次に、イオンビームがビーム径路の基軸に
    近づく方向に第2の間隙であるドリフト空間を進み、さ
    らに、第3の間隙において、イオンビームを減速させ
    る、3つの偏向ステップを備えることを特徴とする請求
    項5記載のイオンビームの形成方法。
  7. 【請求項7】傾斜したディセル電極における前側電極の
    開口をオフセットされたイオンビームの移動位置に焦点
    を合わせ、前記前側電極により偏向されたイオンビーム
    ラインと、ビーム経路の基軸ラインとが交わる位置に後
    側電極と対をなす抑制電極の一方を位置させ、イオンビ
    ームを中性粒子から分離させることを特徴とする請求項
    5記載のイオンビームの形成方法。
  8. 【請求項8】イオンビームの進行方向に対して所定の間
    隔でかつ傾斜した複数のディセル電極(17,18,19,20;21,
    22,23)を有し、 これらのディセル電極が、それぞれ少なくとも1つの開
    口(25,26,27,28) を有し、かつこの前側と後側に位置す
    る電極間にイオンビームを減速または加速させるための
    間隙と、その中間に位置する電極間にドリフト空間を形
    成する間隙とを有し、前記傾斜したディセル電極の前開
    口(25)を後開口(28)に対して所定のオフセット距離(D)
    だけ偏位させたことを特徴とするイオン注入用の傾斜デ
    ィセル装置。
  9. 【請求項9】複数のディセル電極は、前側電極(21)、抑
    制電極(22)及び後側電極(23)を含み、前記抑制電極(22)
    は、内部空間を有するボックス構造で、かつ前記前側電
    極(21)と後側電極(23)にそれぞれ対面する電極壁に開口
    (26,27) を有していることを特徴とする請求項6記載の
    傾斜ディセル装置。
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