JPH11329695A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

誘導加熱調理器

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JPH11329695A
JPH11329695A JP10126317A JP12631798A JPH11329695A JP H11329695 A JPH11329695 A JP H11329695A JP 10126317 A JP10126317 A JP 10126317A JP 12631798 A JP12631798 A JP 12631798A JP H11329695 A JPH11329695 A JP H11329695A
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心 坪井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、平滑コンデンサの容量を小さくせ
ずに力率を改善し、高効率で且つ異音の発生を抑えるこ
とを目的とする。 【解決手段】 直流電源部のリアクタ3を介して交流電
源1を短絡する短絡手段7を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミ、銅鍋等の
低抵抗、非磁性鍋を加熱するのに適し、高効率で且つ異
音の発生を抑えることが可能な誘導加熱調理器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】誘導加熱調理器は電磁誘導で加熱するた
め、従来、鉄鍋等の高抵抗の磁性鍋を加熱するのに用い
られてきた。誘導加熱調理器においては本質的に鍋と加
熱コイルの間に反発力が働くが、鉄鍋を加熱するときは
加熱コイルと鉄鍋の間に大きな吸引力が働くため、実質
的には反発力を無視できる。そのため調理中に鍋が移動
したり、鍋と調理器筐体の間に発生する振動によって異
音が発生したりすることは殆どなかった。そのため、鉄
鍋を加熱する誘導加熱調理器において力率改善は効率を
上げるなどの目的のためであり、必ずしも必要というわ
けではなかった。力率を改善する手段は、インバータを
搭載した誘導加熱調理器においては、直流電源部の平滑
コンデンサの容量を小さくしたり、リアクタを大容量に
するものであった。力率改善を行ったとしても、従来は
鉄鍋等の磁性鍋用に限定されていたため、力率改善は比
較的容易であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
誘導加熱調理器には、次のような問題点があった。アル
ミ、銅鍋等の低抵抗、非磁性鍋を加熱したときには加熱
コイルと鍋の間に大きな反発力が発生する。この反発力
は、図15に示すように、入力電力が大きければ大きい
ほど増大する。また、直流電源電圧の変動が大きいと
き、図16に示すように、インバータ電流の変動が大き
くなる。したがって加熱コイルと鍋の間に働く反発力の
変動が大きくなる。このときには鍋と調理器筐体の間で
振動が起きるため、異音が発生したり、鍋が調理器筐体
上を移動したりすることがある。本質的に鍋と加熱コイ
ルの間に働く反発力の大きさを小さくすることはできな
い。しかし、反発力の大きさの変動を小さくすることは
可能であり、直流電源部の平滑コンデンサの容量を大き
くすることで直流電源電圧の変動を小さくすることがで
きる。このとき反発力の大きさの変動は小さくなるが、
力率は低くなってしまう。このため定格を満たす出力を
得るためには大きな入力電力を与えなければならず、効
率的ではない。したがってアルミ鍋等を加熱するときに
は直流電源電圧の変動を大きくせずに力率を改善する手
段が望まれる。
【0004】また、インバータを搭載した誘導加熱調理
器は高調波電流を発生することがある。高調波電流の発
生が大きいと電源側に多くの問題を引き起こす。集合住
宅等で誘導加熱調理器を設置する場合などでは誘導加熱
調理器単体での高調波電流の発生が小さくても、多くの
誘導加熱調理器が同じ時間帯で使用されると高調波電流
の総量は大きなものになる。さらに、この高調波電流の
発生量は調理の条件によっても変化する。したがって鍋
の種類、温度、大きさ、火力によって高調波の低減のた
めの制御を行うことが必要である。
【0005】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
第1に平滑コンデンサの容量を小さくせずに力率を改善
し、高効率で且つ異音の発生を抑えることができて調理
を快適且つ容易に行うことができ、第2に高調波電流の
発生を小さくして集合住宅等で多数の誘導加熱調理器が
同じ時間帯に使用されても電源系統に悪影響を及ぼすこ
とがなく、第3にコストを低く抑えることができる誘導
加熱調理器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、交流電源からの交流電圧を
整流する整流手段、この整流手段に直列に接続されたリ
アクタ及び前記整流手段の整流出力を平滑する平滑コン
デンサを備えた直流電源で前記交流電圧を直流電圧に変
換し、この直流電圧を高周波インバータで高周波電力に
変換して加熱コイルに供給し、非磁性鍋を含む被加熱体
を加熱する誘導加熱調理器において、前記リアクタを介
して前記交流電源を短絡する短絡手段を有することを要
旨とする。この構成により、交流電源からの電流の導通
期間が拡大して、平滑コンデンサの容量を小さくしなく
ても力率が改善され、直流電圧の変動が小さくなる。こ
の結果、アルミ、銅などの低抵抗の非磁性鍋を加熱する
場合において入力電力が大きいときでも加熱コイルと被
加熱体間の反発力の変化が小さくなり、被加熱体と誘導
加熱調理器筐体間の振動が抑えられて被加熱体の移動が
防止されるとともに異音の発生が抑制される。また、力
率が改善されることで高調波電流の発生が小さくなる。
【0007】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の誘導加熱調理器において、前記被加熱体の種類、大き
さ又は加熱温度、入力設定手段の設定値、前記交流電源
からの入力電流、前記高周波インバータから出力される
インバータ電流の少なくとも何れかを検知する検知手段
を有し、この検知手段の検知結果に基づいて前記短絡手
段を制御することを要旨とする。この構成により、ユー
ザは、調理の内容に応じて被加熱体である鍋の種類、大
きさ又は加熱温度(火力)を選択して調理を行う。鍋の
種類、大きさ又は加熱温度が変わればインバータ電流が
変化する。例えば、銅鍋はアルミ鍋より電気抵抗が小さ
い。このため、同じ入力電力ならばアルミ鍋より銅鍋の
方が大きなインバータ電流が流れる。鍋の直径が大きく
なると負荷が大きくなるからインバータ電流は減少す
る。また鍋の加熱温度が上昇すると鍋の電気抵抗が増加
するからインバータ電流は減少する。インバータ電流が
減少すると平滑コンデンサの放電速度が遅くなって直流
電圧の変動は小さくなるが、力率は悪化する。したがっ
て鍋の種類、大きさ又は加熱温度、インバータ電流によ
って短絡時間の制御を行う。そして、インバータ電流が
小さくなるような要素が働いたときは、短絡時間を長く
して力率が悪化しないようにする。入力設定手段の設定
等により入力電流が増大したときは、導通期間が長くな
るように短絡時間を長くする。これにより、平滑コンデ
ンサの容量を小さくしなくても、どのような調理におい
ても力率を高い状態に保つことができて、鍋と誘導加熱
調理器筐体間の振動が抑えられて鍋の移動が防止される
とともに異音の発生が抑制される。
【0008】請求項3記載の発明は、上記請求項2記載
の誘導加熱調理器において、前記検知手段による検知時
には、前記短絡手段による短絡は行わないことを要旨と
する。この構成により、検知手段による被加熱体の種類
等の負荷検知時には低電力を入力し、そのときの入力電
流を調べることで負荷検知が可能である。一方、短絡手
段による短絡時の入力電流は短絡電流であるため負荷に
はあまり依存しない。そこで、負荷検知時には短絡手段
による短絡を行わないことで、入力電流の全ての期間で
の値を負荷検出のための情報として使えるので、検知精
度を上げることが可能となる。
【0009】請求項4記載の発明は、上記請求項2記載
の誘導加熱調理器において、前記検知手段による検知時
に、前記交流電圧の半周期に1度だけ前記短絡手段によ
る一定期間の短絡を行うことを要旨とする。この構成に
より、検知手段による被加熱体の種類等の負荷検知時に
は低電力を入力し、そのときのインバータ電流又は入力
電流を調べることで検知が可能である。このときの入力
電力は加熱するためのものではなく、被加熱体の種類等
の負荷を検知するものであるから、小さければ小さいほ
どよい。そこで、この検知時に短絡手段を用いて短絡を
行うことで力率を上げることができるため、短絡を行わ
ないときよりも、入力電流を小さくすることが可能とな
る。
【0010】請求項5記載の発明は、上記請求項1又は
2記載の誘導加熱調理器において、前記交流電圧の半周
期に1度だけ前記短絡手段による短絡を行うことを要旨
とする。この構成により、短絡回数が1度だけなので、
制御容易性が得られ、この制御において、被加熱体であ
る鍋の種類、大きさ又は加熱温度等に応じた短絡時間を
設定することで、平滑コンデンサの容量を小さくしなく
ても力率が改善され、直流電圧の変動が小さくなって、
鍋と誘導加熱調理器筐体間の振動が抑えられ、鍋の移動
が防止されるとともに異音の発生が抑制される。
【0011】請求項6記載の発明は、上記請求項1又は
2記載の誘導加熱調理器において、前記短絡手段によ
り、前記交流電圧の半周期に複数回短絡を行うことを要
旨とする。この構成により、短絡回数を増やすことで、
力率がさらに改善される。したがって一層の高効率化と
ともに高調波電流の発生を一層小さくすることが可能と
なる。
【0012】請求項7記載の発明は、上記請求項6記載
の誘導加熱調理器において、前記交流電源からの入力電
流の波形が正弦波に近似するように制御することを要旨
とする。この構成により、力率が略1に近付く程度まで
改善され、また発生する高調波電流を限りなくゼロに近
付く程度まで抑えることが可能となる。
【0013】請求項8記載の発明は、上記請求項1又は
2記載の誘導加熱調理器において、前記リアクタに防音
処置を施してなることを要旨とする。この構成により、
リアクタから発生する振動、騒音が抑えられて、異音の
発生が、より少なくなる。
【0014】請求項9記載の発明は、上記請求項1又は
2記載の誘導加熱調理器において、前記短絡手段による
短絡1回につき、その短絡の後に消音のための短絡を1
回以上行うことを要旨とする。この構成により、消音の
ための短絡の時間幅と回数を適切に制御することで、リ
アクタから発生する騒音を略完全に消去することが可能
となる。消音のための短絡は、短絡手段を用いて行われ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0016】図1乃至図11は、本発明の第1の実施の
形態を示す図である。まず、図1を用いて誘導加熱調理
器の構成を説明する。商用交流電源1の一方の出力端
が、入力電力を設定する入力設定手段2及びリアクタ3
を経て整流手段としてのダイオードブリッジ4の一方の
入力端に接続されている。ダイオードブリッジ4の他方
の入力端は商用交流電源1の他方の出力端に接続されて
いる。また、ダイオードブリッジ4の一方の出力端は逆
流防止用のダイオード8を介して平滑コンデンサ6の一
端に接続され、平滑コンデンサ6の他端はダイオードブ
リッジ4の他方の出力端に接続されている。これらのリ
アクタ3、ダイオードブリッジ4及び平滑コンデンサ6
により直流電源が構成されている。そして、ダイオード
ブリッジ4の両出力端の間に力率改善のための短絡手段
としてのトランジスタ7が接続されている。トランジス
タ7がオンしたとき、ダイオードブリッジ4及びリアク
タ3を介して商用交流電源1が短絡される。ダイオード
8はトランジスタ7がオンしたとき、平滑コンデンサ6
の両端子間が短絡されないように作用する。9は高周波
インバータ、10は加熱コイル、11は共振コンデン
サ、12は被加熱体としての鍋である。直流電源からの
直流電圧を高周波インバータ9で高周波電力に変換して
加熱コイル10に供給し、鍋12を誘導加熱するように
なっている。5は制御回路であり、制御回路5は、入力
設定手段2の設定値、商用交流電源1からの入力電流、
高周波インバータ9から出力されるインバータ電流、鍋
12の種類、大きさ又は加熱温度の少なくとも何れかを
検知し、その検知結果に基づいてトランジスタ7を制御
する。
【0017】上述のように構成された誘導加熱調理器に
よる鍋12の加熱動作を図2のフローチャートを用いて
説明する。まず、200Wを入力する(ステップ10
1)。このとき、力率を改善して低入力電力でインバー
タ電流と入力電流を調べるため、制御回路5は交流電圧
の半周期毎に幅が1.8msのパルスでトランジスタ7
を短絡させる。そして鍋12が調理器筐体上にあるか、
正しく置かれているか、鍋12の種類、大きさ、加熱温
度、入力設定手段2の設定値を検出するため、入力電流
とインバータ電流を調べる(ステップ102)。この調
べた結果から負荷である鍋12を推定し(ステップ10
3)、加熱できるかどうかを判断する(ステップ10
4)。加熱できるときには、後述する図3〜図8の各フ
ローチャートにしたがって短絡パルス幅を算出する(ス
テップ105)。即ち、鍋12の種類、大きさ、そして
温度によってインバータ電流が異なる。アルミ鍋のとき
は銅鍋のときよりも電気抵抗が大きいため、インバータ
電流は小さい。また鍋12の大きさが大きく、鍋温度が
高いときは電気抵抗が大きくなるため、インバータ電流
は小さくなる。インバータ電流が小さいときは平滑コン
デンサ6の放電時間が長くなるため、直流電源電圧の変
動が小さくなり、力率が悪化する。したがってインバー
タ電流を小さくする要素が働いたときは、短絡時間を長
くするように制御する。入力電流は入力設定手段2の設
定値等により変化するが、入力電流が増加したときはリ
アクタ3を介しての商用交流電源1の短絡時間を長くす
ることで力率を改善する。このようにしてトランジスタ
7の短絡パルス幅を決定した後、5秒間加熱する(ステ
ップ106)。この動作を繰り返す。
【0018】次に、短絡パルス幅の決定法を、図3〜図
8の各フローチャートを用いて順に説明する。
【0019】図3のフローチャートを用いて、鍋12の
種類による短絡パルス幅の決定法を説明する。インバー
タ電流値により鍋12の種類を検出する(ステップ20
1)。アルミ鍋のときは銅鍋より電気抵抗が大きく、イ
ンバータ電流は小さくなる。インバータ電流が小さいと
きは平滑コンデンサ6の放電時間が長くなるため、直流
電源電圧の変動が小さくなり、力率が悪化する。このた
め、銅鍋の場合は短絡パルス幅を2.0msに決定し
(ステップ202)、アルミ鍋の場合は、これより長く
2.2msに決定する(ステップ203)。
【0020】図4のフローチャートを用いて、鍋12の
大きさによる短絡パルス幅の決定法を説明する。鍋12
の直径が大きくなると負荷が大きくなるから、インバー
タ電流は小さくなる。したがって前記と同様に力率が悪
化するから、短絡パルス幅は鍋12の直径に応じて、そ
れぞれ次のように決定する。鍋12の直径が10cm以
下のときは1.8ms(ステップ301,302)、鍋
12の直径が10cm〜15cmでは1.9ms(ステ
ップ303,304)、鍋12の直径が15cm〜20
cmでは2.0ms(ステップ305,306)、鍋1
2の直径が20cm以上では2.1msに決定する(ス
テップ307)。
【0021】図5のフローチャートを用いて、鍋12の
加熱温度による短絡パルス幅の決定法を説明する。鍋1
2の温度が上昇すると鍋の電気抵抗が増加するから、イ
ンバータ電流は小さくなる。したがって前記と同様に力
率が悪化するから、短絡パルス幅は鍋12の温度に応じ
て、それぞれ次のように決定する。鍋12の温度が15
0度以下のときは1.6ms(ステップ401,40
2)、鍋12の温度が150度〜180度では1.7m
s(ステップ403,404)、鍋12の温度が180
度〜200度では1.8ms(ステップ405,40
6)、鍋12の温度が200度〜220度では1.9m
s(ステップ407,408)、鍋12の温度が220
度以上では2.0msに決定する(ステップ409)。
【0022】図6のフローチャートを用いて、入力設定
手段2の設定による短絡パルス幅の決定法を説明する。
入力設定手段2の設定を増加させて入力電流が増大した
ときは短絡パルス幅を大きくして力率を改善する。即
ち、入力設定手段2の設定が「弱」のときは1.6ms
(ステップ501,502)、入力設定手段2の設定が
「中」のときは1.8ms(ステップ503,50
4)、入力設定手段2の設定が「強」のときは2.0m
sに決定する(ステップ505)。
【0023】図7のフローチャートを用いて、入力電流
による短絡パルス幅の決定法を説明する。入力電流が増
大したときは短絡パルス幅を大きくすることで力率を改
善する。即ち、入力電流が2.5A以下のときは1.8
ms(ステップ601,602)、入力電流が2.5A
〜5Aのときは2.0ms(ステップ603,60
4)、入力電流が5A〜7.5Aのときは2.1ms
(ステップ605,606)、入力電流が7.5A以上
のときは2.2msに決定する(ステップ607)。
【0024】図8のフローチャートを用いて、インバー
タ電流による短絡パルス幅の決定法を説明する。インバ
ータ電流が小さくなるような要素が働いたときは、短絡
パルス幅を大きくして力率が悪化しないようにする。し
たがって、インバータ電流が10A以下のときは2.0
ms(ステップ701,702)、インバータ電流が1
0A〜20Aのときは1.9ms(ステップ703,7
04)、インバータ電流が20A〜30Aのときは1.
8ms(ステップ705,706)、インバータ電流が
30A以上のときは1.7msに決定する(ステップ7
07)。以上、図3から図8のフローチャートで異なる
短絡時間が得られたときは、その中で最大の短絡時間を
選ぶ。
【0025】図9は、制御回路5で1回の短絡を行うと
きのトランジスタ7の制御波形を示している。商用交流
電源1からの交流電圧Vを監視し、その半周期に1度だ
けリアクタ3を介して商用交流電源1を短絡するように
トランジスタ7を制御する。このトランジスタ7を制御
するパルスが半周期に1回のときの効果を述べる。鍋1
2の種類、大きさ、加熱温度、そして入力設定手段2の
設定値は入力電流とインバータ電流から推定することが
できる。しかしインバータ電流と入力電流はある程度入
力を与えないと検知することはできない。この段階では
鍋12が調理器筐体上にない場合や、正しく設置されて
いない場合、加熱できない種類の鍋12を加熱しようと
している場合が考えられる。このときに大きな入力電力
が加えられると高周波インバータ9におけるパワートラ
ンジスタが破壊されることがある。またここでの入力は
加熱に関与しないため、できるだけ電力を小さくした方
がよい。そこで、この負荷である鍋12を検知するとき
でも短絡手段であるトランジスタ7を用いて短絡を行う
ことで、力率が改善され、低入力電力でインバータ電流
と入力電流を検出することができる。この状態では鍋1
2の種類や大きさ、まして鍋12があるかどうかはわか
らないため、短絡パルス幅は固定する。そして入力電力
も小さいためパルス幅は1.8msで、交流電圧の半周
期に1度だけ与える。そして、負荷検知の結果を基にし
て前記図3から図8のフローチャートにしたがって短絡
時間が決定される。鍋12の種類、大きさ、温度といっ
たインバータ電流を変化させる要素は、インバータ電流
が減少させる方向に働いたときには短絡時間を長くさせ
る。入力設定手段2の設定値といった入力電流を変化さ
せる要素は、入力電流が増加する方向に働いたときに短
絡時間を長くする。図3から図8のフローチャートで異
なる短絡時間が得られたときは、最大値を短絡時間とし
て選ぶ。鍋12を検知するときに得られた短絡パルス幅
で、加熱状態の短絡制御をすることで調理の内容に応じ
て短絡時間は最適に保たれる。したがって、いかなる調
理においても力率改善が最適な状態で行われる。このた
め騒音、振動等で調理に支障をきたしたり、他人に迷惑
を及ぼすことのない誘導加熱調理器を実現できる。高調
波電流も減少するから集合住宅等に多数設置することが
可能になる。
【0026】図10は、制御回路5で2回以上短絡を行
うときのトランジスタ7の制御波形を示している。商用
交流電源1からの交流電圧Vを監視し、その半周期に2
回もしくはそれ以上リアクタ3を介して商用交流電源1
を短絡するようにトランジスタ7を制御する。このトラ
ンジスタ7の短絡制御を2段階にしたとき、高周波イン
バータ9に流れる電流の立上がりは1回のときと比べて
滑らかにすることができる。こうすることで力率が1パ
ルスのときよりさらに改善され、調理性能を改善するこ
とができる。また高調波電流も減少するから集合住宅等
にさらに多数設置することが可能になる。
【0027】図11は、制御回路5で2回以上短絡を行
うときで、入力電流を監視して、入力電流の波形が正弦
波に近似するように制御する場合のトランジスタ制御波
形と入力電流波形を示している。入力電流を監視し、電
流波形が正弦波になるようにトランジスタ7のスイッチ
ングを制御するときは、力率がほぼ1に改善される。し
たがって、平滑コンデンサ6の容量によっては直流電源
の電圧変動を極めて小さくすることができ、前記図16
からインバータ電流の変化が小さくなるので反発力の変
動が小さくなり、調理性能を改善することができる。ま
た高調波電流も減少するから集合住宅等にさらに多数設
置することが可能になる。
【0028】上述したように、本実施の形態によれば、
回路構成上は、逆流防止用のダイオード8を付けなけれ
ばならず、入力電流が大きいときには、このダイオード
8での損失が問題になるが、ダイオードブリッジ4が1
つだけで済むので回路構成が簡単になり、コストを低く
抑えることができる。そして、短絡手段としてのトラン
ジスタ7を設けたことで、平滑コンデンサ6の容量を小
さくしなくても力率が改善され、直流電源電圧の変動を
小さくすることができる。そのため、入力電力が大きい
ときでも反発力の変化を小さくすることができる。した
がって鍋12と調理器筐体の間で振動を抑えることがで
き、異音が発生することや鍋12が調理器筐体上を移動
したりすることを抑制することができる。このため少な
い入力電力で効率よく定格を満たす出力を得ることがで
きる。高周波インバータを搭載した誘導加熱調理器は高
調波電流を発生することがあるが、本実施の形態の誘導
加熱調理器は、力率が改善されるので、高調波電流の発
生を小さくすることができる。そのため集合住宅等で誘
導加熱調理器が複数設置され、同じ時間帯で使用されて
も電源系統に悪影響を及ぼすことがなくなる。
【0029】図12には、本発明の第2の実施の形態を
示す。本実施の形態の誘導加熱調理器では、リアクタ3
とダイオードブリッジ4の中間点と商用交流電源1の他
方の出力端との間に力率改善のためのトランジスタ7が
ダイオードブリッジ13を介して接続されている。この
回路構成では、前記第1の実施の形態の回路構成と比べ
ると、ダイオードブリッジが2個必要になるため、その
分コストが上がるが、逆流防止用のダイオードが不要に
なり、入力電流が大きいときでも損失を抑えることがで
きる。平滑コンデンサ6の容量を小さくせずに力率を改
善し、高効率で且つ異音の発生を抑える等の作用は、前
記第1の実施の形態の場合と略同様である。
【0030】図13及び図14には、本発明の第3の実
施の形態を示す。本実施の形態では、リアクタ3におけ
るコア14の部分の振動を抑えるため、その剛性を上
げ、またリアクタ3と基盤の間に振動を吸収するゴムや
スプリング等の振動吸収手段15を取り付けている。さ
らにリアクタ3本体を防音材16で覆っている。即ち、
振動吸収手段15及び防音材16により、リアクタ3に
防音処置を施している。そして、上記第1又は第2の実
施の形態の回路において図14のような波形の信号でト
ランジスタ7を制御する。2つ目のパルスは1つ目のパ
ルスに比べて極めて短く、殆ど電流波形に影響を与える
ことはない。リアクタ3の振動はリアクタ3の固有振動
数に依存している部分が大きいと考えられる。トランジ
スタ7に対し、パルスの開始時期は、1回目のパルスの
一定時間後(例えば1μs後)から次の力率改善動作が
始まる一定時間前(例えば1μs前)まで変化させるこ
とで決定する。これで騒音の大きさがある限度値を下回
れば、このまま動作させる。限度値を上回るようであれ
ば、さらにもう一度短いパルスを加える。このときのパ
ルスの開始時期とパルス幅は騒音が最も小さくなるよう
にパルス開始時期とパルス幅を変化させて設定される。
この動作を騒音の大きさがある限度値を下回るか、予め
設定された回数のパルスを与えるまで繰り返す。この操
作によりパルス幅と回数を決定できる。
【0031】本実施の形態によれば、コア14の剛性を
上げることでリアクタ3の振動を抑えることができる。
また振動が発生しても基盤との間にゴムやスプリング等
の振動吸収手段15を取り付けたことで振動が他の部分
に伝わるのを防ぐことができる。またリアクタ3そのも
のを防音材16で覆うことでリアクタ3で発生した音を
外に出さないようにすることができる。こうすることで
力率改善をして調理性能を高いレベルで保ちつつ騒音を
出さないようにすることができる。力率改善のためのパ
ルスを与えたとき、その立ち上がりと立ち下がりで、リ
アクタ3のコイルに振動が発生する。そこでこの立ち下
がり時に発生する振動が打ち消されるように、力率改善
パルスの直後にパルスを与える。こうすることでリアク
タ3の余計な振動を抑えることができる。したがって力
率改善をすることで調理性能を高くしたままで、2次的
に発生する騒音を防ぐことができる。さらにこの消音の
パルスの回数を2回以上にすると消音の効果は増加す
る。またリアクタ3の構造変更等による防音対策では経
年変化によりその防音性能が低下するおそれがあるが、
このパルスを与える方法では経年変化が発生することは
ない。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、リアクタを介して交流電源を短絡する短絡
手段を具備させたため、平滑コンデンサの容量を小さく
しなくても力率が改善されて高効率とすることができ、
また直流電圧の変動が小さくなることから、アルミ、銅
などの低抵抗の非磁性鍋を加熱する場合において入力電
力が大きいときでも加熱コイルと被加熱体間の反発力の
変化を小さくすることができ、被加熱体と誘導加熱調理
器筐体間の振動を抑えることができて被加熱体の移動を
防止することができるとともに異音の発生を抑制するこ
とができる。したがって、調理を快適、且つ容易に行う
ことができる。また、力率が改善されることで高調波電
流の発生が小さくなり、集合住宅等で多数の誘導加熱調
理器が同じ時間帯に使用されても電源系統に悪影響を及
ぼすことがなくなる。
【0033】請求項2記載の発明によれば、前記被加熱
体の種類、大きさ又は加熱温度、入力設定手段の設定
値、前記交流電源からの入力電流、前記高周波インバー
タから出力されるインバータ電流の少なくとも何れかを
検知する検知手段を有し、この検知手段の検知結果に基
づいて前記短絡手段を制御するようにしたため、例え
ば、インバータ電流が小さくなるような要素が働いたと
きは、短絡時間を長くして力率が悪化しないようにする
ことで、平滑コンデンサの容量を小さくしなくても、ど
のような調理においても力率を高い状態に保つことがで
きて高効率とすることができる。また被加熱体である鍋
と誘導加熱調理器筐体間の振動を抑えることができて鍋
の移動を防止することができるとともに異音の発生を抑
制することができる。したがって、どのような調理でも
快適、且つ容易に行うことができるとともに他人に迷惑
を及ぼすことがない。
【0034】請求項3記載の発明によれば、前記検知手
段による検知時には、前記短絡手段による短絡は行わな
いようにしたため、入力電流の全ての期間での値を被加
熱体の種類等検出のための情報として使えるので、検知
精度を上げることができ、加熱時における短絡手段の制
御を高精度で行うことができる。
【0035】請求項4記載の発明によれば、前記検知手
段による検知時に、前記交流電圧の半周期に1度だけ前
記短絡手段による一定期間の短絡を行うようにしたた
め、検知手段による検知時において力率が上がり、低入
力電力で効率よく被加熱体の種類等検出を行うことがで
きる。したがって省エネを実現することができる。
【0036】請求項5記載の発明によれば、前記交流電
圧の半周期に1度だけ前記短絡手段による短絡を行うよ
うにしたため、短絡回数が1度だけなので、この制御を
行うための回路構成を単純にすることができる。このた
め、コストを低く抑えつつ快適、且つ容易に調理を行え
る誘導加熱調理器を実現することができる。
【0037】請求項6記載の発明によれば、前記短絡手
段により、前記交流電圧の半周期に複数回短絡を行うよ
うにしたため、力率がさらに改善されて一層の高効率化
とともに高調波電流の発生を一層小さくすることができ
る。したがって、調理を一層快適、且つ容易に行うこと
ができるとともに他人に迷惑を及ぼすことがない。
【0038】請求項7記載の発明によれば、前記交流電
源からの入力電流の波形が正弦波に近似するように制御
するようにしたため、力率が略1に近付く程度まで改善
されて一層高効率化することができる。また発生する高
調波電流を限りなくゼロに近付く程度まで抑えることが
できて、さらに電源系統に悪影響を及ぼすことがなくな
る。
【0039】請求項8記載の発明によれば、前記リアク
タに防音処置を施したため、リアクタから発生する振
動、騒音が抑えられて、異音の発生を、より少なくする
ことができる。したがって、調理を一層快適に行うこと
ができる。
【0040】請求項9記載の発明によれば、前記短絡手
段による短絡1回につき、その短絡の後に消音のための
短絡を1回以上行うようにしたため、消音のための短絡
の時間幅と回数を適切に制御することで、リアクタから
発生する騒音を抑制することができる。この消音方法は
経年変化による性能劣化が少ないので半永久的に快適な
調理を行うことができる。また、消音のための短絡は、
力率改善用の短絡手段を用いて行うことができるのでコ
ストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る誘導加熱調理器の第1の実施の形
態を示す回路図である。
【図2】上記第1の実施の形態の加熱動作を説明するた
めのフローチャートである。
【図3】上記第1の実施の形態において鍋の種類による
短絡パルス幅の決定法を説明するためのフローチャート
である。
【図4】上記第1の実施の形態において鍋の大きさによ
る短絡パルス幅の決定法を説明するためのフローチャー
トである。
【図5】上記第1の実施の形態において鍋の加熱温度に
よる短絡パルス幅の決定法を説明するためのフローチャ
ートである。
【図6】上記第1の実施の形態において入力設定手段の
設定による短絡パルス幅の決定法を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図7】上記第1の実施の形態において入力電流による
短絡パルス幅の決定法を説明するためのフローチャート
である。
【図8】上記第1の実施の形態においてインバータ電流
による短絡パルス幅の決定法を説明するためのフローチ
ャートである。
【図9】上記第1の実施の形態において1パルスでトラ
ンジスタを制御する場合の制御波形を示す図である。
【図10】上記第1の実施の形態において2パルスでト
ランジスタを制御する場合の制御波形を示す図である。
【図11】上記第1の実施の形態において入力電流の波
形が正弦波に近似するように制御する場合の制御波形を
示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図13】本発明の第3の実施の形態においてリアクタ
に防音処置を施した状態を示す図である。
【図14】上記第3の実施の形態において消音パルスを
含むパルスでトランジスタを制御する場合の制御波形を
示す図である。
【図15】従来の誘導加熱調理器において入力電力と加
熱コイル−鍋間に発生する反発力との関係を示す図であ
る。
【図16】従来の誘導加熱調理器において直流電源電圧
の変動により発生するインバータ電流の変動を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 商用交流電源 2 入力設定手段 3 リアクタ 4 ダイオードブリッジ(整流手段) 5 制御回路 6 平滑コンデンサ 7 トランジスタ(短絡手段) 9 高周波インバータ 10 加熱コイル 15 振動吸収手段(防音処置) 16 防音材(防音処置)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源からの交流電圧を整流する整流
    手段、この整流手段に直列に接続されたリアクタ及び前
    記整流手段の整流出力を平滑する平滑コンデンサを備え
    た直流電源で前記交流電圧を直流電圧に変換し、この直
    流電圧を高周波インバータで高周波電力に変換して加熱
    コイルに供給し、非磁性鍋を含む被加熱体を加熱する誘
    導加熱調理器において、前記リアクタを介して前記交流
    電源を短絡する短絡手段を有することを特徴とする誘導
    加熱調理器。
  2. 【請求項2】 前記被加熱体の種類、大きさ又は加熱温
    度、入力設定手段の設定値、前記交流電源からの入力電
    流、前記高周波インバータから出力されるインバータ電
    流の少なくとも何れかを検知する検知手段を有し、この
    検知手段の検知結果に基づいて前記短絡手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  3. 【請求項3】 前記検知手段による検知時には、前記短
    絡手段による短絡は行わないことを特徴とする請求項2
    記載の誘導加熱調理器。
  4. 【請求項4】 前記検知手段による検知時に、前記交流
    電圧の半周期に1度だけ前記短絡手段による一定期間の
    短絡を行うことを特徴とする請求項2記載の誘導加熱調
    理器。
  5. 【請求項5】 前記交流電圧の半周期に1度だけ前記短
    絡手段による短絡を行うことを特徴とする請求項1又は
    2記載の誘導加熱調理器。
  6. 【請求項6】 前記短絡手段により、前記交流電圧の半
    周期に複数回短絡を行うことを特徴とする請求項1又は
    2記載の誘導加熱調理器。
  7. 【請求項7】 前記交流電源からの入力電流の波形が正
    弦波に近似するように制御することを特徴とする請求項
    6記載の誘導加熱調理器。
  8. 【請求項8】 前記リアクタに防音処置を施してなるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の誘導加熱調理器。
  9. 【請求項9】 前記短絡手段による短絡1回につき、そ
    の短絡の後に消音のための短絡を1回以上行うことを特
    徴とする請求項1又は2記載の誘導加熱調理器。
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