JPH11350244A - アクリル系繊維の製造方法 - Google Patents

アクリル系繊維の製造方法

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JPH11350244A
JPH11350244A JP8108399A JP8108399A JPH11350244A JP H11350244 A JPH11350244 A JP H11350244A JP 8108399 A JP8108399 A JP 8108399A JP 8108399 A JP8108399 A JP 8108399A JP H11350244 A JPH11350244 A JP H11350244A
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JP
Japan
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coagulation bath
liquid level
producing
level fluctuation
acrylic fiber
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JP8108399A
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English (en)
Inventor
Hidemi Goto
英実 後藤
Fumio Ogawa
文夫 小川
Kazuhisa Narisawa
和久 成澤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アクリル系繊維を乾湿式紡糸法により製造する
際に、口金1錘当たりの孔数を増加したり、凝固浴槽で
の糸条の走行速度を増大した際に問題となる繊維の品位
の低下、操業性の悪化を効果的に防止することができる
優れたアクリル系繊維の製造方法を提供すること。 【解決手段】口金面から吐出されたポリマー溶液を一旦
エアギャップを通してから凝固浴槽に導く乾湿式紡糸法
において、特定の式で定義される凝固浴液面変動指数を
0.05mm/sec 以下に保ちながら紡糸すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾湿式紡糸法によ
り、安定して高品位のアクリル系繊維を提供することが
できるアクリル系繊維の製造方法及び乾湿式紡糸装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系繊維の製造において、生産効
率を高め、製造原価を低減させることは極めて重要であ
る。これに対して、1錘当たりの孔数を増加させた紡糸
口金を使用したり、口金の錘数や紡糸する糸条数を増加
させる、さらには、糸条の走行速度を増大させるなどの
種種の方法が採用されている。
【0003】これら方法の内、口金の錘数や紡糸する糸
条数を増やすに伴っては比較的大きな設備の拡張が必要
となるのに対し、口金1錘当たりの孔数を増加したり、
糸条の走行速度を増大させることは大きな設備の拡張を
伴わずに無理なく実施できる点で大きなメリットがあ
る。
【0004】しかし、アクリル系繊維の製造において、
ポリマー溶液を一旦エアギャップを通過させた後、凝固
浴液中に吐出し、脱溶媒及び凝固させることにより凝固
糸条を得、さらに必要に応じて水洗、延伸、乾燥緻密化
等の処理を行う乾湿式紡糸法を採用する場合、1錘当た
りの孔数を増加させた紡糸口金を使用したり、紡糸速度
すなわち凝固浴槽中の糸条の走行速度を大きくすると、
得られる繊維の品位が著しく低下し、ひどい場合は糸切
れなど操業性の悪化を引き起こす問題も有る。この原因
は、紡糸する糸条のフィラメント数が増加したり、糸条
の走行速度が増大すると、凝固浴液の流れに乱れが生
じ、凝固液の液面が擾乱を受けて口金面と凝固浴液面と
の距離が時々刻々変化するためと考えられる。
【0005】かかる問題に対し、特公平3−70006
号公報、特開昭60−94617号公報に開示されてい
る、いわゆる流下浴紡糸装置では、凝固浴液中に高分子
溶液を吐出しながら凝固浴液を流下させ、凝固した複数
の糸条と凝固浴液を配管に通じて流出させることによ
り、単糸にかかる凝固液の随伴抵抗を軽減し、また凝固
浴液の流れを強制的にコントロールすることで単糸同士
の擦過を効果的に抑制し、1錘当たりの孔数を増加させ
た紡糸口金の使用を可能としたり、糸条の走行速度を増
大させることを可能とした。
【0006】しかしながら、かかる流下浴紡糸装置では
糸条を流管部に通し始める際、すなわち糸出し時に、糸
条からなる塊状物がノズル部に詰まって紡糸を妨げるこ
とが問題となっていた。
【0007】また、実開昭59−21670号公報で提
案されているノズル径可変型の流管式紡糸装置は、糸出
し時はノズル径を大きくし、操業時はノズル径を小さく
することで上記したような問題点を解決することができ
るが、生産設備の複雑化、糸出しの操作の煩雑化を招
き、口金を10錘を越える数備えた規模の大きな生産機
の場合は適用するのが困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな従来技術の問題点に鑑み、アクリル系繊維を乾湿式
紡糸法により製造する際に、口金1錘当たりの孔数を増
加したり、凝固浴槽中の糸条走行速度を増大した際に特
に顕在化し易い繊維の品位の低下、操業性の悪化を効果
的に防止できるアクリル系繊維の製造方法を提供せんと
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような構成を採用する。すなわ
ち、口金面から吐出されたポリマー溶液を一旦エアギャ
ップを通過させて凝固浴槽に導く乾湿式紡糸法におい
て、下記に示す凝固浴液面変動指数を0.05mm/sec
以下に保ちながら紡糸することを特徴とするアクリル系
繊維の製造方法である。
【0010】凝固浴液面変動指数=凝固浴液面変動幅×
凝固浴液面変動振動数 式中:凝固浴液面変動指数(単位;mm/sec ) 凝固浴液面変動幅(単位;mm):10分間の凝固浴液面
の相対位置の最大変動幅 凝固浴液面振動数(単位;Hz):1秒間の凝固浴液面
変動の極大値のの数
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、アクリル系繊維を乾湿
式紡糸法により製造する際に、口金1錘当たりの孔数を
増加したり、凝固浴槽中の糸条走行速度を増大した場合
に問題となる繊維の品位の低下、操業性の悪化を効果的
に防止できる技術について、鋭意検討した結果、かかる
場合には凝固浴槽中で糸条に架かる張力が変動すること
により単糸に欠陥が生じて得られる繊維の品位が低下す
ることを見出したものである。さらに、凝固浴槽におい
て、後述する凝固浴液面変動指数を0.05mm/sec 以
下に保ちながら紡糸することにより、かかる課題を一挙
に解決することを究明したものである。
【0012】本発明において、アクリル系繊維は、乾湿
式紡糸法により紡糸して得られるものであれば特に限定
されない。本発明は、毛羽など欠陥の少ない高品位のア
クリル系繊維が要求される炭素繊維用プリカーサーの製
造において特に有効に採用し得るものである。
【0013】本発明において、アクリル系繊維を構成す
るアクリル系重合体には、アクリロニトリル90重量%
以上からなる重合体が好ましく使用される。なお、アク
リロニトリル(以下、ANと略記)に共重合させるモノ
マーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、又はこれらのメチルエステル、エチルエステルなど
が採用できる。
【0014】かかるアクリル系重合体からなるポリマー
を溶存させる溶液には、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホキシド(以下、DMSOと略記)、ジメチルホ
ルムアミドなどを溶媒として用いることができる。かか
る溶液のポリマー濃度は、10重量%以上50重量%以
下であることが好ましい。
【0015】かかるポリマー溶液を使用して、1mm以上
50mm以下のエアギャップを設けた乾湿式紡糸装置によ
り、凝固糸条を得た後、水洗、一次延伸、油剤付与、乾
燥緻密化、必要に応じて二次延伸などの工程を経てアク
リル系繊維を製造する。ここで、凝固浴液には、ポリマ
ー溶液に使用される溶媒と同種の溶媒及び水からなるも
のが使用できる。
【0016】かかるアクリル系繊維の製造方法におい
て、口金1錘当たりの孔数2000以上、3000以
上、さらには4000以上の多数の孔を備えた口金を使
用して、アクリル系繊維を紡糸するような場合に、本発
明の効果が顕著に発現されるのである。さらに、凝固紡
糸速度、すなわち凝固浴槽中での糸条の走行速度が、1
0m/分以上、さらには20m/分以上の高速紡糸の場
合においても、効果を顕著に高めることができる。すな
わち、このような、孔を多数備えた口金を使用して、高
速で紡糸する場合は、凝固浴液の流れの乱れが特に大き
くなり易く、それに伴い凝固浴液面変動も大きくなり、
得られる繊維の品位が著しく低下することが多いことか
ら、本発明によるアクリル系繊維の製造方法は、特に好
適である。
【0017】かかる凝固浴液の流れの乱れや、凝固浴液
面変動を適切に制御すれば、得られる繊維の品位を著し
く改善することができる。すなわち、本発明では、下式
に示す凝固浴液面変動指数を0.05mm/sec 以下に制
御することによって、かかる凝固浴液の流れの乱れや、
凝固浴液面変動を効果的に抑制することに成功したもの
である。
【0018】図1に,凝固浴液面変動の測定結果の一例
を示す。ここで凝固浴液面変動指数は、次式に示すよう
に10分間の凝固浴液面の相対位置の最大変動幅(ここ
では、図1のように、10分間の凝固浴液面変動を示す
グラフにおいて、変動幅の最大値Hmaxを指す)と一定
時間の凝固浴液面変動の極大値の数を1秒間当たりに換
算して得られる凝固浴液面変動振動数を掛け合わせた数
であり、1秒間当たりに凝固浴液面が変動する程度の指
標となるものである。
【0019】凝固浴液面変動指数=凝固浴液面変動幅×
凝固浴液面変動振動数 なお、後で掲げる図表においては、凝固浴液面変動指数
については略称としてMを、凝固浴液面変動幅について
は略称としてHmaxを、凝固浴液面振動数については略
称としてfをそれぞれ使用する。
【0020】かかる凝固浴液面変動指数が0.05mm/
sec 以下であれば、安定して、高品位の繊維を得ること
ができる。毛羽などが僅少な品位の高いアクリル系繊維
が要求されることの多い炭素繊維用プリカーサーの製造
においては、かかる凝固浴液面変動指数を0.03mm/
sec 以下に制御するのが好ましい。なお、かかる凝固浴
液面変動指数は0.01mm/sec 程度で有れば、本発明
の効果を奏するに当たって、十分であることが多い。
【0021】この凝固浴液面変動指数が0.05mm/se
c 以下になるように、凝固浴液面変動を抑制する方法と
しては様々な方法があるが、例えば、図2のように凝固
浴液面において口金の周囲を取り囲むようにして金網を
設置する方法が挙げられる。しかし、この方法では、凝
固浴液面変動幅を低く抑える効果はあるものの、凝固浴
液面変動振動数を低減する効果は小さく、結果的に凝固
浴液面変動を抑制する効果は弱いものとなる。また、凝
固浴槽を深さ方向又は錘間方向に拡張することにより、
凝固浴の液面変動は、その幅、振動数ともに抑制される
が、1錘当たりの凝固浴槽が過大となり、例えば錘数が
10を越えるような規模の大きな生産機の場合には適用
が困難となることがある。
【0022】生産設備の大規模な変更を必要としないこ
とから、凝固浴槽中に円錐台状の整流筒を設置する方法
が、本発明において凝固浴液面変動の抑制に当たり、最
適である。図3は、整流筒を使用した本発明の実施態様
の一例を示す概略斜視図であるが、このように整流筒
は、口金と凝固浴槽中の方向転換ガイドの間に、流下す
る糸条を適度な距離を置いて取り囲むようにして設置す
るのが好ましい。
【0023】かかる整流筒の材質としては、凝固浴液に
対して耐腐食性があり、溶解したり膨潤したりせず、そ
の形状を長期間維持できるものが好ましい。具体的に
は、室温での水との接触角が75度以下であるものが良
く、好ましくは50度以下、より好ましくは20度以下
であるものが良い。かかる接触角が75度を越えると凝
固浴液中に存在する微小気泡が整流筒の表面に付着し易
くなり、数mm大に成長後、凝固浴液面に浮上すること
により、凝固浴液面変動の原因となることがある。ま
た、整流筒の材質が、前記接触角において75度を越え
るものであっても、その表面を接触角が75度以下にな
るように、一般的に使用されているコーティング法など
により、適宜処理すれば良い。材質は前記要件を満たす
ようなものであれば、ステンレスに代表される金属、ポ
リ塩化ビニル、ポリカボーネートに代表されるプラスチ
ックなどその材質は限定されない。なお、かかる接触角
は5度程度であれば、本発明の効果を奏するに当たり十
分である。
【0024】また、整流筒は、形状を維持するために適
度な厚みを有することが好ましい。具体的には厚みは、
8mm以下のものが良い。すなわち、厚みが8mmを越える
と、凝固浴液の流れが乱れて、凝固浴液面変動を抑制す
る効果が大きく低下する場合がある。
【0025】かかる整流筒は、その上端部が凝固浴液面
から、好ましくは10mm以上200mm以下、より好まし
くは50mm以上150mm以下の距離を置いて配置されて
いるのが良い。整流筒の上端部と凝固浴液面との距離が
10mmより小さくなると、整流筒上部からの浴液の供給
が不十分となり易く、得られる凝固糸に凝固斑が発生す
ることがあり、整流筒の上端部と凝固浴液面との距離が
200mmより大きくなると凝固浴液面変動を抑制する効
果が著しく低下することがある。
【0026】また、整流筒の下端部と浴中に設置される
方向転換ガイドとの距離は100mm以上離すのが好まし
い。100mm未満であると、整流筒を通して排出された
凝固浴液が、方向転換ガイドにより糸道が変更された糸
条に糸道に対して有る角度を持って衝突し、単糸同士が
擦過されて、得られる繊維の品位の低下を引き起こすこ
とがある。
【0027】かかる整流筒は、その断面の形状は、円
形、楕円形、矩形、多角形などいずれでも良いが、流下
する糸条の断面形状に近似する円形、又は楕円形である
と凝固浴液面変動を抑制する効果が高まるため好まし
い。
【0028】また、整流筒において、糸条の流下方向に
おける断面形状としては、流下する糸条の流下方向にお
ける断面形状に近似させて、整流筒の側面と流下する糸
条との最短距離が2mm以上50mm以下になるよう、円錐
台状、又は楕円錐台状にすることが好ましい。整流筒の
側面と流下する糸条との最短距離が2mm未満であると、
単糸が整流筒で擦過されて得られる繊維の品位の低下を
引き起こすことがあり、50mmを越えると凝固浴液面変
動を抑制する効果が著しく低下することがある。ここ
で、整流筒は、その上端部の断面形状と下端部の断面形
状が異なる変則的な円錘台状であっても良い。
【0029】整流筒には、図4に示すように、開孔率が
0.02以上0.50以下になるように孔を穿孔して、
随伴液流がその側面から外部に逃散させるようにしたも
のが好ましい。ここでいう開孔率とは、整流筒の側面に
穿孔された孔の面積の総和を該側面の全表面積で除した
値を指す。孔を穿孔しなかったり、開孔率が0.01と
いうような、開孔率が不充分な場合は、随伴液流が凝固
浴液面に湧き上がり、凝固浴液面変動が大きくなること
がある。一方、開孔率が0.50より大きいと、凝固浴
液面の変動を抑制する効果が著しく低下することがあ
る。また、かかる孔の形状としては、円形、楕円形、矩
形などいずれの形状でも良く、また、形状や面積は均一
でも不均一であっても良いが、単糸が孔のエッジ部で擦
過されて品位の低下を引き起こさないように、孔のエッ
ジ部は十分角落ちされ、有る程度丸みを有した形状のも
のが良い。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0031】実施例中の凝固浴液面変動は、レーザー法
により10分間測定し、凝固浴液面変動幅と凝固浴液面
変動振動数を求めた。また、得られる繊維の品位の目安
として、二次延伸時に走行する糸条の毛羽の個数を目視
により10分間観察し、1000mあたりの値に換算し
たものを利用した。
【0032】なお、実施例においては、オムロン株式会
社製、3Z4M-J12レーザ変位計(50μmタイフ゜)を使用し、
凝固浴液面上に白色の平板状の浮遊物(厚み5mm)を
浮かべ、波長780nm、応答速度1msecにて、その
変位量を測定することによって凝固浴液面変動とした。 比較例1 凝固浴液として20℃に温調された20重量%DMSO
水溶液を用い、紡糸原液としてAN99モル%、イタコ
ン酸1モル%からなるAN共重合体を20重量%含むジ
メチルスルホキシド溶液を用い、1錘当たりの孔数10
00、2000、3000、4000ホールの口金を用
い、図5に示すような、凝固浴槽の横壁面間の距離が6
00mm、浴中の方向転換ガイドと凝固浴槽底面との距
離が300mmの乾湿式紡糸装置でエアギャップ5mmと
して、凝固紡糸速度10m/分、20m/分でそれぞれ
紡糸し、次いで、常法どおり、水洗、一次延伸、油剤付
与、乾燥緻密化、二次延伸を行った。この際の凝固浴液
面変動と繊維の品位すなわち二次延伸時に測定した、走
行する糸条の毛羽数を表1に示す。 実施例1 図2に示すように、口金の周囲に50メッシュのステン
レス製の金網を設置した以外は、比較例1と同様にし
て、1錘当たりの孔数1000ホールの口金を用い、凝
固紡糸速度10m/分で紡糸し、凝固浴液面変動と二次
延伸時の走行する糸条の毛羽数を測定した。その結果を
表1に示す。 比較例2 図2に示すような、口金の周囲に50メッシュのステン
レス製の金網を設置した以外は、比較例1と同様にし
て、1錘当たりの孔数1000ホールの口金を用い、凝
固紡糸速度20m/分で紡糸し、凝固浴液面変動と二次
延伸時に走行する糸条の毛羽数を測定した。さらに、1
錘当たりの孔数2000、3000、4000ホールの
口金を用い、凝固紡糸速度10m/分、20m/分でそ
れぞれ紡糸し、凝固浴液面変動と二次延伸時に走行する
糸条の毛羽数を測定した。その結果を表1に示す。 実施例2 凝固浴槽の横壁面間の距離を1000mmとして凝固浴
槽を拡張した以外は、比較例1と同様にして、1錘当た
りの孔数3000ホールの口金を用い、凝固紡糸速度1
0m/分、20m/分でそれぞれ紡糸し、凝固浴液面変
動と二次延伸時に走行する糸条の毛羽数を測定した。そ
の結果を表1に示す。 実施例3 凝固浴槽の横壁面間の距離を600mm、浴中の方向転
換ガイドと凝固浴槽底面との距離を600mmとして凝
固浴槽を拡張した以外は、実施例2と同様にして、凝固
紡糸速度10m/分、20m/分でそれぞれ紡糸し、凝
固浴液面変動と二次延伸時に走行する糸条の毛羽数を測
定した。その結果を表1に示す。 実施例4 整流筒側面の孔の開孔率が0.10で、整流筒の側面と
流下する糸条との最短距離が1、2、25、50mmであ
る、室温での水との接触角が60度のステンレスを材質
とする図4に示すような円錐台状の整流筒を、図3に示
すように、口金と浴中の方向転換ガイドの間に、整流筒
の上端部と凝固浴液面との距離が100mm、整流筒の下
端部と浴中の方向転換ガイドとの距離が200mmになる
ように配置した以外は、比較例1と同様にして、凝固浴
液面変動と二次延伸時に走行する糸条の毛羽数を測定し
た。その結果を表2に示す。 比較例3 整流筒の側面と流下する糸条との最短距離が75mmであ
る、室温での水との接触角が60度のステンレスを材質
とする図4に示すような円錐台状の整流筒を使用した以
外は、実施例4と同様にして、凝固浴液面変動と二次延
伸時に走行する糸条の毛羽数を測定した。その結果を表
2に示す。 実施例5 整流筒側面の孔の開孔率が0.10で、整流筒の側面と
流下する糸条との最短距離が25mmである、室温での水
との接触角が60度のステンレスを材質とする図6に示
すような円柱状の整流筒を、口金と浴中の方向転換ガイ
ドの間に、整流筒の上端部と凝固浴液面との距離が10
0mm、整流筒の下端部と浴中の方向転換ガイドとの距離
が200mmになるように配置した以外は、比較例1と同
様にして、凝固浴液面変動と二次延伸時に走行する糸条
の毛羽数を測定した。その結果を表2に示す。 実施例6 整流筒側面の孔の開孔率が0.10で、整流筒の側面と
流下する糸条との最短距離が25mmである、室温での水
との接触角が60度のステンレスを材質とする図6に示
すような円錐台状の整流筒を、口金と浴中の方向転換ガ
イドの間に、整流筒の上端部と凝固浴液面との距離が5
0、100、200mmになるように配置した以外は、実
施例4と同様にして、凝固浴液面変動と二次延伸時に走
行する糸条の毛羽数を測定した。その結果を表2に示
す。 比較例4 整流筒の上端部と凝固浴液面との距離が5、300mmに
なるように配置した以外は、実施例6と同様にして、凝
固浴液面変動と二次延伸時に走行する糸条の毛羽数を測
定した。その結果を表2に示す。 実施例7 整流筒側面の孔の開孔率が0.02、0.10、0.5
0、整流筒の側面と流下する糸条との最短距離が25mm
である、室温での水との接触角が60度のステンレスを
材質とする図6に示すような円錐台状の整流筒を、口金
と浴中の方向転換ガイドの間に、整流筒の上端部と凝固
浴液面との距離が100mm、整流筒の下端部と浴中の方
向転換ガイドとの距離が200mmになるように配置した
以外は実施例4と同様にして、凝固浴液面変動と二次延
伸時に走行する糸条の毛羽数を測定した。その結果を表
3に示す。 比較例5 整流筒側面の孔の開孔率が0.00、0.01、0.7
5の整流筒を配置した以外は実施例7と同様にして、凝
固浴液面変動と二次延伸時に走行する糸条の毛羽数を測
定した。その結果を表3に示す。 比較例6 整流筒側面の孔の開孔率が0.10で、整流筒の側面と
流下する糸条との最短距離が25mmである、室温での水
との接触角が80度のポリ塩化ビニルを材質とする図6
に示すような円錐台状の整流筒を、口金と浴中の方向転
換ガイドの間に、整流筒の上端部と凝固浴液面との距離
が100mmになるように配置した以外は実施例4と同様
にして、凝固浴液面変動と二次延伸時に走行する糸条の
毛羽数を測定した。その結果を表3に示す。 実施例8 室温での水との接触角が25度のステンレスを材質とす
る図6に示すような円錐台状の整流筒を使用した以外
は、比較例6と同様にして、凝固浴液面変動と二次延伸
時に走行する糸条の毛羽数を測定した。その結果を表3
に示す。 実施例9 室温での水との接触角が80度のポリ塩化ビニルを材質
とする図6に示すような円錐台状の整流筒に、かかる接
触角が15度になるように親水化表面処理を施した以外
は、比較例6と同様にして、凝固浴液面変動と二次延伸
時に走行する糸条の毛羽数を測定した。その結果を表3
に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】表1〜3に示す結果から、凝固浴液面変動
指数を0.05mm/sec 以下に定量指標化し、凝固浴液
面の状態をかかる範囲とすることにより、得られる繊維
の品位を著しく高めることができる。また、整流筒を凝
固浴槽内に設置することによりかかる凝固浴液面変動指
数を適切に制御できることが分かる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、凝固浴液面変動の状態
を適切に定量指標化することにより、口金1錘当たりの
孔数を増加したり、紡糸する糸条の速度を増大するなど
繊維の品質を低下させる状況においても、品位に優れた
アクリル系繊維を、安定して効率よく製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】凝固浴液面変動の測定結果の一例を示す図であ
る。
【図2】本発明による乾湿式紡糸装置を示す概略斜視図
である。
【図3】本発明による乾湿式紡糸装置の別の実施態様を
示す概略斜視図である。
【図4】本発明による整流筒の実施態様を示す概略斜視
図である。
【図5】従来の乾湿式紡糸装置を示す概略斜視図であ
る。
【図6】円柱状の形状を有する整流筒を示す概略斜視図
である。
【符号の説明】
1:口金 2:液面変位測定器 3:整流金網 4:(糸条の)方向転換ガイド 5:凝固浴液面 6:凝固糸条 7:糸条進行方向 8:凝固浴槽 9:整流筒 10:孔

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 口金から吐出されたポリマー溶液を一旦
    エアギャップを通過させて凝固浴槽に導く乾湿式紡糸法
    において、下記に示す凝固浴液面変動指数を0.05mm
    /sec 以下に保ちながら紡糸することを特徴とするアク
    リル系繊維の製造方法。 凝固浴液面変動指数=凝固浴液面変動幅×凝固浴液面変
    動振動数 式中:凝固浴液面変動指数(単位;mm/sec ) 凝固浴液面変動幅(単位;mm):10分間の凝固浴液面
    の相対位置の最大変動幅 凝固浴液面振動数(単位;Hz):1秒間の凝固浴液面
    変動の極大値のの数
  2. 【請求項2】 該凝固浴液面変動指数を0.05mm/se
    c 以下に抑制する方法が、凝固液表面において、口金の
    周囲に金網を設置する方法である請求項1記載のアクリ
    ル系繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】 該凝固浴液面変動指数を0.05mm/se
    c 以下に抑制する方法が、該凝固浴槽を深さ方向又は錘
    間方向の少なくとも一方を拡張する方法である請求項1
    記載のアクリル系繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】 該凝固浴液面変動指数を0.05mm/se
    c 以下に抑制する方法が、口金と凝固浴槽中の方向転換
    ガイドの間に整流筒を設置する方法である請求項1記載
    のアクリル系繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 該整流筒の形状が、円錐台状である請求
    項4記載のアクリル系繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】 該整流筒が、該整流筒内を流下する糸条
    と該整流筒の側面との最短距離が2mm以上50mm以下と
    なる位置に配置されている請求項4又は5記載のアクリ
    ル系繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 該整流筒が、その側面に孔を有するもの
    である請求項4〜6のいずれかに記載のアクリル系繊維
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 該整流筒の側面に穿孔された孔の開孔率
    が、0.02以上0.50以下の範囲である請求項7記
    載のアクリル系繊維の製造方法。
  9. 【請求項9】 該整流筒が、その上端部が凝固浴液面か
    ら10mm以上200mm以下の位置になるよう配置されて
    いる請求項4〜8のいずれかに記載のアクリル系繊維の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 該整流筒が、その表面における、室温
    での水との接触角が75度以下である請求項4〜9のい
    ずれかに記載のアクリル系繊維の製造方法。
  11. 【請求項11】 該口金が、1錘当たりに2000以上
    の孔数を有するものである請求項1〜10のいずれかに
    記載のアクリル系繊維の製造方法。
  12. 【請求項12】 該凝固浴槽中の糸条の走行速度が、1
    0m/分以上である請求項1〜11のいずれかに記載の
    アクリル系繊維の製造方法。
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