JPH1136099A - めっき装置およびそれによるめっき方法 - Google Patents

めっき装置およびそれによるめっき方法

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JPH1136099A
JPH1136099A JP19104297A JP19104297A JPH1136099A JP H1136099 A JPH1136099 A JP H1136099A JP 19104297 A JP19104297 A JP 19104297A JP 19104297 A JP19104297 A JP 19104297A JP H1136099 A JPH1136099 A JP H1136099A
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plating
electrode
anode
auxiliary electrode
hydrogen
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JP19104297A
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Takashi Komi
崇 小見
Taeko Narahara
泰栄子 楢原
Kiyotaka Funada
清孝 船田
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Kizai KK
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Kizai KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長時間継続して、水素ガス拡散電極でめっき
処理を行うことができるめっき装置とそれによるめっき
方法を提供する。 【解決手段】カソード電極とアノード電極を有し、その
間に電解溶液を設けて、そして、アノード電極外側には
水素ガスチャンバーを備える、無電解あるいは電解の形
式のめっきにおいて、アノード電極面に沿って、電解液
中に生じる水素ガスを回収するための補助電極を、電解
溶液中に設けたことを特徴とするめっき装置およびめっ
き方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なめっき装置
とそれによるめっき方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、電解めっきにおいて、アノー
ド材料は、電解めっきされる金属材料を供給すべきもの
が使用されるが、めっきされるべき金属が、電解液に含
有されている場合、あるいは、他の材料から供給される
場合には、アノード材料は、電解反応でも変化しないも
のを用いる。すると、アノード電位が高くなっても、変
化を受けない材料が用いられる。一方、ガス拡散電極
は、燃料電池等では用いられるが、電解めっきには従来
一般的に用いられていなかった。例えば、水素ガス拡散
電極を用いると、自然に電解液中の水素イオン濃度が上
昇し、pHが低下し、電解条件を変えてしまうからであ
る。
【0003】一方、スズ−銀合金めっきは、現在プリン
ト配線基板に用いられるワイヤーボンデイング法に替わ
る接続法として期待されているバンプ上へのめっき合金
として注目されている合金めっきである。然し乍ら、こ
の合金めっきの用途が非常に広いにもかかわらず、本格
的な工業化には至っていない。この理由の1つは、この
種のめっき処理を行うためのめっき方法が見つかってい
ないことである。そこで、水素イオンを利用するため
に、シアンガス等の有害物が関連せず、水素ガスそのも
のをアノードとして使用する水素ガス拡散電極をアノー
ドに用いるめっき方法(金属表面技術(電気化学協会発
行)速報論文集、1989年、40巻第9号1037〜
1038頁参照)があり、その利用を考えた。
【0004】然し乍ら、この水素ガス拡散電極を用いて
も、合金めっき処理を行うための適切なアノード材がな
いという問題があることが分かった。すなわち、この種
の合金めっきのために適切なアノード材としては、アノ
ード電圧がヨウ素を析出しない電位まで下げられること
である。現在使用されているアノード材料ではこの条件
を満たす電極は、水素ガス拡散電極のみである。水素ガ
ス拡散電極は、水素ガスそのものをアノードとして使用
するために、アノードにはほとんど電圧がかからない電
極である反面、水素ガスを水素イオンに還元し、電解質
溶液中に放出するため電解質溶液のpHを極端に下げる
働きがあり、長時間継続して電解を行うめっき処理のた
めのアノードとしては使用が困難であった。
【0005】また、燃料電池、二次電池、電気化学的リ
アクター等に用いるガス拡散電極には、貴金属で皮膜し
た集電材が接合または埋め込まれているガス拡散電極が
用いられる(特公平6−7488号参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するためになされたもので、電解質中での水素
イオンの増加を抑制しながら、電極電位をほとんど零で
処理できる電解めっき装置とそのようなめっき方法を提
供する。また、本発明は、長時間継続して、水素ガス拡
散電極でめっき処理を行うことができるめっき装置とそ
れによるめっき方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の技術的な課題の解
決のためになされたもので、本発明は、カソード電極と
アノード電極を有し、その間に電解溶液を設けて、そし
て、アノード電極外側にはガスチャンバーを備える、無
電解あるいは電解の形式のめっき装置において、ガス拡
散アノード電極面に沿って、電解液中に生じるガスを回
収するための補助電極を、電解溶液中に設けることによ
り、アノード電極電位をほとんど零で処理できるように
した、電解めっき装置とそのようなめっき方法を提供す
る。
【0008】そのときに、補助電極は、網目形状の導体
にすると表面積が大きくなり効率的なめっき装置と方法
が得られる。さらに、補助電極の真上に、生じる水素を
捕獲する回収手段を設けるとよい。更に、補助電極は、
少なくとも1枚の網目よりなる金属導体の構造であるこ
とが好適である。また、補助電極の表面は貴金属で被膜
されているか、あるいは、貴金属粉を担持したものが、
好適である。そして、その貴金属は、白金、パラジウ
ム、ルテニウム、ロジウム、イリジウムおよび金から選
択されたものが好適である。アノード電極は、水素ガス
拡散形式で、ガスは水素が好適である。そのめっき方法
は、カソード電極とアノード電極の間にある電解溶液か
ら電解析出し、アノード電極外側に設けたガスチャンバ
ーから、無電解あるいは電解の形式で、金属膜あるいは
合金膜が得られるもので、ガス拡散アノード電極面に沿
って、補助電極を、電解溶液中に設け、電解液中に生じ
るガスを回収しながら電解処理を行うものである。
【0009】本発明は、ガス拡散電極と補助電極の組合
せたものを電解めっき処理に利用することが、本質的な
点である。ガス拡散電極は通常前記のように、通常は燃
料電池、ガス濃淡電池等として使用されているものであ
る。本発明では、他のものを考えられるが、通常、好適
には、水素ガス拡散電極を用いるので、以下基本的に
は、水素ガス拡散電極の例で説明するが、他のガスでも
使用可能である。即ち、水素ガス拡散電極をアノードと
して使用すると、 H2→2H++2e- の反応を利用したガス拡散電極となる。そして、この反
応を利用するので、アノードではほとんど電位のかから
ない電極として有効利用できる。
【0010】即ち、この水素ガス拡散電極では、アノー
ドで水素を水素イオンに変換することにより、電極とし
てのアノード反応が生じる。このアノード電圧は、水素
の酸化電位であるから、0Vとなり、アノード電圧はま
ったくかからない電極であると言える。然し乍ら、この
電極を使用した場合、上記の式に示すように、電極界面
を通じて電解量と等モルの水素イオンが電解槽中に流出
することとなる。水素イオンの流入は、電解槽内のpH
を下げることとなるので、長時間電解を行うめっき法に
適さない電極であった。即ち、このアノード使用を長時
間継続すると、めっき液中の水素イオン濃度が電極反応
が進むに従って、増大することとなるために、めっき液
中のpHが低下していく。このために、めっき条件が変
化して、めっき不良が生じることがあるので、この電極
を使用することは通常考えられなかった。
【0011】この不都合を本発明は補助電極を使用する
ことにより、克服したものである。本発明において、補
助電極は、アノード電極面に沿って、電解液中に生じる
水素ガスを回収するための補助電極を、電解溶液中に設
けたものである。通常は、補助電極には、どちらの電極
とも接続しないで使用するが、要求がある場合には、適
切な電位をかけることができる。この電位は、水素イオ
ンから水素ガスへの反応を効率よくできるようなものを
選択する。
【0012】以下、まず、合金のめっき装置で使用する
ためのアノード電極について、以下のように検討した。
ここでは、錫−銀の合金をめっきする場合について、説
明するが、他の合金めっきあるいは単なる金属あるいは
貴金属のめっきの場合でも同様である。
【0013】めっきすべき合金の一方の金属である錫の
電極については、電解前の浴中の銀イオンは、ヨウ化銀
としてヨウ化銀と銀イオンとの平衡反応で大過剰のヨウ
化カリウム溶液中に存在するだけであるので、錫の電極
をこのめっき浴中に浸漬したら、金属錫の溶解反応;S
n→Sn2++2e-(E0=0.14)で余った電子によ
りめっき液中の銀イオンが容易に析出し、容易に置換め
っきを生成する。もともと銀の標準電位は貴であるの
で、合金めっき組成としては、錫過剰の皮膜中に銀が1
〜5重量%程度存在する皮膜が望ましいものである。従
って、銀の濃度をできる限り低く抑制する。そのため
に、電解質中に存在する銀の濃度も低く設定している。
従って、このアノードでの銀の不正な析出は、皮膜中の
銀の濃度コントロールを困難にする。
【0014】本発明のような電極形式でなく、通常のア
ノード−カソードで電解処理すると、めっき皮膜は、ア
ノード電圧の低いときには、無光沢白色の良好な金属皮
膜を析出するが、電解継続に従って、徐々にアノードに
緑色〜黒色の皮膜が析出する。然し乍ら、皮膜形成と同
時に浴電圧が急上昇し、カソード表面に析出する皮膜
は、電解電位が高いものとなる。
【0015】また、銀電極を使用すると、めっき浴中の
銀は、銀イオンが先ずヨウ化銀を生成した後、過剰のヨ
ウ化カリウム溶液の中に入って溶ける。然し乍ら、生成
反応からするとヨウ化銀を形成するよりも電解質溶液中
に大量に存在するアンモニウムイオンや、トリエチルア
ミンと錯体を作る傾向が強いので、単独に銀イオンをめ
っき浴中に入れると沈殿が生じ、容易に溶解しない。同
様に銀イオンをめっき浴中に浸漬し、アノードとして電
解した場合も銀電極と溶液の界面で、このような現象が
生じるため、容易に溶解反応が生じず、不溶性皮膜が生
成される。このアノードで生成した皮膜は電気を通じ
ず、結果として浴電圧が上昇し、最終的には通電不良と
なり、電解が困難になるものである。銀電極の場合、め
っき皮膜も電圧の低いときには、無光沢白色の良好な金
属皮膜を析出するが、電解継続に従って、徐々にアノー
ドに緑色〜黒色の皮膜が析出する。然し乍ら、皮膜形成
と同時に浴電圧が急上昇する。
【0016】以上の電極に対して、アノードとして、水
素ガス拡散電極を用いて、錫−銀合金めっきのために電
解処理を始めると、電解の開始と同時にpHが低下し始
める。そして、しばらくするとアノードでヨウ素が析出
し始め、pH値の低下が止まる。然し乍ら、析出したヨ
ウ化カリウムは溶解も分解もしないので、ある程度以上
の電解処理を継続することは不可能になる。すなわち、
一般的に、水素ガス拡散電極では、前記のような、不溶
性アノードで生じたガス発生はなかった。然し乍ら、ア
ノード付近で、電解めっき継続時にヨウ素の沈殿が生じ
た。酸化インジウム電極を使用した際と同様の電極反応
が生じているものと考えられる。
【0017】これに対して、本発明のめっき装置では、
改良した水素ガス拡散電極を用いるものである。水素ガ
ス拡散電極は、アノードで水素を水素イオンに変換する
ことにより、電極としてのアノード反応が生じる。この
アノード電圧は、水素の酸化電位であるから、0Vとな
り、アノード電圧はまったくかからない電極であると言
える。然し乍ら、この電極を使用した場合、電極界面を
通じて電解量と等モルの水素イオンが電解槽中に流出す
ることとなる。水素イオンの流入は、電解槽内のpHを
下げることとなるので、長時間電解を行うめっき法に適
さない電極であった。
【0018】すなわち、本発明による改良型水素ガス拡
散電極では、通常の水素ガス拡散電極で電解した場合と
異なり、以上の説明したように、pHの変動は比較的に
緩やかである。そのために、ヨウ素の沈殿も生じなかっ
た。そして、得られたカソード皮膜は、無光沢の白色皮
膜であった。他のアノード材料では、30分以上のめっ
き処理を行うと、アノードに銀が析出したり、カソード
にヨウ素が吸着することが、原因で、異常な共析現象の
ような粉めっきが析出したりしたが、更に、本発明のめ
っきアノード電極およびめっき方法により、これらの皮
膜形成の問題が、低減される。
【0019】すなわち、この水素ガス拡散電極アノード
の近傍に補助電極を設け、どちらの電極とも接続しない
と、補助電極は、バイポーラ電極になり、マイナスに帯
電した表面で、水素ガスが生じることになる。本発明の
めっき装置においては、補助電極では、アノードとの間
で、バイポーラ現象が生じる。従って、本発明におい
て、“バイポーラ電極”なる用語は、金属の補助電極で
あるが、それは、そのアノード側のその表面ではカソー
ドとして作用し、そのカソード側表面がアノードとして
作用して、アノード側表面で、水素イオンが還元され、
電解槽内で水素ガスが発生し、それを回収することがで
きるものである。
【0020】水素イオンを水素ガスに転じる電位は非常
に小さい。そのために、電解槽の持つ電圧から生じる補
助電極を使用するだけで水素イオンを還元することは十
分に可能である。然し乍ら、前記のように、補助電極に
は、必要により、適切な電位をかけることができる。
【0021】本発明のめっき装置では、また、金属網電
極を複数枚吊すことにより、さらに大きなバイポーラ現
象を引き起こし、水素イオンの電解槽への流失を最低限
度に抑制することができる。
【0022】また、水素ガス拡散電極のみで電解を行っ
た際に生じたヨウ素のアノードへの付着、沈殿の発生
も、バイポーラ電極すなわち、補助電極の網を複数枚吊
すことにより、アノード近傍への電解溶液中のヨウ素イ
オンの接近、吸着を防止することが可能になる。従っ
て、補助電極の設置が有効であると考えられる。
【0023】この場合、アノードへのヨウ素イオンの吸
着と、ヨウ素の沈殿が補助電極の配置で阻害され、実際
の沈殿等が生じなかった。水素イオンの濃度の上昇によ
るpHの低下も、電解継続が可能な程度に抑制された。
錫−銀合金めっきを行うに当って、この水素ガス拡散電
極はもっとも有効な電極であると考えた。
【0024】次に、本発明のめっき装置およびそのめっ
き方法を具体的に実施例により説明するが、本発明はそ
れらによって限定されるものではない。
【0025】
【実施例1】 [めっき装置]図1は、本発明のめっき装置の1例を模
式的に示す斜視図である。この図は、模式的に本発明の
めっき装置の構成要素だけを図示した断面図で、構造的
な部分は略されている。電解槽(1)は、通常の構造で、
水素ガス拡散電極であるアノード(2)とカソード(3)を
左右に備える槽(1)の中には電解液(4)がある。アノー
ドのガス拡散電極(2)の外側に、水素ガスチャンバー
(5)が設けられ、それを介し、水素が電解液(4)中に供
給される。ガスチャンバー(5)には、入口(11)から水
素が供給され、消費された残りの水素ガスは出口(12)
から排出される。
【0026】即ち、めっきされるべき部材は、カソード
(3)に取り付けられ、カソード自体をなす、アノード
(2)は、水素ガス拡散電極とした。このガス拡散電極の
表面積は40cm2で、極間は5mmとした。ガス拡散電
極の構造は、親水性カーボンブラック(電気化学工業株
式会社製AB−12)、疎水性カーボンブラック(電気
化学工業株式会社製AB−7)およびバインダーである
ポリテトラフロロエチレンディスパージョン(ダイキン
工業株式会社製D−1)からなるカーボン電極である。
触媒は白金でガス拡散電極の反応層中に0.56mg/
cm3担持した。めっき電解浴(4)は、そのアノードとカ
ソードの間にあり、その成分は、めっきすべき材料に依
存する。そして、これらの材料成分を所定濃度に調製
し、セル中に入れた。
【0027】更に、アノード(2)の表面に沿って、白金
めっきを施したチタン金属の補助電極網(6)を設けた。
その上部に水素ガス回収器(9)を設け、水素ガスをポン
プ(10)で回収できる。水素ガスチャンバー(5)には、
外から入口(11)から水素ガスが適正に供給される。
【0028】アノード(2)とカソード(3)の間には整
流器(8)から適切な電圧がかけられる。基本的には、補
助電極(6)は、吊されているだけで、いずれの電極とも
接続していない。すると、アノードに近い側の補助電極
(6)の表面には、マイナスに帯電され、カソード側表面
にはプラスに帯電する。従って、補助電極(6)は、バイ
ポーラ電極になる。そのために、アノード側補助電極の
表面では、水素イオンが集まり、水素ガスが発生する。
発生した水素ガスは、低圧圧力計(13)で圧力を測定さ
れ、回収器(9)で回収され、ポンプ(10)により引き出
される。
【0029】一方、電解液(4)は供給口(14)から供給
され、出口(15)から出て一定流量で循環され、そのた
め、消費された金属イオンは自動的に補足される。供給
口および出口は図では底面と上面にあるが、これは図示
の便利のためであり、両者とも側面でよい。
【0030】補助電極(6)は、図示のように複数の金属
網で作られる。即ち、表面積をできるだけ広くできる形
状のものが好適である。図示では電位をかけていなく、
零Vであるが、水素ガスの発生によいように、電位をか
けてもよい。さらに、本発明のめっき装置においては、
イオン交換膜(16)をアノード(2)とカソード(3)の間
に設けて、電解処理で形成するハロゲン等が他の電極近
くに行かないようにする。従って、このイオン交換膜と
しては、ハロゲンを透過させない膜であれば、セロファ
ンなどの分子性の膜でも使用できる。
【0031】
【実施例2】 [実際のめっき処理の例1−電解錫−銀合金めっき]次
に、錫−銀合金のめっき浴の組成を、硫酸錫(II)0.1
〜0.3M、硝酸銀0.001〜0.2M、クエン酸塩
0.4〜1.2M、ヨウ化カリウム1.5〜3.0M、
コハク酸イミド0.4〜0.8M、表面調整剤1〜10
g/l、表面活性剤0.2〜1.5gのもので、アノード
として、図1に示される水素ガス拡散電極を用いて、下
記のめっき条件で錫−銀合金の電解めっきを行った。
【0032】即ち、めっき条件は、温度25〜60℃、
機械撹拌で、pH4〜6で、電流密度0.1〜4A/dm
2である。カソード上に得られた錫−銀合金のめっき膜
は、無光沢の白色皮膜であった。そして、分解生成物が
できないので、長期間にわたり、めっき処理を継続する
ことができた。この場合、温度は常温から60℃付近ま
で可能であったが、温度が高い方がめっき皮膜中の銀濃
度を低く、抑制する効果があり、また皮膜が緻密になる
ので、40〜50℃が好適である。高温になるとめっき
液の蒸発のために同じ条件に保持することが困難にな
る。pH3.5〜10の範囲でめっき液は、無色〜黄色
がかった溶液で安定している。pHの変動によりめっき
皮膜中の銀含有量が変化する。pHが下がるとめっき皮
膜の電流効率がさがる。
【0033】本発明のガス拡散電極と補助電極の組合せ
による方法に対して、従来のように、アノードに不溶性
材料例えば、貴金属、炭素等を用いると、アノード電圧
が高くなり、カソード皮膜中の銀含有量や外観に悪影響
を与えた。
【0034】
【実施例3】[実際のめっき処理の例2−ニッケル−リ
ン合金めっき]下表に示す電解ニッケル−リン合金めっ
き液を使用して、表に示すめっき条件で電解めっきを行
った。アノードには、ニッケルあるいはステンレスのみ
の電極を使用する場合と、図示のような改良型の水素ガ
ス拡散電極を使用する場合で行った。
【0035】
【表1】
【0036】その観察結果は次の通りである。ニッケル
電極の場合には、めっき液中のニッケル濃度が過度に上
昇し、アノード表面付近で不溶性ニッケルのイオン色の
沈殿が生じ、電解を継続することが困難になった。そし
て錯化剤として添加しているクエン酸は添加量の約30
重量%が分解されていた。また、ステンレス電極の場合
には、不溶性ニッケルの沈殿は生じなかったが、めっき
浴液が変色し、深緑色〜褐色に変わった。クエン酸の分
解は40重量%前後であった。
【0037】以上に対して、本発明の水素ガス拡散電極
と補助電極の組合せの場合には、めき浴液の変色および
沈殿が生じなかった。クエン酸の分解もほとんど確認で
きなかった。この場合、pHが低下する傾向があるが、
このpHの変動による皮膜の外観への影響および含有リ
ン率への影響はほとんどないと思われる。
【0038】
【実施例4】 [実際のめっき処理の例3−電解鉄めっき]下表に示す
電解鉄めっき液を使用して、表に示すめっき条件で電解
鉄めっきを行った。従来のアノードに、鉄を使用した
り、不溶性金属を使用したりする場合には、アノード表
面で鉄(II)イオンが鉄(III)イオンに酸化されることに
より、めっきされた皮膜中に酸素を持ち込み皮膜の靭性
を劣化させる傾向が認められる。これに対して、図示の
ような改良型の水素ガス拡散電極を使用すると、浴液で
も小さいpHの低下が認められたが、得られた皮膜への
影響は認められなかった。
【0039】
【表2】
【0040】めっき液中の鉄(III)イオンの濃度は一定
であり、電解を継続しても、鉄イオンの濃度の上昇は認
められなかった。また、めっき浴液中に大量にある塩化
物による塩素の発生も抑制された。
【0041】
【実施例5】 [実際のめっき処理の例4−電解金めっき]下表に示す
電解金めっき液を使用して、表に示すめっき条件で電解
金めっきを行った。従来の金めっき浴では、チタン網に
白金めっきした不溶性アノードを用いて電解を行うが、
弱酸性の金めっき液では、めっき液に添加された錯化剤
のクエン酸を酸化分解してしまう。その分解生成物が皮
膜中に取り込まれ得られた皮膜の外観を劣化させる。こ
れに対して、図示のような改良型の水素ガス拡散電極を
使用すると、錯化剤の酸化分解を抑制し、長時間連続電
解が可能になり、生成した皮膜への悪影響を抑制するこ
とができる。
【0042】
【表3】
【0043】以上の同様に、白金めっき、ロジウムめっ
きの場合にも、本発明のめっき装置と方法は、好適な結
果が得られる。
【0044】
【実施例6】 [実際のめっき処理の例5−クロムめっき]下表に示す
電解クロムめっき液を使用して、表に示すめっき条件で
電解クロムめっきを行った。従来のクロム(III)からの
めっきでは、アノード表面で酸化分解がほとんど生じな
い電極であったが、浴液中で、クロムイオン(VI)の量を
厳格に規制されるためには、本発明のめっき装置と方法
は、有効である。即ち、本発明にめっき方法では、電解
によってアノード表面で生じるVI価のクロムイオンはほ
とんど観察されなかった。
【0045】
【表4】
【0046】導電性塩として、ハロゲン、アンモニア等
を使用している場合、アノード材への特異吸着、酸化に
よりアノードでそれら物質が析出する可能性があるが、
本発明の補助電極を設置することにより、アノード材へ
のこれらの吸着物質の直接吸着が抑制される。
【0047】複数の荷電をもつイオンからの電解めっき
液では、そのめっき液中で必要な荷電イオンになるよう
なアノード材を選択してめっきを行ってきたり、アノー
ドでの電解反応によりめっき液中での不純物となるよう
な生成物を生じた場合、ある程度蓄積されたときには、
めっき液を廃棄しなければならない。本発明のような構
成の電極を用いると、アノード酸化によるめっき不純物
の生成が抑制できるものである。特に、不溶性アノード
を使用しなければならない合金めっき、貴金属めっきで
は、技術的効果が著しいものである。
【0048】
【発明の効果】本発明のめっき装置は、図示のような構
造により、次のごとき技術的効果があった。即ち、第1
に、電解めっきが、非常に低いアノード電極電位で行う
ことができる。即ち、特に、不溶性アノードを使用しな
ければならない合金めっきや貴金属めっきで、著しく低
い電極電位で、めっきができる装置と方法を提供でき
る。また、錯化剤等としてめっき浴に含有させたクエン
酸等の有機酸を酸化分解させることのないめっき装置と
方法を提供する。そして、更に、めっきされた皮膜を劣
化する可能性のある酸化物形成を防止し、あるいは、劣
化の原因となる電解液中の不純物形成、例えば、沈殿、
塩素ガス、リン含有等のないめっき方法を提供する。
【0049】第2に、請求項2と10に記載の装置と方
法により、効率よく、水素ガス発生が行える。第3に、
請求項3と11に記載の装置と方法により、水素ガスが
効率よく回収できる。
【0050】第4に、請求項4と12に記載の装置と方
法により、強度と水素ガス発生効率の両方が得られるも
のとなる。第5に、請求項5と13に記載の装置と方法
により、貴金属表面により電極腐食のないものが得ら
れ、補助電極の水素ガス発生効率が上がる
【0051】第6に、請求項6と14に記載の発明で
は、貴金属を選択することにより、不純分発生をできる
だけ少なくする。第7に、請求項7と15に記載の発明
では、水素ガス拡散によりアノード電位が零でも合金お
よび金属のめっきができる。第8に、請求項8と16に
記載の発明では、アノード電位に対して補助電極の電位
を適当に保持して、水素ガス発生効率を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のめっき装置の1例の構成を説明するた
めの模式的断面図である。
【符号の説明】
(1) 電解槽 (2) アノード(水素ガス拡散電極) (3) カソード (4) 電解浴(液) (5) ガスチャンバー (6) 補助電極(網) (8) 整流器 (9) 水素ガス回収器 (10) ポンプ (11) 水素ガス供給口 (12) 水素ガス排出口 (13) 低圧圧力計 (14) 電解液供給口 (15) 電解液出口 (16) イオン交換膜

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カソード電極とアノード電極を有し、
    その間に電解溶液を設けて、そして、アノード電極外側
    にはガスチャンバーを備える、無電解あるいは電解の形
    式のめっき装置において、 該アノード電極面に沿って、電解液中に生じるガスを回
    収するための補助電極を、電解溶液中に設けたことを特
    徴とする前記めっき装置。
  2. 【請求項2】 該補助電極は、網目形状の導体である
    ことを特徴とする請求項1に記載のめっき装置。
  3. 【請求項3】 さらに、補助電極の真上に、生じるガ
    スを捕獲する回収手段を設けたことを特徴とする請求項
    1あるいは2に記載のめっき装置。
  4. 【請求項4】 補助電極は、少なくとも1枚の網目よ
    りなる金属導体の構造であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載のめっき装置。
  5. 【請求項5】 補助電極の表面は、貴金属粉で担持あ
    るいは貴金属で被膜されていることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載のめっき装置。
  6. 【請求項6】 該貴金属は、白金、パラジウム、ルテ
    ニウム、ロジウム、イリジウムおよび金から選択された
    ものであることを特徴とする請求項5に記載のめっき装
    置。
  7. 【請求項7】 ガス拡散電極は、水素ガス拡散形式の
    もので、ガスは水素であることを特徴とする請求項1〜
    6のいずれかに記載のめっき装置。
  8. 【請求項8】 補助電極に、適当な電位をかけ、アノ
    ードと補助電極の間に、微電流を流し、水素イオンの還
    元反応を促進することを特徴とする請求項1〜7のいず
    れかに記載のめっき装置。
  9. 【請求項9】 カソード電極とアノード電極の間にあ
    る電解溶液から電解析出し、アノード電極外側に設けた
    水素ガスチャンバーから、無電解あるいは電解の形式
    で、金属膜あるいは合金膜が得られるめっき方法におい
    て、 アノード電極面に沿って、補助電極を、電解溶液中に設
    け、電解液中に生じる水素ガスを回収しながら電解処理
    を行うことを特徴とする前記めっき方法。
  10. 【請求項10】 補助電極は、網目形状の導体である
    ことを特徴とする請求項9に記載のめっき方法。
  11. 【請求項11】 さらに、補助電極の真上に、生じる
    水素を捕獲する回収手段を設けることを特徴とする請求
    項9に記載のめっき方法。
  12. 【請求項12】 補助電極は、少なくとも1枚の網目
    よりなる金属導体の構造であることを特徴とする請求項
    9〜11のいずれかに記載のめっき方法。
  13. 【請求項13】 補助電極の表面には、貴金属粉を担
    持し、あるいは貴金属で被膜されているものであること
    を特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載のめっき
    方法。
  14. 【請求項14】 該貴金属は、白金、パラジウム、ル
    テニウム、ロジウム、イリジウムおよび金から選択され
    たものであることを特徴とする請求項13に記載のめっ
    き方法。
  15. 【請求項15】 該アノード電極は、水素ガス拡散形
    式のもので、ガスは水素であることを特徴とする請求項
    9〜14のいずれかに記載のめっき方法。
  16. 【請求項16】 補助電極に、適当な電位をかけ、ア
    ノードと補助電極の間に、微電流を流し、水素イオンの
    還元反応を促進することを特徴とする請求項9〜15の
    いずれかに記載のめっき方法。
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