JPH11339933A - 膨張黒鉛系面状発熱体およびその製造方法 - Google Patents

膨張黒鉛系面状発熱体およびその製造方法

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JPH11339933A
JPH11339933A JP16139498A JP16139498A JPH11339933A JP H11339933 A JPH11339933 A JP H11339933A JP 16139498 A JP16139498 A JP 16139498A JP 16139498 A JP16139498 A JP 16139498A JP H11339933 A JPH11339933 A JP H11339933A
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Japan
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expanded graphite
heating element
present
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binder
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JP16139498A
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English (en)
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Sachio Matsui
松井幸智男
Shinya Kawakami
川上▲しん▼也
Takeshi Hirohata
健 広畑
Sadataka Tamura
田村貞隆
Taichi Nishiura
西浦太一
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NIPPON KARU KK
Osaka Municipal Government
eTec Co Ltd
Original Assignee
NIPPON KARU KK
Osaka Municipal Government
eTec Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来技術の問題点を解決乃至大幅に軽減するこ
とにより、軽量で、厚みおよび形状を任意にすることが
可能な膨張黒鉛系面状発熱体を得る技術を提供すること
を主な目的とする。さらに、本発明は従来の黒鉛板に比
べてたわみ性が大きく、焼成収縮率が小さく、寸法安定
性に優れた膨張黒鉛系面状発熱体を製造しうる技術を提
供することをも目的とする。また本発明は温度分散性、
熱拡散効率に優れた膨張黒鉛系面状発熱体を得る技術を
提供することをも目的とする。さらにまた、本発明は、
膨張黒鉛系廃棄物を有効利用する技術を提供することを
も目的とする。 【解決手段】膨張黒鉛粉末および/または膨張黒鉛粉砕
物100部とバインダー0.5部以上とからなることを
特徴とする膨張黒鉛系組成物から成形した成形体および
それを焼成した焼成体からなる面状発熱体ならびにその
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は床、壁、パネル等の各種
暖房用の発熱体およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】 床および/または壁暖房用発熱体とし
て、従来はガス等で湯を沸かしこれをパイプで循環させ
る方法が公知および公用である。しかしながらこの方法
では湯を沸かすため熱効率の点で問題があり、加えて湯
を循環させるための新たなエネルギーが必要になり、経
済的に高価なものとなっている。
【0003】電気的発熱体を用いたものとしてはニクロ
ム線が最も一般的であるが、長期間の使用で断線は避け
られない。
【0004】軽くて適度の電気的抵抗値を持つ炭素繊維
は電気的発熱体として優れているが、通電時に各モノフ
ィラメント間に電位差、熱勾配および静電気が生じケバ
立ちや断線の原因となっている。
【0005】このような線状発熱体を絶縁性パネルに張
り付け通電して面状発熱体として使用している。この場
合の面状発熱体は加熱部分が線の部分に集中するため熱
拡散の点で問題がある。すなわち、線に近い部分のみが
高温となる。このため熱拡散効率を上げるため種々工夫
がされているが、まだ満足する段階に至っていない。熱
拡散効率を向上させるため炭素板やニクロム板にスリッ
ト(切れ目)を入れて発熱板を作製して大面積化し、熱
拡散効率を上げる方法が考えられるが、これらの多くは
脆性材料で、重量も重く使い難いのが現状である。ま
た、ニクロム板の場合、電気抵抗値が低く、発熱体とし
て使用するためには距離を長くする必要があり、使用が
制限される。また、発熱体として使用される炭素板の多
くが黒鉛塊から切削加工して得るため大面積のものは作
製し難い。そのため黒鉛粒子をタール、ピッチ等の粘結
剤で練ってこれを成形焼成して炭素板を作製する方法が
あるが、この場合一次元方向の収縮率が約20%、体積
収縮率では50%ほどになり、寸法安定性が得られない
ため、二次加工が必要となり、経済的な面からもコスト
が高くなる等の問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
技術の問題点を解決乃至大幅に軽減するものであって、
面全体が発熱体のため集中加熱部分がなく広い面で一定
加熱が可能な技術を提供することを主な目的とする。
【0007】さらに本発明は熱拡散効率に優れた発熱体
を得る技術を提供することをも目的とする。
【0008】また、本発明は従来の黒鉛板と比べてフレ
キシブルで軽い発熱体の技術を提供することをも目的と
する。
【0009】さらにまた本発明は、従来の発熱体よりも
経済効率に優れた発熱体の技術を提供することをも目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の問題点
を解決するために炭素材料の中で軽量のものとして膨張
黒鉛粉末および/または粉砕物を使用することによりそ
の目的を達成し得ることを見出した。
【0011】従来の膨張黒鉛板の作製技術では厚さ1mm
以上のものは作製不可能である。1mm以下の従来の膨張
黒鉛板は強度が弱く、使用が限られる。1mm以上の厚み
を持たせるため本発明ではバインダーを用いるが、この
場合ミクロセル構造を有する膨張黒鉛の壁面に点接触す
る部分のみバインダーが存在するように混合物の約0.
5%(本稿明細書の以下の記載において「%」および
「部」とあるのは、それぞれ「重量%」および「重量
部」を意味する。)以上のバインダーを用いて成形す
る。(このようにして作製したものを以下の記載で成形
体または板状にしたものを成形板と称す。)
【0012】これを焼成すれば、焼成による収縮率が小
さく(例えばバインダー量10%における1000℃焼
成品の収縮率は0.42%)、寸法精度の高い炭素ー炭
素複合材が得られる。(このようにして作製したものを
以下の記載で焼成体または焼成板と称す。)これら成形
体および/または焼成体にスリットを入れることによ
り、電気の流れる経路を変化させ、その方向性を決め
る。すなわちスリットの入れ方で電気抵抗値を変化させ
るものである。
【0013】発明者のこの様な少量のバインダーでも膨
張黒鉛板を任意の形状に成形でき、かつ焼成後の収縮率
の非常に小さな炭素ー炭素複合材から発熱体を作製する
ことは、従来技術である切削加工法により炭素発熱体を
作製する方法からは到底予測しがたいことである。
【0014】すなわち本発明は下記の膨張黒鉛系の組成
物からの成形体およびこれを焼成した焼成体から面状発
熱体およびそれらの製造方法を提供するものである; 1.膨張黒鉛粉末および/または膨張黒鉛粉砕物100
重量部とバインダー0.5重量部以上とからなることを
特徴とする膨張黒鉛系組成物よりなる面状発熱体。 2.膨張黒鉛粉末および/または膨張黒鉛粉砕物100
重量部とバインダー0.5重量部以上とからなることを
特徴とする膨張黒鉛系面状発熱体。 3.膨張黒鉛粉末および/または膨張黒鉛粉砕物100
重量部とバインダー0.5重量部以上とを均一に混合し
た後 、この混合物を成形して得ることを特徴とする請
求項2に記載の膨張黒鉛系面状発熱体の製造方法。 4.膨張黒鉛粉末および/または膨張黒鉛粉砕物100
重量部とバインダー0.5重量部以上とからなることを
特徴とする膨張黒鉛系成形体を焼成して得られる膨張黒
鉛系面状発熱体。 5.膨張黒鉛粉末および/または膨張黒鉛粉砕物100
重量部とバインダー0.5重量部以上とを均一に混合し
た後 、この混合物を成形し、焼成することを特徴とす
る請求項4に記載の膨張黒鉛系面状発熱体の製造方法。 6.請求項2または請求項4に記載の膨張黒鉛系発熱体
とからなることを特徴とする壁暖房用発熱体 7.請求項2または請求項4に記載の膨張黒鉛系発熱体
とからなることを特徴とする壁暖房用発熱体の製造方
法。 8.請求項2または請求項4に記載の膨張黒鉛系発熱体
とからなることを特徴とする床暖房用発熱体 9.請求項2または請求項4に記載の膨張黒鉛系発熱体
とからなることを特徴とする床暖房用発熱体の製造方
法。 10.請求項2または請求項4に記載の膨張黒鉛系発熱
体とからなることを特徴とするパネル暖房用発熱体 11.請求項2または請求項4に記載の膨張黒鉛系発熱
体とからなることを特徴とするパネル暖房用発熱体の製
造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明においては、膨張黒鉛粉末
および/または膨張黒鉛粉砕物100部に対し、バイン
ダーとしてタール、ピッチ、芳香環を主体とする分子構
造を持つ樹脂類などを0.5〜20部を加え、均一に混
合分散させて成形用組成物を得る。
【0016】本発明においては、膨張黒鉛として、天然
黒鉛、キッシュ黒鉛、鱗状黒鉛、人造黒鉛など結晶構造
の発達した黒鉛の層間に濃硫酸、濃硝酸などにより処理
して黒鉛層間化合物を合成し、これを水洗し、加熱して
製造する公知の技術により得られた膨張黒鉛のみなら
ず、例えば自動車用エンジンガスケット製造時に出てく
る膨張黒鉛系廃棄物を精製したものを使用することもで
きる。本明細書において、膨張黒鉛とは、これらの材料
の少なくとも1種および/またはこれらを組み合わせて
使用することを意味する。
【0017】本発明で使用する膨張黒鉛の性状は特に限
定されるものでなく、通常嵩密度0.004〜0.30
g/cm3程度であり、嵩密度が大きく、粒度が小さい
ほど、できた膨張黒鉛板の密度が高いものが得られる。
また逆に嵩密度が小さく、粒度が大きいほど、できた膨
張黒鉛板の密度が小さく軽量のものが得られる
【0018】本発明で用いるバインダーとしては、特に
限定されるものではないが、例えば、各種合成樹脂類
(例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹
脂等)、天然樹脂類(例えば松ヤニ等)、石炭・石油系
ピッチ、タールなどが例示され、焼成後に残炭率が高い
ものが望ましい。
【0019】バインダーとしては粉末状、液状、どちら
でも使用することができる。バインダーは膨張黒鉛に均
一に混合分散し、得られた組成物の成形時に加熱・加圧
下に良好な流動性を示すことが望ましい。また用いるバ
インダーを有機溶媒に溶解または希釈若しくは分散させ
た状態で、膨張黒鉛中に分散混合することも可能であ
る。このような使用方法は均一混合が促進されるととも
に両者のなじみも良くなる。
【0020】本発明による膨張黒鉛組成物からなる発熱
体は上記の膨張黒鉛成形用組成物を所定の温度および圧
力で成形および/またはこれを焼成することにより、製
造される。(本明細書で発熱体と称呼する場合は膨張黒
鉛成形体またはこれを焼成した焼成体を示す。)成形条
件としては組成物中の膨張黒鉛とバインダーの性状、配
合割合、配合状態、発熱体の具体的用途などにより変わ
りるので特に限定するものではないが、通常温度80〜
200℃程度、より好ましくは140〜170℃、圧力
2〜20MPa程度、より好ましくは8〜15MPa程
度である。
【0021】本発明による膨張黒鉛系面状発熱体は特に
限定するわけではないが、発熱体表面温度が250℃以
下ならば特に膨張黒鉛成形体を焼成しなくてもそのまま
で使用できる。発熱体表面温度が250℃以上では焼成
したものを用いる方が好ましく、使用温度以上に予め熱
処理若しくは焼成するのが望ましい。
【0022】本発明による膨張黒鉛組成物からなる発熱
体は、電気の流れる経路として成形後にスリットを入れ
ても良いし、成形時にスリットの入った形に成形するこ
ともできる。
【0023】本発明による膨張黒鉛成形物からなる発熱
体の比抵抗は室温下で、バインダー量0.5〜20%で
は2.84〜4.14×10-5Ωmであり、これを非酸
化雰囲気下で1000℃まで焼成したものは0.9〜
1.1×10-5Ωmとなる。
【0024】一般に発熱体として用いられているニクロ
ムの比抵抗は0.95〜1×10-6Ωmであり、本発明
による膨張黒鉛成形体およびその焼成体は製法にもよる
が、ニクロムの約10〜50倍の比抵抗を有する。
【0025】本発明による膨張黒鉛板から面状発熱体を
作製する場合は、スリットの入れ方および板の厚みによ
り抵抗値を変化させることが可能である。すなわち、小
型で抵抗値の高い面状発熱体を得る場合はスリット間の
幅を細く、電流の流れる経路を長く、板の厚みを薄くす
れば良い。逆に大型の抵抗値の低い面状発熱体を得る場
合はスリット間の幅を広く、電流の流れる経路を短く、
板の厚みを厚くする。
【0026】本発明による膨張黒鉛系面状発熱体から壁
用発熱体を設計する場合は、膨張黒鉛板を多数使用する
ので、各膨張黒鉛板を電気回路的に直列に使用するとき
はスリットの数を少なくし、総抵抗値を所定の値にす
る。各膨張黒鉛板を電気回路的に並列に使用する場合は
一枚あたりの膨張黒鉛板のスリットの数を加減して所定
の抵抗値にすればよい。床用およびパネル用発熱体も同
様な考え方で設計できる。またこの場合、膨張黒鉛系発
熱体の片面に断熱材若しくは反射板等を使用することに
より暖房および経済的効率を向上させることができる。
【0027】本発明による膨張黒鉛系面状発熱体はその
ままでも使用可能であるが、特に限定するわけではない
が、耐熱性の布(例えばガラス繊維製の布)の袋に入れ
たり、耐熱性のフィルムで被覆することも可能である。
また、低温使用の発熱体の場合、例えば発熱体表面温度
200℃以下で使用するときは、成形樹脂中にインサー
トした発熱体もできる。これら発熱体のスリット間にほ
こり等で電気回路が短絡する場合は、スリット間に耐熱
性の絶縁物をはさむことにより、短絡を防止できる。
【0028】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明らかにする。 実施例1 膨張黒鉛粉砕物(18メッシュアンダー)100部に対
し、200メッシュアンダーのノボラックタイプのフェ
ノール樹脂(フロー30mm、ゲルタイム55秒、オル
ト/パラ配向比=55/45)1部を加え、均一に混合
して膨張黒鉛組成物を得た。
【0029】次いで得られた膨張黒鉛組成物をホットプ
レスを用いて、160℃、10MPaで2分間成形した
後、成形体の嵩密度および真密度から全気孔率を計算し
た。また上記の成形体として400mm×300mm×
2mm板を作製し(以下膨張黒鉛成形板と称す。)40
0mm側を横とし、300mm側を縦とし、膨張黒鉛成
形板の幅が10mmとなるように、長さ290mm、幅
3mmのスリットを縦に上下交互に入れた。このように
スリットを入れた膨張黒鉛成形板の端に銅製電極を挟み
込み、電極とした。この電極に温度コントローラー(フ
ルテック社製FTー1000)をつなぎ、膨張黒鉛成形
板からなる発熱体中央部を赤外線熱電対で測定しながら
所定の温度に保持した。このときの当該発熱体表面の全
体部分の温度分散はサーモビュー(日本電気三栄社製:
6T62,測定温度:−40〜2000℃,センサー:
Hg,Cd,Teタイプ, 波長:8〜13μm)で温
度のばらつきを観察した。また、当該発熱体のみかけの
電気抵抗値はテスターで測定した。
【0030】曲げ試験は、20mm×10mm×4mm
の試験片を調製し、曲げスパン10mm、試験速度2m
m/minで行った。本実施例および以下の実施例なら
びに比較例により得られた結果を後の表1および表2に
示す。
【0031】実施例2 ノボラックタイプのフェノール樹脂の使用量を3部とす
る以外は実施例1と同様にして組成物の調製と各種の試
験を行った。
【0032】実施例3 ノボラックタイプのフェノール樹脂の使用量を5部とす
る以外は実施例1と同様にして組成物の調製と各種の試
験を行った。
【0033】実施例4 ノボラックタイプのフェノール樹脂の使用量を7部とす
る以外は実施例1と同様にして組成物の調製と各種の試
験を行った。
【0034】実施例5 ノボラックタイプのフェノール樹脂の使用量を10部と
する以外は実施例1と同様にして組成物の調製と各種の
試験を行った。
【0035】実施例6 実施例1と同様にして得られた成形体をアルゴンガス雰
囲気下で、室温から1000℃まで24時間かけて焼成
し、焼成体を得た。得られた焼成体について、実施例1
と同様にして各種の試験を行った。
【0036】実施例7 実施例2と同様にして得られた成形体を用いる以外は実
施例6と同様にして焼成し、各種の試験を行った。
【0037】実施例8 実施例3と同様にして得られた成形体を用いる以外は実
施例6と同様にして焼成し、各種の試験を行った。
【0038】実施例9 実施例4と同様にして得られた成形体を用いる以外は実
施例6と同様にして焼成し、各種の試験を行った。
【0039】実施例10 実施例5と同様にして得られた成形体を用いる以外は実
施例6と同様にして焼成し、各種の試験を行った。
【0040】実施例11 実施例5と同じ組成の膨張黒鉛成形板1035mm×1
035mm×2mmを作製し、膨張黒鉛成形板の幅が1
25mmとなるように、長さ910mm、幅5mmのス
リットを上下交互に入れ、この板を8枚用意した。厚さ
8mmのベニア板で囲った縦横3m×3m、高さ2mの
部屋を準備し、2枚を一組とした膨張黒鉛成形板を一つ
の壁の内側中心に固定し、四面の壁に同様にして合計8
枚のスリットを入れた膨張黒鉛成形板を並べた。それぞ
れスリットを入れた膨張黒鉛成形板の端を銅製電極で挟
み込み電気的に直列に接続した。温度コントローラー
(フルテック社製FT−1000)および電源を接続
し、一つの壁面のスリットを入れた膨張黒鉛成形板(膨
張黒鉛発熱体)の中央部を赤外線熱電対で測定し、1分
間に1℃の昇温速度で60℃まで上昇させてこの温度を
保持させた。部屋の床の中央部1m正方形の角部4ケ所
と部屋の天井の中央部1m正方形の角部4ケ所にベニア
板に100mm垂直となるようにK熱電対を取り付け、
最初に40℃になったときに、他の3ヶ所の温度の中で
最も低温の部分の40℃に対する温度差を床部と天井部
でそれぞれ測定した。なおこの時の最初の室温は15℃
であった。
【0041】実施例12 実施例11と同じ部屋および膨張黒鉛成形板の発熱体を
作製し、床に4枚、互いに接触しないようにガラス布で
絶縁させて床の中央部に敷き詰めた。実施例11と同様
に電気的に直列に接続し、温度コントローラーをつない
だ。この上に厚さ4mmのベニア板を敷いた。赤外線熱
電対は発熱体中央部分を4mmのベニア板の上から測定
し、この表面温度を60℃に保持した。実施例11と同
様に部屋の床の中央部1m正方形の角部4ケ所にK熱電
対を垂直に100mmになるよう取り付け、最初に40
℃になったときに、他の3点部分の温度の中で最も低温
の部分の40℃に対する温度差を測定した。他の条件は
実施例11と同様にして行った。
【0042】実施例13 実施例10と同じ組成の膨張黒鉛焼成板400mm×3
00mm×2mmを作製し、400mm側を横とし、3
00mm側を縦とし、膨張黒鉛焼成板の幅が20mmと
なるように、長さ280mm、幅5mmのスリットを縦
に上下交互に入れて発熱体とした。実施例1と同様に温
度コントローラーおよび赤外線熱電対をつなぎ、この発
熱体中央部を400℃に保った。このパネル発熱体から
500mm離れた場所に500mm×500mm×10
mmのカオウール板を両者平行に立て、その4端にK熱
電対を取り付け、最初に100℃になったときに他の3
端の中で最も低温部分の100℃に対する温度差を測定
した。
【0043】比較例1 直径約1mmのニクロム線を実施例1〜10の見かけの
電気抵抗値に近くなるよう約12mを400mm×30
0mm×1mmの雲母板に30cmの長さで、40列に
蛇行した形で貼り付け、列の間隔を1cmにし、実施例
1と同様にして温度コントローラーをつなぎ、赤外線熱
電対は板の中央部のニクロム部分を測定して所定の温度
に達したときの面全体の温度のバラツキを調べ最大温度
差として計算した。
【0044】比較例2 1035mm×1035mm×2mmの雲母板に4mm
×2mm×1mmのニクロム板8mを125mm間隔に
して蛇行して貼り付けたものを面状発熱体とし実施例1
1と同様8枚用意して同様に評価した。ただし、表面温
度は赤外線熱電対を用い、測定個所として壁面中央部の
ニクロム板上の温度を測定した。
【0045】比較例3 比較例2で用いた雲母板面状発熱体を使う他は実施例1
2と同様に行った。
【0046】比較例4 直径約1mmのニクロム線を約6mを400mm×30
0mm×1mmの雲母板に30cmの長さで、20列に
蛇行した形で貼り付け、列の間隔を2cmにする他は実
施例13と同様に行った。
【0047】比較例5 平均粒径40μmの黒鉛粒子50部を顆粒状コールター
ルピツチ50部とよく混合した後、ニーダーを用いて2
00℃で混熱した。これを80℃のホットプレスを用い
て100mm×100mm×6mmに成形した。次いで
アルゴンガス雰囲気下で1000℃まで240時間かけ
て焼成した。これを実施例1と同様の条件となるよう試
験片を切削加工し曲げ試験を行った。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】注:表2中の実施例13および比較例4の
データはそれぞれ4点測定したとき、1点が100℃に
なったとき最低温度が87℃(実施例13)、68℃
(比較例4)であることを示している。
【0051】
【発明の効果】本発明による膨張黒鉛系面状発熱体は、
バインダーの量が少なくても成形が可能で、できた成形
体およびその焼成体は開気孔と閉気孔を多く含む多孔体
のため従来の炭素材料よりも軽量である。本発明による
膨張黒鉛系成形体を焼成した面状発熱体は、従来の炭素
材料よりも焼成収縮率が小さく寸法安定性に優れる。こ
のため二次加工がほとんど不要である。
【0052】本発明による膨張黒鉛の成形体および/ま
たは焼成体からなる面状発熱体は、従来の炭素材料のた
わみ率が1%以下に対し、5%以上あり、可とう性に優
れる。
【0053】従来のニクロム線のような線状発熱体を絶
縁板に貼り付けた面状発熱体では発熱体自身は非常に高
い温度になり、発熱体以外の部分との温度差が大きく、
局部加熱となるが、本発明による膨張黒鉛系面状発熱体
では、面全体が発熱体であるため、温度分散性に優れ、
従来品よりも低温で十分な暖房効率が得られる。本発明
による膨張黒鉛系面状発熱体では、これと接する木板等
の有機物の板に対して150℃以下では焦げ目が着かな
いが、従来のニクロム線のような線状発熱体からなる面
状発熱体では面全体が60℃以下でも、これと接する木
板等の有機物の板に対して焦げ目が観察された。
【0054】以上を要約すれば、本発明で得られる膨張
黒鉛系面状発熱体は、従来のニクロム線や炭素繊維のよ
うな線状発熱体を絶縁板に貼り付けて面状発熱体とした
ものに比べて、熱拡散効率が高く、局部加熱を伴わない
ので火災等の危険が少なく、従来品よりも低温で十分な
体感温度を持つ暖房化が可能となる。
フロントページの続き (72)発明者 川上▲しん▼也 大阪府大阪市平野区平野本町3丁目3番32 号 日本カル株式会社内 (72)発明者 広畑 健 大阪府河内長野市美加の台1−35−3 (72)発明者 田村貞隆 大阪府豊中市南桜塚3ー6ー13ー305 (72)発明者 西浦太一 大阪府大阪市平野区平野本町3丁目3番32 号 日本カル株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項 1】膨張黒鉛粉末および/または膨張黒鉛粉
    砕物100重量部とバインダー0.5重量部以上とから
    なることを特徴とする膨張黒鉛系組成物よりなる面状発
    熱体。
  2. 【請求項 2】膨張黒鉛粉末および/または膨張黒鉛粉
    砕物100重量部とバインダー0.5重量部以上とから
    なることを特徴とする膨張黒鉛系面状発熱体。
  3. 【請求項 3】膨張黒鉛粉末および/または膨張黒鉛粉
    砕物100重量部とバインダー0.5重量部以上とを均
    一に混合した後 、この混合物を成形して得ることを特
    徴とする請求項2に記載の膨張黒鉛系面状発熱体の製造
    方法。
  4. 【請求項 4】膨張黒鉛粉末および/または膨張黒鉛粉
    砕物100重量部とバインダー0.5重量部以上とから
    なることを特徴とする膨張黒鉛系成形体を焼成して得ら
    れる膨張黒鉛系面状発熱体。
  5. 【請求項 5】膨張黒鉛粉末および/または膨張黒鉛粉
    砕物100重量部とバインダー0.5重量部以上とを均
    一に混合した後 、この混合物を成形し、焼成すること
    を特徴とする請求項4に記載の膨張黒鉛系面状発熱体の
    製造方法。
  6. 【請求項 6】請求項2または請求項4に記載の膨張黒
    鉛系発熱体とからなることを特徴とする壁暖房用発熱体
  7. 【請求項 7】請求項2または請求項4に記載の膨張黒
    鉛系発熱体とからなることを特徴とする壁暖房用発熱体
    の製造方法。
  8. 【請求項 8】請求項2または請求項4に記載の膨張黒
    鉛系発熱体とからなることを特徴とする床暖房用発熱体
  9. 【請求項 9】請求項2または請求項4に記載の膨張黒
    鉛系発熱体とからなることを特徴とする床暖房用発熱体
    の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項2または請求項4に記載の膨張黒
    鉛系発熱体とからなることを特徴とするパネル暖房用発
    熱体
  11. 【請求項11】請求項2または請求項4に記載の膨張黒
    鉛系発熱体とからなることを特徴とするパネル暖房用発
    熱体の製造方法。
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