JPH11336751A - スラストころ軸受およびその保持器 - Google Patents

スラストころ軸受およびその保持器

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JPH11336751A
JPH11336751A JP10142491A JP14249198A JPH11336751A JP H11336751 A JPH11336751 A JP H11336751A JP 10142491 A JP10142491 A JP 10142491A JP 14249198 A JP14249198 A JP 14249198A JP H11336751 A JPH11336751 A JP H11336751A
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JP
Japan
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retainer
projections
cage
roller
bearing
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JP10142491A
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English (en)
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Tetsuya Hayashi
林  哲也
Hideki Akamatsu
英樹 赤松
Kazuyuki Yamamoto
和之 山本
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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    • F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
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    • F16C33/467—Details of individual pockets, e.g. shape or roller retaining means
    • F16C33/4676—Details of individual pockets, e.g. shape or roller retaining means of the stays separating adjacent cage pockets, e.g. guide means for the bearing-surface of the rollers
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保持器の厚肉化が可能で、強度向上が図れ、
保持器の製作も容易な軸受とする。特に自動車用トラン
スミッションに使用される場合のように、保持器にラジ
アル方向に間欠荷重が作用する場合にも十分な強度が確
保できる。 【解決手段】 対面する一対の軌道輪1,2に鍔部1
b,2bを設け、これに形成した保持器係合爪5,6に
より、両軌道輪1,2と保持器3とを分離阻止した三位
一体の軸受とする。保持器3は、各ポケット7の側面に
複数の突起8,9を設ける。一部の突起8に保持器裏面
側のころ止め爪11を形成し、残りの突起9に保持器表
面側のころ止め爪12を形成する。各突起8,9の表面
はころ案内面8a,9aとする。ころ止め爪11,12
は、しごき加工で成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一般機械や自動
車のトランスミッション等に使用されるスラストころ軸
受およびその保持器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シェル型のスラスト針状ころ軸受
において、ころの脱落を防止し、取扱が容易に行えるよ
うに、一対の軌道輪と保持器とを非分離とした三位一体
型のものが提案されている。図7,図8はこの種軸受の
一例を示す。この軸受は、一対の軌道輪51,52の間
に、保持器53に保持されたころ54を介在させたもの
である。内輪および外輪となる軌道輪51,52は、各
々内周縁および外周縁に鍔部51a,52aを有し、こ
れら鍔部51a,52aに保持器係合爪55,56を設
けることで、軌道輪51,52と保持器53とを非分離
としている。保持器53は、薄板をW字状断面形状にプ
レス成形したものであり、ポケット57の両側面におい
て、そのW字状断面形状の谷部と山部とに、ころ止め爪
58,59が形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような三位一体型
のスラストころ軸受は、使用形態により、軌道輪51,
52の鍔部51a,52a間で保持器53をラジアル方
向に挟み込むような荷重が間欠的に作用することがあ
る。この場合に、同図のような薄板のプレス成形品から
なる保持器53では、軸受の小型化に伴い、強度不足と
なることがある。例えば、同図のスラストころ軸受は、
自動車用トランスミッションの遊星歯車機構における太
陽ギヤと遊星ギヤキャリアとの間に使用されることが多
い。この使用形態における挙動解析の結果、ギヤ切換時
に軌道輪51,52間に生じる調心作用によって保持器
53が軌道輪51,52の鍔部51a,52a間にラジ
アル方向に挟まれ、このようなラジアル方向の負荷がギ
ヤの切換の都度、繰り返して保持器53に作用すること
から、保持器53の強度が不足する恐れがあることが判
明した。このため、保持器53の板厚増加等の強化対策
が望まれる。一方、自動車用トランスミッション(特に
オートマチック式)のコンパクト化と高負荷化に対応し
ていくために、軸受は限られた寸法制約,特に低断面で
の設計を余儀なくされている。すなわち、ころ54の小
型化であり、従来の図7,図8のようなW型保持器53
でこれらの要求に対応する方法は、ころ54の保持方法
を理由とする保持器53の板厚低下と、保持器53のポ
ケット57間の柱部の幅を犠牲としたころ本数の増加し
かないのが現状である。
【0004】この発明の目的は、上記課題を解消し、保
持器の厚肉化が可能で、強度向上が図れ、保持器の製作
も容易なスラストころ軸受およびその保持器を提供する
ことである。この発明の他の目的は、軸受内部への潤滑
経路が確保できるようにすることである。この発明のさ
らに他の目的は、軸受内空間にグリースを充填した場合
に、外部に漏れ難くすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明のスラストころ
軸受は、軌道輪、ころ、および保持器を有し、板状で円
環状の保持器に形成された円周方向複数個所のポケット
内にころを収容したスラストころ軸受において、前記各
ポケットの保持器円周方向の両側のポケット側面に各々
複数の突起を設け、前記各ポケット側面の複数の突起の
うち、一部の突起に保持器片面側のころ止め爪を形成
し、残りの突起に他の片面側のころ止め爪を形成し、前
記各突起の表面をころの案内面としたものである。前記
ころ止め爪は、ポケット側面の突起に形成されるもので
あるため、板厚の一部に設けられるものでありながら、
しごき加工等により精度良く容易に形成することができ
る。このため、保持器の板厚を厚くすることが可能で、
保持器強度を向上させることができ、間欠荷重条件下で
作用する保持器のポケット間の柱部に発生するラジアル
方向の応力を十分に低下させることが可能となる。ま
た、ころ止め爪を突起の一部に形成された爪とし、前記
突起の表面をころの案内面としたため、ころ案内面の油
膜切れを防止し、ピーリングの原因を除去することがで
きる。さらに、保持器の板厚を厚くでき、ころ止め爪は
その板厚の一部に設けられるため、保持器の断面形状を
簡素な形状とでき、保持器の成形が容易で、プレス工程
数の削減も可能である。
【0006】この発明において、対面する一対の軌道輪
の間に、保持器に保持されたころが介在し、一方の軌道
輪は、円環状の板状部の内周縁に円筒状の鍔部が軌道輪
対面側へ延び、他方の軌道輪は、円環状の板状部の外周
縁に円筒状の鍔部が軌道輪対面側へ延び、両軌道輪の前
記各鍔部は、これら軌道輪間の軸方向間隔が開いた状態
で保持器に軸方向に係合する保持器係合爪を有し、一対
の軌道輪と保持器とが、前記保持器係合爪の係合により
分離阻止状態に三位一体とされたものとしても良い。こ
のように、三位一体の軸受とした場合、取扱性が良い。
その反面、使用形態によって、保持器にラジアル方向の
大きな負荷が作用することがあるが、このラアジアル荷
重に対しては、前記のように保持器の板厚を厚くして対
処することができる。また、この場合、保持器の案内形
式は、ころの保持器径方向位置が両面側のころ止め爪で
規制されることから、転動体(ころ)案内形式とでき
る。
【0007】この発明において、前記保持器は、内周部
分および外周部分が互いに軸方向に位置ずれした平板状
とされ中間部分が傾斜板ないし湾曲板状とされたS字状
断面のものであっても良い。この場合に、この保持器
は、前記内周部分および外周部分が、各軌道輪の鍔部形
成側部分に対して軸方向に近づくものとしても良い。こ
の構成の場合、両軌道輪の鍔を、対面する軌道輪のころ
案内面よりも低いものとしても、保持器係合爪による保
持器の保持が可能となる。このように両軌道輪の鍔部を
低くできるため、これらの鍔部とこれに対面する軌道輪
との間の隙間が大きくなり、軸受内部への潤滑経路が確
保される。このため、軸受に潤滑油が常に振りかかるよ
うな形態で使用する場合に、効果的な潤滑が行える。
【0008】保持器を前記のようなS字状のものとする
場合に、この保持器は、前記内周部分および外周部分
が、各軌道輪の鍔部形成側部分に対して軸方向に遠ざか
るものとしても良い。この構成の場合、各軌道輪は保持
器との係合確保のために鍔部が長くなり、鍔部とこれに
対向する軌道輪との間の隙間が小さくなるため、軸受内
部空間に充填されたグリースが外部に漏れ難い。そのた
め、グリース潤滑とする場合に、潤滑寿命が向上する。
【0009】この発明において、前記保持器は、径方向
の中間部分が一側へ突出する断面形状のものとしても良
い。この場合に、前記ポケット側面の突起は、各ポケッ
ト側面につき、前記の突出した中間部分と、この中間部
分に対する両側との3か所ずつに設ける。前記中間部分
の突起には、この中間部分の突出する保持器表面側のこ
ろ止め爪を設け、両側の突起には中間部分の凹む保持器
表面側のころ止め爪を設ける。この構成の場合、各ポケ
ット内のころは、表裏の合計6個所のころ止め爪で保持
されることになり、安定してころの保持が行える。この
構成は、ころ長さ/ころ径の比が比較的大きい場合に効
果的である。
【0010】また、この発明において、保持器の全体を
平板状とし、前記ポケット側面の突起は、各ポケット側
面につき、保持器半径方向の中間部と両側部との3か所
ずつに設け、前記中間部の突起に保持器片面側のころ止
め爪を形成し、両側部の突起に他の片面側のころ止め爪
を形成しても良い。この構成の場合、保持器が平板状で
あるため、保持器のより一層の厚肉設計が可能である。
【0011】この発明の前記各構成のものにおいて、保
持器を鋼板のプレス成形品とし、ころ止め爪は、前記突
起からしごき加工されたものとしても良い。このよう
に、保持器を鋼板のプレス成形品とした場合に、ころ止
め爪を、ポケット内に設けられた突起からしごき加工さ
れたものとすることにより、精度の良いころ止め爪とな
り、またその加工も容易に行える。
【0012】この発明のスラストころ軸受用保持器は、
板状の円環状部材の円周方向複数個所に、ころを収容す
るポケットを設け、各ポケットの保持器円周方向の両側
のポケット側面に各々複数の突起を設け、前記各ポケッ
ト側面の複数の突起のうち、一部の突起に保持器片面側
のころ止め爪を形成し、残りの突起に他の片面側のころ
止め爪を形成し、前記各突起の表面をころの案内面とし
たものである。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態を図1ない
し図3と共に説明する。このスラストころ軸受は、対面
する一対の軌道輪1,2の間に、保持器3に保持された
針状のころ4を介在させたものである。各軌道輪1,2
および保持器3は、いずれも鋼板のプレス成形品からな
る。一方の軌道輪1は内輪となるものであり、円環状の
板状部1aの内周縁に、円筒状の鍔部1bが軌道輪対面
側へ延びて設けられている。他方の軌道輪2は外輪とな
るものであり、円環状の板状部2aの外周縁に円筒状の
鍔部2bが軌道輪対面側へ延びて設けられている。両軌
道輪1,2の各鍔部1b,2bは、これら軌道輪1,2
間の軸方向間隔が開いた状態で保持器3に軸方向に係合
する保持器係合爪5,6を有する。一対の軌道輪1,2
と保持器3とは、保持器係合爪5,6の係合により分離
阻止状態に、三位一体とされている。保持器係合爪5,
6は、各鍔部1b,2bを局部的に径方向外方または内
方に曲げ加工することにより形成されたものであり、鍔
部1b,2bの円周方向複数個所に設けられている。
【0014】保持器3は、板状の円環状部材3Aの円周
方向複数個所に、ころ4を収容するポケット7を設けた
ものであり、内周部分3aおよび外周部分3bが互いに
軸方向に位置ずれした平板状とされ、中間部分3cが傾
斜板ないし湾曲板状とされたS字状断面にプレス成形さ
れている。この保持器3の内周部分3aおよび外周部分
3bは、各軌道輪1,2の鍔部1b,2bの形成側部分
に対して軸方向に近づくものとしてある。これにより、
鍔部1b,2bの先端は、両軌道輪1,2のころ3の案
内面よりも低い高さとなっている。保持器3の隣合うポ
ケット7,7間の部分は柱部10となる。
【0015】各ポケット7の保持器円周方向の両側のポ
ケット側面7aには、各々複数の突起8,9が、保持器
内周部分3aおよび保持器外周部分3bに各々位置して
設けられている。突起8,9は、保持器3の板厚の全体
に設けられている。これら複数の突起8,9のうち、保
持器内周部分3aの突起8は、保持器片面側(図1
(B)の下面側)の部分が他の部分よりも突出したころ
止め爪11に形成され、保持器外周部分3bの突起9は
残り片面側(図1(B)の上面側)の部分が他の部分よ
りも突出したころ止め爪12に形成されている。これに
より、突起8,9の全体の断面形状は、ころ止め爪1
1,12の先端面および、ころ止め爪11,12の非形
成部が平坦面となり、両平坦面の間がテーパ面となる形
状となっている。突起8,9のころ止め爪11,12の
先端を除く表面部分は、整形処理されたころ案内面8
a,9aとされている。これらころ止め爪11,12の
形成、およびころ案内面8a,9aの整形処理は、突起
8,9をしごき加工することにより行われている。各ポ
ケット7内のころ4の保持は、表裏各一対のころ止め爪
11,12と、ポケット両端面の合計6か所で行われ
る。
【0016】図3(A)は、ころ止め爪11,12の形
成方法の一例を示す。同図に示すように、爪出し前の保
持器素材Wとして、平板状素材を円環状に打ち抜き、S
字状断面に成形し、突起8,9が残った状態にポケット
7を打ち抜いたものを準備する。このときの突起8,9
は、板厚方向の全体が同じ高さのものである。ただし打
ち抜き加工に伴う剪断面a(図3(B))と破断面bと
の差は生じている。この保持器素材Wの柱部10に対し
て、下方および上方から爪出し治具14,15を押し込
み、各突起8,9の表面のしごき加工を行う。同図の下
側の爪出し治具14は、内径部分側の突起8の加工用で
あり、同図の上側の爪出し治具15は、外径部分側の突
起9の加工用である。各爪出し治具14,15は、加締
め腕16,17の対向する面にしごき溝18を設けたも
のである。しごき溝18は、一端が加締め腕16,17
の先端面に開口し、他端が傾斜面状の成形面18aとさ
れている。しごき溝18の幅寸法は、各突起8,9の幅
寸法と略同じ大きさとされ、また加締め腕16,16
間、および加締め腕17,17間の距離は、突起8,9
の形成部分における柱部10の最小幅寸法と同等かそれ
より小さくなるように設定される。このような爪出し治
具14,15を用いてしごき加工することにより、しご
き溝18の内面形状に沿う形状に突起8,9が成形さ
れ、ころ止め爪11,12が形成されると同時に、突起
8,9の表面が高精度な寸法精度を持つ平坦面に整形さ
れる。すなわち、素材Wの状態では、突起8,9の先端
面やポケット側面7aは、打ち抜き加工のために、同図
(B)に示すように、ポケット深さ方向におけるポンチ
進入側が剪断面aとなり、ポンチ突き抜け側が破断面b
となって、破断面bが先端面aよりも引っ込んだ状態と
なる。このような剪断面aと破断面bとによる凹凸が、
しごき加工に伴って整形される。
【0017】この構成のスラストころ軸受によると、保
持器3として、ポケット側面に突起8,9を形成し、こ
れら突起8,9の一部にころ止め爪11,12を形成す
るころ保持形式を採用したため、図7,図8に示すよう
な従来のW形保持器に比べて、十分に厚い素材板厚が使
用可能になる。例えば、同図のようなS字状断面形状の
保持器3の場合、従来の2倍程度の素材板厚が使用可能
になる。これにより、前記の自動車用トランスミッショ
ンに使用した場合に生じる間欠荷重下で発生する保持器
柱部10の応力を大幅に(例えば1/3程度に)軽減す
ることが可能である。一例として、ころ4の直径が2mm
の場合を例にとれば、従来のW形保持器の板厚は0.4
〜0.5mmであるが、この実施形態の保持器3では、
0.8mm程度の板厚で設計・製作が可能である。また、
各突起8,9の表面をころ4の案内面としたが、各突起
8,9の表面はしごき加工によって高精度な幅寸法を持
つ平滑面に形成されているため、プレス加工に伴う粗い
破断面を含むポケット側面7aの全体でころを案内する
従来構造に比べて、ころ4の案内精度を大きく向上させ
ることができる。これにより、ころ4の保持器3に対す
る浮き・沈み量の管理も容易に行うことができ、保持器
4を外輪案内や内輪案内とせずに、ころ4で案内する形
式とできる。このように、突起8,9にしごき加工で形
成されたころ止め爪11,12を採用するため、ころ案
内面の油膜切れを防止し、ピーリングの原因を除去する
こともできる。
【0018】さらに、この保持器3は、従来のW形保持
器と比較して簡素な断面形状であって、成形が容易なた
め、プレス工程数の削減が可能である。また、この実施
形態では、保持器3の内周部分3aおよび外周部分3b
が、各軌道輪1,2の鍔部1b,2bの形成側部分に対
して軸方向に近づくものとしてあるため、ころ止め爪
5,6を設けながら、鍔部1b,2bの先端は、両軌道
輪1,2のころ4の軌道面よりも低い高さとなってい
る。このため、これらの鍔部1b,2bとこれに対面す
る軌道輪1,2との間の隙間でd1,d2が大きくな
り、軸受内部への潤滑経路が確保される。このため、軸
受に常に潤滑油が振りかかるような形態で使用する場合
に、効果的な潤滑が行える。
【0019】図4は、この発明の他の実施形態を示す。
この実施形態は、図1の実施形態において、保持器3の
内周部分3aおよび外周部分3bが、各軌道輪1,2の
鍔部1b,2bの形成側部分に対して軸方向に遠ざかる
ようにしたものである。これに伴い、各軌道輪1,2の
鍔部1b,2bは、両軌道輪1,2のころ3の案内面よ
りも高い高さとなっている。このため、これらの鍔部1
b,2bとこれに対面する軌道輪1,2との間の隙間で
d1,d2が小さくなり、軸受内部にグリースを充填し
た場合に、グリースが外部に漏れ難く、潤滑寿命が長く
なる。この実施形態におけるその他の構成,効果は、図
1,図2に示した実施形態と同じである。
【0020】図5は、この発明のさらに他の実施形態を
示す。この実施形態は、図1の実施形態において、保持
器3を、径方向の中間部分3dが一側へ突出する断面形
状としたものである。中間部分3dの断面形状は、台形
溝形としてある。ポケット7の側面に設ける突起8,9
は、各ポケット側面につき、前記の突出した中間部分3
dと、この中間部分3dに対する両側部分3eとの3か
所ずつに設けられる。中間部分3dの突起8にはこの中
間部分3dの突出する保持器表面(図の下面)側のころ
止め爪11が設けられ、両側の突起9には反対側(図の
上面側)のころ止め爪12が設けられる。この構成の場
合、ころ3は、表裏6個所のころ止め爪11,12で保
持される。このため、ころ長さ/ころ径の比が大きい場
合であっても、ころ3をころ止め爪11,12で安定し
て支持することができる。
【0021】図6は、この発明のさらに他の実施形態を
示す。この実施形態は、図1の実施形態において、保持
器3の全体を平板状としたものである。ポケット側面の
突起8,9は、各ポケット側面につき、保持器半径方向
の中間部と両側部との3か所ずつに設ける。中間部の突
起8には保持器下面側のころ止め爪11を形成し、両側
部の突起9には保持器上面側のころ止め爪12を形成す
る。この構成の場合も、ころ3は、表裏6個所のころ止
め爪11,12で保持される。この構成の場合、保持器
3が平板状であるため、更に厚肉設計が可能である。ま
た、保持器3が平板状であるため、ころ長さ/ころ径の
比が大きい場合に効果的である。これら図5,図6の実
施形態におけるその他の他の構成,効果は、図1,図2
に示した実施形態と同じである。
【0022】なお、前記各実施形態では、保持器3が鋼
板のプレス成形品である場合につき説明したが、保持器
3は合成樹脂製のものであっても良い。
【0023】
【発明の効果】この発明のスラストころ軸受およびその
保持器は、保持器の各ポケット側面に突起を設け、この
突起にころ止め爪を形成すると共に、各突起の表面をこ
ろの案内面としたものであるため、保持器の厚肉化が可
能で、保持器強度の向上が図れ、保持器の製作も容易な
ものとなる。また、このような高精度な突起およびころ
止め爪を採用することにより、ころ案内面の油膜切れが
防止され、ピーリングの原因を除去することができる。
両軌道輪に鍔部および保持器係合爪を設けて両軌道輪と
保持器とを互いに分離不能な三位一体のものとし、保持
器に間欠的なラジアル荷重が作用する形態で使用する場
合にも、前記のように保持器の厚肉化が可能なことか
ら、強度確保が図れる。保持器をS字状の断面形状のも
のとし、その内周側部分および外周側部分が、各軌道輪
の鍔部形成側部分に対して軸方向に近づくものとした場
合は、軸受内部への潤滑油流れ経路が確保される。保持
器をS字状の断面形状のものとし、その内周側部分およ
び外周側部分が、各軌道輪の鍔部形成側部分に対して軸
方向に遠ざかるものとした場合は、軸受内部空間に充填
されたグリースが外部に漏れ難い。また、保持器を鋼板
のプレス整形品とする場合に、従来の薄板をW形等に成
形した保持器に比べて、保持器の形状が簡単で成形が容
易であるため、プレス工程数の削減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの発明の一実施形態にかかるスラス
トころ軸受の部分断面図、(B)はその保持器の部分斜
視図である。
【図2】(A)は同保持器の部分平面図、(B)は同保
持器ところとの関係を示す部分断面である。
【図3】(A)は同保持器のころ止め爪の成形過程を示
す斜視図、(B)はその爪出し加工前の素材の部分断面
図である。
【図4】この発明の他の実施形態にかかるスラストころ
軸受の部分断面図である。
【図5】この発明のさらに他の実施形態にかかるスラス
トころ軸受の保持器ところの関係を示す部分断面図であ
る。
【図6】この発明のさらに他の実施形態にかかるスラス
トころ軸受の保持器ところの関係を示す部分断面図であ
る。
【図7】(A)は従来のスラストころ軸受の部分断面
図、(B)は同図(A)のB−B線断面図、(C)はそ
の保持器の部分平面図である。
【図8】同保持器の部分斜視図である。
【符号の説明】
1,2…軌道輪 1a,2a…鍔部 3…保持器 3A…円環状部材 3a,3b…平板状部分 3c…中間部分 4…ころ 5,6…保持器係合爪 7…ポケット 8,9…突起 8a,9a…ころ案内面 11,12…ころ止め爪

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軌道輪、ころ、および保持器を有し、板
    状で円環状の保持器に形成された円周方向複数個所のポ
    ケット内にころを収容したスラストころ軸受において、
    前記各ポケットの保持器円周方向の両側のポケット側面
    に各々複数の突起を設け、前記各ポケット側面の複数の
    突起のうち、一部の突起に保持器片面側のころ止め爪を
    形成し、残りの突起に他の片面側のころ止め爪を形成
    し、前記各突起の表面をころの案内面としたスラストこ
    ろ軸受。
  2. 【請求項2】 対面する一対の軌道輪の間に、保持器に
    保持されたころが介在し、一方の軌道輪は、円環状の板
    状部の内周縁に円筒状の鍔部が軌道輪対面側へ延び、他
    方の軌道輪は、円環状の板状部の外周縁に円筒状の鍔部
    が軌道輪対面側へ延び、両軌道輪の前記各鍔部は、これ
    ら軌道輪間の軸方向間隔が開いた状態で保持器に軸方向
    に係合する保持器係合爪を有し、一対の軌道輪と保持器
    とが、前記保持器係合爪の係合により分離阻止状態に三
    位一体とされた請求項1記載のスラストころ軸受。
  3. 【請求項3】 前記保持器は、内周部分および外周部分
    が互いに軸方向に位置ずれした平板状とされ中間部分が
    傾斜板ないし湾曲板状とされたS字状断面のものであ
    り、この保持器は前記内周部分および外周部分が、各軌
    道輪の鍔部形成側部分に対して軸方向に近づくものとし
    た請求項2記載のスラストころ軸受。
  4. 【請求項4】 前記保持器は、内周部分および外周部分
    が互いに軸方向に位置ずれした平板状とされ中間部分が
    傾斜板ないし湾曲板状とされたS字状断面のものであ
    り、この保持器は前記内周部分および外周部分が、各軌
    道輪の鍔部形成側部分に対して軸方向に遠ざかるものと
    した請求項2記載のスラストころ軸受。
  5. 【請求項5】 前記保持器は、径方向の中間部分が一側
    へ突出する断面形状のものであり、前記ポケット側面の
    突起は、各ポケット側面につき、前記の突出した中間部
    分と、この中間部分に対する両側との3か所ずつに設
    け、前記中間部分の突起にはこの中間部分の突出する保
    持器表面側のころ止め爪を設け、両側の突起には中間部
    分の凹む保持器表面側のころ止め爪を設けた請求項1ま
    たは請求項2記載のスラストころ軸受。
  6. 【請求項6】 保持器の全体を平板状とし、前記ポケッ
    ト側面の突起は、各ポケット側面につき、保持器半径方
    向の中間部と両側部との3か所ずつに設け、前記中間部
    の突起に保持器片面側のころ止め爪を形成し、両側部の
    突起に他の片面側のころ止め爪を形成した請求項1また
    は請求項2記載のスラストころ軸受。
  7. 【請求項7】 前記保持器は鋼板のプレス成形品であ
    り、前記ころ止め爪は、前記突起からしごき加工された
    ものである請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の
    スラストころ軸受。
  8. 【請求項8】 板状の円環状部材の円周方向複数個所
    に、ころを収容するポケットを設け、各ポケットの保持
    器円周方向の両側のポケット側面に各々複数の突起を設
    け、前記各ポケット側面の複数の突起のうち、一部の突
    起に保持器片面側のころ止め爪を形成し、残りの突起に
    他の片面側のころ止め爪を形成し、前記各突起の表面を
    ころの案内面としたスラストころ軸受用保持器。
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