JPH11351740A - 高純度窒素製造方法及び装置 - Google Patents

高純度窒素製造方法及び装置

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JPH11351740A
JPH11351740A JP16400398A JP16400398A JPH11351740A JP H11351740 A JPH11351740 A JP H11351740A JP 16400398 A JP16400398 A JP 16400398A JP 16400398 A JP16400398 A JP 16400398A JP H11351740 A JPH11351740 A JP H11351740A
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JP
Japan
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gas
low
purity nitrogen
path
enriched
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JP16400398A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Yamashita
満 山下
Hideyuki Honda
秀幸 本田
Atsushi Miura
淳 三浦
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Japan Oxygen Co Ltd
Taiyo Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動力の増加を抑え、高い収率で、かつ、水素
等の低沸点成分の含有量が少ない高純度窒素を製造する
ことができる高純度窒素製造方法及び装置を提供する。 【解決手段】 原料空気を単精留塔36で低温蒸留して
高純度窒素を採取するにあたり、単精留塔36の頂部か
ら経路41に低沸点成分富化ガスを抜出す工程と、単精
留塔の頂部より数段下から高純度窒素ガスを経路37に
抜出す工程と、単精留塔の下部から酸素富化液を経路4
8に抜出して減圧する工程と、低沸点成分富化ガスや高
純度窒素ガスと酸素富化液とを凝縮蒸発器46で熱交換
させることにより、低沸点成分富化ガス及び/又は高純
度窒素ガスを液化して単精留塔の下降液を生成するとと
もに酸素富化液を気化して廃ガスを生成する工程とを有
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高純度窒素製造方
法及び装置に関し、詳しくは、半導体製造工程等で必要
とされる水素等の低沸点成分の含有量が少ない高純度窒
素を、動力の増加を抑えて高い収率で効率よく製造する
ための高純度窒素製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】工業的に窒素を製造する方法として、空
気を原料としてこれを圧縮,精製,冷却して液化し、そ
の組成分を沸点差を利用して低温蒸留する空気液化分離
方法が多く採用されている。この方法を利用した単一の
単精留塔をもつ窒素製造装置が実用化されており、製造
された窒素は、様々な産業で利用されている。特に、半
導体産業においては、低沸点成分濃度がppbオーダー
の高純度窒素の需要が大きい。低沸点成分とは、水素,
ヘリウム,ネオン等の窒素より沸点が低く、低温蒸留に
よって窒素中に濃縮する成分のことを指すが、このう
ち、特に水素は、反応性の高い成分であるため、高純度
窒素中から除去する必要がある。また、一酸化炭素は、
窒素と沸点が近く、低温蒸留によって分離し難く、その
殆どが窒素中に濃縮されてしまうので、低温蒸留の前段
で除去することが望ましい。
【0003】水素は、原料空気中に数ppm程度含まれ
ているが、酸化触媒と吸着剤とを用いることにより、p
pbオーダーの微量まで除去することができる。しか
し、低温蒸留によって窒素ガスを分離するとき、原料空
気中にppbオーダーで残留した微量の水素は、窒素よ
り揮発しやすいため、単精留塔上部の窒素ガス中に蓄積
し、単精留塔へ導入した原料空気中の濃度以上に濃縮さ
れてしまう。例えば、製品窒素の収率を50%とする
と、製品窒素中の水素は、原料空気中の濃度の約2倍に
濃縮される。
【0004】このような窒素中における水素等の低沸点
成分の濃縮を防ぐためのプロセスとして、図8に示す構
成のものが知られている(特公平4−12391公報参
照)。このプロセスにおいて、原料空気圧縮機1で圧縮
された圧縮原料空気は、吸着器2へ導入され、含有する
炭酸ガス,水分等を除去された後、経路3を経て主熱交
換器4に導入され、ここで低温戻りガスと熱交換を行う
ことによって圧縮空気の露点に近い温度まで冷やされ、
経路5を経て単精留塔6の塔底部へ導入される。
【0005】単精留塔6では、導入された空気がその組
成分を沸点差を利用して低温蒸留され、単精留塔6を上
昇するにつれて低沸点成分である窒素分や水素等の低沸
点成分が多くなっていき、塔頂にて低沸点成分の濃度が
最大濃度に達する。水素等の低沸点成分が多くなった塔
頂ガスは、経路7に抜出され、その内の少量は、パージ
ガスとして経路8に分岐し、過冷器9や主熱交換器4で
昇温された後、経路10から排出される。残りの塔頂ガ
スは、経路11から凝縮蒸発器12に導入されて凝縮・
液化した後、単精留塔6の頂部へ還流されて塔内の下降
液となる。
【0006】単精留塔6内の下降液は、低温蒸留によっ
て水素等の低沸点成分が所定の濃度まで除去され、その
一部は、水素等低沸点成分の少ない液化窒素として単精
留塔6の頂部から数段下の精留段部分に接続された経路
13から抜出され、弁14で減圧された後、凝縮蒸発器
12にて気化し、過冷器9や主熱交換器4で昇温され、
製品窒素ガスとして経路15から取出される。
【0007】残りの下降液は、単精留塔6内を下降する
につれ、低温蒸留によって酸素濃度が増加していき、塔
底部にて酸素濃度が最大濃度に達する。この酸素分に富
む塔底の酸素富化液は、経路16から過冷器9に導入さ
れて過冷却され、弁17で減圧されて沸点を下げられた
後、前記凝縮蒸発器12で前記塔頂ガスを液化させる寒
冷源として用いられ、自身は気化して廃ガスとなる。こ
の廃ガスは、経路18を経て過冷器9や主熱交換器4で
昇温された後、経路19を経て膨張タービン20に導入
され、膨張して降温し、再び主熱交換器4に導入されて
寒冷を回収された後、経路21から排出される。膨張タ
ービン20には、系内冷却のためのエネルギー排出機構
22が取付けられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなプロセス
では、製品窒素ガス中の水素分は、例えば原料空気中の
水素濃度が約1.0ppmで単精留塔6へ導入された場
合、低温蒸留により約40ppbまで除去される。しか
し、経路13から抜出した水素等の低沸点成分の少ない
液化窒素を気化させ、製品窒素ガスとして得るために
は、組成,飽和温度が近い塔頂ガスとの熱交換で気化し
て製品窒素ガスとしなけらばならない。このため、単精
留塔6から抜出した液化窒素は、塔頂ガスとの飽和温度
差をつけるため、弁14で気化できる圧力まで減圧され
る。
【0009】したがって、得られる製品窒素ガスの圧力
は、この減圧分だけ低圧となり、使用先の要求圧力まで
再圧縮する必要があり、減圧による大きな動力ロスの発
生が避けられず、電力原単位が比較的大きくなるという
問題があった。
【0010】そこで本発明は、動力の増加を抑え、高い
収率で、かつ、水素等の低沸点成分の含有量が少ない高
純度窒素を製造することができる高純度窒素製造方法及
び装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の高純度窒素製造方法は、第1の構成とし
て、圧縮,精製,冷却した原料空気を単精留塔に導入し
て低温蒸留することにより、高純度窒素を採取する高純
度窒素製造方法において、前記単精留塔の頂部から低沸
点成分富化ガスを抜出す工程と、前記単精留塔の頂部よ
り数段下の精留段から低沸点成分の少ない高純度窒素ガ
スを抜出す工程と、前記単精留塔の下部から酸素富化液
を抜出して減圧する工程と、前記低沸点成分富化ガス及
び/又は前記高純度窒素ガスと前記減圧後の酸素富化液
とを熱交換させることにより低沸点成分富化ガス及び/
又は高純度窒素ガスを液化して前記単精留塔の下降液を
生成するとともに、前記酸素富化液を気化して廃ガスを
生成する工程とを有することを特徴としている。
【0012】また、本発明方法の第2の構成は、前記単
精留塔の頂部から低沸点成分富化ガスを抜出す工程と、
前記単精留塔の頂部より数段下の精留段から低沸点成分
の少ない高純度窒素ガスを抜出す工程と、前記単精留塔
の下部から酸素富化液を抜出して減圧する工程と、前記
低沸点成分富化ガス及び/又は前記高純度窒素ガスと前
記減圧後の酸素富化液とを熱交換させることにより低沸
点成分富化ガス及び/又は高純度窒素ガスを液化して前
記単精留塔の下降液を生成するとともに、前記酸素富化
液を気化して循環ガス及び廃ガスを生成する工程と、前
記低沸点成分富化ガスを液化する工程の前段又は後段か
ら低沸点成分富化ガスの一部をパージガスとして導出す
る工程と、前記廃ガスを膨張させて動力及び寒冷を発生
する工程と、前記循環ガスを圧縮して前記単精留塔に再
導入する工程とを有することを特徴としている。
【0013】さらに、本発明方法は、上述の構成におい
て、前記原料空気中の一酸化炭素及び水素を除去したて
から単精留塔に導入すること、前記低沸点成分富化ガス
を液化する際に得られた液を気液分離し、分離した液を
前記単精留塔の頂部に還流するとともに、分離したガス
をパージガスとして抜出すこと、前記廃ガスの一部を中
間温度で膨張させて動力を発生させ、前記廃ガスの残部
の少なくとも一部を常温まで昇温して常温圧縮し、再冷
却後に膨張させて寒冷を発生するとともに、前記循環ガ
スを低温圧縮して再冷却後に前記単精留塔に再導入する
こと、前記循環ガスを一次圧力まで低温圧縮した後、常
温まで昇温して二次圧力まで常温圧縮し、再冷却して前
記単精留塔に再導入することこと、前記廃ガス及び前記
循環ガスの圧縮を前記廃ガスを膨張させる工程で発生し
た動力を用いて行うこと、前記廃ガスの常温圧縮を前記
廃ガスを膨張させて寒冷を発生する工程で得られた動力
を用いて行うこと、前記循環ガスの低温圧縮を前記廃ガ
スを膨張させて動力を発生する工程で得られた動力を用
いて行うこと、前記循環ガスの常温圧縮を前記廃ガスを
膨張させて寒冷を発生する工程で得られた動力を用いて
行うこと、前記パージガスを前記廃ガスを膨張させるタ
ービンの軸受け用シールガス又はベアリングガスとして
用いることを特徴としている。
【0014】また、本発明の高純度窒素製造装置は、第
1の構成として、圧縮,精製,冷却した原料空気を単精
留塔で低温蒸留することにより、高純度窒素を採取する
高純度窒素製造装置において、前記原料空気を低温蒸留
で得られた低温戻りガスと熱交換させて冷却する主熱交
換器と、冷却した原料空気を低温蒸留して低沸点成分富
化ガスと低沸点成分の少ない高純度窒素ガスと酸素富化
液とに分離する単精留塔と、前記低沸点成分富化ガス及
び/又は高純度窒素ガスと前記酸素富化液とを熱交換さ
せる凝縮蒸発器と、該凝縮蒸発器で前記酸素富化液が気
化して生成した廃ガスを膨張させて寒冷を発生する膨張
タービンとを備えるとともに、前記低沸点成分富化ガス
を前記単精留塔の頂部から抜出し、前記凝縮蒸発器を通
して液化し、前記単精留塔の頂部に戻す低沸点成分富化
流体還流経路及び/又は前記高純度窒素ガスを前記単精
留塔の上部から抜出し、前記凝縮蒸発器を通して液化
し、前記単精留塔の上部から頂部の間の位置に戻す高純
度窒素還流経路と、前記低沸点成分富化ガスの一部をパ
ージガスとして前記単精留塔の頂部から又は前記低沸点
成分富化流体還流経路の前記凝縮蒸発器の前流又は後流
から取出し、前記主熱交換器を通して導出するパージガ
ス経路と、前記高純度窒素ガスを製品窒素ガスとして前
記単精留塔の上部から又は前記高純度窒素還流経路の前
記凝縮蒸発器の前流から前記主熱交換器を通して導出す
る製品採取経路と、前記酸素富化液を前記単精留塔の塔
底から抜出し、減圧弁を介して前記凝縮蒸発器に導く酸
素富化液抜出経路と、該酸素富化液抜出経路に接続さ
れ、前記廃ガスを前記主熱交換器を通して前記膨張ター
ビンに導く廃ガス経路と、前記膨張タービンで膨張して
寒冷を発生した廃ガスを前記主熱交換器を通して導出す
る寒冷回収経路とを備えたことを特徴としている。
【0015】さらに、本発明装置の第2の構成は、前記
主熱交換器と、前記単精留塔と、前記凝縮蒸発器とに加
えて、該凝縮蒸発器で酸素富化液が気化して生成した廃
ガスの一部を膨張させて寒冷を発生する寒冷タービン
と、前記廃ガスの残部の少なくとも一部を膨張させて動
力を発生する駆動タービンと、前記凝縮蒸発器で前記酸
素富化液が気化して生成した循環ガスを低温で圧縮する
低温圧縮機とを備えるとともに、前記低沸点成分富化ガ
スを前記単精留塔の頂部から抜出し、前記凝縮蒸発器を
通して液化し、前記単精留塔の頂部に戻す低沸点成分富
化流体還流経路及び/又は前記高純度窒素ガスを前記単
精留塔の上部から抜出し、前記凝縮蒸発器を通して液化
し、前記単精留塔の上部から頂部の間の位置に戻す高純
度窒素還流経路と、前記低沸点成分富化ガスの一部をパ
ージガスとして前記単精留塔の頂部から又は前記低沸点
成分富化流体還流経路の前記凝縮蒸発器の前流又は後流
から取出し、前記主熱交換器を通して導出するパージガ
ス経路と、前記高純度窒素ガスを製品窒素ガスとして前
記単精留塔の上部から又は前記高純度窒素還流経路の前
記凝縮蒸発器の前流から前記主熱交換器を通して導出す
る製品採取経路と、前記酸素富化液を前記単精留塔の塔
底を含む下部から抜出し、減圧弁を介して前記凝縮蒸発
器に導く酸素富化液抜出経路と、該酸素富化液抜出経路
に接続され、前記廃ガスを前記主熱交換器を通して前記
寒冷タービン及び駆動タービンに導く廃ガス経路と、前
記寒冷タービン及び駆動タービンで膨張した廃ガスを前
記主熱交換器を通して導出する寒冷回収経路と、前記酸
素富化液抜出経路に接続され、前記循環ガスを前記低温
圧縮機に導く循環ガス取出経路と、前記低温圧縮機で圧
縮された循環ガスを前記単精留塔の下部に導く循環ガス
再導入経路とを備えたことを特徴としている。
【0016】また、本発明装置は、上述の構成におい
て、前記凝縮蒸発器がドライ型熱交換器であり、一体構
成、あるいは、低沸点成分富化ガスを液化するブロック
と、高純度窒素ガスを液化するブロックとに別々に構成
され、あるいは、前記廃ガスを生成するブロックと、前
記循環ガスを生成するブロックとに別々に構成されてい
ること、前記寒冷タービンに導入する廃ガスを常温で圧
縮する廃ガス圧縮機を備えるとともに、前記廃ガス経路
が、前記主熱交換器の中間から前記駆動タービンに廃ガ
スを導く経路と、該経路から分岐して前記主熱交換器を
通り、前記廃ガス圧縮機を経て再び前記主熱交換器を通
り、前記寒冷タービンに接続されていること、前記低温
圧縮機に代えて、前記循環ガスを一次圧力に低温で圧縮
する一次圧縮機と、一次圧縮機で低温圧縮した循環ガス
を常温で二次圧力に圧縮する二次圧縮機とを備えるとと
もに、前記循環ガス再導入経路が、前記一次圧縮機から
前記主熱交換器を通り、前記二次圧縮機を経て再び前記
主熱交換器を通り、前記単精留塔の下部に接続されてい
ること、前記酸素富化液抜出経路が、前記単精留塔の塔
底から前記廃ガス経路に至る経路と、前記単精留塔の下
部から前記循環ガス取出経路に至る経路とにより形成さ
れていることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1形態例を示
す系統図である。まず、原料空気圧縮機31で圧力7.
6barまで圧縮された原料空気6970Nm/h
は、原料空気中の水素及び一酸化炭素を触媒により水分
や二酸化炭素に添加する触媒装置と、水分や二酸化炭素
等を吸着除去する吸着装置とを備えた精製設備32に導
入され、低温蒸留では除去が不可能な一酸化炭素のほと
んどと、炭酸ガス及び水分のほとんどとが除去されると
ともに、水素分が約0.1ppbまで除去される。精製
設備32で精製された原料空気は、経路33を経て主熱
交換器34に導入され、後述の各種低温戻りガスと熱交
換を行うことにより、該原料空気の露点温度に近い−1
68℃まで冷却された後、経路35を経て単精留塔36
の下部に導入される。
【0018】単精留塔36に導入された原料空気は、塔
内を上昇する上昇ガスとなり、単精留塔36を上昇する
間の低温蒸留によって低沸点成分である窒素分が増加
し、窒素分に富むガスとなる。そして、塔頂より数段下
の位置に達した時点で、その一部3000Nm/hが
製品窒素ガスとして製品採取経路を構成する経路37に
抜出される。
【0019】上述のような低温蒸留において、窒素は、
酸素に比べて揮発度が大きく、かつ、蒸発潜熱が小さい
ため、塔内を上昇する上昇ガスは、次第に窒素分が増加
すると同時にガス量も増加していくが、上昇ガス中に含
まれる水素等の低沸点成分の絶対量はほとんど変化しな
い。したがって、上昇ガス中の水素等の低沸点成分は、
増加する上昇ガス中で徐々に希釈されて次第に濃度が低
下し、塔頂から数段下の前記経路37の位置において約
0.093ppbまで低下する。すなわち、経路37に
抜出す製品窒素ガスに含まれる水素等の低沸点成分の濃
度は0.093ppbとなり、原料空気中の濃度である
約0.1ppbよりも少なくなったことになる。
【0020】このように、水素等の低沸点成分の濃度が
最も少なくなる地点から経路37に抜出された製品窒素
ガスは、減圧されることなく、過冷器38,経路39,
主熱交換器34を経て昇温した後、経路40から取出さ
れる。
【0021】一部を製品として抜出された上昇ガスは、
更に塔内を上昇して水素等の低沸点成分が濃縮され、塔
頂部には、水素等の低沸点成分の最大濃度である約6.
7ppbを含有する低沸点成分富化ガスが生成する。こ
の低沸点成分富化ガスは、塔頂部から経路41に抜出さ
れ、その少量部分60Nm/hがパージガス経路を構
成する経路42に分岐し、過冷器38,経路43,主熱
交換器34を経て経路44からパージガスとして排出さ
れる。
【0022】経路41の低沸点成分富化ガスの大部分
は、経路45から凝縮蒸発器46に導入されて凝縮・液
化し、低沸点成分富化流体還流経路を構成する経路47
から単精留塔36内に還流されて下降液となる。この下
降液は、塔頂部に数段設けられた上部精留部36aを下
降する間に、上昇する窒素ガスとの間で精留が行われ、
下降液中の水素等の低沸点成分が除去される。
【0023】下降液は、塔中部の主精留部36bを下降
するのに伴って高沸点成分である酸素分が増加するとと
もに低沸点成分が減少し、塔底部には、低沸点成分をほ
とんど含まない、酸素濃度約37.4%の酸素富化液が
溜まる。
【0024】単精留塔36の塔底の酸素富化液は、酸素
富化液抜出経路を構成する経路48に抜出されて過冷器
38で過冷却され、減圧弁49で約3.6barまで減
圧された後、凝縮蒸発器46に導入され、前記経路45
から導入される低沸点成分富化ガスと熱交換を行い、気
化して廃ガスとなる。
【0025】生成した廃ガスは、廃ガス経路を構成する
経路50,過冷器38,経路51を経て主熱交換器34
に導入され、約−125℃まで昇温された後、経路52
を経て膨張タービン53に導入され、膨張して寒冷を発
生する。寒冷を発生した廃ガスは、寒冷回収経路を構成
する経路54を通って再び主熱交換器34に導入され、
寒冷を回収されて経路55から排出される。このとき、
膨張タービン53で発生した動力は、該タービン53に
取付けられているエネルギー排出機構56にて消散さ
れ、これによって系内が冷却される。なお、経路51と
経路54との間には、膨張タービン53に導入する廃ガ
ス量を調整するための弁57を有する経路58が設けら
れている。
【0026】さらに、経路44を流れるパージガスの一
部30Nm/hは、経路44から経路59に分岐し、
膨張タービン53の軸60の軸受けシール用ガスとし
て、また、軸60がベアリング軸受けの場合はベアリン
グガスとして供給される。
【0027】上述のような膨張タービン53の軸受けシ
ール用ガス又はベアリングガスは、ドライでかつ清浄で
あることが必要であり、従来は、製品窒素ガスの一部を
用いていたが、本形態例に示すように副生物として得ら
れるドライでかつ清浄なパージガスを使用することによ
り、製品窒素ガスの冗費を避けることができる。
【0028】このように、本形態例では、製品窒素ガス
を単精留塔36からその圧力のまま減圧せずに採取して
いるので、従来のような窒素分に富む液の減圧による動
力ロスがなく、従来プロセスに比べて電力原単位が向上
する。
【0029】また、低沸点成分富化ガスの少量部分を塔
頂部分から経路42にパージガスとして導出しながら、
塔頂より数段下の経路37から製品窒素ガスを抜出すよ
うにしているので、製品窒素ガス中に水素等の低沸点成
分が濃縮することがなく、単精留塔36に導入される原
料空気中の濃度と同程度の低沸点成分の少ない高純度の
製品窒素ガスを得ることができる。
【0030】さらに、精製設備32で低温蒸留する前の
原料空気から不純物としての水素及び一酸化炭素を触媒
除去するとともに、低温蒸留においても、水素等の低沸
点成分及び一酸化炭素がより少ない部分から製品窒素を
得るようにしているので、精製設備32の触媒や吸着剤
の経年劣化等の性能低下をカバーすることができる。
【0031】また、凝縮蒸発器46には、浸漬型ではな
く、ドライ型熱交換器を用いることが好ましい。このド
ライ型熱交換器は、構成が簡単で設備費を低減できると
ともに、一体化や分割構成に簡単に対応でき、液保有量
が少ないので起動時間の短縮も図れるという利点があ
る。
【0032】図2は、本発明の第2形態例を示す系統図
である。なお、以下の説明において、前記第1形態例に
おける構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して
その詳細な説明は省略する。
【0033】本形態例は、単精留塔36の塔頂から数段
下の前記経路37に抜出した水素等の低沸点成分の濃度
が低い高純度窒素ガスの一部を経路37から経路61に
分岐して前記凝縮蒸発器46に導入し、該凝縮蒸発器4
6で酸素富化液と熱交換させて凝縮・液化した後、高純
度窒素還流経路を構成する経路62により単精留塔36
に還流させるように形成したものである。
【0034】このように、凝縮蒸発器46で酸素富化液
を気化させる流体としては、塔頂部から経路41に抜出
した低沸点成分富化ガスと高純度窒素ガスとを併用する
ことができ、さらに、高純度窒素ガスのみを用いること
も可能である。
【0035】また、液化した高純度窒素ガス(高純度液
化窒素)の単精留塔36への還流位置は、高純度窒素ガ
スを抜出す経路37の接続位置から塔頂までの間の位置
で任意に選択することができる。
【0036】図3は、本発明の第3形態例を示す系統図
であって、前記第1形態例では外部に排出されていた廃
ガスの一部、すなわち、凝縮蒸発器46で酸素富化液が
気化したガスの一部を循環ガスとし、これを単精留塔3
6に循環再導入するように形成したものである。
【0037】原料空気圧縮機31で圧力7.6barま
で圧縮され、精製設備32で水分,二酸化炭素及び一酸
化炭素のほとんどが除去されるとともに、水素分が約
0.1ppbまで低減された圧縮精製原料空気5915
Nm/hは、主熱交換器34で−167℃まで冷却さ
れた後、経路71を通って単精留塔36の塔底部より5
段上へ導入される。また、単精留塔36の底部には、後
述する循環ガスも導入されている。
【0038】単精留塔36における低温蒸留により、こ
れらの導入ガスは、単精留塔36を上昇するにつれて低
沸点成分である窒素分を増していく。また、凝縮蒸発器
46で凝縮して下降液となり、塔内を下降する液は、塔
内を下降していくにつれて高沸点成分である酸素分を増
していくとともに低沸点成分濃度が低下し、水素等の低
沸点成分の濃度が略ゼロに近いオーダーで、酸素最大濃
度約43.4%の酸素富化液となって塔底に溜まる。
【0039】単精留塔36の塔底の酸素富化液は、酸素
富化液抜出経路を構成する経路48に抜出されて過冷器
38で過冷却された後、経路72と経路73との2方向
に分岐する。両経路72,73の酸素富化液は、減圧弁
74,75で約3.3barまでそれぞれ減圧された
後、凝縮蒸発器46にて単精留塔頂部の低沸点成分富化
ガスと熱交換を行って気化し、廃ガス経路を構成する経
路76の廃ガスと、循環ガス取出し経路を構成する経路
77の循環ガスとが生成する。
【0040】経路76の廃ガスは、過冷器38及び主熱
交換器34で約−142.5℃まで昇温した後、再び経
路78と経路79との2方向へ分岐する。経路78の廃
ガスは、駆動タービン80に導入されて膨張し、動力を
発生して経路81に導出する。また、経路79の廃ガス
は、寒冷タービン82で膨張して寒冷を発生し、経路8
3に導出する。両タービン80,82を導出した廃ガス
は、寒冷回収経路を構成する経路84に合流して主熱交
換器34を通り、寒冷を回収されて経路85から排出さ
れる。前記寒冷タービン82には、エネルギー排出機構
86が取付けられており、これにより動力が消散されて
系内が冷却される。
【0041】一方、循環ガス取出経路を構成する前記経
路77の循環ガス1060Nm/hは、過冷器38を
経て経路86を通り、前記駆動タービン80と同軸上に
連結された低温圧縮機87に吸入される。この循環ガス
は、低温圧縮機87において、前記駆動タービン80で
廃ガスが膨張することにより発生した動力で単精留塔3
6の運転圧力まで低温で圧縮される。圧縮後の循環ガス
は、循環ガス再導入経路を構成する経路88を通り、主
熱交換器34で−165.5℃まで冷却され、経路89
を経て単精留塔36に循環再導入される。
【0042】単精留塔36に再導入された循環ガスは、
窒素収率を向上させる働きをするだけでなく、この循環
ガスは、水素等の低沸点成分の濃度が略ゼロの状態で単
精留塔36の塔底部に再導入されるため、経路71の原
料空気導入段より上の塔内上昇ガス中の水素等の低沸点
成分の濃度を希釈する働きもする。
【0043】すなわち、循環ガスは、水素濃度が略ゼロ
で単精留塔36の底部に再導入された後、下部精留部3
6cを上昇する間に水素濃度を徐々に高めていき、約
0.011ppbとなったときに、経路71から導入さ
れる原料空気と合流する。この原料空気は、精製設備3
2で水素分が約0.1ppbまで除去されたものであ
り、両者が合流することにより、水素濃度が約0.08
6ppbとなって塔内を上昇する。主精留部36bを上
昇する間の低温蒸留により、上昇ガスは低沸点成分であ
る窒素分を次第に増していき、窒素濃度が規定値に達し
たときに、その一部が塔頂より数段下の精留段の位置か
ら、製品採取経路を構成する経路37に抜出され、過冷
器38及び主熱交換器34で昇温した後、低沸点成分の
少ない製品高純度窒素ガスとして経路40から採取され
る。
【0044】前述のように、主精留部36bを上昇する
間、上昇ガス中の水素の絶対量はほとんど変化しない
が、上昇ガスは、単精留塔上部へ上昇するにつれて窒素
と酸素との揮発度及び蒸発潜熱の違いにより流量が増加
するため、相対的に水素濃度が低下し、製品窒素ガス中
の水素濃度は約0.079ppbとなる。
【0045】製品窒素ガスとして一部が抜出された残り
の上昇ガスは、以後塔頂まで水素濃度を高めながら上昇
し、塔頂部では約5.9ppbに達する。この水素分に
富む低沸点成分富化ガスは、その少量部分約60Nm
/hがパージガスとして経路42から排出される他、そ
の大部分は、凝縮蒸発器46で全量が凝縮・液化され、
単精留塔36の塔頂に戻されて塔内を下降する。
【0046】経路42から過冷器38,主熱交換器34
を経て経路44に導出されたパージガスは、その一部あ
るいは全量が経路90から経路91,92に分岐し、駆
動タービン80及び寒冷タービン82の軸受けシール用
ガス又はベアリングガスとして、それぞれ約30Nm
/hずつ供給される。
【0047】本形態例によれば、単精留塔36に再導入
する循環ガス中には、約56%の窒素分が含まれ、一
方、水素等の低沸点成分はほとんど含まれていないの
で、循環ガス1060Nm/hを単精留塔36に再導
入することにより、1055Nm/hの原料空気を導
入するのに等しい量の製品窒素ガスが得られ、水素等の
低沸点成分がより少ない高純度窒素ガスを効率よく採取
することができる。すなわち、循環ガスを再導入しない
前記第1形態例等に比べて窒素収率が高いため、必要な
原料空気量が少なくてすむとともに、原料空気等と共に
単精留塔36に導入される水素等の低沸点成分も少なく
なる。したがって、第1形態例のものより、更に低沸点
成分の少ない高純度の製品窒素ガスを効率的に得ること
ができる。
【0048】これにより、高純度窒素の要求純度が更に
厳しくなり、精製設備32における触媒や吸着剤等によ
る処理では到達不可能な純度が要求された場合でも、精
製設備32の性能をカバーすることができる。
【0049】また、循環ガスを単精留塔36に再導入す
るために必要な低温圧縮機87での圧縮を、駆動タービ
ン80における廃ガスの膨張で得られた動力を用いて行
っているので、動力を有効に利用することができ、原単
位の向上が図れる。
【0050】なお、酸素富化液を気化して廃ガスと循環
ガスとを生成する際に、本形態例では、酸素富化液を分
岐してから減圧及び気化をそれぞれ行っているが、1個
の減圧弁で減圧して凝縮蒸発器46で全量を気化させて
から廃ガスと循環ガスとに分岐してもよい。また、凝縮
蒸発器46で酸素富化液と熱交換を行う流体は、低沸点
成分富化ガス及び高純度窒素ガスの両方であってもよ
く、いずれか一方であってもよい。
【0051】図4は、本発明の第4形態例を示す系統図
であって、凝縮蒸発器を複数のブロックに分割形成した
例を示すものである。すなわち、単精留塔36の塔底か
ら経路48に抜出されて経路72と経路73とに分岐
し、減圧弁74,75で減圧した後の酸素富化液の気化
を、別々の凝縮蒸発器ブロック101,102で行うよ
うに形成している。一方の廃ガス側経路に設けられた凝
縮蒸発器ブロック101には、経路37に抜出した高純
度窒素の一部を経路103に分岐して導入し、他方の循
環ガス側経路に設けられた凝縮蒸発器ブロック102に
は、経路41に抜出した低沸点成分富化ガスの大部分を
経路104に分岐して導入している。このように形成す
ることにより、各経路における流量の適正化が図れる。
なお、高純度窒素及び低沸点成分富化ガスをどちらの凝
縮蒸発器ブロックに導入するかは任意である。
【0052】図5は、本発明の第5形態例を示す系統図
であって、単精留塔36の塔底から経路48に抜出した
酸素濃度最大の酸素富化液を前記同様に気化させて廃ガ
スとし、塔底より数段上の下降液を経路110に抜出し
て循環ガスを得るように形成したものである。すなわ
ち、塔底の酸素富化液に比べて窒素分が多い液を経路1
10に抜出し、過冷器38,減圧弁111,凝縮蒸発器
46を通して気化させることにより循環ガスとし、この
循環ガスを、前記同様に、過冷器38,低温圧縮機8
7,主熱交換器34を通して経路89から単精留塔36
に循環再導入するように形成している。
【0053】さらに、本形態例では、凝縮蒸発器46で
気化して廃ガス経路を構成する経路112に導出された
廃ガスを、主熱交換34の途中で経路113と経路11
4とに分岐し、一方の経路113に分岐した廃ガスは、
前記同様に、駆動タービン80で膨張して動力を発生し
た後、再び主熱交換34を経て排出するとともに、他方
の経路114に分岐して主熱交換34で常温まで昇温し
た廃ガスは、寒冷タービン115と同軸上に連結された
廃ガス圧縮機116で圧縮し、アフタークーラー117
で圧縮熱を除去した後、経路118から主熱交換器34
に導入して中間温度まで冷却し、経路119によって前
記寒冷タービン115に導入し、この寒冷タービン11
5で膨張させて前記廃ガス圧縮機116の動力と寒冷と
を発生させ、最後に、前記駆動タービン80で膨張した
廃ガスと合流させて排出するように形成している。
【0054】このように、廃ガスを廃ガス圧縮機116
で圧縮してから寒冷タービン115で膨張させることに
より、寒冷タービン115における膨張比が大きくな
り、単位体積当たりの発生寒冷量が増加するので、寒冷
発生用の廃ガス量が少なくてすみ、その分、駆動タービ
ン80に供給する廃ガスを増量でき、駆動タービン80
で駆動される低温圧縮機87の循環ガス量を増加させる
ことが可能となり、窒素収率を更に向上させることがで
きる。
【0055】図6は、本発明の第6形態例を示す系統図
であって、循環ガスの圧縮を二段階で行うようにしたも
のである。前記図3に示した第3形態例と同様に、凝縮
蒸発器46で気化して経路76に導出した循環ガスを、
過冷器38,経路86を経て一次低温圧縮機121に導
入し、低温で一次圧縮して一次圧力とした後、循環ガス
再導入経路を構成する経路122から主熱交換器34に
導入して常温まで昇温し、経路123により二次常温圧
縮機124に導入して常温で単精留塔圧力に略等しい二
次圧力まで圧縮する。圧縮後の循環ガスは、アフターク
ーラー125,経路126を経て主熱交換器34に導入
され、所定温度に冷却された後、経路127から単精留
塔36の底部に導入される。このとき、循環ガスは、一
次低温圧縮機121では駆動タービン80の発生動力で
一次圧縮され、二次常温圧縮機124では寒冷タービン
82の発生動力で二次圧縮される。
【0056】このように循環ガスを二段圧縮することに
より、圧力的に直列に接続された一次低温圧縮機121
と二次常温圧縮機124とにおけるそれぞれの圧縮比を
小さくでき、標準的な圧縮比の圧縮機を選定することが
できるとともに圧縮効率も向上するので、循環ガス量を
増加させることが可能となり、窒素収率の向上が図れ
る。
【0057】上述の第5,第6形態例に示すように、廃
ガスの膨張により発生した動力を、エネルギー排出機構
を使用せずに、廃ガスや循環ガスの圧縮動力として有効
に用いることにより、動力のロスが抑えられ、第1乃至
第4形態例に示すようなエネルギー排出機構でタービン
発生動力を消費する場合の消費動力が大きくなる欠点を
改善することができる。
【0058】図7は、本発明の第7形態例を示す要部の
系統図であって、パージガスを気液分離器から抜出すよ
うに形成した例を示すものである。すなわち、単精留塔
36の頂部から経路41に抜出した低沸点成分富化ガス
の全量を凝縮蒸発器46に導入して凝縮させ、凝縮蒸発
器46の出口部に設けた気液分離器131でガスを分離
し、このガスをパージガスとして経路132に導出し、
前記同様にして排出するように形成している。
【0059】このように、パージガスの抜出しは、凝縮
蒸発器46を導出してから行ってもよく、前記各形態例
に示したように、単精留塔36の頂部に接続した経路4
1から分岐させて行ってもよく、さらに、図示は省略す
るが、経路41とは別にパージガス抜出し専用の経路を
塔頂部に設けて行うこともできる。
【0060】また、第2,第4形態例に示したように、
高純度窒素ガスの一部を凝縮蒸発器に導入して凝縮させ
る場合も、経路37に抜出してから分岐するのに代え
て、製品抜出用と凝縮用とに専用の経路を設けて行うこ
とができる。
【0061】図1に示した第1形態例及び図3に示した
第3形態例と、図8に示した従来例とにおいて、同量の
製品窒素ガスを得る際の原料空気量,製品窒素ガス中の
水素濃度,窒素収率及び電力原単位を表1に示す。表1
から明らかなように、両形態例共に、前処理段階で水素
等を除去する精製設備を使用したことにより、製品窒素
ガス中の水素濃度が従来例より低くなっている。また、
製品窒素ガスを減圧することなく単精留塔から直接抜出
したことにより、従来の液体窒素の減圧による動力ロス
がなくなり、電力原単位が向上している。さらに、第3
形態例では、単精留塔塔底の酸素富化液を気化させて単
精留塔に循環再導入したことにより、第1形態例よりも
製品窒素ガス中の水素濃度が低下し、窒素収率や電力原
単位が向上している。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
水素等の低沸点成分の濃度が低い高純度の窒素ガスを効
率よく得ることができる。特に、圧力が高い状態で採取
することができるので、再圧縮に要していた動力費を削
減できる。また、従来は排出していた廃ガスの一部を循
環ガスとして単精留塔に再導入することにより、製品窒
素ガス中の水素濃度を更に低下させることができるとと
もに、窒素収率や電力原単位も更に向上させることがで
きる。加えて、前処理段階で水素等を除去しておくこと
により、水素等の低沸点成分の濃度をより低下させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1形態例を示す系統図である。
【図2】 本発明の第2形態例を示す系統図である。
【図3】 本発明の第3形態例を示す系統図である。
【図4】 本発明の第4形態例を示す系統図である。
【図5】 本発明の第5形態例を示す系統図である。
【図6】 本発明の第6形態例を示す系統図である。
【図7】 本発明の第7形態例を示す系統図である。
【図8】 従来の高純度窒素製造プロセスの一例を示す
系統図である。
【符号の説明】 31…原料空気圧縮機、32…精製設備、34…主熱交
換器、36…単精留塔、38…過冷器、46…凝縮蒸発
器、49…減圧弁、53…膨張タービン、56…エネル
ギー排出機構、80…駆動タービン、82…寒冷タービ
ン、87…低温圧縮機、101,102…凝縮蒸発器ブ
ロック、115…寒冷タービン、116…廃ガス圧縮
機、121…一次低温圧縮機、124…二次常温圧縮
機、131…気液分離器

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮,精製,冷却した原料空気を単精留
    塔に導入して低温蒸留することにより、高純度窒素を採
    取する高純度窒素製造方法において、前記単精留塔の頂
    部から低沸点成分富化ガスを抜出す工程と、前記単精留
    塔の頂部より数段下の精留段から低沸点成分の少ない高
    純度窒素ガスを抜出す工程と、前記単精留塔の下部から
    酸素富化液を抜出して減圧する工程と、前記低沸点成分
    富化ガス及び/又は前記高純度窒素ガスと前記減圧後の
    酸素富化液とを熱交換させることにより低沸点成分富化
    ガス及び/又は高純度窒素ガスを液化して前記単精留塔
    の下降液を生成するとともに、前記酸素富化液を気化し
    て廃ガスを生成する工程とを有することを特徴とする高
    純度窒素製造方法。
  2. 【請求項2】 圧縮,精製,冷却した原料空気を単精留
    塔に導入して低温蒸留することにより、高純度窒素を採
    取する高純度窒素製造方法において、前記単精留塔の頂
    部から低沸点成分富化ガスを抜出す工程と、前記単精留
    塔の頂部より数段下の精留段から低沸点成分の少ない高
    純度窒素ガスを抜出す工程と、前記単精留塔の下部から
    酸素富化液を抜出して減圧する工程と、前記低沸点成分
    富化ガス及び/又は前記高純度窒素ガスと前記減圧後の
    酸素富化液とを熱交換させることにより低沸点成分富化
    ガス及び/又は高純度窒素ガスを液化して前記単精留塔
    の下降液を生成するとともに、前記酸素富化液を気化し
    て循環ガス及び廃ガスを生成する工程と、前記低沸点成
    分富化ガスを液化する工程の前段又は後段から低沸点成
    分富化ガスの一部をパージガスとして導出する工程と、
    前記廃ガスを膨張させて動力及び寒冷を発生する工程
    と、前記循環ガスを圧縮して前記単精留塔に再導入する
    工程とを有することを特徴とする高純度窒素製造方法。
  3. 【請求項3】 前記原料空気中の不純物の内、一酸化炭
    素及び水素を除去した後、前記単精留塔に導入すること
    を特徴とする請求項1又は2記載の高純度窒素製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記低沸点成分富化ガスを液化する際に
    得られた液を気液分離し、分離した液を前記単精留塔の
    頂部に還流するとともに、分離したガスを前記パージガ
    スとして抜出すことを特徴とする請求項1又は2記載の
    高純度窒素製造方法。
  5. 【請求項5】 前記廃ガスの一部を中間温度で膨張させ
    て動力を発生させ、前記廃ガスの残部の少なくとも一部
    を常温まで昇温して常温圧縮し、再冷却後に膨張させて
    寒冷を発生するとともに、前記循環ガスを低温圧縮して
    再冷却後に前記単精留塔に再導入することを特徴とする
    請求項2記載の高純度窒素製造方法。
  6. 【請求項6】 前記循環ガスを一次圧力まで低温圧縮し
    た後、常温まで昇温して二次圧力まで常温圧縮し、再冷
    却して前記単精留塔に再導入することを特徴とする請求
    項2記載の高純度窒素製造方法。
  7. 【請求項7】 前記廃ガス及び前記循環ガスの圧縮を、
    前記廃ガスを膨張させる工程で発生した動力を用いて行
    うことを特徴とする請求項5又は6記載の高純度窒素製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記廃ガスの常温圧縮を、前記廃ガスを
    膨張させて寒冷を発生する工程で得られた動力を用いて
    行い、前記循環ガスの低温圧縮を、前記廃ガスを膨張さ
    せて動力を発生する工程で得られた動力を用いて行うこ
    とを特徴とする請求項5記載の高純度窒素製造方法。
  9. 【請求項9】 前記循環ガスの低温圧縮を、前記廃ガス
    を膨張させて動力を発生する工程で得られた動力を用い
    て行い、前記循環ガスの常温圧縮を、前記廃ガスを膨張
    させて寒冷を発生する工程で得られた動力を用いて行う
    ことを特徴とする請求項6記載の高純度窒素製造方法。
  10. 【請求項10】 前記パージガスを、前記廃ガスを膨張
    させるタービンの軸受け用シールガス又はベアリングガ
    スとして用いることを特徴とする請求項2又は4記載の
    高純度窒素製造方法。
  11. 【請求項11】 圧縮,精製,冷却した原料空気を単精
    留塔で低温蒸留することにより、高純度窒素を採取する
    高純度窒素製造装置において、前記原料空気を低温蒸留
    で得られた低温戻りガスと熱交換させて冷却する主熱交
    換器と、冷却した原料空気を低温蒸留して低沸点成分富
    化ガスと低沸点成分の少ない高純度窒素ガスと酸素富化
    液とに分離する単精留塔と、前記低沸点成分富化ガス及
    び/又は高純度窒素ガスと前記酸素富化液とを熱交換さ
    せる凝縮蒸発器と、該凝縮蒸発器で前記酸素富化液が気
    化して生成した廃ガスを膨張させて寒冷を発生する膨張
    タービンとを備えるとともに、前記低沸点成分富化ガス
    を前記単精留塔の頂部から抜出し、前記凝縮蒸発器を通
    して液化し、前記単精留塔の頂部に戻す低沸点成分富化
    流体還流経路及び/又は前記高純度窒素ガスを前記単精
    留塔の上部から抜出し、前記凝縮蒸発器を通して液化
    し、前記単精留塔の上部から頂部の間の位置に戻す高純
    度窒素還流経路と、前記低沸点成分富化ガスの一部をパ
    ージガスとして前記単精留塔の頂部から又は前記低沸点
    成分富化流体還流経路の前記凝縮蒸発器の前流又は後流
    から取出し、前記主熱交換器を通して導出するパージガ
    ス経路と、前記高純度窒素ガスを製品窒素ガスとして前
    記単精留塔の上部から又は前記高純度窒素還流経路の前
    記凝縮蒸発器の前流から前記主熱交換器を通して導出す
    る製品採取経路と、前記酸素富化液を前記単精留塔の塔
    底から抜出し、減圧弁を介して前記凝縮蒸発器に導く酸
    素富化液抜出経路と、該酸素富化液抜出経路に接続さ
    れ、前記廃ガスを前記主熱交換器を通して前記膨張ター
    ビンに導く廃ガス経路と、前記膨張タービンで膨張して
    寒冷を発生した廃ガスを前記主熱交換器を通して導出す
    る寒冷回収経路とを備えたことを特徴とする高純度窒素
    製造装置。
  12. 【請求項12】 圧縮,精製,冷却した原料空気を単精
    留塔で低温蒸留することにより、高純度窒素を採取する
    高純度窒素製造装置において、前記原料空気を低温蒸留
    で得られた低温戻りガスと熱交換させて冷却する主熱交
    換器と、冷却した原料空気を低温蒸留して低沸点成分富
    化ガスと低沸点成分の少ない高純度窒素ガスと酸素富化
    液とに分離する単精留塔と、前記低沸点成分富化ガス及
    び/又は高純度窒素ガスと前記酸素富化液とを熱交換さ
    せる凝縮蒸発器と、該凝縮蒸発器で前記酸素富化液が気
    化して生成した廃ガスの一部を膨張させて寒冷を発生す
    る寒冷タービンと、前記廃ガスの残部の少なくとも一部
    を膨張させて動力を発生する駆動タービンと、前記凝縮
    蒸発器で前記酸素富化液が気化して生成した循環ガスを
    低温で圧縮する低温圧縮機とを備えるとともに、前記低
    沸点成分富化ガスを前記単精留塔の頂部から抜出し、前
    記凝縮蒸発器を通して液化し、前記単精留塔の頂部に戻
    す低沸点成分富化流体還流経路及び/又は前記高純度窒
    素ガスを前記単精留塔の上部から抜出し、前記凝縮蒸発
    器を通して液化し、前記単精留塔の上部から頂部の間の
    位置に戻す高純度窒素還流経路と、前記低沸点成分富化
    ガスの一部をパージガスとして前記単精留塔の頂部から
    又は前記低沸点成分富化流体還流経路の前記凝縮蒸発器
    の前流又は後流から取出し、前記主熱交換器を通して導
    出するパージガス経路と、前記高純度窒素ガスを製品窒
    素ガスとして前記単精留塔の上部から又は前記高純度窒
    素還流経路の前記凝縮蒸発器の前流から前記主熱交換器
    を通して導出する製品採取経路と、前記酸素富化液を前
    記単精留塔の塔底を含む下部から抜出し、減圧弁を介し
    て前記凝縮蒸発器に導く酸素富化液抜出経路と、該酸素
    富化液抜出経路に接続され、前記廃ガスを前記主熱交換
    器を通して前記寒冷タービン及び駆動タービンに導く廃
    ガス経路と、前記寒冷タービン及び駆動タービンで膨張
    した廃ガスを前記主熱交換器を通して導出する寒冷回収
    経路と、前記酸素富化液抜出経路に接続され、前記循環
    ガスを前記低温圧縮機に導く循環ガス取出経路と、前記
    低温圧縮機で圧縮された循環ガスを前記単精留塔の下部
    に導く循環ガス再導入経路とを備えたことを特徴とする
    高純度窒素製造装置。
  13. 【請求項13】 前記凝縮蒸発器が、ドライ型熱交換器
    であることを特徴とする請求項11又は12記載の高純
    度窒素製造装置。
  14. 【請求項14】 前記凝縮蒸発器が、一体で構成されて
    いることを特徴とする請求項11又は12記載の高純度
    窒素製造装置。
  15. 【請求項15】 前記凝縮蒸発器が、前記低沸点成分富
    化ガスを液化するブロックと、前記高純度窒素ガスを液
    化するブロックとに別々に構成されていることを特徴と
    する請求項11又は12記載の高純度窒素製造装置。
  16. 【請求項16】 前記凝縮蒸発器が、前記廃ガスを生成
    するブロックと、前記循環ガスを生成するブロックとに
    別々に構成されていることを特徴とする請求項12記載
    の高純度窒素製造装置。
  17. 【請求項17】 前記寒冷タービンに導入する廃ガスを
    常温で圧縮する廃ガス圧縮機を備えるとともに、前記廃
    ガス経路が、前記主熱交換器の中間から前記駆動タービ
    ンに廃ガスを導く経路と、該経路から分岐して前記主熱
    交換器を通り、前記廃ガス圧縮機を経て再び前記主熱交
    換器を通り、前記寒冷タービンに接続されていることを
    特徴とする請求項12記載の高純度窒素製造装置。
  18. 【請求項18】 前記低温圧縮機に代えて、前記循環ガ
    スを一次圧力に低温で圧縮する一次圧縮機と、一次圧縮
    機で低温圧縮した循環ガスを常温で二次圧力に圧縮する
    二次圧縮機とを備えるとともに、前記循環ガス再導入経
    路が、前記一次圧縮機から前記主熱交換器を通り、前記
    二次圧縮機を経て再び前記主熱交換器を通り、前記単精
    留塔の下部に接続されていることを特徴とする請求項1
    2記載の高純度窒素製造装置。
  19. 【請求項19】 前記酸素富化液抜出経路が、前記単精
    留塔の塔底から前記廃ガス経路に至る経路と、前記単精
    留塔の下部から前記循環ガス取出経路に至る経路とによ
    り形成されていることを特徴とする請求項12記載の高
    純度窒素製造装置。
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