JPH11335187A - 光触媒モジュール及び光触媒装置 - Google Patents

光触媒モジュール及び光触媒装置

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JPH11335187A
JPH11335187A JP10143277A JP14327798A JPH11335187A JP H11335187 A JPH11335187 A JP H11335187A JP 10143277 A JP10143277 A JP 10143277A JP 14327798 A JP14327798 A JP 14327798A JP H11335187 A JPH11335187 A JP H11335187A
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photocatalyst
photocatalyst module
light
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water
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JP10143277A
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Noboru Segawa
昇 瀬川
Toshio Ichihashi
利夫 市橋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い触媒面積と高い触媒活性を有し、高い光
到達性と優れた耐食性を示す、光触媒効率の高い光触媒
モジュールとこうした光触媒モジュールを使用した光触
媒装置を提供すること。 【解決手段】気孔率75%〜95%の連通孔を有するセ
ラミック多孔体からなる基体の表面に光触媒が担持され
ており、この基体の表面に、白金族、金、または、これ
らの金属と遷移元素との合金が、さらに担持されている
光触媒モジュールと、この光触媒モジュールを使用した
光触媒装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒反応を活性
に進める光触媒モジュールと光触媒反応装置に関し、さ
らに詳しくは、自然光及び波長360〜400nmの人
工光によって活性化し、これと接触または接近した物質
を酸化還元する光触媒を含む光触媒モジュール及びこれ
を使用する光触媒装置に関する。
【0002】
【従来の技術】二酸化チタン等の光半導体は、そのバン
ドギャップ以上のエネルギーを有する波長の光で励起さ
れると、半導体内部に電子・正孔対を生成する。この電
子や正孔を表面に取出し、吸着物質と反応させることで
酸化還元反応が生じる。こうした光半導体は光触媒と呼
ばれ、光触媒によるこうした酸化還元反応は光触媒反応
と呼ばれる。
【0003】例えば、二酸化チタン等の光触媒の正孔
は、非常に強い酸化力を有し、これと接触、付着又は接
近したイオンや化合物を直接酸化することができる。ま
た、電子は、還元作用を有するため、空気中や水中に溶
存している酸素を還元し、オゾンや活性酸素等を発生す
る。
【0004】こうした光触媒作用を有する光触媒は、物
質の表面から汚れ成分を除去する洗浄、汚れ成分の付着
を防止する防汚等、様々の分野に応用されている。例え
ば、殺菌、脱臭、空気や水の清浄化、排気処理、排水処
理、水の分解、有機合成または有機分解反応の促進、無
機性、有機性の環境汚染物質の分解など広い範囲での適
用が検討されている。
【0005】例えば、特開平8−290052、特開平
9−940、特開平9−941、特開平9−38503
においては、薄膜法で形成された光触媒膜を使用した光
触媒装置を、水や空気の浄化に用いている。これ以外に
も、中空ガラスビーズ上に二酸化チタンの薄膜を形成し
たものを、海上に流出した原油の分解に用いることも行
われており、環境浄化法の一手段として注目を浴びてい
る。
【0006】また、特開平8−299786に開示され
ている光触媒装置においては、ハニカム状の炭素繊維で
できたフィルターの表面に光触媒を付着させている。
【0007】上述したように、光触媒反応は、原理的に
は、光触媒と直接に接触、付着又は近傍へ接近した物質
を酸化・還元するものであるため、触媒面積はその活性
を左右する大きな因子となる。したがって、光触媒を実
用化するためには、光触媒反応をより活性に進める大き
な触媒面積を有する触媒モジュールが不可欠である。
【0008】しかしながら、従来の、光触媒薄膜を基板
やビーズ等の表面に担持して形成した光触媒では、重量
あたりの比表面積が小さく、大きな触媒面積を得ること
ができなかった。こうした触媒面積の不足は、触媒活性
の低下に直接つながるものであり、光触媒の実用化を進
める上での課題となっていた。
【0009】また、光触媒は、そのバンドギャップ以上
のエネルギーを有する波長の光で励起される。したがっ
て、光触媒反応を効率良く利用するためには、こうした
波長の自然光や人工光を、十分に触媒表面に到達させ、
有効に触媒反応に供給する必要がある。
【0010】反応面積が少なく光到達性が充分でない触
媒モジュールを用いると、光利用効率は低下し、光触媒
による分解反応等は遅くなる。また、こうした触媒モジ
ュールに対して人工光を使用する場合には、光触媒反応
を促進するため、光強度の高い光源や広い光源面積が必
要となる。このことは、電力効率の低下につながり、消
費電力の増加の原因となっていた。したがって、光到達
性の高い構造を有する光触媒モジュールの開発は、光触
媒反応の実用化を進める上での重要な因子の一つであっ
た。
【0011】上述したように、光触媒は、防汚、殺菌、
脱臭、空気の清浄、排気処理、水の清浄、排水処理、水
の分解、有機合成または有機分解反応の促進、無機性、
有機性の環境汚染物質の分解など、いわば腐食環境で使
用されるものである。光触媒モジュールには、こうした
環境のもとで、光触媒を担持する構造材としての機能を
維持することが必要とされる。
【0012】しかし、従来の光触媒装置においては、光
触媒を担持する担持体や、光触媒と担持体からなる光触
媒モジュールは、紙系材料、木製パルプ系材料、プラス
チック系材料、及び金属系材料により構成されていた。
こうした材料は、光触媒自身によりまたその使用環境に
より腐食が進行し、光触媒を担持する構造材としての機
能を失うため、使用環境が限定されるものであった。
【0013】こうした点も、光触媒装置の実用化を進め
る上での課題の一つであった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このように、上述した
従来の技術では、装置の実用化を進める上で、光触媒モ
ジュールの触媒面積、光到達性、耐食性等が不十分であ
るため、満足すべき光触媒効率が得られない等の問題が
あった。本発明は、このような課題を解決するためにな
されたものであり、広い触媒面積と高い触媒活性を有
し、高い光到達性と優れた耐食性を示す、光触媒効率の
高い光触媒モジュールとこうした光触媒モジュールを使
用した光触媒装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】こうした課題を解決する
ための手段として、本発明の請求項1に係る光触媒モジ
ュールは、気孔率75%〜95%の連通孔を有するセラ
ミック多孔体からなる基体の表面に、光触媒が担持され
ていることを特徴とする。
【0016】このようなセラミック多孔体は、繊維状骨
格で自己支持された構造体からなっており、好ましくは
気孔率80%〜90%である。連通孔の単位胞の直径は
約0.5mm〜7mmであり、好ましくは1mm〜5m
mである。
【0017】光触媒としては、光触媒反応性が高いこ
と、化学的に安定であること、人体に対して為害性がな
いこと等の点から、二酸化チタンが好ましく用いられる
が、その他に酸化亜鉛、硫化カドニュウム、硫化亜鉛等
も、使用環境によっては使用することができる。
【0018】光触媒反応を効率良く生じるためには、こ
うした光触媒は、粒径1nm〜100nmの粒子状であ
ることが望ましい。
【0019】光照射により活性化された光触媒は、例え
ば、空気中の酸素(O)、又は水に溶存している酸素
を活性化し、オゾン(O)又は活性酸素(O・)を発
生させる。また、水(HO)と反応してプロトン(H
)とヒドロキシラジカル(OH・)を発生させる。こ
うしたオゾン、活性酸素、ヒドロキシラジカル等は、水
に含まれているかび類、細菌類、トリハロメタン等の有
機塩素化合物を酸化分解する結果、脱臭、脱色、殺菌、
消毒作用等を示す。さらに、空気、排水等に含まれてい
る有機ハロゲン化合物(例えばトリクロロエチレン(T
CE)、テトラクロロエチレン(PCE)等の揮発性有
機溶剤類)、農薬(例えばペンタゾン等の除草剤、ジエ
チルフタレ−ト(DEP)等の殺虫剤、ジクロルボス
(DDVP)等の有機燐農薬)、有害無機化合物(例え
ばシアン、6価クロム)等の分解にも効果を示す。
【0020】こうしたセラミック多孔体を基体として使
用する光触媒モジュールは、従来用いられていた、薄膜
法で形成された触媒膜と比較して、10倍から100倍
の比表面積を有するため、触媒面積を著しく増大させる
ことができる。さらに、このセラミック多孔体の基体表
面に粒子状の光触媒を担持することで、薄膜法で形成さ
れた触媒膜と比較して、100倍から1000倍の比表
面積を得ることができる。
【0021】また、前記セラミック多孔体は開口率が高
いため、良好な光到達性を有し、高い光利用効率を実現
することができる。
【0022】さらに、本発明の請求項2に係る光触媒モ
ジュールは、請求項1記載の基体の表面に、白金族、
金、または、これらの金属と遷移元素との合金が、さら
に担持されていることを特徴とする。
【0023】基体表面に担持させられた白金族、金、ま
たは、これらの金属と遷移元素との合金は、光触媒電極
の対極としての機能を果たし、光触媒活性を向上させる
ことができる。例えば、光触媒に発生した正孔は水(H
O)と接触すると、プロトン(H)とヒドロキシラ
ジカル(OH・)を発生させる。生成したプロトンとヒ
ドロキシラジカルは、そのままでは瞬時に再結合する可
能性が高く、ヒドロキシラジカルの強い酸化力を利用す
ることができなくなる。したがって、金属でプロトンを
捕獲することでこの再結合を防ぎ、ヒドロキシラジカル
の酸化力を有効に利用するものである。
【0024】好ましくは、白金、パラジウム、金、また
は、これらの金属のいずれかとニッケル、コバルト、ク
ロム、モリブデン、タンタル、チタン、ニオブからなる
群から選ばれた少なくとも一種類とを含む合金が用いら
れ、さらに好ましくは、白金またはその合金が用いられ
る。
【0025】また、光触媒電極の対極としての機能を効
率良く果たし、光触媒活性を向上させるためには、こう
した金属は、粒径1nm〜10nmの粒子状であること
が望ましい。
【0026】本発明の請求項3に係る光触媒モジュール
は、請求項1記載の基体は、酸化アルミニウム、酸化ジ
ルコニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化チタン
からなる群から選ばれた少なくとも1種類の化合物から
なる焼結体であることを特徴とする。価格、製造容易
性、耐食性、加工性等の点から、酸化アルミニウムやコ
ーディエライトからなる焼結体が、好ましく用いられ
る。
【0027】これらの酸化物焼結体は、耐熱性、耐酸
性、耐塩基性を示すものであり、いわば、腐食環境であ
る光触媒触媒の作動雰囲気のもとでも腐食し難いため、
光触媒を担持する構造材としての機能を維持することが
できる。
【0028】本発明の請求項4に係る光触媒装置は、平
板型の容器本体と、請求項1乃至3のいずれか1項記載
の光触媒モジュールを平板状とし、光入射面と光出射面
とを設け、前記容器本体内に保持させた平板状光触媒モ
ジュールと、前記平板状光触媒モジュールの前記光出射
面に隣接して設けられた、光の反射・拡散を行なう手段
とを有することを特徴とする。
【0029】この光触媒モジュールは、照射光の反射・
拡散を行なう手段を具備しているため、一度光触媒モジ
ュールに入射後、出射する光を、反射・拡散して再度光
触媒モジュール内へ戻すことができる。したがって、自
然光や人工光の触媒表面への到達性を高め、その利用効
率を向上させることで、光触媒反応を効率良く進めるこ
とができる。また、人工光を使用する場合には、このよ
うに光の到達性を高めその利用効率を向上させること
で、電力効率が向上する。
【0030】更に、こうした光触媒装置を複数接続する
ことにより、光触媒作用による効果を一層高めることが
できる。
【0031】本発明の請求項5に係る光触媒装置は、円
柱型の容器本体と、請求項1乃至3のいずれか1項記載
の光触媒モジュールを円筒状とし、光入射面と光出射面
とを設け、前記容器本体内に保持させた円筒状光触媒モ
ジュールと、前記円筒状光触媒モジュールを照明可能に
配置された照明手段と、前記円筒状光触媒モジュールの
前記光出射面に隣接して設けられた、光の反射・拡散を
行なう手段とを有することを特徴とする。
【0032】本光触媒装置の照明手段は、照明効率の見
地から、光触媒モジュールの中心部に設置されることが
好ましいため、光触媒モジュールを円筒状とし、中心部
に照明手段設置のためのスペースを設けた。必ずしも上
下の面まで貫通するスペースを設ける必要はなく、照明
手段を設置できる大きさと形であれば特に限定されな
い。
【0033】こうした照明手段としては、大きさと作動
電圧が小さいという点から発光ダイオードが好ましく用
いられ、例えば、二酸化チタンを光触媒として使用する
場合には、波長360nm〜400nmの光を照射する
ことが望ましい。
【0034】本光触媒装置においては、請求項4に係る
光触媒装置と同様に、照射光の反射・拡散を行なう手段
を具備しているため、一度光触媒モジュールに入射後、
出射する光を、反射・拡散して再度光触媒モジュール内
へ戻すことができる。したがって、高い光到達性と光利
用効率を達成し、光触媒反応を効率よく進めることがで
きるため、照明手段の電力効率が向上する。また、こう
した光触媒装置を複数接続することにより、光触媒作用
による効果を一層高めることができる。
【0035】本発明の請求項6に係る光触媒装置は、請
求項4または5記載の光触媒装置において、前記反射・
拡散を行なう手段は、金属製板状部材であることを特徴
とする。
【0036】金属製板状部材を使用することにより、効
率良く光の反射・拡散を行なうことができるため、さら
に高い光到達性と光利用効率を達成することが可能とな
る。
【0037】こうした金属製板状部材には、反射性、耐
食性、加工性等の点から、アルミニウム、アルミニウム
を主体とする合金、ステンレス鋼等が、好ましく用いら
れる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しながら、本発明
の実施例を説明する。なお、図面の説明においては、同
一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0039】実施例1 図1は、本発明に係るセラミック多孔体の表面に光触媒
の微粒子が担持されている光触媒モジュールの一部を示
す拡大図である。
【0040】このセラミック多孔体は、図に示すよう
に、三次元的に配列された連通孔を有する繊維状骨格1
で自己支持された構造体である。気孔率は85%で、連
通孔の単位胞2の直径は約1mm〜5mmである。
【0041】図2は、光触媒モジュールの断面拡大図で
ある。繊維状骨格1の表面には、光触媒活性を示す光触
媒としての二酸化チタン微粒子3が担持されている。二
酸化チタン微粒子3は、直径1nm〜100nmの結晶
粒子である。
【0042】こうした光触媒モジュールは、下記のよう
にして製造する。
【0043】まず、酸化アルミニウムと水からなるスラ
リーを調製する。気孔率85%、連通孔の単位胞の直径
が1mm〜5mmの、所定の形状の発泡ウレタンを、前
述のスラリーに含浸し、発泡ウレタンの骨格表面にスラ
リーを付着させる。これを乾燥後、焼成して酸化アルミ
ニウムを焼結させると、焼成中に発泡ウレタンの骨格は
分解・消滅し、図1に示すような繊維状骨格1を有する
セラミック多孔体を得ることができる。
【0044】もし、コーディエライトの焼結体からなる
セラミック多孔体を用いるのであれば、コーディエライ
トと水からなるスラリーを調製し、上述の方法に従って
製造することができる。また、適当な発泡ウレタンを使
用することにより、所望の形状、気孔率、単位胞直径を
有するセラミック多孔体を容易に得ることができる。
【0045】次いで、得られたセラミック多孔体の表面
に、光触媒粒子を下記のようにして担持させる。
【0046】硝酸水溶液に直径1〜100nmの二酸化
チタンの超微粉を分散させたゾルを調製する。セラミッ
ク多孔体をこのゾルに含浸し、セラミック多孔体の繊維
状骨格表面にゾルを付着させる。このセラミック多孔体
を乾燥後、約500℃で焼き付け、繊維状骨格表面に二
酸化チタンの超微粉を担持させる。
【0047】尚、本実施例においては、含浸法により光
触媒粒子をセラミック多孔体に担持させたが、四塩化チ
タン等を用いたCVD(化学蒸着担持法)で行っても良
い。
【0048】こうして、製造された光触媒モジュールの
比表面積は、150〜250m/gとなる。この値
は、従来用いられていた触媒膜の比表面積の100倍か
ら1000倍に相当する。
【0049】したがって、本実施例の光モジュールによ
れば、触媒面積を著しく増大させることができるため、
光触媒反応を効率良く進めることができる。
【0050】また、こうしたセラミック多孔体は、開口
率が高いため、良好な光到達性を示し、光触媒モジュー
ルの光利用性を高めることができる。
【0051】さらに、本実施例のセラミック多孔体は、
酸化アルミニウムの焼結体からなるため、耐熱性、耐酸
性、耐塩基性等に優れており、腐食性の高い環境下で
も、触媒を担持する構造材としての機能を維持すること
ができる。したがって、使用環境が限定されず、様々な
分野への適用が可能である。
【0052】実施例2 図3は、本実施例に係る光触媒モジュールの断面拡大図
である。
【0053】本実施例においては、実施例1と同じ光触
媒モジュールに、さらに白金微粒子4が担持されてい
る。すなわち繊維状骨格1の表面に、二酸化チタン微粒
子3と白金微粒子4が同時に担持されているものであ
る。
【0054】こうした光触媒モジュールは、実施例1で
製造された光触媒モジュールの繊維状骨格1の表面に、
塩化白金酸からの還元法により白金粒子を析出させるこ
とで得られる。
【0055】すなわち、5%〜39%(重量%)の塩化
白金酸水溶液に、実施例1で得られた光触媒モジュール
を含浸する。この水溶液に、ギ酸、ホルムアルデヒド等
の還元剤を添加し、超音波雰囲気で反応させることで、
粒径1nm〜10nmの白金粒子が繊維状骨格1の表面
に析出する。
【0056】白金微粒子4は、図に示すように、繊維状
骨格1の表面や二酸化チタン微粒子3の上に分散し、光
触媒電極の対極としての機能を果たす。すなわち、二酸
化チタン粒子3は、光触媒反応により物質を酸化する
が、その際プロトンを発生させる。白金微粒子4は、こ
のプロトンを捕捉することで、光触媒活性を向上させ
る。こうした構成により、光触媒モジュールの光触媒効
率を更に高めることができる。
【0057】実施例3 図4は、実施例3に係る浄化装置の外観を示す。浄化装
置5は、実施例2の光触媒モジュールを使用した光触媒
装置であり、自然光あるいは波長360〜400nmの
人工光で生じた光触媒反応を利用して、水の浄化を行う
ものである。
【0058】浄化装置5の容器6は薄型平板状をしてお
り、その上面は石英硬質ガラス、側面と下面はステンレ
ススチールのような耐食性を有する金属からなる。
【0059】図に示すように、容器6の互いに対向する
側面には、流入口7と流出口8が設置されている。
【0060】図5は、容器6の部分断面図を示す。
【0061】容器6の内部には、薄型平板状の光触媒モ
ジュール9が保持されている。光触媒モジュール9は全
体を石英硬質ガラスで覆われている。すなわち、触媒モ
ジュール9の上面は石英硬質ガラス10Aで覆われてお
り、側面と下面は石英硬質ガラス10Bを介して容器6
の金属板11と接している。
【0062】光触媒モジュール9は、実施例2と同じ光
触媒モジュールを、縦1m、横1m、高さ0.05mの
平板に加工したものである。
【0063】石英硬質ガラス10A、Bとしては、波長
360〜400nmの自然光あるいは人工光をできるだ
け吸収しないものを使用することが望ましい。光触媒モ
ジュール9の二酸化チタンが活性化するのに必要なエネ
ルギーを、効率良く与えるためである。本実施例で用い
た石英ガラスの他にも、高シリカガラス、ホウケイ酸ガ
ラス等が好ましく用いられる。通常のソーダ石灰ガラス
も使用することができる。
【0064】金属板11の、光触媒モジュール9と対向
する側の面は、滑沢に仕上げられている。
【0065】なお、図6に示すように、容器内の光触媒
モジュール9の流入口側と流出口側のそれぞれにスペー
スA、Bを設けてもよい。こうした構成により、導入さ
れた水が光触媒モジュール9のどの部分を通過しても圧
力差が同じとなるため、光触媒モジュール9全体を有効
に利用できる。また、容器6内に邪魔板を設けて、導入
された水が光触媒モジュール9全体を通過するようにし
てもよい。
【0066】浄化装置5は上述のように構成されてお
り、石英硬質ガラス10Aの面から、波長360〜40
0nmの自然光あるいは人工光を照射すると、光触媒モ
ジュール9の二酸化チタンは励起される。また、光触媒
モジュール9に入射後、硬質ガラス10Bを通って出射
した光は、金属板11により反射・拡散され、再度光触
媒モジュール9に入射する。
【0067】流入口7から、光触媒モジュール9に水を
導入すると、励起された二酸化チタンの光触媒反応によ
り、水中に溶存するカビ類、細菌類、トリハロメタン等
の有機塩素化合物、カルキ臭の原因物質等が酸化分解さ
れる。こうして浄化された水は、流出口8から排出され
る。
【0068】浄化装置5においては、触媒面積が大きく
触媒活性と光到達性の高い光触媒モジュール9を使用
し、広い光入射面を設けているため、効率良く水の浄化
が行える。自然光を用いれば簡便に光触媒反応を利用す
ることができ、また、人工光を利用すれば、自然光が充
分でない場所や時間でも、水の浄化を行うことができ
る。
【0069】さらに、金属板11により、光触媒モジュ
ール9からの出射光を反射・拡散して、再度光触媒モジ
ュール9に入射させることで、光を有効利用し、一層効
率良く光触媒反応を進められる。
【0070】光触媒モジュール9は、酸化アルミニウム
の焼結体を基体とするため、処理対象である水により腐
食されることはない。さらに、浄化装置5においては、
光モジュール9全体を硬質ガラスで覆っているため、例
えば、金属板11等の、浄化装置の他の構成部材が、処
理対象の水と接触する恐れがなく、腐食性の高い物質を
含む水の浄化にも使用することができる。
【0071】また、図7に示すように、複数の浄化装置
を接続して用いることも可能であり、ポンプ等の液体輸
送ユニット15で、各浄化装置へ水を順次導入する。こ
うした構成においては、水の汚染状態や処理量に対応し
て、使用する浄化装置の数を調整することができる。
【0072】本実施例の浄化装置は、水の浄化だけでは
なく、空気等の気体中、排水等の液体中に含まれている
有機ハロゲン化合物(例えば、TCE、PCE等の揮発
性有機溶剤類)、農薬(例えば、ペンタゾン等の除草
剤、DEP等の殺虫剤、DDVP等の有機燐農薬)、有
害無機化合物(例えば、シアン、6価クロム等の環境汚
染物質)の分解にも使用することができる。したがっ
て、飲料水の浄化、工業排水の浄化、空気の浄化等、様
々な分野に利用することができる。
【0073】実施例4 図8は、実施例4に係る浄化装置の外観を示す。浄化装
置5は、実施例3の浄化装置と同様に、実施例2の光触
媒モジュールを使用した光触媒装置であり、波長360
〜400nmの人工光で励起された二酸化チタンによる
光触媒反応を利用して、水の浄化を行うものである。
【0074】本実施例においては、容器6は円柱状をし
ており、ステンレススチールのような耐蝕性を有する金
属からなる。容器6の上面と下面には、通電ユニット1
3がそれぞれ設置されている。
【0075】図に示すように、流入口7と流出口8が、
容器6の周面の上端付近と下端付近に互いに反対側に設
けられている。
【0076】図9は、浄化装置5の断面図を示す。
【0077】図に示すように、容器6の内部には、光触
媒モジュール9が保持されている。光触媒モジュール9
は、実施例2と同じ光触媒モジュールを、外径0.2m
×内径0.05m×高さ1mに加工したもので、中心に
貫通孔を有する円筒状をしている。
【0078】光触媒モジュール9は全体を石英硬質ガラ
スで覆われている。すなわち、触媒モジュール9の上
面、下面、外周面は、石英硬質ガラス10Bを介して容
器6の金属板11と接しており、光触媒モジュール9の
貫通孔の部分には、石英硬質ガラス10Aを介在して、
人工光源としての発光ダイオード12が配置されてい
る。
【0079】発光ダイオード12は通電ユニット13に
接続されており、通電により波長360〜400nmの
光線を発する。本実施例のように、二酸化チタンを光触
媒として用いる場合には、波長380〜390nmに高
いスペクトル強度を持つ人工光を照射することが望まし
い。二酸化チタンはこの波長範囲に光吸収スペクトルの
ピークを持つからである。
【0080】なお、図10に示すように、通電ユニット
13を、容器6の上面か下面かのどちらか一方のみに設
けるようにしてもよい。この場合には、光触媒モジュー
ル9の中心部に設ける孔を貫通させる必要はない。
【0081】図11に示すように、容器内の光触媒モジ
ュール9の流入口側と流出口側のそれぞれにスペース
A、Bを設けてもよい。こうした構成により、導入され
た水が光触媒モジュール9のどの部分を通過しても圧力
差が同じとなるため、光触媒モジュール9全体を有効に
利用できる。また、容器6内に邪魔板を設けて、導入さ
れた水が光触媒モジュール9全体を通過するようにして
もよい。
【0082】本浄化装置は上述のように構成されてお
り、通電ユニット13から電力を供給された発光ダイオ
ード12は、波長360〜400nmの光を光触媒モジ
ュール9に照射する。
【0083】硬質ガラス10Aの面から光触媒モジュー
ル9に入射した照射光は、セラミック多孔体に担持され
た二酸化チタンを励起する。硬質ガラス10Bを通って
出射した光は、金属板11により反射・拡散され、再度
光触媒モジュール9に入射する。
【0084】流入口7から、光触媒モジュール9に水を
導入すると、励起された二酸化チタンによる光触媒反応
により、水中に溶存するカビ類、細菌類、トリハロメタ
ン等の有機塩素化合物、カルキ臭の原因物質等が酸化分
解される。こうして浄化された水は、流出口8から排出
される。
【0085】浄化装置5においては、触媒面積が大き
く、触媒活性と光到達性の高い光触媒モジュール9を使
用しているため、効率良く水の浄化が行える。
【0086】発光ダイオード12を光触媒モジュール9
の中心部に配置したため、光触媒モジュール9全体を効
率良く照射することができる。さらに、金属板11で、
光触媒モジュール9からの出射光を反射・拡散して、再
度光触媒モジュール9に入射させ、光を有効に利用し
て、効率良く光触媒反応を進めることができる。
【0087】光触媒モジュール9は、酸化アルミニウム
の焼結体を基体とするため、処理対象である水により腐
食されることはない。さらに、浄化装置5においては、
光モジュール9全体を硬質ガラスで覆っているため、例
えば、金属板11、発光ダイオード12等の、浄化装置
の他の構成部材が、処理対象の水と接触する恐れがな
く、腐食性の高い物質を含む水の浄化にも使用すること
ができる。
【0088】本実施例においては、実施例3で得られる
効果に加えて、人工光を利用することで、自然光が充分
でない場所や時間でも、水の浄化を行うことができる。
【0089】また、図12に示すように、複数の浄化装
置を接続して用いることも可能である。この場合は、水
の汚染状態や処理量に対応して、使用する浄化装置5の
数を調整することができる。
【0090】本実施例の浄化装置は、水の浄化だけでは
なく、空気等の気体中、排水等の液体中に含まれている
有機ハロゲン化合物(例えば、TCE、PCE等の揮発
性有機溶剤類)、農薬(例えば、ペンタゾン等の除草
剤、DEP等の殺虫剤、DDVP等の有機燐農薬)、有
害無機化合物(例えば、シアン、6価クロム等の環境汚
染物質)の分解にも使用することができる。したがっ
て、飲料水の浄化、工業排水の浄化、空気の浄化等の様
々な分野に利用することができる。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
著しく広い触媒面積と高い触媒活性と光到達性を有し、
光触媒効率の高い光触媒モジュールと、これを使用した
光触媒装置を提供することができる。この光触媒モジュ
ールは、優れた耐食性をも示すため、汚れ成分を除去す
る洗浄、汚れ成分の付着を防止する防汚、殺菌、脱臭、
空気の清浄、排気処理、水の清浄、排水処理、水の分
解、有機合成または有機分解反応の促進、無機性、有機
性の環境汚染物質の分解などの広い分野に適用すること
ができる。
【0092】本発明の光触媒装置は、自然光や人工光を
効率良く利用するものであり、さらに高い光触媒効率を
達成することができる。また、人工光を利用する場合に
は、照明手段の電力効率が向上するため、消費電力の低
滅を図ることができ、コスト軽減にも貢献するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の光触媒モジュールの一部を示す拡大
図。
【図2】図1の光触媒モジュールの一部の断面拡大図。
【図3】実施例2の光触媒モジュールの一部の断面拡大
図。
【図4】実施例3の浄化装置の外観を模式的に示す図。
【図5】図5の浄化装置の部分断面図。
【図6】実施例3の浄化装置の別の態様を模式的に示す
図。
【図7】図5の浄化装置を連結して使用する場合を模式
的に示す図。
【図8】実施例4の浄化装置の外観を模式的に示す図。
【図9】図8の浄化装置の断面図。
【図10】実施例4の浄化装置の別の態様を示す断面
図。
【図11】実施例4の浄化装置の別の態様を模式的に示
す図。
【図12】図8の浄化装置を連結して使用する場合を模
式的に示す図。
【符号の説明】
1・・・繊維状骨格 2・・・単位胞 3・・・二酸化チタン微粒子 4・・・白金微粒子 5・・・浄化装置 6・・・容器 7・・・流入口 8・・・流出口 9・・・光触媒モジュール 10A、B・・・硬質ガラス 11・・・金属板 12・・・発光ダイオ−ド 13・・・通電ユニット 15・・・液体輸送ユニット
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 41/90 C04B 41/90 C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気孔率75%〜95%の連通孔を有する
    セラミック多孔体からなる基体の表面に、光触媒が担持
    されていることを特徴とする光触媒モジュール。
  2. 【請求項2】 前記基体の表面には、白金族、金、また
    は、これらの金属と遷移元素との合金が、さらに担持さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の光触媒モジュ
    ール。
  3. 【請求項3】 前記基体は、酸化アルミニウム、酸化ジ
    ルコニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化チタン
    からなる群から選ばれた少なくとも1種類の化合物から
    なる焼結体であることを特徴とする請求項1または2記
    載の光触媒モジュール。
  4. 【請求項4】 平板型の容器本体と、 請求項1乃至3のいずれか1項記載の光触媒モジュール
    を平板状とし、光入射面と光出射面とを設け、前記容器
    本体内に保持させた平板状光触媒モジュールと、 前記平板型光触媒モジュールの前記光出射面に隣接して
    設けられた、光の反射・拡散を行なう手段とを有するこ
    とを特徴とする光触媒装置。
  5. 【請求項5】 円柱型の容器本体と、 請求項1乃至3のいずれか1項記載の光触媒モジュール
    を円筒状とし、光入射面と光出射面とを設け、前記容器
    本体内に保持させた平板状光触媒モジュールと、 前記円筒状光触媒モジュールを照明可能に配置された照
    明手段と、 前記円筒状光触媒モジュールの前記光出射面に隣接して
    設けられた、光の反射・拡散を行なう手段とを有するこ
    とを特徴とする光触媒装置。
  6. 【請求項6】 前記反射・拡散を行なう手段は、金属製
    板状部材であることを特徴とする請求項4または5記載
    の光触媒装置。
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