JPH11332020A - ハイブリッド車両および動力出力装置 - Google Patents
ハイブリッド車両および動力出力装置Info
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Abstract
後輪にトルクの偏りが生じていた。また、後進時の前後
輪のトルク配分の制御について十分検討されていなかっ
た。 【解決手段】 エンジンの出力軸と前車軸とを対ロータ
モータで結合する。後車軸には第1のモータを結合す
る。さらに第2のモータをクラッチによりエンジンの出
力軸および駆動軸に選択的に結合可能とする。後進時に
は第2のモータを出力軸または駆動軸に結合する。対ロ
ータモータ、第1および第2のモータを逆転させれば後
進することができる。前後輪のトルクは自由に制御可能
である。また、前後輪の一方がスリップしている場合に
はトルク配分を変更する。これらの制御により、後進時
に前後輪のトルク配分を適切に制御することができる。
Description
2の駆動軸から動力を出力して4輪駆動可能なハイブリ
ッド車両および前記2つの駆動軸から動力を出力可能な
ハイブリッド式の動力出力装置に関する。
るハイブリッド車両が提案されている(例えば特開平9
−47094に記載の技術等)。ハイブリッド車両の一
種としていわゆるパラレルハイブリッド車両がある。パ
ラレルハイブリッド車両は、エンジンから出力された動
力を動力調整装置により分配する。分配された動力の一
部は出力軸に伝達され、残りは発電機により電力に変換
される。この電力はバッテリに蓄電されたり、出力軸に
結合された電動機を駆動するのに用いられる。かかる構
成により、パラレルハイブリッド車両はエンジンから出
力された動力を任意の回転数およびトルクで出力軸に出
力することができる。エンジンは運転効率の高い運転ポ
イントを選択して運転することができるため、ハイブリ
ッド車両はエンジンのみを駆動源とする従来の車両に比
べて省資源性および排気浄化性に優れている。
利用して、4輪駆動可能なハイブリッド車両も提案され
ている(例えば特開平9−175203記載の技術
等)。4輪駆動可能なハイブリッド車両の構成例を図2
5に示す。かかるハイブリッド車両では、クラッチモー
タ30のインナロータ34を原動機50の出力軸に結合
するとともに、アウタロータ32を駆動軸22に結合す
る。駆動軸22は変速ギヤ23およびディファレンシャ
ルギヤ24を介して前輪26,28に結合されている。
後輪27,29には電動機40が結合されており、該電
動機40はインバータ92を介してバッテリ94に接続
されている。クラッチモータ30もまたインバータ91
を介してバッテリ94に電気的に接続されている。従っ
て、電動機40とクラッチモータ30はバッテリ94を
介して電気的に接続されている。
アウタロータ32との間の電磁的な結合により動力を伝
達するとともに、両者間の相対的な滑りに応じて電力を
回生し、動力を電力に変換する動力調整装置としての役
割を果たすものである。原動機50から出力された動力
は上述したクラッチモータ30の作用により、一部が駆
動軸22に伝達され前輪26,28を駆動し、残りの動
力が電力に変換される。この電力は電動機40を駆動す
ることにより、後輪27,29の駆動に用いられる。か
かる作用により上述のハイブリッド車両では、前輪2
6,28および後輪27,29の双方から動力を出力す
ることができ、いわゆる4輪駆動が可能である。かかる
構成を有するハイブリッド車両では、前進方向の走行の
みならず、クラッチモータ30およびアシストモータ4
0を逆転方向に力行することにより、後進することも可
能である。
は、上述の構成において駆動軸22に第2の電動機を結
合したものも提案されている。かかる構成を図26に示
す。図26に示したハイブリッド車両は、駆動軸22に
第2の電動機45が結合されている。その他の点につい
ては、図25に示したハイブリッド車両の構成と同じで
ある。図26に示す構成を有するハイブリッド車両でも
図25に示したハイブリッド車両と同様、原動機50か
ら出力された動力を動力調整装置としてのクラッチモー
タ30により一部を電力に変換しつつ、残余の動力をア
ウタロータ34側に伝達する。ここで回生された電力を
用いて第1の電動機40および第2の電動機45を力行す
る。両電動機から出力されるトルクは任意に設定可能で
ある。従って、図26に示したハイブリッド車両では、
前輪および後輪から出力されるトルクの配分を適切な値
にすることが可能となる。かかる構成を有するハイブリ
ッド車両においても、クラッチモータ30,アシストモ
ータ40および第2の電動機45を逆転方向に力行する
ことにより、後進することができる。
4輪駆動を実現するためには、エンジンの動力を前輪お
よび後輪の両者に伝達するために、プロペラシャフトを
用いていた。これは重量および車両の室内スペースへの
影響等の面でデメリットが多い。上述のハイブリッド車
両では、プロペラシャフトを用いることなく4輪駆動を
実現できる点でも大きな利点を有している。4輪駆動可
能なハイブリッド車両は、その他省資源性および排気浄
化性に優れているというハイブリッド車両の特性を4輪
駆動車両においても活かすことができる点でも優れてい
る。なお、以下の説明では、4輪駆動可能なハイブリッ
ド車両について、図25に示すように動力調整装置とし
て機能する電動機と、後輪に結合された電動機との2つ
の電動機を備えるタイプのハイブリッド車両を2モータ
式のハイブリッド車両と呼び、図26に示すように前輪
にさらに電動機が結合されたハイブリッド車両を3モー
タ式のハイブリッド車両と呼ぶものとする。
動可能なハイブリッド車両では、運転状態によっては動
力の循環という現象が生じ、運転効率が低下することが
あった。動力の循環について図27〜図30を用いて説
明する。
イブリッド車両における動力の出力の様子を示す説明図
である。原動機からは要求された大きさの動力P1が出
力される。原動機50から出力された動力P1はクラッ
チモータ30で一部電力E1に変換され、残余の動力P
Fが前輪に伝達される。一方、この電力E1は後輪に結
合された電動機40に供給され、電動機40を力行する
ことにより後輪から動力PRを出力する。ただし、クラ
ッチモータ30で電力を回生するためには、アウタロー
タ34にトルクが加えられる方向と、アウタロータ34
がインナロータ32に対して相対的に回転する方向とが
逆となっている必要がある。つまり、アウタロータ43
はインナロータ32よりも遅い回転数で回転している必
要がある。言い換えれば「駆動軸22の回転数<原動機
50の回転数」(以下、アンダードライブと呼ぶ)であ
る必要がある。
32よりも高い場合、即ち「駆動軸22の回転数>原動
機50の回転数」である場合(以下、オーバードライブ
と呼ぶ)の動力の出力の様子を図28に示した。原動機
50からは要求された大きさの動力P1が出力される。
駆動軸22の回転数は原動機50の回転数よりも高いか
ら、動力が回転数とトルクの積に等しいことを考えれ
ば、前輪および後輪からは原動機50から出力されるト
ルクよりも低いトルクの動力が出力されることになる。
この運転状態においては、クラッチモータ30に電力を
供給して力行し、回転数を増大して前輪から出力する。
図28で前輪への動力を示す矢印PFが原動機50の出
力動力を示す矢印P1よりも太くなっているのは、クラ
ッチモータ30を力行することによる動力が増加するこ
とを意味している。ところが、作用反作用の原理によ
り、クラッチモータ30のインナロータ32に加えられ
るトルクとアウタロータ34に加えられるトルクは等し
い。従って、前輪からは要求トルクに対して余剰のトル
クが出力されていることになる。上記運転状態では、こ
の余剰トルクに相当する負荷トルクを後輪で加えること
によって全体として要求トルクが出力されるようにす
る。後輪は前輪と同じ回転数で回転しているから、後輪
の回転動力PRを電動機40で電力E2として回生す
る。この電力はクラッチモータ30に供給される。これ
は、図28に示す通り、前輪から出力された動力の一部
PTが地面を介して後輪に伝達され、電動機40により
電力として回生された状態としても捉えられる。
通り、クラッチモータ30から出力された動力PFの一
部PTは地面を介して後輪に伝達され、電動機40によ
り回生され、電力E2として再びクラッチモータ30に
供給される。この結果、動力は図28に示す循環Γ1を
生じる。一般に動力の伝達、および電力と機械的な動力
の変換には何らかの損失が伴う。従って、図28に示し
たような動力の循環が生じると、その分ハイブリッド車
両の運転効率は低下してしまう。
のハイブリッド車両でも生じていた。図29は、3モー
タ式のハイブリッド車両において、アンダードライブ時
の動力の出力の様子を示す説明図である。2モータ式の
ハイブリッド車両の場合(図27)において、後輪に結
合された電動機40を、前輪に結合された電動機45に
置換した状態に相当する。原動機50から出力された動
力P1はクラッチモータ30で一部が電力E1に変換さ
れ、残余の動力PF1が前輪に伝達される。一方、電力
E1は電動機45に供給され、電動機45を力行する。
電動機45から出力された動力PF2は同じく前輪から
出力される。図29では、図示を省略したが、電力E1
の一部を後輪に結合された電動機40に供給して後輪か
ら動力を出力することもできる。このときは、図29か
ら明らかな通り、動力の循環は生じない。
において、オーバードライブ時の動力の出力の様子を示
す説明図である。2モータ式のハイブリッド車両の場合
(図28)において、後輪に結合された電動機40を、
前輪に結合された電動機45に置換した状態に相当す
る。クラッチモータ30を力行することにより、原動機
50から出力された動力P1の回転数を増す。この結
果、前輪から出力される動力PF1は要求動力よりも大
きくなる。従って、余剰の動力PF2を電動機45によ
り電力として回生する。こうして回生された電力E2は
クラッチモータ30の力行に用いられる。このときは、
2モータ式のハイブリッド車両の場合と同様、クラッチ
モータ30から出力された動力の一部が電力として再び
クラッチモータ30に供給されるという動力の循環(図
30のΓ2)を生じる。こうした動力の循環はハイブリ
ッド車両の運転効率を低下させることになる。
要素の一つである。上述した動力の循環を低減し、運転
効率を向上することができても、後進することができな
い車両はその有用性が大きく低減してしまう。従来、運
転効率の向上を図りつつ、後進も可能とするハイブリッ
ド車両については十分検討がなされていなかった。
両では、後進時に4輪駆動としての特性を十分活かすこ
とができないという課題もあった。図25に示したハイ
ブリッド車両が後進する場合を考える。後輪27,29
については、アシストモータ40を逆転方向に力行する
ことにより後進トルクを出力することができる。前輪2
6,28については、クラッチモータ30を逆転方向に
力行することにより後進トルクを出力することができ
る。しかし、クラッチモータ30を逆転方向に力行した
場合には、その反作用としてのトルクが原動機50にか
けられる。反作用によるトルクが、原動機50の摩擦力
により生じる静止トルクよりも大きくなると原動機50
が回転する。従って、クラッチモータ30から出力可能
な後進トルクは原動機50が摩擦力によって静止してい
られる範囲のトルクに限られる。これは、後進するのに
必要なトルクよりも小さい範囲である。
は、このように後進時にクラッチモータ30から出力可
能なトルクが制限されるため、後進時は主に後輪に結合
されたアシストモータ40から出力されるトルクのみに
よって走行する。結局、後進時には車両全体として出力
可能なトルクが前進時に比較して小さくならざるを得な
い。また主に後輪27,29からトルクを出力するた
め、4輪駆動車両としての特長を活かすことができな
い。例えば、後輪27,29がスリップした場合には、
車両は路面に十分なトルクを伝えることができなくなっ
てしまう。
輪のトルク配分に対する自由度が高いため、上述の課題
を幾分か解消することができる。しかしながら、従来の
3モータ式のハイブリッド車両においては、後進時の運
転について、前後輪のトルク配分の制御については何ら
提案されていなかった。
するためになされ、2つの車軸から動力を出力して走行
可能なハイブリッド車両において、動力の循環を低減し
得る構成を有しつつ、後進可能なハイブリッド車両を提
供することを第1の目的とする。また、こうしたハイブ
リッド車両において前後輪のトルク配分を適切に制御す
る技術を提供することを第2の目的とする。同様に、2
つの出力軸から動力を出力する動力出力装置において、
動力の循環を低減し得る構成を有しつつ、出力軸を逆転
可能な動力装置を提供することを第3の目的とする。
記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明では
以下の構成を採った。本発明のハイブリッド車両は、第
1および第2の駆動軸に動力を出力して4輪駆動するこ
とができるハイブリッド車両であって、出力軸を有する
原動機と、該出力軸と前記第1の駆動軸とに結合され、
該出力軸および第1の駆動軸の一方から入力された機械
的な動力を、電力のやりとりによって増減して、他方に
伝達可能な動力調整装置と、前記第2の駆動軸に結合さ
れた第1の電動機と、前記出力軸、第1の駆動軸および
第2の駆動軸のいずれとも異なる回転軸を有する第2の
電動機と、該回転軸と前記出力軸との結合および切り離
しを行う第1の接続装置と、該回転軸と前記第1の駆動
軸との結合および切り離しを行う第2の接続装置と、前
記第1の駆動軸および第2の駆動軸から前記ハイブリッ
ド車両を後進させるために出力すべき動力の総和を要求
動力として設定する動力設定手段と、前記原動機、動力
調整装置、第1の電動機および第2の電動機の運転を制
御して、前記第1の駆動軸および第2の駆動軸から前記
要求動力を出力する駆動制御手段と、該ハイブリッド車
両について、進行方向も含む走行状態を特定する特定手
段と、該特定されたハイブリッド車両の走行状態が後進
である場合には、前記第1の接続装置および前記第2の
接続装置を制御して、前記第2の電動機の回転軸を前記
出力軸および前記第1の駆動軸のいずれか一方に選択的
に結合する接続制御手段とを備えることを要旨とする。
の接続装置および第2の接続装置を制御することによ
り、第2の電動機の回転軸を原動機の出力軸側に結合し
た状態、第1の駆動軸側に結合した状態、双方に結合し
た状態、および双方から切り離された状態の4つの結合
状態をとることができる。この結果、通常走行時にハイ
ブリッド車両の走行状態に応じて、これらの4つの結合
状態の中から前述した動力の循環が生じないような結合
状態、または動力の循環の程度が低い結合状態を選択し
つつ、ハイブリッド車両を走行することが可能となる。
従って、本発明のハイブリッド車両は、運転効率の高い
ハイブリッド車両を実現し得る構成を有している。
ば、このように運転効率を向上するための構成を有しつ
つ、後進することが可能である。後進時には、第1の接
続手段および第2の接続手段を制御することにより、第
2の電動機が原動機の出力軸および第1の駆動軸のいず
れか一方に結合することができる。第2の電動機は固定
されているから、原動機の出力軸に不要なトルクを与え
ることなく後進のためのトルクを出力することができ
る。従って、本発明のハイブリッド車両によれば、原動
機の出力軸が不要に回転することを防止しつつ、第1の
駆動軸から出力されるトルクを制御することが可能であ
る。この結果、本発明のハイブリッド車両によれば、第
1の駆動軸および第2の駆動軸の双方から後進に必要な
トルクを出力することができる。
は、第1の駆動軸および第2の駆動軸から出力すべき動
力の総和を車両を後進するための要求動力に一致させる
ことができ、運転者の意図に従ってハイブリッド車両を
走行させることができる。なお、第1の駆動軸および第
2の駆動軸から出力すべき動力の総和が要求動力に一致
していればよく、両軸から出力する動力の配分は種々の
値に設定可能である。配分を予め定めた一定値としても
よいし、車両の走行状態に応じて変化するものとしても
よい。また、いずれか一方の駆動軸からのみ要求動力を
出力するものとしても構わない。さらに、一方の駆動軸
から要求動力よりも大きな動力を出力し、他方の駆動軸
で負荷を与えることによって両者の総和が要求動力に一
致するようにしてもよい。上記ハイブリッド車両によれ
ば、後進時に第1の駆動軸から出力可能なトルクを幅広
く制御可能であるため、後進時における第1の駆動軸お
よび第2の駆動軸のトルク配分の自由度を向上させるこ
とができる。
進時には第2の電動機を前記出力軸および第1の駆動軸
のいずれか一方に選択的に結合するものとしている。こ
うすることにより、上述した種々の効果を得ることがで
きる。但し、前記第1の接続装置および第2の接続装置
の双方を解放状態としたり、双方を結合状態とすること
が可能なハイブリッド車両を排除するものではない。か
かる状態は上述した効果を得るためには寄与しないが、
その他の条件に応じて双方を結合状態としたり、双方を
解放状態としたりすることは可能である。
装置としては、種々の構成が可能である。例えば、前記
動力調整装置は、前記出力軸に結合された第1のロータ
と、前記第1の駆動軸に結合され前記第1のロータと同
軸上で相対的に回転可能な第2のロータとを有する対ロ
ータ電動機であるものとすることができる。
ば、前記第1のロータと、第2のロータとの間の磁気的
な結合の程度を電力のやりとりによって調整することに
より、一方のロータから他方のロータへ動力の大きさを
増減しつつ、動力を伝達することができる。
結合された第1の軸と、前記第1の駆動軸に結合された
第2の軸と、該第1の軸および第2の軸とは異なる第3
の軸を有し、これらの3つの軸のうち2つの軸の動力状
態が決定されると残余の一つの軸の動力状態が決まる3
軸式動力伝達装置を有し、前記第1の電動機および第2
の電動機とは異なる第3の電動機を前記第3の軸に結合
した装置であるものとすることができる。
ば、第3の電動機との電力のやりとりによって第3の軸
の動力状態を調整することにより、第1の軸および第2
の軸のうちの一方から他方に伝達される動力の大きさを
増減しつつ、動力を伝達することができる。なお、本明
細書では、回転数およびトルクの組み合わせで表される
軸の回転状態を動力状態と呼ぶものとする。一般に「動
力」は軸の回転数とトルクの積で表されるスカラー量を
意味している。従って、動力の大きさをある値に特定し
ても回転軸の回転状態は一義的には定まらず、回転数お
よびトルクの組み合わせは無数に存在する。このように
無数に存在する回転数およびトルクの組み合わせを意味
する「動力」という用語に対し、ある回転数およびトル
クの組み合わせにより一義的に特定された回転状態を意
味する用語として「動力状態」を用いる。
動力設定手段は、前記要求動力を所定のトルク配分で前
記第1の駆動軸から出力すべき動力と前記第2の駆動軸
から出力すべき動力に配分する動力配分手段を有してお
り、前記特定手段は、車両の走行状態として前記第1の
駆動軸から出力すべきトルクと前記出力軸のトルクの関
係を特定する手段であり、前記接続制御手段は、前記第
1の駆動軸の要求トルクが前記動力調整装置から出力可
能な最大トルクよりも有意に大きいと判定された場合に
は、前記第2の電動機の回転軸を前記第1の駆動軸に結
合する手段であるものとすることもできる。
場合、第2の電動機から出力されたトルクは動力調整装
置を経て、第1の駆動軸に伝達される。従って、第1の
駆動軸に伝達可能なトルクは動力調整装置から第1の駆
動軸に出力可能な最大トルクにより制限される。これに
対し、上記構成を有するハイブリッド車両によれば、接
続装置の制御により第2の電動機が第1の駆動軸に結合
することができるから、該第2の電動機を力行すること
により、動力調整装置の定格、即ち動力調整装置から出
力可能なトルク以上の動力を第1の駆動軸から出力可能
となる。この結果、ハイブリッド車両の第1の駆動軸お
よび第2の駆動軸の動力の配分の自由度が増し、より適
切な配分で動力を出力することが可能となる。
機、動力調整装置、第1の電動機および第2の電動機の
運転状態を制御する駆動制御手段と、前記接続制御手段
とを種々の態様で組み合わせて適用したハイブリッド車
両が可能である。第1の態様として、前記接続制御手段
は、車両の走行状態に応じて、前記第1の接続装置およ
び前記第2の接続装置を制御して、前記第2の電動機の
回転軸を前記第1の駆動軸に結合する手段であり、前記
駆動制御手段は、少なくとも前記第2の電動機を力行し
て、前記第1の駆動軸および第2の駆動軸から前記要求
動力を出力する手段であるものとすることができる。
車両の走行状態に応じて、前記第1の接続装置および前
記第2の接続装置を制御して、前記第2の電動機の回転
軸を前記出力軸に結合する手段であり、前記駆動制御手
段は、電力を供給して少なくとも前記動力調整装置から
動力を出力することにより、前記第1の駆動軸および第
2の駆動軸から前記要求動力を出力する手段であるもの
とすることができる。
は、さらに、前記第2の電動機を制御して、前記動力調
整装置からの動力の出力に伴う前記出力軸の回転を抑制
するためのトルクを出力する手段であるものとすること
が望ましい。
よれば、それぞれ原動機からの動力を要することなく走
行することができる。前者では第2の電動機が第1の駆
動軸に結合されているから、第2の電動機から動力をそ
のまま第1の駆動軸に出力することができる。後者で
は、動力調整装置が第1の駆動軸に結合されているか
ら、動力調整装置から動力を第1の駆動軸に出力するこ
とができる。後者の場合は、原動機の出力軸側に第2の
電動機が結合されている。従って、動力調整装置から動
力を出力するのに伴って、その反作用により原動機の出
力軸が回転しないように保持するためのトルクを第2の
電動機で出力するものとすることもできる。こうすれ
ば、動力調整装置からより大きなトルクを出力すること
が可能となる。これらの作用に基づき、本発明のハイブ
リッド車両は、運転効率の向上を実現する構成を有しつ
つ、後進をすることができる。当然、これらの走行に伴
って第2の駆動軸に結合された第1の電動機を力行して
動力を第2の駆動軸から動力を出力することもできる。
従って、2つの駆動軸から動力を出力可能な車両として
の利点を後進時においても十分に活かすことができる。
車両の走行状態に応じて、前記第1の接続装置および前
記第2の接続装置を制御して、前記第2の電動機の回転
軸を前記第1の駆動軸に結合する手段であり、前記駆動
制御手段は、前記原動機から出力された動力の一部を前
記動力調整装置により電力として回生し、該回生された
電力を前記第1の電動機および前記第2の電動機の少な
くとも一方に供給することにより、前記第1の駆動軸お
よび第2の駆動軸から前記要求動力を出力する手段であ
るものとすることができる。
車両の走行状態に応じて、前記第1の接続装置および前
記第2の接続装置を制御して、前記第2の電動機の回転
軸を前記出力軸に結合する手段であり、前記駆動制御手
段は、前記原動機から出力された動力の一部を前記第2
の電動機により電力として回生し、該回生された電力を
前記第1の電動機および前記動力調整装置の少なくとも
一方に供給することにより、前記第1の駆動軸および第
2の駆動軸から前記要求動力を出力する手段であるもの
とすることができる。
は、運転効率の向上を実現する構成を有しつつ、原動機
から出力された動力を利用して後進することができる。
前者では原動機から出力された動力を動力調整装置によ
り電力として回生し、該電力を用いて第1および第2の
電動機を力行することができる。後者では、第2の電動
機が原動機の出力軸に結合されているから、原動機から
出力された動力を第2の電動機により電力として回生
し、動力調整装置および第1の電動機を力行することが
できる。原動機の出力軸がいかなる方向に回転していよ
うとも、出力軸の動力を電力として回生することに支障
はない。従って、原動機の出力軸の回転方向がハイブリ
ッド車両が前進するときと同じ方向であっても本発明の
ハイブリッド車両は上記効果を奏することができる。
ては、以下に示す通り第1の駆動軸および第2の駆動軸
から出力される動力の配分を適切に制御するものが可能
である。例えば、前記動力設定手段は、前記要求動力を
所定のトルク配分で前記第1の駆動軸から出力すべき動
力と前記第2の駆動軸から出力すべき動力に配分する動
力配分手段を有する手段であり、さらに、前記第1の駆
動軸に結合された第1の駆動輪および前記第2の駆動軸
に結合された第2の駆動輪の路面に対する滑り量を検出
する検出する検出手段と、前記第1の駆動輪および第2
の駆動輪の少なくとも一方の滑り量が所定の値以上であ
る場合には、前記動力配分手段により配分された結果に
関わらず、少なくとも滑り量が該所定の値を超える駆動
輪が結合された駆動軸から出力すべきトルクを変更して
前記要求動力を補正する動力補正手段とを備えるものと
することができる。
れば、前記第1の駆動軸に結合された第1の駆動輪およ
び前記第2の駆動軸に結合された第2の駆動輪の路面に
対する滑り量を検出し、該滑り量に応じて両駆動軸から
出力すべきトルクを変更することができる。一般に駆動
輪に滑りが生じている場合には、路面に十分な動力を伝
達することができない。上記発明のハイブリッド車両に
よれば、かかる場合に各駆動軸から出力されるトルクを
適切に制御することができ、動力を効率的に路面に伝達
することができる。この結果、2つの駆動軸から動力を
出力可能なハイブリッド車両の特性を活かしつつ、車両
を効率的に走行させることができる。なお、トルクの変
更は、第1および第2の駆動軸の双方について行うもの
としてもよいし、いずれか一方の駆動軸についてのみ行
うものとしてもよい。また、第1および第2の駆動軸か
ら出力される動力が動力設定手段により設定された要求
動力に満たない場合も含まれる。
手段は、前記第1の駆動軸の回転数と前記第2の駆動軸
の回転数の差に基づいて前記滑り量を検出する手段であ
るものとすることができる。
れの駆動輪にも滑りが生じていない場合には、第1およ
び第2の駆動軸の回転数は略同一となる。両者の一方に
滑りが生じている場合に、両者の回転数に差が生じるか
ら、この回転数差に基づいて滑り量を検出することがで
きる。
方法を採ることができる。例えば、駆動輪の回転数以外
の方法で車速を検出することが可能な場合には、該検出
された車速から算出される駆動軸の回転数と現実の回転
数との差分に応じて滑り量を検出するものとしても構わ
ない。また、駆動軸の回転数の時間的な変化を検出し、
急激な変化が生じた場合や所定の程度以上の不規則な変
化が現れた場合に滑りが生じているものと判断しても構
わない。なお、こうした駆動輪の滑りは、車両がいわゆ
るぬかるみにはまったような場合に生じる他、走行中に
カーブを曲がる際にも生じる。
補正手段は、前記滑り量が該所定の値を超える駆動輪が
結合された駆動軸から出力すべきトルクの絶対値を減少
させる手段であるものとすることが望ましい。
輪から出力されるトルクが路面の摩擦力よりも大きいこ
とが原因である。従って、上記構成を有するハイブリッ
ド車両によれば、滑りを生じている側のトルクの絶対値
を減少させることにより、滑りを低減することができ
る。なお、絶対値を減少させるのであるから、駆動軸か
ら負のトルクが出力されている制動時においても同様の
効果を得ることができる。
補正手段は、前記第1の駆動軸および第2の駆動軸から
出力されるトルクの総和を一定に保持したまま前記第1
の駆動軸から出力すべきトルクおよび前記第2の駆動軸
から出力すべきトルクを変更する手段であるものとする
こともできる。
持することにより、車両の走行に必要な動力を出力しつ
つ、滑りを低減することができる。
するための手段としては、例えば、次に挙げる2通りが
ある。一つは、前記動力補正手段は、前記動力調整装置
を制御して、前記第1の駆動軸から出力すべきトルクを
変更する手段であるものとするものであり、もう一つ
は、前記動力補正手段は、前記第2の電動機を制御し
て、前記第1の駆動軸から出力すべきトルクを変更する
手段であるものとするものである。
駆動軸から出力するトルクを変更することができる。こ
れらの手段は、第2の電動機が第1の駆動軸側に結合さ
れている場合、原動機の出力軸側に結合されている場合
のいずれにおいてもそれぞれ適用することができる。ま
た、原動機が運転しているか否かに関わらず適用するこ
とができる。
ことができるハイブリッド車両において、前記動力補正
手段は、前記滑り量が該所定の値を超える駆動輪が結合
された駆動軸から出力すべきトルクの変更量を、前記滑
り量に応じた関係として記憶する記憶手段と、前記滑り
量に基づいて前記記憶手段に記憶された関係を参照し
て、前記出力すべきトルクを変更する変更手段とを備え
るものとすることもできる。
された関係を参照することにより、駆動軸の滑り量に応
じてトルクを適切に変更し、滑りを抑制することができ
る。また、かかる構成によれば、滑りを抑制するための
トルクを短時間で設定することができるという利点も有
している。なお、滑り量とトルクの変更量との関係は、
予め実験その他の手段により決定することができる。
して、前記動力補正手段は、前記滑り量が所定範囲内に
なるまで、前記滑り量が該所定の値を超える駆動輪が結
合された駆動軸から出力すべきトルクを、段階的に変更
する手段とすることもできる。
の駆動軸から出力されるトルクを段階的に減少させるこ
とにより、滑りを抑制することができる。また、かかる
構成では、滑りを抑制するための制御を非常に容易に実
現することができるという利点もある。
れる動力出力装置は、単独で以下の発明として構成され
ている。本発明の動力出力装置は、第1および第2の駆
動軸に動力を出力することができる動力出力装置であっ
て、出力軸を有する原動機と、該出力軸と前記第1の駆
動軸とに結合され、該出力軸および第1の駆動軸の一方
から入力された機械的な動力を、電力のやりとりによっ
て増減して、他方に伝達可能な動力調整装置と、前記第
2の駆動軸に結合された第1の電動機と、前記出力軸、
第1の駆動軸および第2の駆動軸のいずれとも異なる回
転軸を有する第2の電動機と、該回転軸と前記出力軸と
の結合および切り離しを行う第1の接続装置と、該回転
軸と前記第1の駆動軸との結合および切り離しを行う第
2の接続装置と、前記第1の駆動軸および第2の駆動軸
から前記原動機の回転方向と逆転方向に回転する状態で
出力すべき動力の総和を要求動力として設定する動力設
定手段と、前記原動機、動力調整装置、第1の電動機お
よび第2の電動機の運転を制御して、前記第1の駆動軸
および第2の駆動軸から前記要求動力を出力する駆動制
御手段と、該動力出力装置について、第1の駆動軸およ
び第2の駆動軸の回転方向を含む運転状態を特定する特
定手段と、該特定された運転状態が前記逆転方向に回転
する状態である場合には、前記第1の接続装置および前
記第2の接続装置を制御して、前記第2の電動機の回転
軸を前記出力軸および前記第1の駆動軸のいずれか一方
に選択的に結合する接続制御手段とを備えることを要旨
とする。
車両の発明について説明したのと同様、動力の循環を抑
制することができるため、動力出力装置の運転効率を向
上することができる構成を有している。そして、ハイブ
リッド車両の発明について説明したのと同様、2つの駆
動軸から逆転方向の回転方向に動力を出力することがで
きる。なお、逆転方向とは原動機の回転方向と逆の方向
を意味する。より厳密に言えば、前記第1および第2の
接続装置を共に結合状態とし、第2の電動機を原動機の
出力軸と第1の駆動軸の双方に結合させた上で、原動機
を一方向に回転させた場合の回転方向とは逆の方向に第
1の駆動軸が回転する状態をいう。
も成立する。本発明のハイブリッド車両の制御方法は、
原動機の出力軸および第1の駆動軸に結合された動力調
整装置により該原動機の動力を増減して前記第1の駆動
軸から出力可能な第1の駆動系統と、第1の電動機の動
力を該第1の電動機に結合された第2の駆動軸から出力
可能な第2の駆動系統と、接続装置により前記第1の駆
動軸および前記出力軸の少なくとも一方に選択的に結合
することができる第2の電動機とを備え、第1の駆動軸
および第2の駆動軸から動力を出力して走行可能なハイ
ブリッド車両を制御する制御方法であって、(a) 前
記第1の駆動軸および第2の駆動軸から、ハイブリッド
車両を後進させるために出力すべき動力の総和を要求動
力として設定する工程と、(b) 該ハイブリッド車両
について、進行方向も含む走行状態を特定する工程と、
(c) 前記特定されたハイブリッド車両の走行状態が
後進である場合には、前記第1の接続装置および前記第
2の接続装置を制御して、前記第2の電動機の回転軸を
前記出力軸および前記第1の駆動軸のいずれか一方に選
択的に結合する工程と、(d) 前記原動機、動力調整
装置、第1の電動機および第2の電動機の運転を制御し
て、前記第1の駆動軸および第2の駆動軸から総和が前
記要求動力となる動力を出力する工程とを備えることを
要旨とする。
は、前記要求動力を所定のトルク配分で前記第1の駆動
軸から出力すべき動力と前記第2の駆動軸から出力すべ
き動力に配分する工程を有する工程であり、さらに、
(e) 前記第1の駆動軸に結合された第1の駆動輪お
よび前記第2の駆動軸に結合された第2の駆動輪の路面
に対する滑り量を検出する検出する検出する工程と、
(f) 前記第1の駆動輪および第2の駆動輪の少なく
とも一方の滑り量が所定の値以上である場合には、前記
動力配分手段により配分された結果に関わらず、少なく
とも滑り量が該所定の値を超える駆動輪が結合された駆
動軸から出力すべきトルクを変更して前記要求動力を補
正する工程とを備えるものとすることもできる。
ッド車両の発明において説明したと同様の作用により、
ハイブリッド車両の後進させることができ、また、第1
および第2の駆動軸に滑りが生じた場合にトルクを変更
することによって、その滑りを低減することができる。
例に基づいて説明する。 (1)実施例の構成:はじめに、実施例の構成について
図1を用いて説明する。図1は本実施例の動力出力装置
を搭載した4輪駆動可能なハイブリッド車両の概略構成
を示す説明図である。
力装置は、原動機としてのエンジン150から出力され
た動力を、動力調整装置としてのクラッチモータ130
およびディファレンシャルギヤ114を介して第1の駆
動軸に相当する前車軸116に伝達し、前車軸116に
結合された前輪116R,116Lから出力する前輪動
力系統と、同じくエンジン150から出力された動力を
電力の形を経て第2の駆動軸に相当する後車軸118に
伝達し後輪118R,118Lから出力する後輪動力系
統とから成っている。
る。前輪動力系統に備えられた動力源としてのエンジン
150は通常のガソリンエンジンであり、クランクシャ
フト156を回転させる。エンジン150の運転はEF
IECU170により制御されている。EFIECU1
70は内部にCPU、ROM、RAM等を有するワンチ
ップ・マイクロコンピュータであり、CPUがROMに
記録されたプログラムに従い、エンジン150の燃料噴
射料その他の制御を実行する。これらの制御を可能とす
るために、EFIECU170にはエンジン150の運
転状態を示す種々のセンサが接続されている。その一つ
としてクランクシャフト156の回転数を検出する回転
数センサ152がある。その他のセンサおよびスイッチ
などの図示は省略した。
は、クラッチモータ130に結合されている。クラッチ
モータ130は、後述する通りインナロータ軸133に
結合されたインナロータ132とアウタロータ軸135
に結合されたアウタロータ134を備え、両者が相対的
に回転可能な対ロータ電動機である。クラッチモータ1
30のインナロータ軸133は第1クラッチ111を介
してクランクシャフト156に結合されている。アウタ
ロータ軸135は第2クラッチ112およびディファレ
ンシャルギヤ114を介して、前輪116R,116L
を備えた前車軸116に結合されている。
1および第2クラッチ112には、それぞれ前輪アシス
トモータ140のロータ142が結合されている。前輪
アシストモータ140はステータ144はケースに固定
されている。第1クラッチ111および第2クラッチ1
12は油圧により結合または切り離しを行うことがで
き、その作動は制御ユニット190により制御される。
第1クラッチ111および第2クラッチ112の結合状
態に応じて、本実施例のハイブリッド車両の前輪動力系
統は、4つの構成を選択的に採ることができる。これら
の構成について説明する。
し、第2クラッチ112を結合状態とした場合の前輪動
力系統の構成を示す説明図である(以下、「アンダード
ライブ結合」と呼ぶ)。図2に示すように、かかる結合
状態では、前輪アシストモータ140のロータ142は
アウタロータ軸135に結合された状態となる。この結
果、エンジン150から出力された動力は、クラッチモ
ータ130、前輪アシストモータ140をこの順に経て
前車軸116に出力されることになる。
し、第2クラッチ112を解放状態とした場合の前輪動
力系統の構成を示す説明図である(以下、「オーバード
ライブ結合」と呼ぶ)。図3に示すように、かかる結合
状態では、前輪アシストモータ140のロータ142は
クランクシャフト156に結合された状態となる。この
結果、エンジン150から出力された動力は、前輪アシ
ストモータ140、クラッチモータ130をこの順に経
て前車軸116に出力されることになる。
ッチ112の双方を解放状態とした場合の前輪動力系統
の構成を示す説明図である。図4に示すように、かかる
結合状態では、前輪アシストモータ140のロータ14
2はアウタロータ軸135およびクランクシャフト15
6の双方から解放された状態となる。この結果、エンジ
ン150から出力された動力は、クラッチモータ130
を経て前車軸116に出力されることになる。
ッチ112の双方を結合状態とした場合の前輪動力系統
の構成を示す説明図である。図5に示すように、かかる
結合状態では、前輪アシストモータ140のロータ14
2はアウタロータ軸135およびクランクシャフト15
6の双方に結合された状態となり、クラッチモータ13
0は機能しない状態となる。この結果、エンジン150
から出力された動力は、前輪アシストモータ140を経
て前車軸116に出力されることになる。
には以上の4つの結合状態を用い、後進時には上述した
4つの結合状態のうち、アンダードライブ結合(図2)
と、オーバードライブ結合(図3)とを用いるものとし
ている。もちろん、走行状態に応じて、その他の結合状
態(図4または図5)を併用するものとしても構わない
が、アンダードライブ結合(図2)またはオーバードラ
イブ結合(図3)を用いる場合には、4輪駆動可能なハ
イブリッド車両としての特長を活かしつつ後進すること
ができる点で望ましい。
動力系統では図1に示す通り、後車軸118に後輪アシ
ストモータ160のロータ162が結合されている。後
輪アシストモータ160のステータ164は回転不能に
ケースに固定されている。後車軸118には後輪118
R,118Lが結合されている。
トモータ140,後輪アシストモータ160の構成につ
いて説明する。クラッチモータ130は、対ロータの同
期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁
石を有するインナロータ132と、回転磁界を形成する
三相コイルが巻回されたアウタロータ134とを備え
る。アウタロータ134とインナロータ132とは、共
に相対的に回転可能に軸支されている。クラッチモータ
130はインナロータ132に備えられた永久磁石によ
る磁界とアウタロータ134に備えられた三相コイルに
よって形成される磁界との相互作用により両者が相対的
に回転駆動する電動機として動作し、場合によってはこ
れらの相互作用によりアウタロータ134に巻回された
三相コイルの両端に起電力を生じさせる発電機としても
動作する。
2とアウタロータ134の双方が回転可能であるため、
インナロータ軸133およびアウタロータ軸135の一
方から入力された動力を他方に伝達することができる。
クラッチモータ130を電動機として力行運転すれば他
方の軸にはトルクが付加された動力が伝達されることに
なるし、発電機として回生運転すれば動力の一部を電力
の形で取り出しつつ残余の動力を伝達することができ
る。また、力行運転も回生運転も行わなければ、動力が
伝達されない状態となる。この状態は機械的なクラッチ
を解放にした状態に相当する。
4はスリップリングおよびインバータ191を介してバ
ッテリ194に電気的に接続されている。インバータ1
91は内部にスイッチング素子であるトランジスタを複
数備えており、制御ユニット190と電気的に接続され
ている。制御ユニット190がインバータ191のトラ
ンジスタのオン・オフの時間をPWM制御するとバッテ
リ194を電源とする三相交流がスリップリング138
を介してクラッチモータ130のアウタロータ134に
流れる。この三相交流によりアウタロータ134には回
転磁界が形成されクラッチモータ130は回転する。
ストモータ160も、クラッチモータ130と同様に同
期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁
石を有するロータ142、162と、回転磁界を形成す
る三相コイルが巻回されたステータ144、164とを
備える。ステータ144,164がケースに固定されて
いる点で、クラッチモータ130とは異なっている。前
輪アシストモータ140はインバータ192を介してバ
ッテリ194に接続されており、後輪アシストモータ1
60はインバータ193を介してバッテリ194に接続
されている。これらのインバータ192,193もトラ
ンジスタインバータにより構成されており、制御ユニッ
ト190に電気的に接続されている。制御ユニット19
0の制御信号によりインバータ192、193のトラン
ジスタをスイッチングすると、ステータ144、164
に三相交流が流れて回転磁界を生じ、前輪アシストモー
タ140および後輪アシストモータ160は回転する。
上、ハイブリッド車両が前進する際に通常回転する方向
を順方向と呼ぶものとする。順方向とは逆の回転方向を
逆転方向と呼ぶ。周知の通り、エンジン150のクラン
クシャフト156が回転可能な方向は順方向のみであ
る。これに対し、各モータの回転軸および前車軸11
6,後車軸118はそれぞれ正方向、逆転方向の回転が
可能である。
制御ユニット190により制御されている。制御ユニッ
ト190もEFIECU170と同様、内部にCPU、
ROM、RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピ
ュータであり、CPUがROMに記録されたプログラム
に従い、後述する種々の制御処理を行うよう構成されて
いる。これらの制御を可能とするために、制御ユニット
190には、各種のセンサおよびスイッチが電気的に接
続されている。制御ユニット190に接続されているセ
ンサおよびスイッチとしては、アクセルペダルおよびブ
レーキペダルの操作量を検出するためのアクセルペダル
ポジションセンサ165、ブレーキペダルポジションセ
ンサ166、シフトレバーの位置を検出するためのシフ
トポジションセンサ167、前車軸116の回転数を検
出する回転数センサ117および後車軸118の回転数
を検出する回転数センサ119等が挙げられる。制御ユ
ニット190は、EFIECU170とも電気的に接続
されており、EFIECU170との間で種々の情報
を、通信によってやりとりしている。制御ユニット19
0からエンジン150の制御に必要な情報をEFIEC
U170に出力することにより、エンジン150を間接
的に制御することができる。逆にエンジン150の回転
数などの情報をEFIECU170から入力することも
できる。この制御ユニット190は、本発明における接
続制御手段、駆動制御手段、動力設定手段、動力補正手
段等として機能する。
イブリッド車両の運転制御処理について説明する。前述
した構成を有するハイブリッド車両は種々の運転モード
により走行することができる。本実施例のハイブリッド
車両の運転が開始されると、制御ユニット190内のC
PU(以下、単に「CPU」という)は車両の走行状態
に応じて運転モードを判定し、それぞれのモードについ
てエンジン150、クラッチモータ130、前輪アシス
トモータ140,後輪アシストモータ160および第
1、第2のクラッチ111,112等の制御を実行す
る。これらの制御は種々の制御処理ルーチンを周期的に
実行することにより行われる。以下では、それぞれの制
御処理ルーチンの内容について説明する。
り判定される。シフトポジションセンサ167により、
シフトポジションが前進位置にあると検出された場合に
は、CPUは前進モードと判定する。そして、アクセル
ペダルポジションセンサ165により検出されるアクセ
ルペダルポジションや、ブレーキポジションセンサ16
6により検出されるブレーキポジション等に基づいて、
前進時に採りうる種々の運転モードを判定する。そし
て、第1クラッチ111,第2クラッチ112を制御し
て、前輪アシストモータ140の結合状態を変更しつつ
要求された動力を出力する。本実施例のハイブリッド車
両では、第1クラッチ111,第2クラッチ112の結
合状態により図2〜図5に示した4つの構成を採ること
ができる。従って、ハイブリッド車両の走行状態に応じ
てこれらの4つの構成から最も動力の伝達効率の高い構
成を選択して用いることができる。この結果、本実施例
のハイブリッド車両は前進時において運転効率を向上す
ることができる。
フトポジションが後進位置にあると検出された場合に
は、CPUは後進モードと判定する。そして、以下に示
す後進時の運転制御処理を実行する。後進時の運転制御
処理としては、エンジン150を運転せずに後進する
「EV走行モード」と、エンジン150を運転しつつ後
進する「通常後進モード」とがある。両者は、ハイブリ
ッド車両が後進する際の車速、トルクおよび後進の継続
時間等によって使い分けることができる。本実施例で
は、バッテリ194の残容量が予め定めた所定の値以上
である場合には「EV走行モード」による後進を行い、
その他の場合には「通常後進モード」による後進を行う
ものとしている。以下、それぞれの場合に分けて制御内
容を説明する。
モードにおける制御処理のフローチャートを示す。この
フローチャートは制御ユニット190内のCPUにより
周期的に実行される処理である。この処理が開始される
と、CPUは要求動力Pd*を設定する(ステップS2
02)。要求動力Pd*は、アクセルペダルの踏み込み
量および車速に基づいて、車両を走行するために必要な
動力として設定される。要求動力Pd*は、要求トルク
Td*および回転数Nd*の組み合わせにより設定され
る。後進時は、要求トルクTd*および回転数Nd*は
共に負の値となる。要求動力は、両者の積で表されるか
ら正の値となる。なお、アクセルペダルの踏み込み量
は、アクセルペダルポジションセンサ165により検出
される。また、車速は前車軸116の回転数センサ11
7または後車軸118の回転数センサ119により検出
される回転数に基づいて算出することができる。
軸116から出力すべき要求トルクTdf*と、後車軸
118から出力すべき要求トルクTdr*とに分けて設
定する(ステップS204)。要求トルクの配分は、予
め定めた一定の割合で行われる。本実施例では、前車軸
116から出力すべき要求トルクTdf*と後車軸11
8から出力すべき要求トルクTdr*とを等しく設定し
ている。もちろん、両車軸にかかる重量の配分を考慮し
てそれぞれのトルクを設定するものとすることもできる
し、前車軸116または後車軸118のいずれか一方の
車軸からのみ動力を出力する場合が存在するように設定
しても構わない。また、トルク配分は予め定めた一定値
ではなく、車両の走行状態に応じて変化させるものとし
てもよい。
および後車軸118の回転数Nrを検出する(ステップ
S206)。それぞれの回転数は、回転数センサ11
7,119により検出される。こうして検出された両車
軸の回転数の差の絶対値(|Nf−Nr|)が所定の値
αよりも大きいか否かを判定する(ステップS20
8)。所定の値αよりも大きい場合、即ち両車軸の回転
数に差がある場合には、いずれかの前輪116R、11
6Lまたは後輪118R、118Lのいずれかがスリッ
プしていると判断されるため、要求トルクの補正処理を
実行する(ステップS210)。両車軸の回転数に差が
ない場合には、この処理をスキップする。所定の値α
は、このようにスリップが生じているか否かを判断する
ための基準となる値であり、予め実験等により定められ
た値である。この値は全車速において一定の値としても
よいし、車速に応じて変化するものとしても構わない。
210)の内容について説明する。図7は要求トルク補
正処理ルーチンのフローチャートである。この処理で
は、最初に前車軸116の回転数Nfと後車軸118の
回転数Nrとの大小関係をそれぞれの絶対値で判定する
(ステップS212)。これは、前車軸116と後車軸
118のいずれの車軸の側がスリップしているか判断す
るためである。
い場合には、前車軸116の要求トルクTdf*を補正
する。具体的には、トルク補正量△Tだけ前車軸116
の要求トルクTdf*の絶対値を減少させる(ステップ
S214)。つまり、「−(|Tdf*|−△T)」を
補正後の要求トルクTdf*とするのである。負号をつ
けたのは、後進時は要求トルクTdf*は負の値を採る
からである。トルク補正量△Tは前車軸116の回転数
Nfと後車軸118の回転数Nrとの差の絶対値に応じ
たマップとして予め設定されている。このマップの例を
図8に示した。両回転軸の差の絶対値が大きくなるほ
ど、トルクの補正量△Tが大きくなるマップとなってい
る(図8中の曲線CT参照)。このマップを制御ユニッ
ト190内のROMに予め記憶し、そのマップを読み出
すことにより、図7のステップS214における補正を
行っている。
対値を採ることにより、前車軸116および後車軸11
8のいずれの軸側がスリップしている場合でも同じトル
ク補正量△Tを用いるものとしている。これに対し、前
車軸116側がスリップしている場合と、後車軸118
側がスリップしている場合とで、用いるマップを異なる
ものとすることもできる。両車軸にかかる荷重が異なる
場合など、それぞれに対応したマップを用意することに
より、トルクの補正をより適切に行うことができる場合
もある。
トルクTdf*を変更した後、CPUは後車軸118の
要求トルクTdr*の設定を行う(ステップS21
6)。要求トルクTdr*は、車両全体の要求トルクT
d*から補正後の前車軸116の要求トルクTdf*を
引くことによって設定する。後車軸118の要求トルク
Tdr*の絶対値をトルク補正量△Tだけ増すものとし
ても同じである。このように設定することにより、車両
全体としての出力トルクは維持したまま、前車軸116
と後車軸118のトルク配分を変更することができる。
が大きい場合には、後車軸118の要求トルクTdr*
を補正する。具体的には、トルク補正量△Tだけ後車軸
118の要求トルクTdr*の絶対値を減少させる(ス
テップS218)。つまり、「−(|Tdr*|−△
T)」を補正後の要求トルクTdr*とするのである。
トルク補正量△Tは先に説明したマップ(図8)により
設定される。
した後、CPUは前車軸116の要求トルクTdf*の
設定を行う(ステップS220)。要求トルクTdf*
は、車両全体の要求トルクTd*から補正後の後車軸1
18の要求トルクTdr*を引くことによって設定す
る。前車軸116の要求トルクTdf*の絶対値をトル
ク補正量△Tだけ増すものとしても同じである。このよ
うに設定することにより、車両全体としての出力トルク
は維持したまま、前車軸116と後車軸118のトルク
配分を変更することができる。
は、トルクの補正量△Tをマップにより設定するものと
しているが、補正量△Tを予め定めた一定量とすること
もできる。この場合、要求トルク補正処理を1回実行し
ただけでスリップが解消されるとは限らないが、EV走
行制御処理ルーチン(図6)のステップS208および
S210を周期的に実行するにつれ、段階的に要求トル
クが減少し、徐々にスリップが解消する。こうすれば、
スリップが解消するまでに若干の時間を要するものの、
処理自体を簡単に実現することができる。
前車軸116および後車軸118から出力されるトルク
の和が要求トルクTd*に一致するように双方の要求ト
ルクTdf*、Tdr*を変更するものとしている。こ
れに対し、スリップしていると判断される側の要求トル
クを減少させる処理のみを行うものとすることもでき
る。かかる場合には、車両全体として出力するトルクは
要求トルクTd*に満たない可能性があるが、少なくと
も車輪のスリップを抑制することは可能である。
た後、CPUはクラッチ111,112の結合状態を検
出する(ステップS230)。クラッチ111,112
の結合は制御ユニット190のCPU自体が制御してい
るため、ここではクラッチ111,112の結合状態を
示すフラグを確認することによって結合状態を判定して
いる。クラッチ111,112の結合状態を検出するの
は、この後の処理、つまり、クラッチモータ130、前
輪アシストモータ140および後輪アシストモータ16
0の目標トルク、回転数を設定する処理(ステップS2
40)がクラッチ111,112の結合状態に応じて変
わるからである。
ドライブ結合かオーバードライブ結合のいずれかの結合
状態を採るものとしている。従って、図6のステップS
230において、クラッチの結合状態を検出した結果、
第1クラッチ111,第2クラチ112の双方が結合状
態、又は双方が解放状態にある場合には、いずれか一方
のクラッチを結合する制御を行う。
理(ステップS240)の内容について、クラッチ11
1,112の結合状態に応じて場合を分けて説明する。
図9は、クラッチ111,112がアンダードライブ結
合(図2に示した状態)である場合のモータ目標トル
ク、回転数設定処理のフローチャートである。
ストモータ140が前車軸116に結合した状態となっ
ているから、前輪アシストモータ140を逆転方向の回
転方向に力行することにより要求動力を前車軸116か
ら出力する事ができる。従って、モータ目標トルク、回
転数の設定処理では、CPUはクラッチモータ130の
要求トルクTc*を値0に設定する(ステップS24
2)。また、前輪アシストモータ140の目標回転数N
1*として前車軸116の要求回転数Nd*を設定す
る。目標回転数N1*は負の値となる。また、目標トル
クT1*として前車軸116の要求トルクTdf*を設
定する(ステップS244)。目標トルクT1*も負の
値である。従って、前輪アシストモータ140は逆転方
向に力行される。
標回転数N2*として駆動軸の回転数Nd*を設定し、
目標トルクT2*として後車軸118の要求トルクTd
r*を設定する(ステップS246)。目標トルクN2
*および目標トルクT2*も共に負の値である。従っ
て、後輪アシストモータ160も逆転方向に力行され
る。
タ目標トルク、回転数設定処理のフローチャートを図1
0に示す。オーバードライブ結合の場合には、クラッチ
モータ130を逆転方向の回転方向に力行することによ
って要求動力を前車軸116から出力することができ
る。従って、モータ目標トルク、回転数の設定処理で
は、CPUはクラッチモータ130の目標回転数Nc*
として前車軸116の要求回転数Nd*を設定し、目標
トルクTc*として前車軸116の要求トルクTdf*
を設定する(ステップS252)。これらの値は共に負
の値である。
ると、その反作用によりインナロータ133およびクラ
ンクシャフト156が回転する。従って、前輪アシスト
モータ140でこの回転を抑制するための保持トルクを
出力する必要がある。このために、CPUは前輪アシス
トモータ140の目標回転数N1*として値0を設定
し、目標トルクT1*としてクラッチモータ130の目
標トルクTc*を設定する(ステップS254)。こう
することにより、前輪アシストモータ140でクラッチ
モータ130の反作用を打ち消すことができる。もちろ
ん、前輪アシストモータ140の目標トルクT1*の絶
対値を|Tc*|以上の値とし、前輪アシストモータ1
40をいわゆるロックアップするものとしてもよい。後
輪アシストモータ160については、目標回転数N2*
として駆動軸の回転数Nd*を設定し、目標トルクT2
*として後車軸118の要求トルクTdr*を設定する
(ステップS256)。これらの値も負の値である。
数が設定されると、CPUはそれぞれのモータの運転を
制御する(ステップS260)。本実施例で用いられて
いるクラッチモータ130、前輪アシストモータ14
0、後輪アシストモータ160はいずれも同期電動機と
して構成されているため、その制御処理の内容は共通し
ている。本実施例では、トルクの目標値に応じてd軸、
q軸の2成分で各モータに流すべき電流を設定し、既に
流れている電流との差分に基づく比例積分制御によって
d軸方向、q軸方向に印加すべき電圧値を設定する。こ
うして設定された電圧をいわゆる2相/3相変換してコ
イルの各相に印加する電圧値に置換し、PWM制御によ
って、電圧を印加している。同期電動機を要求された回
転数およびトルクで運転するための制御処理としては周
知の種々の制御方法を適用可能であるため、ここではこ
れ以上の詳細な説明は省略する。各モータは目標回転数
および目標トルクが共に負の値に設定されているから、
逆転方向に力行されることになる。力行のための電力は
バッテリ194から供給される。
ジン150から出力される動力を用いることなく車両を
走行するため、エンジン150は運転が停止されてい
る。もちろん、エンジン150をアイドル状態で運転す
るものとしても構わない。
では、第1クラッチ111および第2クラッチ112の
結合状態の切り替えは行っていない。EV走行制御処理
ルーチンにおいて、以下に示す通り、両クラッチ11
1,112の切り替え処理を含めるものとすることもで
きる。本実施例のハイブリッド車両においては、クラッ
チモータ130と前輪アシストモータ140の定格が異
なっている。クラッチモータ130よりも前輪アシスト
モータ140の方が定格が大きいため、大きなトルクを
出力することができる。
態)である場合には、図3に示す構成から明らかな通
り、クラッチモータ130の出力トルク以上のトルクを
前車軸116に出力することができない。例えば、前輪
アシストモータ140によりトルクを出力したとして
も、作用・反作用の原理に従い、クラッチモータ130
で伝達可能なトルク以上のトルクが前車軸116に伝達
されることはあり得ないのである。一方、アンダードラ
イブ結合(図2の状態)とすれば、前輪アシストモータ
140を力行することにより、クラッチモータ130の
定格以上のトルクを前車軸116に出力することができ
る。かかる点に鑑み、EV走行制御処理ルーチンにおい
て、前車軸116の要求トルクTdf*の絶対値がクラ
ッチモータ130の最大トルクよりも小さい場合には、
オーバードライブ結合(図3の状態)とし、絶対値でそ
れ以上のトルクが要求される場合には、アンダードライ
ブ結合(図2の状態)とするクラッチの切り替え制御処
理を伴うものとすることもできる。その他、クラッチモ
ータ130や前輪アシストモータ140の運転効率を考
慮してオーバードライブ結合とアンダードライブ結合と
を切り替える等、種々の条件に応じたクラッチ111,
112の切り替え処理を伴うものとすることができる。
制御処理の内容について説明する。図11は、通常走行
制御処理の内容を示すフローチャートである。この処理
が開始されるとCPUは要求動力Pd*を設定する(ス
テップS402)。要求動力Pd*の設定内容は、EV
走行制御処理(図6)の場合と同様である。また、前車
軸116の要求トルクTdf*および後車軸118の要
求トルクTdr*を設定する(ステップS404)。こ
れらのトルクTdf*,Tdr*は共に負の値である。
に基づいてエンジン150の運転ポイントを設定する
(ステップS406)。エンジン150の運転ポイント
は、予め定めたマップに従って、基本的にはエンジン1
50の運転効率を優先して設定する。
はエンジンの回転数Neを横軸に、トルクTeを縦軸に
とりエンジン150の運転状態を示している。図12中
の曲線Bはエンジン150の運転が可能な限界範囲を示
している。曲線α1からα6まではエンジン150の運
転効率が一定となる運転ポイントを示している。α1か
らα6の順に運転効率は低くなっていく。また、曲線C
1からC3はそれぞれエンジン150から出力される動
力(回転数×トルク)が一定となるラインを示してい
る。
数およびトルクに応じて、運転効率が大きく相違する。
図12中の曲線C1〜C3に相当する動力を出力する場
合のエンジン150の回転数Neと効率αの関係を図1
3に示す。エンジン150から曲線C1に相当する動力
を出力する場合には、図12および図13中のA1点に
相当する運転ポイント(回転数およびトルク)でエンジ
ン150を運転するときが最も運転効率が高くなる。同
様に曲線C2およびC3に相当する動力を出力する場合
には図12および図13中のA2およびA3点で運転す
る場合が最も効率が高くなる。出力すべき動力ごとに最
も運転効率が高くなる運転ポイントを選択すると、図1
2中の曲線Aが得られる。これを動作曲線と呼ぶ。
イントの設定では、予め実験的に求められた動作曲線を
制御ユニット190内のROMにマップとして記憶して
おき、かかるマップから要求動力Pe*に応じた運転ポ
イントを読み込んで、エンジン150の回転数Ne*お
よびトルクTe*を設定するのである。こうすることに
より、最も運転効率の高い運転ポイントを設定すること
ができる。
ステップS402で設定された要求動力Pd*と等しい
値に設定することもできるし、その他以下の要因を考慮
した値に設定することもできる。例えば、ステップS4
02で設定された要求動力Pd*に加えて、バッテリ1
94の充放電に要する動力を考慮することもできる。つ
まり、バッテリ194の残容量が少ない場合には、エン
ジン150から要求動力Pd*以上の動力を出力し、余
剰の動力を用いてバッテリ194の充電を行うのであ
る。逆にバッテリ194が充電過多である場合には、エ
ンジン150から要求動力Pd*よりも小さい動力を出
力し、バッテリ194からの電力を用いて不足分の動力
を補うものとするのである。バッテリ194の充放電に
要する動力の他に、エアコンなどの補機を運転するため
の動力を考慮することもできる。
と後車軸118の回転数Nrを検出し(ステップS43
0)、両者の差の絶対値と所定の値αを比較する(ステ
ップS432)。回転数の差の絶対値が所定の値αより
も大きい場合には、要求トルク補正処理を実行する(ス
テップS434)。この処理内容は、EV走行制御処理
において説明した内容と同じである(図7参照)。この
後、CPUはクラッチ111,112の結合状態を検出
する(ステップS449)。クラッチ111,112の
双方が結合、または双方が解放状態にあるときは、いず
れか一方のクラッチを結合する。
要求動力およびクラッチ111,112の結合状態に基
づいて、CPUはモータ目標トルク、回転数設定処理を
実行する(ステップS450)。この処理内容について
は、クラッチ111,112の結合状態に応じて場合を
分けて後述する。こうして各モータの目標トルクおよび
回転数が設定されると、CPUは各モータの運転制御お
よびエンジン150の運転制御処理を実行する(ステッ
プS490)。モータの運転制御処理については既に説
明した通りである。エンジン150の運転は現実にはE
FIECU170が実施する処理である。従って、制御
ユニット190のCPUはEFIECU170に対して
エンジン150の運転ポイントの情報を出力すること
で、間接的にエンジン150の運転を制御する。
設定処理について、クラッチ111,112の結合状態
に応じて場合を分けて説明する。図14はアンダードラ
イブ結合(図2の状態)におけるモータ目標トルク、回
転数設定処理のフローチャートである。図2の構成から
明らかな通り、クラッチモータ130のアウタロータ1
34は前車軸116の回転数と同じ回転数Nd*で逆転
方向に回転することになる。一方、クラッチモータ13
0のインナロータ132はクランクシャフト156の回
転数と同じ回転数Ne*で順方向に回転する。従って、
CPUはクラッチモータ130の目標回転数Nd*とし
て両者の差分である「Nd*−Ne*」を設定する。こ
の値は負の値となる。また、図2の構成および作用・反
作用の原理から明らかな通り、クラッチモータ130の
トルクはエンジン150に与えられる負荷トルクに等し
い。従って、CPUはクラッチモータ130の目標トル
クTc*としてエンジン150の目標トルクTe*を設
定する(ステップS452)。この値は正の値である。
クラッチモータ130は目標回転数が負の値であり、目
標トルクが正の値として設定される結果、回生状態で運
転されることになる。
モータ140が前車軸116に結合された状態である。
従って、前輪アシストモータ140の目標回転数N1*
としてNd*を設定する。また、目標トルクT1*は、
前車軸116から要求トルクTdf*が出力可能な値が
設定される。このトルクは負の値である。前車軸116
にはクラッチモータ130の目標トルクTc*の反作用
としてのトルクが出力される。従って、前輪アシストモ
ータ140の目標トルクとしては、この反作用を相殺し
た上で要求トルクTdf*を出力することができるよう
に「Tdf*−Tc*」が設定される(ステップS45
4)。先に説明した通り、クラッチモータ130の目標
トルクTc*は正の値である。従って、前輪アシストモ
ータ140の目標トルクT1*は、前車軸116の要求
トルクTdf*よりも絶対値の大きいトルクが設定され
ることになる。
2*には要求動力として設定された回転数Nd*が設定
され、目標トルクT2*には後車軸118の要求トルク
Tdr*が設定される(ステップS456)。これらは
共に負の値である。従って、後輪アシストモータ160
は逆転方向に力行される。
を設定した場合の動力の流れを説明する。先に説明した
通り、クラッチモータ130は回生状態で運転される。
回生される電力は、この滑り量|Nd*−Ne*|とト
ルクTe*との積に等しい。
ストモータ160はそれぞれ電力の供給を受けて逆転方
向に力行する。前輪アシストモータ140に供給される
電力は、トルクT1*と回転数Nd*との積に等しい。
また、後輪アシストモータ160に供給される電力は、
トルクT2*と回転数Nd*との積に等しい。エンジン
150から要求動力Pd*に等しい動力が出力されてい
る場合、100%の効率で動力が伝達されるものとすれ
ば、クラッチモータ130で回生される電力と、前輪ア
シストモータ140および後輪アシストモータ160に
供給される電力とは等しくなる。この結果、図14の処
理で設定された目標トルクおよび回転数でクラッチモー
タ130、前輪アシストモータ140、後輪アシストモ
ータ160の運転を行えば、エンジン150から出力さ
れた動力状態を後進可能な回転数およびトルクからなる
動力状態に変換して前車軸116および後車軸118か
ら出力することができる。
態)におけるモータ目標トルク、回転数設定処理のフロ
ーチャートである。図3の構成から明らかな通り、クラ
ッチモータ130のアウタロータ134は前車軸116
の回転数と同じ回転数Nd*で逆転方向に回転する。一
方、クラッチモータ130のインナロータ132はクラ
ンクシャフト156の回転数と同じ回転数Ne*で順方
向に回転する。従って、CPUはクラッチモータ130
の目標回転数Nd*として両者の差分である「Nd*−
Ne*」を設定する。この値は負の値である。また、図
3の構成から明らかな通り、クラッチモータ130のト
ルクは前車軸116の要求トルクTdf*に等しい。従
って、CPUはクラッチモータ130の目標トルクTc
*として前車軸116の要求トルクTdf*を設定する
(ステップS458)。このトルクも負の値である。従
って、クラッチモータ130は逆転方向に力行される。
モータ140がクランクシャフト156に結合された状
態である。従って、CPUは前輪アシストモータ140
の目標回転数N1*としてエンジン150の回転数Ne
*を設定する。この回転数は正の値である。また、目標
トルクT1*は、エンジン150に負荷Te*を与える
ように設定される。このときクランクシャフト156に
は、クラッチモータ130の目標トルクTc*の反作用
としてのトルクが出力される。従って、前輪アシストモ
ータ140の目標トルクとしては、この反作用を相殺し
た上でエンジン150に負荷トルクTe*をかけること
ができるように「Tdf*−Te*」が設定される(ス
テップS460)。このトルクは負の値である。前輪ア
シストモータ140は順方向に回転しつつ、負のトルク
を出力するから、回生運転される。
2*には要求動力として設定された回転数Nd*が設定
され、目標トルクT2*には後車軸118の要求トルク
Tdr*が設定される(ステップS462)。目標回転
数N2*、目標トルクT2*はともに負の値である。従
って、後輪アシストモータ160も逆転方向に力行され
る。
を設定した場合の動力の流れを説明する。先に説明した
通り、クラッチモータ130は力行状態で運転される。
力行に当たりクラッチモータ130に供給される電力
は、アウタロータ134とインナロータ132の滑り量
|Nd*−Ne*|とトルク|Tdf*|との積に等し
い。また、前輪アシストモータ140は回生状態で運転
される。前輪アシストモータ140で回生される電力
は、目標トルク「Tdf*−Te*」と回転数Ne*と
の積に等しい。後輪アシストモータ160は逆転方向に
力行される。後輪アシストモータ160に供給される電
力は、トルク|T2*|と回転数|Nd*|との積に等
しい。エンジン150から要求動力Pd*に等しい動力
が出力されている場合、100%の効率で動力が伝達さ
れるものとすれば、前輪アシストモータ140で回生さ
れる電力と、クラッチモータ130および後輪アシスト
モータ160に供給される電力とは等しくなる。この結
果、図15の処理で設定された目標トルクおよび回転数
でクラッチモータ130、前輪アシストモータ140、
後輪アシストモータ160の運転を行えば、エンジン1
50から出力された動力状態を後進するための回転数お
よびトルクからなる動力状態に変換して前車軸116お
よび後車軸118から出力することができる。
両によれば、EV走行、通常走行の各運転モードにおい
て、前車軸116および後車軸118から、それぞれ要
求動力を出力しつつ4輪駆動で後進することができる。
この際、前輪アシストモータ140を前車軸116側又
はクランクシャフト156側のいずれかに結合させるこ
とにより、前車軸116から十分な後進トルクを出力す
ることができる。従って、本実施例のハイブリッド車両
では、4輪駆動可能な車両としての特性を活かしつつ、
後進することができる。
前輪116R、116Lまたは後輪118R,118L
のいずれかがスリップした場合に、前後輪のトルク配分
を適切に変更することができる。この結果、常に要求さ
れたトルクを路面に伝達することができるようになる。
従って、本実施例のハイブリッド車両によれば、例えば
路面の摩擦係数が低い場合等において、4輪駆動の特性
を活かしつつ、安定して走行することが可能となる。ま
た、スリップが生じないようにトルク配分を変更するこ
とは、車両から出力された動力を路面に伝達する際の損
失を抑制することができることを意味する。従って、本
実施例のハイブリッド車両によれば、4輪駆動時の運転
効率を向上することができる。
第2実施例としてのハイブリッド車両について説明す
る。図16は、第2実施例としてのハイブリッド車両の
概略構成を示す説明図である。第2実施例のハイブリッ
ド車両では、前輪動力系統においてクラッチモータ13
0に代えて、プラネタリギヤ200と電動発電機210
が用いられている。その他の構成は、第1実施例のハイ
ブリッド車両(図1参照)と同じである。
サンギヤ201、サンギヤ201の外周を自転しながら
公転するプラネタリピニオンギヤを備えるプラネタリキ
ャリア203と、更にその外周で回転するリングギヤ2
02とから構成されている。サンギヤ201、プラネタ
リキャリア203,およびリングギヤ202はそれぞれ
別々の回転軸を有している。サンギヤ201の回転軸で
あるサンギヤ軸204は中空になっており、電動発電機
210のロータ212に結合されている。プラネタリキ
ャリア203の回転軸であるプラネタリキャリア軸20
6はエンジン150のクランクシャフト156と結合さ
れている。リングギヤ202の回転軸であるリングギヤ
軸205はディファレンシャルギヤ114を介して前車
軸116に結合されている。
4,プラネタリキャリア軸206およびリングギヤ軸2
05の3軸の回転数およびトルクに以下の関係が成立す
ることが機構学上よく知られている。即ち、上記3つの
回転軸のうち2つの回転軸の動力状態が決定されると、
以下の関係式に基づいて残余の一つの回転軸の動力状態
が決定される。 Ns=(1+ρ)/ρ×Nc−Nr/ρ; Nc=ρ/(1+ρ)×Ns+Nr/(1+ρ); Nr=(1+ρ)Nc−ρNs; Ts=Tc×ρ/(1+ρ)=ρTr; Tr=Tc/(1+ρ); ρ=サンギヤ121の歯数/リングギヤ122の歯数 ・・・(1);
数;Tsはサンギヤ軸204のトルク;Ncはプラネタ
リキャリア軸206の回転数;Tcはプラネタリキャリ
ア軸206のトルク;Nrはリングギヤ軸205の回転
数;Trはリングギヤ軸205のトルク;である。な
お、トルクは各回転軸の回転と同方向のトルクを正とす
る。従って、各回転軸が逆転方向に回転している場合に
は、逆転方向に作用するトルクが正のトルクとなる。
140および後輪アシストモータ160と同様の構成を
している。つまり、電動発電機210はステータ214
にコイルが巻回され、ロータ212に永久磁石が貼付さ
れた三相同期モータとして構成されている。ステータ2
14はケースに固定されている。ステータ214に巻回
されたコイルに三相交流を流すと回転磁界が生じ、ロー
タ212に貼付された永久磁石との相互作用によってロ
ータ212が回転する。電動発電機210は、ロータ2
12が外力によって回転されると、その動力を電力とし
て回生する発電機としての機能も奏する。なお、電動発
電機210のステータ214に巻回されたコイルは、イ
ンバータ191と電気的に接続されている。制御ユニッ
ト190がインバータ191のトラジスタをオン・オフ
することにより電動発電機210の運転を制御すること
ができる。
は、インナロータ132とアウタロータ134の間の相
対的な滑りによって、インナロータ132に入力された
動力の一部を電力として回生しつつ、残余の動力をアウ
タロータ134に伝達する機能を奏することができた。
また、クラッチモータ130を力行することにより、イ
ンナロータ132から入力された動力を増大してアウタ
ロータ134に伝達することもできた。このように第1
実施例では、クラッチモータ130は一方の軸から入力
された動力を電力のやりとりを通じて増減し、他方の軸
に伝達する動力調整装置としての機能を奏するものであ
った。
電動発電機210の組み合わせにより、第1実施例にお
けるクラッチモータ130と同じ機能を奏することがで
きる。クラッチモータ130のインナロータ軸133に
相当するのがプラネタリキャリア軸206であり、アウ
タロータ軸135に相当するのがリングギヤ軸205で
ある。第2実施例では、これらの組み合わせにより動力
調整装置としての機能を奏する。
206に動力が入力されると、上式(1)に従い、リン
グギヤ202およひサンギヤ201が回転する。リング
ギヤ202およびサンギヤ201のいずれか一方の回転
を止めることも可能である。リングギヤ202が回転す
ることにより、エンジン150から出力された動力の一
部を前車軸116に機械的な形で伝達することができ
る。また、サンギヤ201が回転することにより、エン
ジン150から出力された動力の一部を電動発電機21
0により電力として回生することができる。一方、電動
発電機210を力行すれば、電動発電機210から出力
されたトルクは、サンギヤ201、プラネタリキャリア
203およびリングギヤ202を介して前車軸116に
機械的に伝達することができる。従って、電動発電機2
10を力行することにより、エンジン150から出力さ
れたトルクを増大して前車軸116に出力することも可
能である。このように、第2実施例では、プラネタリギ
ヤ200と電動発電機210の組み合わせにより、クラ
ッチモータ130と同様の機能を奏することができるの
である。
1および第2クラッチ112の結合状態に応じて、前輪
動力系統は種々の構成を採ることができる。以下、前輪
動力系統においてエンジン150から出力された動力が
前車軸116に伝達される流れに沿って、エンジン15
0に近い側を上流側、前車軸116に近い側を下流側と
呼ぶものとする。
ッチ112を結合した場合の構成を図17に示す。この
構成は、前輪アシストモータ140がプラネタリギヤ2
00よりも下流側に位置している。この結合状態をアン
ダードライブ結合と呼ぶ。第1実施例における図2に相
当する構成である。
ッチ112を解放した場合の構成を図18に示す。この
構成は、前輪アシストモータ140がプラネタリギヤ2
00よりも上流側に位置している。この結合状態をオー
バードライブ結合と呼ぶ。第1実施例における図3に相
当する構成である。
の双方を解放した場合の構成を図19に示す。この構成
では、前輪アシストモータ140は動力の伝達に何らの
影響も与えない。第1実施例における図4に相当する構
成である。
の双方を結合した場合の構成を図20(a)に示す。こ
の構成では、前輪アシストモータ140によりエンジン
150のクランクシャフト156とリングギヤ軸205
とが直結された状態となる。このときは、プラネタリギ
ヤ200に備えられた3つのギヤは全て同じ回転数で一
体的に回転する。この結果、電動発電機210は機能し
なくなる。従って、両クラッチ111,112を結合し
た場合の構成は図20(b)に示す構成と同義となる。
これは、第1実施例における図5に相当する構成であ
る。
ド車両は前進時には上述した4つの構成から動力の伝達
効率の高い構成を選択しつつ走行することができるか
ら、高い効率で車両を運転することができる。後進時に
はこれらの4つの結合状態の内、アンダードライブ結合
(図17)とオーバードライブ結合(図18)が用いら
れる。
第2実施例における運転制御処理について説明する。第
2実施例のハイブリッド車両も第1実施例のハイブリッ
ド車両と同様の運転モードにより走行することができ
る。制御ユニット190内のCPU(以下、単に「CP
U」という)は第1実施例の場合と同様、種々の制御処
理ルーチンを周期的に実行することによりハイブリッド
車両の制御を行う。
り判定される。シフトポジションセンサ167により、
シフトポジションが後進位置にあると検出された場合に
は、CPUは後進モードと判定する。そして、以下に示
す後進時の運転制御処理を実行する。後進時の運転制御
処理としては、エンジン150を運転せずに後進する
「EV走行モード」と、エンジン150を運転しつつ後
進する「通常後進モード」とがある。両者は、ハイブリ
ッド車両が後進する際の車速、トルクおよび後進の継続
時間等によって使い分けることができる。本実施例で
は、バッテリ194の残容量が予め定めた所定の値以上
である場合には「EV走行モード」による後進を行い、
その他の場合には「通常後進モード」による後進を行う
ものとしている。以下、それぞれの場合に分けて制御内
容を説明する。
EV走行モードにおける制御処理の内容は、第1実施例
における処理内容(図6参照)と同一である。但し、モ
ータ目標トルク、回転数設定処理(図6のステップS2
40)の処理内容が第1実施例とは相違する。
転数設定処理について、アンダードライブ結合時の処理
内容を図21のフローチャートに示した。この処理で
は、CPUは前輪アシストモータ140、電動発電機、
および後輪アシストモータ160の目標回転数およびト
ルクをそれぞれ次の通り設定する。
モータ140により前車軸116から要求トルクTdf
*および回転数Nd*からなる動力を出力する必要があ
る。従って、前輪アシストモータ140の目標回転数N
1*としては、回転数Nd*が設定される。また、目標
トルクT1*としては、前車軸116の要求トルクTd
f*が設定される(ステップS600)。目標回転数N
1*および目標トルクT1*はともに負の値である。
止している。エンジン150のクランクシャフト156
にトルクが伝達されないようにするときは、上式(1)
から明らかな通り、電動発電機210のトルクも値0と
なる。従って、CPUは電動発電機210の目標トルク
Tg*として値0を代入する(ステップS602)。ト
ルクが値0であれば、目標回転数は制御上何の意味もな
い値となるから、CPUは電動発電機210の目標回転
数Ng*をデフォルト値に設定する。この結果、電動発
電機210は上式(1)において、リングギヤ軸205
の回転数Nrに前車軸116の回転数Nd*を代入し、
プラネタリキャリア軸206の回転数Ngに値0を代入
して求められる回転数「−Nd*/ρ」で回転する。後
輪アシストモータ160の目標回転数N2*および目標
トルクT2*の設定は第1実施例の場合(図9のステッ
プS246)と同じである。つまり、目標回転数N2*
として後車軸118の回転数Nd*が設定され、目標ト
ルクT2*として後車軸118の要求トルクTdr*が
設定される(ステップS604)。これらの値も共に負
の値である。
転数設定処理について、オーバードライブ結合時の処理
内容を図22のフローチャートに示した。この処理で
は、CPUは前輪アシストモータ140、電動発電機、
および後輪アシストモータ160の目標回転数およびト
ルクをそれぞれ次の通り設定する。
電機210を力行することによって要求動力を前車軸1
16から出力することができる。従って、モータ目標ト
ルク、回転数の設定処理では、CPUは電動発電機21
0の目標回転数Ng*に「−Nd*/ρ」を設定する
(ステップS610)。この回転数は、上式(1)のリ
ングギヤ軸205の回転数Nrに要求動力として設定さ
れた回転数Nd*を代入し、プラネタリキャリア軸20
6の回転数Ngに値0を代入して算出される回転数であ
る。目標回転数Nd*は負の値であるから、電動発電機
210の目標回転数Ng*は正の値となる。目標トルク
Tg*として「ρ×|Tdf*|」を設定する(ステッ
プS610)。このトルクは、上式(1)において、リ
ングギヤ軸205のトルクTrに前車軸116の要求ト
ルク|Tdf*|を代入して設定される値である。要求
トルクTdf*の絶対値を代入するのは、前車軸116
に要求されているトルクTdf*は、車両にとっては逆
転方向のトルク(負のトルク)であるが、前車軸116
の回転方向と同方向のトルクだからである。
き、上式(1)の関係が成立するためには、プラネタリ
キャリア軸206にトルクを出力する必要がある。この
ために、CPUは前輪アシストモータ140の目標回転
数N1*として値0を設定し、目標トルクT1*として
「(1+ρ)Tdf*」を設定する(ステップS61
2)。このトルクは、上式(1)によりプラネタリキャ
リア軸206のトルクとして算出される値である。後輪
アシストモータ160については、目標回転数として駆
動軸の回転数Nd*を設定し、目標トルクT2*として
後車軸118の要求トルクTdr*を設定する(ステッ
プS614)。
常走行モードにおける制御処理の内容は、第1実施例に
おける処理内容(図11参照)と同一である。但し、モ
ータ目標トルク、回転数設定処理(図11のステップS
450)の処理内容が第1実施例とは相違する。
転数設定処理について、アンダードライブ結合時の処理
内容を図23のフローチャートに示した。この処理で
は、CPUは前輪アシストモータ140、電動発電機、
および後輪アシストモータ160の目標回転数およびト
ルクをそれぞれ次の通り設定する。
Ng*として「(1+ρ)/ρNe*−Nd*/ρ」を
設定する(ステップS640)。この回転数は、上式
(1)において、リングギヤ軸205の回転数Nrに前
車軸116の回転数Nd*を代入し、プラネタリキャリ
ア軸206の回転数Ngにエンジン150の回転数Ne
*を代入して得られる回転数であり、正の値となる。ま
た、CPUは電動発電機210の目標トルクTg*とし
て「−ρ/(1+ρ)Te*」を設定する(ステップS
640)。上式(1)において、プラネタリキャリア軸
206のトルクTrにエンジン150の目標トルクTe
*を代入すれば、エンジン150からサンギヤ軸204
に出力されるトルクが求められる。上記トルクはこのト
ルクを相殺するトルクとして設定される値である。この
とき、電動発電機210は目標回転数Ng*と目標トル
クTg*の積に相当する動力を電力として回生する。
モータ140が前車軸116に結合された状態である。
従って、前輪アシストモータ140の目標回転数N1*
としてNd*を設定する。目標回転数N1*は負の値で
ある。また、目標トルクT1*には、前車軸116から
要求トルクTdf*が出力可能な値が設定される。前車
軸116にはエンジン150から出力されるトルクの一
部が上式(1)に基づいて出力される。従って、前輪ア
シストモータ140の目標トルクT1*としては、この
トルクを考慮した上で要求トルクTdf*を出力するこ
とができるように「Tdf*+Te*/(1+ρ)」が
設定される(ステップS642)。目標トルクT1*は
負の値となる。従って、前輪アシストモータ140は逆
転方向に力行される。
2*には要求動力として設定された回転数Nd*が設定
され、目標トルクT2*には後車軸118の要求トルク
Tdr*が設定される(ステップS644)。これらの
値は共に負の値である。従って、後輪アシストモータ1
60は逆転方向に力行される。前輪アシストモータ14
0および後輪アシストモータ160を力行するための電
力は、電動発電機210により回生された電力が用いら
れる。
転数設定処理について、オーバードライブ結合時の処理
内容を図24のフローチャートに示した。この処理で
は、CPUは前輪アシストモータ140、電動発電機、
および後輪アシストモータ160の目標回転数およびト
ルクをそれぞれ次の通り設定する。
g*として「(1+ρ)/ρNe*−Nd*/ρ」を設
定する。この回転数は、上式(1)において、リングギ
ヤ軸205の回転数Nrに前車軸116の回転数Nd*
を代入し、プラネタリキャリア軸206の回転数Ngに
エンジン150の回転数Ne*を代入して得られる値で
あり、正の値である。また、CPUは電動発電機210
の目標トルクTg*として「ρ|Tdf*|」を設定す
る(ステップS650)。このトルクは、上式(1)に
おいて、リングギヤ軸205のトルクとして前車軸11
6の要求トルク|Tdf*|を代入して得られる値であ
る。
モータ140はエンジン150のクランクシャフト15
6に直結されている。従って、CPUは前輪アシストモ
ータ140の目標回転数N1*としてエンジン150の
回転数Ne*を設定する(ステップS652)。目標回
転数N1*は正の値である。また、目標トルクT1*
は、エンジン150に負荷Te*を与えるように設定さ
れる。上式(1)において、リングギヤ軸205のトル
クとして前車軸116の要求トルク|Tdf*|を代入
すると、プラネタリキャリア軸206のトルクTcが
「(1+ρ)|Tdf*|」と算出される。エンジン1
50の目標トルクTe*はこうして求められるTgに一
致しているとは限らない。従って、CPUは前輪アシス
トモータ140の目標トルクT1*として、両者の差分
に相当する「(1+ρ)|Tdf*|−Te*」を設定
する(ステップS652)。前輪アシストモータ140
の目標トルクT1*は負の値となる。従って、前輪アシ
ストモータ140では、目標トルク|T1*|と目標回
転数|N1*|との積に相当する動力が電力として回生
される。こうして回生された電力は、電動発電機210
および後輪アシストモータ160の力行に用いられる。
2*には要求動力として設定された回転数Nd*が設定
され、目標トルクT2*には後車軸118の要求トルク
Tdr*が設定される(ステップS654)。これらは
共に負の値である。
両によれば、第1実施例のハイブリッド車両と同様、E
V走行、通常走行の各運転モードにおいて、前車軸11
6および後車軸118から、それぞれ要求動力を出力し
つつ4輪駆動で後進することができる。この際、前輪ア
シストモータ140を前車軸116側又はクランクシャ
フト156側のいずれかに結合させることにより、前車
軸116から十分な後進トルクを出力することができ
る。従って、本実施例のハイブリッド車両では、4輪駆
動可能な車両としての特性を活かしつつ、後進すること
ができる。
第1実施例のハイブリッド車両と同様、前輪116R、
116Lまたは後輪118R,118Lのいずれかがス
リップした場合に、前後輪のトルク配分を適切に変更す
ることができる。従って、本実施例のハイブリッド車両
によれば、例えば路面の摩擦係数が低い場合等におい
て、4輪駆動の特性を活かしつつ、安定して走行するこ
とが可能となる。また、本実施例のハイブリッド車両に
よれば、4輪駆動時の運転効率を向上することができ
る。
前輪動力系統および後輪動力系統において減速ギヤを設
けてはいない。これに対し、減速ギヤを設けるものとし
てもよい。この場合には、第1実施例においてはクラッ
チモータ130のアウタロータ軸135、第2実施例に
おいてはプラネタリギヤ200のリングギヤ軸205の
回転数およびトルクをそれぞれ前車軸116の回転数お
よびトルクと同視して上述の各制御を実行すればよい。
て説明した。上述したハイブリッド車両は前車軸11
6,後車軸118の2つの駆動軸から動力を出力して走
行する車両である。従って、本実施例のハイブリッド車
両において、前輪116R、116Lおよび後輪118
R、118Lを除く部分は、2つの駆動軸から動力を出
力する動力出力装置を構成する。上記実施例をこのよう
な動力出力装置として捉え、2つの駆動軸から出力され
る動力を利用する種々の装置に適用するものとしてもよ
い。
たが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。例え
ば、本実施例のハイブリッド車両では、原動機としてガ
ソリンエンジン150を用いたが、ディーゼルエンジン
その他の動力源となる装置を用いることができる。ま
た、本実施例では、モータとして全て三相同期モータを
適用したが、誘導モータその他の交流モータおよび直流
モータを用いるものとしてもよい。また、本実施例で
は、種々の制御処理をCPUがソフトウェアを実行する
ことにより実現しているが、かかる制御処理をハード的
に実現することもできる。
の全体構成を示す説明図である。
バードライブ結合時の前輪動力系統の概略構成を示す説
明図である。
バードライブ結合時の前輪動力系統の概略構成を示す説
明図である。
クラッチ、第2クラッチを共に解放した時の前輪動力系
統の概略構成を示す説明図である。
クラッチ、第2クラッチを共に結合した時の前輪動力系
統の概略構成を示す説明図である。
走行制御処理ルーチンの流れを示すフローチャートであ
る。
トルク補正処理ルーチンの流れを示すフローチャートで
ある。
数差とトルク補正量との関係を示すグラフである。
走行モードのオーバードライブ結合時におけるモータ目
標トルク、回転数設定処理の流れを示すフローチャート
である。
V走行モードのオーバードライブ結合時におけるモータ
目標トルク、回転数設定処理の流れを示すフローチャー
トである。
常走行制御処理ルーチンの流れを示すフローチャートで
ある。
を示す説明図である。
回転数と運転効率との関係を示す説明図である。
常走行モードのオーバードライブ結合時におけるモータ
目標トルク、回転数設定処理の流れを示すフローチャー
トである。
常走行モードのオーバードライブ結合時におけるモータ
目標トルク、回転数設定処理の流れを示すフローチャー
トである。
両の全体構成を示す説明図である。
ーバードライブ結合時の前輪動力系統の概略構成を示す
説明図である。
ーバードライブ結合時の前輪動力系統の概略構成を示す
説明図である。
1クラッチ、第2クラッチを共に解放した時の前輪動力
系統の概略構成を示す説明図である。
1クラッチ、第2クラッチを共に結合した時の前輪動力
系統の概略構成を示す説明図である。
V走行モードのオーバードライブ結合時におけるモータ
目標トルク、回転数設定処理の流れを示すフローチャー
トである。
V走行モードのオーバードライブ結合時におけるモータ
目標トルク、回転数設定処理の流れを示すフローチャー
トである。
常走行モードのオーバードライブ結合時におけるモータ
目標トルク、回転数設定処理の流れを示すフローチャー
トである。
常走行モードのオーバードライブ結合時におけるモータ
目標トルク、回転数設定処理の流れを示すフローチャー
トである。
ッド車両の概略構成を示す説明図である。
ッド車両の概略構成を示す説明図である。
バードライブ時の動力の出力の様子を示す説明図であ
る。
バードライブ時の動力の出力の様子を示す説明図であ
る。
バードライブ時の動力の出力の様子を示す説明図であ
る。
バードライブ時の動力の出力の様子を示す説明図であ
る。
Claims (20)
- 【請求項1】 第1および第2の駆動軸に動力を出力し
て4輪駆動することができるハイブリッド車両であっ
て、 出力軸を有する原動機と、 該出力軸と前記第1の駆動軸とに結合され、該出力軸お
よび第1の駆動軸の一方から入力された機械的な動力
を、電力のやりとりによって増減して、他方に伝達可能
な動力調整装置と、 前記第2の駆動軸に結合された第1の電動機と、 前記出力軸、第1の駆動軸および第2の駆動軸のいずれ
とも異なる回転軸を有する第2の電動機と、 該回転軸と前記出力軸との結合および切り離しを行う第
1の接続装置と、 該回転軸と前記第1の駆動軸との結合および切り離しを
行う第2の接続装置と、 前記第1の駆動軸および第2の駆動軸から前記ハイブリ
ッド車両を後進させるために出力すべき動力の総和を要
求動力として設定する動力設定手段と、 前記原動機、動力調整装置、第1の電動機および第2の
電動機の運転を制御して、前記第1の駆動軸および第2
の駆動軸から前記要求動力を出力する駆動制御手段と、 該ハイブリッド車両について、進行方向も含む走行状態
を特定する特定手段と、 該特定されたハイブリッド車両の走行状態が後進である
場合には、前記第1の接続装置および前記第2の接続装
置を制御して、前記第2の電動機の回転軸を前記出力軸
および前記第1の駆動軸のいずれか一方に選択的に結合
する接続制御手段とを備えるハイブリッド車両。 - 【請求項2】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
て、 前記動力調整装置は、 前記出力軸に結合された第1のロータと、前記第1の駆
動軸に結合され前記第1のロータと同軸上で相対的に回
転可能な第2のロータとを有する対ロータ電動機である
ハイブリッド車両。 - 【請求項3】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
て、 前記動力調整装置は、 前記出力軸に結合された第1の軸と、前記第1の駆動軸
に結合された第2の軸と、該第1の軸および第2の軸と
は異なる第3の軸を有し、これらの3つの軸のうち2つ
の軸の動力状態が決定されると残余の一つの軸の動力状
態が決まる3軸式動力伝達装置を有し、 前記第1の電動機および第2の電動機とは異なる第3の
電動機を前記第3の軸に結合した装置であるハイブリッ
ド車両。 - 【請求項4】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
て、 前記動力設定手段は、前記要求動力を所定のトルク配分
で前記第1の駆動軸から出力すべき動力と前記第2の駆
動軸から出力すべき動力に配分する動力配分手段を有し
ており、 前記特定手段は、車両の走行状態として前記第1の駆動
軸から出力すべきトルクと前記出力軸のトルクの関係を
特定する手段であり、 前記接続制御手段は、 前記第1の駆動軸の要求トルクが前記動力調整装置から
出力可能な最大トルクよりも有意に大きいと判定された
場合には、前記第2の電動機の回転軸を前記第1の駆動
軸に結合する手段であるハイブリッド車両。 - 【請求項5】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
て、 前記接続制御手段は、 車両の走行状態に応じて、前記第1の接続装置および前
記第2の接続装置を制御して、前記第2の電動機の回転
軸を前記第1の駆動軸に結合する手段であり、 前記駆動制御手段は、 少なくとも前記第2の電動機を力行して、前記第1の駆
動軸および第2の駆動軸から前記要求動力を出力する手
段であるハイブリッド車両。 - 【請求項6】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
て、 前記接続制御手段は、 車両の走行状態に応じて、前記第1の接続装置および前
記第2の接続装置を制御して、前記第2の電動機の回転
軸を前記出力軸に結合する手段であり、 前記駆動制御手段は、 電力を供給して少なくとも前記動力調整装置から動力を
出力することにより、前記第1の駆動軸および第2の駆
動軸から前記要求動力を出力する手段であるハイブリッ
ド車両。 - 【請求項7】 請求項6記載のハイブリッド車両であっ
て、 前記駆動制御手段は、さらに、前記第2の電動機を制御
して、前記動力調整装置からの動力の出力に伴う前記出
力軸の回転を抑制するためのトルクを出力する手段であ
るハイブリッド車両。 - 【請求項8】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
て、 前記接続制御手段は、 車両の走行状態に応じて、前記第1の接続装置および前
記第2の接続装置を制御して、前記第2の電動機の回転
軸を前記第1の駆動軸に結合する手段であり、 前記駆動制御手段は、 前記原動機から出力された動力の一部を前記動力調整装
置により電力として回生し、該回生された電力を前記第
1の電動機および前記第2の電動機の少なくとも一方に
供給することにより、前記第1の駆動軸および第2の駆
動軸から前記要求動力を出力する手段であるハイブリッ
ド車両。 - 【請求項9】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
て、 前記接続制御手段は、 車両の走行状態に応じて、前記第1の接続装置および前
記第2の接続装置を制御して、前記第2の電動機の回転
軸を前記出力軸に結合する手段であり、 前記駆動制御手段は、 前記原動機から出力された動力の一部を前記第2の電動
機により電力として回生し、該回生された電力を前記第
1の電動機および前記動力調整装置の少なくとも一方に
供給することにより、前記第1の駆動軸および第2の駆
動軸から前記要求動力を出力する手段であるハイブリッ
ド車両。 - 【請求項10】 請求項1記載のハイブリッド車両であ
って、 前記動力設定手段は、前記要求動力を所定のトルク配分
で前記第1の駆動軸から出力すべき動力と前記第2の駆
動軸から出力すべき動力に配分する動力配分手段を有す
る手段であり、 さらに、 前記第1の駆動軸に結合された第1の駆動輪および前記
第2の駆動軸に結合された第2の駆動輪の路面に対する
滑り量を検出する検出する検出手段と、 前記第1の駆動輪および第2の駆動輪の少なくとも一方
の滑り量が所定の値以上である場合には、前記動力配分
手段により配分された結果に関わらず、少なくとも滑り
量が該所定の値を超える駆動輪が結合された駆動軸から
出力すべきトルクを変更して前記要求動力を補正する動
力補正手段とを備えるハイブリッド車両。 - 【請求項11】 請求項10記載のハイブリッド車両で
あって、 前記検出手段は、 前記第1の駆動軸の回転数と前記第2の駆動軸の回転数
の差に基づいて前記滑り量を検出する手段であるハイブ
リッド車両。 - 【請求項12】 請求項10記載のハイブリッド車両で
あって、 前記動力補正手段は、前記滑り量が該所定の値を超える
駆動輪が結合された駆動軸から出力すべきトルクの絶対
値を減少させる手段であるハイブリッド車両。 - 【請求項13】 請求項10記載のハイブリッド車両で
あって、 前記動力補正手段は、前記第1の駆動軸および第2の駆
動軸から出力されるトルクの総和を一定に保持したまま
前記第1の駆動軸から出力すべきトルクおよび前記第2
の駆動軸から出力すべきトルクを変更する手段であるハ
イブリッド車両。 - 【請求項14】 請求項10記載のハイブリッド車両で
あって、 前記動力補正手段は、前記動力調整装置を制御して、前
記第1の駆動軸から出力すべきトルクを変更する手段で
あるハイブリッド車両。 - 【請求項15】 請求項10記載のハイブリッド車両で
あって、 前記動力補正手段は、前記第2の電動機を制御して、前
記第1の駆動軸から出力すべきトルクを変更する手段で
あるハイブリッド車両。 - 【請求項16】 請求項10記載のハイブリッド車両で
あって、 前記動力補正手段は、 前記滑り量が該所定の値を超える駆動輪が結合された駆
動軸から出力すべきトルクの変更量を、前記滑り量に応
じた関係として記憶する記憶手段と、 前記滑り量に基づいて前記記憶手段に記憶された関係を
参照して、前記出力すべきトルクを変更する変更手段と
を備えるハイブリッド車両。 - 【請求項17】 請求項10記載のハイブリッド車両で
あって、 前記動力補正手段は、 前記滑り量が所定範囲内になるまで、前記滑り量が該所
定の値を超える駆動輪が結合された駆動軸から出力すべ
きトルクを、段階的に変更する手段であるハイブリッド
車両。 - 【請求項18】 第1および第2の駆動軸に動力を出力
することができる動力出力装置であって、 出力軸を有する原動機と、 該出力軸と前記第1の駆動軸とに結合され、該出力軸お
よび第1の駆動軸の一方から入力された機械的な動力
を、電力のやりとりによって増減して、他方に伝達可能
な動力調整装置と、 前記第2の駆動軸に結合された第1の電動機と、 前記出力軸、第1の駆動軸および第2の駆動軸のいずれ
とも異なる回転軸を有する第2の電動機と、 該回転軸と前記出力軸との結合および切り離しを行う第
1の接続装置と、 該回転軸と前記第1の駆動軸との結合および切り離しを
行う第2の接続装置と、 前記第1の駆動軸および第2の駆動軸から前記原動機の
回転方向と逆転方向に回転する状態で出力すべき動力の
総和を要求動力として設定する動力設定手段と、 前記原動機、動力調整装置、第1の電動機および第2の
電動機の運転を制御して、前記第1の駆動軸および第2
の駆動軸から前記要求動力を出力する駆動制御手段と、 該動力出力装置について、第1の駆動軸および第2の駆
動軸の回転方向を含む運転状態を特定する特定手段と、 該特定された運転状態が前記逆転方向に回転する状態で
ある場合には、前記第1の接続装置および前記第2の接
続装置を制御して、前記第2の電動機の回転軸を前記出
力軸および前記第1の駆動軸のいずれか一方に選択的に
結合する接続制御手段とを備える動力出力装置。 - 【請求項19】 原動機の出力軸および第1の駆動軸に
結合された動力調整装置により該原動機の動力を増減し
て前記第1の駆動軸から出力可能な第1の駆動系統と、
第1の電動機の動力を該第1の電動機に結合された第2
の駆動軸から出力可能な第2の駆動系統と、接続装置に
より前記第1の駆動軸および前記出力軸の少なくとも一
方に選択的に結合することができる第2の電動機とを備
え、第1の駆動軸および第2の駆動軸から動力を出力し
て走行可能なハイブリッド車両を制御する制御方法であ
って、(a) 前記第1の駆動軸および第2の駆動軸か
ら、ハイブリッド車両を後進させるために出力すべき動
力の総和を要求動力として設定する工程と、(b) 該
ハイブリッド車両について、進行方向も含む走行状態を
特定する工程と、(c) 前記特定されたハイブリッド
車両の走行状態が後進である場合には、前記第1の接続
装置および前記第2の接続装置を制御して、前記第2の
電動機の回転軸を前記出力軸および前記第1の駆動軸の
いずれか一方に選択的に結合する工程と、(d) 前記
原動機、動力調整装置、第1の電動機および第2の電動
機の運転を制御して、前記第1の駆動軸および第2の駆
動軸から総和が前記要求動力となる動力を出力する工程
とを備えるハイブリッド車両の制御方法。 - 【請求項20】 請求項19記載のハイブリッド車両の
制御方法であって、 前記工程(a)は、前記要求動力を所定のトルク配分で
前記第1の駆動軸から出力すべき動力と前記第2の駆動
軸から出力すべき動力に配分する工程を有する工程であ
り、 さらに、(e) 前記第1の駆動軸に結合された第1の
駆動輪および前記第2の駆動軸に結合された第2の駆動
輪の路面に対する滑り量を検出する検出する検出する工
程と、(f) 前記第1の駆動輪および第2の駆動輪の
少なくとも一方の滑り量が所定の値以上である場合に
は、前記動力配分手段により配分された結果に関わら
ず、少なくとも滑り量が該所定の値を超える駆動輪が結
合された駆動軸から出力すべきトルクを変更して前記要
求動力を補正する工程とを備えるハイブリッド車両の制
御方法。
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|---|---|---|---|
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