JPH1135945A - コークス炉蓄熱室およびその最適形状決定方法 - Google Patents

コークス炉蓄熱室およびその最適形状決定方法

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JPH1135945A
JPH1135945A JP19265497A JP19265497A JPH1135945A JP H1135945 A JPH1135945 A JP H1135945A JP 19265497 A JP19265497 A JP 19265497A JP 19265497 A JP19265497 A JP 19265497A JP H1135945 A JPH1135945 A JP H1135945A
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storage chamber
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refractory
temperature
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JP19265497A
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Yoshihisa Kimura
義久 木村
Yutaka Suzuki
豊 鈴木
Seiji Okada
誠司 岡田
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コークス炉の蓄熱室を小型化する。 【解決手段】内部に球状の耐火物が充填されている容
器であり、かつその内部に燃料または空気を供給する配
管(4,5)に流量調節弁(b)が設けられたコークス炉の蓄熱
室、および充填耐火物の物性および寸法、燃料および
空気の物性、流量および温度、ならびに燃焼と排出の切
り替え時間間隔を入力し、充填耐火物の温度分布および
蓄熱室内のガス温度分布を定常状態になるまで計算し、
入り側の燃料の流量および温度条件と、出口排ガス流量
および温度から熱交換率を求め、かつ耐火物形状と空隙
率とから蓄熱室の圧力損失を求め、この熱交換率を最大
とし、圧力損失を最小とする耐火物形状と空隙率を求め
る蓄熱室の最適形状決定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換性と通気性
とに優れたコークス炉の蓄熱室とその最適形状を決定す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コークス炉は、主に炭化室、燃焼室およ
び蓄熱室から構成されている。
【0003】図16は、一般的なコークス炉の一部断面を
示す図であり、(a)は炭化室一門の一部断面と付帯設備
を示す図、(b)は(a)図におけるA-A矢視図である。図に
おいて、符号1は炭化室、2は燃焼室、3は蓄熱室を示
す。
【0004】炭化室1は、燃焼室2からの加熱によって装
填された石炭を20時間から24時間かけて炭化し、コーク
スとする。燃焼室2は、炭化室1と交互にまたは両側に挟
んで設けられる。そして、通常一つの炭化室に対して二
室一対の燃焼室が複数基設置され、燃焼と排出とを20分
から30分の間隔で交互に行う。
【0005】蓄熱室3は、燃焼室2の下部に設置され、燃
焼排ガスから熱を受け取り、燃料と空気にその熱を与え
て予熱する。このため蓄熱室には、熱交換を行うための
蓄熱体が充填されている。蓄熱体には、熱交換率を高め
るために表面積の大きな蜂の巣状煉瓦またはスリット煉
瓦が提案されている(特公昭53-44161号公報参照)。ま
た、ガラス溶解炉の蓄熱室用であるが、上下の厚さを異
にした筒状煉瓦を積み重ね、気体の通路に突起(段差)
を形成することによって気体に乱流を発生させ、熱交換
率を高める蓄熱レンガが提案されている(特開昭59-839
39号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】コークス製造の実際の
操業において炉長方向、炉高方向の均一乾留化のために
燃焼室毎にポート開度を調整するが、燃焼室の温度は13
00℃を超える高温であり、またその作業は炉頂部から作
業者が行う手作業であるため非常に危険であり、かつ多
大な労力を伴う。また、厳密にいえば毎回、装入される
石炭の性質により製品コークスの品質は左右されるた
め、装入される石炭の性質に従い、その都度それらを制
御するのが好ましいが、ポート開度の調整は困難であ
る。
【0007】コークス炉の蓄熱室は、燃焼排ガスの熱を
有効に利用するために設けられるもので、従来は排ガス
温度が低下しておれば良いという程度の認識であった。
したがって、蓄熱室の形状は、経験的に決定されてい
た。
【0008】本発明の目的は、蓄熱室に充填する蓄熱体
の最適形状を熱計算によって求め、小型、熱交換率、通
気性および操業性に優れた蓄熱室を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、図1に
示す下記の蓄熱室と下記に示す蓄熱室の最適形状決
定方法にある。
【0010】内部に球状の耐火物が充填されている容
器であり、かつその内部に燃料または空気を供給する配
管(4,5)に流量調節弁(b)が設けられたコークス炉の蓄熱
室(図1参照)。
【0011】充填耐火物の物性および寸法、燃料およ
び空気の物性、流量および温度、ならびに燃焼と排出の
切り替え時間間隔を入力し、充填耐火物の温度分布およ
び蓄熱室内のガス温度分布を定常状態になるまで計算
し、入り側の燃料の流量および温度条件と、出口排ガス
流量および温度から熱交換率を求め、かつ耐火物形状と
空隙率とから蓄熱室の圧力損失を求め、この熱交換率を
最大とし、圧力損失を最小とする耐火物形状と空隙率を
求める蓄熱室の最適形状決定方法。
【0012】「耐火物の物性」とは「密度、比熱、熱伝
導率」であり、「耐火物の寸法」とは「球状体の場合は
直径、ハニカムの場合は内法寸法および間隔、充填層高
さ、空隙率」である。また、「燃料の物性」とは「密
度、比熱、熱伝導率」であり、「空気の物性」とは「密
度、比熱、熱伝導率」である。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の蓄熱室を有する
燃焼室を示す概要図であり、(a)は燃焼室の上下に蓄熱
室を設けた場合の図、(b)は2つの燃焼室の下部に蓄熱
室を設けた場合の図である。
【0014】蓄熱室3は、燃焼室2からの燃焼排ガスを導
入して熱を奪い、その熱で燃焼室2に供給する燃料また
は空気の温度を高める。蓄熱室には、同図に示すように
燃料を供給する燃料配管4、空気を供給する空気配管5、
燃焼廃ガスを排出する排出配管6が流量調節弁bおよび切
替弁aを介して接続されている。燃料配管4および空気配
管5には、それぞれ流量制御の可能な流量調節弁bが設け
られ、排出配管6には、燃料または空気と排出との切り
替えが可能な切替弁aが設けられている。
【0015】蓄熱室は、燃料および空気を供給するとき
と燃焼廃ガスを排出するときには、たとえば電磁的に作
動する切替弁aによって切り替えられ、一方の蓄熱室が
燃料ガス供給の時は他の一方は燃焼廃ガスの排出とな
る。
【0016】燃料と空気(燃料ガス)の供給期間では、
流量調節弁bを「開」、切替弁aを蓄熱室側に「開」とし
て、燃料と空気をそれぞれ二つのバルブを通過させて蓄
熱室に供給する。燃料と空気は別々に設けられた蓄熱体
と熱交換され温度を高められ、燃焼室に導入される。そ
して、燃焼室に入った燃料は空気と混合され燃焼する。
また、燃焼ガスの排出期間では、流量調節弁bを
「閉」、切替弁aを排出配管側に「開」として、燃焼室
内の高温の燃焼廃ガスを蓄熱室に導き、蓄熱室の蓄熱体
と熱交換して温度を下げ、煙道に排出される。
【0017】このように燃料と空気の供給配管に流量調
整バルブを設け、燃焼廃ガスの排出配管に切り替えバル
ブを設けることによって、従来手動で行っていたポート
開度の調整が不要になる。
【0018】図2は、球状体を充填した蓄熱室の断面を
示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。図3
は、ハニカム構造の蓄熱室の断面を示す図であり、(a)
は平面図、(b)は側面図である。
【0019】蓄熱体は、常温から1300℃までの温度サイ
クルが繰り返し与えられるため、耐熱衝撃性のある材料
が望ましく、たとえばアルミナ(Al2O3)、コージェライ
ト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)などが使用される。
【0020】ここで、蓄熱体は、球状体を充填した構造
またはハニカム構造とし、その(寸法、形状)決定のた
めに、材質、形状、燃焼と排出の切り替え時間、燃料ガ
ス温度、排ガス温度の入力条件により、熱交換率および
通気抵抗の検討が可能な数値計算モデルを開発した。以
下にそのモデルについて説明する。
【0021】このモデルは、基本的に蓄熱室に導入され
るガス(燃料ガスまたは燃焼廃ガス)の顕熱、そのガス
と蓄熱体との熱の授受、蓄熱室から出てゆくガス(燃料
ガスまたは燃焼廃ガス)の顕熱の熱収支を取りながら、
燃焼と排出のガスの切り替えを考慮し、蓄熱体及びガス
の伝熱非定常計算を行うものである。そして、任意点の
温度が定常状態に到達したときの熱交換率および通気抵
抗を評価し、蓄熱体形状の最適化を行う。
【0022】蓄熱室の蓄熱体とガスとの伝熱非定常計算
を行う方法について説明する。
【0023】図4は、伝熱非定常計算を行うために蓄熱
室を分割した概念図であり、(a)は蓄熱室の充填層を高
さ方向に分割した状態、(b)は球状体を半径方向に分割
した状態を示す図である。蓄熱室には、球状体が充填さ
れ、たとえば蓄熱室は高さ方向に100等分に分割し、球
状体は半径方向に10等分に分割する。
【0024】図5は、蓄熱室の蓄熱体の温度が定常状態
になるまでの計算を行うフローチャートを示す図であ
る。計算は、蓄熱体、燃料および空気の物性値(密度
ρ、比熱Cp、熱伝導率λ)、球状体の充填条件(直径
D、充填層高さH、空隙率Ev)および操業条件(燃焼
と排出の切替時間間隔Tc、燃料の流量、温度)を入力
し、それぞれの初期条件を設定し、開始する。
【0025】図4に示す層高さi番目の気体温度は次の
ようにして計算される。
【0026】
【数1】
【0027】ここで、Tg,i:i番目空間の気体温度
(℃) Qin,i:i番目空間に蓄熱される熱量(kcal/s) Qbin,i:i番目空間において気体から球状体への伝熱
量(kcal/s) Qgin,i:i番目空間への気体入熱量(kcal/s) Qgout,i:i番目空間からの気体出熱量(kcal/s) ρg,i:i番目空間の気体密度(kg/m3) Cpg,i:i番目空間の気体比熱{kcal/(kg・℃)} Vg,i:i番目空間の気体の容積(m3) Vi:i番目の容積(球状体を含む、m3) N:球体の充填個数(−) D:蓄熱体の球径(m) Δt:計算時間刻み(s) Ev:空隙率(−) である。
【0028】i番目空間における球状体の温度計算は、
下記式で計算される。
【0029】
【数2】
【0030】ここで、Tb、j:球状体内のj分割目の温
度(℃) ρb:球状体の密度(kg/m3) Cpb:球状体の比熱{kcal/(kg・℃)} Vb,j:球状体のj番目分割領域の体積(m3) Δr:半径方向の刻み幅(m) Sj:球状体のj番目分割領域の表面積(m2) である。
【0031】i番目空間における気体から球状体への熱
伝達量は、下記(1)式で計算される。
【0032】 Nu=h×D/λ=2.0+0.60(Pr)1/3×(9Re)1/2・・・・(1) ここで、Nu:ヌッセルト数(-) h:蓄熱体への熱伝達率{kcal/(m2・hr・℃)} D:蓄熱体の球径(m) λ:気体の熱伝導率{kcal/(m・hr・℃)} Pr:プラントル数(-)=Cp・μ/λ Re:レイノルズ数(-)=D・G/μ G:気体の見かけ質量速度{kg/(m2・hr)} μ:気体の粘度{kg/(m・hr)} である。
【0033】以上の計算を繰り返し行うことにより、非
定常に各部分の温度を計算する。そして、温度が定常状
態となったところで熱交換率、圧力損失を計算してこの
計算を終了する。
【0034】熱交換率は、蓄熱室の球状体に蓄えられる
熱量を燃料からの入熱量で除して求められ、通気抵抗を
表す圧力損失は下記(2)式によって求めることができ
る。
【0035】
【数3】
【0036】ここで、Δp:圧力損失(kgf/m2) H:層高さ(m) g:換算係数{9.8kg・m/(kgf・s2)} Ev:空隙率(−) μ:気体の粘度{kg/(m・s)} u:気体の見かけ流速(m/s) ρp:気体の密度(kg/m3) ψ:形状係数(-) である。
【0037】蓄熱室にハニカム構造体を充填した場合に
は、 通過ガスと蓄熱体との熱伝達率は(3)式および(4)
式に示すヌッセルト数として計算される。
【0038】レイノズル数Re<3×105のとき Nu=h×D0/λ=0.064×Pr1/3・(9Re)1/12 ・・・・(3) レイノズル数Re>3×105のとき Nu=h×D0/λ=0.037×Pr1/3・(9Re)4/5 ・・・・(4) ここで、D0:ハニカムの内法寸法(正方形、m)であ
る。
【0039】圧力損失は(5)式で計算できる。
【0040】 Δp=2×f・ρ・u2・H/{g・D0(μ/μw)0.14} ・・・・(5) ここで、f:抵抗係数(-) H:ハニカムの層高さ(m) μ:気体温度に対する粘度{kg/(m・s)} μw:ハニカム内面温度に対する気体の粘度{kg/(m・
s)} である。
【0041】以上の数値計算モデルにより、蓄熱体の材
質、蓄熱体の形状、燃焼と排出の切り替え時間、燃料ガ
ス温度、廃ガス温度が与えられた時の熱交換率および通
気抵抗を計算し、高い熱交換率と低い通気抵抗を維持で
きる構造を決定する。
【0042】例として、蓄熱体が球状体の充填物の場合
とハニカム構造の場合について計算を行った。球状体に
はアルミナ(Al2O3)を、ハニカム構造体にはコージェ
ライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)を使用した。蓄熱室に供
給される燃料及び空気の温度を30℃、蓄熱室に導入され
る燃焼廃ガスの温度を1300℃、燃料の流量は57.8Nm3/h
r、空気流量は69.0Nm3/hrと仮定した。計算は、24時間
までの非定常計算を蓄熱体の球径及びハニカム構造体の
形状、蓄熱室の高さ、燃焼と排出の切り替え時間間隔を
変更して実施した。
【0043】図6は、蓄熱室におけるガス温度の経時変
化を示す図である。この図は、蓄熱室に直径が50mmのア
ルミナ球状体を充填し、燃焼と排出の切り替え時間間隔
を20分として、蓄熱室の上部、中央部、下部それぞれの
位置でのガス温度の経時変化を非定常計算した結果であ
る。同図から、いずれの位置のガス温度も12時間以降
は、ほとんど定常状態に達していることがわかる。
【0044】図7は、蓄熱室中央部でのガス温度の経時
変化を示す図である。この図は、燃焼と排出の切り替え
時間間隔を20分として、アルミナ充填物の直径Dを100m
m、50mmおよび19mmに変化させた場合の20時間から24時
間までの蓄熱室中央部でのガス温度の経時変化を計算し
た結果である。同図から、充填物の直径が小さくなる
と、表面積が大きくなりガスとの熱交換率が高くなる。
そのため、ガスは蓄熱室の中央部に到達するまでに熱を
授受する割合が大きく、蓄熱室中央部でのガス温度の変
動幅は小さくなることがわかる。
【0045】次に24時間後の蓄熱体の寸法、切り替え時
間、蓄熱室高さを変化させた場合の熱効率、圧力損失に
ついて述べる。
【0046】図8は、アルミナ球状体を充填した蓄熱室
を使用して24時間熱交換したときの蓄熱室の高さと熱交
換率との関係を示す図である。この図はアルミナ球状体
の直径Dを19mm、空隙率Evを0.37、燃焼と排出の切り
替え時間Tcを5分とし、蓄熱室の高さを変化させて計
算した結果である。同図から、蓄熱室の高さが小さくな
ると熱交換率は低下するが、高さが0.5mを超えると熱
交換率の目標値95%(従来の目標値と同様)を達成でき
ることがわかる。
【0047】図9は、アルミナ球状体を充填した蓄熱室
を使用して24時間熱交換したときの燃焼と排出の切り替
え間隔と熱交換率との関係を示す図である。この図はア
ルミナ球状体の直径Dを19mm、空隙率Evを0.37、蓄熱
室の高さHを0.5mとし、燃焼と排出の切り替え時間間
隔を変化させて計算した結果である。同図から、燃焼と
排出の切り替え時間を長くすると熱交換率は低下する
が、約5分以内とすれば目標値の95%が達成できること
がわかる。
【0048】図10は、アルミナ球状体を充填した蓄熱室
を使用して24時間熱交換したときの球状体の直径と圧力
損失との関係を示す図である。この図は蓄熱室の高さH
を0.5m、燃焼と排出の切り替え時間間隔Tcを5分と
し、球状体の直径を変化させて計算した結果である。同
図から、アルミナ球状体の直径Dが大きくなると圧力損
失は小さくなるが、直径Dが19mm(空隙率Evが0.37)
を超えるとしきい値(目標値)の5kgf/m2以下にできる
ことがわかる。圧力損失が5kgf/m2を超えるとブロワー
での送気が困難となる。
【0049】図11は、アルミナ球状体を充填した蓄熱室
を使用して24時間熱交換したときの球状体の直径と熱交
換率との関係を示す図である。この図は蓄熱室の高さを
0.5m、燃焼と排出の切り替え時間Tcを5分とし、球状
体の直径を変化させて計算した結果である。同図から、
球状体の直径が大きくなると熱交換率は低下するが、直
径が19mm以下とすれば目標値95%を達成できることがわ
かる。
【0050】次に、蓄熱室をハニカム構造物とした場合
の計算結果について説明する。
【0051】図12は、ハニカム構造物とした蓄熱室を使
用して24時間熱交換したときの蓄熱室の高さと熱交換率
との関係を示す図である。この図はハニカム構造物のハ
ニカムの内法寸法Doを4mm、間隔D1を5mm、空隙率E
vを0.64、燃焼と排出の切り替え時間Tcを5分とし、蓄
熱室の高さを変化させて計算した結果である。同図か
ら、蓄熱室の高さが小さくなると熱交換率は低下する
が、高さが0.5mを超えると目標値95%以上を達成でき
ることがわかる。
【0052】図13は、ハニカム構造物とした蓄熱室を使
用して24時間熱交換したときの燃焼と排出の切り替え間
隔と熱交換率と関係を示す図である。この図は、ハニカ
ム構造物のハニカムの内法Doを4mm、間隔D1を5mm、
空隙率Evを0.64、蓄熱室高さHを0.5mとし、燃焼と排
出の切り替え時間間隔を変化させて計算した結果であ
る。同図から、燃焼と排出の切り替え時間が短くなると
熱交換率は向上するが、切替え時間Tcを5分以下にす
れば目標値95%以上になることがわかる。
【0053】図14は、ハニカムの間隔と圧力損失との関
係を示す図である。この図は、燃焼と排出の切り替え時
間Tcを5分、蓄熱室の高さHを0.5mとし、ハニカム構
造物の空隙率Evを0.64と一定としてハニカムの内法寸
法Doと間隔D1を変化させて計算した結果である。同図
から、ハニカムの間隔が大きくすれば圧力損失は小さく
なるが、ハニカムの間隔D1が5mm(内法寸法Doが4m
m)を超えるとしきい値(目標値)の5kgf/m2以下にな
ることがわかる。
【0054】図15は、ハニカム構造物とした蓄熱室を使
用して24時間熱交換したときのハニカムの間隔と熱交換
率との関係を示す図である。この図は、燃焼と排出の切
り替え時間Tcを5分、蓄熱室の高さHを0.5mとし、ハ
ニカム構造物の空隙率Evを0.64と一定としてハニカム
の内法寸法Doと間隔D1を変化させて計算した結果であ
る。同図から、ハニカムの間隔D1が大きくなると熱交
換率は低下するが、ハニカムの間隔D1を5mm(内法寸
法Doを4mm)以下にすれば目標値95%以上が得られる
ことがわかる。
【0055】以上の結果から、蓄熱体の構造が球型体の
充填構造及びハニカム構造の場合もほぼ同様な傾向を持
つことがわかる。そして、この計算モデルを用いれば、
蓄熱体の構造が球型体の充填構造及びハニカム構造の場
合のどちらでも、また、形状、燃焼と排出の切り替え時
間、蓄熱体構造等が変更されても、目標値の熱交換率、
圧力損失に見合う最適寸法を見いだすことができる。
【0056】
【実施例】本発明による方法で形状を決定した蓄熱室を
日産110トンの試験コークス炉に設置した。試験炉は、
炉長方向に燃焼室を12室、炭化室を3室として、各燃焼
室の下部にそれぞれ蓄熱室を設置したものである。
【0057】本発明の蓄熱室は、ガス流路に直角な断面
の内法寸法を長さ0.910m、幅0.31m、内部にアルミナ
球状体を充填して前述した計算式を用いて熱効率95%以
上、圧力損失5kgf/m2以下として計算した。その結果、
アルミナ球状体の直径が19mm、高さが0.5mが得られ
た。また、ハニカム構造物の場合には、ハニカムの内法
寸法D0=4mm、間隔D1=5mm、空隙率Ev=0.64が得ら
れた。
【0058】アルミナ球状体を充填した本発明の蓄熱室
6室と、ハニカム構造物を充填した本発明の蓄熱室6室
とを設置した上記の試験炉を用い、バーナを用いて約10
00℃まで約40時間の予熱を行った後、炭化室に水分2%
の配合炭を装入し乾留試験を行った。
【0059】燃料の流量を 57.8 Nm3/min、空気の流量
を 69.0 Nm3/min、空気比を1.15、燃焼と排出の切り替
え時間を5分として20時間の乾留試験を行った。
【0060】得られたコークスの品質及び強度を実際の
コークス炉で製造されたコークスと比較して表1に示
す。本発明法-1として示すコークスは、蓄熱室をアルミ
ナ球状体で構成した場合、本発明法-2はハニカム構造物
で構成した場合の結果である。
【0061】
【表1】
【0062】表1から、コークスの平均粒径、品質レベ
ルを表す熱間強度指数CSR(高いほど品質が良)および
ドラム強度DI値は、いずれも従来法に比べ僅かであるが
良好になっていることがわかる。また、コークス炉全体
に占める蓄熱室の体積比は従来法に比べ、大幅な低減が
でき、蓄熱室の小型化が可能となった。
【0063】
【発明の効果】本発明による蓄熱室は、従来の蓄熱室に
比べ約 1/4 の大きさに小型化でき、コークス炉の高さ
を低く(5800mmを810mmに)することができる。また、
本発明の蓄熱室の形状決定方法によれば、熱交換率が良
好で、圧力損失の低い蓄熱室が得られる。
【0064】本発明法により、切り替え時間、燃焼量等
が変わっても、高熱交換率を維持しつつ、独立制御の可
能な小型蓄熱体の最適設計が可能となった。
【0065】また、蓄熱室が小型でかつ燃焼室毎に設置
されるために、堆積したカーボンによる熱効率の低下時
には、その蓄熱体を容易に交換でき、安定して長期間、
蓄熱体の高い熱交換率を維持することができる。
【0066】さらに、各蓄熱室への燃料供給量は独立に
行われるため、従来のようにポート開度を変更する必要
がなく、品質の安定したコークスを提供できる。
【0067】なお、今後、現状のコークス炉のリプレー
ス時に本発明による小型蓄熱体を有する新型コークス炉
を採用することにより、大幅に建設費低減の可能な方法
を見出せた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓄熱室を有する燃焼室を示す概要図で
あり、(a)は燃焼室の上下に蓄熱室を設けた場合の図、
(b)は2つの燃焼室の下部に蓄熱室を設けた場合の図で
ある。
【図2】球状体を充填した蓄熱室の断面を示す図であ
り、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図3】ハニカム構造の蓄熱室の断面を示す図であり、
(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図4】伝熱非定常計算を行うために蓄熱室を分割した
状態を示す図であり、(a)は蓄熱室の充填層を高さ方向
に分割した状態、(b)は球状体を半径方向に分割した状
態を示す図である。
【図5】蓄熱室の蓄熱体の温度が定常状態になるまでの
計算を行うフローチャートを示す図である。
【図6】蓄熱室におけるガス温度の経時変化を示す図で
ある。
【図7】蓄熱室中央部でのガス温度の経時変化を示す図
である。
【図8】アルミナ球状体を充填した蓄熱室を使用して24
時間熱交換したときの蓄熱室の高さと熱交換率との関係
を示す図である。
【図9】アルミナ球状体を充填した蓄熱室を使用して24
時間熱交換したときの切り替え間隔と熱交換率との関係
を示す図である。
【図10】アルミナ球状体を充填した蓄熱室を使用して
24時間熱交換したときの球状体の直径と圧力損失との関
係を示す図である。
【図11】アルミナ球状体を充填した蓄熱室を使用して
24時間熱交換したときの球状体の直径と熱交換率との関
係を示す図である。
【図12】ハニカム構造物とした蓄熱室を使用して24時
間熱交換したときの蓄熱室の高さと熱交換率との関係を
示す図である。
【図13】ハニカム構造物とした蓄熱室を使用して24時
間熱交換したときの燃焼と排出の切り替え間隔と熱交換
率と関係を示す図である。
【図14】ハニカムの間隔と圧力損失との関係を示す図
である。
【図15】ハニカム構造物とした蓄熱室を使用して24時
間熱交換したときのハニカムの間隔と熱交換率との関係
を示す図である。
【図16】一般的なコークス炉の一部断面を示す図であ
り、(a)は炭化室一門の一部断面と付帯設備を示す図、
(b)は(a)図におけるA-A矢視図である。
【符号の説明】
1.炭化室 2.燃焼室 3.蓄熱室 4.燃料
供給管 5.空気供給管 6.排出管 a.流量調節弁
b.切替弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に球状の耐火物が充填されている容器
    であり、かつその内部に燃料または空気を供給する配管
    に流量調節弁が設けられていることを特徴とするコーク
    ス炉の蓄熱室。
  2. 【請求項2】充填耐火物の物性および寸法、燃料および
    空気の物性、流量および温度、ならびに燃焼と排出の切
    り替え時間間隔を入力し、充填耐火物の温度分布および
    蓄熱室内のガス温度分布を定常状態になるまで計算し、
    入り側の燃料の流量および温度条件と、出口排ガス流量
    および温度から熱交換率を求め、かつ耐火物形状と空隙
    率とから蓄熱室の圧力損失を求め、この熱交換率を最大
    とし、圧力損失を最小とする耐火物形状と空隙率を求め
    ることを特徴とする蓄熱室の最適形状決定方法。
JP19265497A 1997-07-17 1997-07-17 コークス炉蓄熱室およびその最適形状決定方法 Pending JPH1135945A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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