JPH11349662A - エポキシ樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物およびその用途

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JPH11349662A JP16371498A JP16371498A JPH11349662A JP H11349662 A JPH11349662 A JP H11349662A JP 16371498 A JP16371498 A JP 16371498A JP 16371498 A JP16371498 A JP 16371498A JP H11349662 A JPH11349662 A JP H11349662A
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啓輔 詫摩
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忠仁 昇
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 2官能以上のエポキシ化合物もしくはエ
ポキシ樹脂と、硬化剤として、水酸基の10モル%〜1
00モル%が芳香族族アシル基によりエステル化され
た、2官能以上のエステル含有化合物もしくはエステル
含有樹脂と、硬化促進剤の必須の成分として一般式
(I)で表されるホスフィンオキシド誘導体を含有する
エポキシ樹脂組成物。 (式中R1 〜R6 は、水素原子、アルキル基、アリール
基またはアラルキル基を示し、全て同一であっても、そ
れぞれ異なっていても良い。) 【効果】 従来にない低吸湿性を実現し、特に半導体封
止材用途において、従来の硬化物より耐クラック性に優
れたパッケージを与えるエポキシ樹脂組成物を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂によ
り半導体集積回路を封止してなる半導体装置に関するも
のであり、その目的に供するに充分な諸物性を与えるエ
ポキシ樹脂組成物、特に硬化剤としてエステル基を有す
る化合物もしくは樹脂を用い、エステル基をエポキシ基
と速やかに反応させる触媒を組み合わせてなるエポキシ
樹脂組成物、およびその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、集積回路(IC)や大規模集積回
路(LSI)は、それを保護する封止材により、外部雰
囲気のゴミや埃、熱、水分、あるいは光による誤作動等
から守られ、実用化されている。この封止材としては、
金属やセラミックスによるものから、近年では樹脂封止
へと変遷しており、現在ではそのエポキシ樹脂封止が主
流となっている。特にコスト面と物性面のバランスか
ら、フェノール樹脂を硬化剤としたエポキシ樹脂組成物
が多く使われている。これらエポキシ樹脂組成物を用い
た封止材は機械的物性の向上はもとより、以下に示す様
な課題の向上が求められている。
【0003】すなわち、課題としては 外気中の水分を吸湿するため、半田処理条件下に晒さ
れる際、高温下におかれるため水分の爆発的な気化によ
りクラックを生じる、 硬化の際の副反応として、エポキシ単独重合が部分的
に起こることにより、フェノール樹脂の水酸基が過剰と
なり耐湿性、電気特性に劣ったり、本来のエポキシ−フ
ェノール樹脂ネットワーク以外にエポキシ単独重合部分
や、過剰となったフェノール樹脂部分が存在する事によ
り機械特性が低下したりする、 フリーイオン、特にハロゲンイオンの混入により半導
体の金属部分の腐食や電気漏洩が起こる、等である。こ
のうちのイオン不純物については特にエポキシ樹脂の
精製、純度の問題であるが、は樹脂の改質、は副反
応の抑制により本来のエポキシ樹脂組成物の物性を充分
に引き出すことが可能となる。
【0004】しかしながら、の樹脂の吸湿に関して
は、エポキシ基と水酸基の反応による硬化反応である限
り、下記反応式(II)(化2)で表される様に、必ず水
酸基を生成する反応であり、水酸基を要因として親水性
が大きくなり、基本骨格を疎水化しても全体としての吸
湿率の低減には限界がある。
【0005】
【化2】 (式中、Aはエポキシ残基、Bはフェノール残基を示
す。)
【0006】この問題を解決する一つの手法として、西
久保ら出願の特開昭62−53327号に示される様な
エポキシ基とエステル基の反応が提案されている。該公
報中には、触媒の好ましいものとして4級オニウム塩や
クラウンエーテル錯体が示され、更に同氏らの論文(有
機合成化学第49巻第3号第218〜233頁(199
1)、エポキシ化合物とエステル類との付加反応とその
高分子合成への応用)中において、具体的に単位反応と
しての各触媒を用いたときの収率が示されている。それ
によれば、最高値ではテトラブチルアンモニウムクロラ
イドの91%があるものの、収率は総じて低い。また、
これら4級オニウム塩やクラウンエーテル錯体は、半導
体集積回路の封止材として用いられる樹脂中に含まれた
ままであると、電気的な短絡等の好ましくない結果をも
たらすのみでなく、それが接触する金属部分の腐食等も
引き起こし、製品として重大な欠陥となることは言うま
でもない。
【0007】一方、一般的なエポキシ樹脂とフェノール
樹脂との付加反応においては、触媒としてトリアルキル
ホスフィン、トリアリールホスフィンの様なホスフィン
類、イミダゾール類、三級アミン類等が用いられ、特に
半導体封止用としてはイミダゾール類、ホスフィン類が
多く用いられる。これらの内、イミダゾール類は反応活
性はあるが、先に述べた副反応であるエポキシ単独重合
を起こしやすく、上記のの問題が大きい。一方、ホス
フィン類はこれらの問題はないものの、硬化速度が遅
い。イミダゾール類を触媒としてエポキシ/エステル硬
化反応に応用した場合、先の西久保氏らの文献によると
エポキシ基に対するエステル基の付加反応の反応収率は
約50%程度であり、その他はエポキシ樹脂の単独重合
等の副反応であることもふまえると、充分な硬化物が得
られる触媒ではない。
【0008】更に、本発明者らの追試においては、これ
らイミダゾール類やホスフィン類を硬化触媒としたとき
に、本発明における芳香族アシル基によるエステルは実
質的にエポキシ樹脂の硬化反応を起こさないことがわか
る。具体的には、通常、硬化の際に用いられる温度であ
る150〜200℃の範囲では10分以上ゲル化せず、
現実には硬化物が得られる前に樹脂組成物が流れ出して
しまう状況である(後述比較例参照)。
【0009】また、エポキシ樹脂をエステル硬化させ、
半導体集積回路の封止材として利用するために、フェノ
ール樹脂の10〜90%をエステル化し、硬化剤とする
方法が提案されている(特開平9−235451号)。
この方法は、エステル樹脂を製造するに当たり、原料で
あるフェノール樹脂のフェノール性水酸基を一部残存さ
せることにより、硬化初期において、反応し易いフェノ
ール部分により一次的に架橋部分を形成させ、後のアフ
ターキュアーによりエステル基をエポキシ基に作用させ
るという発想に基づくものである。しかしながら、該公
報では、元来エポキシ基とエステル基との反応に於い
て、非常に反応しにくく、水酸基を残さなければ成型で
きない触媒を用いることから、充分に硬化反応が進行せ
ず、物性的にエステル化する前のフェノール樹脂硬化物
に対し優位に立つものではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、低吸
湿性、且つ電気特性に優れたエポキシ樹脂硬化物を与え
る芳香族アシル基によるエステル含有化合物もしくはエ
ステル含有樹脂を効果的にエポキシ基と反応させるため
のものであり、それにより得られる耐クラック性および
電気特性に優れた半導体封止材用エポキシ樹脂組成物、
その硬化物および半導体装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、硬化促進剤としてホスフィンオキシド誘導体
を用いることにより、上記の課題を解決し得ることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、(1)(A)2官能
以上のエポキシ化合物もしくはエポキシ樹脂と、(B)
硬化剤として、水酸基の10モル%〜100モル%が芳
香族アシル基によりエステル化された、2官能以上のエ
ステル含有化合物もしくはエステル含有樹脂とを含有す
るエポキシ樹脂組成物において、硬化促進剤として一般
式(I)(化3)で表されるホスフィンオキシド誘導体
を必須の成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成
物に関するものである。
【0013】
【化3】 (式中、R1 〜R6 は、水素原子、炭素数1〜10の直
鎖、分岐または環状のアルキル基あるいは炭素数6〜1
0のアリール基またはアラルキル基を示し、全て同一で
あっても、それぞれ異なっていても良い。)また、
(2)(B)硬化剤として、水酸基の90モル%〜10
0モル%が芳香族アシル基によりエステル化された、2
官能以上のエステル含有化合物もしくはエステル含有樹
脂を含有することを特徴とする前記(1)記載のエポキ
シ樹脂組成物、(3)(C)有機および/または無機充
填剤を、(A+B)100重量部に対し、100重量部
以上、1900重量部以下の範囲で含有する上記(1)
または(2)に記載のエポキシ樹脂組成物、(4)上記
(1)〜(3)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物
を、熱硬化させて得られるエポキシ樹脂硬化物、(5)
上記(1)〜(3)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組
成物を用いて半導体集積回路を封止して得られる半導体
装置に関するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシ樹脂組成物は、
(A)2官能以上のエポキシ化合物もしくはエポキシ樹
脂と、(B)硬化剤として水酸基の10モル%〜100
モル%が芳香族アシル基によりエステル化された2官能
以上のエステル含有化合物もしくはエステル含有樹脂と
を含有するエポキシ樹脂組成物において、硬化促進剤と
して前記一般式(I)で表されるホスフィンオキシド誘
導体を必須の成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂
組成物である。
【0015】硬化促進剤として一般式(I)で表される
ホスフィンオキシド誘導体を必須の成分として用いる本
発明のエポキシ樹脂組成物は、従来のイミダゾール類や
ホスフィン類を硬化促進剤として用いたときに比べて、
前述の問題およびを解決し、更に芳香族アシル基に
よるエステル基とエポキシ基を速やかに反応させ、高い
機械的特性、特に可とう性に優れ、耐クラック性および
電気的特性に優れた硬化物を与えることは、本発明者ら
が初めて見出したものである。更に本発明者らは、この
樹脂組成物に有機および/または無機充填剤を添加して
なる樹脂組成物が、半導体集積回路用封止材として極め
て優れていることを見いだしたのである。
【0016】更に付け加えるならば、本発明において
は、(B)成分のエステル化率は10モル%〜100モ
ル%の範囲であるが、エステル化率を任意に変化させる
ことにより、得られる硬化物の物性を制御することが可
能である。すなわち、耐熱性を重視しつつ、吸湿率の低
減を図りたい場合にはエステル化率を低めに押さえ、吸
湿率の低減を重視する場合にはエステル化率を上げてい
くことで硬化物物性を制御出来る。
【0017】本発明のエポキシ樹脂組成物において、封
止材を用途とする場合には、吸湿率の低減を第一とする
場合が多く、好ましくはエステル化率は30モル%〜1
00モル%、より好ましくは50モル%〜100モル
%、更に好ましくは75モル%〜100モル%、更によ
り好ましくは90モル%〜100モル%の範囲である。
【0018】本発明のエポキシ樹脂組成物において、
(A)成分である2官能以上のエポキシ化合物またはエ
ポキシ樹脂(以下エポキシ樹脂という)としては、1分
子中に2つ以上のエポキシ基を有するものは全て使用で
きる。具体的には、オレフィン類の酸化や水酸基のグリ
シジルエーテル化、1,2級アミン類のグリシジルアミ
ン化、カルボン酸のグリシジルエステル化等により得ら
れるエポキシ基を持つものである。
【0019】これらエポキシ化され得る原料を例示すれ
ば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の
グリコール;グリセリン、エリスリトール、ペンタエリ
スリトール、1,6−ヘキサンジオール等のポリオール
類;カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン等のジヒ
ドロキシベンゼン類;2,6−ジヒドロキシナフタレ
ン;2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン(ビスフェノールA)、2−(3' −ヒドロキシフェ
ニル)−2−(4''−ヒドロキシフェニル)プロパン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノー
ルF)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(ビ
スフェノールS)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ス
ルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチルシク
ロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチルベ
ンゼン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’
−ジヒドロキシ−2,2’,6,6’−テトラメチルビ
フェニル、4、4’−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テ
トラメチル−1,1−スピロビインダン、1,3,3−
トリメチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−イ
ンダン−6−オール等のビスフェノール類;テトラフェ
ニロールエタン、ナフトール−クレゾールレゾール縮合
物等のオリゴフェノール類;フェノールノボラック類;
クレゾールノボラック類;ノボラック類からビスフェノ
ール体を除いた残査物(トリフェノール体以上:以下V
Rと約す);一般式(III)(化4)で表されるフェノー
ルアラルキル類;一般式(IV) (化5)で表されるナフ
トールアラルキル類;一般式(V)(化6)で表される
フェノール−ジシクロペンタジエン共重合樹脂(DPR
樹脂)等のフェノール樹脂類;エチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、アニリン、
4,4’−ジアミノフェニルメタン(MDA)、4、
4’−ジアミノジフェニルエーテル、4、4’−ジアミ
ノジフェニルスルホン、2,2−ビス(4,4’−ジア
ミノフェニル)プロパン、m−キシリレンジアミン、p
−キシリレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサ
ン、一般式(VI)(化7)で表されるアニリンアラルキ
ル樹脂(商品名:Anilix、三井化学(株)製)等
の脂肪族、芳香族アミン類;m−アミノフェノール、p
−アミノフェノール、2−(4−アミノフェニル)−2
−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、4−アミノ
フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン等のアミノ
フェノール類;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ダ
イマー酸、アジピン酸、1,3−ジカルボキシシクロヘ
キサン等のカルボン酸類;サリチル酸、4−ヒドロキシ
安息香酸等のヒドロキシカルボン酸類等を挙げることが
出来る。
【0020】
【化4】 (式中、R7 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
数1〜9までの直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭
素数1〜9までのアルコキシ基あるいはフェニル基を示
し、mは1〜3を示す。繰り返し単位数を示すnは0〜
100の範囲であり、その平均は0〜50の範囲であ
る。尚、繰り返し単位数nの平均が0とはビスフェノー
ル体であることを示す。)
【0021】
【化5】 (式中、繰り返し単位数を示すn’は0〜50の範囲で
あり、その平均は0〜15の範囲である。尚、繰り返し
単位数n’の平均が0とはビスフェノール体であること
を示す。)
【0022】
【化6】 (式中、R8 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
数1〜9までの直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭
素数1〜9までのアルコキシ基あるいはフェニル基を示
し、mは1〜3を示す。繰り返し単位数を示すn’は0
〜50の範囲であり、その平均は0〜15の範囲であ
る。尚、繰り返し単位数n’の平均が0とはビスフェノ
ール体であることを示す。)
【0023】
【化7】 (式中、R9 は水素原子、炭素数1〜9までの直鎖、分
岐または環状のアルキル基を示し、繰り返し単位数を示
すn’は0〜50の範囲であり、その平均は0〜15の
範囲である。尚、繰り返し単位数n’の平均が0とはビ
スアニリン体であることを示す。)
【0024】尚、これらの活性水素を持つエポキシ原料
のグリシジル化は公知の方法によりなされる。ハロゲン
化水素アクセプターの存在下においてエピクロルヒドリ
ンを反応させることが最も一般的であるが、グリシジル
エステルを製造する際には、金属触媒、特にTlN
O3 、Tl(OCOCF3 )3 等のタリウム化合物を触
媒とし、カルボン酸メチルエステルとグリシドールとを
反応させる方法が好ましいことも知られている。本発明
において用いられるエポキシ樹脂のうち、半導体集積回
路の封止材として好ましく用いられるものは、前記した
ジヒドロキシベンゼンやナフタレン類、ビスフェノール
類、オリゴフェノール類、ノボラック類あるいは一般式
(III)、一般式(IV)および一般式(V)で表させる化合
物から誘導されるグリシジルエーテル類である。
【0025】本発明のエポキシ樹脂組成物において、
(B)硬化剤とは、水酸基を一分子中に2個以上持つも
のを、10モル%〜100モル%の範囲で芳香族アシル
基によりエステル化したものであり、実際は前記のエポ
キシ樹脂用原料に記載されたものをはじめとして、水酸
基を持つものをエステル化したものは全て相当する。
【0026】エステル化の方法は公知の方法が用いられ
るが、具体的には以下の通りである。すなわち、上述の
ような水酸基をエステル化する際に用いるエステル化剤
としては、有機カルボン酸無水物、有機カルボン酸ハラ
イド、有機カルボン酸のいずれでも良い。誘導したいエ
ステルの炭素数によるエステル化剤の特徴により適宜選
択すればよい。このエステル化剤を具体的に例示すれ
ば、無水安息香酸、安息香酸クロライド、安息香酸ブロ
マイド、安息香酸、o−メチル安息香酸クロライド、m
−メチル安息香酸クロライド、p−メチル安息香酸クロ
ライド、o−メチル安息香酸、m−メチル安息香酸、p
−メチル安息香酸、2,3−ジメチル安息香酸、2,4
−ジメチル安息香酸、2,5−ジメチル安息香酸、2,
6−ジメチル安息香酸、3,4−ジメチル安息香酸、
3,5−ジメチル安息香酸等を挙げることが出来る。こ
れらの中で好ましいものとしては、無水安息香酸、安息
香酸クロライドが挙げられる。これらのエステル化剤は
単独あるいは任意の2種類以上を併用して用いることも
可能である。
【0027】その使用量は、水酸基に対して10モル%
以上で用いればよく、上限は特に限定されず、過剰に用
いて充分にエステル化を進行させた場合、過剰のエステ
ル化剤は反応終了後除去すればよいが、現実的には反応
容積効率、コスト等の観点から、水酸基に対し10倍モ
ル以下、好ましくは5倍モル以下、さらに好ましくは3
倍モル以下が良い。
【0028】具体的な反応は、エステル化剤の種類によ
って異なるが、それぞれについて述べれば、有機カルボ
ン酸無水物については、一般に用いられる反応で良い。
すなわち、水酸基に対しエステル化するべき任意の量の
有機カルボン酸無水物を反応させたのち、副成する有機
カルボン酸、過剰の有機カルボン酸無水物を常圧蒸留、
減圧蒸留、水洗、炭酸塩等の弱塩基水洗浄等任意の方法
もしくはそれらの組み合わせによって除去する事によ
り、目的とするエステル化合物を得るものである。部分
エステル化を行う際は、水酸基に対して任意の量、すな
わち、本発明の樹脂組成物においては10モル%以上が
エステル化されたエステル化物を用いるので、10モル
%以上の有機カルボン酸無水物を用い、完全にエステル
化する際には、水酸基に対して等モル以上、溶剤を兼ね
ればその上限は特に制限されるものではないが、経済効
率、反応の容積効率を考慮すれば10倍モル以下で用い
ればよい。なお、この使用量は後述の有機カルボン酸を
用いた反応の際にも同様である。
【0029】一般にエステル化反応においては、ピリジ
ン、ピペリジン、トリエチルアミン等の反応に対しては
不活性な有機塩基の存在下において行うことが多いが、
本発明のエポキシ樹脂組成物を半導体集積回路の封止材
等の電気・電子分野に用いる場合、これらの含窒素有機
塩基が残存することを避けなければならない。このた
め、最終的には水洗行程を導入する事が望ましい。しか
しながら、これら有機塩基を用いなくとも充分反応は進
行するので、有機塩基を用いないことが最も望ましい。
【0030】反応温度は60℃〜200℃の範囲、望ま
しくは80℃〜180℃の範囲、特に望ましくは100
℃〜160℃の範囲が望ましい。反応時間は反応基質の
種類や反応温度に大きく左右されるが、およそ1時間〜
25時間の範囲であり、現実的には高速液体クロマトグ
ラフィーやガスクロマトグラフィー等でエステル化剤の
消失や水酸基の消失などを追跡しつつ終点を決定するこ
とが望ましい。反応における溶媒は用いても用いなくて
も良い。原料とする水酸基を有する物質が反応温度に於
いて充分溶融し、且つエステル化剤が液体である場合、
また反応温度において溶融、あるいは樹脂に溶解し反応
に支障がない場合には無溶媒で反応を行えばよい。
【0031】溶媒を必要とするならば、反応に不活性な
溶媒であれば全て使用することが出来る。それらを例示
すれば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼン、ジフェニルエーテル等の芳
香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチ
ルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒
類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチル
エーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、等を単独
で、あるいは任意の組み合わせで用いることが出来る。
反応は常圧、加圧(オートクレーブ中)、減圧のいずれ
でもよく、また反応系の雰囲気は空気中、窒素、アルゴ
ン、ヘリウム等の不活性ガス中のいずれでも良いが、好
ましくは窒素雰囲気下が良い。
【0032】次に、エステル化剤として有機カルボン酸
ハライドを用いる場合における反応について説明する。
この場合も一般に用いられる手法を用いることが出来
る。すなわち、水酸基に対してエステル化するべき任意
の量の有機カルボン酸ハライドを反応させれば良い。こ
の場合、副成するハロゲン化水素は、ピリジン、ピペラ
ジン、トリエチルアミン等の反応に不活性な塩基を必要
量存在させて系内においてトラップする方法と、ガスと
して反応中に順次速やかに系外に放出し、反応系外に設
置された水またはアルカリトラップを用いて捕捉する場
合が考えられるが、先に示した理由により、含窒素化合
物、イオン性化合物の混入を避けるためハロゲン化水素
ガスは反応中速やかに系外に放出する方法が好ましい。
この時、やはり反応に不活性なガスの気流下において反
応を行うとより好ましい。
【0033】有機カルボン酸ハライドの使用量は、部分
エステル化を行う際は、水酸基に対して任意の量、すな
わち、本発明の樹脂組成物においては10モル%以上が
エステル化されたエステル化物を用いるので、10モル
%以上の有機カルボン酸ハライドを用い、完全にエステ
ル化する際には水酸基に対して等モルもしくは小過剰を
用いればよく、大過剰用いることは特に制限されるもの
ではないが、経済効率、反応の容積効率、さらに反応後
の処理工程の煩雑さを考慮すれば、水酸基に対して10
倍モル以下、好ましくは5倍モル、さらに好ましくは3
倍モルの範囲で用いればよい。反応温度、反応における
溶媒の使用、反応の形態に関しては先の有機カルボン酸
無水物の場合に準じればよい。
【0034】また、エステル化剤として有機カルボン酸
を用いる場合に関しては、ほぼ有機カルボン酸無水物に
準じればよいが、反応に際して酸触媒を必要とする。酸
触媒を例示すれば、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸等
の鉱酸類、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸、ジメチルスルホン酸、ジエチル
スルホン酸等の有機スルホン酸類、トリフルオロメタン
スルホン酸に代表される超強酸、アルカンスルホン酸型
に代表される酸性イオン交換樹脂、パーフルオロアルカ
ンスルホン酸型に代表される超強酸型イオン交換樹脂等
である。
【0035】その使用量は、原料の重量に対して超強酸
の場合が0.00001〜5重量%、好ましくは0.0
001〜1重量%、より好ましくは0.001〜0.1
重量%の範囲、イオン交換樹脂類の場合が1〜100重
量%、好ましくは10〜50重量%の範囲、その他の場
合は0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量
%の範囲である。この範囲を下まわると反応速度が低下
し、現実的な反応時間では完結しない。またこの範囲よ
り大きくなると、副反応が無視できなくなり、あるいは
触媒の除去の行程の煩雑さ等を含めてコストの増大に繋
がる。
【0036】以上、3種類のエステル化剤についてその
反応を説明してきたが、いずれの場合もより精製度の高
いエステル化物を得る必要のある場合には、反応終了
後、水洗行程を導入すればよい。その場合はトルエン、
キシレン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケト
ン、酢酸エチル等の水洗可能な溶媒を用いて、洗浄廃水
に酸性成分、イオン性不純物が混入しなくなるまで洗浄
すればよい。
【0037】以上のようにして得られた、エステル化率
10〜100モル%のエステル化物は、従来のフェノー
ル樹脂と同様にしてエポキシ樹脂に対する硬化剤として
用いることが可能である。すなわち2官能以上のエポキ
シ樹脂に対して硬化剤として用いることにより従来のエ
ポキシ−フェノール硬化物と同様に熱硬化性樹脂として
同一の分野へ利用することが出来る。
【0038】本発明の硬化物の最も大きな特徴は、従来
のエポキシ−フェノール硬化物と比較して、吸湿率が大
きく低減されること、エステル基を有する効果により、
非常に可とう性に優れることにある。さらには硬化後の
構造に水酸基が生成するエポキシ−フェノール硬化物に
対して、その水酸基がエステル化された形で硬化物が形
成されるため、電気特性も向上する。
【0039】従来、エポキシ樹脂は、特に封止材の分野
において、フェノール樹脂を硬化剤として多く用いられ
てきたが、その性能の向上は吸湿率の低下と大きな相関
がある。樹脂中に含まれる水分は、IRリフロー時の様
に急激に200℃以上の高温に晒されると、一気に気化
し、いわゆる水蒸気爆発的な力が生じ、このためにクラ
ックを生じ、種々の物性に悪影響を及ぼし、最悪の場合
は封止材とチップとの剥離に至る場合がある。本発明は
上述したような特徴から、低吸湿性および耐クラック性
の両面においてこの問題の解決に対して寄与するもので
ある。
【0040】エポキシ樹脂と硬化剤との配合比は、エポ
キシ基1モル当量に対してエステル基もしくはエステル
基および水酸基の合計、すなわちエポキシ基に対する活
性基が0.5〜1.5モル当量、好ましくは0.7〜
1.3モル当量である。降下物の最適物性が得られるモ
ル比を調整して用いることがより好ましい。エポキシ樹
脂および硬化剤はそれぞれ一種類づつ単独で用いても、
複数を併用しても良い。
【0041】本発明の樹脂組成物において、硬化促進剤
の必須の成分として用いられる前記一般式(I)で表さ
れるホスフィンオキシド誘導体について説明する。一般
式(I)において、置換基R1 〜R6 は、全て同一であ
っても、それぞれ異なっていてもよく、水素原子、炭素
数1〜10の直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭素
数6〜10のアリール基あるいはアラルキル基である。
【0042】具体例としては、例えば、水素原子;メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、
1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2
−メチル−1−ブチル基、イソペンチル基、tert−
ペンチル基、3−メチル−2−ブチル基、ネオペンチル
基、n−ヘキシル基、4−メチル−2−ペンチル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ヘプチル基、
3−ヘプチル基、1−オクチル基、2−オクチル基、2
−エチル−1−ヘキシル基、ノニル基またはデシル基等
の直鎖、分岐または環状のアルキル基;フェニル基等の
アリール基;トルイル基、ベンジル基、1−フェニルエ
チルまたは2−フェニルエチル基等のアラルキル基が挙
げられる。これらのうち、好ましいものは、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基またはシクロヘキシル基の様な炭素数1〜6の脂肪
族炭化水素基であり、より好ましくはメチル基、エチル
基である。
【0043】ホスフィンオキシド誘導体は、G.N.Koian
etal.Journal of Generral Chemistry of The USSR, 5
5, 1453 (1985) に記載されているように、オキシ三塩
化リンに3分子のイミノトリスアミノ(無置換、一置
換、二置換)ホスホランを反応させて合成することがで
きる。更に、精製が必要であればカラムクロマトグラフ
ィー、蒸留、再結晶等の汎用される方法により精製する
ことが出来る。この様にして得られるホスフィンオキシ
ド誘導体は、通常固体である。
【0044】本発明のエポキシ樹脂組成物における、硬
化促進剤であるホスフィンオキシド誘導体の使用量は、
全エポキシ樹脂組成物(樹脂成分:エポキシ樹脂と硬化
剤の合計)に対して、重量で0.001〜25%(0.
001〜25g/100g)の範囲、好ましくは0.0
1〜15%、更に好ましくは0.1〜5%の範囲で用い
られる。モル当量に換算すれば、1.5×10-6〜4.
5×10-2モル/100g、好ましくは1.5×10-5
〜2.5×10-2、更に好ましくは1.5×10-4〜
1.0×10-2モル/100gの範囲である。
【0045】また、本発明のエポキシ樹脂組成物におい
ては、このホスフィンオキシド誘導体以外の一般の用い
られる公知の硬化促進剤、例えば2−メチルイミダゾー
ル等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン等のホ
スフィン類等をホスフィンオキシド誘導体の0.5重量
%〜500重量%(5倍重量)の範囲で併用しても良
い。その量が500重量%を超えると本発明の特徴が失
われる。
【0046】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
必要に応じて、エポキシ樹脂組成物に(C)成分として
有機および/または無機充填剤や、その他の添加剤を添
加してもよい。特に半導体集積回路の封止材に用いると
きには、その機械的特性の向上や全体のコストのダウン
のために有機および/または無機充填剤を、また、光に
よる誤動作を防ぐためにカーボンブラック等の着色剤
を、更には離型剤、カップリング剤、難燃剤等を用いる
ことが望ましい。有機および/または無機充填剤の使用
量としては、(A+B)100重量部に対し、100重
量部以上、1900重量部以下の範囲であり、耐湿性、
機械的強度の観点から好ましくは250重量部以上、よ
り好ましくは550重量部以上である。用いられる有機
および/または無機充填剤としては、例えば、シリカ、
アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、タルク、ケイ酸カルシ
ウム、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、チタンホワイ
ト等の粉体、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維
等の繊維体等が挙げられる。これらの中で封止材用途に
おいて好ましいものは、結晶性シリカおよび/または溶
融シリカであり、さらにその樹脂組成物の成型時の流動
性を考慮すると、その形状は球形または球型と不定型の
混合物が望ましい。
【0047】また、本発明のエポキシ樹脂組成物におい
ては、機械的強度や耐熱性の面を考慮した各種添加剤を
配合することが好ましい。例えば、樹脂と無機充填剤と
の接着性向上のためにはカップリング剤を用いることが
望ましく、かかるカップリング剤としてはシラン系、チ
タネート系、アルミネート系、およびジルコアルミネー
ト系等を挙げることが出来る。なかでも好ましいものと
してはシランカップリング剤であり、特にエポキシ基と
反応する官能基を持つシランカップリング剤が最も好ま
しい。そのようなカップリング剤としては、ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−(2
−アミノメチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエト
キシシラン、3−アニリノプロピルトリエトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を
挙げることが出来、これらを単独で、あるいは2種類以
上組み合わせて使用することが出来る。これらのカップ
リング剤は、予め無機充填剤の表面に吸着あるいは、反
応により固定化されていることが望ましい。
【0048】本発明のエポキシ樹脂硬化物は、上記した
本発明のエポキシ樹脂組成物を熱硬化させて得られ、前
述したように低吸湿性、可とう性、且つ電気特性に優れ
たものである。本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて半
導体集積回路を封止し、半導体装置を作成する方法とし
ては、低圧トランスファー成型が最も一般的であると言
えるが、その他の方法、例えばインジェクション成型、
圧縮成型、注型等の方法も可能であり、また溶剤を用い
るような特殊な手法も可能である。
【0049】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。 硬化剤合成例1 温度計、攪拌器、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた
ガラス製容器に、フェノールアラルキル樹脂(商品名:
ミレックスXLC−4L、水酸基当量169g/eq:
三井化学(株)製)507g(3mol)を装入し、内
温を125℃まで昇温した。内温を同温度に保ち、攪拌
を行いながら安息香酸クロライド464.0g(3.3
mol)を4時間で滴下した。その後、125℃を保ち
ながら2時間反応を行った後、更に150℃まで昇温、
150〜155℃において2時間熟成した。反応により
副生する塩酸は、窒素気流により速やかに系外へ放出
し、アルカリトラップにより中和した。
【0050】ここで得られた樹脂を、トルエン2500
gに溶解し、5%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄、分液
した。その後、有機層が中性になるまで60〜70℃に
おいて湯洗を行った後、トルエンを最高150℃/5m
mHgの条件で留去して水酸基が完全にベンゾイル化さ
れた樹脂を810g得た。この樹脂の溶融粘度(ICI
コーン型溶融粘度型による。以下同じ)は125℃で
4.8ポイズ、150℃で1.3ポイズであり、水酸基
当量は3000g/eq以上(検出できず)であった。
【0051】硬化剤合成例2 合成例1と同様の反応装置に、フェノールアラルキル樹
脂(商品名:ミレックスXLC−4L、水酸基当量16
9g/eq:三井化学(株)製)507g(3mo
l)、無水安息香酸610.8g(2.7mol)を装
入し、徐々に昇温しながら攪拌可能となった時点から攪
拌を行い、2時間で125℃とした。その後、125℃
を保ちながら2時間反応を行った後、更に150℃まで
昇温した。150〜155℃において2時間熟成したの
ち、110℃まで冷却し、反応系にメチルイソブチルケ
トン2500gを装入し均一な溶液とした。
【0052】反応により副生した安息香酸を10%炭酸
ナトリウム水溶液2000gで中和し、更に廃水が中性
になるまで60〜70℃において湯洗を行った後、メチ
ルイソブチルケトンを最高150℃/5mmHgの条件
で留去して、水酸基が90モル%ベンゾイル化された樹
脂を783g得た。この樹脂の溶融粘度は125℃で
5.2ポイズ、150℃で1.5ポイズであり、水酸基
当量は1780g/eqであった。
【0053】硬化剤合成例3 合成例1と同様の反応装置に、フェノールアラルキル樹
脂(商品名:ミレックスXLC−4L、水酸基当量16
9g/eq:三井化学(株)製)507g(3mol)
を装入し、内温を125℃まで昇温した。内温を同温度
に保ち、攪拌を行いながら安息香酸クロライド348.
5g(2.55mol)を4時間で滴下した。その後、
125℃を保ちながら2時間反応を行った後、更に15
0℃まで昇温、150〜155℃において2時間熟成し
た。反応により副生する塩酸は、窒素気流により速やか
に系外へ放出し、アルカリトラップにより中和した。
【0054】ここで得られた樹脂を、トルエン2500
gに溶解し、60〜70℃において湯洗を行った後、ト
ルエンを最高150℃/5mmHgの条件で留去して、
水酸基が85モル%ベンゾイル化された樹脂を779g
得た。この樹脂の溶融粘度は125℃で4.9ポイズ、
150℃で1.4ポイズであり、水酸基当量は1420
g/eqであった。
【0055】硬化剤合成例4 合成例1と同様の反応装置に、フェノールアラルキル樹
脂(商品名:ミレックスXLC−4L、水酸基当量16
9g/eq:三井化学(株)製)507g(3mo
l)、無水安息香酸339.3g(1.5mol)を装
入し、徐々に昇温しながら攪拌可能となった時点から攪
拌を行い、2時間で125℃とした。その後、125℃
を保ちながら2時間反応を行った後、更に150℃まで
昇温した。150〜155℃において2時間熟成したの
ち、110℃まで冷却し、反応系にメチルイソブチルケ
トン2500gを装入し均一な溶液とした。
【0056】反応により副生した安息香酸を5%炭酸ナ
トリウム水溶液2000gで中和し、更に廃水が中性に
なるまで60〜70℃において湯洗を行った後、メチル
イソブチルケトンを最高150℃/5mmHgの条件で
留去して、水酸基が50モル%ベンゾイル化された樹脂
を659g得た。この樹脂の溶融粘度は125℃で5.
7ポイズ、150℃で1.6ポイズであり、水酸基当量
は390g/eqであった。
【0057】硬化剤合成例5 合成例1と同様の反応装置に、フェノールアラルキル樹
脂(商品名:ミレックスXLC−4L、水酸基当量16
9g/eq:三井化学(株)製)507g(3mol)
を装入し、内温を125℃まで昇温した。内温を同温度
に保ち、攪拌を行いながら安息香酸クロライド84.3
g(0.6モル)を2時間で滴下した。その後、125
℃を保ちながら2時間反応を行った後、更に150℃ま
で昇温、150〜155℃において2時間熟成した。反
応により副生する塩酸は、窒素気流により速やかに系外
へ放出し、アルカリトラップにより中和した。
【0058】ここで得られた樹脂を、トルエン2500
gに溶解し、60〜70℃において湯洗を行った後、ト
ルエンを最高150℃/5mmHgの条件で留去して、
水酸基が20モル%ベンゾイル化された樹脂を565g
得た。この樹脂の溶融粘度は125℃で6.0ポイズ、
150℃で1.8ポイズであり、水酸基当量は232g
/eqであった。
【0059】実施例1 エポキシ樹脂としてビスフェノールA型ジグリシジルエ
ーテル(商品名:エピコート828、油化シェルエポキ
シ社製、エポキシ当量184g/eq)、硬化剤として
合成例1のベンゾイル化フェノールアラルキル樹脂(官
能基当量(水酸基+エステル基)273g/eq=計算
値)1グラム当量づつを80℃において充分溶融混練
し、均一な樹脂混合物とした。この樹脂混合物に、前記
一般式(I)でR1 〜R6 は全てがメチル基であるホス
フィンオキシド誘導体を0.0055モル加え、50℃
で1分間混練して樹脂組成物とした。
【0060】この樹脂組成物を10gとり、2cm×5
cm×0.7mmの型枠を用い、150℃→185℃/
5min、185℃/5min、150kg/cm2 の
条件下で硬化物を得た後、185℃/8Hr(窒素雰囲
気)の条件でアフターキュアーをかけて、充分に硬化を
進行させた樹脂板を成型した。この樹脂板を用い、簡便
なクラックテストを行った。その方法は、縦半分にはさ
みで切り、生じたクラック数を目視により数えた。その
結果、クラックは生じなかった。
【0061】さらに、残りの樹脂組成物200gに対
し、充填剤およびその他の添加剤を表−1(表1)に示
す割合で配合し、ロールによる加熱混練を行って封止材
用成形材料を得た。こうして得られた成形材料の一部を
用い、150℃→185℃/5min、185℃/5m
in、150kg/cm2 の条件下で硬化物を得た後、
185℃/8Hr(窒素雰囲気)の条件でアフターキュ
アーをかけて、十分に硬化を進行させた。この硬化物を
用いて各物性を測定した。結果を表−1(表1)に示し
た。また、同じ成形材料を用いて、低圧トランスファー
成形によりテスト用半導体装置を作成し、半田浴による
クラック発生テストをおこなった。結果を表−1(表
1)に示した。尚、ロール混練前の樹脂組成物のゲルタ
イムは150℃において測定した(以下同じ)。
【0062】実施例2 実施例1におけるエポキシ樹脂を下記式(VII)(化8)
に示されるテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂
(商品名:E1031S、油化シェルエポキシ社製、エ
ポキシ当量189g/eq)に変えた以外は実施例1と
同様にして、樹脂組成物の簡便なクラックテストを行
い、クラックが生じないことを確認した。その後、更に
同様にして残りの樹脂組成物を用い、封止材用成形材料
を得、硬化物物性およびテスト用半導体装置のクラック
発生テストをおこなった。結果を表−1(表1)に示し
た。
【0063】
【化8】
【0064】実施例3 実施例1におけるエポキシ樹脂を下記式(VIII)(化9)
に示されるナフトール−クレゾールレゾール縮合型エポ
キシ樹脂(商品名:EOCN7000、日本化薬社製、
エポキシ当量204g/eq)に変えた以外は実施例1
と同様にして、樹脂組成物の簡便なクラックテストを行
い、クラックが生じないことを確認した。その後、更に
同様にして残りの樹脂組成物を用い、封止材用成形材料
を得、硬化物物性およびテスト用半導体装置のクラック
発生テストをおこなった。結果を表−1(表1)に示し
た。
【0065】
【化9】
【0066】実施例4 実施例1におけるエポキシ樹脂を下記式(IX)(化1
0)に示されるスピロビインダンジフェノール型エポキ
シ樹脂(商品名:SPIDG、三井化学(株)製、エポ
キシ当量233g/eq)に変えた以外は実施例1と同
様にして、樹脂組成物の簡便なクラックテストを行い、
クラックが生じないことを確認した。その後、更に同様
にして残りの樹脂組成物を用い、封止材用成形材料を
得、硬化物物性およびテスト用半導体装置のクラック発
生テストをおこなった。結果を表−1(表1)に示し
た。
【0067】
【化10】
【0068】実施例5〜8 実施例1〜4における硬化剤を、合成例2によって得ら
れたベンゾイル化フェノールアラルキル樹脂(官能基当
量264g/eq)に変えた以外は実施例1〜4と同様
にして樹脂組成物を得、簡便なクラックテストを行い、
クラックが生じないことを確認した。その後、更に同様
にして残りの樹脂組成物を用い、封止材用成形材料を
得、硬化物物性およびテスト用半導体装置のクラック発
生テストをおこなった。結果を表−1(表1)に示し
た。
【0069】実施例9〜12 実施例1〜4における硬化剤を、合成例3によって得ら
れたベンゾイル化フェノールアラルキル樹脂(官能基当
量261g/eq)に変えた以外は実施例1〜4と同様
にして樹脂組成物を得、簡便なクラックテストを行い、
クラックが生じないことを確認した。その後、更に同様
にして残りの樹脂組成物を用い、封止材用成形材料を
得、硬化物物性およびテスト用半導体装置のクラック発
生テストをおこなった。結果を表−1(表2)に示し
た。
【0070】実施例13〜16 実施例1〜4における硬化剤を、合成例4によって得ら
れたベンゾイル化フェノールアラルキル樹脂(官能基当
量211g/eq)に変えた以外は実施例1〜4と同様
にして樹脂組成物を得、簡便なクラックテストを行い、
クラックが生じないことを確認した。その後、更に同様
にして残りの樹脂組成物を用い、封止材用成形材料を
得、硬化物物性およびテスト用半導体装置のクラック発
生テストをおこなった。結果を表−1(表2)に示し
た。
【0071】実施例17〜20 実施例1〜4における硬化剤を、合成例5によって得ら
れたベンゾイル化フェノールアラルキル樹脂(官能基当
量190g/eq)に変えた以外は実施例1〜4と同様
にして樹脂組成物を得、簡便なクラックテストを行い、
クラックが生じないことを確認した。その後、更に同様
にして残りの樹脂組成物を用い、封止材用成形材料を
得、硬化物物性およびテスト用半導体装置のクラック発
生テストをおこなった。結果を表−1(表3)に示し
た。
【0072】比較例1〜4 実施例1〜4における硬化剤を、エステル化する以前の
フェノールアラルキル樹脂(商品名:ミレックスXLC
−4L、水酸基当量169g/eq:三井化学(株)
製)に変え、硬化促進剤をトリフェニルホスフィン(T
PP)に変えたが、非常に硬化性が悪く、ゲルタイムの
測定および成型物を得ることが出来ないため、トリフェ
ニルホスフィンの量を0.015モルに増量し、ゲルタ
イムを測定した。結果を表−1(表3)に示した。この
結果、ほぼ実施例と同等のゲルタイムとなったため、実
施例と同様にして樹脂組成物から硬化物を得、簡便なク
ラックテストを行ったところ、その全てに5〜15個の
クラックが発生していた。更に封止材用成形材料を得、
硬化物物性およびテスト用半導体装置のクラック発生テ
ストをおこなった。結果を表−1(表3)に示した。
【0073】比較例5〜8 実施例1〜4における硬化剤を、エステル化する以前の
フェノールアラルキル樹脂(商品名:ミレックスXLC
−4L、水酸基当量169g/eq:三井化学(株)
製)に変え、硬化促進剤を2−ウンデシルイミダゾール
(商品名:C11Z、四国ファインケミカル社製)に変
えたが、非常に硬化性が悪く、ゲルタイムの測定および
成型物を得ることが出来ないため、2−ウンデシルイミ
ダゾールの量を0.015モルに増量し、ゲルタイムを
測定した。結果を表−1(表4)に示した。この結果、
ほぼ実施例と同等のゲルタイムとなったため、実施例と
同様にして樹脂組成物から硬化物を得、簡便なクラック
テストを行ったところ、その全てに5〜15個のクラッ
クが発生していた。更に封止材用成形材料を得、硬化物
物性およびテスト用半導体装置のクラック発生テストを
おこなった。結果を表−1(表4)に示した。
【0074】比較例9〜12 実施例1〜4における硬化促進剤を、トリフェニルホス
フィン(TPP)に、その使用量を0.015モルに変
えた以外は同様にして樹脂組成物を得た後、簡便なクラ
ックテストを行うために、成型物を得ようとしたが、い
ずれも硬化する前に流れでてしまい、成型物を得られな
かった。そこでゲルタイムを測定したが、150℃およ
び200℃において、15分でゲル化せず、テストを中
止した。
【0075】比較例13〜16 実施例5〜8における硬化促進剤を、トリフェニルホス
フィン(TPP)に、その使用量を0.015モルに変
えた以外は同様にして樹脂組成物を得た後、簡便なクラ
ックテストを行うために、成型物を得ようとしたが、い
ずれも硬化する前に流れでてしまい、成型物を得られな
かった。そこでゲルタイムを測定したが、150℃およ
び200℃において、15分でゲル化せず、テストを中
止した。結果を表−1(表5)に示した。
【0076】比較例17〜20 実施例9〜12における硬化促進剤を、トリフェニルホ
スフィン(TPP)に、その使用量を0.015モルに
変えた以外は同様にして樹脂組成物から硬化物を得、簡
便なクラックテストを行ったところ全ての試験片が破壊
されてしまった。更に封止材用成形材料を得、硬化物物
性およびテスト用半導体装置のクラック発生テストをお
こなった。結果を表−1(表5)に示した。
【0077】比較例21〜24 実施例13〜16における硬化促進剤を、トリフェニル
ホスフィン(TPP)に、その使用量を0.015モル
に変えた以外は同様にして樹脂組成物から硬化物を得、
簡便なクラックテストを行ったところ、全ての試験片が
破壊されてしまった。更に封止材用成形材料を得、硬化
物物性およびテスト用半導体装置のクラック発生テスト
をおこなった。結果を表−1(表6)に示した。
【0078】比較例25〜28 実施例17〜20における硬化促進剤を、トリフェニル
ホスフィン(TPP)に、その使用量を0.015モル
に変えた以外は同様にして樹脂組成物から硬化物を得、
簡便なクラックテストを行ったところ、全ての試験片が
破壊されてしまった。更に封止材用成形材料を得、硬化
物物性およびテスト用半導体装置のクラック発生テスト
をおこなった。結果を表−1(表6)に示した。
【0079】尚、各種物性等の試験方法は以下の通りで
ある。 ・Tg(ガラス転移温度):TMA針進入法(島津 T
MA−DRW DT−30により測定。 ・曲げ強度、弾性率:JIS K−6911による。 ・煮沸吸水率:100℃の沸騰水中で2時間煮沸後の重
量増加を測定。 ・V.P.Sテスト:試験用の半導体装置を85℃、8
5%の恒温恒湿槽に168時間放置した後、直ちに24
0℃のフロリナート液(住友スリーエム(株)社製、F
C−70)に投入し、パッケージ樹脂にクラックが発生
した半導体の数を数えた。試験値を分数で示し、分子は
クラックの発生した半導体の数、分母は被験体数であ
る。
【0080】また、試験に用いた各種添加剤は以下の通
りである。 ・無機充填剤:球形溶融シリカ(ハリミックS−CO、
(株)マイクロン社製)50重量部と、不定形溶融シリ
カ(ヒューズレックスRD−8、(株)龍森製)50重
量部の混合物。 ・シランカップリング材:(SZ−6083、東レダウ
コーニングシリコーン社製)
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】 なお、表中の添加剤の値は、主剤+硬化剤200gに対
する値である。
【0087】以上、実施例等により詳細に説明してきた
が、本発明のホスフィンオキシド誘導体を必須の硬化促
進剤として用い、エステル化合物を硬化剤としたエポキ
シ樹脂組成物は、従来のエポキシ樹脂−フェノール樹脂
硬化物に比較して大きく吸湿性に優れ、且つ可とう性に
優れており、耐クラック性において非常に有利である。
このため、特に半導体集積回路の封止材用途において耐
クラック性に優れることが判る。
【0088】
【発明の効果】本発明により与えられるエポキシ樹脂組
成物は、従来エポキシ樹脂組成物が用いられてきた産業
分野において用いることが可能であるが、特に半導体の
封止材として用いることにより、従来のエポキシ樹脂−
フェノール樹脂硬化物より耐クラック性に優れたパッケ
ージを与えるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 昇 忠仁 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 高木 夘三治 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)2官能以上のエポキシ化合物もし
    くはエポキシ樹脂と、(B)硬化剤として、水酸基の1
    0モル%〜100モル%が芳香族アシル基によりエステ
    ル化された、2官能以上のエステル含有化合物もしくは
    エステル含有樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物にお
    いて、硬化促進剤として一般式(I)(化1)で表され
    るホスフィンオキシド誘導体を必須の成分とすることを
    特徴とするエポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 〜R6 は、水素原子、炭素数1〜10の直
    鎖、分岐または環状のアルキル基あるいは炭素数6〜1
    0のアリール基またはアラルキル基を示し、全て同一で
    あっても、それぞれ異なっていても良い。)
  2. 【請求項2】 (B)硬化剤として、水酸基の90モル
    %〜100モル%が芳香族アシル基によりエステル化さ
    れた、2官能以上のエステル含有化合物もしくはエステ
    ル含有樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の
    エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (C)有機および/または無機充填剤
    を、(A+B)100重量部に対し、100重量部以
    上、1900重量部以下の範囲で含有する請求項1また
    は2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキ
    シ樹脂組成物を、熱硬化させて得られるエポキシ樹脂硬
    化物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキ
    シ樹脂組成物を用いて半導体集積回路を封止して得られ
    る半導体装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003286330A (ja) * 2002-03-28 2003-10-10 Mitsui Chemicals Inc 硬化性に優れたエポキシ樹脂組成物、その硬化物およびその用途
JPWO2003029322A1 (ja) * 2001-09-28 2005-01-13 三井化学株式会社 エポキシ樹脂用硬化剤組成物、エポキシ樹脂組成物およびその用途

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