JPH1135659A - 樹脂組成物、プリプレグおよびプリント配線基板とその製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、プリプレグおよびプリント配線基板とその製造方法

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JPH1135659A
JPH1135659A JP9191213A JP19121397A JPH1135659A JP H1135659 A JPH1135659 A JP H1135659A JP 9191213 A JP9191213 A JP 9191213A JP 19121397 A JP19121397 A JP 19121397A JP H1135659 A JPH1135659 A JP H1135659A
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JP
Japan
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epoxy resin
glycidyl ether
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type epoxy
resin
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JP9191213A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Kawakita
嘉洋 川北
Hideo Hatanaka
秀夫 畠中
Kazunori Sakamoto
和徳 坂本
Masao Hasegawa
正生 長谷川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体のパッケージングやCOB等の実装技
術の進化に伴い求められている、低吸湿性および低誘電
率を有する、封止剤用およびプリント配線基板の絶縁層
用樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 ナフトール変性グリシジルエーテル型ま
たはビフェニル基を含むグリシジルエーテル型のエポキ
シ樹脂と前記エポキシ樹脂のグリシジルエーテル基を水
酸基により置換した以外は同一の化学構造を有する硬化
剤とを含んでなる電気絶縁用樹脂組成物、ならびにグリ
シジルエーテル型エポキシ樹脂と前記エポキシ樹脂のグ
リシジルエーテル基を水酸基により置換した以外は同一
の化学構造を有する硬化剤とを含む熱硬化性樹脂組成物
を基材に含浸させて乾燥したプリプレグ、およびこの熱
可塑性樹脂塑性物を絶縁層に用いたプリント配線基板と
その製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂組成物、プリ
プレグおよびプリント配線基板とその製造方法に関し、
さらに詳しくは、半導体封止剤およびプリント配線基板
の絶縁層に使用する電気絶縁用熱硬化性樹脂組成物、プ
リント配線基板の絶縁層形成用材料として使用するプリ
プレグ、さらに、各種電子機器に用いるプリント配線基
板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器は、小型軽量化は当然の
こととして、高機能化のため電子回路のデジタル化や、
高速化が一段と求められ、これら電子機器に搭載するた
めの半導体やプリント配線基板も、より高密度なものが
要求されている。それ故、新規な電子機器の開発には、
これらの半導体やプリント配線基板そのものの開発や、
それらの実装技術の改良も重要な要素となっている。
【0003】半導体は、周知の通り、集積度の増大と高
機能化のため狭ピッチ、多ピン化がますます進展してお
り、ハンダによる従来の実装方法では、狭ピッチ、多ピ
ン化の要請に答えることが困難となっている。そこで、
チップサイズパッケージ(CSP)や、パッケージでは
なく半導体を直接基板に実装するチップオンボード(C
OB)等の実装技術の開発が検討されている。一方、プ
リント配線基板も、上記のような状況に鑑み、その小型
軽量化はもちろんのこと、高性能化および高密度実装化
がより強く要求されている。したがって、今後の電子機
器のより一層の小型軽量化および高機能化を実現する上
で、プリント配線基板技術を含む新しい実装技術の開発
が重要なポイントとなる。
【0004】通常、半導体チップのパッケージやチップ
部品等を表面実装する際、それらを外部環境から保護す
る封止剤としてエポキシ樹脂が使用されている。この封
止剤に起こる問題の1つはクラックであり、クラックの
主たる原因はエポキシ樹脂の吸湿である。また、エポキ
シ樹脂の吸湿は、部品電極の腐食やマイグレーションの
原因になり、誘電率および誘電損失の増加にも影響す
る。そのため、封止剤に求められるエポキシ樹脂の物性
の中では、低吸湿性が最も重要である。従来、封止剤用
エポキシ樹脂にはフェノールノボラック型やクレゾール
ノボラック型の低吸湿性エポキシ樹脂が用いられてき
た。また、硬化剤にも吸湿性の大きなアミン系のものは
使用されず、酸無水物やフェノールノボラックが使用さ
れており、現在も低吸水性エポキシ樹脂や硬化剤の開発
が盛んに行われている。
【0005】プリント配線基板の絶縁層も、エポキシ樹
脂とガラス織布やアラミド不織布とのコンポジット成形
体であるが、使用されるエポキシ樹脂には、封止剤レベ
ルの低湿性は要求されておらず、むしろ耐熱性を向上さ
せる開発が進められている。しかし、今後COBの実現
や基板が高周波回路に採用されることを考慮すると、吸
湿がプリント配線基板においても必ず最も重要な問題と
なると考えられる。特に吸湿による誘電率および誘電損
失の変化は、高速化チップの実装や高周波回路の設計を
制約する。したがって、プリント配線基板においても耐
吸湿性を前提とした開発が重要であり、封止剤に要求さ
れるのと同じレベルの低吸湿化が必要になると予想され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、封止剤
に用いるエポキシ樹脂や硬化剤の低吸湿化については個
々に開発が進んでおり、エポキシ樹脂および硬化剤その
ものの吸湿性はかなり小さくなっている。しかし、低吸
湿性のエポキシ樹脂および硬化剤は高価であり、さらに
エポキシ樹脂硬化体の構造を考慮した効果的なエポキシ
樹脂と硬化剤との組み合わせについての研究は十分でな
いため、単体では優れているそれらの低吸湿性が硬化体
では十分に発揮されていないようである。
【0007】一方、プリント配線基板に用いるエポキシ
樹脂および硬化剤の低吸湿化は十分でない。その理由
は、基材に、ほとんど吸湿性のないガラス系基材が用い
られることが一般的であり、絶縁層樹脂に対する低吸湿
化の要求は封止剤ほどではないためである。しかし、今
後、COB等の開発が促進されると、低誘電率および低
誘電損失の樹脂や繊維が基材に使用されることは間違い
なく、プリント配線基板に対する低吸湿化の要求は封止
剤レベルまで強まるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1に本発明は、ナフトール変性グリシジルエーテ
ル型エポキシ樹脂およびビフェニル基を含むグリシジル
エーテル型エポキシ樹脂からなる群から選択された少な
くとも1種のエポキシ樹脂と、前記エポキシ樹脂のグリ
シジルエーテル基を水酸基により置換した以外は同一の
化学構造を有する硬化剤とを含んでなる熱硬化性樹脂組
成物を提供する。このようなエポキシ樹脂と硬化剤との
組み合わせを用いると、エポキシ樹脂硬化体の化学構造
が均質となり、吸湿性の未反応水酸基の残存率が減少す
るため、優れた低吸湿性および誘電特性を有する、電気
絶縁用として有用な樹脂組成物が得られる。
【0009】第2に、本発明は、基材と、前記基材に含
浸されたグリシジルエーテル型エポキシ樹脂と前記エポ
キシ樹脂のグリシジルエーテル基を水酸基により置換し
た以外は同一の化学構造を有する硬化剤とを含む熱硬化
性樹脂組成物とからなるプリプレグを提供する。このよ
うなエポキシ樹脂と硬化剤との組み合わせを用いると、
エポキシ樹脂硬化体の化学構造が均質となり、吸湿性の
未反応水酸基の残存率が減少するため、優れた低吸湿性
および誘電特性を有するプリプレグが得られる。
【0010】第3に、本発明は、熱硬化性樹脂組成物ま
たは前記樹脂組成物を含浸した基材から形成された少な
くとも1層の絶縁層と、前記絶縁層の少なくとも1層の
表面に形成された回路パターンとを有するプリント配線
基板であって、前記樹脂組成物は、グリシジルエーテル
型エポキシ樹脂と、前記エポキシ樹脂のグリシジルエー
テル基を水酸基により置換した以外は同一の化学構造を
有する硬化剤とを含んでなるプリント配線基板を提供す
る。このようなエポキシ樹脂と硬化剤との組み合わせを
用いると、エポキシ樹脂硬化体の化学構造が均質とな
り、吸湿性の未反応水酸基の残存率が減少するため、優
れた低吸湿性および誘電特性を有するプリント配線基板
が得られる。
【0011】第4に、本発明は、基材に、グリシジルエ
ーテル型エポキシ樹脂と前記エポキシ樹脂のグリシジル
エーテル基を水酸基により置換した以外は同一の化学構
造を有する硬化剤とを含む熱硬化性樹脂組成物を含浸
し、乾燥し、次いで、前記樹脂組成物を含浸した前記基
材に、前記樹脂組成物とは異なる樹脂組成物を含浸し、
乾燥してプリプレグを作成する工程、前記プリプレグの
少なくとも一方の面に金属箔を熱圧着する工程、回路パ
ターンを形成する工程を含んでなるプリント配線基板の
製造方法を提供する。この製造方法によれば、基材を低
吸湿性のエポキシ樹脂硬化体が覆うことができるため、
基材と樹脂との界面における水の介在を防ぎ、優れた低
吸湿性および誘電特性を有する配線基板を製造すること
ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、
ナフトール変性グリシジルエーテル型エポキシ樹脂およ
びビフェニル基を含むグリシジルエーテル型エポキシ樹
脂からなる群から選択された少なくとも1種のエポキシ
樹脂と、このエポキシ樹脂のグリシジルエーテル基を水
酸基により置換した以外は同一の化学構造を有する硬化
剤とを含んでなる。硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂1
00重量部当たり、50〜80重量部、好ましくは60
〜75重量部である。このような配合量で硬化剤を用い
ると、十分な硬化性能が得られる。
【0013】ナフトール変性グリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂は、ナフタレン骨格を樹脂に導入してエポキシ
当量を大きくした樹脂であり、硬化体中に含まれる、エ
ーテル基、水酸基等の親水性基の割合を減少させた低吸
湿性エポキシ樹脂である。さらに硬化剤もこのエポキシ
樹脂のグリシジルエーテル基を水酸基により置換した以
外は同一の化学構造を有するので、親水性基の割合が小
さく、低吸湿性である。
【0014】このように、エポキシ樹脂の骨格と硬化剤
の骨格とを同じ構造とすることで、エポキシ基と水酸基
とが効率よく反応し、硬化体における吸湿性未反応水酸
基の残存率を減少することができる。それ故、それぞれ
を単独に用いた場合より、さらに低吸湿性であり、誘電
特性にも優れた硬化体を与える樹脂組成物を提供でき
る。また、上記のエポキシ樹脂および硬化剤を用いた場
合、エポキシ基と水酸基との反応点、すなわち架橋点が
少なくなるので、硬化体の架橋密度が減少する。その結
果、硬化体が柔軟になり、接着性も向上する。なお、臭
素化されたナフトール変性グリシジルエーテル型エポキ
シ樹脂と臭素化された前記エポキシ樹脂のグリシジルエ
ーテル基を水酸基により置換した以外は同一の化学構造
を有する硬化剤とを組み合わせてもよく、前記と同様の
効果が得られ、難燃性も付与できる。
【0015】ビフェニル基を含むグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂は、ビフェニル骨格をエポキシ樹脂に導入
してエポキシ当量を大きくした樹脂であり、上記のナフ
トール変性グリシジルエーテル型エポキシ樹脂と同様に
低吸湿性エポキシ樹脂である。さらに、この樹脂はビフ
ェニル骨格におけるベンゼン環の自由回転が立体障害に
より束縛され、分子がパッキングした硬化体を形成しや
すい。そのため、水を透過しにくい構造を持つ硬化体を
与える。
【0016】ビフェニル基を含むグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂のグリシジルエーテル基を水酸基により置
換した以外は同一の化学構造を有する硬化剤も上記の効
果を奏するので、低吸湿性である。したがって、これら
のエポキシ樹脂の骨格と硬化剤の骨格とを同じ構造とす
ることで、前記のナフトール変性グリシジルエーテル型
エポキシ樹脂の場合と同様の効果を奏することになり、
それぞれを単独に用いた場合より、さらに低吸湿性であ
り、誘電特性にも優れた硬化体を与える樹脂組成物を提
供できる。接着性についても前記のナフトール変性グリ
シジルエーテル型エポキシ樹脂の場合と同様に向上す
る。なお、ビフェニル基を含むグリシジルエーテル型エ
ポキシ樹脂の臭素化物と前記エポキシ樹脂のグリシジル
エーテル基を水酸基により置換した以外は同一の化学構
造を有する硬化剤の臭素化物とを組み合わせてもよく、
前記と同様の効果が得られ、難燃性も付与できる。
【0017】また、本発明のプリプレグは、基材に、グ
リシジルエーテル型エポキシ樹脂と前記エポキシ樹脂の
グリシジルエーテル基を水酸基により置換した以外は同
一の化学構造を有する硬化剤とを含む熱硬化性樹脂組成
物を含浸し、乾燥したプリプレグである。既に説明した
ように、エポキシ樹脂の骨格と硬化剤の骨格とを同じ構
造とすることで、エポキシ基と水酸基とが効率よく反応
し、硬化体における吸湿性未反応水酸基の残存率を減少
することができる。それ故、本発明のプリプレグは、吸
湿量が少なく、ひいては誘電特性にも優れている。
【0018】低コストにするためには、グリシジルエー
テル型エポシキ樹脂として汎用性のエポキシ樹脂を用い
ることが好ましく、例えば、グリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂が、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、
ビスフェノールFジグリシジルエーテル、テトラブロモ
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、フェノールノ
ボラックグリシジルエーテル、およびクレゾールノボラ
ックグリシジルエーテルからなる群から選択された少な
くとも1種であることが好ましい。コストよりプリプレ
グの低吸湿性を重視する場合は、エポシキ樹脂としてナ
フトール変性グリシジルエーテル型エポキシ樹脂および
ビフェニルノボラックグリシジルエーテル型エポキシ樹
脂の少なくとも一方を用いることが好ましい。
【0019】前記基材としては、従来から用いられてい
る基材が使用できるが、好ましくは、ガラス織布、ガラ
ス不織布、全芳香族ポリエステル不織布、アラミド織布
およびアラミド不織布からなる群から選ばれる。基材に
対する樹脂の含浸および乾燥の条件や、樹脂の含浸量
は、従来のプリプレグと同様であってよい。
【0020】本発明のプリント配線基板は、熱硬化性樹
脂組成物または前記樹脂組成物を含浸させた基材から形
成された少なくとも1層の絶縁層と、前記絶縁層の少な
くとも1層の表面に形成された回路パターンとを有し、
前記樹脂組成物は、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂
と、前記エポキシ樹脂のグリシジルエーテル基を水酸基
により置換した以外は同一の化学構造を有する硬化剤と
を含んでなる。
【0021】先に説明したように、エポキシ樹脂の骨格
と硬化剤の骨格とを同じ構造とすることで、エポキシ基
と水酸基とが効率よく反応し、硬化体における吸湿性未
反応水酸基の残存率を減少させることができる。それ
故、本発明のプリント配線基板は、吸湿量が少なく、ひ
いては誘電特性にも優れている。
【0022】低コストにするためには、グリシジルエー
テル型エポシキ樹脂として汎用性のエポキシ樹脂を用い
ることが好ましく、例えば、グリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂が、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、
ビスフェノールFジグリシジルエーテル、テトラブロモ
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、フェノールノ
ボラックグリシジルエーテル、およびクレゾールノボラ
ックグリシジルエーテルからなる群から選択された少な
くとも1種であることが好ましい。
【0023】コストよりプリント配線基板の低吸湿性を
重視する場合は、エポシキ樹脂としてナフトール変性グ
リシジルエーテル型エポキシ樹脂およびビフェニルノボ
ラックグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の少なくとも
一方を用いることが好ましい。これらのエポシキ樹脂を
用いた場合、前記のように、樹脂の接着性が向上するの
で、金属と基材との接着性も改善される。
【0024】プリント配線基板を作成するための基材と
しては、従来から使用されている基材が使用できるが、
好ましくは、ガラス織布、ガラス不織布、全芳香族ポリ
エステル不織布、アラミド織布およびアラミド不織布か
らなる群から選ばれる。基材に対する樹脂の含浸および
乾燥の条件や、樹脂の含浸量は、従来のプリント配線基
材の場合と同様であってよい。回路パターンは、通常、
金属箔または金属メッキによって形成するが、導電性ペ
ーストから形成してもよい。回路パターンを形成する金
属は、好ましくは、銅、金、銀、ニッケルおよびハンダ
からなる群から選択された少なくとも1種である。回路
パターンは、従来技術のプリント配線基板の場合と同様
に形成できる。
【0025】また、本発明のプリント配線基板は、好ま
しくは、以下の工程:基材に、グリシジルエーテル型エ
ポキシ樹脂と前記エポキシ樹脂のグリシジルエーテル基
を水酸基により置換した以外は同一の化学構造を有する
硬化剤とを含む熱硬化性樹脂組成物を含浸し、乾燥し、
次いで、前記樹脂組成物を含浸した前記基材に、前記樹
脂組成物とは異なる樹脂組成物を含浸し、乾燥してプリ
プレグを作成する工程、前記プリプレグの少なくとも一
方の面に金属箔を熱圧着する工程、回路パターンを形成
する工程を含んでなる方法により製造される。
【0026】前記のように、エポキシ樹脂の骨格と硬化
剤の骨格とを同じ構造とすることで、エポキシ基と水酸
基とが効率よく反応し、硬化体における吸湿性未反応水
酸基の残存率を減少させることができる。この製造方法
によれば、低吸湿性と、優れた誘電特性を有するエポキ
シ樹脂硬化体によって基材表面を覆うことができるの
で、基材と樹脂との界面に水分子が介在しにくくなる。
その結果、低吸湿性かつ誘電特性に優れたプリント配線
基板を製造することができる。
【0027】前記プリプレグを作成する工程において、
1回目の樹脂の含浸量を基材重量に対して5重量%以上
とすることが好ましい。1回目の樹脂含浸量が5重量%
より少ないと、樹脂が基材表面を効果的に覆うことがで
きない。
【0028】上記の含浸量以外は、上記各工程での条件
は、従来のプリント配線基材の製法の場合と同じであっ
てよい。2回目の含浸工程で用いる樹脂組成物は、1回
目の含浸工程で用いた樹脂組成物と異なってさえいれ
ば、どのような樹脂組成物でもよく、好ましくはエポキ
シ樹脂組成物である。2回目の含浸工程での樹脂組成物
の含浸量は、一般にプリプレグの総重量に対して50〜
60重量%である。なお、2回目の含浸を、所定の含浸
量になるまで、複数回繰り返してもよい。
【0029】低コストにするためには、グリシジルエー
テル型エポシキ樹脂として汎用性のエポキシ樹脂を用い
ることが好ましく、例えば、グリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂が、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、
ビスフェノールFジグリシジルエーテル、テトラブロモ
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、フェノールノ
ボラックグリシジルエーテル、およびクレゾールノボラ
ックグリシジルエーテルからなる群から選択された少な
くとも1種であることが好ましい。
【0030】コストよりプリント配線基板の低吸湿性を
重視する場合は、エポシキ樹脂としてナフトール変性グ
リシジルエーテル型エポキシ樹脂およびビフェニルノボ
ラックグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の少なくとも
一方を用いることが好ましい。これらのエポシキ樹脂を
用いた場合、前記のように、樹脂の接着性が向上するの
で、金属と基材との接着性も改善される。
【0031】プリント配線基板を作成するための基材と
しては、従来から使用されている基材が使用できるが、
好ましくは、ガラス織布、ガラス不織布、全芳香族ポリ
エステル不織布、アラミド織布およびアラミド不織布か
らなる群から選ばれる。金属箔は、好ましくは汎用的に
使用されている銅箔である。
【0032】
【実施例】以下、実施例および比較例を示して、本発明
をより具体的に説明する。なお、本発明は、これら実施
例により限定されるものではない。なお、実施例および
比較例中、%および部は、特記しない限り重量基準であ
る。
【0033】比較例1 以下に示す組成のFR5相当の樹脂を、メチルエチルケ
トン(MEK)に溶解して、60重量%の樹脂溶液を調
製した。この樹脂溶液をアルミバットに広げ、真空常温
で1時間乾燥した。さらに樹脂組成物の入ったアルミバ
ットを140℃でBステージまで硬化させた後、その樹
脂組成物を砕いて型に入れ、真空熱プレスで硬化させて
樹脂板を作成した。なお、真空熱プレスの条件は、圧力
50kg/cm2、温度200℃で1時間であった。
【0034】 FR5相当の樹脂組成: 臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂 35.0部 (臭素含量:23%、エポキシ当量:270) 3官能エポキシ樹脂 35.0部 (臭素含量:23%、エポキシ当量:270) フェノールノボラック硬化剤 30.0部 (水酸基当量:120) トリフェニルホスフィン 1.0部
【0035】比較例2 式(I):
【化1】 (式中、Gはグリシジル基、nは0〜4の数を表す。)
で示されるナフトール変性グリシジルエーテル型エポキ
シ樹脂とフェノールノボラック硬化剤とを当量比で(合
計で100部)MEKに溶解し、さらに硬化促進剤とし
てトリフェニルホスフィン1部を前記溶液に溶解し、樹
脂溶液の濃度が60重量%になるように調整した以外
は、比較例1と同じ手順で樹脂板を作成した。
【0036】比較例3 式(II):
【化2】 (式中、Gおよびnは前記と同意義である。)で示され
るビフェニルノボラックグリシジルエーテル型エポキシ
樹脂とフェノールノボラック硬化剤とを当量比で(合計
で100部)MEKに溶解し、さらに硬化促進剤として
トリフェニルホスフィンを1部を前記溶液に溶解し、樹
脂溶液の濃度が60%になるように調整した以外は、比
較例1と同じ手順で樹脂板を作成した。
【0037】比較例4 比較例2で用いたのと同じナフトール変性グリシジルエ
ーテル型エポキシ樹脂)と式(III):
【化3】 (式中、Gおよびnは前記と同意義である。)で示され
るフェノールビフェニルノボラック硬化剤とを当量比で
(合計で100部)MEKに溶解し、さらに硬化促進剤
としてトリフェニルホスフィン1部を前記溶液に溶解
し、樹脂溶液の濃度が60重量%になるように調整した
以外は、比較例1と同じ手順で樹脂板を作成した。
【0038】実施例1−1および1−2 式(II)(実施例1−1)または式(III)(実施例1−
2)で示されるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂と前
記エポキシ樹脂のグリシジルエーテル基を水酸基により
置換した以外は同一の化学構造を有する硬化剤とを当量
比で(合計で100部)MEKに溶解し、さらに硬化促
進剤としてトリフェニルホスフィンを1部を前記溶液に
溶解した以外は、比較例1と同じ手順で樹脂板を作成し
た。比較例1〜4および実施例1で製造した樹脂板それ
ぞれを、60℃、95%RHで300時間保持した場合
の吸湿率および誘電率を測定した。
【0039】なお吸湿率および誘電率は、以下の方法で
測定した。吸湿率 樹脂板を120℃で2〜3時間乾燥した後、その初期重
量を測定した。次に、この樹脂板を60℃、95%RH
の環境槽に入れ、所定時間後に取り出して、その重量を
測定した。この重量と初期重量との差から、吸湿率を求
めた。誘電率 樹脂板を120℃で2〜3時間乾燥した後、その誘電率
を空胴共振法により測定した。測定装置として、王子製
紙株式会社製マイクロ波分子配向計を用いた。次に、こ
の樹脂板を60℃、95%RHの環境槽に入れ、所定時
間後に取り出して、その誘電率を測定し、測定された誘
電率から、ε変化率を求めた。それらの結果を表1に示
す。
【0040】
【表1】
【0041】比較例5 比較例1で調製したのと同じ60重量%樹脂溶液をアラ
ミド不織布(帝人株式会社製テクノーラ)に含浸した
後、140℃で乾燥してプリプレグを作成した。なお、
樹脂含浸量は、プリプレグの総重量に対して50%とし
た。
【0042】比較例6 比較例2で調製したのと同じ60重量%樹脂溶液をアラ
ミド不織布(帝人株式会社製テクノーラ)に含浸した
後、140℃で乾燥してプリプレグを作成した。なお、
樹脂含浸量は、プリプレグの総重量に対して50%とし
た。
【0043】比較例7 比較例3で調製したのと同じ60重量%樹脂溶液をアラ
ミド不織布(帝人株式会社製テクノーラ)に含浸した
後、140℃で乾燥してプリプレグを作成した。なお、
樹脂含浸量は、プリプレグの総重量に対して50重量%
とした。
【0044】比較例8 比較例4で調製したのと同じ60重量%樹脂溶液をアラ
ミド不織布(帝人株式会社製テクノーラ)に含浸した
後、140℃で乾燥してプリプレグを作成した。なお、
樹脂含浸量は、プリプレグの総重量に対して50重量%
とした。
【0045】実施例2 実施例1と同じ手順で調製した60重量%樹脂溶液をア
ラミド不織布(帝人株式会社製テクノーラ)に含浸した
後、140℃で乾燥してプリプレグを作成した。なお、
エポキシ樹脂としては、式(I)で示されるエポキシ樹
脂(実施例2−1)、式(II)で示されるエポキシ樹脂
(実施例2−2)、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂(実施例2−3)、クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂(実施例2−4)、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂(実施例2−5)およびビスフェノールF型エポキシ
樹脂(実施例2−6)を用い、各エポキシ樹脂とそれに
対応する硬化剤とからなる樹脂溶液をそれぞれ調製し、
樹脂含浸量はプリプレグの総重量に対して50%とし
た。比較例5〜8および実施例2で製造したプリプレグ
それぞれを、60℃、95%RHで300時間保持した
場合の吸湿率および誘電率を、上記と同じ方法で測定し
た。それらの結果を表2に示す。なお、基材として別の
アラミド不織布(デュポン製サーマウント)を用いた場
合も表2に示す結果と同様の結果が得られた。
【0046】
【表2】
【0047】比較例9 比較例5と同じ手順で作成したプリプレグの両面に、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルムをラミネ
ートした。次に、炭酸ガスレーザーで、プリプレグの所
定の箇所をビア加工し、ビアに導電性ペーストを充填し
た。ここで用いた導電性ペーストは、導電物質としての
平均粒径が2μmの銅粉(85%)とバインダ樹脂とし
ての無溶剤型のエポキシ樹脂(残部)からなり、銅粉と
バインダ樹脂を三本ロールにて混練して調製したもので
ある。この導電性ペーストが充填されたプリプレグの両
面からPETを剥離した後、プリプレグを銅箔で挟み、
200℃、55kg/cm2で1時間、真空熱プレスで
加熱加圧した後、内層用回路パターンをエッチングによ
って形成し、両面板を構成した。上記と同じ方法で作成
したビアに導電性ペーストが充填されたプリプレグで、
前記両面板の両面を挟み、さらに両方のプリプレグの外
面に銅箔を積層し、前記と同じ条件で熱圧着した後、外
層用回路パターンをエッチングによって形成し、4層構
造のプリント配線基板を得た。なお、前記の一連の工程
を繰り返すことにより、任意の層数のプリント配線基板
を得ることができる。
【0048】比較例10 比較例6と同じ手順で作成したプリプレグを使用した以
外は、比較例9と同じ製造方法で4層構造のプリント配
線基板を作成した。 比較例11 比較例7と同じ手順で作成したプリプレグを使用した以
外は、比較例9と同じ製造方法で4層構造のプリント配
線基板を作成した。 比較例12 比較例8と同じ手順で作成したプリプレグを使用した以
外は、比較例9と同じ製造方法で4層構造のプリント配
線基板を作成した。
【0049】実施例3 実施例2と同じ手順で作成した各プリプレグを使用した
以外は、比較例9と同じ製造方法で4層構造の各種プリ
ント配線基板を作成した。
【0050】比較例9〜12および実施例4で製造した
4層構造のプリント配線基板それぞれを、60℃、95
%RHで300時間保持した場合の吸湿率および誘電率
を、上記と同じ方法で測定した。結果を表3に示す。な
お、基材として別のアラミド不織布(デュポン製サーマ
ウント)を用いた場合も表3に示す結果と同様の結果が
得られた。
【0051】
【表3】
【0052】比較例13 比較例1と同じ手順で調製した30%樹脂溶液をアラミ
ド不織布(帝人株式会社製テクノーラ)に含浸した後、
140℃で乾燥し、さらに比較例1と同じ手順で調製し
た40%樹脂溶液を前記不織布に含浸し、140℃で乾
燥してプリプレグを作成した。なお、1回目の樹脂含浸
量は、基材重量に対して25%とし、1回目と2回目の
合計樹脂含浸量は、プリプレグの総重量に対して50%
とした。このようにして作成したプリプレグを用いた以
外は比較例9と同じ製造方法で4層構造のプリント配線
基板を作成した。
【0053】比較例14 比較例2と同じ手順で調製した30%樹脂溶液をアラミ
ド不織布(帝人株式会社製テクノーラ)に含浸した後、
140℃で乾燥し、さらに比較例1と同じ手順で調製し
た40%樹脂溶液を前記不織布に含浸し、140℃で乾
燥してプリプレグを作成した。なお、1回目の樹脂含浸
量は、基材重量に対して25%とし、1回目と2回目の
合計樹脂含浸量は、プリプレグの総重量に対して50%
とした。このようにして作成したプリプレグを用いた以
外は比較例9と同じ製造方法で4層構造のプリント配線
基板を作成した。
【0054】比較例15 比較例3と同じ手順で調製した30%樹脂溶液をアラミ
ド不織布(帝人株式会社製テクノーラ)に含浸した後、
140℃で乾燥し、さらに比較例1と同じ手順で調製し
た40%樹脂溶液を前記不織布に含浸し、140℃で乾
燥してプリプレグを作成した。なお、1回目の樹脂含浸
量は、基材重量に対して25%とし、1回目と2回目の
合計樹脂含浸量は、プリプレグの総重量に対して50%
とした。このようにして作成したプリプレグを用いた以
外は比較例9と同じ製造方法で4層構造のプリント配線
基板を作成した。
【0055】比較例16 比較例4と同じ手順で調製した30%樹脂溶液をアラミ
ド不織布(帝人株式会社製テクノーラ)に含浸した後、
140℃で乾燥し、さらに比較例1と同じ手順で調製し
た40%樹脂溶液を前記不織布に含浸し、140℃で乾
燥してプリプレグを作成した。なお、1回目の樹脂含浸
量は、基材重量に対して25%とし、1回目と2回目の
合計樹脂含浸量は、プリプレグの総重量に対して50%
とした。このようにして作成したプリプレグを用いた以
外は比較例9と同じ製造方法で4層構造のプリント配線
基板を作成した。
【0056】比較例17 式(I)で示されるエポキシ樹脂とそれに対応する硬化
剤とを当量比で含む3%樹脂溶液を調製し、アラミド不
織布(帝人株式会社製テクノーラ)に含浸した後、14
0℃で乾燥し、さらに比較例1と同じ手順で調製した5
0%樹脂溶液を前記不織布に含浸し、140℃で乾燥し
てプリプレグを作成した。なお、1回目の樹脂含浸量
は、基材重量に対して3%で、1回目と2回目の合計樹
脂含浸量は、プリプレグの総重量に対して50%とし
た。このようにして作成したプリプレグを用いた以外は
比較例9と同じ製造方法で4層構造の各種プリント配線
基板を作成した。
【0057】実施例4 式(I)で示されるエポキシ樹脂とそれに対応する硬化
剤とを当量比で含む5または15%樹脂溶液を調製し、
それぞれアラミド不織布(帝人株式会社製テクノーラ)
に含浸した後、140℃で乾燥し、さらに比較例1と同
じ手順で調製した50%樹脂溶液を前記不織布に含浸し
て、140℃で乾燥して各プリプレグを作成した。な
お、1回目の樹脂含浸量は、基材重量に対して5または
15%とし、1回目と2回目の合計樹脂含浸量はプリプ
レグの総重量に対して50%とした。このようにして作
成した各プリプレグを用いた以外は比較例9と同じ製造
方法で4層構造の各種プリント配線基板を作成した。
【0058】実施例5 式(I)で示されるエポキシ樹脂(実施例5−1)、式
(II)で示されるエポキシ樹脂(実施例5−2)、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂(実施例5−3)、ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂(実施例5−4)、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(実施例5−5)およ
びビスフェノールF型エポキシ樹脂(実施例5−6)と
それぞれに対応する硬化剤とを当量比で含む30%樹脂
溶液それぞれを、アラミド不織布(帝人株式会社製テク
ノーラ)に含浸した後、140℃で乾燥し、さらに比較
例1と同じ手順で調製した40%樹脂溶液を前記不織布
に含浸し、140℃で乾燥してプリプレグを作成した。
なお、1回目の樹脂含浸量は、基材重量に対して25%
とし、1回目と2回目の合計樹脂含浸量は、プリプレグ
の総重量に対して50%とした。このようにして作成し
た各プリプレグを用いた以外は比較例9と同じ製造方法
で4層構造の各種プリント配線基板を作成した。
【0059】比較例13〜17および実施例4〜5で製
造した4層構造のプリント配線基板それぞれを、60
℃、95%RHで300時間保持した場合の吸湿率およ
び誘電率を、上記と同じ方法で測定した。結果を表4に
示す。なお、基材として別のアラミド不織布(デュポン
製サーマウント)を用いた場合も表4に示す結果と同様
の結果が得られた。
【0060】
【表4】
【0061】以上の実施例1〜4および比較例1〜17
について得られた表1〜表4に示す結果を考察する。表
1に示す結果より、FR5相当の樹脂を用いた比較例1
に比べて、低吸湿性エポキシ樹脂を用いた比較例2〜4
での吸湿率が小さいことがわかる。これは、低吸湿性エ
ポキシ樹脂を使用したため、エポキシ樹脂そのものの特
性が現れたものである。一方、実施例1のように、これ
らの低吸湿性エポキシ樹脂を用いて、さらにエポキシ樹
脂と硬化剤の骨格を同じ構造とすると、吸湿率がさらに
小さくなることがわかる。これは、エポキシ樹脂のエポ
キシ基間の距離と硬化剤の水酸基間との距離がほぼ一致
するため、エポキシ基と水酸基とが効率よく反応し、そ
の結果、硬化体中の親水性基である未反応水酸基の残存
率が減少し、硬化体の吸湿率が小さくなるからである。
また、これらの吸湿率に対応して、誘電率εの大きさに
ついても吸湿率と同じ傾向の結果が得られた。なお、発
明者らの研究によれば、吸湿率と誘電率との関係は直線
間系にあり、硬化体の種類には関係のないことは確認さ
れている。したがって、吸湿率の小さいエポキシ樹脂硬
化物は、誘電特性にも優れていると言える。
【0062】表2に示す結果より、FR5相当のエポキ
シ樹脂を含浸した比較例5に比べて、比較例6〜比較例
8のサンプルの吸湿率および誘電率変化が小さいことが
わかる。これは、前記したように、低吸湿性のエポキシ
樹脂を使用したため、エポキシ樹脂そのものの特性が現
れたものと考えられる。さらに、実施例2−1〜2−2
は、それらの低吸湿性エポキシ樹脂を用いた上、それら
のエポキシ樹脂の骨格と硬化剤の骨格とを同じ構造にし
た場合であり、比較例6〜8の場合よりも吸湿率および
誘電率変化がさらに小さくなっていることがわかる。
【0063】また、実施例2−3〜2−6のように、汎
用性のフェノールノボラックグリシジルエーテル、クレ
ゾールボラックグリシジルエーテル、ビスフェノールA
ジグリシジルエーテルおよびビスフェノールFジグリシ
ジルエーテルのエポキシ樹脂を用い、それらの骨格と硬
化剤の骨格とを同じ構造にすると、比較例5よりも吸湿
率が小さくなることがわかる。これは前記したように、
エポキシ樹脂のエポキシ基間の距離と硬化剤の水酸基間
との距離がほぼ一致するため、エポキシ基と水酸基とが
効率よく反応し、吸湿率が減少し、さらに吸湿率の減少
に伴い、誘電率の変化も小さくなるからである。
【0064】また、表3に示すプリント配線基板につい
ての結果も、表2に示す傾向と実質的に同じ傾向を有し
ており、絶縁層に含まれる樹脂において、グリシジルエ
ーテル基を除くエポキシ樹脂の骨格と水酸基を除く硬化
剤の骨格とを同じ構造とすることで、低吸水かつ誘電特
性に優れたプリント配線基板を得ることができる。
【0065】最後に、表4に示す結果について説明す
る。表4に示す結果より、FR5相当のエポキシ樹脂を
使用した比較例13に比べて、比較例14〜16のプリ
ント配線基板の吸湿率が小さいことがわかる。これは、
低吸湿性エポキシ樹脂硬化体が基材表面を覆うことによ
って、基材と樹脂との界面における水分凝縮を抑制する
ことができるためである。
【0066】また、実施例5−1〜5−2のように低吸
湿性エポキシ樹脂を用いた上、エポキシ樹脂の骨格と硬
化剤の骨格とを同じ構造とすると、比較例14〜16の
場合より吸湿率が小さいことがわかる。これは、前記し
たように、エポキシ基と水酸基とが効率よく反応し、吸
湿率が減少するためであり、この低吸水性から、実施例
5−1および5−2のプリント配線基板は、誘電特性に
も優れていることがいえる。
【0067】さらに、表4に示す結果において、比較例
13で用いたエポキシ樹脂より実施例5−3〜5−6で
用いたフェノールノボラック、クレゾールノボラック、
ビスフェノールA型およびビスフェノールF型エポキシ
樹脂の吸湿率が小さいことから、実施例5−1〜5−2
と同様の効果が得られることがわかる。
【0068】次に、1回目の樹脂含浸時の樹脂含浸量に
ついて考察すると、比較例13と比較例17での吸湿量
が同じであり、また、実施例4−1および4−2での吸
湿量が比較例13より小さくなることから、1回目の樹
脂含浸時の樹脂含浸量が基材の重量に対して5重量%以
上で効果が現れることがわかる。したがって、グリシジ
ルエーテル型エポキシ樹脂と前記エポキシ樹脂のグリシ
ジルエーテル基を水酸基により置換した以外は同一の化
学構造を有する硬化剤とを含む樹脂組成物の1回目の樹
脂含浸時の樹脂含浸量が、基材の重量に対して5重量%
以上でないとその効果は発現しない。
【0069】本発明は、グリシジルエーテル型エポキシ
樹脂と前記エポキシ樹脂のグリシジルエーテル基を水酸
基により置換した以外は同一の化学構造を有する硬化剤
とを組み合わせることにより、エポキシ基と水酸基とを
効率よく反応させ、硬化体における吸湿性未反応水酸基
の残存率を減少させることができる。それ故、それぞれ
を単独に用いた場合より、さらに低吸湿性の硬化体を与
える電気絶縁用樹脂組成物を提供できる。また、前記樹
脂組成物が低吸湿性となるため、吸湿による誘電特性の
変化も抑制することができるので、誘電特性に優れた硬
化体を与える電気絶縁用樹脂組成物を提供することがで
きる。
【0070】本発明の樹脂組成物を用いることにより、
低吸湿性かつ誘電特性に優れたプリプレグを提供するこ
とができ、ひいては低吸湿性かつ誘電特性に優れたプリ
ント配線基板を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05K 3/00 (72)発明者 長谷川 正生 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナフトール変性グリシジルエーテル型エ
    ポキシ樹脂およびビフェニル基を含むグリシジルエーテ
    ル型エポキシ樹脂からなる群から選択された少なくとも
    1種のエポキシ樹脂と、前記エポキシ樹脂のグリシジル
    エーテル基を水酸基により置換した以外は同一の化学構
    造を有する硬化剤とを含んでなる熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 基材と、前記基材に含浸されたグリシジ
    ルエーテル型エポキシ樹脂と前記エポキシ樹脂のグリシ
    ジルエーテル基を水酸基により置換した以外は同一の化
    学構造を有する硬化剤とを含む熱硬化性樹脂組成物とか
    らなるプリプレグ。
  3. 【請求項3】 グリシジルエーテル型エポキシ樹脂が、
    ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノー
    ルFジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノー
    ルAジグリシジルエーテル、フェノールノボラックグリ
    シジルエーテル、クレゾールノボラックグリシジルエー
    テル、ナフトール変性グリシジルエーテル型エポキシ樹
    脂、およびビフェニルノボラックグリシジルエーテル型
    エポキシ樹脂からなる群から選択された少なくとも1種
    である請求項2に記載のプリプレグ。
  4. 【請求項4】 基材が、ガラス織布、ガラス不織布、全
    芳香族ポリエステル不織布、アラミド織布およびアラミ
    ド不織布からなる群から選択された少なくとも1種の基
    材である請求項2に記載のプリプレグ。
  5. 【請求項5】 熱硬化性樹脂組成物または前記樹脂組成
    物を含浸した基材から形成された少なくとも1層の絶縁
    層と、前記絶縁層の少なくとも1層の表面に形成された
    回路パターンとを有するプリント配線基板であって、前
    記樹脂組成物は、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂
    と、前記エポキシ樹脂のグリシジルエーテル基を水酸基
    により置換した以外は同一の化学構造を有する硬化剤と
    を含んでなるプリント配線基板。
  6. 【請求項6】 グリシジルエーテル型エポキシ樹脂が、
    ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノー
    ルFジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノー
    ルAジグリシジルエーテル、フェノールノボラックグリ
    シジルエーテル、クレゾールノボラックグリシジルエー
    テル、ナフトール変性グリシジルエーテル型エポキシ樹
    脂、およびビフェニルノボラックグリシジルエーテル型
    エポキシ樹脂からなる群から選択された少なくとも1種
    である請求項5に記載のプリント配線基板。
  7. 【請求項7】 基材が、ガラス織布、ガラス不織布、全
    芳香族ポリエステル不織布、アラミド織布およびアラミ
    ド不織布からなる群から選択された少なくとも1種の基
    材である請求項5に記載のプリント配線基板。
  8. 【請求項8】 回路パターンが、金属箔または金属メッ
    キから形成されている請求項5に記載のプリント配線基
    板。
  9. 【請求項9】 基材に、グリシジルエーテル型エポキシ
    樹脂と前記エポキシ樹脂のグリシジルエーテル基を水酸
    基により置換した以外は同一の化学構造を有する硬化剤
    とを含む熱硬化性樹脂組成物を含浸し、乾燥し、次い
    で、前記樹脂組成物を含浸した前記基材に、前記樹脂組
    成物とは異なる樹脂組成物を含浸し、乾燥してプリプレ
    グを作成する工程、 前記プリプレグの少なくとも一方の面に金属箔を熱圧着
    する工程、 回路パターンを形成する工程を含んでなるプリント配線
    基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 グリシジルエーテル型エポキシ樹脂と
    前記エポキシ樹脂のグリシジルエーテル基を水酸基によ
    り置換した以外は同一の化学構造を有する硬化剤とを含
    む熱硬化性樹脂組成物の含浸量が、前記基材の総重量に
    対して、少なくとも5重量%である請求項9に記載のプ
    リント配線基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 グリシジルエーテル型エポキシ樹脂
    が、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェ
    ノールFジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェ
    ノールAジグリシジルエーテル、フェノールノボラック
    グリシジルエーテル、クレゾールノボラックグリシジル
    エーテル、ナフトール変性グリシジルエーテル型エポキ
    シ樹脂、およびビフェニルノボラックグリシジルエーテ
    ル型エポキシ樹脂からなる群から選択された少なくとも
    1種である請求項9に記載のプリント配線基板の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 基材が、ガラス織布、ガラス不織布、
    全芳香族ポリエステル不織布、アラミド織布およびアラ
    ミド不織布からなる群から選択された少なくとも1種の
    基材である請求項9に記載のプリント配線基板の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 金属箔が銅箔である請求項9に記載の
    プリント配線基板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002317102A (ja) * 2001-04-20 2002-10-31 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2006307227A (ja) * 2006-05-15 2006-11-09 Sumitomo Bakelite Co Ltd 耐熱性樹脂組成物、これを用いたプリプレグ及び積層板
JP2009242657A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Nippon Steel Chem Co Ltd エポキシ樹脂組成物および成形物

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