JPH11346718A - 酵素を利用した食肉加工品 - Google Patents
酵素を利用した食肉加工品Info
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- JPH11346718A JPH11346718A JP10165445A JP16544598A JPH11346718A JP H11346718 A JPH11346718 A JP H11346718A JP 10165445 A JP10165445 A JP 10165445A JP 16544598 A JP16544598 A JP 16544598A JP H11346718 A JPH11346718 A JP H11346718A
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- JP
- Japan
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- meat
- enzyme
- protease
- protease activity
- free amino
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- Pending
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- Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 エネルギーやスペース上の問題、安全衛生上
の問題等を解決した、長期間熟成され風味に優れた肉製
品と同様な熟成風味を有する食肉加工品の迅速かつ安全
な製造方法を提供すること。 【解決手段】 塩漬肉中でのプロテアーゼ活性が0.0
1〜10u/g、好ましくは0.05〜2u/gである
酵素をピックル液に溶解し、この酵素含有液を食肉にイ
ンジェクションし、食肉中の遊離アミノ酸含量を増加さ
せる。用いる酵素としては、pH2〜4に至適pHを有
する酸性プロテアーゼ又はpH9〜12に至適pHを有
するアルカリ性プロテアーゼや、本来的に酵素活性が低
下した酵素を挙げることができる。
の問題等を解決した、長期間熟成され風味に優れた肉製
品と同様な熟成風味を有する食肉加工品の迅速かつ安全
な製造方法を提供すること。 【解決手段】 塩漬肉中でのプロテアーゼ活性が0.0
1〜10u/g、好ましくは0.05〜2u/gである
酵素をピックル液に溶解し、この酵素含有液を食肉にイ
ンジェクションし、食肉中の遊離アミノ酸含量を増加さ
せる。用いる酵素としては、pH2〜4に至適pHを有
する酸性プロテアーゼ又はpH9〜12に至適pHを有
するアルカリ性プロテアーゼや、本来的に酵素活性が低
下した酵素を挙げることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長時間熟成された
ものと同様な熟成風味を有する、酵素を利用した食肉加
工品及びその迅速かつ安全な製造方法並びに食肉の処理
方法に関する。
ものと同様な熟成風味を有する、酵素を利用した食肉加
工品及びその迅速かつ安全な製造方法並びに食肉の処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、風味に優れたハム、ソーセージ、
ベーコン等の食肉加工品を得るためには、微生物の繁殖
を抑制下、できるだけ長期間低温熟成を行うことが好ま
しいとされているが、ハムでは1〜2週間程度、ソーセ
ージでは3〜7日程度の熟成が普通行われている。しか
し、中には1ヶ月以上熟成させた旨みに優れたハム製品
も知られている。
ベーコン等の食肉加工品を得るためには、微生物の繁殖
を抑制下、できるだけ長期間低温熟成を行うことが好ま
しいとされているが、ハムでは1〜2週間程度、ソーセ
ージでは3〜7日程度の熟成が普通行われている。しか
し、中には1ヶ月以上熟成させた旨みに優れたハム製品
も知られている。
【0003】また、ハムやソーセージの製造時の加熱処
理時に、中温(例えば40℃)で長時間処理することで
自己のプロテアーゼによりアミノ酸を増加させる試みが
知られている。例えば、特開平7−87934号公報に
は、原料肉を亜硝酸ナトリウムの存在下に塩漬して低温
熟成し、乾燥・燻煙し、加熱する加工肉製品の製造方法
において、低温熟成後の原料肉を温度30〜45℃で4
〜12時間の中温熟成を行う加工肉製品の製造方法が記
載されている。しかし、通常の熱処理を行ったものと比
較すれば若干の遊離アミノ酸量の増加は見られるもの
の、長期間塩漬により熟成したものと比較すると同等の
風味が得られているとはいい得るものではなかった。
理時に、中温(例えば40℃)で長時間処理することで
自己のプロテアーゼによりアミノ酸を増加させる試みが
知られている。例えば、特開平7−87934号公報に
は、原料肉を亜硝酸ナトリウムの存在下に塩漬して低温
熟成し、乾燥・燻煙し、加熱する加工肉製品の製造方法
において、低温熟成後の原料肉を温度30〜45℃で4
〜12時間の中温熟成を行う加工肉製品の製造方法が記
載されている。しかし、通常の熱処理を行ったものと比
較すれば若干の遊離アミノ酸量の増加は見られるもの
の、長期間塩漬により熟成したものと比較すると同等の
風味が得られているとはいい得るものではなかった。
【0004】また、特公平6−16691号公報には、
食肉加工品の製造工程において、長期間熟成した場合と
同様の風味を与えるために、L−グルタミン酸、L−シ
ステイン、L−メチオニン、L−ロイシン及びL−アル
ギニン等を配合してなるアミノ酸配合物を添加する熟成
風味を有する肉製品の製造方法が記載されている。しか
しながら、自然食品への嗜好の高まりとともに、一部消
費者からはこのような添加物をできるだけ排除する要望
が出されている。
食肉加工品の製造工程において、長期間熟成した場合と
同様の風味を与えるために、L−グルタミン酸、L−シ
ステイン、L−メチオニン、L−ロイシン及びL−アル
ギニン等を配合してなるアミノ酸配合物を添加する熟成
風味を有する肉製品の製造方法が記載されている。しか
しながら、自然食品への嗜好の高まりとともに、一部消
費者からはこのような添加物をできるだけ排除する要望
が出されている。
【0005】また、食肉製品の呈味を改善するために、
ピックル液にプロテアーゼを加え、食肉の外からプロテ
アーゼを注入し、プロテアーゼのタンパク分解作用によ
り遊離アミノ酸量を増やそうとする試みもなされてき
た。そして、このプロテアーゼ処理においては、プロテ
アーゼを効果的に作用させるために、食肉のpH値であ
るpH6前後に至適pHを有する中性プロテアーゼが用
いられてきた。しかし、この方法では、プロテアーゼの
作用を制御することが難しく、熟成呈味成分と考えられ
ている遊離アミノ酸量を増加させようとすると、食肉が
レバー状あるいはドロドロに融解したペースト状とな
り、食肉加工品が本来有する食感を失い、実用に供しう
るものではなかった。
ピックル液にプロテアーゼを加え、食肉の外からプロテ
アーゼを注入し、プロテアーゼのタンパク分解作用によ
り遊離アミノ酸量を増やそうとする試みもなされてき
た。そして、このプロテアーゼ処理においては、プロテ
アーゼを効果的に作用させるために、食肉のpH値であ
るpH6前後に至適pHを有する中性プロテアーゼが用
いられてきた。しかし、この方法では、プロテアーゼの
作用を制御することが難しく、熟成呈味成分と考えられ
ている遊離アミノ酸量を増加させようとすると、食肉が
レバー状あるいはドロドロに融解したペースト状とな
り、食肉加工品が本来有する食感を失い、実用に供しう
るものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】低温で塩漬・熟成する
タイプの食肉加工品では、塩漬期間中に自己のプロテア
ーゼにより自己融解を起こし、遊離アミノ酸、ペプチド
の含量が増加する。そして、塩漬・熟成期間が長い程遊
離アミノ酸やペプチドの増加量が多くなり、これらの遊
離アミノ酸やペプチドが呈味や風味の向上に関与してい
るとされている。しかし、長期間低温塩漬・熟成して食
肉加工品を製造する場合、低温で長期間塩漬・熟成する
ための冷却エネルギー、保管場所等を必要とすることか
ら、エネルギーやスペース上の問題があり、また、保管
中に微生物が増殖する可能性があることから、安全衛生
上の問題があった。
タイプの食肉加工品では、塩漬期間中に自己のプロテア
ーゼにより自己融解を起こし、遊離アミノ酸、ペプチド
の含量が増加する。そして、塩漬・熟成期間が長い程遊
離アミノ酸やペプチドの増加量が多くなり、これらの遊
離アミノ酸やペプチドが呈味や風味の向上に関与してい
るとされている。しかし、長期間低温塩漬・熟成して食
肉加工品を製造する場合、低温で長期間塩漬・熟成する
ための冷却エネルギー、保管場所等を必要とすることか
ら、エネルギーやスペース上の問題があり、また、保管
中に微生物が増殖する可能性があることから、安全衛生
上の問題があった。
【0007】本発明の課題は、エネルギーやスペース上
の問題、安全衛生上の問題等を解決した、長期間熟成さ
れ風味に優れた肉製品と同様な熟成風味を有する食肉加
工品の迅速かつ安全な製造方法を提供することにある。
の問題、安全衛生上の問題等を解決した、長期間熟成さ
れ風味に優れた肉製品と同様な熟成風味を有する食肉加
工品の迅速かつ安全な製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、プロテア
ーゼ処理による食肉製品の呈味や風味の改善について鋭
意研究検討を重ね、遊離アミノ酸、ペプチドを増加させ
るためには、やはりプロテアーゼの利用が有用であると
考えていたが、肉のpH6前後に至適pHを有する中性
プロテアーゼのタンパク消化力を利用して、熟成呈味成
分と考えられる遊離アミノ酸やペプチド量を増加させよ
うとすると、食肉加工品が本来有するテクスチャーが失
われ、実用性の面からプロテアーゼで処理する方法につ
いてはあきらめかけた時、実験に使用していた、食肉の
pH値であるpH6前後に至適pHを有する中性プロテ
アーゼの代わりに、誤ってpH3に至適pHを有する酸
性プロテアーゼを用いたところ、遊離アミノ酸やペプチ
ド量が増加しかつ食肉加工品が本来有するテクスチャー
が維持されることをたまたま見い出した。そこで、pH
6前後において制御しやすいプロテアーゼを利用する方
法について検討し、本発明を完成するに至った。
ーゼ処理による食肉製品の呈味や風味の改善について鋭
意研究検討を重ね、遊離アミノ酸、ペプチドを増加させ
るためには、やはりプロテアーゼの利用が有用であると
考えていたが、肉のpH6前後に至適pHを有する中性
プロテアーゼのタンパク消化力を利用して、熟成呈味成
分と考えられる遊離アミノ酸やペプチド量を増加させよ
うとすると、食肉加工品が本来有するテクスチャーが失
われ、実用性の面からプロテアーゼで処理する方法につ
いてはあきらめかけた時、実験に使用していた、食肉の
pH値であるpH6前後に至適pHを有する中性プロテ
アーゼの代わりに、誤ってpH3に至適pHを有する酸
性プロテアーゼを用いたところ、遊離アミノ酸やペプチ
ド量が増加しかつ食肉加工品が本来有するテクスチャー
が維持されることをたまたま見い出した。そこで、pH
6前後において制御しやすいプロテアーゼを利用する方
法について検討し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、塩漬肉中でのプロテア
ーゼ活性が0.01〜10u/g、好ましくは0.05
〜2u/gである酵素を食肉に作用させることを特徴と
する食肉加工品の製造法や、酵素としてそのプロテアー
ゼ活性が抑制された条件下で0.01〜10u/gとな
る酵素を用いる上記食肉加工品の製造法や、プロテアー
ゼ活性が抑制された条件下で0.01〜10u/gとな
る酵素がpH2〜4に至適pHを有する酸性プロテアー
ゼ又はpH9〜12に至適pHを有するアルカリ性プロ
テアーゼである上記食肉加工品の製造法や、酵素として
63℃で30分の加熱で失活する酵素を用いる上記食肉
加工品の製造法や、酵素としてピックル液に溶解されて
いる酵素を用いる上記食肉加工品の製造法に関する。
ーゼ活性が0.01〜10u/g、好ましくは0.05
〜2u/gである酵素を食肉に作用させることを特徴と
する食肉加工品の製造法や、酵素としてそのプロテアー
ゼ活性が抑制された条件下で0.01〜10u/gとな
る酵素を用いる上記食肉加工品の製造法や、プロテアー
ゼ活性が抑制された条件下で0.01〜10u/gとな
る酵素がpH2〜4に至適pHを有する酸性プロテアー
ゼ又はpH9〜12に至適pHを有するアルカリ性プロ
テアーゼである上記食肉加工品の製造法や、酵素として
63℃で30分の加熱で失活する酵素を用いる上記食肉
加工品の製造法や、酵素としてピックル液に溶解されて
いる酵素を用いる上記食肉加工品の製造法に関する。
【0010】また本発明は、塩漬肉中でのプロテアーゼ
活性が0.01〜10u/gである酵素を食肉に作用さ
せることにより得られ、肉由来の遊離アミノ酸の含量が
50重量%以上増加した食肉加工品や、塩漬肉中でのプ
ロテアーゼ活性が0.01〜10u/gである酵素を食
肉に作用させることにより得られ、肉由来の遊離アミノ
酸の含量が肉タンパク質100g当たり900mg以上
である食肉加工品や、食肉中でのプロテアーゼ活性が
0.01〜10u/gである酵素を食肉に作用させるこ
とを特徴とする食肉の処理方法に関する。
活性が0.01〜10u/gである酵素を食肉に作用さ
せることにより得られ、肉由来の遊離アミノ酸の含量が
50重量%以上増加した食肉加工品や、塩漬肉中でのプ
ロテアーゼ活性が0.01〜10u/gである酵素を食
肉に作用させることにより得られ、肉由来の遊離アミノ
酸の含量が肉タンパク質100g当たり900mg以上
である食肉加工品や、食肉中でのプロテアーゼ活性が
0.01〜10u/gである酵素を食肉に作用させるこ
とを特徴とする食肉の処理方法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、食肉としては、
豚肉、牛肉、家禽肉、馬肉、羊肉及びこれらの内臓肉、
骨付き肉及び皮付き肉、並びに魚肉等を例示することが
でき、食用に供される肉であればどのような肉をも使用
することができる。
豚肉、牛肉、家禽肉、馬肉、羊肉及びこれらの内臓肉、
骨付き肉及び皮付き肉、並びに魚肉等を例示することが
でき、食用に供される肉であればどのような肉をも使用
することができる。
【0012】本発明の食肉加工品の製造に用いられる酵
素としては、塩漬肉中でのプロテアーゼ活性が0.01
〜10u/gである酵素であればどのようなものでもよ
く、また本発明の食肉の処理方法に用いられる酵素とし
ては、食肉中でのプロテアーゼ活性が0.01〜10u
/gである酵素であればどのようなものでもよい。そし
て、プロテアーゼ活性が0.01u/g未満の酵素を用
いた場合は、遊離アミノ酸やペプチドの増加量が少な
く、熟成風味を有する食肉製品や食肉が得られず、他方
プロテアーゼ活性が10u/gを超える酵素を用いた場
合は、食肉製品又は食肉は脆弱化し、本来それらが有す
る食感やテクスチャーに加えて風味までも失うことにな
る。またプロテアーゼ活性が0.01〜10u/gの範
囲の中でも、0.05〜2u/gである酵素を用いる
と、特に優れた熟成風味付与効果が得られる。
素としては、塩漬肉中でのプロテアーゼ活性が0.01
〜10u/gである酵素であればどのようなものでもよ
く、また本発明の食肉の処理方法に用いられる酵素とし
ては、食肉中でのプロテアーゼ活性が0.01〜10u
/gである酵素であればどのようなものでもよい。そし
て、プロテアーゼ活性が0.01u/g未満の酵素を用
いた場合は、遊離アミノ酸やペプチドの増加量が少な
く、熟成風味を有する食肉製品や食肉が得られず、他方
プロテアーゼ活性が10u/gを超える酵素を用いた場
合は、食肉製品又は食肉は脆弱化し、本来それらが有す
る食感やテクスチャーに加えて風味までも失うことにな
る。またプロテアーゼ活性が0.01〜10u/gの範
囲の中でも、0.05〜2u/gである酵素を用いる
と、特に優れた熟成風味付与効果が得られる。
【0013】本発明におけるプロテアーゼ活性単位[u
/g]は、天野法により測定されたプロテアーゼ活性単
位である。以下、天野法によるプロテアーゼ活性(タン
パク消化力)の測定方法の概要を説明する。
/g]は、天野法により測定されたプロテアーゼ活性単
位である。以下、天野法によるプロテアーゼ活性(タン
パク消化力)の測定方法の概要を説明する。
【0014】(操作方法)ミルクカゼイン溶液1mlを
試験管(15×150mm)にとり、37±0.5°の
恒温水槽中に入れ、5分間放置した後、試料溶液1ml
を正確に加え、よく振り混ぜ直ちに37±0.5°の恒
温水槽中に入れ、60分間放置する。これに0.4Mト
リクロル酢酸溶液2mlを加え、良く振り混ぜ37±
0.5°で25分間放置した後、ろ紙(東洋ろ紙No.
131,7cm)でろ過する。ろ液1mlを試験管(1
8×180mm)に取り、0.4M炭酸ナトリウム液5
ml及びうすめたフォリン試液(1→5)1mlを加え
良く振り混ぜ、37±0.5°で20分間放置して発色
させた後、水を対照として波長660nmにおける吸光
度Atを測定する。別に空試験として、ミルクカゼイン
溶液1mlを試験管(15×150mm)にとり、0.
4Mトリクロル酢酸溶液2mlを加え、よく振り混ぜた
後、水1mlを正確に加えたものにつき、以下同様に操
作して吸光度A0 を測定する。
試験管(15×150mm)にとり、37±0.5°の
恒温水槽中に入れ、5分間放置した後、試料溶液1ml
を正確に加え、よく振り混ぜ直ちに37±0.5°の恒
温水槽中に入れ、60分間放置する。これに0.4Mト
リクロル酢酸溶液2mlを加え、良く振り混ぜ37±
0.5°で25分間放置した後、ろ紙(東洋ろ紙No.
131,7cm)でろ過する。ろ液1mlを試験管(1
8×180mm)に取り、0.4M炭酸ナトリウム液5
ml及びうすめたフォリン試液(1→5)1mlを加え
良く振り混ぜ、37±0.5°で20分間放置して発色
させた後、水を対照として波長660nmにおける吸光
度Atを測定する。別に空試験として、ミルクカゼイン
溶液1mlを試験管(15×150mm)にとり、0.
4Mトリクロル酢酸溶液2mlを加え、よく振り混ぜた
後、水1mlを正確に加えたものにつき、以下同様に操
作して吸光度A0 を測定する。
【0015】(タンパク消化力単位)本条件下、60分
間に反応ろ液1ml中にチロジン100μgに相当する
アミノ酸を生成する酵素量をタンパク消化力1単位とし
次式により算出する。 タンパク消化力〔μ/g〕=(At−A0 )×F×1/
100×n F:チロジン検量線より求めた吸光度差が1.000の
時のチロジン量(μg) n:試料溶液の希釈倍数 1/100:単位換算係数
間に反応ろ液1ml中にチロジン100μgに相当する
アミノ酸を生成する酵素量をタンパク消化力1単位とし
次式により算出する。 タンパク消化力〔μ/g〕=(At−A0 )×F×1/
100×n F:チロジン検量線より求めた吸光度差が1.000の
時のチロジン量(μg) n:試料溶液の希釈倍数 1/100:単位換算係数
【0016】(チロジン検量線の作成)チロジン標準品
を105℃で3時間乾燥し、その0.100gを正確に
量り、0.1N塩酸試液を加えて溶かし、正確に100
mlとする。この液1ml、2ml、3ml、4ml及
び5mlを正確に量り、それぞれに0.1N塩酸溶液を
加えて正確に100mlとする。それぞれの液1ml中
にはチロジンが10μg、20μg、30μg、40μ
g及び50μg含まれる。それぞれの液1mlを正確に
量り、0.4M炭酸ナトリウム溶液5ml及び薄めたフ
ォリン試液(1→5)1mlを加え、37±0.5°で
20分間放置した後、この液について波長660nmに
おける吸光度A1 、A2 、A3 、A4 及びA5 、を測定
する。別にチロジン標準液の代わりに0.1N塩酸試液
1mlを用いて同様に操作して吸光度A0 を測定する。
これより、縦軸に吸光度の差(A1−A0 、A2−A0、
A3−A0、A4−A0 )を、横軸にそれぞれの液1ml
中のチロジン量(μg)をとり、検量線とし、吸光度差
1.000に対応するチロジン量(Fμg)を求める。
を105℃で3時間乾燥し、その0.100gを正確に
量り、0.1N塩酸試液を加えて溶かし、正確に100
mlとする。この液1ml、2ml、3ml、4ml及
び5mlを正確に量り、それぞれに0.1N塩酸溶液を
加えて正確に100mlとする。それぞれの液1ml中
にはチロジンが10μg、20μg、30μg、40μ
g及び50μg含まれる。それぞれの液1mlを正確に
量り、0.4M炭酸ナトリウム溶液5ml及び薄めたフ
ォリン試液(1→5)1mlを加え、37±0.5°で
20分間放置した後、この液について波長660nmに
おける吸光度A1 、A2 、A3 、A4 及びA5 、を測定
する。別にチロジン標準液の代わりに0.1N塩酸試液
1mlを用いて同様に操作して吸光度A0 を測定する。
これより、縦軸に吸光度の差(A1−A0 、A2−A0、
A3−A0、A4−A0 )を、横軸にそれぞれの液1ml
中のチロジン量(μg)をとり、検量線とし、吸光度差
1.000に対応するチロジン量(Fμg)を求める。
【0017】本発明においては、塩漬肉又は食肉中での
プロテアーゼ活性が0.01〜10u/gである酵素を
食肉に作用させることが必要である。塩漬肉又は食肉中
でのプロテアーゼ活性が0.01〜10u/gである酵
素としては、構造的にプロテアーゼ活性が低く、その酵
素の至適条件下でもプロテアーゼ活性が0.01〜10
u/gである酵素を挙げることができる。構造的にプロ
テアーゼ活性が低い酵素としては、加熱処理や薬剤処理
によって部分失活させた酵素や、本来的にプロテアーゼ
活性が低いものを例示することができる。
プロテアーゼ活性が0.01〜10u/gである酵素を
食肉に作用させることが必要である。塩漬肉又は食肉中
でのプロテアーゼ活性が0.01〜10u/gである酵
素としては、構造的にプロテアーゼ活性が低く、その酵
素の至適条件下でもプロテアーゼ活性が0.01〜10
u/gである酵素を挙げることができる。構造的にプロ
テアーゼ活性が低い酵素としては、加熱処理や薬剤処理
によって部分失活させた酵素や、本来的にプロテアーゼ
活性が低いものを例示することができる。
【0018】また、塩漬肉又は食肉中でのプロテアーゼ
活性が0.01〜10u/gである酵素として、その酵
素の至適条件下におけるプロテアーゼ活性は強力である
が、塩漬下の塩漬肉中又は冷凍・冷蔵下の食肉中など制
限された条件下におけるプロテアーゼ活性が0.01〜
10u/gである酵素を挙げることができる。かかる塩
漬肉又は食肉中という制限された条件下におけるプロテ
アーゼ活性が0.01〜10u/gである酵素として
は、食肉のpH値であるpH6前後において低い相対活
性値を示す、pH2〜4に至適pHを有する酸性プロテ
アーゼ又はpH9〜12に至適pHを有するアルカリ性
プロテアーゼや、塩漬温度において低い相対プロテアー
ゼ活性値を示す酵素を例示することができる。その他、
至適pH6前後のような中性プロテアーゼを用いる場合
には、過度な働きを抑制するために、例えば、卵白タン
パク質、あるいは大豆タンパク質中に含まれるプロテア
ーゼインヒビターをプロテアーゼと同様に添加する方法
も考えられるが、このような異種のタンパク質を添加し
て、肉本来の味、風味を損なうことになる場合は、品質
面から好ましい方法とはいえない。
活性が0.01〜10u/gである酵素として、その酵
素の至適条件下におけるプロテアーゼ活性は強力である
が、塩漬下の塩漬肉中又は冷凍・冷蔵下の食肉中など制
限された条件下におけるプロテアーゼ活性が0.01〜
10u/gである酵素を挙げることができる。かかる塩
漬肉又は食肉中という制限された条件下におけるプロテ
アーゼ活性が0.01〜10u/gである酵素として
は、食肉のpH値であるpH6前後において低い相対活
性値を示す、pH2〜4に至適pHを有する酸性プロテ
アーゼ又はpH9〜12に至適pHを有するアルカリ性
プロテアーゼや、塩漬温度において低い相対プロテアー
ゼ活性値を示す酵素を例示することができる。その他、
至適pH6前後のような中性プロテアーゼを用いる場合
には、過度な働きを抑制するために、例えば、卵白タン
パク質、あるいは大豆タンパク質中に含まれるプロテア
ーゼインヒビターをプロテアーゼと同様に添加する方法
も考えられるが、このような異種のタンパク質を添加し
て、肉本来の味、風味を損なうことになる場合は、品質
面から好ましい方法とはいえない。
【0019】本発明において用いられる酵素は、必ずし
も純粋なものでなくともよく、他の酵素、例えばリパー
ゼ、アミラーゼとの混合物の状態のものも使用すること
ができる。また、プロテアーゼ活性を有する酵素は、通
常タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)と呼ばれている
が、プロテアーゼ以外の酵素名で呼ばれているものであ
っても、プロテアーゼ活性を有するものであれば使用す
ることができる。さらに、プロテアーゼには、ペプチド
鎖のN末端又はC末端に作用して、末端アミノ酸又はジ
ペプチドを逐次遊離するエキソペプチダーゼと、ペプチ
ド鎖の内部のペプチド結合に作用し、これを断片化する
エンドペプチダーゼとがあるが、本発明においてはその
いずれをも使用することができる。
も純粋なものでなくともよく、他の酵素、例えばリパー
ゼ、アミラーゼとの混合物の状態のものも使用すること
ができる。また、プロテアーゼ活性を有する酵素は、通
常タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)と呼ばれている
が、プロテアーゼ以外の酵素名で呼ばれているものであ
っても、プロテアーゼ活性を有するものであれば使用す
ることができる。さらに、プロテアーゼには、ペプチド
鎖のN末端又はC末端に作用して、末端アミノ酸又はジ
ペプチドを逐次遊離するエキソペプチダーゼと、ペプチ
ド鎖の内部のペプチド結合に作用し、これを断片化する
エンドペプチダーゼとがあるが、本発明においてはその
いずれをも使用することができる。
【0020】また、本発明の食肉加工品の製造法におい
て使用される酵素としては、ハム等食肉製品の製造にお
いて通常使用される殺菌条件である、63℃、30分間
の加熱で失活する酵素を用いることが好ましい。63
℃、30分間の加熱で失活しない酵素を用いる場合、上
記通常使用される殺菌条件では失活することなく作用し
続け食肉が脆弱化し、またこの酵素を失活させるため、
より高温の殺菌処理を採用すると食肉製品の品質が劣化
する恐れがある。
て使用される酵素としては、ハム等食肉製品の製造にお
いて通常使用される殺菌条件である、63℃、30分間
の加熱で失活する酵素を用いることが好ましい。63
℃、30分間の加熱で失活しない酵素を用いる場合、上
記通常使用される殺菌条件では失活することなく作用し
続け食肉が脆弱化し、またこの酵素を失活させるため、
より高温の殺菌処理を採用すると食肉製品の品質が劣化
する恐れがある。
【0021】本発明において、酵素を食肉に作用させる
方法としては、酵素溶液を食肉内部にインジェクション
する方法や、食肉表面からの擦り込みや浸透による方法
等を挙げることができる。そして、塩漬に用いられるピ
ックル液に酵素を溶解した酵素含有ピックル液を用いて
食肉に酵素を作用させる方法が作業効率上好ましい。こ
の酵素含有ピックル液として用いる場合、使用する酵素
としては用いるピックル液、特にピックル液のpHにお
いて、安定な酵素を用いることが好ましい。また、ピッ
クルインジェクターとしては、ピックル液を均一に分散
させることができる圧力制御タイプの無針型ピックルイ
ンジェクター(特願平9−253678号参照)を用い
ることが特に好ましい。
方法としては、酵素溶液を食肉内部にインジェクション
する方法や、食肉表面からの擦り込みや浸透による方法
等を挙げることができる。そして、塩漬に用いられるピ
ックル液に酵素を溶解した酵素含有ピックル液を用いて
食肉に酵素を作用させる方法が作業効率上好ましい。こ
の酵素含有ピックル液として用いる場合、使用する酵素
としては用いるピックル液、特にピックル液のpHにお
いて、安定な酵素を用いることが好ましい。また、ピッ
クルインジェクターとしては、ピックル液を均一に分散
させることができる圧力制御タイプの無針型ピックルイ
ンジェクター(特願平9−253678号参照)を用い
ることが特に好ましい。
【0022】塩漬肉中でのプロテアーゼ活性が0.01
〜10u/gである酵素を食肉に作用させる期間は、肉
由来の遊離アミノ酸の含量が50重量%以上増加する程
度の期間が好ましく、さらに肉由来の遊離アミノ酸の含
量が肉タンパク質100g当たり900mg以上とする
ことができる期間が好ましい。塩漬肉中でのプロテアー
ゼ活性が高い酵素を少量添加する方法では、肉由来の遊
離アミノ酸の含量を50重量%以上増加させたり、肉由
来の遊離アミノ酸の含量を肉タンパク質100g当たり
900mg以上とすることは可能であるが、その場合、
食肉製品又は食肉は脆弱化を起こし、本来それらが有す
る食感やテクスチャーや風味を失うことになる。
〜10u/gである酵素を食肉に作用させる期間は、肉
由来の遊離アミノ酸の含量が50重量%以上増加する程
度の期間が好ましく、さらに肉由来の遊離アミノ酸の含
量が肉タンパク質100g当たり900mg以上とする
ことができる期間が好ましい。塩漬肉中でのプロテアー
ゼ活性が高い酵素を少量添加する方法では、肉由来の遊
離アミノ酸の含量を50重量%以上増加させたり、肉由
来の遊離アミノ酸の含量を肉タンパク質100g当たり
900mg以上とすることは可能であるが、その場合、
食肉製品又は食肉は脆弱化を起こし、本来それらが有す
る食感やテクスチャーや風味を失うことになる。
【0023】
【実施例】以下に、実施例を揚げてこの発明を更に具体
的に説明するが、この発明の範囲はこれらの例示に限定
されるものではない。 実施例1 酵素として、ニューラーゼF(天野株式会社製)を用い
た。この酵素の一般的性質を図1に示す。図1からも分
かるように、ニューラーゼFは酸性領域に至適pHを有
し、至適温度は45℃であり、天野法によるプロテアー
ゼ活性(タンパク消化力)は、pH3において約700
0u/g、pH6において約4000u/gであり、6
3℃で30分間の加熱でほぼ失活する。また、測定の結
果、ニューラーゼFは塩漬肉中では約0.2u/gのプ
ロテアーゼ活性を示した。そして、ニューラーゼFは、
食塩濃度が約10%のピックル液に溶解して用いた。
的に説明するが、この発明の範囲はこれらの例示に限定
されるものではない。 実施例1 酵素として、ニューラーゼF(天野株式会社製)を用い
た。この酵素の一般的性質を図1に示す。図1からも分
かるように、ニューラーゼFは酸性領域に至適pHを有
し、至適温度は45℃であり、天野法によるプロテアー
ゼ活性(タンパク消化力)は、pH3において約700
0u/g、pH6において約4000u/gであり、6
3℃で30分間の加熱でほぼ失活する。また、測定の結
果、ニューラーゼFは塩漬肉中では約0.2u/gのプ
ロテアーゼ活性を示した。そして、ニューラーゼFは、
食塩濃度が約10%のピックル液に溶解して用いた。
【0024】次に、食肉中の酵素濃度が50ppmとな
るように、0.006重量部のニューラーゼFを20重
量部のピックル液に溶解し、この酵素含有ピックル液を
圧力制御タイプの無針型ピックルインジェクターを用い
て、100重量部の各種グレイドの豚ロース肉にインジ
ェクションした。塩漬処理は5℃で3日間通常の方法で
行い、各種製品中の遊離アミノ酸含量を、アミノ酸分析
計(株式会社日立製作所製 L−8500A形)を用い
て測定した。なお、旨味調味料であるグルタミン酸ナト
リウムをあらかじめ添加した場合は、求めた総遊離アミ
ノ酸含量から添加したグルタミン酸ナトリウムを引いた
値を遊離アミノ酸含量とした。また、対照として、酵素
を添加することなく調製した同種の従来品についても同
様に遊離アミノ酸含量を求めた。
るように、0.006重量部のニューラーゼFを20重
量部のピックル液に溶解し、この酵素含有ピックル液を
圧力制御タイプの無針型ピックルインジェクターを用い
て、100重量部の各種グレイドの豚ロース肉にインジ
ェクションした。塩漬処理は5℃で3日間通常の方法で
行い、各種製品中の遊離アミノ酸含量を、アミノ酸分析
計(株式会社日立製作所製 L−8500A形)を用い
て測定した。なお、旨味調味料であるグルタミン酸ナト
リウムをあらかじめ添加した場合は、求めた総遊離アミ
ノ酸含量から添加したグルタミン酸ナトリウムを引いた
値を遊離アミノ酸含量とした。また、対照として、酵素
を添加することなく調製した同種の従来品についても同
様に遊離アミノ酸含量を求めた。
【0025】タンパク質100g当たりの遊離アミノ酸
量を各種製品毎に以下に示す。 (1)JAS規格で特級、上級のロースハム(異種タンパ
ク質を使用できない)の場合、本発明品では1400m
g、従来品では600mgであり、酵素処理により遊離
アミノ酸量は約2.3倍となり、約130重量%増加し
た。 (2)JAS規格で特級、上級のベーコン(異種タンパク
質を使用できない)の場合、本発明品では1610m
g、従来品では860mgであり、酵素処理により遊離
アミノ酸量は約1.9倍となり、約90重量%増加し
た。 (3)JAS規格で標準のロースハム(異種タンパク質を
使用できる)の場合、本発明では1000mg、従来品
では640mgであり、酵素処理により遊離アミノ酸量
は約1.6倍となり、約60重量%増加した。 (4)JAS規格外品のロースハム(異種タンパク質を多
量に使用できる)の場合、本発明品では640mg、従
来品では380mgであり、酵素処理により遊離アミノ
酸量は約1.7倍となり、約70重量%増加した。
量を各種製品毎に以下に示す。 (1)JAS規格で特級、上級のロースハム(異種タンパ
ク質を使用できない)の場合、本発明品では1400m
g、従来品では600mgであり、酵素処理により遊離
アミノ酸量は約2.3倍となり、約130重量%増加し
た。 (2)JAS規格で特級、上級のベーコン(異種タンパク
質を使用できない)の場合、本発明品では1610m
g、従来品では860mgであり、酵素処理により遊離
アミノ酸量は約1.9倍となり、約90重量%増加し
た。 (3)JAS規格で標準のロースハム(異種タンパク質を
使用できる)の場合、本発明では1000mg、従来品
では640mgであり、酵素処理により遊離アミノ酸量
は約1.6倍となり、約60重量%増加した。 (4)JAS規格外品のロースハム(異種タンパク質を多
量に使用できる)の場合、本発明品では640mg、従
来品では380mgであり、酵素処理により遊離アミノ
酸量は約1.7倍となり、約70重量%増加した。
【0026】上記遊離アミノ酸含量の測定結果から、本
発明によると、肉由来の遊離アミノ酸含量は、全ての製
品について50重量%以上増加していることがわかる。
また、異種タンパク質を多量に使用するJAS規格外品
のロースハムを除いて、肉由来の遊離アミノ酸含量は、
肉タンパク質100g当たり900mg以上となること
がわかる。
発明によると、肉由来の遊離アミノ酸含量は、全ての製
品について50重量%以上増加していることがわかる。
また、異種タンパク質を多量に使用するJAS規格外品
のロースハムを除いて、肉由来の遊離アミノ酸含量は、
肉タンパク質100g当たり900mg以上となること
がわかる。
【0027】つぎに、酵素処理を施した本発明品と、酵
素を添加することなく調製した同種の従来品とについ
て、破断応力(最大応力)と変形率を同じ条件で測定し
た。その際、ロースハム等の製品をそのまま用いて破断
応力などの物性値を測定すると、原料になった肉の個体
差、また、製造時のバラツキが出てデータの信頼性が乏
しくなることから、破断応力(最大応力)と変形率の測
定には、一度製品肉をひき肉にして均一に混合後、それ
を原料としてモデルハムを新たに調製し、かかるモデル
ハムを用いて実施した。なお、破断応力(最大応力)と
変形率の測定には、レオメーター(株式会社ラオテック
製 NRM−2010J−CW)を用いた。その結果を
以下に示す。
素を添加することなく調製した同種の従来品とについ
て、破断応力(最大応力)と変形率を同じ条件で測定し
た。その際、ロースハム等の製品をそのまま用いて破断
応力などの物性値を測定すると、原料になった肉の個体
差、また、製造時のバラツキが出てデータの信頼性が乏
しくなることから、破断応力(最大応力)と変形率の測
定には、一度製品肉をひき肉にして均一に混合後、それ
を原料としてモデルハムを新たに調製し、かかるモデル
ハムを用いて実施した。なお、破断応力(最大応力)と
変形率の測定には、レオメーター(株式会社ラオテック
製 NRM−2010J−CW)を用いた。その結果を
以下に示す。
【0028】(1)JAS規格で特級、上級のモデルハム
の場合、本発明品では最大応力439g/cm2 、変形
率44%であり、従来品では最大応力480g/c
m2 、変形率50%であった。 (2)JAS規格で標準のモデルハムの場合、本発明品で
は最大応力380g/cm2 、変形率48%であり、従
来品では最大応力520g/cm2 、変形率52%であ
った。 (3)JAS規格外品のロースハムの場合、本発明品では
最大応力356g/cm 2 、変形率46%であり、従来
品では最大応力510g/cm2 、変形率47%であっ
た。
の場合、本発明品では最大応力439g/cm2 、変形
率44%であり、従来品では最大応力480g/c
m2 、変形率50%であった。 (2)JAS規格で標準のモデルハムの場合、本発明品で
は最大応力380g/cm2 、変形率48%であり、従
来品では最大応力520g/cm2 、変形率52%であ
った。 (3)JAS規格外品のロースハムの場合、本発明品では
最大応力356g/cm 2 、変形率46%であり、従来
品では最大応力510g/cm2 、変形率47%であっ
た。
【0029】なお、前記のように、モデルハムは、ひき
肉を原料として調製されているので、調製する前の実際
のハム製品よりも、破断応力(最大応力)と変形率とも
に低い値が出る傾向にあるが、本発明の特徴として、最
大応力が低下し、変形率は比較的維持される、すなわ
ち、しなやかで、しっとりとした食感が得られるという
点を挙げることができる。
肉を原料として調製されているので、調製する前の実際
のハム製品よりも、破断応力(最大応力)と変形率とも
に低い値が出る傾向にあるが、本発明の特徴として、最
大応力が低下し、変形率は比較的維持される、すなわ
ち、しなやかで、しっとりとした食感が得られるという
点を挙げることができる。
【0030】次に、上記本発明により製造されたJAS
規格で特級、上級のロースハムと、JAS規格で特級、
上級のロースハムの従来品とについて、専門のパネラー
23名による官能検査(食感、風味、旨み、総合評価)
の結果を表1に示す。表1から、全ての項目について本
発明品の方が優れた評価が得られていることがわかる
が、特に旨みにおいてその効果が顕著であることがわか
る。
規格で特級、上級のロースハムと、JAS規格で特級、
上級のロースハムの従来品とについて、専門のパネラー
23名による官能検査(食感、風味、旨み、総合評価)
の結果を表1に示す。表1から、全ての項目について本
発明品の方が優れた評価が得られていることがわかる
が、特に旨みにおいてその効果が顕著であることがわか
る。
【0031】
【表1】
【0032】比較例1 酵素として、ニューラーゼF(天野株式会社製)に代え
て、中性領域に至適pHを有するプロテアーゼN(天野
株式会社製)を用いた。この酵素の一般的性質を図2に
示す。図2からも分かるように、プロテアーゼNの天野
法によるプロテアーゼ活性(タンパク消化力)は、pH
7において約150000u/gであることから、ニュ
ーラーゼFにおいては最終濃度50ppmとして用いた
が、プロテアーゼNでは最終濃度3.5ppmとして用
いた。その他の条件は実施例1と同様に行ったところ、
遊離アミノ酸含量は同等もしくはそれ以上増加したが、
全ての製品において食肉が脆弱化しペースト状となっ
て、破断応力や変形率は測定不能であった。
て、中性領域に至適pHを有するプロテアーゼN(天野
株式会社製)を用いた。この酵素の一般的性質を図2に
示す。図2からも分かるように、プロテアーゼNの天野
法によるプロテアーゼ活性(タンパク消化力)は、pH
7において約150000u/gであることから、ニュ
ーラーゼFにおいては最終濃度50ppmとして用いた
が、プロテアーゼNでは最終濃度3.5ppmとして用
いた。その他の条件は実施例1と同様に行ったところ、
遊離アミノ酸含量は同等もしくはそれ以上増加したが、
全ての製品において食肉が脆弱化しペースト状となっ
て、破断応力や変形率は測定不能であった。
【0033】
【発明の効果】本発明によると、塩漬肉中でのプロテア
ーゼ活性が0.01〜10u/gである酵素を食肉に作
用させることにより、長期間熟成したものと同様の、好
ましい風味を有する食肉加工品を短期間の塩漬でも得る
ことが可能となり、従来の長期間熟成におけるエネルギ
ーやスペース上の問題、安全衛生上の問題等を解決する
ことができる。
ーゼ活性が0.01〜10u/gである酵素を食肉に作
用させることにより、長期間熟成したものと同様の、好
ましい風味を有する食肉加工品を短期間の塩漬でも得る
ことが可能となり、従来の長期間熟成におけるエネルギ
ーやスペース上の問題、安全衛生上の問題等を解決する
ことができる。
【図1】図1は、本発明に用いられる酵素ニューラーゼ
Fの一般的性質を示すグラフである。
Fの一般的性質を示すグラフである。
【図2】図2は、比較のために用いた酵素プロテアーゼ
Nの一般的性質を示すグラフである。
Nの一般的性質を示すグラフである。
Claims (9)
- 【請求項1】 塩漬肉中でのプロテアーゼ活性が0.0
1〜10u/gである酵素を食肉に作用させることを特
徴とする食肉加工品の製造法。 - 【請求項2】 酵素として、そのプロテアーゼ活性が抑
制された条件下で0.01〜10u/gとなる酵素を用
いることを特徴とする請求項1記載の食肉加工品の製造
法。 - 【請求項3】 プロテアーゼ活性が抑制された条件下で
0.01〜10u/gとなる酵素が、pH2〜4に至適
pHを有する酸性プロテアーゼ又はpH9〜12に至適
pHを有するアルカリ性プロテアーゼであることを特徴
とする請求項2記載の食肉加工品の製造法。 - 【請求項4】 プロテアーゼ活性0.01〜10u/g
が、0.05〜2u/gであることを特徴とする請求項
1〜3のいずれか記載の食肉加工品の製造法。 - 【請求項5】 酵素として、63℃で30分の加熱で失
活する酵素を用いることを特徴とする請求項1〜4のい
ずれか記載の食肉加工品の製造法。 - 【請求項6】 酵素として、ピックル液に溶解されてい
る酵素を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
か記載の食肉加工品の製造法。 - 【請求項7】 塩漬肉中でのプロテアーゼ活性が0.0
1〜10u/gである酵素を食肉に作用させることによ
り得られ、肉由来の遊離アミノ酸の含量が50重量%以
上増加したことを特徴とする食肉加工品。 - 【請求項8】 塩漬肉中でのプロテアーゼ活性が0.0
1〜10u/gである酵素を食肉に作用させることによ
り得られ、肉由来の遊離アミノ酸の含量が肉タンパク質
100g当たり900mg以上であることを特徴とする
食肉加工品。 - 【請求項9】 食肉中でのプロテアーゼ活性が0.01
〜10u/gである酵素を食肉に作用させることを特徴
とする食肉の処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10165445A JPH11346718A (ja) | 1998-06-12 | 1998-06-12 | 酵素を利用した食肉加工品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10165445A JPH11346718A (ja) | 1998-06-12 | 1998-06-12 | 酵素を利用した食肉加工品 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11346718A true JPH11346718A (ja) | 1999-12-21 |
Family
ID=15812573
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10165445A Pending JPH11346718A (ja) | 1998-06-12 | 1998-06-12 | 酵素を利用した食肉加工品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11346718A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007218545A (ja) * | 2006-02-20 | 2007-08-30 | Hitachi Appliances Inc | 加熱調理器 |
| JP2008125437A (ja) * | 2006-11-21 | 2008-06-05 | Hoko:Kk | 咀嚼困難者用固形状魚肉・畜肉食品の製造方法 |
| JP2013121358A (ja) * | 2013-01-17 | 2013-06-20 | Mitsuo Takano | 食肉のエージング加工方法と霜降り肉に近づけた風味加工方法、並びにこれらの中間の風味をコントロールできる食肉加工製品。 |
| JP2016077259A (ja) * | 2014-10-22 | 2016-05-16 | 株式会社山田養蜂場本社 | 低分子化ハチノコ含有食品組成物及びその製造方法 |
| CN107509966A (zh) * | 2017-09-22 | 2017-12-26 | 江西开元安福火腿有限责任公司 | 一种五香安福火腿低温腌渍发酵方法 |
| CN112006235A (zh) * | 2020-07-14 | 2020-12-01 | 南北兄弟药业投资有限公司 | 一种肉质食品及其制备方法 |
-
1998
- 1998-06-12 JP JP10165445A patent/JPH11346718A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007218545A (ja) * | 2006-02-20 | 2007-08-30 | Hitachi Appliances Inc | 加熱調理器 |
| JP2008125437A (ja) * | 2006-11-21 | 2008-06-05 | Hoko:Kk | 咀嚼困難者用固形状魚肉・畜肉食品の製造方法 |
| JP2013121358A (ja) * | 2013-01-17 | 2013-06-20 | Mitsuo Takano | 食肉のエージング加工方法と霜降り肉に近づけた風味加工方法、並びにこれらの中間の風味をコントロールできる食肉加工製品。 |
| JP2016077259A (ja) * | 2014-10-22 | 2016-05-16 | 株式会社山田養蜂場本社 | 低分子化ハチノコ含有食品組成物及びその製造方法 |
| CN107509966A (zh) * | 2017-09-22 | 2017-12-26 | 江西开元安福火腿有限责任公司 | 一种五香安福火腿低温腌渍发酵方法 |
| CN107509966B (zh) * | 2017-09-22 | 2020-11-17 | 江西开元安福火腿有限责任公司 | 一种五香安福火腿低温腌渍发酵方法 |
| CN112006235A (zh) * | 2020-07-14 | 2020-12-01 | 南北兄弟药业投资有限公司 | 一种肉质食品及其制备方法 |
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