JPH11343912A - 内燃機関のパイロット噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関のパイロット噴射制御装置

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JPH11343912A
JPH11343912A JP10150285A JP15028598A JPH11343912A JP H11343912 A JPH11343912 A JP H11343912A JP 10150285 A JP10150285 A JP 10150285A JP 15028598 A JP15028598 A JP 15028598A JP H11343912 A JPH11343912 A JP H11343912A
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JP
Japan
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injection
amount
fuel
fuel injection
pilot
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Application number
JP10150285A
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English (en)
Inventor
Akira Kotani
彰 小谷
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Publication of JPH11343912A publication Critical patent/JPH11343912A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パイロット噴射時において噴射された燃料の
一部が未燃成分として排出されることを抑制して排気性
状の向上を図る。 【解決手段】 ディーゼルエンジン1の電子制御装置
(ECU)50は、クランクセンサ25及びカムセンサ
26の検出信号に基づいて算出される機関回転数とアク
セルセンサ20により検出されるアクセル開度とに基づ
いて燃料噴射量を算出する。更に、ECU50は、燃料
噴射量及び機関回転数に基づいてパイロット噴射の燃料
噴射時期を算出する。ECU50は、パイロット噴射の
燃料噴射時期が進角側の時期であるほど、パイロット噴
射の燃料噴射量が多くなるように、また、パイロット噴
射の燃料噴射圧が低圧になるように、インジェクタ2及
びサプライポンプ6を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、メイン噴射に先
立つパイロット噴射を実行する内燃機関のパイロット噴
射制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンにおける燃焼過程の
初期段階では、気筒内に噴射された燃料が自己着火によ
って急激に燃焼し始めるため、燃焼圧の変化率が大き
く、また気筒内における燃焼温度も極めて高くなる傾向
がある。従って、燃焼騒音の低減や排気中に含まれる窒
素酸化物(NOx )の低減を図るうえでは、こうした燃
焼過程の初期段階における急激な燃焼圧の変化や燃焼温
度の上昇を抑えることが有効である。
【0003】そこで、従来より、いわゆるパイロット噴
射を行うようにした燃料噴射システムが実用化されてい
る(例えば、特開平6−10552号に記載された「内
燃機関の燃料噴射制御装置」参照)。
【0004】この燃料噴射システムでは、気筒内に噴射
すべき燃料のうち、一部の燃料を噴射(パイロット噴
射)した後、その燃料噴射を一旦中断する。そして、パ
イロット噴射時に噴射された燃料が自己着火した後に再
度、残りの燃料を自己着火した燃焼ガス中に噴射(メイ
ン噴射)する。従って、メイン噴射時に噴射される燃料
は、パイロット噴射時に噴射された燃料をいわば火種と
して燃焼するようになるため、燃焼過程の初期段階にお
ける燃焼圧の上昇が緩慢なものとなり、また、燃焼温度
も低下するようになる。その結果、上記燃料噴射システ
ムによれば、燃焼騒音の増大や排気中に含まれるNOx
量の増大を抑制することができる。
【0005】ところで、こうしたパイロット噴射による
燃焼騒音やNOx 量の低減効果は、パイロット噴射時に
噴射された燃料が自己着火した後にメイン噴射が実行さ
れていることが前提となる。即ち、パイロット噴射間隔
が短くなり、パイロット噴射時に噴射された燃料が自己
着火する前にメイン噴射が実行されるような状況下にあ
っては、パイロット噴射時に噴射された燃料はもはや火
種として機能しなくなるからである。また、メイン噴射
は、気筒内のピストンが上死点の近傍に位置するときに
実行される。所定の機関出力を得るためには、噴射燃料
の燃焼により筒内圧力が最大となるときに、上記ピスト
ンが上死点の近傍に位置している必要があるからであ
る。
【0006】従って、上記燃料噴射システムでは必然的
に、ピストンが上死点から離れた位置にあるときにパイ
ロット噴射が実行されることとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
に、ピストンが上死点よりも離れた位置にあるときに
は、気筒の内壁面においてピストンによって覆われてい
ない部分の面積が大きいため、パイロット噴射時に噴射
された燃料のうち、その内壁面に付着する燃料の量が多
くなる。このように気筒の内壁面に付着した燃料は、気
筒の内部に浮遊する燃料やピストンの頂部に付着した燃
料と比較して燃焼し難い傾向がある。気筒の内壁面は、
その後のピストンの上昇によって覆われるため燃焼ガス
に接する時間が短く、また、気筒の周囲部分は通常、冷
却水により冷却されているため、ピストンの頂部と比較
して低温に保たれているからである。
【0008】従って、従来の燃料噴射システムにあって
は、気筒の内壁面に付着した燃料の一部が完全燃焼する
ことなく気筒内から排出されてしまうことにより、排気
に含まれる未燃成分の増大を招くおそれがあった。
【0009】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的はパイロット噴射時において噴射
された燃料の一部が未燃成分として排出されることを抑
制して排気性状の向上を図ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載した発明は、メイン噴射に先立つパ
イロット噴射を実行する内燃機関のパイロット噴射制御
装置において、パイロット噴射の燃料噴射時期を内燃機
関の運転状態に基づいて設定する燃料噴射時期設定手段
と、パイロット噴射の燃料噴射圧を内燃機関の運転状態
に基づいて設定する燃料噴射圧設定手段と、燃料噴射時
期設定手段により設定される燃料噴射時期が進角側の時
期であるほど燃料噴射圧設定手段により設定される燃料
噴射圧を減圧補正する燃料噴射圧補正手段とを備えるよ
うにしている。
【0011】また、請求項2に記載した発明は、メイン
噴射に先立つパイロット噴射を実行する内燃機関のパイ
ロット噴射制御装置において、パイロット噴射の燃料噴
射時期を内燃機関の運転状態に基づいて設定する燃料噴
射時期設定手段と、パイロット噴射の燃料噴射量を内燃
機関の運転状態に基づいて設定する燃料噴射量設定手段
と、燃料噴射時期設定手段により設定される燃料噴射時
期が進角側の時期であるほど燃料噴射量設定手段により
設定される燃料噴射量を増量補正する燃料噴射量補正手
段とを備えるようにしている。
【0012】メイン噴射に先立つパイロット噴射を実行
するようにした場合、そのパイロット噴射の燃料噴射時
期が相対的に進角側の時期に設定されるほど、ピストン
が上死点からより離れた位置にあるときにパイロット噴
射が行われるようになるため、気筒の内壁面に付着する
燃料の量、即ち壁面付着量が増大して未燃成分の排出量
が増大する傾向がある。
【0013】この点、請求項1に記載した構成によれ
ば、パイロット噴射の燃料噴射時期が進角側の時期であ
るほど燃料噴射圧を減圧補正するようにしているため、
気筒内に噴射される燃料噴霧の微粒化が抑えられ同燃料
噴霧の拡散が抑制されることによって壁面付着量が減少
するようになる。
【0014】また、請求項2に記載した構成によれば、
パイロット噴射の燃料噴射時期が進角側の時期であるほ
ど燃料噴射量を増量補正するようにしているため、気筒
内に噴射される燃料噴霧の貫徹力が増大し同燃料噴霧の
拡散が抑制されることによって壁面付着量が減少するよ
うになる。
【0015】請求項3に記載した発明は、メイン噴射に
先立つパイロット噴射を実行する内燃機関のパイロット
噴射制御装置において、パイロット噴射の燃料噴射圧を
内燃機関の運転状態に基づいて設定する燃料噴射圧設定
手段と、パイロット噴射の燃料噴射量を内燃機関の運転
状態に基づいて設定する燃料噴射量設定手段と、燃料噴
射圧設定手段により設定される燃料噴射圧が高いほど燃
料噴射量設定手段により設定される燃料噴射量を増量補
正する燃料噴射量補正手段とを備えるようにしている。
【0016】また、請求項4に記載した発明は、メイン
噴射に先立つパイロット噴射を実行する内燃機関のパイ
ロット噴射制御装置において、パイロット噴射の燃料噴
射圧を内燃機関の運転状態に基づいて設定する燃料噴射
圧設定手段と、パイロット噴射の燃料噴射量を内燃機関
の運転状態に基づいて設定する燃料噴射量設定手段と、
燃料噴射量設定手段により設定される燃料噴射量が少な
いほど燃料噴射圧設定手段により設定される燃料噴射圧
を減圧補正する燃料噴射量補正手段とを備えるようにし
ている。
【0017】上記壁面付着量は、前述したようにパイロ
ット噴射の燃料噴射時期に応じて変化する他、パイロッ
ト噴射の燃料噴射量や燃料噴射圧の大きさによっても変
化する。即ち、燃料噴射量が少なくなるほど燃料噴霧の
貫徹力が減少して同燃料噴霧が気筒内で拡散されるよう
になるため、壁面付着量は増大するようになる。また、
燃料噴射圧が高くなるほど燃料噴霧の微粒化が促進され
同燃料噴霧が気筒内で拡散されるようになるため、やは
り壁面付着量は増大するようになる。
【0018】この点、請求項3に記載した構成によれ
ば、機関運転状態に基づいて設定される燃料噴射圧が高
いほど燃料噴射量を増量補正するようにしているため、
相対的に高い燃料噴射圧で燃料が噴射されることに起因
した燃料噴霧の拡散がその貫徹力の増大により抑制され
ることによって壁面付着量が減少するようになる。
【0019】また、請求項4に記載した構成によれば、
機関運転状態に基づいて設定される燃料噴射量が少ない
ほど燃料噴射圧を減圧補正するようにしているため、燃
料噴霧の貫徹力が小さく同燃料噴霧が拡散し易い場合に
は、燃料噴霧の微粒化が抑えられるため、その燃料噴霧
の拡散が抑制されて壁面付着量が減少するようになる。
【0020】請求項5に記載した発明は、メイン噴射に
先立つパイロット噴射を実行する内燃機関のパイロット
噴射制御装置において、パイロット噴射における燃料噴
射量及び燃料噴射圧及び燃料噴射時期を同パイロット噴
射に係る基本制御量として内燃機関の運転状態に基づき
設定する基本制御量設定手段と、パイロット噴射により
内燃機関の気筒内に噴射される燃料のうち当該気筒の内
壁面に付着する燃料の量を基本制御量設定手段により設
定される基本制御量に基づいて推定する壁面付着量推定
手段と、壁面付着量が多くなるほど基本制御量設定手段
により設定される燃料噴射量を増量補正する燃料噴射量
補正手段、及び壁面付着量が多くなるほど基本制御量設
定手段により設定される燃料噴射圧を減圧補正する燃料
噴射圧補正手段、及び壁面付着量が多くなるほど基本制
御量設定手段により設定される燃料噴射時期を遅角側の
時期に補正する燃料噴射時期補正手段を含む基本制御量
補正手段と、燃料噴射量、燃料噴射圧、燃料噴射時期が
この順で優先的に補正されるように基本制御量補正手段
による補正対象を設定する補正対象設定手段とを備える
ようにしている。
【0021】前述したように、壁面付着量は、燃料噴射
時期については同時期が進角側の時期であるほど、燃料
噴射圧については同噴射圧が高圧であるほど、また、燃
料噴射量については同噴射量が少量であるほど増大する
傾向がある。
【0022】請求項5に記構した構成では、こうした壁
面付着量と上記燃料噴射時期、燃料噴射圧、燃料噴射量
といった基本制御量との関係に基づいて壁面付着量を推
定し、その推定される壁面付着量が多くなるほど、燃料
噴射量についてはこれを増量補正し、燃料噴射圧につい
てはこれを減圧補正し、また、燃料噴射時期については
これを遅角側の時期に補正するようにしているため、壁
面付着量が減少するようになる。
【0023】更に上記構成では、燃料噴射量、燃料噴射
圧、燃料噴射時期をこの順で優先的に補正するようにし
ているため、パイロット噴射の機能が極力維持されると
ともに、燃料噴射量、燃料噴射圧、燃料噴射時期を補正
することによるメイン噴射への影響が小さく抑えられ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]以下、本発明
に係る内燃機関の燃料噴射制御装置をディーゼルエンジ
ンに適用するようにした第1の実施形態について図1〜
12を参照して説明する。
【0025】図1は、本実施形態における燃料噴射制御
装置を示す概略構成図である。ディーゼルエンジン1
は、複数の気筒(本実施形態では4つの気筒)#1〜#
4が形成されたシリンダブロック1aと、同シリンダブ
ロック1a上に配設されたシリンダヘッド1bとを備え
ている。各気筒#1〜#4内にはピストン12がそれぞ
れ往復動可能に収容されている。このピストン12はコ
ネティングロッド14を介してクランクシャフト(図示
略)に連結されている。また、各気筒#1〜#4には、
これら気筒#1〜#4の内壁面、ピストン12の頂面、
及びシリンダヘッド1bの下面によって区画されること
により燃焼室13が形成されている。
【0026】シリンダブロック1aにおいて気筒#1〜
#4の周囲にはウォータジャケット19が形成されてい
る。このウォータジャケット19内を流れる冷却水によ
って、シリンダブロック1a、特に各気筒#1〜#4の
内壁部分が冷却されるようになっている。
【0027】シリンダヘッド1bには、各気筒#1〜#
4の燃焼室13に対応してインジェクタ2が配設されて
おり、同インジェクタ2の先端から燃焼室13内に燃料
が噴射されるようになっている。インジェクタ2は、噴
射制御用の電磁弁3を備えており、この電磁弁3の開閉
動作に基づいて燃料噴射時期及び燃料噴射量が調節され
る。本実施形態のディーゼルエンジン1では、このイン
ジェクタ2による燃料の噴射形態がパイロット噴射及び
メイン噴射が実行されるパイロット噴射モードとメイン
噴射のみが実行されるメイン噴射モードとの間で切り替
えられるようになっている。
【0028】インジェクタ2は、各気筒#1〜#4に共
通のコモンレール4にそれぞれ接続されている。コモン
レール4は、逆止弁7が設けられた供給配管5を介して
サプライポンプ6の吐出ポート6aに接続されている。
【0029】サプライポンプ6の吸入ポート6bは、フ
ィルタ9を介して燃料タンク8に接続されている。ま
た、サプライポンプ6のリターンポート6c及び電磁弁
3のリターンポート3aはいずれも、リターン配管11
によって燃料タンク8に接続されている。
【0030】サプライポンプ6は、加圧室(図示略)
と、燃料タンク8の燃料を吸入して同加圧室に供給する
フィードポンプ(図示略)と、クランクシャフト(図示
略)の回転に同期して往復動することにより加圧室内の
燃料を加圧するプランジャ(図示略)とを備えている。
ディーゼルエンジン1の運転が開始されると、プランジ
ャにより加圧された加圧室内の燃料は吐出ポート6aか
ら供給配管5を通じてコモンレール4に圧送されるよう
になっている。このサプライポンプ6の燃料圧送量は、
吐出ポート6aの近傍に設けられたプレッシャコントロ
ールバルブ(以下、「PCV」と略記する)10の開閉
動作に基づいて調節される。
【0031】ディーゼルエンジン1には、その運転に係
る各種状態量を検出するために各種センサが設けられて
いる。アクセルペダル15の近傍には、同ペダル15の
踏込量(アクセル開度ACCP)を検出するためのアク
セルセンサ20が設けられている。シリンダブロック1
aには、冷却水の温度(冷却水温THW)を検出するた
めの水温センサ21が設けられている。また、コモンレ
ール4には、その内部の燃料圧力(燃料圧PC)を検出
するための燃料圧センサ22が設けられている。リター
ン配管11には、燃料の温度(燃料温THF)を検出す
るための燃料温センサ23が設けられている。ディーゼ
ルエンジン1の吸気通路16には、同通路16を通過す
る吸入空気の圧力(吸気圧PM)を検出するための吸気
圧センサ24が設けられている。
【0032】また、クランクシャフトの近傍には、クラ
ンクセンサ25が設けられ、同クランクシャフトの回転
に同期して回転するカムシャフト(図示略)の近傍に
は、カムセンサ26が設けられている。これらクランク
センサ25及びカムセンサ26は、クランクシャフトの
時間当たりの回転数(機関回転数NE)と、同クランク
シャフトの回転角度(クランク角CA)を検出するため
のセンサである。
【0033】これら各センサ20〜26の出力信号は、
ディーゼルエンジン1の電子制御装置(以下、「EC
U」と略記する)50に入力される。このECU50
は、CPU、メモリ、入出力回路、及び駆動回路(いず
れも図示略)等を備えて構成されている。そして、EC
U50は、アクセルセンサ20、水温センサ21、燃料
圧センサ22、燃料温センサ23、及び吸気圧センサ2
4の各出力信号に基づいて、アクセル開度ACCP、冷
却水温THW、燃料圧PC、燃料温THF、及び吸気圧
PMをそれぞれ読み込む。更に、ECU50は、クラン
クセンサ25及びカムセンサ26の出力信号に基づい
て、機関回転数NE及びクランク角CAを算出する。
【0034】更に、ECU50は、上記各種状態量に基
づいて、燃料噴射量、燃料噴射時期、燃料噴射圧(燃料
圧PC)、燃料噴射形態等に係る制御を実行する。以
下、こうした燃料噴射制御について説明する。
【0035】まず、燃料噴射量、燃料噴射時期、燃料噴
射圧といった燃料噴射制御に係る基本制御量を算出する
手順について説明する。図2は、「基本制御量算出ルー
チン」の各処理を示すフローチャートである。このルー
チンは、ECU50により所定クランク角度毎の割込処
理として実行される。
【0036】処理がこのルーチンに移行すると、ステッ
プ110において、ECU50は、機関回転数NE及び
アクセル開度ACCPに基づいて燃料噴射量QTOTA
Lを算出する。この燃料噴射量QTOTALは、一行程
中にインジェクタ2から各気筒#1〜#4の燃焼室13
に噴射される燃料の総量である。即ち、燃料噴射形態が
パイロット噴射モードに設定されている場合には、パイ
ロット噴射及びメイン噴射時に噴射される燃料の総和が
この燃料噴射量QTOTALに相当し、メイン噴射モー
ドに設定されている場合には、メイン噴射時に噴射され
る燃料の量が燃料噴射量QTOTALに相当する。
【0037】ECU50のメモリには、図3に示すよう
な燃料噴射量QTOTALと機関回転数NE及びアクセ
ル開度ACCPとの関係を定義する関数データが記憶さ
れており、ECU50は、この関数データを参照して燃
料噴射量QTOTALを算出する。
【0038】次に、ステップ112において、ECU5
0は、機関回転数NE及び燃料噴射量QTOTALに基
づいて基準目標燃料圧PTRGBを算出する。この基準
目標燃料圧PTRGBは、コモンレール4の燃料圧PC
に係る目標圧力であり、燃焼騒音、排煙濃度等を考慮し
て機関運転状態に最も適した圧力となるように設定され
ている。ECU50のメモリには、図4に示すような基
準目標燃料圧PTRGBと機関回転数NE及び燃料噴射
量QTOTALとの関係を定義する関数データが記憶さ
れており、ECU50は、この関数データを参照して基
準目標燃料圧PTRGBを算出する。
【0039】次に、ECU50は、ステップ114にお
いて、機関回転数NE及び燃料噴射量QTOTALに基
づいて基本パイロット噴射量QPLTBを算出する。こ
の基本パイロット噴射量QPLTBは、燃焼騒音、排煙
濃度等を考慮して機関運転状態に最も適した量となるよ
うに設定されている。
【0040】ECU50のメモリには、図5に示すよう
な基本パイロット噴射量QPLTBと機関回転数NE及
び燃料噴射量QTOTALとの関係を定義する関数デー
タが記憶されており、ECU50は、基本パイロット噴
射量QPLTBを算出する際に、この関数データを参照
する。
【0041】続くステップ116において、ECU50
は次式(1)に基づいてメイン噴射量QMAINを算出
する。 QMAIN=QTOTAL−QPLTB ・・・(1) 次に、ステップ118において、ECU50は、機関回
転数NE及び燃料噴射量QTOTALに基づいてメイン
噴射時期AMAIN及び基本パイロット噴射時期APL
TBを算出する。
【0042】ここで、メイン噴射時期AMAINは、メ
イン噴射が開始される時期であり、燃料を噴射しようと
する気筒#1〜#4の圧縮上死点(TDC)を基準と
し、その圧縮上死点前の相対角度として定義されてい
る。例えば、メイン噴射時期AMAINが「10°C
A」(CA:Crank Angle )である場合には、クランク
角CAが圧縮上死点前10°CAとなったときに、メイ
ン噴射が開始されることとなる。
【0043】一方、基本パイロット噴射時期APLTB
は、上記メイン噴射時期AMAINと同様、圧縮上死点
を基準とし、その圧縮上死点前の相対角度として定義さ
れている。例えば、この基本パイロット噴射時期APL
TBが「30°CA」である場合には、クランク角CA
が圧縮上死点前30°CAとなったときに、パイロット
噴射が開始されることとなる。
【0044】ECU50のメモリには、これらメイン噴
射時期AMAINと機関回転数NE及び燃料噴射量QT
OTALとの関係を定義する関数データ、基本パイロッ
ト噴射時期APLTBと機関回転数NE及び燃料噴射量
QTOTALとの関係を定義する関数データがそれぞれ
記憶されている。ECU50は、上記ステップ118に
おいて、メイン噴射時期AMAIN及び基本パイロット
噴射時期APLTBを算出する際に、これら各関数デー
タを参照する。
【0045】次に、ECU50は、ステップ120にお
いて、メイン噴射時期AMAIN、基本パイロット噴射
時期APLTB、及び機関回転数NEに基づいて噴射間
隔TINTを算出する。この噴射間隔TINTは、パイ
ロット噴射が開始されてからメイン噴射が開始されるま
での時間である。
【0046】より詳細に説明すると、このステップ12
0の処理において、ECU50は、パイロット噴射が開
始されたときからメイン噴射時期AMAINが開始され
るまでのクランク角間隔AINTを次式(2)に基づい
て算出する。 AINT=APLTB−AMAIN ・・・(2) そして、ECU50は、このクランク角間隔AINTと
機関回転数NEとに基づいて噴射間隔TINTを算出す
る。
【0047】上記ステップ120の処理を実行した後、
ECU50は本ルーチンの処理を一旦終了する。ECU
50は、上記のように算出された基本パイロット噴射時
期APLTB、基本パイロット噴射量QPLTBに基づ
いてパイロット噴射時期APLT、パイロット噴射量Q
PLTを算出し、これらパイロット噴射に係る各制御量
APLT,QPLTとメイン噴射に係る各制御量AMA
IN,QMAINに基づいて燃料噴射量及び燃料噴射時
期を制御する。
【0048】即ち、ECU50は、上記各制御量APL
T,QPLT,AMAIN,QMAINに基づいてイン
ジェクタ2を開閉駆動するための駆動信号SINJ(O
N/OFF信号)を生成する。そして、ECU50は、
その駆動信号SINJを所定のタイミングでECU50
の駆動回路に出力することにより、インジェクタ2の電
磁弁3に対し同駆動回路を介して駆動電流を流す。その
結果、インジェクタ2が開閉駆動され、燃焼室13内に
はインジェクタ2から燃料が噴射されるようになる。
【0049】図6は、こうした駆動信号SINJの変化
態様例を示すタイミングチャートである。同図に示すよ
うに、ECU50は、パイロット噴射量QPLTと等し
い量の燃料をインジェクタ2から噴射させるのに必要な
インジェクタ2の開弁時間(パイロット噴射時間TQP
LT)をパイロット噴射量QPLT及びコモンレール4
の燃料圧PCに基づいて算出する。そして、ECU50
は、クランク角CAがパイロット噴射時期APLTとな
ったときに、そのパイロット噴射時間TQPLTだけ駆
動信号SINJを「ON」として出力する。従って、イ
ンジェクタ2が開弁状態となってパイロット噴射が行わ
れ、各燃焼室13内にはパイロット噴射量QPLTと等
しい量の燃料が噴射されるようになる。
【0050】次に、ECU50は、メイン噴射量QMA
INと等しい量の燃料を噴射するのに必要なインジェク
タ2の開弁時間(メイン噴射時間TQMAIN)をメイ
ン噴射量QMAIN及び燃料圧PCに基づいて算出する
とともに、クランク角CAがメイン噴射時期AMAIN
となったときに、そのメイン噴射時間TQMAINだけ
駆動信号SINJを「ON」として出力する。従って、
インジェクタ2が開弁状態となってメイン噴射が行わ
れ、各燃焼室13内にはメイン噴射量QMAINと等し
い量の燃料が噴射されるようになる。
【0051】また、ECU50は、上記燃料噴射量、燃
料噴射時期を制御することに加えて更に、燃料噴射圧を
制御する。即ち、ECU50は、基準目標燃料圧PTR
GBに基づいて最終目標燃料圧PTRGを算出する。そ
して、ECU50は、燃料圧センサ22により検出され
る燃料圧PCがこの最終目標燃料圧PTRGと一致する
ように、PCV10の開閉状態をフィードバック制御し
てサプライポンプ6からの燃料圧送量を調節する。
【0052】次に、後述する処理ルーチンにおいて用い
られる各種制御用フラグの操作を行うための手順につい
て説明する。図7は、「制御用フラグ操作ルーチン」の
各処理を示すフローチャートである。このルーチンは、
ECU50により所定クランク角度毎の割込処理として
実行される。
【0053】処理がこのルーチンに移行すると、ECU
50は、ステップ210,212,214において、パ
イロット噴射モードフラグXPLTの操作を行う。この
パイロット噴射モードフラグXPLTは、機関運転状態
が燃料噴射形態をパイロット噴射モードとすべき状態と
なっているか否かを判断するためのフラグである。
【0054】ステップ210において、ECU50は、
機関運転状態が燃料噴射形態をパイロット噴射モードと
すべき状態であるか否かを図8に示すような関数データ
に基づいて判断する。機関運転状態が低負荷低回転域に
ある場合(例えば、機関回転数NE及び燃料噴射量QT
OTALがそれぞれ図8に示す所定値NE1,QTOT
AL1である場合)、ECU50は、機関運転状態が燃
料噴射形態をパイロット噴射モードにすべき状態である
と判断する。そして、ECU50は処理をステップ21
2に移行して、パイロット噴射モードフラグXPLTを
「1」に設定する。
【0055】一方、機関運転状態が高負荷高回転領域に
ある場合(例えば、機関回転数NE及び燃料噴射量QT
OTALが、同図に示す所定値NE2,QTOTAL2
である場合)、ECU50は、機関運転状態が燃料噴射
形態をパイロット噴射モードにすべき状態ではないと判
断する。そして、ECU50は処理をステップ214に
移行して、パイロット噴射モードフラグXPLTを
「0」に設定する。その後、ECU50は処理をステッ
プ220に移行する。
【0056】次に、ECU50は、ステップ216,2
18,220において、パイロット噴射実行フラグXP
LTJの操作を行う。このパイロット噴射実行フラグX
PLTJは、パイロット噴射が実際に実行されているか
否かを判断するためのフラグである。
【0057】ECU50は、ステップ212の処理を実
行した後、ステップ216において、基本パイロット噴
射量QPLTBと所定量αとを比較する。ここで基本パ
イロット噴射量QPLTBが所定量α以下である旨判断
された場合、ECU50はステップ220においてパイ
ロット噴射実行フラグXPLTJを「0」に設定する。
一方、ステップ216において、基本パイロット噴射量
QPLTBが所定量αより大きい旨判断された場合、E
CU50は、ステップ218においてパイロット噴射実
行フラグXPLTJを「1」に設定する。
【0058】ここで、上記所定量αは、パイロット噴射
を安定して実行することのできるパイロット噴射量の最
小量としてインジェクタ2の噴射特性を考慮した実験等
により予め設定され、ECU50のメモリに記憶されて
いる値である。例えば、基本パイロット噴射量QPLT
Bが所定量α以下であるときには、安定したパイロット
噴射を実行することができないため、パイロット噴射実
行フラグXPLTJが「0」に設定される。従って、機
関運転状態が燃料噴射形態をパイロット噴射モードとす
べき状態となっていても、パイロット噴射は実行されな
いこととなる。
【0059】上記各ステップ218,220の処理を実
行した後、ECU50は本ルーチンの処理を一旦終了す
る。本実施形態では、以上のように算出された基本制御
量のうちパイロット噴射に関する制御量を補正すること
により、パイロット噴射時に噴射された燃料のうち、気
筒#1〜#4の内壁面に付着する燃料の量(以下、「壁
面付着量」という)を低減するようにしている。以下、
こうした基本制御量の補正手順について説明する。
【0060】図9は、「基本制御量補正ルーチン」の各
処理を示すフローチャートである。このルーチンは、E
CU50により所定クランク角度毎の割込処理として実
行される。
【0061】処理がこのルーチンに移行すると、ステッ
プ310において、ECU50は、噴射間隔TINT及
び機関回転数NEに基づいて噴射量補正値KQPLTを
算出する。この噴射量補正値KQPLTは、壁面付着量
を減少させるべく基本パイロット噴射量QPLTBを増
量補正するためのものである。
【0062】ECU50のメモリには、図10に示すよ
うな噴射量補正値KQPLTと噴射間隔TINT及び機
関回転数NEとの関係を定義する関数データが記憶され
ており、ECU50は噴射量補正値KQPLTを算出す
る際に、この関数データを参照する。
【0063】同図に示すように、噴射量補正値KQPL
Tは、噴射間隔TINTが長くなるほど相対的に大きな
値として算出される。これは噴射間隔TINTが長くな
るほど、ピストン12が上死点からより離れた位置にあ
るときにパイロット噴射が実行されるようになるため、
壁面付着量が増大するからである。
【0064】また、同図に示すように、噴射量補正値K
QPLTは、機関回転数NEが低いほど相対的に大きな
値として算出される。これは機関回転数NEが低くなる
ほどピストン12の往復動速度が減少し、ピストン12
が上死点から離れた位置にあるときに噴射される燃料の
割合が増大する結果、壁面付着量が増大するからであ
る。
【0065】このようにして噴射量補正値KQPLTを
算出した後、ステップ312において、ECU50は、
次式(3)に基づいてパイロット噴射量QPLTを算出
する。 QPLT=QPLTB+KQPLT ・・・(3) 従って、パイロット噴射量QPLTは、壁面付着量に応
じて基本パイロット噴射量QPLTBを増量補正した値
として算出される。
【0066】次に、ステップ314において、ECU5
0は、噴射量補正値KQPLT及び機関回転数NEに基
づいて噴射時期修正値△APLTを算出する。この噴射
時期修正値△APLTは、前記基本パイロット噴射時期
APLTBを修正することにより、パイロット噴射時に
おける燃料噴射量を噴射量補正値KQPLT分だけ増量
するためのものである。
【0067】次に、ステップ316において、ECU5
0は、次式(4)に基づいてパイロット噴射時期APL
Tを算出する。 APLT=APLTB+△APLT ・・・(4) 従って、上式(4)から明らかなように、パイロット噴
射時期APLTは基本パイロット噴射時期APLTBよ
りも進角側の時期に修正されることになる。
【0068】次に、ECU50は、ステップ318にお
いて、噴射間隔TINT及び機関回転数NEに基づいて
噴射圧補正値KPTRGを算出する。この噴射圧補正値
KPTRGは、壁面付着量を減少させるべく基準目標燃
料圧PTRGBを減圧補正するためのものである。
【0069】ECU50のメモリには、図11に示すよ
うな噴射圧補正値KPTRGと噴射間隔TINT及び機
関回転数NEとの関係を定義する関数データが記憶され
ており、ECU50は噴射圧補正値KPTRGを算出す
る際に、この関数データを参照する。
【0070】同図に示すように、噴射圧補正値KPTR
Gは、噴射間隔TINTが長いほど相対的に大きな値と
して算出される。これは噴射間隔TINTが長くなるほ
ど、ピストン12が上死点からより離れた位置にあると
きにパイロット噴射が実行されるようになるため、壁面
付着量が増大するからである。
【0071】また、同図に示すように、噴射圧補正値K
PTRGは、機関回転数NEが低くなるほど相対的に大
きな値として算出される。これは前述したように、機関
回転数NEが小さくなるほど、ピストン12が上死点か
ら離れた位置にあるときに噴射される燃料の割合が増大
する結果、壁面付着量が増大するからである。
【0072】次に、ステップ320において、ECU5
0は、パイロット噴射モードフラグXPLTが「1」に
設定されているか否かを判断する。ここで否定判断され
た場合、ECU50は、パイロット噴射を実行する必要
がなく、また、燃料噴射圧の補正も不要であることか
ら、ステップ322において、パイロット噴射量QPL
Tを「0」に設定する。そして、続くステップ323,
326において、燃料噴射量QTOTALをメイン噴射
量QMAINとして、また、基準目標燃料圧PTRGB
を前述した最終目標燃料圧PTRGとしてそれぞれ設定
する。
【0073】これに対して、ステップ320において肯
定判断された場合、ECU50は、ステップ324にお
いて、パイロット噴射実行フラグXPLTJが「1」に
設定されているか否かを判断する。ここで否定判断され
た場合、ECU50は、上記各ステップ322,32
3,326の処理を実行する。一方、ステップ324に
おいて肯定判断された場合、ECU50は、ステップ3
28において、次式(5)に基づいて最終目標燃料圧P
TRGを算出する。 PTRG=PTRGB−KPTRG ・・・(5) 従って、上式(5)から明らかなように、最終目標燃料
圧PTRGは基準目標燃料圧PTRGBよりも噴射圧補
正値KPTRG分だけ減圧されることとなる。
【0074】上記各ステップ326,328の処理を実
行した後、ECU50は本ルーチンの処理を一旦終了す
る。ECU50は、上記「基本制御量算出ルーチン」及
び「基本制御量補正ルーチン」にて求められたパイロッ
ト噴射量QPLT、メイン噴射量QMAIN、パイロッ
ト噴射時期APLT、メイン噴射時期AMAIN、及び
最終目標燃料圧PTRGに基づいて燃料噴射量、燃料噴
射時期、及び燃料噴射圧を制御する。
【0075】図12は、こうした本実施形態における制
御態様の一例を示すタイミングチャートである。同図
(a),(c)は、前記駆動信号SINJの変化態様
を、同図(b),(d)は、燃料圧PCの変化態様をそ
れぞれ示している。また、同図(a),(b)は、基本
パイロット噴射時期APLTBが相対的に遅角側の時期
に設定され、噴射間隔TINTが比較的小さい場合、同
図(c),(d)は、基本パイロット噴射時期APLT
Bが相対的に進角側の時期に設定され、同噴射間隔TI
NTが比較的大きい場合における駆動信号SINJ及び
燃料圧PCの変化態様をそれぞれ示している。尚、同図
(a),(c)において、「△TQPLT」は、パイロ
ット噴射時における燃料噴射量を前記噴射量補正値KQ
PLT分だけ増量するためのインジェクタ2の開弁時間
に関する補正値である。この補正値△TQPLTは、上
記噴射量補正値KQPLT、機関回転数NE、及び燃料
圧PCに基づいてECU50により算出される。
【0076】同図(a),(c)に示すように、本実施
形態の燃料噴射制によれば、噴射間隔TINTが相対的
に長くなるほど、換言すれば、パイロット噴射が相対的
に進角側の時期に実行されるときほど、噴射量補正値K
QPLTが大きく設定され、より多く燃料がインジェク
タ2から燃焼室13内に噴射されるようになるため、イ
ンジェクタ2から噴射される燃料噴霧の貫徹力が増大
し、同燃料噴霧の拡散(霧化)が抑制されるようにな
る。
【0077】更に、図(b),(d)に示すように、噴
射間隔TINTが相対的に長くなり、パイロット噴射が
相対的に進角側の時期に実行されるときほど、噴射圧補
正値KPTRGが大きく設定されて最終目標燃料圧PT
RGが大きく減圧されるため、より低い燃料圧PCでイ
ンジェクタ2から燃焼室13内に燃料が噴射されるよう
になる。その結果、インジェクタ2から噴射される燃料
噴霧の微粒化が抑えられ、同燃料噴霧の拡散が抑制され
るようになる。
【0078】そして、このように燃料噴霧の拡散が抑制
されるため、パイロット噴射時においてインジェクタ2
から噴射された燃料の大部分はピストン12の頂面に付
着するようになる。このようにピストン12の頂面に付
着した燃料は、同頂面が気筒#1〜#4の内壁面と比較
して高温であり、また、燃焼室13内の燃焼ガスに常に
接していることから、速やかに気化して完全燃焼するよ
うになる。一方、このように噴射された燃料の大部分が
ピストン12の頂面に付着するようになるため、壁面付
着量は相対的に減少するようになる。その結果、気筒#
1〜#4の内壁面に付着して燃焼室13から完全燃焼す
ることなく排出されてしまう燃料が大幅に減少するよう
になる。
【0079】(1)その結果、本実施形態によれば、パ
イロット噴射時において噴射された燃料の一部が一酸化
炭素(HC)等の未燃成分として各気筒#1〜#4の燃
焼室13から排出されるのを抑制することができ、排気
性状の向上を図ることができるようになる。
【0080】ここで、上記のようにパイロット噴射量Q
PLTや最終目標燃料圧PTRGといったパイロット噴
射に係る制御量を、基本パイロット噴射量QPLTBや
基準目標燃料圧PTRGBといった機関運転状態に基づ
く値から変更した場合、その変更量、即ち、噴射量補正
値KQPLT及び噴射圧補正値KPTRGがあまり大き
く設定されると、燃焼騒音やNOx 濃度の低減といった
パイロット噴射による効果を低下させてしまうことが懸
念される。
【0081】この点、本実施形態では、パイロット噴射
量QPLT及び最終目標燃料圧PTRGの双方を変更し
て燃料噴霧の拡散を抑制するようにしているため、例え
ば、パイロット噴射量QPLTのみ、或いは最終目標燃
料圧PTRGのみを変更して燃料噴霧の拡散を抑制する
ようにした構成と比較して、これら噴射量補正値KQP
LTや噴射圧補正値KPTRGのそれぞれの大きさを極
力小さく設定しつつ、燃料噴霧の拡散を効果的に抑える
ことができる。
【0082】(2)従って、本実施形態によれば、パイ
ロット噴射による効果を極力維持しつつ、排気性状を確
実に向上させることができる。 [第2の実施形態]次に、本発明を具体化した第2の実
施形態について上記第1の実施形態との相違点を中心に
説明する。尚、第1の実施形態と同様の構成については
同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0083】上記第1の実施形態では、壁面付着量に応
じて最終目標燃料圧PTRGを基準目標燃料圧PTRG
Bから噴射圧補正値KPTRG分だけ低く設定すること
により、燃料噴射圧、即ち燃料圧PCを減圧するように
した。本実施形態では、この減圧された燃料噴射圧をパ
イロット噴射が開始された後に再び機関運転状態に基づ
く圧力(基準目標燃料圧PTRGB)にまで増圧するよ
うにしている。以下、こうした本実施形態の燃料噴射圧
に係る制御手順について説明する。尚、本実施形態にお
いても前述した「基本制御量算出ルーチン」及び「基本
制御量補正ルーチン」の各処理がECU50によって実
行されるものとする。
【0084】図13は、「燃料噴射圧制御ルーチン」の
各処理を示すフローチャートである。このルーチンは、
ECU50により所定クランク角毎の割込処理として実
行される。
【0085】処理がこのルーチンに移行すると、ステッ
プ410において、ECU50は、現在のクランク角C
A及びパイロット噴射時期APLTに基づいて、パイロ
ット噴射が既に開始されているか否かを判断する。ここ
でパイロット噴射の開始後である旨判断された場合、E
CU50は、ステップ412において更に、現在のクラ
ンク角CA及びメイン噴射時期AMAINに基づいて、
メイン噴射の開始前であるか否かを判断する。ここでメ
イン噴射の開始後である旨判断された場合、ECU50
は、処理を後述するステップ418に移行する。
【0086】一方、ステップ412においてメイン噴射
の開始前である旨判断された場合、ECU50は、ステ
ップ414において、最終目標燃料圧PTRGを増圧補
正する。即ち、ECU50は、現在の最終目標燃料圧P
TRGに対して所定値βを加算した値を新たな最終目標
燃料圧PTRGとして設定する。この所定値βは、最終
目標燃料圧PTRGに加算されることにより、パイロッ
ト噴射が開始されてからメイン噴射が開始されるまでの
間に、最終目標燃料圧PTRGを基準目標燃料圧PTR
GBにまで確実に増圧することが可能な大きさに予め設
定されている。
【0087】次に、ECU50は、ステップ416にお
いて、最終目標燃料圧PTRGと基準目標燃料圧PTR
GBとを比較する。ここで最終目標燃料圧PTRGが基
準目標燃料圧PTRGBより大きい旨判断された場合、
ECU50は、ステップ418において、最終目標燃料
圧PTRGを基準目標燃料圧PTRGBと等しく設定す
る。このステップ418の処理を実行した後、ECU5
0は本ルーチンの処理を一旦終了する。また、前述した
各ステップ410,416において否定判断された場合
も同様に、ECU50は、本ルーチンの処理を一旦終了
する。
【0088】図14は、本実施形態における制御態様の
一例を示すタイミングチャートである。同図(a)は、
前記駆動信号SINJの変化態様を、同図(b)は、燃
料圧PCの変化態様をそれぞれ示している。
【0089】同図に示すように、本実施形態における燃
料噴射圧制御によれば、パイロット噴射が開始される
と、最終目標燃料圧PTRGが所定値βずつ増圧補正さ
れるため、燃料圧PCが徐々に増大する。なおここで、
パイロット噴射の開始時と比較して同噴射の終了時には
燃料圧PCが相対的に大きく設定されることになるが、
パイロット噴射終了時には開始時と比較してピストン1
2が上昇しているため、燃料圧PCの増大に起因した壁
面付着量の増大は発生しない。燃料圧PCは、メイン噴
射が開始される前までに基準目標燃料圧PTRGBに達
し、その後は同基準目標燃料圧PTRGBと等しく保持
されるようになる。
【0090】従って、本実施形態によれば、第1の実施
形態の(1),(2)に記載した効果に加えて、 (3)メイン噴射を機関運転状態に適した燃料噴射圧
(基準目標燃料圧PTRGB)で実行することができる
ようになり、メイン噴射時における燃料噴霧の拡散を促
進して良好な燃焼状態を確保することができる。
【0091】[第3の実施形態]次に、本発明を具体化
した第3の実施形態について上記第1の実施形態との相
違点を中心に説明する。尚、第1の実施形態と同様の構
成については同一の符号を付すことにより説明を省略す
る。
【0092】本実施形態では、低温始動時における始動
性を向上させるために、図16に示すように、パイロッ
ト噴射によって噴射される燃料を複数回(同図では3
回)に分けて噴射する、いわゆるスプリット噴射を実行
するようにしている点が上記第1の実施形態と相違す
る。以下、こうした本実施形態における燃料噴射に係る
制御手順について説明する。尚、本実施形態においても
上記第1の実施形態で説明した「制御用フラグ操作ルー
チン」及び上記第2の実施形態で説明した「燃料噴射圧
制御ルーチン」の処理が実行されるものとする。
【0093】図15は、「基本制御量算出ルーチン」の
各処理を示すフローチャートである。このルーチンは、
ECU50により所定クランク角毎の割込処理として実
行される。尚、本ルーチンのステップ510〜516の
各処理は、既に説明した図2に示すステップ110〜1
16の各処理と同様であるため、その説明は省略する。
【0094】ステップ510〜516の各処理を実行し
た後、ステップ518において、ECU50は、機関回
転数NE及び燃料噴射量QTOTALに基づいてメイン
噴射時期AMAIN及び基本スプリット噴射時期APL
TSPBを算出する。ここで、基本スプリット噴射時期
APLTSPBは、スプリット噴射を実行する際におい
て最初の燃料噴射が開始される時期の基準値であり、メ
イン噴射時期AMAINと同様、圧縮上死点(TDC)
前の相対角度として定義されている(図16参照)。
【0095】ECU50のメモリには、この基本スプリ
ット噴射時期APLTSPBと機関回転数NE及び燃料
噴射量QTOTALとの関係を定義する関数データが記
憶されており、ECU50は、基本スプリット噴射時期
APLTSPBを算出する際に、この関数データを参照
する。
【0096】次に、ステップ520において、ECU5
0は、機関回転数NEに基づいてスプリット噴射回数n
を算出する。ECU50のメモリには、図17に示すよ
うな、スプリット噴射回数nと機関回転数NEとの関係
を定義する関数データが記憶されており、ECU50
は、スプリット噴射回数nを算出する際に、この関数デ
ータを参照する。同図に示すように、本実施形態では、
このスプリット噴射回数nは機関回転数NEに応じて1
〜3回の間に設定される。例えば、機関回転数NEが
(0≦NE<NE1)の範囲にある場合には、スプリッ
ト噴射回数nは3回に設定され、機関回転数NEが(N
E1≦NE<NE2)の範囲にある場合には、スプリッ
ト噴射回数nは2回に設定される。更に、機関回転数N
Eが(NE≧NE2)の範囲にある場合には、スプリッ
ト噴射回数nは1回に設定される。
【0097】このようにスプリット噴射回数nを算出し
た後、ステップ522において、ECU50は、式
(6)に基づいて基本スプリット噴射量QPLTSPB
を算出する。 QPLTSPB=QPLT/n ・・・(6) この基本スプリット噴射量QPLTSPBは、一回のス
プリット噴射により噴射される燃料の量であり、例え
ば、スプリット噴射回数nが「1」である場合にはパイ
ロット噴射量QPLTと等しく算出され、スプリット噴
射回数nが「3」である場合にはパイロット噴射量QP
LTを三等分した量と等しく算出される。
【0098】次に、ステップ524において、ECU5
0は、メイン噴射時期AMAIN、基本スプリット噴射
時期APLTSPB、及び機関回転数NEに基づいて噴
射間隔TINTi(i=1〜3)を算出する。この噴射
間隔TINTiは、各スプリット噴射が開始されてから
メイン噴射が開始されるまでの時間(図16参照)であ
る。例えば、3回のスプリット噴射が実行される場合
(スプリット噴射回数n=3)を例にして説明すると、
ECU50は、まず、次式(7)に基づいてクランク角
間隔AINTを算出する。 AINT=APLTSPB−AMAIN ・・・(7) そして、ECU50は、このクランク角間隔AINT及
び機関回転数NEに基づいて1回目のスプリット噴射に
対応した噴射間隔TINT1を算出する。
【0099】次に、ECU50は、次式(8)に基づい
て2回目及び3回目のスプリット噴射に対応した噴射間
隔TINT2,TINT3を算出する。 TINTi=TINT1−TSPINTB×(i−1) ・・・(8) TSPINTB:基本スプリット噴射間隔 上式において、基本スプリット噴射間隔TSPINTB
は、スプリット噴射が開始されてから次のスプリット噴
射が開始されるまでの時間であり(図16参照)、イン
ジェクタ2及び駆動回路の特性に応じて設定され、EC
U50のメモリに予め記憶されている値である。
【0100】上記のようにして各噴射間隔TINTiを
算出した後、ECU50は、本ルーチンの処理を一旦終
了する。本実施形態では第1の実施形態と同様、以上の
ようにして算出されたパイロット噴射(スプリット噴
射)及びメイン噴射に係る制御量QMAIN,QPLT
SPB,AMAIN,APLTSPB,PTRGBを補
正することにより、各スプリット噴射時に噴射された燃
料のうち、気筒#1〜#4の内壁面に付着する燃料の量
を低減するようにしている。以下、こうした補正手順に
ついて説明する。
【0101】図18は、「基本制御量補正ルーチン」の
各処理を示すフローチャートである。このルーチンは、
ECU50により所定クランク角度毎の割込処理として
実行される。
【0102】処理がこのルーチンに移行すると、ECU
50は、ステップ610において噴射間隔TINTi及
び機関回転数NEに基づいてスプリット噴射量補正値K
QPLTSPi(i=1〜3)を算出する。このスプリ
ット噴射量補正値KQPLTSPiは、壁面付着量を減
少させるべく基本スプリット噴射量QPLTSPBを増
量補正するためのものである。
【0103】ECU50のメモリには、図19に示すよ
うな、スプリット噴射量補正値KQPLTSPiと、噴
射間隔TINTi、機関回転数NE、及びスプリット噴
射回数nとの関係を定義する関数データがスプリット噴
射回数nに応じてそれぞれ記憶されており、ECU50
はスプリット噴射量補正値KQPLTSPiを算出する
際に、この関数データを参照する。
【0104】スプリット噴射量補正値KQPLTSPi
は、図10に示す噴射量補正値KQPLTと噴射間隔T
INT及び機関回転数NEとの関係と同様に、噴射間隔
TINTiが長いほど、また、機関回転数NEが低いほ
ど相対的に大きな値として算出される。
【0105】従って、例えば、スプリット噴射が3回実
行される場合(スプリット噴射回数n=3)にあって
は、噴射間隔TINTiに関して(TINT1>TIN
T2>TINT3)の関係が成立することから、各回の
スプリット噴射に対応したスプリット噴射量補正値KQ
PLTSPiについて、以下の式(9)に示す関係が常
に成立することとなる。 KQPLTSP1>KQPLTSP2>KQPLTSP3 ・・・(9) このようにスプリット噴射量補正値KQPLTSPiを
算出した後、ステップ612において、ECU50は、
次式(10)に基づいてスプリット噴射量QPLTSP
iを算出する。 QPLTSPi=QPLTSPB+KQPLTSPi ・・・(10) 従って、上式(10)から明らかなように、スプリット
噴射量QPLTSPiは基本スプリット噴射量QPLT
SPBよりもスプリット噴射量補正値KQPLTSPi
分だけ増量されることとなる。
【0106】次に、ステップ614において、ECU5
0は、1回目のスプリット噴射に対応したスプリット噴
射量補正値KQPLTSP1及び機関回転数NEに基づ
いて噴射時期修正値△APLTSPを算出する。この噴
射時期修正値△APLTSPは、基本スプリット噴射時
期APLTSPBを補正することにより、1回目のスプ
リット噴射時における燃料噴射量をスプリット噴射量補
正値KQPLTSP1分だけ増量するためのものであ
る。
【0107】こうして噴射時期修正値△APLTSPを
算出した後、ステップ616において、ECU50は、
次式(11)に基づいてスプリット噴射時期APLTS
Pを算出する。このスプリット噴射時期APLTSP
は、1回目のスプリット噴射が開始されるときのクラン
ク角CAである。 APLTSP=APLTSPB+△APLTSP ・・・(11) 従って、スプリット噴射時期APLTSPは基本スプリ
ット噴射時期APLTSPBよりも噴射時期修正値△A
PLTSP分だけ進角側の時期に設定されることにな
る。
【0108】次に、ECU50は、ステップ618にお
いて、1回目のスプリット噴射に対応した噴射間隔TI
NT1及び機関回転数NEに基づいて噴射圧補正値KP
TRGを算出する。
【0109】ECU50のメモリには、噴射圧補正値K
PTRGと噴射間隔TINT1及び機関回転数NEとの
関係を定義する関数データが記憶されており、ECU5
0は噴射圧補正値KPTRGを算出する際に、この関数
データを参照する。この関数データは、図11に示す関
数データと同様、噴射間隔TINT1が長いほど、ま
た、機関回転数NEが低いほど噴射圧補正値KPTRG
が相対的に大きな値として算出されるように設定されて
いる。
【0110】次に、ステップ620において、ECU5
0は、パイロット噴射モードフラグXPLTが「1」に
設定されているか否かを判断する。ここで否定判断され
た場合、ECU50は、パイロット噴射を実行する必要
がなく(従って、スプリット噴射も行われない)、ま
た、燃料噴射圧の補正も不要であることから、ステップ
622において、各スプリット噴射量QPLTSPiを
「0」に設定する。そして、続くステップ623,62
6において、燃料噴射量QTOTALをメイン噴射量Q
MAINとして、また、基準目標燃料圧PTRGBを前
述した最終目標燃料圧PTRGとしてそれぞれ設定す
る。
【0111】これに対して、ステップ620において肯
定判断された場合、ECU50は、ステップ624にお
いて、パイロット噴射実行フラグXPLTJが「1」に
設定されているか否かを判断する。ここで否定判断され
た場合、ECU50は、上記各ステップ623,626
の処理を実行する。一方、ステップ624において肯定
判断された場合、ECU50は、ステップ628におい
て、前述した式(5)に基づいて最終目標燃料圧PTR
Gを算出する。
【0112】上記各ステップ626,628の処理を実
行した後、ECU50は本ルーチンの処理を一旦終了す
る。ECU50は、上記「基本制御量算出ルーチン」及
び「基本制御量補正ルーチン」にて求められたスプリッ
ト噴射量QPLTSPi、メイン噴射量QMAIN、ス
プリット噴射時期APLTSP、メイン噴射時期AMA
IN、及び最終目標燃料圧PTRGに基づいて燃料噴射
量、燃料噴射時期、及び燃料噴射圧を制御する。
【0113】図20は、こうした本実施形態における制
御態様の一例を示すタイミングチャートである。同図
(a)は、インジェクタ2を開閉駆動するための駆動信
号SINJの変化態様を、同図(b)は、燃料圧PCの
変化態様をそれぞれ示している。
【0114】以下、このタイミングチャートを参照し
て、駆動信号SINJの生成手順について説明する。E
CU50は、まず、スプリット噴射量補正値KQPLT
SPi及び機関回転数NEに基づいて補正時間TKQP
LTSPi(i=1〜3)を算出する。この補正時間T
KQPLTSPiは、各スプリット噴射においてスプリ
ット噴射量補正値KQPLTSPi分だけ燃料噴射量を
増量補正するためのインジェクタ2の開弁時間に関する
補正値である。
【0115】次に、ECU50は、次式(12)に基づ
いて最終スプリット噴射間隔TSPINTj(j=1,
2)を算出する。 TSPINTj=TKQPLTSPj+TSPINTBーTKQPLTS P(j+1) ・・・(12) 更に、ECU50は、スプリット噴射量QPLTSPi
と機関回転数NEとに基づいて、各スプリット噴射にお
けるインジェクタ2の開弁時間TQPLTSPi(i=
1〜3)を算出する。ECU50は、以上のようにして
算出された開弁時間TQPLTSPi及び最終スプリッ
ト噴射間隔TSPINTjに基づいて駆動信号SINJ
を生成する。そして、ECU50は、クランク角CAが
スプリット噴射時期APLTSPとなったときに、この
駆動信号SINJを駆動回路に対して出力することによ
り、スプリット噴射を実行する。
【0116】以上のようにしてスプリット噴射を実行す
るようにした本実施形態においても、同図(a)に示す
ように、各スプリット噴射に対応した噴射間隔TINT
iが相対的に長くなるほど、インジェクタ2の開弁時間
(=TQPLTSPi)が長くなる(TQPLTSP1
>TQPLTSP2>TQPLTSP3)。従って、各
回のスプリット噴射のうち、相対的に進角側の時期に実
行されるスプリット噴射のときほど、より多く燃料が各
燃焼室13内に噴射されるようになるため、インジェク
タ2から噴射される燃料噴霧の貫徹力が増大し、同燃料
噴霧の拡散が抑制されるようになる。
【0117】また、本実施形態においても第2の実施形
態と同様に、最初のスプリット噴射が開始されてから、
最終目標燃料圧PTRGが所定値βずつ増大するため、
同図(b)に示すように、燃料圧PCが徐々に増圧され
る。従って、各回のスプリット噴射のうち、相対的に遅
角側の時期に実行されるスプリット噴射のときほど、よ
り大きな燃料噴射圧で燃料が噴射されるようになる。
【0118】例えば、スプリット噴射が3回実行される
場合には、1回目のスプリット噴射では、相対的に低い
燃料噴射圧で燃料が噴射されて壁面付着量の増大が抑制
されるのに対し、3回目のスプリット噴射では、相対的
に高い燃料噴射圧で燃料が噴射されて燃料噴霧が適度に
拡散されるようになるため、メイン噴射における燃焼の
火種がより早期に形成されるようになる。
【0119】その結果、本実施形態によれば、第1及び
第2の実施形態と同様、未燃成分の排出を抑制して、排
気性状の向上を図りつつ更に、良好なスプリット噴射を
実現して始動性の向上を図ることができる。
【0120】[第4の実施形態]次に、本発明を具体化
した第4の実施形態について上記第1の実施形態との相
違点を中心に説明する。尚、第1の実施形態と同様の構
成については同一の符号を付すことにより説明を省略す
る。
【0121】本実施形態では、最終目標燃料圧PTRG
及び機関回転数NEに基づいて基本パイロット噴射量Q
PLTBを補正するようにしている点が第1の実施形態
と相違している。以下、こうしたパイロット噴射量QP
LTの補正手順について説明する。尚、本実施形態にお
いても上記第1の実施形態で説明した「基本制御量算出
ルーチン」及び「制御用フラグ操作ルーチン」の処理が
それぞれ実行されるものとする。
【0122】図21は、「基本制御量補正ルーチン」の
各処理を示すフローチャートである。このルーチンは、
ECU50により所定クランク角毎の割込処理として実
行される。
【0123】処理がこのルーチンに移行すると、ステッ
プ708において、ECU50は、前述した「基本制御
量算出ルーチン」において算出された基準目標燃料圧P
TRGBを最終目標燃料圧PTRGとして設定する。次
に、ECU50は、ステップ710において、この最終
目標燃料圧PTRGと機関回転数NEとに基づいて噴射
量補正値KQPLTを算出する。この噴射量補正値KQ
PLTは、壁面付着量を減少させるべく基本パイロット
噴射量QPLTBを増量補正するためのものである。
【0124】ECU50のメモリには、図22に示すよ
うな、噴射量補正値KQPLTと最終目標燃料圧PTR
G及び機関回転数NEとの関係を定義する関数データが
記憶されており、ECU50は噴射量補正値KQPLT
を算出する際に、この関数データを参照する。
【0125】同図に示すように、噴射量補正値KQPL
Tは、最終目標燃料圧PTRGが大きくなるほど相対的
に大きな値として算出される。インジェクタ2から燃焼
室13内に噴射される燃料は、その噴射圧が大きくなる
ほど微粒化されて拡散されるようになる。従って、最終
目標燃料圧PTRGが大きく設定されているときほど壁
面付着量が増大するようになる。そこで、本実施形態で
は、こうした燃料噴射圧の増大に伴う噴射燃料の拡散
を、燃料噴射量を増加させ燃料噴霧の貫徹力を増大させ
ることによって抑制するようにしている。
【0126】また、同図に示すように、噴射量補正値K
QPLTは、機関回転数NEが小さいほど相対的に大き
な値として算出される。これは前述したように、機関回
転数NEが小さくなるほど、ピストン12が上死点から
離れた位置にあるときに噴射される燃料の割合が増大し
て壁面付着量が増大するからである。
【0127】このようにして噴射量補正値KQPLTを
算出した後、ステップ712において、ECU50は、
前述した次式(3)に基づいてパイロット噴射量QPL
Tを算出する。
【0128】次に、ECU50は、ステップ714にお
いて、ECU50は、噴射量補正値KQPLT及び機関
回転数NEに基づいて噴射時期修正値△APLTを算出
する。この噴射時期修正値△APLTは、基本パイロッ
ト噴射時期APLTBを補正することにより、パイロッ
ト噴射時に噴射される燃料の量を前記噴射量補正値KQ
PLT分だけ増量するためのものである。そして、EC
U50は、ステップ716において、前述した次式
(4)に基づいてパイロット噴射時期APLTを算出す
る。
【0129】次に、ECU50は、ステップ720以降
の処理を実行する。ステップ720〜724における各
処理は、既に説明した図9に示すステップ320〜32
4の各処理と同様であるため、その説明は省略する。
【0130】そして、ECU50は、ステップ724に
おいて否定判断された場合、或いはステップ723の処
理を実行した後、本ルーチンの処理を一旦終了する。以
上説明したように、本実施形態では、最終目標燃料圧P
TRGが大きいほど、噴射量補正値KQPLTを相対的
に大きな値に設定してパイロット噴射量QPLTを増加
させるようにしている。従って、インジェクタ2から噴
射される燃料噴霧の貫徹力が増大して燃料噴射圧の増大
に伴う噴射燃料の拡散が抑制されるようになるため、壁
面付着量を低減することができる。その結果、本実施形
態においても、第1の実施形態において(1)に記載し
た効果と同等の効果を奏することができる。
【0131】[第5の実施形態]次に、本発明を具体化
した第5の実施形態について上記第1の実施形態との相
違点を中心に説明する。尚、第1の実施形態と同様の構
成については同一の符号を付すことにより説明を省略す
る。
【0132】本実施形態では、パイロット噴射量QPL
T及び機関回転数NEに基づいて基準目標燃料圧PTR
GBを補正するようにしている点が第1の実施形態と相
違している。以下、こうした基準目標燃料圧PTRGB
の補正手順について説明する。尚、本実施形態において
も上記第1の実施形態で説明した「基本制御量算出ルー
チン」及び「制御用フラグ操作ルーチン」の処理がそれ
ぞれ実行されるものとする。
【0133】図24は、「基本制御量補正ルーチン」の
各処理を示すフローチャートである。このルーチンは、
ECU50により所定クランク角毎の割込処理として実
行される。
【0134】処理がこのルーチンに移行すると、各ステ
ップ810,811において、ECU50は、「基本制
御量算出ルーチン」において算出された基本パイロット
噴射量QPLTB、APLTBをパイロット噴射量QP
LT、パイロット噴射時期APLTとしてそれぞれ設定
する。
【0135】次に、ECU50は、ステップ812にお
いて、パイロット噴射量QPLTと機関回転数NEとに
基づいて噴射圧補正値KPTRGを算出する。この噴射
圧補正値KPTRGは、壁面付着量を減少させるべく最
終目標燃料圧PTRGを減圧補正するためのものであ
る。
【0136】ECU50のメモリには、図23に示すよ
うな、噴射圧補正値KPTRGとパイロット噴射量QP
LT及び機関回転数NEとの関係を定義する関数データ
が記憶されており、ECU50は、噴射圧補正値KPT
RGを算出する際に、この関数データを参照する。
【0137】同図に示すように、噴射圧補正値KPTR
Gは、パイロット噴射量QPLTが少ないほど相対的に
大きな値として算出される。インジェクタ2から燃焼室
13内に噴射される燃料は、その量が少なくなるほど貫
徹力が減少して燃焼室13内で拡散されるようになる。
従って、パイロット噴射量QPLTが少ない量に設定さ
れているほど、噴射された燃料のうち気筒#1〜#4の
内壁面に付着する燃料の量が増大するようになる。そこ
で、本実施形態では、こうした燃料噴射量の減少に伴う
燃料噴霧の拡散を、燃料噴射圧を減圧することによって
抑制するようにしている。
【0138】また、同図に示すように、本実施形態にお
いても、噴射圧補正値KPTRGは、機関回転数NEが
小さいほど相対的に大きな値として算出される。次に、
ECU50は、ステップ820〜828の各処理を実行
する。これらステップ820〜828の処理は、既に説
明した図9のフローチャートにおけるステップ320〜
328の処理と同一であるため説明は省略する。
【0139】以上説明したように、本実施形態では、パ
イロット噴射量QPLTが少ないほど、噴射圧補正値K
PTRGを相対的に大きな値に設定して最終目標燃料圧
PTRGを減圧するようにしている。従って、インジェ
クタ2から噴射される燃料噴霧の微粒化が抑えられ、同
燃料噴霧の貫徹力の減少に伴う噴射燃料の拡散が抑制さ
れるようになるため、壁面付着量を低減することができ
る。その結果、本実施形態においても、第1の実施形態
において(1)に記載した効果と同等の効果を奏するこ
とができる。
【0140】[第6の実施形態]次に、本発明を具体化
した第6の実施形態について上記第1の実施形態との相
違点を中心に説明する。尚、第1の実施形態と同様の構
成については同一の符号を付すことにより説明を省略す
る。
【0141】上記各実施形態において説明したように、
パイロット噴射時における壁面付着量と、同パイロット
噴射時の燃料噴射時期、燃料噴射圧、及び燃料噴射量
(以下、これらを「パイロット噴射制御量」と総称す
る)とに関しては一般に、以下の表1に示すような関係
がある。
【0142】
【表1】 この表に示すように、燃料噴射時期については同時期を
遅角側の時期に補正し、燃料噴射圧については同噴射圧
を減圧し、また、燃料噴射量については同噴射量を増量
することが壁面付着量を減少させるうえでは望ましい。
【0143】しかしながら、燃料噴射時期に関しては、
同時期を機関運転状態に基づいた時期よりも遅角側の時
期に補正した場合、パイロット噴射からメイン噴射が実
行されるまでの間隔が短くなり、燃焼騒音やNOx 量
の低減といったパイロット噴射本来の機能が低下するお
それがある。
【0144】一方、燃料噴射圧に関しては、同噴射圧を
減圧しても、即ち、コモンレール4内の燃料圧PCを低
い圧力値に変更しても、パイロット噴射の機能を低下さ
せるおそれは比較的少ない。しかしながら、このように
低く設定された燃料噴射圧のままメイン噴射を実行する
ようにした場合には、メイン噴射における良好な燃焼状
態が確保され難くなる。また、こうしたメイン噴射への
影響を抑えるために、第2の実施形態において説明した
ように、メイン噴射が開始されるまでの間に、燃料圧P
Cを機関運転状態に基づく圧力値、即ち基準目標燃料圧
PTRGBにまで上昇させることが考えられる。しかし
ながら、メイン噴射が開始されるまでの短時間のうち
に、燃料圧PCを基準目標燃料圧PTRGBにまで確実
に上昇させるためには、比較的、吐出能力の高いサプラ
イポンプ6を用いる必要がある。
【0145】これに対して、パイロット噴射の燃料噴射
量に関しては、同量を増量してもパイロット噴射の機能
を低下させるおそれは少なく、また、メイン噴射の燃料
噴射量とは独立に制御できるため、メイン噴射に与える
影響も殆どない。
【0146】本実施形態ではこうした点を考慮し、上記
パイロット噴射制御量を壁面付着量に応じて好適に補正
するようにしている。以下、この補正手順について説明
する。尚、本実施形態においても上記第1の実施形態で
説明した「基本制御量算出ルーチン」及び「制御用フラ
グ操作ルーチン」の各処理が実行されるものとする。
【0147】図25は、「基本制御量補正ルーチン」の
各処理を示すフローチャートである。このルーチンは、
ECU50により所定クランク角毎の割込処理として実
行される。
【0148】処理がこのルーチンに移行すると、ステッ
プ906において、ECU50は、パイロット噴射モー
ドフラグXPLTが「1」に設定されているか否かを判
断する。ここで否定判断された場合、ECU50は、パ
イロット噴射を実行する必要がなく、また、パイロット
噴射制御量の補正も不要であることから、各ステップ9
14,920,926において、基本パイロット噴射量
QPLTB、基準目標燃料圧PTRGB、基本パイロッ
ト噴射時期APLTBをそれぞれパイロット噴射量QP
LT、最終目標燃料圧PTRG、パイロット噴射時期A
PLTとしてそれぞれ設定した後、本ルーチンの処理を
一旦終了する。
【0149】一方、ステップ906において肯定判断さ
れた場合、ECU50は、ステップ908において更
に、パイロット噴射実行フラグXPLTJが「1」に設
定されているか否かを判断する。ここで否定判断された
場合、ECU50は、上記各ステップ914,920,
926の各処理を実行する。
【0150】これに対して、ステップ908において肯
定判断された場合、ECU50は、ステップ910にお
いて、基本パイロット噴射時期APLTB、基準目標燃
料圧PTRGB、及び基本パイロット噴射量QPLTB
に基づいて壁面付着量Kを推定する。
【0151】より詳細に説明すると、まず、ECU50
は、壁面付着量Kに対する燃料噴射時期の影響量Kaを
算出する。ECU50のメモリには、図26に示すよう
な、この影響量Kaと基本パイロット噴射時期APLT
Bとの関係を定義する関数データが記憶されており、E
CU50は上記影響量Kaを算出する際に、この関数デ
ータを参照する。同図に示すように、この影響量Ka
は、基本パイロット噴射時期APLTBが大きくなるほ
ど、換言すれば燃料噴射時期が進角側の時期に設定され
るときほど大きい値として算出される。
【0152】更に、ECU50は、壁面付着量Kに対す
る燃料噴射圧、燃料噴射量のそれぞれの影響量Kp,K
pを算出する。ECU50のメモリには、基準目標燃料
圧PTRGBと影響量Kpとの関係を定義する関数デー
タ、基本パイロット噴射量QPLTBと影響量Kqとの
関係を定義する関数データがそれぞれ記憶されており、
ECU50は各影響量Kp,Kqを算出する際に、これ
ら各データを参照する。ここで、各影響量Kp,Kq
は、基準目標燃料圧PTRGBが高くなるほど、また、
基本パイロット噴射量QPLTBが少なくなるほど、大
きい値として算出される。尚、図26に示すような基本
パイロット噴射時期APLTB、基準目標燃料圧PTR
GB、基本パイロット噴射量QPLTBと各影響量K
a,Kp,Kqとのそれぞれ関係は実験等によって予め
設定されている。
【0153】次に、ECU50は、次式(13)に基づ
いて壁面付着量Kを算出(推定)する。 K=Ka+Kp+Kq ・・・(13) 以上のようにして壁面付着量Kを推定した後、ステップ
912において、ECU50は、同壁面付着量Kと第1
の判定値K1とを比較する。この第1の判定値K1は、
壁面付着量Kを所定量以下にまで低減するために、燃料
噴射量に対して補正を行う必要があるか否かを判断する
ためのものであり、実験等によって予め設定されてメモ
リに記憶されている値である。
【0154】ステップ912において壁面付着量Kが第
1の判定値K1以下である旨判断された場合、ECU5
0は、壁面付着量Kが極めて少なく、パイロット噴射制
御量について補正が不要であるため、上記各ステップ9
14,920,926の処理を順次実行した後、本ルー
チンの処理を一旦終了する。
【0155】一方、ステップ912において壁面付着量
Kが第1の判定値K1より大きい旨判断された場合、E
CU50は、処理をステップ916に移行し、同ステッ
プ916において、前述した式(3)に基づきパイロッ
ト噴射量QPLTを算出する。尚、本実施形態では、噴
射量補正値KQPLTを一定の値として設定するように
している。
【0156】次に、ECU50は、ステップ918にお
いて、壁面付着量Kと第2の判定値K2とを比較する。
この第2の判定値K2は、壁面付着量Kを所定量以下に
まで低減するために、燃料噴射量に加えて更に燃料噴射
圧に対しても補正を行う必要があるか否かを判断するた
めのものであり、実験等によって予め設定されてメモリ
に記憶されている値である。
【0157】このステップ918において、壁面付着量
Kが第2の判定値K2以下である旨判断された場合、E
CU50は、燃料噴射量のみを補正することで壁面付着
量Kを所定量以下にまで低減することができるものとし
て、ステップ920以降の処理を順次実行した後、本ル
ーチンの処理を一旦終了する。
【0158】一方、ステップ918において壁面付着量
Kが第2の判定値K2より大きい旨判断された場合、E
CU50は、処理をステップ922に移行し、同ステッ
プ922において、前述した式(5)に基づき最終目標
燃料圧PTRGを算出する。尚、本実施形態では、噴射
圧補正値KPTRGを一定の値として設定するようにし
ている。
【0159】次に、ECU50は、ステップ924にお
いて、壁面付着量Kと第3の判定値K3とを比較する。
この第3の判定値K3は、壁面付着量Kを所定量以下に
まで低減するために、燃料噴射量及び燃料噴射圧に加え
て更に燃料噴射時期に対しても補正を行う必要があるか
否かを判断するためのものであり、実験等によって予め
設定されてメモリに記憶されている値である。
【0160】このステップ924において、壁面付着量
Kが第3の判定値K3以下である旨判断された場合、E
CU50は、燃料噴射量及び燃料噴射圧を補正すること
で壁面付着量Kを所定量以下にまで低減することができ
るものとして、ステップ926の処理を実行した後、本
ルーチンの処理を一旦終了する。
【0161】一方、ステップ924において壁面付着量
Kが第3の判定値K3より大きい旨判断された場合、E
CU50は、処理をステップ928に移行し、同ステッ
プ928において、次式(14)に基づきパイロット噴
射時期APLTを算出する。 APLT=APLTB−KAPLT ・・・(14) KAPLT:噴射時期補正値 上式(13)において、噴射時期補正値KAPLTは、
パイロット噴射時期APLTを遅角側の時期に補正する
ためのものであり、本実施形態では、上記噴射量補正値
KQPLT及び噴射圧補正値KPTRGと同様、一定の
値として設定するようにしている。このようにして各パ
イロット噴射制御量を必要に応じて補正した後、ECU
50は本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0162】以上説明したように、本実施形態では、燃
料噴射時期、燃料噴射圧、及び燃料噴射量といったパイ
ロット噴射制御量に基づいて壁面付着量Kを推定すると
ともに、その壁面付着量Kを減少させるべく同壁面付着
量Kの大きさに応じてパイロット噴射制御量を補正する
ようにしている。
【0163】更に、パイロット噴射制御量を補正する際
において、壁面付着量Kが比較的少ない場合には、燃料
噴射量についてのみ補正し、同壁面付着量Kが多くなる
につれて、この燃料噴射量に加え、燃料噴射圧、燃料噴
射時期に対しても順次補正を行うようにしている。
【0164】従って、本実施形態によれば、このように
燃料噴射量、燃料噴射圧、燃料噴射時期をこの順で優先
的に補正するようにしているため、パイロット噴射の機
能を極力維持し、また、パイロット噴射制御量を補正す
ることによるメイン噴射への影響を極力抑えつつ、未燃
成分の排出を抑制して、排気性状の向上を図ることがで
きる。
【0165】以上、本発明を具体化した第1〜6の実施
形態について説明したが、これら各実施形態は以下のよ
うに構成を変更して実施することもできる。 ・上記第1及び第2の実施形態では、燃料噴霧の拡散を
抑制するために、パイロット噴射量QPLT及び最終目
標燃料圧PTRGの双方を機関運転状態に基づく値から
変更するようにしたが、例えば、パイロット噴射量QP
LTのみ、或いは最終目標燃料圧PTRGのみを変更し
て燃料噴霧の拡散を抑制する構成を採用することもでき
る。
【0166】・上記第1及び第2の実施形態では、パイ
ロット噴射が開始されてらメイン噴射が開始されるまで
の時間、即ち噴射間隔TINTに応じて燃料噴射量及び
燃料噴射圧を補正するようにしたが、壁面付着量との相
関が強いパラメータ、例えば、クランク角間隔AIN
T、パイロット噴射時期APLT、基本パイロット噴射
時期APLTB等に基づいて上記燃料噴射量及び燃料噴
射圧を補正するようにしてもよい。
【0167】・上記第1及び第2の実施形態において、
基本パイロット噴射時期APLTB及び機関回転数NE
に加え、冷却水温THWや燃料温THFに基づいてパイ
ロット噴射量QPLT及び最終目標燃料圧PTRGを補
正するようにしてもよい。気筒#1〜#4の内壁に付着
した燃料のうち完全燃焼することなく排出される燃料の
割合は、上記冷却水温THWや燃料温THFによっても
変化するからである。第3〜6の実施形態においても同
様に、パイロット噴射の燃料噴射量、燃料噴射圧、及び
燃料噴射時期を補正する際に、上記冷却水温THWや燃
料温THFに基づいて補正するようにしてもよい。
【0168】・上記第2の実施形態では、パイロット噴
射の開始後にコモンレール4内の燃料圧PCを徐々に増
大させるようにしたが、パイロット噴射が終了した後
に、最終目標燃料圧PTRGを噴射圧補正値KPTRG
分だけ増加して燃料圧PCを一度に増大させるようにし
てもよい。
【0169】・上記第6の実施形態では、壁面付着量K
の大きさと各判定値K1〜K3とを比較し、その比較結
果に基づいて各パイロット噴射制御量を補正するように
したが、図27に示すような、上記噴射量補正値KQP
LT、噴射圧補正値KPTRG、噴射時期補正値KAP
LTと壁面付着量Kとの関係を定義する関数データを予
め設定しておき、この関数データを参照して、壁面付着
量Kに基づく上記各補正値KQPLT,KPTRG,K
APLTの大きさを算出するようにしてもよい。
【0170】・上記各実施形態における燃料噴射制御装
置では、サプライポンプ6からコモンレール4内に燃料
を圧送し、同コモンレール4からインジェクタ2に対し
て燃料を供給する構成を採用するようにしたが、いわゆ
る分配型のサプライポンプを用いるようにし、同ポンプ
から各インジェクタ2に対して燃料を供給するようにし
た構成を採用することもできる。
【0171】・上記各実施形態では、本発明に係る燃料
噴射制御装置をディーゼルエンジンに適用するようにし
たが、インジェクタから燃焼室内に直接燃料を噴射供給
する直噴式ガソリンエンジンに適用することもできる。
【0172】
【発明の効果】請求項1に記載した発明では、パイロッ
ト噴射の燃料噴射時期が進角側の時期であるほど燃料噴
射圧を減圧補正するようにしているため、気筒内に噴射
される燃料噴霧の微粒化が抑えられ同燃料噴霧の拡散が
抑制されることによって壁面付着量が減少するようにな
る。その結果、請求項1に記載した発明によれば、気筒
のパイロット噴射時において噴射された燃料の一部が未
燃成分として排出されることを抑制して、排気性状の向
上を図ることができる。
【0173】請求項2に記載した発明では、パイロット
噴射の燃料噴射時期が進角側の時期であるほど燃料噴射
量を増量補正するようにしているため、気筒内に噴射さ
れる燃料噴霧の貫徹力が増大し同燃料噴霧の拡散が抑制
されることによって壁面付着量が減少するようになる。
その結果、請求項2に記載した発明によれば、気筒のパ
イロット噴射時において噴射された燃料の一部が未燃成
分として排出されることを抑制して、排気性状の向上を
図ることができる。
【0174】請求項3に記載した発明では、機関運転状
態に基づいて設定される燃料噴射圧が高いほど燃料噴射
量を増量補正するようにしているため、相対的に高い燃
料噴射圧で燃料が噴射されることに起因した燃料噴霧の
拡散がその貫徹力の増大により抑制されることによって
壁面付着量が減少するようになる。その結果、請求項3
に記載した発明によれば、気筒のパイロット噴射時にお
いて噴射された燃料の一部が未燃成分として排出される
ことを抑制して、排気性状の向上を図ることができる。
【0175】また、請求項4に記載した発明では、機関
運転状態に基づいて設定される燃料噴射量が少ないほど
燃料噴射圧を減圧補正するようにしているため、燃料噴
霧の貫徹力が小さく同燃料噴霧が拡散し易い場合には、
燃料噴霧の微粒化が抑えられるため、その燃料噴霧の拡
散が抑制されて壁面付着量が減少するようになる。その
結果、請求項4に記載した発明によれば、気筒のパイロ
ット噴射時において噴射された燃料の一部が未燃成分と
して排出されることを抑制して、排気性状の向上を図る
ことができる。
【0176】請求項5に記載した発明では、パイロット
噴射の燃料噴射時期、燃料噴射圧、燃料噴射量といった
基本制御量に基づいて壁面付着量を推定し、その推定さ
れる壁面付着量が多くなるほど、燃料噴射量については
これを増量補正し、燃料噴射圧についてはこれを減圧補
正し、また、燃料噴射時期についてはこれを遅角側の時
期に補正するようにしているため、壁面付着量が減少す
るようになる。更に、燃料噴射量、燃料噴射圧、燃料噴
射時期をこの順で優先的に補正するようにしているた
め、パイロット噴射の機能が極力維持されるとともに、
燃料噴射量、燃料噴射圧、燃料噴射時期を補正すること
によるメイン噴射への影響が小さく抑えられるようにな
る。その結果、請求項5に記載した発明によれば、パイ
ロット噴射の機能を極力維持し、また、パイロット噴射
制御量を補正することによるメイン噴射への影響を小さ
く抑えつつ、気筒のパイロット噴射時において噴射され
た燃料の一部が未燃成分として排出されることを抑制し
て、排気性状の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディーゼルエンジンに適用される燃料噴射制御
装置を示す概略構成図。
【図2】第1の実施形態における基本制御量の算出手順
を示すフローチャート。
【図3】燃料噴射量と機関回転数及びアクセル開度との
関係を示すグラフ。
【図4】基準目標燃料圧と燃料噴射量及び機関回転数と
の関係を示すグラフ。
【図5】基本パイロット噴射量と燃料噴射量及び機関回
転数との関係を示すグラフ。
【図6】インジェクタの駆動信号の変化態様を示すタイ
ミングチャート。
【図7】制御用フラグの操作手順を示すフローチャー
ト。
【図8】燃料噴射量及び機関回転数により設定されるパ
イロット噴射実行領域を示すグラフ。
【図9】第1の実施形態における基本制御量の補正手順
を示すフローチャート。
【図10】噴射量補正値と噴射間隔及び機関回転数との
関係を示すグラフ。
【図11】噴射圧補正値と噴射間隔及び機関回転数との
関係を示すグラフ。
【図12】インジェクタの駆動信号及び燃料圧の変化態
様を示すタイミングチャート。
【図13】燃料噴射圧の制御手順を示すフローチャー
ト。
【図14】インジェクタの駆動信号及び燃料圧の変化態
様を示すタイミングチャート。
【図15】第3の実施形態における基本制御量の算出手
順を示すフローチャート。
【図16】インジェクタの駆動信号の変化態様を示すタ
イミングチャート。
【図17】スプリット噴射回数と機関回転数との関係を
示すグラフ。
【図18】第3の実施形態における基本制御量の補正手
順を示すフローチャート。
【図19】スプリット噴射量補正値と噴射間隔及び機関
回転数との関係を示すグラフ。
【図20】インジェクタの駆動信号及び燃料圧の変化態
様を示すタイミングチャート。
【図21】第4の実施形態における基本制御量の補正手
順を示すフローチャート。
【図22】噴射量補正値と最終目標燃料圧及び機関回転
数との関係を示すグラフ。
【図23】噴射圧補正値とパイロット噴射量及び機関回
転数との関係を示すグラフ。
【図24】第5の実施形態における基本制御量の補正手
順を示すフローチャート。
【図25】第6の実施形態における基本制御量の補正手
順を示すフローチャート。
【図26】パイロット噴射制御量と壁面付着量に対する
同制御量の影響量との関係を示すグラフ。
【図27】パイロット噴射制御量と壁面付着量に対する
同制御量の影響量との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1…ディーゼルエンジン、2…インジェクタ、4…コモ
ンレール、6…サプライポンプ、8…燃料タンク、13
…燃焼室、20…アクセルセンサ、50…ECU、#1
〜#4…気筒。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 37/00 F02M 37/00 C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メイン噴射に先立つパイロット噴射を実
    行する内燃機関のパイロット噴射制御装置において、 前記パイロット噴射の燃料噴射時期を前記内燃機関の運
    転状態に基づいて設定する燃料噴射時期設定手段と、 前記パイロット噴射の燃料噴射圧を前記内燃機関の運転
    状態に基づいて設定する燃料噴射圧設定手段と、 前記設定される燃料噴射時期が進角側の時期であるほど
    前記設定される燃料噴射圧を減圧補正する燃料噴射圧補
    正手段とを備えることを特徴とする内燃機関のパイロッ
    ト噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 メイン噴射に先立つパイロット噴射を実
    行する内燃機関のパイロット噴射制御装置において、 前記パイロット噴射の燃料噴射時期を前記内燃機関の運
    転状態に基づいて設定する燃料噴射時期設定手段と、 前記パイロット噴射の燃料噴射量を前記内燃機関の運転
    状態に基づいて設定する燃料噴射量設定手段と、 前記設定される燃料噴射時期が進角側の時期であるほど
    前記設定される燃料噴射量を増量補正する燃料噴射量補
    正手段とを備えることを特徴とする内燃機関のパイロッ
    ト噴射制御装置。
  3. 【請求項3】 メイン噴射に先立つパイロット噴射を
    実行する内燃機関のパイロット噴射制御装置において、 前記パイロット噴射の燃料噴射圧を前記内燃機関の運転
    状態に基づいて設定する燃料噴射圧設定手段と、 前記パイロット噴射の燃料噴射量を前記内燃機関の運転
    状態に基づいて設定する燃料噴射量設定手段と、 前記設定される燃料噴射圧が高いほど前記設定される燃
    料噴射量を増量補正する燃料噴射量補正手段とを備える
    ことを特徴とする内燃機関のパイロット噴射制御装置。
  4. 【請求項4】 メイン噴射に先立つパイロット噴射を実
    行する内燃機関のパイロット噴射制御装置において、 前記パイロット噴射の燃料噴射圧を前記内燃機関の運転
    状態に基づいて設定する燃料噴射圧設定手段と、 前記パイロット噴射の燃料噴射量を前記内燃機関の運転
    状態に基づいて設定する燃料噴射量設定手段と、 前記設定される燃料噴射量が少ないほど前記設定される
    燃料噴射圧を減圧補正する燃料噴射量補正手段とを備え
    ることを特徴とする内燃機関のパイロット噴射制御装
    置。
  5. 【請求項5】 メイン噴射に先立つパイロット噴射を実
    行する内燃機関のパイロット噴射制御装置において、 前記パイロット噴射における燃料噴射量及び燃料噴射圧
    及び燃料噴射時期を同パイロット噴射に係る基本制御量
    として前記内燃機関の運転状態に基づき設定する基本制
    御量設定手段と、 前記パイロット噴射により前記内燃機関の気筒内に噴射
    される燃料のうち当該気筒の内壁面に付着する燃料の量
    を前記設定される基本制御量に基づいて推定する壁面付
    着量推定手段と、 前記推定される壁面付着量が多くなるほど前記設定され
    る燃料噴射量を増量補正する燃料噴射量補正手段、及び
    前記推定される壁面付着量が多くなるほど前記設定され
    る燃料噴射圧を減圧補正する燃料噴射圧補正手段、及び
    前記推定される壁面付着量が多くなるほど前記設定され
    る燃料噴射時期を遅角側の時期に補正する燃料噴射時期
    補正手段を含む基本制御量補正手段と、 前記燃料噴射量、前記燃料噴射圧、前記燃料噴射時期が
    この順で優先的に補正されるように基本制御量補正手段
    による補正対象を設定する補正対象設定手段とを備える
    ことを特徴とする内燃機関のパイロット噴射制御装置。
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