JPH11340486A - pn接合及び反応生成物の形成方法 - Google Patents

pn接合及び反応生成物の形成方法

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JPH11340486A
JPH11340486A JP10143611A JP14361198A JPH11340486A JP H11340486 A JPH11340486 A JP H11340486A JP 10143611 A JP10143611 A JP 10143611A JP 14361198 A JP14361198 A JP 14361198A JP H11340486 A JPH11340486 A JP H11340486A
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JP
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phosphorus
reaction product
junction
film
titanium
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JP10143611A
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English (en)
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Koichi Ui
幸一 宇井
Hiroaki Nakaya
浩明 中弥
Toru Nunoi
徹 布居
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 太陽電池の受光面に形成される反射防止膜の
形成方法を改善することにより、工程数が少なくかつモ
ジュール化に適した太陽電池を実現する。 【解決手段】 p型の導電型を有する結晶系シリコン基
板を加熱し基板上に、酸素と、ガス状態のチタン化合物
と、ガス状態のリン化合物とを供給して、これらを酸化
分解することにより反応生成物を得、反応生成物を不活
性ガス中で熱処理して、n層及び反射防止膜を形成、ガ
ス状態のチタン化合物と、ガス状態のリン化合物との供
給量比を変えることにより、リン/チタンの組成比0.
1〜1.5のリン含有酸化チタンからなる反応生成物を
得、結晶系シリコン太陽電池のpn接合と反射防止膜を
同時に形成できシリコン基板側のn層のシート抵抗値が
100Ω/□以下、反射防止膜の屈折率2.2〜2.7
となり、モジュール化に適した太陽電池用の反射防止膜
を提供することが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶系シリコン太
陽電池のpn接合及び反応生成物の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】結晶系シリコン太陽電池のpn接合形成
ならびに反射防止膜の形成方法としては図3に示すプロ
セスが知られている。約800〜1100℃に加熱した
石英チューブ内に表面にテクスチャ構造を形成したp型
結晶系シリコン基板を入れる。この石英チューブ内にバ
ブラー容器に入れたPOCl3等の液体不純物源をN2
どのキャリアガスにより導入する。これにより、上記基
板両表面に拡散源としてリン酸化物層が形成される。同
時に、このリン酸化物層から上記基板中にリンが拡散さ
れてpn接合が形成される(S102)。
【0003】この拡散工程後、上記基板表面には吸湿性
を有するリンを主成分とする酸化膜が残存するので、H
Fを用いて除去する(S103)。その後、さらに表面
反射を減らすために、上記基板表面側部分に反射防止膜
を形成する(S104)。このときの反射防止膜として
は、常圧CVD(化学気相蒸着)法を用いて形成される
TiO2膜、あるいはプラズマCVD法を用いて形成さ
れるSiNx膜等が用いられている。
【0004】例えば、常圧CVD法によりTiO2膜を
形成する場合、チタンアルコキシドや水を各々に入れた
バブラーにN2等のキャリアガスを送り込む。これらの
キャリアガスにより各原料を基板表面に運び、基板表面
で加水分解反応を生じさせてTiO2膜を堆積させる。
なお、上記反射防止膜を形成することができる常圧CV
D装置として、ワトキンス−ジョンソン社(Watkins-Jo
hnson Co.)あるいはBTUインターナショナル社(BTU
International)製の連続式常圧CVD装置が実用化さ
れている。
【0005】また、上述のpn接合形成時に使用するP
OCl3を拡散することに代えて、図4に示すようにP
SG(Phosphosilcate Glass,SiO2にリンなどをド
ーピングしたもの。)を堆積し、これを拡散源とするプ
ロセスも知られている。先ず、p型結晶系シリコン基板
表面側部分にPSG膜を形成する(S202)。続い
て、約800〜1100℃に加熱することによりPSG
膜からリンが拡散されて、上記基板表面にpn接合が形
成される(S203)。なお、代表的なPSG膜形成方
法は以下の通りである。
【0006】・有機ケイ素化合物と有機溶剤とリン化合
物からなる塗布液を塗布する方法、 ・SiH4とPH3とO2またはN2Oを用いたCVD法、 ・SiH4と有機リン化合物とO2を用いたCVD法、 ・Si(OC254と有機リン化合物とO2を用いたC
VD法、 しかし、この拡散工程後、上記基板表面に残るPSG膜
は屈折率が約1.4〜1.5であるため反射防止膜とし
て適さない。そこで、このPSG膜をHFで除去した後
(S204)、基板表面にTiO2あるいはSiNxなど
の反射防止膜を形成する(S205)。
【0007】例えば特開昭54−76629号公報に示
すように、図3および図4に示した2つのプロセスを簡
略化したものとして、図5に示すような塗布液を用いて
pn接合ならびに反射防止膜を同時に形成するプロセス
が知られている。pあるいはn型結晶系シリコン基板表
面側部分に、基板とは導電型が異なるpn接合用ドーパ
ントを含む酸化チタン膜を形成する(S302)。続い
て、約800〜1100℃に加熱することにより、上記
基板表面にpn接合が形成されると同時に、pn接合用
ドーパントを含む酸化チタン膜からなる反射防止膜が形
成される(S303)。太陽電池の受光面が直接空気に
接している場合は、反射防止膜の最適屈折率は1.8〜
2.0となる。熱処理後のpn接合用ドーパントを含む
酸化チタン膜は吸湿性が小さく屈折率が約1.7〜2.
0である。
【0008】ゆえに、そのまま反射防止膜として用いる
ことができる。図5に示すプロセスに用いられる塗布液
は、テトライソプロポキシチタンのようなチタンアルコ
キシド、リンあるいはホウ素等のpn接合用ドーパント
用元素を含む化合物およびカルボン酸あるいはアルコー
ルから作られる。
【0009】pあるいはn型結晶系シリコン基板表面へ
の被覆は、回転塗布法、浸漬法あるいはスプレー法によ
り行われる。このような塗布液から形成される反射防止
膜の一例として、特開昭56−60075号公報に、膜
中のB23含有量を10重量%から50重量%まで変え
たときに反射防止膜の屈折率が約2.5から約2.0に
変化することや、B23含有量が30重量%以上であれ
ば同じ温度で熱処理した場合はキャリア濃度および接合
深さが飽和することが示されている。
【0010】さらに、特開平8−85874号公報で
は、上述の塗布法に代えて常圧CVD法を用いて、p型
結晶系シリコン基板表面にリンを含む酸化チタン膜を形
成するプロセスが見い出されている。この場合、チタン
アルコキシドや有機リン化合物を各々に入れたバブラー
にN2等のキャリアガスを送り込む。つまり、約200
〜450℃に加熱した上記基板表面側部分に、キャリア
ガスにより各原料を運び、基板表面で気相熱分解反応を
生じさせてリンを含む酸化チタン膜を堆積させる。続い
て、約800〜1000℃に加熱することにより、上記
基板表面にpn接合が形成されると同時に、リンを含む
酸化チタン膜からなる反射防止膜が形成される。
【0011】図2に成膜時の基板温度に対するシリコン
基板表面のシート抵抗と膜の屈折率を示す。この膜の屈
折率は約1.6〜2.0を示すので、太陽電池の受光面
が直接空気に接している場合はそのまま反射防止膜とし
て用いることができる。この後、図3〜5のプロセスと
同様に、裏面電極および受光面電極を形成する(S10
6、S107、S206、S207、S304、S30
5)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】太陽電池が高価格とな
る一つの原因は、図3および4に示すように製造工程数
が多く、作業効率が悪い等の欠点を有しているからであ
る。図3の方法では、基板両面に拡散が行われるので、
裏面に形成されるn層を拡散後に除去する必要がある。
図4の方法では、pn接合形成し、基板表面のPSG膜
を除去した後、反射防止膜を形成する必要がある。
【0013】これらの欠点を一挙に解決する手段とし
て、図5に示すpn接合用ドーパントを含む酸化チタン
膜を塗布液から形成するプロセスが見い出されている。
しかし、図6に示すように、基板表面に高低差数μm〜
数十μmの微細な凹凸を形成した結晶系シリコン基板1
に対しては、次のような問題が生じる。
【0014】回転塗布法、浸漬法により塗布液2を基板
に塗布した場合、基板表面の凹部1a上には塗布液が溜
まり厚くなる一方、凸部1b上では逆に薄くなる。スプ
レー法により塗布する場合と同様に、スプレー粒子の大
きさが数百μmであるため、基板表面の凹部1a上には
塗布液が溜まり厚くなる一方、凸部1b上では逆に薄く
なる。よって、上記塗布液から熱処理を経て形成される
反射防止膜の膜厚が不均一になる。
【0015】一般的に、太陽電池を取り巻く物質の屈折
率をn0(例えば、空気ではn0=1)、シリコンの屈折
率をns(3.5〜4.0程度)、反射防止膜の屈折率
をn、反射防止膜の厚さをd、入射光の波長をλとした
場合、n2= n0・nsおよび4nd=λなる条件式を
満たすように反射防止膜を形成することが望ましい。つ
まりこの場合に、波長λでの表面反射率を最小にするこ
とができる。しかし、上述のように反射防止膜の膜厚が
不均一な場合、この条件式を基板表面全面で満たすこと
ができないため、表面反射を十分には減らすことができ
ない。
【0016】図7は図3のプロセスに沿ってpn接合を
形成した後、常圧CVD法を用いて反射防止膜(酸化チ
タン膜)を形成し、作製した太陽電池(従来例1)の表
面反射率と、図5のプロセスに沿ってpn接合用ドーパ
ントを含む酸化チタン膜の塗布液を回転塗布して形成し
た後、pn接合と反射防止膜を同時に形成し、作製した
太陽電池(従来例2)の表面反射率を示している。従来
例1では波長600nm付近に反射率の最小値が認めら
れる。しかし、従来例2では明確な反射率の最小値は見
られない。これは、従来例2の反射防止膜の膜厚が不均
一であることを示している。
【0017】また、従来例1の太陽電池の受光面は反射
防止膜の干渉効果により青色に見えるのに対し、従来例
2の太陽電池の受光面はシリコン基板の地色(灰色)の
ままであり、干渉効果がないことが明らかである。この
結果、塗布液を用いてpn接合ならびに反射防止膜を同
時に形成するプロセスで作製した太陽電池(従来例2)
は、CVD法などを用いて均一な膜厚の反射防止膜を形
成した太陽電池(従来例1)と比較して、短絡電流が低
くなるという問題がある。
【0018】そこで、図5に示す塗布液に代えて常圧C
VD法を用いてリンを含む酸化チタン膜を形成したとこ
ろ、均一な膜厚で干渉効果のある反射防止膜と太陽電池
として機能できるpn接合の形成が可能となった。しか
しながら、太陽電池として機能できるpn接合として、
シリコン基板表面のシート抵抗値が30〜100Ω/□
の値を有するときに同時形成される反射防止膜の屈折率
が1.5〜2.0の値を有するものであった。
【0019】この太陽電池をモジュール構造にした場
合、太陽電池の上にガラスを充填材(一般にエチレンビ
ニルアセテートが用いられる)で張り付けた構造にする
ため、光はガラスおよび充填材(n=1.5)を通り、
シリコン基板に吸収される。このとき反射防止効果を最
大にするには、反射防止膜の屈折率が2.5程度である
必要でがあり、1.5〜2.0では反射防止効果が小さ
くなってしまう。
【0020】ゆえに、上記リンを含む酸化チタン膜上に
CVD法等によって、屈折率のより高いSi34膜また
はTiO2膜などを均一に堆積する必要があった。ま
た、図5のプロセスにおいては、下地の酸化チタン膜が
均一な膜厚ではないため、干渉効果を示す良好な反射防
止膜は得られなかった。
【0021】本発明の目的は、工程数が少なく簡単なプ
ロセスを可能にするため、高品質なpn接合ならびに反
射防止膜を同時に形成することができるリンを含む酸化
チタンを提供することである。さらに、低コスト化がは
かれるとともに、セル特性がより改善された太陽電池を
提供することにある。また、本発明の別の目的は、工程
数が少なく簡単なプロセスで、モジュール化に適した太
陽電池を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、p型の導電型を有する結晶
系シリコン基板を所定温度に加熱すると共に、該基板上
に、酸素と、ガス状態のチタン化合物と、ガス状態のリ
ン化合物とを供給して、これらを酸化分解することによ
り反応生成物を得、さらに、該反応生成物を不活性ガス
中で熱処理して反射防止膜を形成する反応生成物の形成
方法において、上記ガス状態のチタン化合物と、上記ガ
ス状態のリン化合物との供給量比を変えることにより、
チタンに対するリンの組成比(原子数比)が0.1〜
1.5となるように成膜することを特徴とするpn接合
及び反応生成物の形成方法である。
【0023】請求項2記載の発明は、上記ガス状態のチ
タン化合物と、上記ガス状態のリン化合物との供給量比
を変えることにより、上記反射防止膜の屈折率を2.2
〜2.7とすると共に、n層のシート抵抗を100Ω/
□以下とすることを特徴とするpn接合及び反応生成物
の形成方法である。
【0024】請求項3記載の発明は、上記基板上におけ
る所定温度の酸化分解を、300〜600℃で行うこと
を特徴とする請求項1記載のpn接合及び反応生成物の
形成方法である。
【0025】請求項4記載の発明は、上記反応生成物の
不活性ガス中で熱処理を、600〜1200℃で行うこ
とを特徴とする請求項1記載のpn接合及び反応生成物
の形成方法である。
【0026】請求項5記載の発明は、上記反応生成物の
不活性ガス中で熱処理を、740℃以上で行うことを特
徴とする請求項4記載のpn接合及び反応生成物の形成
方法である。
【0027】即ち、本発明は、所定温度に加熱されたp
型結晶系シリコン基板上に、酸素、ガス状態のリン化合
物ならびにガス状態のチタン化合物をキャリアガスによ
り供給して形成する。また、上記目的を達成するために
は、反応生成物中のリン/チタンのモル比を0.1〜
1.5に制御し、反応生成物を600〜1200℃(好
ましくは、740℃以上)で熱処理することにより、リ
ンを基板中に拡散させ、pn接合を形成すると同時に反
射防止膜を形成する。なこのようにして形成されたpn
接合はシリコン基板表面のシート抵抗値100Ω/□以
下の値を有し、反射防止膜は気相法で形成されているの
で膜厚が均一であり、干渉効果を示すとともに、屈折率
が2.2〜2.7の値を有し、上記課題を解決する。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、この発明の反射防止膜の形
成方法の実施の形態を詳細に説明する。本発明の反射防
止膜であるリンを含む酸化チタン膜の形成は以下のよう
にして行われる。
【0029】リン化合物を入れたバブラー容器の温度を
約40〜100℃に保つ。キャリアガス供給管にキャリ
アN2ガスを供給して、上記リン化合物を蒸気圧に応じ
た分圧までキャリアN2ガスに含ませて、リン化合物供
給管を通してガス供給管に供給する。
【0030】一方、チタン化合物を入れたバブラー容器
の温度を約70〜120℃に保つ。キャリアガス供給管
にN2キャリアガスを供給して、蒸気圧に応じた分圧ま
でチタン化合物をN2キャリアガスに含ませて、チタン
化合物供給管を通してガス供給管に供給する。
【0031】また、雰囲気ガス供給管に雰囲気ガスとし
てN2ガスならびにO2ガスを供給する。これら全てのガ
スはガス供給管、ガス分散ヘッドを通して、ヒータブロ
ック上の基板表面に供給される。なお、上記ガス反応系
は開放系で常圧である。
【0032】次に、ヒータブロック上に、p型結晶系シ
リコン基板を載置する。ヒータブロックで基板を300
〜600℃の範囲で加熱し、基板温度が一定になった時
点でガス供給管を通して原料ガスの供給を開始する。こ
れにより、リンを含む酸化チタン膜からなる反応生成物
を形成した後、N2雰囲気中で熱処理を施して、pn接
合および反射防止膜を同時形成する。なお、キャリアガ
スとしては上記N2だけでなく、He又はArなどの不
活性ガスを用いることができる。
【0033】リン化合物として、常温で液体のリン酸エ
ステル(例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチ
ル、リン酸トリプロピル、リン酸トリイソプロピル、リ
ン酸トリブチルなど)、亜リン酸エステル(例えば、亜
リン酸ジエチル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエ
チル、亜リン酸トリプロピル、亜リン酸トリイソプロピ
ル、亜リン酸トリブチルなど)、トリエトキシリンおよ
びトリメトキシリンなどを用いることができる。
【0034】チタン化合物としては常温で液体のチタン
アルコキシド、例えば、テトラエトキシチタン、テトラ
プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テト
ラブトキシチタン、テトライソブトキシチタン、テトラ
セカンダリーブトキシチタン、テトラターシャリーブト
キシチタンなどを用いることができる。
【0035】バブラー容器の温度設定は化合物の蒸気圧
に関係する。すなわち、ガス反応系が開放系で常圧であ
るために、蒸気圧に応じた分圧まで化合物をキャリアN
2ガスに含ませて、化合物供給管を通してガス供給管に
供給するためである。
【0036】リンを含む酸化チタン膜中の組成比(リン
/チタンの原子数比)は、リンおよびチタン化合物の供
給量を調整することにより制御できる。リンおよびチタ
ン化合物の供給量はバブラー容器の設定温度による蒸気
圧制御や、バブラー容器に通すキャリアガスの流量を変
えることにより精度良く制御できる。
【0037】基板温度の制御は以下の反応系に影響を及
ぼす。基板表面に供給されたガス状のリン化合物および
チタン化合物は、基板表面あるいはその近傍で熱分解お
よび熱酸化する。よって、リン化合物はリン酸化物に、
チタン化合物は酸化チタンになる。このリン酸化物およ
び酸化チタンがネットワークを形成して、上記基板表面
にリンを含む酸化チタン膜が形成される。このため、基
板を300〜600℃の範囲で制御する必要がある。そ
の結果、形成されるリンを含む酸化チタン膜は、膜厚均
一性を高め、膜中のリン/チタンの組成比は、所定の基
板温度でリンおよびチタン化合物の供給量を調整するこ
とにより任意の値に変化させることができる。
【0038】熱処理温度はN2雰囲気中、600〜12
00℃(好ましくは740℃以上)で、10分〜2時間
の範囲で行う。これはリンを含む酸化チタン膜中のリン
がp型シリコン基板中に拡散して、太陽電池として作動
可能なpn接合を形成するためである。
【0039】
【実施例】本発明を以下の実施例に基づきより詳細に説
明する。
【0040】リン化合物として亜リン酸ジエチルを入れ
たバブラー容器の温度を65および75℃の2種類の温
度に保つ。キャリアガス供給管にキャリアN2ガスを流
量1.0〜10.0l/minの範囲で変化させて供給
し、各々の蒸気圧に応じた分圧まで亜リン酸ジエチルを
キャリアN2ガスに含ませる。
【0041】一方、チタン化合物としてチタンテトライ
ソプロポキシドを入れたバブラー容器の温度を100℃
に保つ。キャリアガス供給管にキャリアN2ガスを流量
1.5l/minで供給し、蒸気圧に応じた分圧までチ
タンテトライソプロポキシドをキャリアN2ガスに含ま
せる。これらをガス供給管に供給することによりリン化
合物供給量を変化させた。また、雰囲気ガス供給管に雰
囲気ガスとしてN2を流量4.0l/min、O2を流量
7.0l/minで供給する。
【0042】ヒータブロックによって基板温度を35
0、375、400、450℃の4種類の温度に設定し
て、酸化チタン膜中のリン濃度を変化させる製膜実験を
行った。形成された膜は、全てN2雰囲気中で900
℃、30分間の熱処理を施してシリコン基板にpn接合
を形成した。
【0043】反射防止膜の組成比はESCA(Electron
spectroscopy for chemical analysis)およびEDS
(Energy Dispercive Spectrometer)で分析した。反射
防止膜の屈折率はエリプソメーターで測定した。シート
抵抗の測定は、リンを含む酸化チタン膜を熱濃硫酸で溶
解した後、四探針法で測定した。
【0044】図1にリン/チタンの組成比に対するリン
を含む酸化チタン膜の屈折率およびn層のシート抵抗を
示す。リン/チタンの組成比が0から2.5に増加する
に応じて、屈折率が2.7から1.6に変化し、リン/
チタンの組成比が1.5以下で屈折率が2.2以上にな
ることが明らかになった。
【0045】また、リン/チタンの組成比が0.05以
下の領域では、シリコン基板表面の導電型はp型を示
し、pn接合は形成されていないことが明らかになっ
た。
【0046】モル比が0.05以上の領域ではn型を示
し、リン/チタンの組成比が0.1から1.0に増加す
るに応じて、シート抵抗値が100Ω/□から30Ω/
□に変化した。
【0047】以上より、リン/チタンのモル比が0.1
〜1.0の範囲でpn接合が形成できて、屈折率が2.
2〜2.7の値を有することが分かる。
【0048】図1に示すリンを含む酸化チタン膜のリン
/チタンの組成比と屈折率の関係は以下のように考えら
れる。リン/チタンの組成比が0〜1.0の範囲におい
ては屈折率が2.5以上である。この領域においては膜
中のリンは酸化チタンの結晶構造に影響を及ぼしていな
いものと考えられる。酸化チタンはTiO2と考えら
れ、740℃以上で熱処理を施すとルチル型の結晶構造
を示すことが知られている。ルチル型TiO2の屈折率
は2.5〜2.7である。図1に示すリンを含む酸化チ
タンは900℃で熱処理を施している。ゆえに、ルチル
型の結晶構造が屈折率に影響を及ぼしていると考えられ
る。
【0049】リン/チタンの組成比が1.0から2.0
においては屈折率が2.5から1.7に変化する。この
領域においては膜中の酸化チタンの結晶構造がリンの影
響を受け、P−Ti−Oの三元系のネットワークが組ま
れる部分とルチル型構造を有する部分がリン/チタンの
モル比に応じて生じるため屈折率に大きな変化が示され
る。リン/チタンのモル比が2.0以上では、P−Ti
−O三元系ネットワークが大部分を占め、屈折率に大き
な変化が認められなくなるものと考えられる。最後に、
特開平8−85874号公報に対する本発明の差異及び
有効性を述べる。本発明で形成されるPTG膜(反射防
止膜)は、熱処理後のPTG膜の屈折率が2.5程度な
ので、さらに特別な処理を施す事なく、太陽電池に用い
ることができる。これに対して、特開平8−85874
号公報に記載のものは、PTG膜を成膜して熱処理後、
そのPTG膜の上にTiO2膜を形成している。そのた
め、 TiO2 on PTG on Siの構造となってい
る。ゆえに、前記公報に記載のものとはセル構造が大き
く異なっている。本発明では、前記公報とは異なり、P
TG膜上にAP−CVD法でTiO2膜を構成する必要
がないので、低コスト化をはかることができる。さら
に、TiO2膜の屈折率を2.5程度にできるので、P
TG膜の方で反射による表面損失が抑制され、セル特性
を向上することもできる。
【0050】
【発明の効果】本発明に係わるリン/チタンの組成比
0.1〜1.5のリン含有酸化チタンを用いることによ
り、結晶系シリコン太陽電池のpn接合としてn層のシ
ート抵抗値が30〜100Ω/□ならびに屈折率2.2
〜2.7の反射防止膜を同時に形成することが可能にな
り、モジュール化に適した太陽電池を提供することが可
能になる。
【0051】また、塗布液を用いてpn接合と酸化チタ
ン膜を同時に形成する手法と比較して、均一な膜厚の酸
化チタンが得られるため、良好な干渉効果を示す反射防
止膜が得られる。ゆえに、製造工程が非常に簡潔化され
て、安価に制作できることになるので、その産業的意義
は非常に大である・
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリンを含む酸化チタン膜の膜中のリン
/チタンの組成比に対する屈折率および膜中のリン/チ
タン比に対するn層のシート抵抗値を示す図。
【図2】従来のリンを含む酸化チタン膜を形成するとき
の基板温度に対する屈折率および膜中のリン/チタン組
成比に対するn層のシート抵抗値を示す図。
【図3】従来の太陽電池の製造工程を示すフローチャー
ト。
【図4】別の従来の太陽電池の製造工程を示すフローチ
ャート。
【図5】別の従来の太陽電池の製造工程を示すフローチ
ャート。
【図6】凹凸を持つ基板表面に、塗布液を用いてpn接
合用ドーパントを含む酸化チタン膜を形成したときの状
態を示す図。
【図7】図3および図5の太陽電池の表面反射率を示す
図。
【符号の説明】
1 結晶系シリコン基板 2 塗布液

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型の導電型を有する結晶系シリコン基
    板を所定温度に加熱すると共に、該基板上に、酸素と、
    ガス状態のチタン化合物と、ガス状態のリン化合物とを
    供給して、これらを酸化分解することにより反応生成物
    を得、さらに、該反応生成物を不活性ガス中で熱処理し
    てn層及び反射防止膜を形成する反応生成物の形成方法
    において、 上記ガス状態のチタン化合物と、上記ガス状態のリン化
    合物との供給量比を変えることにより、チタンに対する
    リンの組成比(原子数比)が1:0.1〜1.5となる
    ように成膜することを特徴とするpn接合及び反応生成
    物の形成方法。
  2. 【請求項2】 上記ガス状態のチタン化合物と、上記ガ
    ス状態のリン化合物との供給量比を変えることにより、
    上記反射防止膜の屈折率を2.2〜2.7とすると共
    に、n層のシート抵抗を100Ω/□以下とすることを
    特徴とするpn接合及び反応生成物の形成方法。
  3. 【請求項3】 上記基板上における所定温度の酸化分解
    を、300〜600℃で行うことを特徴とする請求項1
    記載のpn接合及び反応生成物の形成方法。
  4. 【請求項4】 上記反応生成物の不活性ガス中で熱処理
    を、600〜1200℃で行うことを特徴とする請求項
    1記載のpn接合及び反応生成物の形成方法。
  5. 【請求項5】 上記反応生成物の不活性ガス中で熱処理
    を、740℃以上で行うことを特徴とする請求項4記載
    のpn接合及び反応生成物の形成方法。
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