JPH1133577A - 硝化細菌の包括固定化方法及びその担体 - Google Patents

硝化細菌の包括固定化方法及びその担体

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JPH1133577A
JPH1133577A JP9214152A JP21415297A JPH1133577A JP H1133577 A JPH1133577 A JP H1133577A JP 9214152 A JP9214152 A JP 9214152A JP 21415297 A JP21415297 A JP 21415297A JP H1133577 A JPH1133577 A JP H1133577A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硝化細菌の活性度と担体強度を高め、且つ安定
した品質の包括固定化担体を製造することのできる硝化
細菌の包括固定化方法及びその担体を提供する。 【解決手段】硝化細菌を含有する活性汚泥を、固定化剤
と混合して原材料を調製し、該原材料を重合してゲル化
することにより前記硝化細菌を前記固定化剤内に包括固
定化する硝化細菌の包括固定化する場合に、包括固定化
前の活性汚泥の硝化活性度を10%〜70%、好ましく
は20%〜60%の範囲に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硝化細菌の包括固
定化方法及びその担体に係り、特に包括固定化担体の活
性度と担体強度の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】廃水処理に用いられる活性汚泥中には硝
化細菌が存在し、この硝化細菌と廃水中のアンモニア性
窒素とが生物的に反応することにより硝化処理が行なわ
れる。しかし、この硝化細菌は脱窒細菌等の他の細菌に
比べて増殖速度が遅く、特に冬場の低水温時期に細菌数
が少なくなり、硝化性能が著しく低下する。
【0003】このことから、硝化細菌を含む活性汚泥を
担体の表面や内部に固定化して硝化細菌を高濃度化し、
これにより硝化性能を改善することが行なわれている。
硝化細菌の固定化を大別すると付着型と包括型があり、
付着型は硝化細菌を含む活性汚泥を担体表面に自然付着
させる方法である。一方、包括型は硝化細菌を含む活性
汚泥を担体の内部に保持する方法であり、この2種類の
固定化を比較すると、包括型は付着型よりも硝化細菌の
活性の立ち上がりが速く、活性の安定性にも優れてい
る。
【0004】ところで、硝化細菌を包括固定化する際に
使用される固定化剤や重合開始剤は、微生物の活性度に
阻害作用を及ぼすことは以前より知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、硝化細
菌を包括固定化する際の固定化剤や重合開始剤を同じに
しても包括固定化された硝化細菌の活性度や担体強度が
悪い場合があるという欠点がある。従って、廃水処理に
使用する包括固定化担体のロットによって廃水の処理性
能にバラツキが生じてしまうという問題があった。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みて成され
たもので、硝化細菌の活性度と担体強度を高め、且つ安
定した品質の包括固定化担体を製造することのできる硝
化細菌の包括固定化方法及びその担体を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を解決
するために、硝化細菌を含有する活性汚泥を、固定化剤
と混合して原材料を調製し、該原材料を重合してゲル化
することにより前記硝化細菌を前記固定化剤内に包括固
定化する硝化細菌の包括固定化方法において、前記包括
固定化される前の活性汚泥中の硝化細菌の硝化活性度を
所定範囲に設定することを特徴とする。
【0008】また、本発明は前記目的を解決するため
に、活性汚泥中の硝化細菌の硝化活性度を所定範囲に設
定した活性汚泥を、固定化剤と混合して原材料を調製
し、該原材料を重合してゲル化して得られることを特徴
とする。本発明によれば、包括固定化される前の活性汚
泥中の硝化細菌の硝化活性度を所定範囲に設定するよう
にしたので、包括固定化された後の硝化細菌の硝化活性
と担体強度を高め、且つ品質が一定な包括固定化担体を
作成することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る硝化細菌の包括固定化方法及びその担体の好ましい実
施の形態について詳説する。硝化細菌の硝化活性と担体
強度の高い包括固定化担体を作成するには、包括固定化
操作において重合反応を速やかに、且つ確実に進行させ
る必要がある。本発明の発明者等は、この重合反応の速
度が包括固定化操作を行う前の活性汚泥中の硝化細菌の
馴養度合いを示す指標である硝化細菌の硝化活性度によ
り大きな影響を受けることを発見した。
【0010】本発明は、この知見に基づいてなされたも
のであり、本発明の硝化細菌の包括固定化方法及びその
担体は、包括固定化前における活性汚泥中の硝化細菌の
硝化活性度に着目し、その硝化活性度を所定範囲に設定
するようにしたものであり、より具体的には、硝化活性
度が10〜70%、好ましくは20〜60%に設定する
ように構成される。
【0011】上記構成において、硝化活性度が10〜7
0%、好ましくは20〜60%に設定された活性汚泥
は、下水処理場の標準活性汚泥の中から選別してもよ
く、或いは前記硝化活性度のものを実験室にて調製する
こともできる。次に、本発明の包括固定化方法及び担体
を上記の如く構成した理論的な根拠について説明する。
【0012】先ず、活性汚泥中の硝化細菌の硝化活性度
を判定する方法について説明する。活性汚泥の硝化活性
度は、アンモニア性窒素が十分に存在する状態、例えば
NH4 −N濃度が5mg/l程度の状態での活性汚泥全
体の呼吸活性に対する活性汚泥中の硝化細菌の呼吸活性
で示した。ここでは、呼吸活性として、酸素利用速度を
測定し、硝化細菌の酸素利用速度はアリルチオ尿素を5
mg/l添加した状態での酸素利用速度を活性汚泥全体
の酸素利用速度から引いて求めた。即ち、硝化活性度
(A)は次式で表すことができる。
【0013】
【数1】 B:活性汚泥全体の酸素利用速度 C:活性汚泥中の硝化細菌の酸素利用速度 D:アリルチオ尿素を5mg/l添加による酸素利用速
度 尚、本実施の形態では、活性汚泥中の硝化細菌の硝化活
性度を呼吸速度から導くようにしたが、特にこの判定法
に限るものではない。例えば、活性汚泥全体の菌数に対
する活性汚泥中の硝化細菌の菌数を指標とすることでも
可能である。要は活性汚泥中の硝化細菌の馴養度合いを
判定できれば良い。
【0014】次に、包括固定化を行う前の活性汚泥中の
硝化細菌の馴養度合いと重合反応の速度との関係を説明
する。図1は、下水処理場の標準活性汚泥処理施設から
採取した活性汚泥であり、活性汚泥の硝化活性度が40
%のもの(サンプルAと称す)を、固定化剤と混合して
原材料を調製し、該原材料を重合してゲル化することに
より硝化細菌を固定化剤内に包括固定化したものであ
る。一方、図2は、前記活性汚泥をアンモニア性窒素
(NH4 −N)濃度が30mg/lの無機合成廃水で馴
養して活性汚泥の硝化活性度を90%にしたもの(サン
プルBと称す)を同様に包括固定化したものである。ま
た、コントロールサンプルとして、活性汚泥を全く混合
しないで固定化剤のみを重合した場合について行った。
【0015】この時の包括固定化の条件は、固定化剤と
して、アクリルアミドとメチレンビスアクリルアミドの
混合溶液を使用し、各固定化剤の濃度を、製造される担
体体積当たりの重量%にしてアクリルアミドを15%、
メチレンビスアクリルアミドを1%の割合で混合した。
重合開始剤としては、過硫酸カリウムを使用した。そし
て、包括固定化操作を行った場合の、重合反応の速度
を、固定化剤の重合反応に伴う温度上昇がピークになる
までの時間を比較した。
【0016】その結果、図1に示すように、硝化活性度
が40%のサンプルAの活性汚泥を用いた場合には、活
性汚泥の濃度を高めるに従ってピーク時間が短くなっ
た。即ち、コントロールサンプル(図中a)のピーク温
度までの重合時間が約6分であるのに対し、活性汚泥濃
度が12000mg/l(図中b)の時のピーク時間は
約4分、活性汚泥濃度が33000mg/l(図中c)
の時のピーク時間は約1.5分であった。
【0017】一方、図2から分かるように、硝化活性度
が90%のサンプルBの活性汚泥を用いた場合には、活
性汚泥の濃度を高めると、逆にピーク温度までの重合時
間がコントロールサンプル(図中d)よりも長くなっ
た。即ち、コントロールサンプル(図中d)のピーク温
度までの重合時間が約6分であるのに対し、活性汚泥濃
度が10000mg/l(図中e)の時のピーク時間は
約6.5分、活性汚泥濃度が24000mg/l(図中
f)の時のピーク時間は約8分であった。
【0018】このことは、活性汚泥中の硝化細菌の馴養
度合い、即ち活性汚泥の硝化活性度により、固定化剤の
重合反応が促進される場合と促進されない場合があるこ
とを意味する。そこで、活性汚泥の硝化活性度を変化さ
せた場合に、硝化細菌の活性度と担体の物理的強度がど
のように推移するかを調べた。
【0019】下水処理場の標準活性汚泥処理施設から硝
化活性度の異なる活性汚泥を採取すると共に、採取した
活性汚泥をアンモニア無機合成廃水で馴養することによ
り、硝化活性度が8%〜95%の範囲の活性汚泥を調整
し、これらを包括固定化操作に供した。この時の包括固
定化の条件は、固定化剤として、ポリエチレングリコー
ルプレポリマーを用い、固定化剤の濃度を、製造される
担体体積当たりの重量%にしてポリエチレングリコール
プレポリ2を15%とし、活性汚泥濃度で15000m
g/lになるように調整した。
【0020】図3は、包括固定化前の活性汚泥の硝化活
性度と、包括固定化操作により得られた包括固定化担体
における硝化細菌の活性及び担体強度との関係を示した
ものである。硝化細菌の活性は、包括固定化前の硝化活
性に対する包括固定化後の硝化活性の比である活性残存
率で示した。また、担体の物理的強度は、担体を圧縮し
た時に担体が破壊するまでの圧縮強度(kg/cm2
で示した。
【0021】図3において、□−□の曲線は活性残存率
を示し、■−■は担体の圧縮強度を示す。図3から分か
るように、硝化活性度を大きくしていくに従って活性残
存率も大きくなり、硝化活性度が20%から60%の範
囲でほぼ安定し、再び低下する傾向があり、硝化活性度
が10%未満、または70%を越えると活性残存率の低
下度合いが大きくなる。硝化活性度が70%を越える
と、固定化剤の重合時間が長くなり、ゲル化前の固定化
剤や重合開始剤などの薬剤と硝化細菌との接触により菌
体の活性が阻害される為と考えられる。また、硝化活性
度が10%未満の場合には、活性汚泥中の硝化細菌の菌
数が少ないことが包括固定化操作による活性残存率の低
下が大きくなったものと推察される。従って、硝化活性
度が10%未満、または70%を越える活性汚泥で作成
した包括固定化担体を、実際の廃水処理装置に使用した
場合には硝化性能が発揮されるまでに長時間を要してし
まうという問題が生じる。
【0022】また、担体の圧縮強度は、硝化活性度が8
%から60%までは略3.8kg/cm2 で推移し、そ
の後低下する傾向があり、硝化活性度が70%が越える
と圧縮強度の低下度合いが大きくなる。硝化活性度が7
0%を越えると重合反応が緩慢になり担体強度が低下す
るものと推察される。従って、硝化活性度が70%を越
える活性汚泥で作成した包括固定化担体を、実際の廃水
処理装置に使用した場合には、担体の寿命が短くなるば
かりでなく、担体の破損により処理水が濁るという問題
が生じる。
【0023】以上の結果から、硝化細菌の活性度と担体
の物理的強度の両方を満足させるためには、包括固定化
前の活性汚泥の硝化活性度を10%〜70%、好ましく
は20%〜60%の範囲に設定すれば良いことが分か
る。そして、上記の如く構成された本発明の包括固定化
担体によれば、包括固定化後の担体中の硝化細菌の活性
を大きくすることができ、且つ担体の物理的強度も向上
させることができる。
【0024】また、本発明の包括固定化担体によれば、
包括固定化前の活性汚泥の硝化活性度を10%〜70
%、好ましくは20%〜60%の範囲に設定することに
より、包括固定化後の担体中の硝化細菌の活性と担体強
度をほぼ一定にすることができるので、安定した品質の
包括固定化担体を得ることができる。尚、本実施の形態
では、固定化剤として、アクリルアミドとメチレンビス
アクリルアミドの混合液、ポリエチレングリコールプレ
ポリマーを用いたが、重合反応によりゲル化する物質で
あればこれらに限定されない。また、重合開始剤は過硫
酸カリウムに限らない。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の硝化細菌
の包括固定化方法及びその担体によれば、硝化細菌の活
性と担体強度を高め、且つ安定した品質の包括固定化担
体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、硝化活性度が40%の活性汚泥を用い
て包括固定化操作を行った時の重合速度を説明する説明
【図2】図2は、硝化活性度が90%の活性汚泥を用い
て包括固定化操作を行った時の重合速度を説明する説明
【図3】図3は、活性汚泥の硝化活性度と、硝化細菌の
活性度及び担体の物理的強度との関係を説明する説明図
【符号の説明】
a…活性汚泥濃度が0mg/lのコントロールサンプル b…硝化活性度が40%で活性汚泥濃度が12000m
g/lの場合 c…硝化活性度が40%で活性汚泥濃度が33000m
g/lの場合 d…活性汚泥濃度が0mg/lのコントロールサンプル e…硝化活性度が90%で活性汚泥濃度が10000m
g/lの場合 f…硝化活性度が90%で活性汚泥濃度が24000m
g/lの場合

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硝化細菌を含有する活性汚泥を、固定化剤
    と混合して原材料を調製し、該原材料を重合してゲル化
    することにより前記硝化細菌を前記固定化剤内に包括固
    定化する硝化細菌の包括固定化方法において、 前記包括固定化される前の活性汚泥中の硝化細菌の硝化
    活性度を所定範囲に設定することを特徴とする硝化細菌
    の包括固定化方法。
  2. 【請求項2】前記硝化活性度を、前記活性汚泥全体の呼
    吸速度に対する前記活性汚泥中の硝化細菌の呼吸速度の
    百分率で示すと共に、該活性度を10〜70%、好まし
    くは20〜60%に設定することを特徴とする請求項1
    の硝化細菌の包括固定化方法。
  3. 【請求項3】前記硝化活性度が70%を越える場合に
    は、硝化活性度の低い別の活性汚泥を混合して硝化活性
    度を10〜70%、好ましくは20〜60%に調整する
    ことを特徴とする請求項2の硝化細菌の包括固定化方
    法。
  4. 【請求項4】活性汚泥中の硝化細菌の硝化活性度を所定
    範囲に設定した活性汚泥を、固定化剤と混合して原材料
    を調製し、該原材料を重合してゲル化して得られること
    を特徴とする硝化細菌の包括固定化担体。
  5. 【請求項5】前記硝化活性度を、前記活性汚泥全体の呼
    吸速度に対する前記活性汚泥中の硝化細菌の呼吸速度の
    百分率で示すと共に、該活性度を10〜70%、好まし
    くは20〜60%に設定することを特徴とする請求項4
    の硝化細菌の包括固定化担体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005144283A (ja) * 2003-11-13 2005-06-09 Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd 亜硝酸型硝化担体の製造方法
JP2009050850A (ja) * 2008-09-24 2009-03-12 Hitachi Plant Technologies Ltd 包括固定化担体及びその製造方法
US7842185B2 (en) 2006-03-23 2010-11-30 Hitachi Plant Technologies, Ltd. Pellets comprising sludge containing nitrifying bacteria for treating wastewater
JP4602615B2 (ja) * 1999-06-10 2010-12-22 株式会社バイコム 活性汚泥に含まれる硝化細菌の高濃度培養方法

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