JPH11352061A - 発光分光分析による表層分析方法 - Google Patents
発光分光分析による表層分析方法Info
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- JPH11352061A JPH11352061A JP15628798A JP15628798A JPH11352061A JP H11352061 A JPH11352061 A JP H11352061A JP 15628798 A JP15628798 A JP 15628798A JP 15628798 A JP15628798 A JP 15628798A JP H11352061 A JPH11352061 A JP H11352061A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】脱炭層の深さや皮膜の膜厚等の鉄鋼試料の表層
を、簡易的な方法で精度良く測定するための発光分光分
析による表層分析方法を提供することを課題とする。 【解決手段】分析する試料と同様な鉄鋼材料からなる試
料1の表面について、所定の高エネルギー放電で連続的
に放電した際における試料表面の削れ深さHと放電時間
との関係を予め求めておく。そして、分析する試料につ
いて、上記と同一条件の高エネルギー放電で放電しなが
ら発光分光分析で連続的に特定波長の発光強度を測定し
て、放電時間の経過時間と上記測定した発光強度に対応
する元素濃度との関係、及び予め求めた上記削れ深さと
放電時間との関係によって、試料表面に形成された層若
しくは膜を分析する。
を、簡易的な方法で精度良く測定するための発光分光分
析による表層分析方法を提供することを課題とする。 【解決手段】分析する試料と同様な鉄鋼材料からなる試
料1の表面について、所定の高エネルギー放電で連続的
に放電した際における試料表面の削れ深さHと放電時間
との関係を予め求めておく。そして、分析する試料につ
いて、上記と同一条件の高エネルギー放電で放電しなが
ら発光分光分析で連続的に特定波長の発光強度を測定し
て、放電時間の経過時間と上記測定した発光強度に対応
する元素濃度との関係、及び予め求めた上記削れ深さと
放電時間との関係によって、試料表面に形成された層若
しくは膜を分析する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄鋼試料に形成さ
れた脱炭層や改質膜など表層についての特定元素の分布
状態を、発光分光分析によって簡便に分析する方法に関
する。
れた脱炭層や改質膜など表層についての特定元素の分布
状態を、発光分光分析によって簡便に分析する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延、熱間鍛造あるいは熱処理等の
高温で処理した鋼材においては、表層の脱炭は避け難
い。脱炭した表面は、炭素濃度が低下しているので焼入
れ軟化状態となり熱処理を施しても所定の硬さにならず
疲れ強さが低下して、耐摩耗性も悪い。従って、鋼材を
高温で処理する場合は、できるだけ脱炭しないように注
意が払われている。
高温で処理した鋼材においては、表層の脱炭は避け難
い。脱炭した表面は、炭素濃度が低下しているので焼入
れ軟化状態となり熱処理を施しても所定の硬さにならず
疲れ強さが低下して、耐摩耗性も悪い。従って、鋼材を
高温で処理する場合は、できるだけ脱炭しないように注
意が払われている。
【0003】また、機械部品の耐摩耗性や防食性を向上
させる目的で、浸炭処理や浸炭窒化処理等により機械部
品の表面に浸炭層等が形成されたり、機械部品の表面に
改質皮膜処理が行われる。そして、導入される炭素量等
や、皮膜の成分及び膜厚は、要求される機械的特性によ
って異なり、この炭素量や膜厚などが要求通りになって
いるかどうかは非常に重要である。
させる目的で、浸炭処理や浸炭窒化処理等により機械部
品の表面に浸炭層等が形成されたり、機械部品の表面に
改質皮膜処理が行われる。そして、導入される炭素量等
や、皮膜の成分及び膜厚は、要求される機械的特性によ
って異なり、この炭素量や膜厚などが要求通りになって
いるかどうかは非常に重要である。
【0004】このため、製品表面に形成された脱炭層の
深さや炭素量の勾配、膜厚や膜内の主要元素の濃度分布
等が、要求通りになっているかどうか、試料を分析する
ことによって確認することが従来から行われている。
深さや炭素量の勾配、膜厚や膜内の主要元素の濃度分布
等が、要求通りになっているかどうか、試料を分析する
ことによって確認することが従来から行われている。
【0005】一般に、浸炭層の分析など、鋼の組成分析
(約φ5mm、深さ5μm)には、発光分光分析法が使
用される。この発光分光分析方法を用いて脱炭層の深さ
などを分析する場合には、試料の厚さをあらかじめマイ
クロメータで測定してから、その厚さでの表面の炭素濃
度を発光分光分析法で求め、続いて、平面研削盤等で所
定厚さだけ表面を研削し当該研削面の炭素濃度を再び,
発光分光分析で求める。これを目的とする深さに到達す
るまで繰り返す。分析した深さは、研削前後の試料厚さ
の差から求める。
(約φ5mm、深さ5μm)には、発光分光分析法が使
用される。この発光分光分析方法を用いて脱炭層の深さ
などを分析する場合には、試料の厚さをあらかじめマイ
クロメータで測定してから、その厚さでの表面の炭素濃
度を発光分光分析法で求め、続いて、平面研削盤等で所
定厚さだけ表面を研削し当該研削面の炭素濃度を再び,
発光分光分析で求める。これを目的とする深さに到達す
るまで繰り返す。分析した深さは、研削前後の試料厚さ
の差から求める。
【0006】以上のようにして段階的に求めた複数の測
定値から、深さ方向の炭素量推移曲線を求め脱炭層の深
さを同定する。なお、上記発光分光分析方法は、鉄鋼試
料と対電極との間の放電によって試料表面を励起させて
発光させ、これを分光器で分光して、目的とする特定元
素(炭素等)の波長のスペクトル線の強度を測定するこ
とで、各元素の定性及び定量分析を行うものである。そ
して、従来にあっては、放電エネルギーはさほど高いも
のではなく、放電時間も短い。
定値から、深さ方向の炭素量推移曲線を求め脱炭層の深
さを同定する。なお、上記発光分光分析方法は、鉄鋼試
料と対電極との間の放電によって試料表面を励起させて
発光させ、これを分光器で分光して、目的とする特定元
素(炭素等)の波長のスペクトル線の強度を測定するこ
とで、各元素の定性及び定量分析を行うものである。そ
して、従来にあっては、放電エネルギーはさほど高いも
のではなく、放電時間も短い。
【0007】また、製品の表層を構成する皮膜の膜厚測
定法には数多くの測定法があるが、代表的な測定方法と
しては、蛍光X線(JISH8501−1988)によ
る測定方法がある。この測定方法は、皮膜試料にX線を
照射して発生した蛍光X線の強度を検出し、その強度を
皮膜の厚さに換算して求めるというものである。
定法には数多くの測定法があるが、代表的な測定方法と
しては、蛍光X線(JISH8501−1988)によ
る測定方法がある。この測定方法は、皮膜試料にX線を
照射して発生した蛍光X線の強度を検出し、その強度を
皮膜の厚さに換算して求めるというものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の発光分光分析法による脱炭層の深さ等の分析では、
目的とする深さまで、表面から段階的に何度も研削を行
いつつ各段階の研削面の分析を行うために、各研削面
(各深さ位置)の分析前に毎回,前処理(研削等)が要
求されるばかりか、研削厚さ毎の離隔した分析情報しか
得ることができず、深さ方向の連続的な濃度分布を得る
ことができないという問題がある。
来の発光分光分析法による脱炭層の深さ等の分析では、
目的とする深さまで、表面から段階的に何度も研削を行
いつつ各段階の研削面の分析を行うために、各研削面
(各深さ位置)の分析前に毎回,前処理(研削等)が要
求されるばかりか、研削厚さ毎の離隔した分析情報しか
得ることができず、深さ方向の連続的な濃度分布を得る
ことができないという問題がある。
【0009】このことはまた、一回の研削の厚さに分解
能が左右されてしまうため、極薄層の試料では深さ方向
の分解能を確保できず、分析できないという問題もあ
る。また、上記蛍光X線による皮膜の測定方法では、皮
膜が厚すぎると測定が不可能となる。通常、この方法で
は膜厚が10μm程度が限界である。
能が左右されてしまうため、極薄層の試料では深さ方向
の分解能を確保できず、分析できないという問題もあ
る。また、上記蛍光X線による皮膜の測定方法では、皮
膜が厚すぎると測定が不可能となる。通常、この方法で
は膜厚が10μm程度が限界である。
【0010】そして、金属皮膜が比較的厚い試料につい
ては、簡便な方法で皮膜の成分や膜厚を測定する技術も
ない。本発明は、上記のような問題点に着目してなされ
たもので、脱炭層の深さや皮膜の膜厚等の表層を、簡易
的な方法で精度良く測定するための発光分光分析による
表層分析方法を提供することを課題とするものである。
ては、簡便な方法で皮膜の成分や膜厚を測定する技術も
ない。本発明は、上記のような問題点に着目してなされ
たもので、脱炭層の深さや皮膜の膜厚等の表層を、簡易
的な方法で精度良く測定するための発光分光分析による
表層分析方法を提供することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の発光分光分析による表層分析方法は、鉄鋼
材料からなる試料表面に形成された脱炭層や浸炭層等の
層や表面改質膜等の膜についての特定元素の濃度分布
を、発光分光分析によって分析する表層分析方法であっ
て、分析する試料と同様な鉄鋼材料からなる試料表面に
ついて、所定の高エネルギー放電で連続的に放電した際
における試料表面の削れ深さと放電時間との関係を予め
求めておき、分析する試料について、上記所定の高エネ
ルギー放電で放電しながら発光分光分析で連続的に特定
波長の発光強度を測定して、放電時間の経過時間と上記
測定した発光強度に対応する元素濃度との関係、及び予
め求めた上記削れ深さと放電時間との関係によって、試
料表面に形成された層若しくは膜を分析することを特徴
とするものである。
に、本発明の発光分光分析による表層分析方法は、鉄鋼
材料からなる試料表面に形成された脱炭層や浸炭層等の
層や表面改質膜等の膜についての特定元素の濃度分布
を、発光分光分析によって分析する表層分析方法であっ
て、分析する試料と同様な鉄鋼材料からなる試料表面に
ついて、所定の高エネルギー放電で連続的に放電した際
における試料表面の削れ深さと放電時間との関係を予め
求めておき、分析する試料について、上記所定の高エネ
ルギー放電で放電しながら発光分光分析で連続的に特定
波長の発光強度を測定して、放電時間の経過時間と上記
測定した発光強度に対応する元素濃度との関係、及び予
め求めた上記削れ深さと放電時間との関係によって、試
料表面に形成された層若しくは膜を分析することを特徴
とするものである。
【0012】上記高エネルギー放放電のエネルギー容量
は、試料表面を徐々に切削可能な大きさであればよい。
そして、深く定量する場合には、エネルギー容量を大き
く設定し、また、浅く且つ精度良く求めたい場合には、
エネルギー容量を小さく設定すればよい。
は、試料表面を徐々に切削可能な大きさであればよい。
そして、深く定量する場合には、エネルギー容量を大き
く設定し、また、浅く且つ精度良く求めたい場合には、
エネルギー容量を小さく設定すればよい。
【0013】高エネルギー放電による単位時間当たりの
表面削れ量は、鉄鋼材料や削れ深さ位置等によって異な
るので、発光分光分析と同一の条件からなる高エネルギ
ー放電で、予め対象とする試料と同様な鉄鋼材料からな
る試料について表面の削れ深さと放電時間との関係を求
めておくことで、放電時間と削れ深さ、つまり、分析す
る試料表面からの深さ位置が、放電時間と一対一に対応
付けされる。
表面削れ量は、鉄鋼材料や削れ深さ位置等によって異な
るので、発光分光分析と同一の条件からなる高エネルギ
ー放電で、予め対象とする試料と同様な鉄鋼材料からな
る試料について表面の削れ深さと放電時間との関係を求
めておくことで、放電時間と削れ深さ、つまり、分析す
る試料表面からの深さ位置が、放電時間と一対一に対応
付けされる。
【0014】ここで、上記放電時間と削れ深さは一度行
って、所定の検量線を求めておけば良く、その後は、適
宜,校正をかければよい。また、試料中の炭素濃度等の
分析対象となる元素の濃度は、放電時間と削れ深さとの
関係にさほど影響を与えることはなく、主に、鉄鋼材料
の主要マトリクスで決定される。
って、所定の検量線を求めておけば良く、その後は、適
宜,校正をかければよい。また、試料中の炭素濃度等の
分析対象となる元素の濃度は、放電時間と削れ深さとの
関係にさほど影響を与えることはなく、主に、鉄鋼材料
の主要マトリクスで決定される。
【0015】そして、高エネルギ−放電で所定時間放電
を行い、連続的に発光分光分析することで、深さ方向に
連続して目的の元素濃度が測定され、その濃度分布から
脱炭深さ、膜厚等を求めることが可能となる。
を行い、連続的に発光分光分析することで、深さ方向に
連続して目的の元素濃度が測定され、その濃度分布から
脱炭深さ、膜厚等を求めることが可能となる。
【0016】つまり、研削等の前処理を必要とせずに、
1回の放電によって、特定元素についての深さ方向への
連続した濃度分布を得る。
1回の放電によって、特定元素についての深さ方向への
連続した濃度分布を得る。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第1の実施形態を
図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、表
層に脱炭層が形成されている試料を分析対象とすること
を想定して説明する。
図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、表
層に脱炭層が形成されている試料を分析対象とすること
を想定して説明する。
【0018】対象とする試料と主要化学成分が同様な鉄
鋼試料1の表面について、後述する発光分光分析と同一
条件にて、図1に示すように、高エネルギー放電を所定
時間,行い、試料1の表面の削れ深Hさと放電時間との
関係を求める。ここで、図1に示す各一点鎖線は、それ
ぞれ所定の放電時間だけ経過した際における、放電によ
って削れた研削面(ミーリング面)の状態を示すもので
ある。
鋼試料1の表面について、後述する発光分光分析と同一
条件にて、図1に示すように、高エネルギー放電を所定
時間,行い、試料1の表面の削れ深Hさと放電時間との
関係を求める。ここで、図1に示す各一点鎖線は、それ
ぞれ所定の放電時間だけ経過した際における、放電によ
って削れた研削面(ミーリング面)の状態を示すもので
ある。
【0019】上記関係は、所定放電時間単位に、その時
の削れ深さHをダイヤルゲージ等で測定し、放電時間と
削り深さとを対応付けることで求める。放電による表面
の切削は、電極2の直下部分が一番削られるが、その部
分からの発光強度が一番大きいことを考慮して、電極2
の直下部分での深さを上記削れ深さHとする。
の削れ深さHをダイヤルゲージ等で測定し、放電時間と
削り深さとを対応付けることで求める。放電による表面
の切削は、電極2の直下部分が一番削られるが、その部
分からの発光強度が一番大きいことを考慮して、電極2
の直下部分での深さを上記削れ深さHとする。
【0020】上記求めた削れ深さHと放電時間との関係
は、例えば、図2に表されるような曲線の関係として求
められる。これは、削られるにつれて単位放電時間に対
する削られる量(蒸発する量)が一定ではなく、また、
所定深さで飽和してしまうからである。図2では、0.
1mm程度で飽和した例である。
は、例えば、図2に表されるような曲線の関係として求
められる。これは、削られるにつれて単位放電時間に対
する削られる量(蒸発する量)が一定ではなく、また、
所定深さで飽和してしまうからである。図2では、0.
1mm程度で飽和した例である。
【0021】また、上記試料1として、数段階の炭素濃
度からなる複数の炭素濃度既知試料(芯部まで炭素濃度
が均一な既知の標準試料)を使用し、各既知試料につい
て、放電による発光を分光器3で分光し、波長で炭素の
スペクトルを特定して、そのスペクトルの発光強度(検
出強度)を求めることで、炭素濃度と検出強度とが関係
付けられる。この検出強度と炭素濃度との関係は、ほぼ
一次の比例関係にある。もっとも、検出強度と炭素濃度
との関係は既存のデータを使用してもよい。
度からなる複数の炭素濃度既知試料(芯部まで炭素濃度
が均一な既知の標準試料)を使用し、各既知試料につい
て、放電による発光を分光器3で分光し、波長で炭素の
スペクトルを特定して、そのスペクトルの発光強度(検
出強度)を求めることで、炭素濃度と検出強度とが関係
付けられる。この検出強度と炭素濃度との関係は、ほぼ
一次の比例関係にある。もっとも、検出強度と炭素濃度
との関係は既存のデータを使用してもよい。
【0022】このように、放電時間と削れ深さHとの関
係、及び、検出強度(特定波長スペクトルの発光強度)
と炭素濃度との関係が求められ、これらの関係式を、予
め分析装置若しくは分析装置に接続するコンピュータ等
にに設定しておく。
係、及び、検出強度(特定波長スペクトルの発光強度)
と炭素濃度との関係が求められ、これらの関係式を、予
め分析装置若しくは分析装置に接続するコンピュータ等
にに設定しておく。
【0023】そして、分析対象の試料について、上記と
同一条件の所定の高エネルギー放電で放電しながら、所
定時間単位(例えば,1秒単位)毎に連続して検出強度
を測定し、放電時間の経過時間から削れ深さH、つまり
表面からの深さを求めると共に、その放電時間の所定経
過時間での検出強度から、その深さの炭素濃度を求め
る。
同一条件の所定の高エネルギー放電で放電しながら、所
定時間単位(例えば,1秒単位)毎に連続して検出強度
を測定し、放電時間の経過時間から削れ深さH、つまり
表面からの深さを求めると共に、その放電時間の所定経
過時間での検出強度から、その深さの炭素濃度を求め
る。
【0024】これによって、表面から深さ方向への連続
した炭素濃度の分布が求められ、その炭素濃度の勾配が
所定量飽和した位置から脱炭層の深さが求められる。こ
のように、本実施形態では、従来の発光分光分析法によ
る表層の分析とは異なり、一回の連続した放電によっ
て、深さ方向への連続した炭素の濃度分布を求めること
ができるため、短時間に且つ簡便に、しかも精度良く表
層の分析が可能となる。
した炭素濃度の分布が求められ、その炭素濃度の勾配が
所定量飽和した位置から脱炭層の深さが求められる。こ
のように、本実施形態では、従来の発光分光分析法によ
る表層の分析とは異なり、一回の連続した放電によっ
て、深さ方向への連続した炭素の濃度分布を求めること
ができるため、短時間に且つ簡便に、しかも精度良く表
層の分析が可能となる。
【0025】また、深さ方向への連続した特定元素の濃
度分布を求めることができることから、次に示すような
表層の分析も行うこともできるようになる。 偏析等の欠陥を正しく求めることができる。
度分布を求めることができることから、次に示すような
表層の分析も行うこともできるようになる。 偏析等の欠陥を正しく求めることができる。
【0026】表面改質膜等における皮膜元素の素地へ
の界面拡散状況が連続的に検出されるので、成膜強度も
判断できるようになる。例えば、皮膜主要成分の元素が
深さ方向に連続的に拡散し、なだらかに変化しているほ
ど、強い膜厚強度と判定する。
の界面拡散状況が連続的に検出されるので、成膜強度も
判断できるようになる。例えば、皮膜主要成分の元素が
深さ方向に連続的に拡散し、なだらかに変化しているほ
ど、強い膜厚強度と判定する。
【0027】ここで、上記実施形態では、一回の放電で
炭素濃度の分布だけを測定しているが、一回の放電で、
二種類以上の特定の元素の濃度を測定するように設定し
てもよい。
炭素濃度の分布だけを測定しているが、一回の放電で、
二種類以上の特定の元素の濃度を測定するように設定し
てもよい。
【0028】また、目標とする層の深さに応じて、上記
放電時の高エネルギー容量を設定すればよい。次に、表
層に改質皮膜が形成されている場合に例について説明す
る。なお、上記実施形態と同様な部材等については、同
一の符号を使用してその説明を省略する。
放電時の高エネルギー容量を設定すればよい。次に、表
層に改質皮膜が形成されている場合に例について説明す
る。なお、上記実施形態と同様な部材等については、同
一の符号を使用してその説明を省略する。
【0029】ここで、図3に示すように、高エネルギー
放電で削れる飽和深さが膜厚t以上であれば、皮膜1a
の発光強度と素地1b(皮膜の下地)の発光強度を検出
することができる。
放電で削れる飽和深さが膜厚t以上であれば、皮膜1a
の発光強度と素地1b(皮膜の下地)の発光強度を検出
することができる。
【0030】上記第1の実施形態と同様に、予め放電時
間と削れ深さHの間の関係を求めて分析装置に設定して
おき、同一条件の高エネルギー放電で所定時間放電し
て、連続して検出強度(皮膜の主要元素の波長スペクト
ルについての発光強度)と放電時間(削れ深さH)との
関係を求める。
間と削れ深さHの間の関係を求めて分析装置に設定して
おき、同一条件の高エネルギー放電で所定時間放電し
て、連続して検出強度(皮膜の主要元素の波長スペクト
ルについての発光強度)と放電時間(削れ深さH)との
関係を求める。
【0031】このとき、膜厚tと検出強度は、図4に示
すように削れ深さHが増すにつれ検出強度は下がる関係
にあるので、発光強度の変化量から皮膜1aの厚さtを
求めることができる。
すように削れ深さHが増すにつれ検出強度は下がる関係
にあるので、発光強度の変化量から皮膜1aの厚さtを
求めることができる。
【0032】すなわち、検出強度が飽和した位置Aを皮
膜1aの厚さとすればよい。なお、素地1bにも測定対
象の元素が拡散しているので、所定飽和状態を皮膜1a
と素地1bとの境界に設定する。
膜1aの厚さとすればよい。なお、素地1bにも測定対
象の元素が拡散しているので、所定飽和状態を皮膜1a
と素地1bとの境界に設定する。
【0033】さらに、同種類の皮膜について、予め膜厚
tが分かっている数種類の試料に対して上記分析を行
い、膜厚tと検出強度が飽和する際の当該検出強度Kと
の関係を求めて、膜厚tと飽和時の検出強度Kとの間の
関係を求めておく。この膜厚tと飽和時の検出強度Kと
の関係は、後述するように一次の比例関係となる。
tが分かっている数種類の試料に対して上記分析を行
い、膜厚tと検出強度が飽和する際の当該検出強度Kと
の関係を求めて、膜厚tと飽和時の検出強度Kとの間の
関係を求めておく。この膜厚tと飽和時の検出強度Kと
の関係は、後述するように一次の比例関係となる。
【0034】そして、対象とする試料1について、高エ
ネルギー放電で所定時間だけ連続して放電して検出強度
が飽和したときの検出強度Kを求め、上記膜厚tと飽和
時の検出強度Kとの関係から膜厚tを求める。
ネルギー放電で所定時間だけ連続して放電して検出強度
が飽和したときの検出強度Kを求め、上記膜厚tと飽和
時の検出強度Kとの関係から膜厚tを求める。
【0035】この場合には、単位時間当たりの検出強度
の変化で飽和の有無を判定すれば良く、放電時間を使用
する必要がない。
の変化で飽和の有無を判定すれば良く、放電時間を使用
する必要がない。
【0036】
【実施例】〔第1実施例〕まず、表層に脱炭層が形成さ
れている場合についての本発明の第1の実施例について
述べる。
れている場合についての本発明の第1の実施例について
述べる。
【0037】表1に、実施例1に用いた試験片の主要化
学成分を示す(試料1寸法はφ60mm×8mmの円盤
試験片)。
学成分を示す(試料1寸法はφ60mm×8mmの円盤
試験片)。
【0038】
【表1】
【0039】最初に、表1の高炭素クローム鋼2種(S
UJ2)の試験片を用いて、高エネルギー容量(10μ
F×1000V)で最大削られる深さについて実験を行
なったところ、上記図2に示す結果を得た。
UJ2)の試験片を用いて、高エネルギー容量(10μ
F×1000V)で最大削られる深さについて実験を行
なったところ、上記図2に示す結果を得た。
【0040】なお、既存の発光分析装置では、コンデン
サー容量が10μFで電圧が1000V程度が限界であ
るため、この最高値である高エネルギー容量(10μF
×1000V)に設定したものであるが、より高エネル
ギー容量を出力可能な装置を用意することで、エネルギ
ー容量は高く設定可能である。
サー容量が10μFで電圧が1000V程度が限界であ
るため、この最高値である高エネルギー容量(10μF
×1000V)に設定したものであるが、より高エネル
ギー容量を出力可能な装置を用意することで、エネルギ
ー容量は高く設定可能である。
【0041】上記図2から分かるように、60sec程
度放電を行うと削れ深さHは飽和し最大で0.1mm程
度削られる。すなわち、この場合には、最大で0.1m
mまでの脱炭層が分析できることが分かる。
度放電を行うと削れ深さHは飽和し最大で0.1mm程
度削られる。すなわち、この場合には、最大で0.1m
mまでの脱炭層が分析できることが分かる。
【0042】分析条件は、10μF×1000Vのエネ
ルギー容量で連続して放電し、上記実施形態と同様にし
て、予め、検出強度と元素濃度との関係、及び、放電時
間(分析時間)と削れ深さHとの関係を求め、分析装置
に設定しておく。
ルギー容量で連続して放電し、上記実施形態と同様にし
て、予め、検出強度と元素濃度との関係、及び、放電時
間(分析時間)と削れ深さHとの関係を求め、分析装置
に設定しておく。
【0043】そして、実際の試料(脱炭している試料)
を用いて、上記実施形態で説明した方法で、検出強度
(元素濃度)と放電時間(表面からの深さ)との関係を
求めたたところ、図5に示す結果を得た。
を用いて、上記実施形態で説明した方法で、検出強度
(元素濃度)と放電時間(表面からの深さ)との関係を
求めたたところ、図5に示す結果を得た。
【0044】図5中、実線がその測定結果である。丸印
及び破線は、比較のために従来の測定方法で測定した結
果である。従来の測定方法とは、予めマイクロメーター
で厚さを測定してから表面を発光分光分析で分析し、続
いて分析面を平面研削盤で目的する深さまで研削して研
削面について発光分光分析で分析する。これを繰り返す
ことで、目的とする深さまで分析を行なう。なお、測定
面の深さは研削前後の試料の厚さの差から算出する。
及び破線は、比較のために従来の測定方法で測定した結
果である。従来の測定方法とは、予めマイクロメーター
で厚さを測定してから表面を発光分光分析で分析し、続
いて分析面を平面研削盤で目的する深さまで研削して研
削面について発光分光分析で分析する。これを繰り返す
ことで、目的とする深さまで分析を行なう。なお、測定
面の深さは研削前後の試料の厚さの差から算出する。
【0045】この図5から分かるように、本発明に基づ
く簡便な方法であっても、従来の測定方法と同様な測定
精度を持っていることが分かる。〔第2実施例〕次に、
表層を改質皮膜で形成した場合についての本発明の第2
の実施例について述べる。本実施例は、表層に改質皮膜
が形成されている場合についてのものである。
く簡便な方法であっても、従来の測定方法と同様な測定
精度を持っていることが分かる。〔第2実施例〕次に、
表層を改質皮膜で形成した場合についての本発明の第2
の実施例について述べる。本実施例は、表層に改質皮膜
が形成されている場合についてのものである。
【0046】まず実験に用いる試験片として、クロム皮
膜およびニッケル皮膜それぞれ5種類の厚さの試験片を
作成した。試験片は、予めJISの顕微鏡法(JISH
8501−1988)にて膜厚tの測定を行った。その
結果を表2に示す。
膜およびニッケル皮膜それぞれ5種類の厚さの試験片を
作成した。試験片は、予めJISの顕微鏡法(JISH
8501−1988)にて膜厚tの測定を行った。その
結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】次に、表1の高炭素クローム鋼2種(マト
リックス主としてFe)と試料NO.5(クローム皮膜8
0μm)および試料1NO. 10(ニッケル皮膜82μ
m)の試験片を用いて放電時間と最大に削られる深さに
ついて実験を行った。
リックス主としてFe)と試料NO.5(クローム皮膜8
0μm)および試料1NO. 10(ニッケル皮膜82μ
m)の試験片を用いて放電時間と最大に削られる深さに
ついて実験を行った。
【0049】分析条件は、分析条件を表3に示す通りで
ある。
ある。
【0050】
【表3】
【0051】放電時間と削れ深さHとの測定結果は、図
6となった。これは、各金属に対して、高エネルギー、
アークライト、ノーマル放電の三種類のエネルギー容量
で行ったものである。
6となった。これは、各金属に対して、高エネルギー、
アークライト、ノーマル放電の三種類のエネルギー容量
で行ったものである。
【0052】この図6から分かるように、鉄、クロー
ム、ニッケルともにエネルギ−容量が高い程深く削ら
れ、マトリクッスによって若干,削れ深さHに差がある
がニッケル<クローム<鉄の順になった。
ム、ニッケルともにエネルギ−容量が高い程深く削ら
れ、マトリクッスによって若干,削れ深さHに差がある
がニッケル<クローム<鉄の順になった。
【0053】そして、実際の測定の前に、予め厚み既知
の標準試料(クローム皮膜処理品NO. 1〜NO. 4、及び
ニッケル皮膜処理品NO. 6〜NO. 9)を用いて、上記実
施形態で説明したようにして、膜厚の主成分(Cr又は
Ni)と飽和時の検出強度との関係を求めた。その結果
を、図7及び図8に示す。
の標準試料(クローム皮膜処理品NO. 1〜NO. 4、及び
ニッケル皮膜処理品NO. 6〜NO. 9)を用いて、上記実
施形態で説明したようにして、膜厚の主成分(Cr又は
Ni)と飽和時の検出強度との関係を求めた。その結果
を、図7及び図8に示す。
【0054】次に、膜厚未知試料について、高エネルギ
ー放電で所定時間放電して連続的に検出強度を求め、そ
の検出強度が飽和した値に対応する各膜厚を、上記図7
若しくは図8を使用して求めてみた。
ー放電で所定時間放電して連続的に検出強度を求め、そ
の検出強度が飽和した値に対応する各膜厚を、上記図7
若しくは図8を使用して求めてみた。
【0055】その結果を表4の上段に示す。
【0056】
【表4】
【0057】確認のため、同じ膜厚未知試料について膜
厚をJISの顕微鏡で求めてみたところ、上記表4の下
段に示すように、同程度の厚さを得た。これから、本発
明に基づく膜厚測定であっても、精度よく膜厚を求める
ことができることが分かる。
厚をJISの顕微鏡で求めてみたところ、上記表4の下
段に示すように、同程度の厚さを得た。これから、本発
明に基づく膜厚測定であっても、精度よく膜厚を求める
ことができることが分かる。
【0058】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に基づ
く、発光分光分析による表層分析方法を採用すると、一
回の連続した放電だけで簡便に且つ精度良く、脱炭層の
深さや膜厚等の表層等の表層の分析を行うことができ
る。
く、発光分光分析による表層分析方法を採用すると、一
回の連続した放電だけで簡便に且つ精度良く、脱炭層の
深さや膜厚等の表層等の表層の分析を行うことができ
る。
【0059】しかも簡便であるにも関わらず、特定元素
について深さ方向に連続した濃度分布(濃度勾配)を求
めることが可能である。
について深さ方向に連続した濃度分布(濃度勾配)を求
めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る高エネルギー放電に
よる削れ深さを示す図である。
よる削れ深さを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る放電時間と削れ深さ
との関係を示す図である。
との関係を示す図である。
【図3】表層に改質皮膜がある場合における発光強度の
状態を示す図である。
状態を示す図である。
【図4】皮膜の厚さと検出強度との関係を示す図であ
る。
る。
【図5】高エネルギー放電と従来法による脱炭層の炭素
濃度分布の分析結果を示す図である。
濃度分布の分析結果を示す図である。
【図6】各元素における放電容量と削られる深さの関係
を示す図であり、(a)は鉄の場合を、(b)はクロム
の場合を、(c)はニッケルの場合を示す。
を示す図であり、(a)は鉄の場合を、(b)はクロム
の場合を、(c)はニッケルの場合を示す。
【図7】クロム皮膜における飽和時の検出強度と膜厚と
の関係を示す図である。
の関係を示す図である。
【図8】ニッケル皮膜における飽和時の検出強度と膜厚
との関係を示す図である。
との関係を示す図である。
【符号の説明】 1 試料 2 電極 H 削れ深さ
Claims (1)
- 【請求項1】 鉄鋼材料からなる試料表面に形成された
脱炭層や浸炭層等の層や表面改質膜等の膜についての特
定元素の濃度分布を、発光分光分析によって分析する表
層分析方法であって、 分析する試料と同様な鉄鋼材料からなる試料表面につい
て、所定の高エネルギー放電で連続的に放電した際にお
ける試料表面の削れ深さと放電時間との関係を予め求め
ておき、 分析する試料について、上記所定の高エネルギー放電で
放電しながら発光分光分析で連続的に特定波長の発光強
度を測定して、放電時間の経過時間と上記測定した発光
強度に対応する元素濃度との関係、及び予め求めた上記
削れ深さと放電時間との関係によって、試料表面に形成
された層若しくは膜を分析することを特徴とする発光分
光分析による表層分析方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15628798A JPH11352061A (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 発光分光分析による表層分析方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15628798A JPH11352061A (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 発光分光分析による表層分析方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11352061A true JPH11352061A (ja) | 1999-12-24 |
Family
ID=15624521
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15628798A Pending JPH11352061A (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 発光分光分析による表層分析方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11352061A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012108003A (ja) * | 2010-11-17 | 2012-06-07 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | Cr含有合金の浸炭深さ測定方法 |
| RU2607297C1 (ru) * | 2015-07-15 | 2017-01-10 | Общество с ограниченной ответственностью "Аквамодуль" | Способ определения эффективной толщины диффузионного слоя |
| CN111487272A (zh) * | 2020-04-21 | 2020-08-04 | 中国航发沈阳发动机研究所 | 一种航空发动机涡轮叶片表面产物层分析方法 |
-
1998
- 1998-06-04 JP JP15628798A patent/JPH11352061A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012108003A (ja) * | 2010-11-17 | 2012-06-07 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | Cr含有合金の浸炭深さ測定方法 |
| RU2607297C1 (ru) * | 2015-07-15 | 2017-01-10 | Общество с ограниченной ответственностью "Аквамодуль" | Способ определения эффективной толщины диффузионного слоя |
| CN111487272A (zh) * | 2020-04-21 | 2020-08-04 | 中国航发沈阳发动机研究所 | 一种航空发动机涡轮叶片表面产物层分析方法 |
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