JPH11335A - 血管吻合補助具 - Google Patents
血管吻合補助具Info
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- JPH11335A JPH11335A JP15257297A JP15257297A JPH11335A JP H11335 A JPH11335 A JP H11335A JP 15257297 A JP15257297 A JP 15257297A JP 15257297 A JP15257297 A JP 15257297A JP H11335 A JPH11335 A JP H11335A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 或る血管に他の血管をバイパスさせる手術を
行う際、その血管の中枢側と末梢側に残存する血流を確
保しつつ、血管の吻合を容易に且つ適切に行うことので
きる血管吻合補助具を提供する。 【解決手段】 本発明は、両端部に開口端を有する柔軟
な中空導管であって、該導管の外表面上に少なくとも2
つの環状突起と、血管内から前記導管を取出すための取
出し手段とが設けられてなり、前記導管は血管より高い
弾性値と自己復元性とを有し、復元後の導管内腔が中空
導管の折り曲げ前と同じく確保されることを特徴とする
血管吻合補助具に関する。
行う際、その血管の中枢側と末梢側に残存する血流を確
保しつつ、血管の吻合を容易に且つ適切に行うことので
きる血管吻合補助具を提供する。 【解決手段】 本発明は、両端部に開口端を有する柔軟
な中空導管であって、該導管の外表面上に少なくとも2
つの環状突起と、血管内から前記導管を取出すための取
出し手段とが設けられてなり、前記導管は血管より高い
弾性値と自己復元性とを有し、復元後の導管内腔が中空
導管の折り曲げ前と同じく確保されることを特徴とする
血管吻合補助具に関する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冠動脈疾患治療の
際に行う冠状動脈バイパス術に使用する血管吻合補助具
に関する。
際に行う冠状動脈バイパス術に使用する血管吻合補助具
に関する。
【0002】
【従来の技術】狭心症や心筋梗塞等の冠動脈疾患は、外
来や救急診療で遭遇する心疾患の中では最も頻度の高い
疾患である。そして、これらの冠動脈疾患において、最
も多く行われる手術が冠状動脈バイパス術である。冠状
動脈バイパス術には、上行大動脈より冠状動脈狭窄部末
梢に対して自家大伏在静脈片を用いてバイパスするもの
(いわゆるA−Cバイパス術)と、内胸動脈等の動脈グ
ラフトを冠状動脈に直接吻合する方法があり、特に後者
の動脈グラフト法は開存率が優れているため、適用され
ることが多くなっている。冠状動脈バイパス術を行う
際、冠状動脈末梢側への血流を確保するために、従来で
は、外シャントによって大腿動脈から血液を流入させた
り、心筋保護法(心筋保護液を冠動脈に注入することに
よって、虚血に陥いる心筋の代謝を下げて、その壊死を
防止する方法である)と経皮的心肺補助(PCPS:短
期的な体外循環補助で、送脱血管を経皮的に挿入し、静
−動脈バイパスを形成する)とを組み合わせることによ
って、対処していた。
来や救急診療で遭遇する心疾患の中では最も頻度の高い
疾患である。そして、これらの冠動脈疾患において、最
も多く行われる手術が冠状動脈バイパス術である。冠状
動脈バイパス術には、上行大動脈より冠状動脈狭窄部末
梢に対して自家大伏在静脈片を用いてバイパスするもの
(いわゆるA−Cバイパス術)と、内胸動脈等の動脈グ
ラフトを冠状動脈に直接吻合する方法があり、特に後者
の動脈グラフト法は開存率が優れているため、適用され
ることが多くなっている。冠状動脈バイパス術を行う
際、冠状動脈末梢側への血流を確保するために、従来で
は、外シャントによって大腿動脈から血液を流入させた
り、心筋保護法(心筋保護液を冠動脈に注入することに
よって、虚血に陥いる心筋の代謝を下げて、その壊死を
防止する方法である)と経皮的心肺補助(PCPS:短
期的な体外循環補助で、送脱血管を経皮的に挿入し、静
−動脈バイパスを形成する)とを組み合わせることによ
って、対処していた。
【0003】また、最近では低侵襲心臓外科手術とし
て、小手術創で体外循環を行わない低侵襲冠状動脈バイ
パス手術(MIDCAB)によるアプローチもなされて
いる。この方法では、体外循環による血液へのダメージ
回避、感染機会の減少というメリットはあるが、その反
面、冠動脈末梢側への血流は血管吻合時に遮断されるの
で、冠動脈近位側からの血流が僅かながらも残っている
ケースでは、急性閉塞による心筋梗塞を起こして患者が
死亡する恐れがある。特に、吻合に手間取って血管を長
時間遮断する場合には問題となる。上記のように、MI
DCABによる冠動脈バイパス術の場合、血管吻合の間
は血液を遮断するので、冠動脈の血流が僅かながらある
症例(即ち、冠動脈の狭窄が75〜90%程度のもの)
では、その影響が懸念され、動脈グラフト術を行ってい
る間も冠動脈中枢側から末梢側に血流を確保できるもの
が望まれている。しかし、現在では動脈グラフトの間、
冠動脈の血流を確保するために使用する適当なものがな
い。即ち、内胸動脈と冠状動脈との血管吻合中は冠状動
脈の中枢側−末梢側の血流を確保し、吻合が完了したら
除去できるような簡便な血管吻合用補助具、或いは装置
は知られていない。
て、小手術創で体外循環を行わない低侵襲冠状動脈バイ
パス手術(MIDCAB)によるアプローチもなされて
いる。この方法では、体外循環による血液へのダメージ
回避、感染機会の減少というメリットはあるが、その反
面、冠動脈末梢側への血流は血管吻合時に遮断されるの
で、冠動脈近位側からの血流が僅かながらも残っている
ケースでは、急性閉塞による心筋梗塞を起こして患者が
死亡する恐れがある。特に、吻合に手間取って血管を長
時間遮断する場合には問題となる。上記のように、MI
DCABによる冠動脈バイパス術の場合、血管吻合の間
は血液を遮断するので、冠動脈の血流が僅かながらある
症例(即ち、冠動脈の狭窄が75〜90%程度のもの)
では、その影響が懸念され、動脈グラフト術を行ってい
る間も冠動脈中枢側から末梢側に血流を確保できるもの
が望まれている。しかし、現在では動脈グラフトの間、
冠動脈の血流を確保するために使用する適当なものがな
い。即ち、内胸動脈と冠状動脈との血管吻合中は冠状動
脈の中枢側−末梢側の血流を確保し、吻合が完了したら
除去できるような簡便な血管吻合用補助具、或いは装置
は知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は血管のバイパス術(便宜的にバイパスされる側の血管
を被バイパス血管と称し、バイパスされる側の血管をバ
イパス血管と称する)において、被バイパス血管の中枢
側と末梢側の間に残存している血流を確保しつつ、被バ
イパス血管とバイパス血管との吻合を容易に且つ適切に
(血管内膜の損傷や吻合中の閉塞等が起こらないよう
に)行い、しかも血管吻合後に邪魔にならない血管吻合
補助具を提供することである。特に心臓血管系のバイパ
ス術において、冠動脈と内胸動脈を吻合する際に使用で
きる血管吻合補助具を提供することにある。
は血管のバイパス術(便宜的にバイパスされる側の血管
を被バイパス血管と称し、バイパスされる側の血管をバ
イパス血管と称する)において、被バイパス血管の中枢
側と末梢側の間に残存している血流を確保しつつ、被バ
イパス血管とバイパス血管との吻合を容易に且つ適切に
(血管内膜の損傷や吻合中の閉塞等が起こらないよう
に)行い、しかも血管吻合後に邪魔にならない血管吻合
補助具を提供することである。特に心臓血管系のバイパ
ス術において、冠動脈と内胸動脈を吻合する際に使用で
きる血管吻合補助具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、特有の物性
及び形状を有する中空導管からなる血管吻合補助具によ
って、上記課題を解決した。即ち、本発明は、両端部に
開口端を有する柔軟な中空導管であって、該導管の外表
面上に少なくとも2つの環状突起と、血管内から前記導
管を取出す取出し手段とが設けられてなり、中空導管は
血管より高い弾性値と自己復元性とを有し、復元後の導
管内腔が中空導管の折り曲げ前と同じく確保されること
を特徴とする血管吻合補助具である。さらに、本発明の
第2は異なる血管吻合補助具として、上記の血管吻合補
助具と、その補助具の中空導管内腔を通過できるロッド
状ガイドとを有する血管吻合補助具である。該ガイドは
血管内に容易に挿入できるように柔軟性であるが、挿入
する血管よりも高い弾性値を有し、さらに中空導管をガ
イドに沿って血管内に誘導できるように、中空導管の内
径の50〜90%の外径と、中空導管の3倍以上の軸方
向長さとを有する。
及び形状を有する中空導管からなる血管吻合補助具によ
って、上記課題を解決した。即ち、本発明は、両端部に
開口端を有する柔軟な中空導管であって、該導管の外表
面上に少なくとも2つの環状突起と、血管内から前記導
管を取出す取出し手段とが設けられてなり、中空導管は
血管より高い弾性値と自己復元性とを有し、復元後の導
管内腔が中空導管の折り曲げ前と同じく確保されること
を特徴とする血管吻合補助具である。さらに、本発明の
第2は異なる血管吻合補助具として、上記の血管吻合補
助具と、その補助具の中空導管内腔を通過できるロッド
状ガイドとを有する血管吻合補助具である。該ガイドは
血管内に容易に挿入できるように柔軟性であるが、挿入
する血管よりも高い弾性値を有し、さらに中空導管をガ
イドに沿って血管内に誘導できるように、中空導管の内
径の50〜90%の外径と、中空導管の3倍以上の軸方
向長さとを有する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の血管吻合補助具の形状・
寸法について、例を挙げて簡単に説明する。この血管吻
合補助具は主に血管の端側吻合(或る血管の側部に孔を
形成し、その孔に沿って他の血管の端部を接合し縫合す
ることによって、血管同士を端部と側部で吻合するも
の)の際に使用されるものである。そして、施術者はこ
の吻合補助具によって、一方の血管の血流を確保しなが
ら、且つ新たに吻合される血管の縫合部を(血管吻合補
助具で)保持しつつ、施術する。本発明の血管吻合補助
具を冠動脈に適用する際、好適なものは0.6〜1.3
mmの内径、1.25〜1.75mmの外径を有する中
空導管である。中空導管の外径が大き過ぎると、細い血
管内に挿入しにくいし、中空導管の内径が小さ過ぎる
と、充分な血流が得られにくい。充分な血流とは、20
〜60cm水柱の圧の下で5〜20ml/min以上の
血流量が得られる程度のものである。以上のように血管
吻合補助具としては、なるべく大きな内径と小さな外径
を有する中空導管が望ましく、そのため該導管の肉厚は
なるべく薄くすることが要求される。
寸法について、例を挙げて簡単に説明する。この血管吻
合補助具は主に血管の端側吻合(或る血管の側部に孔を
形成し、その孔に沿って他の血管の端部を接合し縫合す
ることによって、血管同士を端部と側部で吻合するも
の)の際に使用されるものである。そして、施術者はこ
の吻合補助具によって、一方の血管の血流を確保しなが
ら、且つ新たに吻合される血管の縫合部を(血管吻合補
助具で)保持しつつ、施術する。本発明の血管吻合補助
具を冠動脈に適用する際、好適なものは0.6〜1.3
mmの内径、1.25〜1.75mmの外径を有する中
空導管である。中空導管の外径が大き過ぎると、細い血
管内に挿入しにくいし、中空導管の内径が小さ過ぎる
と、充分な血流が得られにくい。充分な血流とは、20
〜60cm水柱の圧の下で5〜20ml/min以上の
血流量が得られる程度のものである。以上のように血管
吻合補助具としては、なるべく大きな内径と小さな外径
を有する中空導管が望ましく、そのため該導管の肉厚は
なるべく薄くすることが要求される。
【0007】かといって、あまりに中空導管の肉厚を薄
くすると、導管に求められる物性や強度が低下し、血管
吻合補助具として使えないものになってしまう。そこ
で、本発明の血管吻合補助具として、好ましい内径/外
径比は0.5〜0.8である。中空導管の強度や物性は
素材自体によって影響されるので、該導管の肉厚の好ま
しい範囲は一概に言えないが、ポリウレタンやポリアミ
ド等の一般的に血管内に挿入される汎用の合成材料では
肉厚0.05mm以上あるのが望ましい。これは導管が
破損するのを防ぐためというよりも、むしろ血管吻合の
際の中空導管の形状保持能力、自己復元性等の点から、
上記のような合成樹脂では所定の肉厚が必要である。形
状保持能力とは、血管吻合時に中空導管を所定の位置に
保持すると共に、導管外に血液を流通させないようにす
るため、血管を中空導管ごと縫合糸(ターニケット)で
締め付けなくてはならないが、その際に中空導管内腔が
閉塞せずに確保できる程度の能力をいう。そのため、少
なくとも血管よりも高い弾性を有することが必要であ
る。また、中空導管の開口端も導管内腔のスムースな液
の流れを妨げないような形状を有することが好ましい。
例えば、開口端の切り口を斜めに形成して、開口端面積
(開口端内腔部分の面積)を大きくした方が、スムース
な血流が得られる。
くすると、導管に求められる物性や強度が低下し、血管
吻合補助具として使えないものになってしまう。そこ
で、本発明の血管吻合補助具として、好ましい内径/外
径比は0.5〜0.8である。中空導管の強度や物性は
素材自体によって影響されるので、該導管の肉厚の好ま
しい範囲は一概に言えないが、ポリウレタンやポリアミ
ド等の一般的に血管内に挿入される汎用の合成材料では
肉厚0.05mm以上あるのが望ましい。これは導管が
破損するのを防ぐためというよりも、むしろ血管吻合の
際の中空導管の形状保持能力、自己復元性等の点から、
上記のような合成樹脂では所定の肉厚が必要である。形
状保持能力とは、血管吻合時に中空導管を所定の位置に
保持すると共に、導管外に血液を流通させないようにす
るため、血管を中空導管ごと縫合糸(ターニケット)で
締め付けなくてはならないが、その際に中空導管内腔が
閉塞せずに確保できる程度の能力をいう。そのため、少
なくとも血管よりも高い弾性を有することが必要であ
る。また、中空導管の開口端も導管内腔のスムースな液
の流れを妨げないような形状を有することが好ましい。
例えば、開口端の切り口を斜めに形成して、開口端面積
(開口端内腔部分の面積)を大きくした方が、スムース
な血流が得られる。
【0008】開口端を含む血管吻合補助具の端部の形状
は、本発明の重要なポイントの1つである。まず、第1
に開口端の形状は生体組織の損傷防止の点から検討しな
くてはならない。即ち、血管内に中空導管を挿入し保持
する際、または血管から導管を取り出す際に血管内膜を
傷つけないような形状であることが要求される。例え
ば、開口端の切り角(開口端に平行な面が導管軸となす
角度)を鈍にすることも効果がある。その切り角αは4
5°<α<80°が好ましい。あまり鋭角過ぎると内膜
損傷の恐れがあるし、逆に鈍角過ぎても血管内に挿入し
にくくなり、また開口端面積が小さくなる。また、開口
端の縁部を面取りする等、丸めた形状にするのも良い。
は、本発明の重要なポイントの1つである。まず、第1
に開口端の形状は生体組織の損傷防止の点から検討しな
くてはならない。即ち、血管内に中空導管を挿入し保持
する際、または血管から導管を取り出す際に血管内膜を
傷つけないような形状であることが要求される。例え
ば、開口端の切り角(開口端に平行な面が導管軸となす
角度)を鈍にすることも効果がある。その切り角αは4
5°<α<80°が好ましい。あまり鋭角過ぎると内膜
損傷の恐れがあるし、逆に鈍角過ぎても血管内に挿入し
にくくなり、また開口端面積が小さくなる。また、開口
端の縁部を面取りする等、丸めた形状にするのも良い。
【0009】第2に、血管吻合補助具の開口端の形状は
その血管内への挿入し易さの点から検討しなくてはなら
ない。例えば、吻合補助具を血管内に挿入し易くするた
め、中空導管の少なくとも1つの開口端に嘴状に突出し
た挿入用突出部を形成することができる。中空導管の端
部に細い挿入用突出部が形成されていると、血管に形成
された小さな切開孔にその細い突出部を差し込むことに
よって、容易に導管を血管内に挿入することができる。
この挿入用突出部の好ましい形状・寸法について、以下
に具体的に述べる。挿入用突出部の形状として、先端部
になるにつれて徐々に細くなるようなもの、或いは先端
部と根本端部(開口端に結合した部分)がほぼ同じ横幅
を持つもの等があるが、挿入し易さの点から前者のもの
が望ましい。そして、挿入用突出部の最大横幅が導管外
径の1/10〜1/3の範囲にあるものが、把持性(挿
入用突出部をピンセットで把持する際の操作性)、挿入
性、誘導性(該突出部によって、中空導管本体が血管内
に誘導される性能)等の点から使いやすい。挿入用突出
部の長さは、3〜12mmの範囲にすると、邪魔になら
ず、該突出部を容易に血管内に挿入することができる。
その血管内への挿入し易さの点から検討しなくてはなら
ない。例えば、吻合補助具を血管内に挿入し易くするた
め、中空導管の少なくとも1つの開口端に嘴状に突出し
た挿入用突出部を形成することができる。中空導管の端
部に細い挿入用突出部が形成されていると、血管に形成
された小さな切開孔にその細い突出部を差し込むことに
よって、容易に導管を血管内に挿入することができる。
この挿入用突出部の好ましい形状・寸法について、以下
に具体的に述べる。挿入用突出部の形状として、先端部
になるにつれて徐々に細くなるようなもの、或いは先端
部と根本端部(開口端に結合した部分)がほぼ同じ横幅
を持つもの等があるが、挿入し易さの点から前者のもの
が望ましい。そして、挿入用突出部の最大横幅が導管外
径の1/10〜1/3の範囲にあるものが、把持性(挿
入用突出部をピンセットで把持する際の操作性)、挿入
性、誘導性(該突出部によって、中空導管本体が血管内
に誘導される性能)等の点から使いやすい。挿入用突出
部の長さは、3〜12mmの範囲にすると、邪魔になら
ず、該突出部を容易に血管内に挿入することができる。
【0010】上記の挿入用突出部を中空導管の両方の開
口端に形成しても良いが、一端のみにこの突出部を形成
して、残りの一端はロッド状のガイドによって挿入する
ようにすると、施術がさらに容易になる。即ち、中空導
管内腔に該導管よりも長いロッド状ガイドを通し、挿入
用突出部を設けていない一端(突出部非形成側)からガ
イド先端を突き出して、そのガイド先端を血管に形成さ
れた小切開孔に挿入する。そのため、ガイド先端部は生
体組織を損傷しないように加工してあることが望まし
い。例えば、生体組織との接触部位が緩いカーブになる
ように形成するとか、或いはガイド先端部の形状を面取
り(鋭い縁を削って丸めること)する等の加工を行う。
また、形状に特徴を有することではないが、先端部を潤
滑性にすることもできる。ガイドの外径は中空導管の内
径の50〜90%のものが好ましい。大き過ぎるとガイ
ドに沿ってスライド移動しにくいし、小さ過ぎるとガイ
ドとして役に立たない。ガイド全体の長さとしては、血
管内に中空導管を誘導し、血管内に導管を挿入した後に
ガイドを除去しなくてはならないので、中空導管の少な
くとも3倍の軸方向長さは必要であり、10倍程度の軸
方向長さを有するものが好ましい。例えば、冠動脈バイ
パス術に使用するガイドの長さとしては、150mm前
後のものが使いやすい。また、ガイドは血管吻合補助具
に先立って血管内に挿入し、吻合補助具を誘導しなくて
はならないので、血管より弾性の大きい、腰のあるもの
でなくては役に立たないが、挿入の容易さや血管損傷等
を考慮すると、適度な柔軟性も要求される。
口端に形成しても良いが、一端のみにこの突出部を形成
して、残りの一端はロッド状のガイドによって挿入する
ようにすると、施術がさらに容易になる。即ち、中空導
管内腔に該導管よりも長いロッド状ガイドを通し、挿入
用突出部を設けていない一端(突出部非形成側)からガ
イド先端を突き出して、そのガイド先端を血管に形成さ
れた小切開孔に挿入する。そのため、ガイド先端部は生
体組織を損傷しないように加工してあることが望まし
い。例えば、生体組織との接触部位が緩いカーブになる
ように形成するとか、或いはガイド先端部の形状を面取
り(鋭い縁を削って丸めること)する等の加工を行う。
また、形状に特徴を有することではないが、先端部を潤
滑性にすることもできる。ガイドの外径は中空導管の内
径の50〜90%のものが好ましい。大き過ぎるとガイ
ドに沿ってスライド移動しにくいし、小さ過ぎるとガイ
ドとして役に立たない。ガイド全体の長さとしては、血
管内に中空導管を誘導し、血管内に導管を挿入した後に
ガイドを除去しなくてはならないので、中空導管の少な
くとも3倍の軸方向長さは必要であり、10倍程度の軸
方向長さを有するものが好ましい。例えば、冠動脈バイ
パス術に使用するガイドの長さとしては、150mm前
後のものが使いやすい。また、ガイドは血管吻合補助具
に先立って血管内に挿入し、吻合補助具を誘導しなくて
はならないので、血管より弾性の大きい、腰のあるもの
でなくては役に立たないが、挿入の容易さや血管損傷等
を考慮すると、適度な柔軟性も要求される。
【0011】さらに血管吻合補助具は、血管の吻合中に
所定の位置から移動しないように確実に保持し、また施
術終了直前には、血管内に埋入した中空導管を取り出さ
なくてはならない。そのため、血管吻合補助具はこれら
の目的に適合するような形状でなくてはならない。ま
ず、最初に血管吻合補助具を血管内の所定の位置に保持
し、また血液を中空導管内腔のみに流すため、必要とさ
れる構造について述べる。中空導管の開口端近傍の外表
面上には2つの環状突起が設けられており、その目的は
2つある。まず第1は、血管内で導管を所定の位置に保
持させるためであり、第2は、ターニケット等で血管を
中空導管ごと締め付けて、中空導管内腔のみに血液を流
通させるためである。上記の目的のため、環状突起は吻
合補助具を血管内に保持する際、縫合糸がその突起に係
止できる形状、高さ、幅を有していれば良い。
所定の位置から移動しないように確実に保持し、また施
術終了直前には、血管内に埋入した中空導管を取り出さ
なくてはならない。そのため、血管吻合補助具はこれら
の目的に適合するような形状でなくてはならない。ま
ず、最初に血管吻合補助具を血管内の所定の位置に保持
し、また血液を中空導管内腔のみに流すため、必要とさ
れる構造について述べる。中空導管の開口端近傍の外表
面上には2つの環状突起が設けられており、その目的は
2つある。まず第1は、血管内で導管を所定の位置に保
持させるためであり、第2は、ターニケット等で血管を
中空導管ごと締め付けて、中空導管内腔のみに血液を流
通させるためである。上記の目的のため、環状突起は吻
合補助具を血管内に保持する際、縫合糸がその突起に係
止できる形状、高さ、幅を有していれば良い。
【0012】次に、血管からの中空導管の取り出し手段
について述べる。血管吻合補助具には吻合終了後に中空
導管を取り出すため、取出し手段が設けられていること
が必要である。この取出し手段は、中空導管を血管内に
挿入した時に血管内での位置を変更したり、調整したり
するための位置調整手段を兼ねることもできる。例え
ば、中空導管の中央部、外表面上に紐状の取り出し手段
(以下、簡略化のためにストリングと称する)を設ける
と、血管内挿入時、或いは挿入後の中空導管の位置調整
が容易になり、また血管吻合の終了直前における中空導
管の血管内からの抜去が容易になる。ストリングはそれ
を引張た時に切断せず、中空導管の位置調整や血管内か
らの取出しが容易にできるものであれば良く、外径以外
は特にその素材、形状、寸法を限定されるものではな
い。ストリングは血管の切開孔から血管外に出ているた
め、外径がなるべく小さい方が好ましい。好適なものと
して、細いけれど、切断しにくい縫合糸(天然素材、合
成樹脂製のいずれでも良い)、釣り用テグス等であり、
長さは5〜10cmである。このストリングの中空導管
への接続は接着、溶着、物理的結合(結ぶ)等、特に限
定されない。取出し手段の形成位置は特に限定されない
が、中空導管の外表面上の中央部、特に両開口端からほ
ぼ均等な位置に形成すると、血管の未縫合部から血管吻
合補助具を取り出すのが容易である。
について述べる。血管吻合補助具には吻合終了後に中空
導管を取り出すため、取出し手段が設けられていること
が必要である。この取出し手段は、中空導管を血管内に
挿入した時に血管内での位置を変更したり、調整したり
するための位置調整手段を兼ねることもできる。例え
ば、中空導管の中央部、外表面上に紐状の取り出し手段
(以下、簡略化のためにストリングと称する)を設ける
と、血管内挿入時、或いは挿入後の中空導管の位置調整
が容易になり、また血管吻合の終了直前における中空導
管の血管内からの抜去が容易になる。ストリングはそれ
を引張た時に切断せず、中空導管の位置調整や血管内か
らの取出しが容易にできるものであれば良く、外径以外
は特にその素材、形状、寸法を限定されるものではな
い。ストリングは血管の切開孔から血管外に出ているた
め、外径がなるべく小さい方が好ましい。好適なものと
して、細いけれど、切断しにくい縫合糸(天然素材、合
成樹脂製のいずれでも良い)、釣り用テグス等であり、
長さは5〜10cmである。このストリングの中空導管
への接続は接着、溶着、物理的結合(結ぶ)等、特に限
定されない。取出し手段の形成位置は特に限定されない
が、中空導管の外表面上の中央部、特に両開口端からほ
ぼ均等な位置に形成すると、血管の未縫合部から血管吻
合補助具を取り出すのが容易である。
【0013】次に血管吻合補助具に必要な物理的特性や
それを実現するための素材について述べる。中空導管は
血管内膜を傷つけずに血管内に挿入でき、挿入中は形状
保持能力を有し、挿入後は元通りの形状に復元しなくて
はならないので、導管には先ず適度な柔軟性と弾性が要
求される。ただ、柔軟なだけでは中空導管を血管内に挿
入しづらく、血管内で自己復元できない。また、血管内
に挿入している時に中空導管外の血流を遮断するため、
血管外部から縫合糸(ターニケット)等によって、中空
導管ごと締めつけなくてはならないが、中空導管が血管
と同じように柔らかい(弾性の低い)ものであると、締
め付けたときに中空導管内腔まで閉塞してしまう。その
ため、中空導管は最低限、血管より高い弾性を有してい
なくてはならない。そうすれば、外力の締め付けによっ
ても導管内腔を確保し、充分な血流を保持できる。
それを実現するための素材について述べる。中空導管は
血管内膜を傷つけずに血管内に挿入でき、挿入中は形状
保持能力を有し、挿入後は元通りの形状に復元しなくて
はならないので、導管には先ず適度な柔軟性と弾性が要
求される。ただ、柔軟なだけでは中空導管を血管内に挿
入しづらく、血管内で自己復元できない。また、血管内
に挿入している時に中空導管外の血流を遮断するため、
血管外部から縫合糸(ターニケット)等によって、中空
導管ごと締めつけなくてはならないが、中空導管が血管
と同じように柔らかい(弾性の低い)ものであると、締
め付けたときに中空導管内腔まで閉塞してしまう。その
ため、中空導管は最低限、血管より高い弾性を有してい
なくてはならない。そうすれば、外力の締め付けによっ
ても導管内腔を確保し、充分な血流を保持できる。
【0014】さらに、血管吻合補助具は外力によって中
空導管を折り曲げた後、外力を解放すると、中空導管が
独力で元の形状に戻ることができる(本明細書におい
て、これを自己復元性と称する)特性を有する。そし
て、中空導管は元の形状に復元した後でも、中空導管の
内腔が狭められたりしないで、(中空導管の)折り曲げ
前と同じく確保される。ここで、内腔が同じく確保され
るというのは、中空導管の内腔が100%保持されると
いう厳密な意味ではなく、中空導管に流す液体の流量が
折り曲げ前と復元後で実質的に同じであるという意味で
ある。上記のような中空導管を作成するために適当な素
材としては、ポリウレタン、エチレン−ビニルアセテー
ト共重合体(EVA)、ポリアミド等がある。その中で
も、安全性、加工性、生体における使用実績等の点から
ポリウレタンが好ましく、さらにJISによる硬度70
〜80のものが好ましい。ガイドの素材としては、やは
りポリウレタン、ポリアミド、ケブラー等が好ましい。
空導管を折り曲げた後、外力を解放すると、中空導管が
独力で元の形状に戻ることができる(本明細書におい
て、これを自己復元性と称する)特性を有する。そし
て、中空導管は元の形状に復元した後でも、中空導管の
内腔が狭められたりしないで、(中空導管の)折り曲げ
前と同じく確保される。ここで、内腔が同じく確保され
るというのは、中空導管の内腔が100%保持されると
いう厳密な意味ではなく、中空導管に流す液体の流量が
折り曲げ前と復元後で実質的に同じであるという意味で
ある。上記のような中空導管を作成するために適当な素
材としては、ポリウレタン、エチレン−ビニルアセテー
ト共重合体(EVA)、ポリアミド等がある。その中で
も、安全性、加工性、生体における使用実績等の点から
ポリウレタンが好ましく、さらにJISによる硬度70
〜80のものが好ましい。ガイドの素材としては、やは
りポリウレタン、ポリアミド、ケブラー等が好ましい。
【0015】次に、血管吻合補助具に設けられると、施
術が大変便利になる構成で、形状・力学的特性以外の特
徴について、述べる。血管吻合補助具の血管内への挿入
・抜去を容易にするため、或いは血管の内膜損傷を防止
するため、開口端の形状を変えるだけでなく、中空導管
の外表面の一部を潤滑性にするのも効果的である。例え
ば、開口端近傍、即ち開口端から近傍の環状突起まで、
導管の外表面をプラズマ前処理、コロナ処理、オゾン処
理等により、アクリル酸やポリアクリルアミド等の親水
性高分子でグラフト重合する。それによって、中空導管
に半永久的な潤滑性を付与することができる。潤滑性を
より簡単に得るためには、生体適合性を有するゼリー等
を導管の開口端近傍に塗布しても良い。また、血管吻合
補助具において不可欠な抗血栓性の問題がある。中空導
管の表面に抗血栓性処理を施すことによって、施術中の
血流を確保するだけでなく、術後の吻合部開存性の点で
効果が認められる。従って、この中空導管の内、外表面
に抗血栓性処理を行うのが好ましい。例えば、簡単に塩
化ベンザルコニウム等の陽イオン性界面活性剤を使用し
て、中空導管の表面にヘパリンをイオン結合させても良
いし、ウロキナーゼ等の線溶系物質を結合させても良
い。
術が大変便利になる構成で、形状・力学的特性以外の特
徴について、述べる。血管吻合補助具の血管内への挿入
・抜去を容易にするため、或いは血管の内膜損傷を防止
するため、開口端の形状を変えるだけでなく、中空導管
の外表面の一部を潤滑性にするのも効果的である。例え
ば、開口端近傍、即ち開口端から近傍の環状突起まで、
導管の外表面をプラズマ前処理、コロナ処理、オゾン処
理等により、アクリル酸やポリアクリルアミド等の親水
性高分子でグラフト重合する。それによって、中空導管
に半永久的な潤滑性を付与することができる。潤滑性を
より簡単に得るためには、生体適合性を有するゼリー等
を導管の開口端近傍に塗布しても良い。また、血管吻合
補助具において不可欠な抗血栓性の問題がある。中空導
管の表面に抗血栓性処理を施すことによって、施術中の
血流を確保するだけでなく、術後の吻合部開存性の点で
効果が認められる。従って、この中空導管の内、外表面
に抗血栓性処理を行うのが好ましい。例えば、簡単に塩
化ベンザルコニウム等の陽イオン性界面活性剤を使用し
て、中空導管の表面にヘパリンをイオン結合させても良
いし、ウロキナーゼ等の線溶系物質を結合させても良
い。
【0016】
【実施例】以下に本発明の血管吻合補助具の好適な実施
例を図面と共に示す。図1〜3に示すように、本例の血
管吻合補助具1は主として、中空導管2とロッド状ガイ
ド3からなる。中空導管2は内径1.0mm、外径1.
5mm、軸方向の長さ20mmであり、ポリエーテル型
ポリウレタン製である。中空導管2はポリウレタン溶液
に浸漬し、引き上げて乾燥する工程を繰り返すディッピ
ング法によって、作製される。中空導管2の両端部には
切り角45°の開口端4が形成され、開口端4の近傍
(開口端から1〜2mmの位置)には幅1.0mm、高
さ0.2mmの環状突起5が形成されている。そして、
一方の開口端4bには嘴状の挿入用突出部6が形成され
ている。挿入用突出部6は、横幅dが0.38mm、長
さ10mmであり、その突出部先端7は血管内膜を傷つ
けないように丸められ、突出部根本端8は開口端底部に
結合している。挿入用突出部6は中空導管端部を切り出
して作製され、切り出した後に切断端(縁部)が丸めれ
るように、ディッピング処理が施される。
例を図面と共に示す。図1〜3に示すように、本例の血
管吻合補助具1は主として、中空導管2とロッド状ガイ
ド3からなる。中空導管2は内径1.0mm、外径1.
5mm、軸方向の長さ20mmであり、ポリエーテル型
ポリウレタン製である。中空導管2はポリウレタン溶液
に浸漬し、引き上げて乾燥する工程を繰り返すディッピ
ング法によって、作製される。中空導管2の両端部には
切り角45°の開口端4が形成され、開口端4の近傍
(開口端から1〜2mmの位置)には幅1.0mm、高
さ0.2mmの環状突起5が形成されている。そして、
一方の開口端4bには嘴状の挿入用突出部6が形成され
ている。挿入用突出部6は、横幅dが0.38mm、長
さ10mmであり、その突出部先端7は血管内膜を傷つ
けないように丸められ、突出部根本端8は開口端底部に
結合している。挿入用突出部6は中空導管端部を切り出
して作製され、切り出した後に切断端(縁部)が丸めれ
るように、ディッピング処理が施される。
【0017】両開口端4a,4bから均等な位置、即ち
中空導管のちょうど真中にポリプロピレン製の1−0の
縫合糸からなるストリング9が接続されており、その接
続部分10はポリウレタン溶液でディッピングされ、補
強される。中空導管の両開口端から5mmほど中央側の
外表面には、プラズマ前処理によって、ポリジメチルア
クリルアミド(PDMAA)がグラフト重合され、潤滑
性を有している。また、血管吻合補助具の内、外表面全
体は10%塩化ベンザルニウム水溶液に浸漬した後、2
%ヘパリン水溶液に浸漬することによって、抗血栓性処
理が施されている。中空導管2を作製するのに使用した
素材は、重合度2500のポリエーテル型のセグメント
化ポリウレタンである。このポリウレタンの物性はJI
S(K7311)に定められた測定法による硬度Aが8
0であり、100%modulusが5N/cm2、3
00%modulusが10N/cm2、反発弾性が6
0%である。
中空導管のちょうど真中にポリプロピレン製の1−0の
縫合糸からなるストリング9が接続されており、その接
続部分10はポリウレタン溶液でディッピングされ、補
強される。中空導管の両開口端から5mmほど中央側の
外表面には、プラズマ前処理によって、ポリジメチルア
クリルアミド(PDMAA)がグラフト重合され、潤滑
性を有している。また、血管吻合補助具の内、外表面全
体は10%塩化ベンザルニウム水溶液に浸漬した後、2
%ヘパリン水溶液に浸漬することによって、抗血栓性処
理が施されている。中空導管2を作製するのに使用した
素材は、重合度2500のポリエーテル型のセグメント
化ポリウレタンである。このポリウレタンの物性はJI
S(K7311)に定められた測定法による硬度Aが8
0であり、100%modulusが5N/cm2、3
00%modulusが10N/cm2、反発弾性が6
0%である。
【0018】本例のガイド3は図3に示すように、中空
導管2の内腔を通過できるような長さ150mm、外径
0.9mmのポリアミド製のロッドであり、前述の中空
導管2とセットで使用される。ガイドの先端部11は緩
やかな曲線状に形成され、挿入用突出部6の形成されて
いない側の開口端(中枢側)4aからガイド先端部11
を突き出した状態で使用される。ガイド3の先端から中
央側75mmまで、中空導管2と同様の潤滑性処理が施
されている。さらに、ガイド3の外表面全体に中空導管
2と同様な抗血栓性処理が施されている。
導管2の内腔を通過できるような長さ150mm、外径
0.9mmのポリアミド製のロッドであり、前述の中空
導管2とセットで使用される。ガイドの先端部11は緩
やかな曲線状に形成され、挿入用突出部6の形成されて
いない側の開口端(中枢側)4aからガイド先端部11
を突き出した状態で使用される。ガイド3の先端から中
央側75mmまで、中空導管2と同様の潤滑性処理が施
されている。さらに、ガイド3の外表面全体に中空導管
2と同様な抗血栓性処理が施されている。
【0019】次に、本発明の血管吻合補助具1を使用し
て、冠状動脈12と内胸動脈13を端側吻合する手順
(方法)を示す。 1.まず、内胸動脈端部を吻合する予定の冠動脈側部に
目印14を付ける。その目印よりも上流側(中枢側)1
2aと下流側(末梢側)12bに縫合糸(ターニケッ
ト)15をかける[図4]。ターニケット15を上方に
持ち上げて、冠動脈12の血流を遮断する。次に目印を
付けた冠動脈部位にメスで4〜6mmの小切開孔16を
入れる[図5]。 2.血流を遮断したまま、小切開孔16にガイドの先端
部11を挿入し、切開孔16を通して血管中枢側12a
にガイド先端11を進めていく[図6]。中空導管2は
その内腔にガイド3を通されており、ガイド3に沿って
スライドして移動できる。中空導管2をガイド3に沿っ
てスライドさせ、小切開孔16を通して冠動脈中枢側1
2aに中空導管2を挿入していく。 3.中枢側のターニケット15aを少し緩め、中空導管
の開口端4aを中枢側におし進め、環状突起5がターニ
ケット15aの掛かっている箇所を通過したところで、
再度ターニケットを締め、中空導管外側を流れる血流を
遮断する。次に、血管に挿入していない側の中空導管の
開口端(末梢側開口端)、即ち挿入用突出部側の開口端
4bからガイド3をゆっくり抜いてやる[図7]。導管
内腔に流れる血液が末梢側開口端4bから漏れ出してこ
ないように、ピンセット等で挿入用突出部6を把み、中
空導管2を図8のように屈曲させる。その状態のまま、
挿入用突出部6を小切開孔16の末梢側に差し込み、屈
曲した中空導管2を元に戻すように末梢側冠動脈12b
に挿入する。
て、冠状動脈12と内胸動脈13を端側吻合する手順
(方法)を示す。 1.まず、内胸動脈端部を吻合する予定の冠動脈側部に
目印14を付ける。その目印よりも上流側(中枢側)1
2aと下流側(末梢側)12bに縫合糸(ターニケッ
ト)15をかける[図4]。ターニケット15を上方に
持ち上げて、冠動脈12の血流を遮断する。次に目印を
付けた冠動脈部位にメスで4〜6mmの小切開孔16を
入れる[図5]。 2.血流を遮断したまま、小切開孔16にガイドの先端
部11を挿入し、切開孔16を通して血管中枢側12a
にガイド先端11を進めていく[図6]。中空導管2は
その内腔にガイド3を通されており、ガイド3に沿って
スライドして移動できる。中空導管2をガイド3に沿っ
てスライドさせ、小切開孔16を通して冠動脈中枢側1
2aに中空導管2を挿入していく。 3.中枢側のターニケット15aを少し緩め、中空導管
の開口端4aを中枢側におし進め、環状突起5がターニ
ケット15aの掛かっている箇所を通過したところで、
再度ターニケットを締め、中空導管外側を流れる血流を
遮断する。次に、血管に挿入していない側の中空導管の
開口端(末梢側開口端)、即ち挿入用突出部側の開口端
4bからガイド3をゆっくり抜いてやる[図7]。導管
内腔に流れる血液が末梢側開口端4bから漏れ出してこ
ないように、ピンセット等で挿入用突出部6を把み、中
空導管2を図8のように屈曲させる。その状態のまま、
挿入用突出部6を小切開孔16の末梢側に差し込み、屈
曲した中空導管2を元に戻すように末梢側冠動脈12b
に挿入する。
【0020】4.小切開孔16に挿入した突出部6をさ
らに冠動脈内におし進め、中空導管全体を血管内に埋入
させる。このとき、ストリング9は小切開孔16から血
管外に出されたままであり、このストリング9を引張り
ながら、血管内における中空導管の位置を調整する。末
梢側のターニケット15bを少し緩めてやると、中空導
管2は冠動脈内で自己復元して直線状に戻り、血流は遮
断前の状態に再開される。中空導管の末梢側開口端4b
から流出した血液が小切開孔16から漏れ出さないよう
に、再度末梢側ターニケット15bを締め付ける[図
9]。 5.次に、冠動脈側部に形成された小切開孔16に内胸
動脈端部17を接合し、切開孔16の周囲に内胸動脈端
部17の周囲を合わせながら、血管同士を縫合する[図
10]。 6.縫合が全て終了する直前、即ち縫合すべき最後の
1、2針が残っている状態でストリング9を血管外から
引張ることによって、小切開孔の未縫合部18から中空
導管2を屈曲させながら取り出す[図11]。未縫合部
18から出血があるので、早急に残りの縫合を行う。必
要であれば、その間、中枢側血管12aをターニケット
15aで締めても良い。
らに冠動脈内におし進め、中空導管全体を血管内に埋入
させる。このとき、ストリング9は小切開孔16から血
管外に出されたままであり、このストリング9を引張り
ながら、血管内における中空導管の位置を調整する。末
梢側のターニケット15bを少し緩めてやると、中空導
管2は冠動脈内で自己復元して直線状に戻り、血流は遮
断前の状態に再開される。中空導管の末梢側開口端4b
から流出した血液が小切開孔16から漏れ出さないよう
に、再度末梢側ターニケット15bを締め付ける[図
9]。 5.次に、冠動脈側部に形成された小切開孔16に内胸
動脈端部17を接合し、切開孔16の周囲に内胸動脈端
部17の周囲を合わせながら、血管同士を縫合する[図
10]。 6.縫合が全て終了する直前、即ち縫合すべき最後の
1、2針が残っている状態でストリング9を血管外から
引張ることによって、小切開孔の未縫合部18から中空
導管2を屈曲させながら取り出す[図11]。未縫合部
18から出血があるので、早急に残りの縫合を行う。必
要であれば、その間、中枢側血管12aをターニケット
15aで締めても良い。
【0021】
1.動脈グラフト術の間、残存している冠状動脈の血流
が確保されているので、従来のように血流の遮断時間を
気にせずに施術することができる。また、吻合中は冠動
脈の近位側と末梢側との間の血流は、血管吻合補助具の
内腔のみに限られるので、吻合部から血液が漏れること
はない。 2.血管吻合時に、補助具が血管の支持台となり縫合し
易い。即ち、冠動脈内に補助具が挿入されているため、
非挿入時と比較して動脈の径が拡張されたまま、保持さ
れる。そのため、冠動脈の側部に内胸動脈の端部を縫合
する際、両者を接合させ易く、吻合し易くなる。また、
血管の縫合においても、血管内腔に補助具が存在するた
め、当て布のような働きをして縫合針による血管の縫い
間違いが防止できる。 3.血管吻合終了時には、補助具を速やかに且つ容易に
抜去できるので、邪魔にならず、また血管中に残った補
助具によって血管が閉塞する心配もない。 4.本発明の補助具は、特に挿入時及び抜去時において
血管内膜を傷つける恐れが少なく、しかもこれらの操作
が容易である。
が確保されているので、従来のように血流の遮断時間を
気にせずに施術することができる。また、吻合中は冠動
脈の近位側と末梢側との間の血流は、血管吻合補助具の
内腔のみに限られるので、吻合部から血液が漏れること
はない。 2.血管吻合時に、補助具が血管の支持台となり縫合し
易い。即ち、冠動脈内に補助具が挿入されているため、
非挿入時と比較して動脈の径が拡張されたまま、保持さ
れる。そのため、冠動脈の側部に内胸動脈の端部を縫合
する際、両者を接合させ易く、吻合し易くなる。また、
血管の縫合においても、血管内腔に補助具が存在するた
め、当て布のような働きをして縫合針による血管の縫い
間違いが防止できる。 3.血管吻合終了時には、補助具を速やかに且つ容易に
抜去できるので、邪魔にならず、また血管中に残った補
助具によって血管が閉塞する心配もない。 4.本発明の補助具は、特に挿入時及び抜去時において
血管内膜を傷つける恐れが少なく、しかもこれらの操作
が容易である。
【図1】本発明の血管吻合補助具の中空導管を示す正面
概略図である。
概略図である。
【図2】上記中空導管の平面概略図である。
【図3】上記血管吻合補助具のガイドを示す正面概略図
である。
である。
【図4】冠状動脈に縫合糸(ターニケット)を掛けた状
態を示す図である。
態を示す図である。
【図5】冠状動脈を締め付け、小切開孔を形成した状態
を示す図である。
を示す図である。
【図6】冠状動脈にガイドを挿入した状態を示す図であ
る。
る。
【図7】冠状動脈に半分挿入した血管吻合補助具から、
ガイドを取り出した状態を示す図である。
ガイドを取り出した状態を示す図である。
【図8】挿入用突出部を冠状動脈に差し入れた状態を示
す図である。
す図である。
【図9】中空導管を完全に冠状動脈に埋入した状態を示
す図である。
す図である。
【図10】図9において、小切開孔に内胸動脈端部を接
合させた図である。
合させた図である。
【図11】小切開孔の未縫合部から中空導管を取り出し
た状態を示す図である。
た状態を示す図である。
1.血管吻合補助具 2.中空導管 3.ガイド 4.開口端 4a.開口端(中枢側) 4b.開口端(末梢側、挿入用突出部側) 5.環状突起 6.挿入用突出部 7.突出部先端 8.突出部根本端 9.ストリング 10.接続部分 11.ガイド先端部 12.冠状動脈 12a.冠状動脈(中枢側) 12b.冠状動脈(末梢側) 13.内胸動脈 14.目印 15.縫合糸(ターニケット) 15a.縫合糸(中枢側) 15b.縫合糸(末梢側) 16.小切開孔 17.内胸動脈端部 18.未縫合部 d.挿入用突出部の横幅
Claims (15)
- 【請求項1】 両端部に開口端を有する柔軟な中空導管
であって、該導管の外表面上に少なくとも2つの環状突
起と、血管内から前記導管を取出すための取出し手段と
が設けられてなり、前記導管は血管より高い弾性値と自
己復元性とを有し、復元後の中空導管内腔が該導管の折
り曲げ前と同じく確保されることを特徴とする血管吻合
補助具。 - 【請求項2】 前記取出し手段が血管内における前記中
空導管の位置を調整する位置調整手段を兼ねるものであ
る請求項1に記載の血管吻合補助具。 - 【請求項3】 前記中空導管の内径/外径比が0.5〜
0.8である請求項1または2のいずれかの項に記載の
血管吻合補助具。 - 【請求項4】 少なくとも前記中空導管の外表面の一部
が潤滑性である請求項1〜3のいずれかの項に記載の血
管吻合補助具。 - 【請求項5】 前記中空導管の表面に抗血栓性処理の施
された請求項1〜4のいずれかの項に記載の血管吻合補
助具。 - 【請求項6】 前記開口端が生体組織を損傷しにくい形
状に形成された請求項1〜5のいずれかの項に記載の血
管吻合補助具。 - 【請求項7】 前記取出し手段が前記中空導管の中央部
に結合されたストリングである請求項1〜6のいずれか
の項に記載の血管吻合補助具。 - 【請求項8】 少なくとも1つの開口端に嘴状に突出し
た挿入用突出部が形成された請求項1〜7のいずれかの
項に記載の血管吻合補助具。 - 【請求項9】 前記挿入用突出部の最大横幅が導管外径
の1/10〜1/3である請求項8に記載の血管吻合補
助具。 - 【請求項10】 前記挿入用突出部の長さが3〜12m
mである請求項8または9のいずれかの項に記載の血管
吻合補助具。 - 【請求項11】 1つの開口端のみに前記挿入用突出部
が形成された請求項8〜10のいずれかの項に記載の血
管吻合補助具。 - 【請求項12】 請求項1〜11に記載された中空導管
と共に使用されるロッド状ガイドであり、該ガイドは前
記中空導管の内腔をスムースに通過できる外径と少なく
とも中空導管の3倍以上の軸方向長さとを有し、柔軟性
であるが、挿入する血管よりも高い弾性値を有する血管
挿入用のガイド。 - 【請求項13】 請求項1〜11に記載された血管吻合
補助具と、請求項12に記載されたガイドとからなる血
管吻合補助具。 - 【請求項14】 ガイドの少なくとも一部の表面が抗血
栓処理を施されている請求項13に記載された血管吻合
補助具。 - 【請求項15】 ガイドの少なくとも一端は生体組織を
損傷しないような形状に加工され、その加工された一端
が導管内腔を通って前記挿入用突出部の形成されていな
い開口端から導管外に出ていることを特徴とする請求項
13または14に記載の血管吻合補助具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15257297A JPH11335A (ja) | 1997-06-10 | 1997-06-10 | 血管吻合補助具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15257297A JPH11335A (ja) | 1997-06-10 | 1997-06-10 | 血管吻合補助具 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11335A true JPH11335A (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=15543417
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15257297A Pending JPH11335A (ja) | 1997-06-10 | 1997-06-10 | 血管吻合補助具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11335A (ja) |
Cited By (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6147374U (ja) * | 1984-08-31 | 1986-03-29 | ワイケイケイ株式会社 | 窓框のコ−ナ金具 |
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