JPH11343679A - 断熱材およびその使用方法 - Google Patents

断熱材およびその使用方法

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JPH11343679A
JPH11343679A JP4457799A JP4457799A JPH11343679A JP H11343679 A JPH11343679 A JP H11343679A JP 4457799 A JP4457799 A JP 4457799A JP 4457799 A JP4457799 A JP 4457799A JP H11343679 A JPH11343679 A JP H11343679A
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JP
Japan
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insulating material
heat insulating
moisture
waterproof sheet
permeable waterproof
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JP4457799A
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Inventor
Takashi Arai
隆 新居
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた透湿防水効果を有し、断熱施工の作業
性に優れた断熱材およびその使用方法を提供する。 【解決手段】 無機質繊維断熱体2の少なくとも表裏面
を、多孔性フィルム4と通気性網状物5との積層体など
からなる透湿防水シート3で被覆してなる断熱材、特に
無機質繊維断熱体2を透湿防水シート3からなる袋に封
入してなる断熱材6、およびその使用方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内側と外側との間
に温度差が生じる壁部等に用いられる断熱材およびその
使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般家屋等の建築物用外壁体に適用され
る断熱構造として、室外側に配された外装材と室内側に
配された内装材との間の空間に断熱材を充填した構造が
ある。このような断熱構造においては、一般に、枠材の
間に無機質繊維断熱体からなる断熱材をはめ込んでいる
ことが多い。しかし最近では住宅の気密性および断熱性
を高める傾向になり、室内外の温度差が大きくなり易
い。室内の湿気が壁体内部に入って結露する、いわゆる
内部結露を防止するために、断熱層の室内側に防湿層を
設けなければならない。このために防湿層の完全気密施
工が望まれるが、現在の一般的な施工技術のレベルでは
未だ不十分であり、壁体内部に湿気が浸入する。このよ
うにして断熱材の内部に生じた結露は、吸水性の高いグ
ラスウール等の断熱体を濡らして断熱効果を低下させ
る。結露の量が増加すると、水分は断熱体の繊維を伝わ
って構造材や内装材を濡らし、建築物の腐朽の原因とな
る。そこで壁体内に浸入した湿気が断熱材の内部で結露
し蓄積しないように、湿気を速やかに屋外に放出させる
必要が生じる。このためには、断熱層の屋外側に湿気の
少ない外気を通す通気層を設けることが有効である(通
気層工法)。しかし、この場合グラスウール等は通気性
が大きいために、通気層内を通る冷気によって断熱材と
しての効果が減少する。そこで断熱層と通気層の間に、
屋外からの雨や風を防止し、かつ室内から漏出してくる
湿気を妨げることなく通気層に導くことが重要となり、
断熱材と外装材との間に透湿防水シートを設ける断熱構
造が実施されている。
【0003】このような透湿防水シートの施工において
は、従来工法による木造家屋の場合には、木造の枠組内
にグラスウール等の断熱材を挿入した後、その外側に通
常ロール状に巻いた透湿防水シートをたるみやゆるみが
できないように引張りながら土台、柱、間柱等にタッカ
ー等で固定する方法が用いられているが、このような施
行方法は手間がかかり、透湿防水シートの設置作業の簡
便化が望まれている。
【0004】また近年、住宅の構築については工業化が
進み、予め作製した床パネル、壁パネル、屋根パネル等
を組み立てて施工するプレハブ住宅が普及している。こ
のようなプレハブ住宅に用いられる外壁パネルとして
は、縦芯材と横芯材とを矩形枠状に組み立て、この矩形
枠の内部に補強芯材を縦横に組み込んで枠体とし、さら
にこの枠体内にグラスウール等の断熱材を充填した後
に、枠体の表裏両面に合板からなる面材を貼着したもの
が一般に用いられる。このような断熱材入りの外壁パネ
ルにおいても、透湿防水シートを予め組み込んだものが
種々研究されている。図12は、従来法による外壁パネ
ルの製作過程を示す展開斜視図である。すなわち、断熱
材を充填した外壁パネル7aに透湿防水シート3を接着
剤により木枠23に貼り付けた(矢印a)ものを組み付
ける(矢印b)が、複雑な作業工程を必要とするため
に、透湿防水シート3を設置する簡便な方法が望まれて
いる。
【0005】また、透湿防水シートの設置作業の煩雑さ
の問題以外に、断熱材自体についても、無機質繊維が露
出した断熱材の場合には、取扱者にチクチクする刺激を
伴う不快感を与えたり、結露によって断熱材が劣化し易
い等の問題がある。そのためポリエチレン等の熱可塑性
樹脂フィルムで被覆したフィルム被覆断熱材として構成
することが多い。しかし、このように透湿性を有しない
ポリエチレン等の熱可塑性樹脂フィルムで被覆したフィ
ルム被覆断熱材は、外部へ湿気を放出させるために少な
くとも室外側のフィルムにスリットや空気抜き孔を設け
ねばならず、これらのスリットや空気抜き孔からの無機
質繊維の飛散を防止することができない。
【0006】また、従来のフィルム被覆断熱材における
別の形態およびその使用法として、例えば無機質繊維を
気密性を有する所定の形状のフィルム状包装袋により包
装し、上記包装袋の内部を排気して密封し、断熱材の厚
みを薄くしたものがある。このような断熱材において
は、断熱材の使用時に前記包装袋を開封したり一部を穿
孔して袋内に空気を吸入させ、前記包装袋の形状に沿っ
て無機質繊維を復元させる。しかし、この場合において
も断熱材の使用時に開封口や穿孔部から無機質繊維が飛
散し、飛散した無機質繊維を施工者が吸引するという問
題や、飛散した無機質繊維が施工者の顔面、首筋、腕な
どに付着しまたは刺さって不快感や痛みを与えるなどの
問題が生じていた。
【0007】さらに、嵩高い無機質繊維からなる断熱材
は設置作業が非常に困難であるという問題があった。通
常、断熱材は物流費の低減の観点から圧縮梱包して保管
および輸送され、使用時に空気を流入させて原形に復元
させるが、設置時には形状が復元した状態よりも、圧縮
状態であるほうが容易に作業を行うことができる。そこ
で圧縮状態の間にできる限り設置作業を完了できること
が望ましいが、従来の断熱材では空気の流入が速すぎる
ために無機質繊維の形状回復の時間が短く、形状が直ち
に回復してしまうので、断熱材の設置作業が非常に困難
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の問題点を解決して、透湿防水シートの設置
が容易であり、かつ取り扱い性に優れた断熱材およびそ
の使用方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【問題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、一般家屋等の
断熱工法において、グラスウール、ロックウール等の無
機質繊維断熱体の少なくとも表裏面を透湿防水シートで
被覆した断熱材を用いることにより、断熱材を設置した
後に透湿防水シートを設ける工程を省略することがで
き、作業の簡略化が可能であることを見出した。さら
に、前記無機質繊維断熱体を、空気を通過させるが無機
質繊維を通さない微細孔を有する透湿防水シートからな
る袋に封入して、無機質繊維断熱体の全表面を覆うこと
により、従来のように無機質繊維の飛散を防止し得ない
空気抜き孔や開封口を設けることなく、断熱材を圧縮し
空気を流入させることができ、かつ無機質繊維の飛散を
防止し得ることを見出した。また、透湿防水シートの微
細孔は従来の空気抜き孔や開封口よりもかなり小さいの
で、透湿防水シートの袋に封入された断熱材は空気の吸
入が遅く、圧縮された断熱材の形状の復元が緩やかであ
り、圧縮された状態で設置作業を行う時間を十分に確保
することが可能になるので、断熱材の設置作業が容易で
ある。また、前記透湿防水シートを多孔性フィルムと通
気性網状体との積層体とすることにより、多孔性フィル
ムの強度を補強することができると共に、開口率の異な
る通気性網状体を用いることにより無機質繊維断熱体中
に吸入される空気の流量を変化させることも可能であ
る。
【0010】すなわち、本発明の第1は、無機質繊維断
熱体の少なくとも表裏面を透湿防水シートで被覆してな
ることを特徴とする断熱材に関するものである。また、
本発明の第2は、無機質繊維断熱体を透湿防水シートか
らなる袋に封入してなることを特徴とする断熱材に関す
るものである。本発明の第3は、本発明の第1または第
2において、透湿防水シートが、多孔性フィルムと通気
性網状物との積層体からなることを特徴とする断熱材に
関する。本発明の第4は、本発明の断熱材をさらに気密
性プラスチック袋に挿入し、袋内を減圧または押圧によ
って圧縮し、使用時に上記気密性プラスチック袋から取
り出して形状を復元させることを特徴とする断熱材の使
用方法に関するものである。
【0011】本発明の、予め透湿防水シートで表裏面を
被覆した断熱材は、従来のように断熱材を設置後、別途
に透湿防水シートを設ける必要がなく、断熱材の設置と
透湿防水シートの設置を同時に行うことができる。この
ような作業の簡略化の観点からは、前記のように無機質
繊維断熱体の少なくとも表裏面を透湿防水シートで被覆
すればよいが、被覆されていない部分があると、その部
分から無機質繊維が飛散し繊維の先端が取扱者の皮膚を
刺激して不快感を与えること、および圧縮後の空気流入
が速くなり、形状回復時間が短くなることが避けられな
いので、これらの問題も解決するためには、透湿防水シ
ートからなる袋に封入して無機質繊維断熱体の全表面を
被覆する構造にすることが望ましい。
【0012】本発明の無機質繊維断熱体を透湿防水シー
トからなる袋に封入した断熱材においては、無機質繊維
断熱体と透湿防水シートとを通常接着しないが、表裏面
のみを被覆した断熱材のように無機質繊維断熱体と透湿
防水シートとを固定する必要がある場合には、接着剤等
を用いて部分的に接着することが好ましい。部分的に接
着することにより、透湿防水効果を失うことなく無機質
繊維断熱体に透湿防水シートを固定することができ、し
かも梱包時に圧縮し施工時に復元するために必要な空気
の流出および流入を妨げることがない。
【0013】本発明に用いる無機質繊維断熱体は、通常
グラスウールもしくはロックウール等の繊維マットであ
り、厚みは用途や施工に合わせて選ばれるが、一般的に
は圧縮前の厚みが50〜100mm程度のものを使用す
る。
【0014】本発明の断熱材に用いる透湿防水シートと
しては各種のものが挙げられるが、代表的なものとし
て、フラッシュ紡糸して形成した不織布や、透湿防水性
を有する多孔性フィルムを、通気性を有する補強材で補
強した構造のものが用いられる。
【0015】本発明の断熱材は、適用箇所が制限される
ものではないが、高気密あるいは高断熱構造からなる建
物の外壁体のように、内側と外側との間に温度差が生じ
る壁部等の断熱材として好適に用いられる。適用箇所と
しては、前記の建物の外壁体以外に、例えば温度差のあ
る二室間の内壁部や天井部、床部等、また建物以外では
船室の隔壁等が挙げられる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1および図2は、本発明の断熱
材の一例を示す断面図である。図1に示した断熱材1
は、無機質繊維断熱体2の少なくとも表裏面を透湿防水
シート3で被覆したものであり、図2に示した断熱材6
は、無機質繊維断熱体2を透湿防水シート3からなる袋
に封入したものである。透湿防水シート3は、一般的に
透湿防水シートとして用いられているものであれば特に
制限はないが、好ましくは多孔性フィルム4の少なくと
も片面に補強材として熱可塑性樹脂からなる通気性網状
物5を積層したものが用いられる。
【0017】図3は、本発明の断熱材6をプレハブ住宅
における外壁パネルに用いた場合の一例を示す一部切欠
斜視図である。外壁パネル7は、矩形枠状に組立てた枠
体8とその表裏両面に貼設した外装材9および内装材1
0とを主な枠組材料としてなるものである。内装材10
と断熱材6の間には、室内の湿気が断熱材6の中に入っ
て結露することを防ぐための防湿層として、透湿性の非
常に少ないポリエチレン等からなる防湿シート11を設
ける。防湿シート11としては、ポリエチレンシートに
限らずアスファルトクラフト紙等の防湿性を有するシー
トであればいずれも使用することができる。枠体8の内
部に縦横に組み込まれた補強芯材8aは必ずしも設ける
必要はないが、パネルの強度や寸法精度の点から、必要
に応じて縦または横に適宜設ける。
【0018】外壁パネル7の内部には、外気と室内とを
熱的に遮断するために、全面にわたり断熱材6が充填さ
れている。断熱材6は、無機質繊維断熱体2の全表面が
透湿防水シート3で被覆されているので、外壁パネル7
の製造工程において、別途に透湿防水シート3を設置す
る必要がなく、断熱材6を充填すると同時に透湿防水シ
ート3が壁体内に設けられる。透湿防水シート3は水滴
を通し難いが、透湿性を有するため、壁体内に漏出した
室内側の水蒸気を外側へ効果的に通過させる。従って、
壁体内に水蒸気が残留することがなく、結露を防止する
ことができる。また、無機質繊維断熱体2が透湿防水シ
ート3の袋に封入されているために、本発明の断熱材6
を取扱う際には、無機質繊維が飛散することがなく、取
扱者に不快感を与えることもない。
【0019】また、形状が完全に復元した状態の断熱材
6の厚みは、枠体8の厚みよりも小さいことが好まし
い。これにより断熱材6と外装材9との間に結露防止に
有効な通気層が設けられる。さらに通気層を確保するた
めに、断熱材6の室外側に複数の帯板材を設ける等の方
法により断熱材6と外装材9の間に間隔を保持すること
もできる。このようにして予め断熱材6を充填した外壁
パネル7を住宅施工現場に運び、施工現場でこれらのパ
ネルを組み立てることにより住宅を構築する。
【0020】断熱材6は内装材10と外装材9の間に充
填されていればよく、特に固定手段を用いなくてもよい
が、断熱材6と外装材9との間に通気層を確保するため
には、内装材10側に固定されていることが好ましい。
固定方法は特に限定されるものではなく、例えば断熱材
6の上から内装材10側に直接タッカーにより止める方
法や、断熱材6の内装材10側の表面に接着剤を塗布し
て固定する方法等が挙げられる。断熱効果および透湿防
水効果の点から好ましい形態の一つとしては、図4に示
したように、断熱材6の周囲、少なくとも両端部に透湿
防水シート3からなる耳部3aを形成し、その耳部にお
いて断熱材6を釘やタッカーあるいはテープ等により枠
体8または補強芯材8aに固定する方法が挙げられる。
この方法を用いれば、断熱材6と枠体8または補強芯材
8aとの接触部に隙間がなくなるのでより効率的であ
る。また、補強芯材8aがない枠体8に断熱材6を複数
個充填する場合においても、前記耳部3aがある場合に
は、隣接する断熱材6の耳部3aを相互に重ね合わせて
テープ等で止めることにより、断熱材6の相互間の隙間
を完全になくすことができる。
【0021】前記多孔性フィルム4は、例えば、ポリオ
レフィン系樹脂に粒子状充填材を配合してなる樹脂組成
物を溶融成形して未延伸のシートとした後、延伸処理す
ることにより得られる。具体的な製造方法の一例として
は、まずポリオレフィン系樹脂、粒子状充填材および必
要に応じ可塑剤等の添加剤を、通常使用される混合機を
用いて均一に混合して樹脂組成物とし、通常のインフレ
ーション成形法またはTダイ押出成形法等により延伸処
理する。延伸は、1段でも2段以上の多段処理であって
もよいが、面積倍率が1.2〜8の範囲であることが好
ましい。このようにして得られた多孔性フィルム4に
は、延伸処理によりフィルムの全面にわたり粒子状充填
材の各粒子を核とした微細孔が形成されており、この微
細孔が水蒸気等の気体は透過させるが液滴状の水の浸透
を防ぐ性質を示し、透湿性と防水性を兼ね備えた効果を
発揮する。多孔性フィルム4は、単独でも透湿防水シー
ト3として用いることができるが、強度に劣るので、通
気性を有する補強材と積層して用いることが好ましい。
多孔性フィルム4は、透湿度が500g-H2O/(m2・24hr)
以上であれば、補強材として通気性網状物5を積層して
透湿防水シート3を形成した場合に、水蒸気を良好に透
過させることができるため好適であり、また耐水性が5
00mm-H2O 以上であれば良好な防水性を示すので好ま
しい。
【0022】上記多孔性フィルム4に積層する通気性網
状物5は、通気性を有する補強材であれば特に限定され
ないが、例えば(1)下記(a)、(b)および(c)
から選ばれる少なくとも1種の一軸配向体を、配向軸が
交差するように経緯積層しまたは織成してなる熱可塑性
樹脂製の不織布もしくは織布、または(2)下記(a)
および(b)から選ばれる一軸配向体等が選ばれる。 (a)フィルムを縦または横に一軸延伸し、延伸方向に
割繊したスプリットウエブ (b)フィルムに縦または横方向に多数のスリットを入
れた後に、スリット方向に一軸延伸したスリットウエブ (c)一軸配向テープ
【0023】図5(A)は、本発明に用いる通気性網状
物5を形成する一軸配向体の一例として、フィルムを縦
に一軸延伸し、縦方向に割繊したスプリットウエブ12
を示す部分拡大斜視図である。熱可塑性樹脂を原料とす
るスプリットウエブ12は、第1の熱可塑性樹脂と、第
1の熱可塑性樹脂より低い融点を有する第2の熱可塑性
樹脂とを用い、多層インフレーション法、多層Tダイ法
等の押出成形により製造した、少なくとも2層以上の多
層フィルムを縦方向(長さ方向)に伸長倍率1.1〜1
5、好ましくは3〜10に延伸し、さらに同方向に千鳥
掛けにスプリッターを用いて割繊(スプリット処理)し
たものである。これにより、前記多層フィルムは網状と
なり、さらに所定幅に拡幅することにより網目状のスプ
リットウエブ12となる。スプリットウエブ12は、幅
方向全体にわたって縦方向に強度を有する一軸配向体で
ある。図中、13は幹繊維、14は枝繊維である。図5
(B)は、図5(A)のB部の部分拡大斜視図であり、
スプリットウエブ12は、第1の熱可塑性樹脂層15の
両面に第2の熱可塑性樹脂層16が積層された3層構造
からなるものである。
【0024】図6(A)は、本発明に用いる通気性網状
物5を形成する一軸配向体の他の例として、フィルムに
横に多数のスリットを入れた後に横方向に一軸延伸した
スリットウエブ17を示す部分拡大斜視図である。熱可
塑性樹脂を原料とするスリットウエブ17は、前記多層
フィルムの両耳部を除く部分に横方向(幅方向)に、例
えば熱刃などにより平行で千鳥目状等の断続したスリッ
トを形成した後、横方向に伸長倍率1.1〜15、好ま
しくは3〜10に延伸した一軸配向体であり、横方向に
強度を有するものである。好ましくは、多層フィルムを
縦方向に1.1〜3倍程度に圧延等で微配向した後、熱
刃で横方向に千鳥掛けにスリット処理を施し、横延伸を
行う。図6(B)は、図6(A)のB部の部分拡大斜視
図であり、スリットウエブ17も、第1の熱可塑性樹脂
層15の両面に第2の熱可塑性樹脂層16を積層した3
層構造からなるものである。
【0025】さらに、図7は、一軸配向体の別の例とし
て、一軸配向テープを示す部分拡大斜視図である。熱可
塑性樹脂を原料とする一軸配向テープ18は、第1の熱
可塑性樹脂と、第1の熱可塑性樹脂より低い融点を有す
る第2の熱可塑性樹脂とを用い、多層インフレーション
法、多層Tダイ法等の押出成形により製造した少なくと
も2層以上の多層フィルムを裁断前および/または後
に、縦および/または横方向に伸長倍率1.1〜15、
好ましくは3〜10に一軸配向し、裁断して多層の延伸
テープとしたものである。一軸配向テープ18も、前記
と同様に第1の熱可塑性樹脂層15の両面に第2の熱可
塑性樹脂層16が積層された3層構造からなるものであ
る。
【0026】図8から図10は本発明に用いる通気性網
状物5を形成する不織布または織布の具体例である。図
8は、スプリットウエブ12を経緯積層した不織布19
の部分平面図である。図9は、一軸配向テープ18を平
行に並べたものを2組積層した不織布20の部分平面図
であり、図10は、一軸配向テープ18を織成した織布
21の部分斜視図である。なお、不織布19の具体的な
例としては「日石ワリフ」(商品名、日石プラスト(株)
製)を挙げることができる。
【0027】多孔性フィルム4と通気性網状物5との接
着には、接着剤を用いてもよいし、接着剤を用いずに熱
圧着を行ってもよい。透湿防水シート3としては、前記
多孔性フィルム4の片面または両面に通気性網状物5を
補強材として積層したものを用いるが、通常は片面のみ
の積層で十分な強度が得られる。
【0028】通気性網状物5の他の例として、熱可塑性
樹脂から紡糸した長繊維不織布を用いることもできる。
長繊維不織布を補強材として用いる場合には、通常延伸
したものが用いられる。例えば、未延伸の長繊維不織布
を一方向に延伸してなり、かつ不織布の繊維がほぼ一方
向に配列した少なくとも1層からなる延伸一方向配列不
織布、またはそれらの配列軸が交差するように積層した
延伸交差積層不織布が用いられる。
【0029】上記熱可塑性樹脂から紡糸された長繊維不
織布の紡糸手段としては、従来のメルトブローダイスタ
イプやスパンボンドタイプ等の紡糸装置を使用すること
ができ、さらに特公平3−36948号公報(一方向配
列紡糸タイプ)や特開平2−269859号公報(流体
整流法)に示した紡糸手段等も使用することができる。
上記紡糸手段が従来のスパンボンド方式の紡糸と基本的
に異なる点は、ノズルからの紡糸直後に赤外線加熱や熱
風等で積極的に加熱したり、またはエアーサッカーのエ
アーに熱風を用いて引取るなど、紡糸時の繊維の分子配
向を積極的に抑制しつつ引取ることにある。
【0030】延伸一方向配列不織布とは、前記のように
長繊維不織布が一方向に延伸され、かつ延伸された長繊
維が全体として一方向に配列されている不織布であり、
延伸された長繊維は、実質的に分子配向が生じている。
延伸手段としては、従来のフィルムや不織布の延伸に使
用された縦延伸手段、横延伸手段および二軸延伸手段を
使用することができ、特公平3−36948号公報に示
されたような種々の延伸手段も用いることができる。
【0031】延伸一方向配列不織布は、単独でまたは2
層以上の配列軸を交差させずに積層して使用することも
できるが、2層以上の配列軸が交差するように積層した
延伸交差積層不織布の形態で使用することもできる。多
くは縦配列層と横配列層とを積層して接着した直交不織
布であるが、繊維の配列軸が交差して積層されていれ
ば、特に限定されるものではない。
【0032】また、上記の長繊維不織布は、多孔性フィ
ルム4と積層することなく、単層構造で透湿防水シート
3として使用することもできる。この場合に前記長繊維
不織布は未延伸でもよいが、強度およびコストの点から
延伸したものが好ましい。
【0033】上記長繊維不織布の他に、単層構造で用い
られる透湿防水シート3としては、アスファルト含浸紙
や高密度ポリエチレンの3次元網目状繊維を熱圧着した
不織布「タイベック」(商品名、Du Pont 社製)等も用
いることができる。
【0034】断熱材の取扱いにおいては、物流費を低減
する観点から、保管および輸送時には通常圧縮して体積
を減じた状態で行われることが多い。図11は、本発明
の断熱材6を圧縮した状態の一例を示す断面図である。
図11においては、無機質繊維断熱体2を透湿防水シー
ト3からなる袋に封入してなる断熱材6を、さらに気密
性プラスチック袋22に挿入し、気密性プラスチック袋
22内の空気を減圧または押圧して抜き出すことにより
厚みを薄くした後、熱融着等の方法により封止した。こ
のように圧縮することにより、気密性プラスチック袋2
2に収納された断熱材6は、厚みを1/10程度まで薄
くすることができるので、保管および輸送における体積
減少の効果は大きい。前記気密性プラスチック袋22と
しては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
ステル、ポリ塩化ビニリデン等のプラスチック製の袋を
用いることができる。
【0035】このように圧縮された断熱材6の使用方法
としては,断熱材6を気密性プラスチック袋22に収納
した状態で施工現場に運び込み、使用段階において気密
性プラスチック袋22から取り出して設置する。気密性
プラスチック袋22から取り出した時点において断熱材
6の無機質繊維断熱体2内に空気が流入し形状の復元が
開始するが、透湿防水シート3の空気吸入口は微細な孔
であるため、空気は微細孔を通して徐々に吸入される。
従って、断熱材6は時間をかけて徐々に形状を復元する
ので、設置作業を行い易い圧縮状態を保持しながら作業
を行うことができる。
【0036】上記のように断熱材6の形状復元時間は、
透湿防水シート3を通過して無機質繊維断熱体2の中に
吸入される空気の流量を変えることにより変化させるこ
とができる。本発明において、透湿防水シート3として
多孔性フィルム4と通気性網状物5との積層体を用いた
場合には、開口率の異なる通気性網状物5を用いること
により、容易に形状復元時間を変えることが可能であ
る。すなわち、断熱材6の形状復元時間をより長くした
い場合には、通気性網状物5の開口率を小さくして、閉
塞される多孔性フィルム4の微細孔の割合を増加するこ
とにより、空気の流入が徐々に行われるようにする。逆
に形状を速く復元したい場合には、上記開口率を大きく
すればよいが、断熱材6の設置においては圧縮状態のほ
うが作業を容易に行うことができるため、一般的に断熱
材6の形状の復元は遅いほうが好ましい。しかし、開口
率を小さくしすぎると透湿性が損なわれるので、作業時
間および透湿性能等を勘案して適宜開口率を選択する。
【0037】
【発明の効果】本発明の断熱材を用いることにより、断
熱工法における透湿防水シートの設置を容易にして、作
業の簡便化に大きく貢献することができる。また、無機
質繊維断熱体を透湿防水シートからなる袋に封入した場
合には、無機質繊維の飛散を防止することができ、かつ
圧縮後の形状回復が緩やかであるため設置に必要な時間
を通じて圧縮状態を十分確保することができ、断熱材の
設置作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の断熱材の断面図である。
【図2】本発明の断熱材の他の例の断面図である。
【図3】本発明の断熱材を用いた外壁パネルの一部切欠
斜視図である。
【図4】本発明の断熱材を耳部において枠体または補強
芯材に固定した状態を示す断面図である。
【図5】図5(A)はスプリットウエブの部分拡大斜視
図であり、図5(B)は図5(A)のB部の部分拡大斜
視図である。
【図6】図6(A)はスリットウエブの部分拡大斜視図
であり、図6(B)は図6(A)のB部の部分拡大斜視
図である。
【図7】一軸配向テープの部分拡大斜視図である。
【図8】スプリットウエブを経緯積層した不織布の部分
平面図である。
【図9】一軸配向テープを積層した不織布の部分平面図
である。
【図10】一軸配向テープを織成した織布の部分斜視図
である。
【図11】断熱材を気密性プラスチック袋に挿入してを
圧縮した状態を示す断面図である。
【図12】従来法による外壁パネルの製作過程を示す展
開斜視図である。
【符号の説明】
1、6 断熱材 2 無機質繊維断熱体 3 透湿防水シート 4 多孔性フィルム 5 通気性網状物 7、7a 外壁パネル 8 枠体 8a 補強芯材 9 外装材 10 内装材 11 防湿シート 12 スプリットウエブ 13 幹繊維 14 枝繊維 15 第1の熱可塑性樹脂層 16 第2の熱可塑性樹脂層 17 スリットウエブ 18 一軸配向テープ 19、20 不織布 21 織布 22 気密性プラスチック袋 23 木枠

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質繊維断熱体の少なくとも表裏面を
    透湿防水シートで被覆してなることを特徴とする断熱
    材。
  2. 【請求項2】 無機質繊維断熱体を透湿防水シートから
    なる袋に封入してなることを特徴とする断熱材。
  3. 【請求項3】 前記透湿防水シートが、多孔性フィルム
    と通気性網状物との積層体からなることを特徴とする請
    求項1または2に記載の断熱材。
  4. 【請求項4】 請求項1から3に記載の断熱材をさらに
    気密性プラスチック袋に挿入し、袋内を減圧または押圧
    によって圧縮し、使用時に該気密性プラスチック袋から
    取り出して形状を復元させることを特徴とする断熱材の
    使用方法。
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