JPH11343914A - 内燃機関の始動制御装置 - Google Patents

内燃機関の始動制御装置

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JPH11343914A
JPH11343914A JP10148621A JP14862198A JPH11343914A JP H11343914 A JPH11343914 A JP H11343914A JP 10148621 A JP10148621 A JP 10148621A JP 14862198 A JP14862198 A JP 14862198A JP H11343914 A JPH11343914 A JP H11343914A
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JP
Japan
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rotation
upper limit
value
internal combustion
rotation increase
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Application number
JP10148621A
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English (en)
Inventor
Taiji Isobe
大治 磯部
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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    • Y02T10/40—Engine management systems

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  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 始動性向上と始動時のHC排出量低減とを実
現する。 【解決手段】 始動時に燃料噴射を吸気行程で実行する
ことで、吸気ポート等ヘの燃料の付着を少なくする。更
に、始動時に、回転上昇値DNEが燃焼判定値αよりも
大きければ、回転上昇上限値βを求め(ステップ30
4,306)、回転上昇値DNEが回転上昇上限値βよ
り大きければ、始動に必要な燃料量を燃焼室内に流入さ
せるのに必要な吸気弁開弁時間を確保できないと判断し
て、回転上昇のガードオーバ値γ(=DNE−β)に応
じた点火遅角補正値FAOPを求めて始動時点火時期A
STを遅角補正する(ステップ307〜310)。これ
により、始動時の回転上昇を回転上昇上限値β以下とな
るように抑制できるため、始動時に必要な吸気弁開弁時
間を確保することができ、低温始動時でも、連爆に必要
な燃料量を確実に燃焼室内に流入させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、始動時の制御方式
を改良した内燃機関の始動制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、吸気管に燃料噴射弁を取り付
けた吸気管噴射方式の内燃機関では、一般に、始動時に
吸気非同期噴射、グループ噴射を行い、吸気行程以外の
行程で燃料を噴射して始動するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、始動時に噴射
した燃料の一部は吸気ポートや吸気弁に付着するため、
その分、燃焼室内に吸入される燃料量が要求燃料噴射量
よりも少なくなってしまう。このため、始動初期は、燃
焼室内に吸入された混合気の空燃比が燃焼可能範囲より
もリーンとなってしまい、混合気が燃焼せず、始動性が
悪いばかりか、始動時の炭化水素(HC)排出量が多く
なるという欠点があった。尚、始動完了後は、エンジン
温度が高くなるに従って、吸気ポート等に付着した燃料
が蒸発して燃焼室内に吸入されるため、吸気ポート等に
付着する燃料量とそこから蒸発して吸入される燃料量と
がバランスするようになるため、上述した始動初期のよ
うな問題は起こらない。
【0004】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、始動性向上と始動時
のHC排出量低減とを実現することができる内燃機関の
始動制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の1つの特徴は、始動時噴射時期制御手段に
よって、始動時に燃料噴射を吸気行程で実行するもので
ある。これにより、噴射した燃料が直接、燃焼室内に吸
入されるようになり、吸気ポート等への燃料の付着が少
なくなって、その分、始動時に従来より多くの燃料が燃
焼室内に供給される。
【0006】始動時は、一般に内燃機関の温度が低いた
め、混合気を濃くする(空燃比をリッチにする)必要が
あり、始動完了後よりも多くの燃料が要求され、特に極
低温時には、燃料噴射量の増量が最大となり、要求燃料
噴射時間がかなり長くなる。そのため、クランキング開
始から始動完了に至る過渡期に、燃焼により機関回転数
が過度に上昇すると、吸気弁の開弁時間が要求燃料噴射
時間よりもかなり短くなってしまい、始動に必要な燃料
量を燃焼室内に十分に供給できなくなってしまう。
【0007】この点を考慮し、請求項1では、始動時に
燃料噴射を吸気行程で実行する際に、回転上昇抑制手段
によって回転上昇を所定範囲内に抑えるように点火時期
を補正する。つまり、始動時に、機関回転数が過度に上
昇したときに、点火時期を遅角側に補正すれば、機関回
転数が低下して、吸気弁の開弁時間(吸気行程)を長く
することができて、低温始動時でも、燃焼に必要な燃料
量を確実に燃焼室内に流入させることができる。これに
より、低温始動時でも、混合気の空燃比を燃焼可能範囲
内にすることができて、混合気を確実に燃焼させること
ができ、始動性を向上できると共に、始動時のHC排出
量を低減することができる。
【0008】この場合、請求項2のように、始動時の機
関回転数の上昇を回転上昇判定手段により判定すると共
に、始動に必要な燃料量を燃焼室内に流入させるのに必
要な吸気弁開弁時間を確保するための回転上昇の上限値
(以下「回転上昇上限値」という)を回転上昇上限値算
出手段により算出し、回転上昇値と回転上昇上限値とを
比較し、その比較結果に基づいて回転上昇値を回転上昇
上限値以下に抑えるように点火時期を補正しても良い。
このようにすれば、実際の回転上昇値が回転上昇上限値
を越えた時に、例えば、両者の差が大きいほど、点火時
期の遅角補正量を大きく設定して機関回転数の低下幅を
大きくするというように、実際の回転上昇値と回転上昇
上限値との差(つまり必要とする回転低下幅)に応じた
必要最小限の遅角補正量を設定することができて、点火
時期の遅角補正による回転上昇抑制を必要最小限にする
ことができる。
【0009】更に、請求項3のように、機関回転数を検
出して、その機関回転数から回転上昇値を求めるように
しても良い。このようにすれば、実際の機関回転数をリ
アルタイムに反映させた回転上昇値を求めることがで
き、実際の回転上昇値に応じた点火時期補正量を精度良
く求めることができる。
【0010】或は、請求項4のように、少なくとも内燃
機関の冷却水温とクランキング開始からの噴射回数とに
基づいて回転上昇値を予測するようにしても良い。この
ようにすれば、実際に過度の回転上昇が発生する前に、
その回転上昇値を予測して点火時期を遅角補正すること
ができ、過度の回転上昇を未然に防止することができ
る。
【0011】ところで、始動時の内燃機関の温度は、冷
却水温やクランキング開始からの燃焼回数によって変化
し、冷却水温が高くなるほど、また、クランキング開始
からの燃焼回数が増加するほど、内燃機関の温度が上昇
し、それに応じて、吸気ポートや燃焼室内への噴射燃料
の付着量(ウエット量)や付着燃料の蒸発率も変化する
ため、始動時の要求燃料噴射量(要求燃料噴射時間)も
内燃機関の温度に応じて変化する。
【0012】この点を考慮して、請求項5のように、少
なくとも冷却水温とクランキング開始からの燃焼回数と
に基づいて回転上昇上限値を設定するようにしても良
い。このようにすれば、冷却水温や燃焼回数に応じて内
燃機関の温度ひいては要求燃料噴射量が変化するのに対
応して、適正な回転上昇上限値ひいては適正な吸気弁開
弁時間を設定することができ、始動完了へ向けて機関回
転数をスムーズに上昇させることができる。
【0013】また、本発明では、始動時の吸気行程同期
噴射と回転上昇抑制制御によって始動時の燃焼性を向上
できるため、クランキング開始からの噴射回数が増加す
るほど、燃焼回数が増加すると推定できる。従って、請
求項6のように、クランキング開始からの燃焼回数の代
わりに、クランキング開始からの噴射回数を用い、この
噴射回数と冷却水温とに基づいて回転上昇上限値を設定
するようにしても良い。始動時の燃焼の有無は、例え
ば、回転変動、燃焼室内の燃焼圧、イオン電流等によっ
て検出する必要があるが、噴射回数は、噴射信号(噴射
パルス)をカウントするだけで判定することができ、噴
射回数のカウントが極めて容易である。従って、クラン
キング開始からの噴射回数と冷却水温とに基づいて回転
上昇上限値を設定すれば、回転上昇上限値の設定に関す
る処理又は構成を簡略化することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】《実施形態(1)》以下、本発明
を4気筒エンジンに適用した実施形態(1)を図1乃至
図14に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエン
ジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関
であるエンジン11の吸気ポート12に接続された吸気
管13の途中には、スロットルバルブ14が設けられ、
このスロットルバルブ14の開度(スロットル開度)T
Aがスロットル開度センサ15によって検出される。ス
ロットルバルブ14の下流側には、吸気管圧力PMを検
出する吸気管圧力センサ18が設けられ、各気筒の吸気
ポート12の近傍には、燃料噴射弁19が取り付けられ
ている。
【0015】一方、エンジン11の排気ポート20に接
続された排気管21の途中には、排ガス浄化用の触媒2
2が設置されている。エンジン11のシリンダブロック
には、冷却水温THWを検出する冷却水温センサ23が
設けられている。エンジン11のクランク軸24に嵌着
されたシグナルロータ25の外周に対向してクランク角
センサ26が設置され、このクランク角センサ26から
シグナルロータ25の回転速度に応じた周波数のパルス
信号NEが出力される。
【0016】これら各種のセンサの出力は、エンジン制
御回路(以下「ECU」と表記する)27に入力され
る。このECU27は、マイクロコンピュータを主体と
して構成され、ROM(記憶媒体)に記憶された図4〜
図6及び図9の各ルーチンを実行することで、各種セン
サで検出したエンジン運転状態に応じて、燃料噴射弁1
9の燃料噴射量や噴射時期を制御すると共に、点火装置
16を介して点火プラグ17の点火時期を制御する。
【0017】ここで、本実施形態(1)の始動時制御の
概要を図2のタイムチャートを用いて説明する。クラン
ク角カウンタCCRNKは、クランク角センサ26から
例えば30℃A毎に出力されるパルス信号をカウントし
てクランク角を検出する。また、気筒判別センサ(図示
せず)から出力される気筒判別信号G1,G2によって
#1気筒の吸気TDC(上死点)と#4気筒の吸気TD
Cを検出して、気筒判別を行う。
【0018】始動時に、気筒判別完了後にクランク角カ
ウンタCCRNKのカウント値に基づいて各気筒の吸気
行程で燃料噴射弁19に噴射パルスを印加して燃料噴射
を吸気行程で実行する。始動時は、一般にエンジン温度
が低いため、混合気を濃くする(空燃比をリッチにす
る)必要があるため、第1サイクルの噴射(〜)の
燃料噴射量は、ウエット分も考慮した増量値となる。こ
のため、図3に示す比較例のように、噴射燃料の燃焼
(爆発)によりエンジン回転数NEが過度に上昇する
と、噴射のように、吸気行程(吸気弁28の開弁時
間)が燃料噴射時間(噴射パルスの幅)よりもかなり短
くなってしまう。このため、噴射では、燃焼に必要な
燃料量を燃焼室内に十分に供給できなくなり、混合気が
燃焼可能範囲よりリーンとなって失火が発生してしま
い、始動性悪化やHC排出量増大を招く。
【0019】この対策として、本実施形態(1)では、
始動時のエンジン11の回転上昇を回転上昇上限値β以
下に抑えるように点火時期AOPを遅角補正すること
で、吸気弁28の開弁時間(吸気行程)を長くする。こ
れにより、始動時の吸気弁28の開弁時間を燃料噴射時
間以上とするか、或は、吸気弁28の開弁時間が燃料噴
射時間より短くなる場合でも、両者の差をできるだけ少
なくする。
【0020】以下、ECU27が実行する図4〜図6及
び図9の燃料噴射・点火制御用の各ルーチンの処理内容
を説明する。
【0021】[燃料噴射・点火制御ベースルーチン]図
4に示す燃料噴射・点火制御ベースルーチンは、イグニ
ッションスイッチ(図示せず)のオン後に実行される。
本ベースルーチンでは、まずステップ100で、初期化
ルーチンを実行し、RAM等の記憶領域に初期値をセッ
トすると共に、各種入力信号をチェックする。次のステ
ップ200で、後述する図5の燃料噴射量算出ルーチン
を実行して、各種センサで検出されたエンジン運転状態
を用いて最適な燃料噴射量TAUを算出し、続くステッ
プ300で、後述する図9の点火時期算出ルーチンを実
行して点火時期AOPを算出する。
【0022】その後、ステップ400に進み、吸気行程
で、ステップ200で求めた燃料噴射量TAUにて燃料
噴射を実行し、次のステップ500で、ステップ300
で求めた点火時期AOPで点火を実行する。エンジン運
転中は、ステップ200以降の処理を繰り返し実行す
る。
【0023】[燃料噴射量算出ルーチン]図5に示す燃
料噴射量算出ルーチン(図4のステップ200)は、ク
ランク角センサ26からクランク信号が入力される毎
(30℃A毎)に割り込み処理にて次のように実行され
る。まず、ステップ201で、各種センサで検出された
冷却水温THW、エンジン回転数NE及び吸気管圧力P
Mを読み込む。この後、ステップ202で、始動時か否
かを判定する。この始動判定は、例えば、エンジン回転
数NEが始動完了回転数以下か否かにより判定する。も
し、ステップ202で、始動完了と判定されれば、ステ
ップ207に進み、始動後の燃料噴射量TAUを算出し
て、本ルーチンを終了する。
【0024】一方、ステップ202で、始動時(始動完
了前)と判定されれば、ステップ203に進み、クラン
キング開始からの噴射サイクル数CCYCLを読み込
む。この噴射サイクル数CCYCLは、図6に示す噴射
サイクル数算出ルーチンによってカウントされる。この
噴射サイクル数算出ルーチンは、例えば18ms毎に次
のように実行される。まず、ステップ210で、噴射処
理が完了したかか否かを判定し、もし、噴射処理が完了
していれば、ステップ211に進み、噴射回数カウンタ
CINJを「1」だけインクリメントした後、ステップ
212で、噴射サイクル数CCYCLを次式により算出
する。
【0025】CCYCL=CINJ/4+1 上式において、「4」はエンジン11の気筒数であり、
4噴射を1サイクルと換算すると共に、初回を1サイク
ル目とするために「1」を加算している。
【0026】噴射サイクル数CCYCLを読み込んだ
後、図5のステップ203からステップ204に進み、
図7に示す噴射サイクル数CCYCLをパラメータとす
る始動時基本燃料噴射量TAUSTのマップを検索し、
現在の噴射サイクル数CCYCLに応じた始動時基本燃
料噴射量TAUSTを求める。一般に、噴射燃料は、始
動初期ほど(つまりエンジン温度が低いほど)、吸気ポ
ートや筒内壁面に付着するウエット分が多い。このウエ
ット分を補正するため、図7の始動時基本燃料噴射量T
AUSTのマップ特性は、噴射サイクル数CCYCLが
少ないほど、始動時基本燃料噴射量TAUSTが多くな
るように設定されている。
【0027】次のステップ205で、冷却水温の変化に
よる噴射燃料のウエット量及び蒸発時定数の変化分を補
正するために、図8に示す冷却水温THWをパラメータ
とする冷却水温補正係数FTHWのマップを検索し、現
在の冷却水温THWに応じた冷却水温補正係数FTHW
を求める。この冷却水温補正係数FTHWのマップ特性
は、冷却水温THWが低い領域では、冷却水温THWが
低くなるほど、冷却水温補正係数FTHWを大きくし
て、始動時基本燃料噴射量TAUSTを増量補正するよ
うに設定され、冷却水温が高い領域では、冷却水温が高
くなるほど、冷却水温補正係数FTHWを小さくして、
始動時基本燃料噴射量TAUSTを減量補正するように
設定されている。
【0028】この後、ステップ206に進み、始動時基
本燃料噴射量TAUSTに冷却水温補正係数FTHWを
乗算して始動時の燃料噴射量TAUを算出し(TAU=
TAUST×FTHW)、本ルーチンを終了する。
【0029】[点火時期算出ルーチン]図9に示す点火
時期算出ルーチン(図4のステップ300)では、ま
ず、ステップ301で、冷却水温THW、エンジン回転
数NE及び吸気管圧力PMを読み込み、次のステップ3
02で、例えばエンジン回転数NEに基づいて始動時か
否かを判定する。
【0030】もし、このステップ302で、始動完了後
と判定されれば、ステップ311に進み、始動完了後の
通常点火制御の点火時期AOPを算出して、本ルーチン
を終了する。一方、ステップ302で、始動時(始動完
了前)と判定されれば、ステップ303に進み、図10
に示す冷却水温THWをパラメータとする始動時点火時
期ASTのマップを検索し、現在の冷却水温THWに応
じた始動時点火時期ASTを求める。
【0031】この後、ステップ304〜310で、始動
時の吸気弁開弁時間を確保するために、始動時のエンジ
ン11の回転上昇を回転上昇上限値β以下に抑えるよう
に始動時点火時期ASTを遅角補正する。具体的には、
まずステップ304で、燃焼(爆発)タイミング毎に、
前回の燃焼時から今回の燃焼時までのエンジン回転数N
Eの偏差、つまり回転上昇値DNEを算出し、この回転
上昇値DNEが燃焼判定値αよりも大きいか否かを判定
する(図11参照)。このステップ304の処理は、特
許請求の範囲でいう回転上昇判定手段として機能する。
【0032】ここで、燃焼判定値αは、連爆につながる
レベルの回転上昇値である。この燃焼判定値αは、予め
設定された固定値でも良いが、各気筒の爆発行程付近の
エンジン回転数NEがエンジン温度によるバッテリ電圧
の変化やエンジンオイルの粘性の変化の影響を受けるこ
とを考慮して、図12に示す冷却水温THW(エンジン
温度)をパラメータとするマップを用いて、始動時の冷
却水温THWに応じて燃焼判定値αを設定しても良い。
【0033】もし、ステップ304で、回転上昇値DN
Eが連爆につながるレベルでない(DNE≦α)と判定
されれば、ステップ312に進み、燃焼回数カウンタC
FIREをクリアし(CFIRE=0)、ステップ30
3で求めた始動時点火時期ASTをそのまま維持する。
【0034】これに対して、ステップ304で、回転上
昇値DNEが連爆につながるレベル(DNE>α)と判
定された場合には、ステップ305に進み、燃焼回数カ
ウンタCFIREのカウント値を1だけインクリメント
する。これにより、クランキング開始から、連爆レベル
の燃焼が発生した回数を燃焼回数カウンタCFIREで
カウントする。
【0035】この後、ステップ306で、クランキング
開始からの燃焼回数(CFIRE)と冷却水温THWと
に基づいて、回転上昇値DNEの始動時のガード値であ
る回転上昇上限値βを算出する。このステップ306の
処理は、特許請求の範囲の請求項2,5に記載した回転
上昇上限値算出手段として機能する。ここで、回転上昇
上限値βは、連爆に必要な燃料量を燃焼室内に流入させ
るのに必要な吸気弁開弁時間(以下「必要吸気弁開弁時
間」という)を確保できる回転上昇の上限値であり、図
13に示す燃焼回数(CFIRE)をパラメータとした
回転上昇上限値βの特性線を、冷却水温THWに応じて
複数設定したマップを用い、始動時の冷却水温THWに
対応する回転上昇上限値βの特性線を選択して、その特
性線から燃焼回数(CFIRE)に応じた回転上昇上限
値βを求める。
【0036】一般に、冷却水温THWが高いほど、ま
た、クランキング開始からの燃焼回数(CFIRE)が
増加するほど、エンジン温度が高くなって、要求燃料噴
射量が少なくなり、燃料噴射時間(噴射パルスの幅)が
短くなる。この点を考慮して、図13の回転上昇上限値
βのマップ特性は、冷却水温THWが高くなるほど、ま
た、燃焼回数(CFIRE)が増加するほど、回転上昇
上限値βが大きく(必要吸気弁開弁時間が短く)なるよ
うに設定されている。また、燃焼回数(CFIRE)が
増加するに従って、始動完了時期に近付いて行くため、
回転上昇上限値βを燃焼回数(CFIRE)の増加に伴
って大きくしていけば、エンジン回転数NEをスムーズ
に始動完了回転数に上昇させることができる。この図1
3の回転上昇上限値βのマップは、予め、実験データや
理論式によって設定され、ECU27のROMに記憶さ
れている。
【0037】回転上昇上限値βの算出後、ステップ30
7で、回転上昇値DNEが回転上昇上限値βよりも大き
いか否かを判定する。もし、回転上昇値DNEが回転上
昇上限値β以下であれば、必要吸気弁開弁時間を確保で
きるため、以降の点火時期遅角補正(回転上昇抑制)を
行わず、ステップ303で求めた始動時点火時期AST
をそのまま維持する。
【0038】これに対して、ステップ307で、回転上
昇値DNEが回転上昇上限値βより大きければ、ステッ
プ308に進み、回転上昇値DNEから回転上昇上限値
βを減算して、回転上昇のガードオーバ値γを求める
(γ=DNE−β)。この後、ステップ309で、図1
4に示すガードオーバ値γをパラメータとする点火遅角
補正値FAOPのマップを検索し、ガードオーバ値γに
応じて、回転上昇を回転上昇上限値β以下に抑えるため
の点火遅角補正値FAOPを求める。この後、ステップ
310で、前記ステップ303で求めた始動時点火時期
ASTを点火遅角補正値FAOPで遅角補正して始動時
最終点火時期AOPを求め(AOP=AST−FAO
P)、本ルーチンを終了する。
【0039】以上のようにして、クランキング開始から
始動完了まで、回転上昇を回転上昇上限値βでガードし
て、連爆に必要な燃料量を燃焼室内に流入させるのに必
要な吸気弁開弁時間を確保する。
【0040】以上説明した実施形態(1)によれば、始
動時に燃料噴射を吸気行程で実行するようにしたので、
噴射した燃料が直接、燃焼室内に吸入されるようにな
り、吸気ポート12等ヘの燃料の付着を少なくできて、
その分、始動時に従来より多くの燃料を燃焼室内に供給
することができる。
【0041】しかも、始動時に、エンジン回転数が過度
に上昇したときに、点火時期を遅角補正して、回転上昇
を回転上昇上限値β以下とするように抑制するので、連
爆に必要な燃料量を燃焼室内に流入させるのに必要な吸
気弁開弁時間を確保することができて、低温始動時で
も、連爆に必要な燃料量を確実に燃焼室内に流入させる
ことができる。これにより、低温始動時でも、混合気の
空燃比を連爆可能な範囲にすることができて、始動性を
向上できると共に、始動時のHC排出量を低減すること
ができる。
【0042】更に、上記実施形態(1)では、回転上昇
値DNEが回転上昇上限値βよりも大きい時(つまり必
要吸気弁開弁時間を確保できない時)のみ、回転上昇値
DNEと回転上昇上限値βとの差に応じて点火遅角補正
値FAOPを設定するようにしたので、必要最小限の点
火遅角補正値FAOPを設定することができて、点火時
期遅角補正(回転上昇抑制)を必要最小限にすることが
でき、始動時に回転上昇を過度に抑制してしまうことを
防止できる。尚、回転上昇値DNEと回転上昇上限値β
との差(DNE−β)に代えて、両者の比(DNE/
β)に応じて点火遅角補正値FAOPを設定するように
しても良い。
【0043】《実施形態(2)》次に、本発明の実施形
態(2)を図15乃至図20に基づいて説明する。前記
実施形態(1)では、クランク角センサ26で検出した
エンジン回転数NEから実際の回転上昇値DNEを求め
て点火時期を遅角補正するようにしたが、本実施形態
(2)では、冷却水温とクランキング開始からの噴射回
数とから回転上昇値DNEを予測して点火時期を遅角補
正するようにしている。
【0044】本実施形態(2)で実行する図15の燃料
噴射・点火制御ベースルーチンは、ステップ250(回
転上昇予測)と、ステップ300a(点火時期算出)を
除いて、前記実施形態(1)で説明した図4の燃料噴射
・点火制御ベースルーチンと同じである。
【0045】本ベースルーチンでは、初期化処理後、燃
料噴射量を算出し(ステップ100,200)、後述す
る図16の回転上昇予測ルーチンを実行して、冷却水温
THWと噴射回数CINJとから回転上昇値DNEを予
測する(ステップ250)。この回転上昇予測ルーチン
の処理は、特許請求の範囲の請求項4に記載した回転上
昇判定手段として機能する。この後、後述する図18の
点火時期算出ルーチンを実行して点火時期を算出し(ス
テップ300a)、燃料噴射及び点火を実行する(ステ
ップ400,500)。
【0046】図16に示す回転上昇予測ルーチン(図1
5のステップ250)では、まず、ステップ251で、
クランキング開始からの噴射回数CINJを読み込んだ
後、ステップ252で、冷却水温THWを読み込む。次
のステップ253で、図17に示す噴射回数CINJを
パラメータとした回転上昇値DNEの特性曲線を、冷却
水温THWに応じて複数設定したマップを用い、冷却水
温THWに対応する回転上昇値DNE特性曲線を選択し
て、その特性曲線から噴射回数CINJに応じた回転上
昇値DNEを求める。始動時、第1回目の噴射燃料は、
360℃A(2噴射分)経過後に燃焼(爆発)行程に到
達するため、回転上昇値DNE特性曲線の立ち上がり点
は、CINJ=3となる。この回転上昇値DNEのマッ
プは、予め、実験データや理論式によって設定され、E
CU27のROMに記憶されている。
【0047】図18に示す点火時期算出ルーチン(図1
5のステップ300a)は、図9の点火時期算出ルーチ
ンからステップ305,312(燃焼回数カウンタの処
理)を省略し、回転上昇上限値βの算出(ステップ30
6a)に用いるマップを変更したものであり、その他の
処理は、図9の点火時期算出ルーチンと同じである。ス
テップ304で、図16の回転上昇予測ルーチンで予測
した回転上昇値DNEが燃焼判定値αよりも大きけれ
ば、ステップ306aに進み、クランキング開始からの
噴射回数CINJと冷却水温THWとに基づいて回転上
昇上限値βを求める。この際、図19に示すように、噴
射回数CINJをパラメータとした回転上昇上限値βの
特性線を、冷却水温THWに応じて複数設定したマップ
を用い、始動時の冷却水温THWに対応する回転上昇上
限値β特性線を選択して、その特性線から噴射回数CI
NJに応じた回転上昇上限値βを求める。この回転上昇
上限値βのマップは、予め、実験データや理論式によっ
て設定され、ECU27のROMに記憶されている。こ
のステップ306aの処理は、特許請求の範囲の請求項
2,6に記載した回転上昇上限値算出手段として機能す
る。
【0048】この後、予測した回転上昇値DNEが回転
上昇上限値βよりも大きい場合、つまり必要吸気弁開弁
時間を確保できないと予測される場合には、回転上昇の
ガードオーバ値γ(=DNE−β)に応じた点火遅角補
正値FAOPを求めた後、始動時点火時期ASTを点火
遅角補正値FAOPで遅角補正して始動時最終点火時期
AOPを求める(ステップ307〜310)。
【0049】以上説明した実施形態(2)では、図20
に示すように、実際に過度の回転上昇が発生する前に、
その回転上昇値DNEを予測し、ガードオーバ値γ(=
DNE−β)に応じた点火遅角補正値FAOPを求め
て、点火時期AOPを遅角補正できるため、始動時に最
初の燃焼から過度の回転上昇を未然に防止することがで
きる。
【0050】尚、本実施形態(2)では、回転上昇上限
値βを噴射回数CINJと冷却水温THWとから求める
ようにしたが、前記実施形態(1)と同じく、燃焼回数
CFIREと冷却水温THWとから回転上昇上限値βを
求めるようにしても良い。また、回転上昇上限値βの算
出に用いるパラメータとして、冷却水温THW、燃焼回
数CFIRE(又は噴射回数CINJ)の他に、例えば
吸気温(又は外気温)等も追加するようにしても良い。
【0051】その他、本発明は、4気筒以外の気筒数の
エンジンに適用しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)におけるエンジン制御
システム全体の概略構成図
【図2】実施形態(1)における始動時の制御の挙動を
説明するタイムチャート
【図3】比較例の始動時の制御の挙動を説明するタイム
チャート
【図4】実施形態(1)における燃料噴射・点火制御ベ
ースルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図5】燃料噴射算出ルーチンの処理の流れを示すフロ
ーチャート
【図6】噴射サイクル数算出ルーチンの処理の流れを示
すフローチャート
【図7】噴射サイクル数CCYCLと始動時基本燃料噴
射量TAUとの関係を規定するマップを示す図
【図8】冷却水温THWと冷却水温補正係数FTHWと
の関係を規定するマップを示す図
【図9】実施形態(1)における点火時期算出ルーチン
の処理の流れを示すフローチャート
【図10】冷却水温THWと始動時点火時期ASTとの
関係を規定するマップを示す図
【図11】回転上昇の判定方法を説明するための図
【図12】冷却水温THWと燃焼判定値αとの関係を規
定するマップを示す図
【図13】燃焼回数CFIREと回転上昇上限値βと冷
却水温THWとの関係を規定するマップを示す図
【図14】ガードオーバ値γと点火遅角補正値FAOP
との関係を規定するマップを示す図
【図15】本発明の実施形態(2)における燃料噴射・
点火制御ベースルーチンの処理の流れを示すフローチャ
ート
【図16】回転上昇予測ルーチンの処理の流れを示すフ
ローチャート
【図17】噴射回数CINJと回転上昇値DNEと冷却
水温THWとの関係を規定するマップを示す図
【図18】実施形態(2)における点火時期算出ルーチ
ンの処理の流れを示すフローチャート
【図19】噴射回数CINJと回転上昇上限値βと冷却
水温THWとの関係を規定するマップを示す図
【図20】実施形態(2)における始動時の制御の挙動
を説明するタイムチャート
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、13…吸気管、17…点
火プラグ、19…燃料噴射弁、23…冷却水温センサ、
26…クランク角センサ、27…ECU(始動時噴射時
期制御手段,回転上昇抑制手段,回転上昇判定手段,回
転上昇上限値算出手段)、28…吸気弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02P 5/15 F02P 5/15 E

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の各気筒毎に燃料噴射弁から燃
    料を噴射する内燃機関の始動制御装置において、 始動時に各気筒の燃料噴射を各気筒の吸気行程で実行す
    る始動時噴射時期制御手段と、 始動時に前記内燃機関の回転上昇を所定範囲内に抑える
    ように点火時期を補正する回転上昇抑制手段とを備えた
    ことを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  2. 【請求項2】 始動時の機関回転数の上昇を判定する回
    転上昇判定手段と、始動に必要な燃料量を燃焼室内に流
    入させるのに必要な吸気弁開弁時間を確保するための回
    転上昇の上限値(以下「回転上昇上限値」という)を算
    出する回転上昇上限値算出手段とを備え、 前記回転上昇抑制手段は、前記回転上昇判定手段で判定
    された回転上昇値と前記回転上昇上限値算出手段で算出
    された回転上昇上限値とを比較し、その比較結果に基づ
    いて回転上昇値を前記回転上昇上限値以下に抑えるよう
    に点火時期を補正することを特徴とする請求項1に記載
    の内燃機関の始動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記回転上昇判定手段は、機関回転数を
    検出して、その機関回転数から前記回転上昇値を求める
    ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の始動制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記回転上昇判定手段は、少なくとも前
    記内燃機関の冷却水温とクランキング開始からの噴射回
    数とに基づいて前記回転上昇値を予測することを特徴と
    する請求項2に記載の内燃機関の始動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記回転上昇上限値算出手段は、少なく
    とも前記内燃機関の冷却水温とクランキング開始からの
    燃焼回数とに基づいて前記回転上昇上限値を設定するこ
    とを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の内燃
    機関の始動制御装置。
  6. 【請求項6】 前記回転上昇上限値算出手段は、少なく
    とも前記内燃機関の冷却水温とクランキング開始からの
    噴射回数とに基づいて前記回転上昇上限値を設定するこ
    とを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の内燃
    機関の始動制御装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6705288B2 (en) 2001-10-29 2004-03-16 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Starting control apparatus for internal combustion engine
JP2010533257A (ja) * 2007-07-09 2010-10-21 プジョー シトロエン オートモビル エス アー 内燃エンジンを冷間始動する方法
JP2015143479A (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 ダイハツ工業株式会社 制御装置
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CN111608815A (zh) * 2020-04-14 2020-09-01 联合汽车电子有限公司 发动机断火控制方法、系统和可读存储介质

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