JPH1136971A - 内燃機関のイオン電流検出装置 - Google Patents

内燃機関のイオン電流検出装置

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JPH1136971A
JPH1136971A JP9193431A JP19343197A JPH1136971A JP H1136971 A JPH1136971 A JP H1136971A JP 9193431 A JP9193431 A JP 9193431A JP 19343197 A JP19343197 A JP 19343197A JP H1136971 A JPH1136971 A JP H1136971A
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combustion engine
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敏昭 山浦
Kenji Ikuta
賢治 生田
Eiji Takakuwa
栄司 高桑
Kazuhisa Mogi
和久 茂木
Hironao Kishi
宏尚 岸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 点火プラグの電極に流れるイオン電流から点
火プラグの状態と内燃機関の燃焼状態を精度良く診断で
きるようにする。 【解決手段】 所定点火サイクル数毎にイオン電流検出
回路の出力値(イオン電流に応じた電圧)の対数正規分
布を求め、その50%累積頻度に相当する出力値を平均
値X1 とすると共に、15.9%累積頻度に相当する出
力値を標準偏差σ1 とする。そして、この平均値X1 と
標準偏差σ1 がX,σマップのA,B,Cのいずれのゾ
ーンに該当するか判別し、ゾーンAであれば、点火プラ
グ異常と判定し、ゾーンBであれば、燃焼異常と判定
し、ゾーンCであれば、正常と判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、点火プラグの電極
に流れるイオン電流を検出して、点火プラグの状態や内
燃機関の燃焼状態を診断する機能を備えた内燃機関のイ
オン電流検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、内燃機関(エンジン)の燃焼状態
を検出するために、点火毎に点火プラグの端子に流れる
イオン電流を検出し、そのイオン電流検出信号に基づい
て着火、失火等を検出する技術が開発されている。従来
の着火/失火の判定は、着火時にイオン電流が増加する
特性を利用し、イオン電流検出信号を所定の判定基準電
圧と比較して、イオン電流検出信号が判定基準電圧以上
であれば着火と判定し、そうでなければ、失火と判定す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、イオン電流
は、エンジン運転条件によって非常に大きく変動するた
め、上記従来のように、イオン電流検出信号を判定基準
電圧と比較して着火/失火を判定する方法では、エンジ
ン運転条件の変動によるイオン電流の変動の影響を受け
て、着火/失火を誤判定するおそれがある。
【0004】また、内燃機関の燃焼状態は点火プラグの
放電性能によって左右されるため、点火プラグの放電性
能が絶縁物デポジットの付着等によって低下した場合に
は、それを速やかに検出できるようにすることが望まし
い。
【0005】しかし、従来の点火プラグの異常診断は、
サービス工場でエンジンから点火プラグを取り外して、
点火プラグの発火部の状態を目視で観察して正常/異常
を判断するようにしているため、サービス工場まで車両
を持っていかないと、点火プラグの異常診断を行うこと
ができない。今日まで、運転中に、点火プラグの異常を
早期に検出する手法が確立されておらず、点火プラグの
異常の発見・対策が遅れてしまうという欠点があった。
【0006】そこで、本発明の第1の目的は、運転中に
点火プラグの状態を精度良く診断できるようにすること
であり、また、第2の目的は、イオン電流から内燃機関
の燃焼状態を精度良く診断できるようにすることであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の請求項1では、点火プラグの電極に
流れるイオン電流が点火プラグの状態によって変化する
点に着目し、点火プラグの電極に流れるイオン電流をイ
オン電流検出手段により検出し、このイオン電流検出手
段の出力値の平均値と標準偏差を出力分布評価手段によ
り対数正規分布特性に従って求め、この平均値と標準偏
差とに基づいて点火プラグの状態を点火プラグ診断手段
により診断する。このように、イオン電流検出手段の出
力値の平均値と標準偏差を対数正規分布特性により求め
ることで、内燃機関の運転条件の変動によるイオン電流
の変動の影響を少なくした診断パラメータ(平均値と標
準偏差)を求めることができ、この診断パラメータに基
づいて点火プラグの状態を精度良く診断できる。
【0008】また、上記第2の目的を達成するために、
本発明の請求項2では、前記出力分布評価手段で求めた
平均値と標準偏差とに基づいて内燃機関の燃焼状態を燃
焼状態診断手段により診断する。このようにすれば、内
燃機関の運転条件の変動によるイオン電流の変動の影響
を少なくした診断パラメータ(平均値と標準偏差)に基
づいて内燃機関の燃焼状態を精度良く診断できる。
【0009】この場合、請求項3のように、前記出力分
布評価手段で求めた平均値と標準偏差とに基づいて内燃
機関の燃焼状態と点火プラグの状態の双方を診断するよ
うにしても良いことは言うまでもない。
【0010】また、請求項4のように、前記出力分布評
価手段で求めた平均値と標準偏差が所定範囲から外れた
時、つまり異種プラグ装着時又は点火プラグ異常時に、
燃焼状態の診断を禁止する診断禁止手段を設けても良
い。このようにすれば、イオン電流を精度良く検出でき
ない状態で、燃焼状態の診断を行うことを回避でき、燃
焼状態の診断精度を更に向上できる。
【0011】また、請求項5のように、イオン電流の発
生状態が安定している特定の運転条件の時に平均値と標
準偏差を求めるようにしても良い。このようにすれば、
平均値と標準偏差を精度良く求めることができる。
【0012】また、請求項6のように、前記出力分布評
価手段で求めた値が所定の平均値以下で且つ所定の標準
偏差以下の場合に点火プラグの異常有りと診断するよう
にしても良い。つまり、平均値と標準偏差とが共に小さ
い場合には、イオン電流検出手段で検出されるイオン電
流が常に少ないことを意味する。この場合には、点火プ
ラグの電極への絶縁物デポジットの付着等によりイオン
電流を検出しにくい状態になっていると考えられるた
め、出力分布評価手段で求めた値が所定の平均値以下で
且つ所定の標準偏差以下であるか否かで、点火プラグの
異常の有無を精度良く診断することができる。
【0013】また、請求項7のように、予め設定された
第1の判定基準値と、「平均値−n×標準偏差(但しn
>3)」の式で算出した第2の判定基準値とを比較し
て、燃焼状態の判定基準値を補正するようにしても良
い。このようにすれば、イオン電流検出特性の異なる異
種の点火プラグに付け替えた場合や、点火プラグが劣化
している場合でも、その点火プラグに合わせて判定基準
値を補正することができ、燃焼状態の診断精度を更に向
上できる。
【0014】更に、請求項8のように、各気筒毎に燃焼
状態の判定基準値を設定するようにしても良い。このよ
うにすれば、各気筒毎に点火プラグのイオン電流検出特
性が異なっていたとしても、各気筒毎に最適な判定基準
値で燃焼状態を精度良く診断できる。
【0015】また、請求項9のように、所定点火サイク
ル数毎にイオン電流検出手段の出力値の対数正規分布を
求め、その50%累積頻度に相当する出力値を平均値と
し、m%累積頻度(但しm<50)に相当する出力値か
ら標準偏差を求めるようにしても良い。このようにすれ
ば、対数正規分布特性から平均値と標準偏差を極めて簡
単に求めることができる。
【0016】ところで、点火プラグの使用期間が長くな
るに従って、点火プラグの中心電極の外周面に絶縁物デ
ポジットが徐々に付着し、中心電極の露出面積が少なく
なることがある。このようになると、中心電極に流れる
イオン電流が減少して、イオン電流検出手段の出力が低
下する。
【0017】この対策として、請求項10のように、点
火プラグとして多極プラグ又は沿面放電プラグを用いる
ようにしても良い。多極プラグや沿面放電プラグは、点
火プラグの中心電極の外周面に向かって側方から火花放
電が発生するため、その放電エネルギによって中心電極
の外周面が清浄化されて、絶縁物デポジットの付着が少
ない。従って、多極プラグ又は沿面放電プラグを用いれ
ば、絶縁物デポジットの付着によるイオン電流検出手段
の出力の低下を防ぐことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態(1)を
図1乃至図9に基づいて説明する。まず、図1に基づい
て点火制御系の回路構成を説明する。点火コイル21の
一次コイル22の一端はバッテリ23に接続され、該一
次コイル22の他端は、イグナイタ24に内蔵されたパ
ワートランジスタ25のコレクタに接続されている。二
次コイル26の一端は点火プラグ27に接続され、該二
次コイル26の他端は、2つのツェナーダイオード2
8,29を介してグランドに接続されている。
【0019】2つのツェナーダイオード28,29は互
いに逆向きに直列接続され、一方のツェナーダイオード
28にコンデンサ30が並列に接続され、他方のツェナ
ーダイオード29にイオン電流検出抵抗31が並列に接
続されている。コンデンサ30とイオン電流検出抵抗3
1との間の電位Vinが抵抗32を介して反転増幅回路3
3の反転入力端子(−)に入力されて反転増幅され、こ
の反転増幅回路33の出力電圧Vがイオン電流検出信号
としてエンジン制御回路34に入力される。イオン電流
検出回路35(イオン電流検出手段)は、ツェナーダイ
オード28,29、コンデンサ30、イオン電流検出抵
抗31、反転増幅回路33等から構成されている。
【0020】エンジン運転中は、エンジン制御回路34
からイグナイタ24に送信される点火指令信号の立ち上
がり/立ち下がりでパワートランジスタ25がオン/オ
フする。パワートランジスタ25がオンすると、バッテ
リ23から一次コイル22に一次電流が流れ、その後、
パワートランジスタ25がオフすると、一次コイル22
の一次電流が遮断されて、二次コイル26に高電圧が電
磁誘導され、この高電圧によって点火プラグ27の電極
36,37間に火花放電が発生する。この火花放電電流
は、点火プラグ27の接地電極37から中心電極36へ
流れ、二次コイル26を経てコンデンサ30に充電され
ると共に、ツェナーダイオード28,29を経てグラン
ド側に流れる。コンデンサ30の充電後は、ツェナーダ
イオード28のツェナー電圧によって規制されるコンデ
ンサ30の充電電圧(例えば120V)を電源としてイ
オン電流検出回路35が駆動され、後述するようにして
イオン電流が検出される。
【0021】これに対し、イオン電流は、火花放電電流
とは反対方向に流れる。つまり、点火終了後は、コンデ
ンサ30の充電電圧によって点火プラグ27の電極3
6,37間に電圧が印加されるため、気筒内で混合気が
燃焼する際に発生するイオンによって電極36,37間
にイオン電流が流れるが、このイオン電流は、中心電極
27から接地電極28へ流れ、更に、グランド側からイ
オン電流検出抵抗31を通ってコンデンサ30に流れ
る。この際、イオン電流検出抵抗31に流れるイオン電
流の変化に応じて反転増幅回路33の入力電位Vinが変
化し、反転増幅回路33の出力端子からイオン電流に応
じた電圧がエンジン制御回路34に出力される。
【0022】エンジン制御回路34内には、ノイズマス
ク38、ピークホールド回路39、A/D変換器40及
びマイクロコンピュータ41が内蔵されている。イオン
電流検出回路35の出力電圧は、ノイズマスク38にて
ノイズ成分が除去された後、ピークホールド回路39に
入力される。このピークホールド回路39は、ノイズマ
スク38の出力電圧のピーク値を検出して、それを保持
する。このピークホールド回路39の出力は、A/D変
換器40を介してマイクロコンピュータ41に読み込ま
れる。
【0023】マイクロコンピュータ41のROM(記憶
媒体)には、燃料噴射制御や点火時期制御を行うための
各種のエンジン制御プログラムが記憶されていると共
に、図2乃至図4及び図6に示す異常診断用の各プログ
ラムが記憶されている。これらの異常診断用の各プログ
ラムをマイクロコンピュータ41によって実行すること
で、点火プラグ27の異常や燃焼異常の有無を診断し、
最終的に異常有りと診断した時には、警告ランプ42を
点灯又は点滅して運転者に警告する。以下、異常診断用
の各プログラムの処理内容を説明する。
【0024】図2に示す出力分布評価プログラムは、点
火毎に起動され、特許請求の範囲でいう出力分布評価と
して機能する。本プログラムが起動されると、まずステ
ップ101で、吸気管圧力Pm、エンジン回転数Ne、
冷却水温Thwを読み込んだ後、ステップ102で、後
述するイオン電流出力の対数正規分布を評価するのに適
した特定の運転条件であるか否かを判定する。ここで、
特定の運転条件とは、イオン電流の発生状態が安定して
いる運転条件であり、例えば次の〜の条件を全て満
たすと、特定の運転条件となる。
【0025】吸気管圧力Pmがほぼ無負荷時の状態で
あること エンジン回転数Neが例えば700〜750rpmの
範囲内であること 冷却水温Thwが例えば70℃以上であること これら〜の条件を1つでも満たさなければ、特定の
運転条件とならない。この場合には、イオン電流出力の
対数正規分布の評価処理(ステップ103〜106)を
行わず、ステップ107に進む。
【0026】一方、特定の運転条件である場合には、ス
テップ102からステップ103に進み、イオン電流検
出回路35の出力(以下「イオン電流出力」という)I
i をノイズマスク38、ピークホールド回路39、A/
D変換器40を介して読み込む。この後、ステップ10
4で、読み込んだイオン電流出力Ii を順番にテーブル
T1 の例えば63個のデータ領域I1 〜I63に1個ずつ
書き込む。尚、テーブルT1 のデータ数は63個以外の
個数であっても良いことは言うまでもない。
【0027】そして、次のステップ105で、イオン電
流出力Ii の読み込み回数をカウントするカウンタiの
値が63になったか否か(つまりテーブルT1 のI1 〜
I63へのデータ書き込みが全て終了したか否か)を判定
し、i<63の場合には、ステップ109に進み、カウ
ンタiをインクリメントして、本プログラムを終了す
る。
【0028】このような処理を繰り返すことで、テーブ
ルT1 のI1 〜I63へのデータ書き込みが全て終了する
と、ステップ105からステップ106に進み、後述す
る図3の平均値・標準偏差算出プログラムを実行し、イ
オン電流出力Ii の平均値Xと標準偏差σを対数正規分
布特性によって求める。この後、ステップ107で、カ
ウンタiを初期値「1」にリセットした後、ステップ1
08で、テーブルT1のデータI1 〜I63をリセットし
て本プログラムを終了する。
【0029】次に、上記ステップ106で実行される図
3の平均値・標準偏差算出プログラムの処理内容を説明
する。本プログラムでは、まずステップ111で、テー
ブルT1 の63個のデータI1 〜I63を小さい順に並べ
換えて、テーブルT2 の63個のデータI'1〜I'63 に
書き換える。これにより、テーブルT2 の63個のデー
タI'1〜I'63 の大小関係は、I'1≦I'2≦……≦I'6
2 ≦I'63 となる。
【0030】この場合、テーブルT2 のデータI'1〜
I'63 の総数は63個であるため、50%累積頻度に相
当するイオン電流出力は、小さい方から32番目(分布
の中央値)のデータI'32 であり、このI'32 がイオン
電流出力の平均値Xとなる。また、小さい方から10番
目のデータI'10 は、15.9%累積頻度に相当するイ
オン電流出力であり、このI'10 がイオン電流出力の標
準偏差σとなる。
【0031】そこで、ステップ112では、標準偏差σ
と平均値Xを求めるために、15.9%累積頻度に相当
するデータI'10 を読み込むと共に、50%累積頻度に
相当するデータI'32 を読み込む。この後、ステップ1
13で、対数正規分布特性による平均値X1 と標準偏差
σ1 をI'32 とI'10 とを用いて下記の自然対数関数に
より算出して、本プログラムを終了する。 X1 =ln(I'32 ) σ1 =ln(I'32 /I'10 ) 尚、自然対数関数(ln)に代えて、一般の対数関数
(log)を用いても良い。
【0032】図4に示す異常仮フラグセット/リセット
プログラムは、図3のプログラムにより平均値X1 と標
準偏差σ1 を算出し終える毎に起動される。本プログラ
ムが起動されると、まずステップ201で、平均値X1
と標準偏差σ1 を読み込む。この後、ステップ202
で、今回の平均値X1 と標準偏差σ1 が図5に示すX,
σマップのA,B,Cのいずれのゾーンに該当するか判
別する。
【0033】ここで、ゾーンAは、所定の平均値以下で
且つ所定の標準偏差以下の領域であり、点火プラグ異常
ゾーンである。つまり、ゾーンAは、平均値X1 と標準
偏差σ1 が共に小さいことから、イオン電流出力値I'1
〜I'63 が一様に小さくなっていることを意味する。こ
の原因は、点火プラグ27の中心電極36への絶縁物デ
ポジットの付着等によりイオン電流を検出しにくい状態
になっていると考えられるため、ゾーンAは点火プラグ
異常ゾーンとなる。
【0034】また、ゾーンBは、所定の標準偏差以上の
領域であり、燃焼異常ゾーンである。つまり、ゾーンB
は、標準偏差σ1 が大きいことから、イオン電流出力値
I'1〜I'63 が大きくばらついていることを意味する。
この原因は、失火等の燃焼不良によるものと考えられる
ため、ゾーンBは燃焼異常ゾーンとなる。
【0035】また、ゾーンCは、所定の平均値以上で且
つ所定の標準偏差以下の領域であり、正常ゾーンであ
る。つまり、ゾーンCは、イオン電流出力値I'1〜I'6
3 が全体的に大きく、且つばらつきが少ないゾーンであ
ることから、安定した燃焼状態で、且つ正常な点火プラ
グ27で大きなイオン電流を安定して検出していること
を意味する。
【0036】もし、今回の平均値X1 と標準偏差σ1 が
点火プラグ異常ゾーンAに該当すれば、ステップ203
からステップ204に進み、点火プラグ異常の仮フラグ
KFPを点火プラグ異常検出を意味する「1」にセット
した後、ステップ205で、燃焼異常の仮フラグKFN
を燃焼正常を意味する「0」にリセットする。
【0037】一方、今回の平均値X1 と標準偏差σ1 が
燃焼異常ゾーンBに該当すれば、ステップ206からス
テップ207に進み、燃焼異常の仮フラグKFNを燃焼
異常検出を意味する「1」にセットした後、ステップ2
09で、点火プラグ異常の仮フラグKFPを点火プラグ
正常を意味する「0」にリセットする。
【0038】また、今回の平均値X1 と標準偏差σ1 が
正常ゾーンCに該当すれば、ステップ206からステッ
プ208に進み、燃焼異常の仮フラグKFNを燃焼正常
を意味する「0」にリセットした後、ステップ209
で、点火プラグ異常の仮フラグKFPを点火プラグ正常
を意味する「0」にリセットする。
【0039】以上のようにして異常仮フラグセット/リ
セットプログラムを終了すると、図6に示す異常診断プ
ログラムを実行する。この異常診断プログラムは、上記
図4の異常仮フラグセット/リセットプログラムと共
に、特許請求の範囲でいう点火プラグ診断手段及び燃焼
状態診断手段として機能する。
【0040】この異常診断プログラムでは、まずステッ
プ301で、点火プラグ異常の仮フラグKFPが点火プ
ラグ異常検出を意味する「1」であるか否かを判定し、
KFP=1(点火プラグ異常検出)であれば、ステップ
302に進み、点火プラグ異常の検出回数をカウントす
る異常検出回数カウンタjPを1インクリメントする
が、KFP=0(点火プラグ正常)であれば、ステップ
305に進み、異常検出回数カウンタjPを初期値
「1」にリセットする。
【0041】そして、KFP=1(点火プラグ異常検
出)の場合には、異常検出回数カウンタjPのインクリ
メント後(ステップ302)、ステップ303で、異常
検出回数カウンタjPの値が例えば「3」を越えたか否
か、つまり点火プラグ異常が3回連続して検出されたか
否かを判定し、「Yes」の場合には、最終的に点火プ
ラグ異常と判断して、ステップ304に進み、点火プラ
グダイアグ処理を行い、バックアップRAM(図示せ
ず)に点火プラグ異常情報を書き込むと共に、警告ラン
プ42を点灯して、運転者に警告する。
【0042】また、異常検出回数カウンタjPが3以下
の場合には、最終的な診断を出さずに本プログラムを終
了する。
【0043】一方、KFP=0(点火プラグ正常)の場
合には、異常検出回数カウンタjPのリセット後(ステ
ップ305)、ステップ306で、警告ランプ42が点
灯中であるか否かを判定し、点灯中であれば、以降の処
理を行うことなく、本プログラムを終了する。警告ラン
プ42が点灯中でなければ、ステップ307に進み、燃
焼異常の仮フラグKFNが燃焼異常検出を意味する
「1」であるか否かを判定し、KFN=0(燃焼正常)
の場合には、そのまま本プログラムを終了するが、KF
N=1(燃焼異常検出)の場合には、ステップ308に
進み、燃焼ダイアグ処理を行い、バックアップRAMに
燃焼異常情報を書き込むと共に、警告ランプ42を点灯
して、運転者に警告する。
【0044】以上説明した実施形態(1)では、点火プ
ラグとして、図7(a)に示すような一般的な構造の点
火プラグ27、つまり、接地電極37の先端部が中心電
極36の軸方向先端面に対向した点火プラグ27を用い
ているが、これに代えて、同図(b)に示すように、2
本以上の接地電極51の先端部が中心電極52の外周面
に対向した多極プラグ53を用いても良く、或は、同図
(c)に示すように、接地電極54が中心電極55の周
囲を取り囲む円筒壁状に形成された沿面放電プラグ56
を用いても良い。勿論、これ以外の種々の形状の点火プ
ラグを用いても良いことは言うまでもない。
【0045】ところで、図7(a)に示すように、中心
電極36の軸方向先端面と接地電極37の先端部との間
で軸方向に火花放電が発生する一般的な点火プラグ27
では、点火プラグ27の使用期間が長くなるに従って、
点火プラグ27の中心電極36の外周面に絶縁物デポジ
ットが徐々に付着し、最終的には、図8(a)に示すよ
うに、中心電極36の軸方向先端面(放電面)を除く外
周面全体が絶縁物デポジットで覆われて、中心電極36
の露出面積が極端に少なくなることがある。このように
なると、中心電極36に流れるイオン電流が減少して、
イオン電流検出回路35の出力(イオン電流出力)が低
下してしまう。
【0046】ちなみに、図9は、点火プラグの中心電極
への絶縁物デポジットの付着によるイオン電流出力劣化
特性の一例を示している。図7(a)の一般的構造のN
i点火プラグ、Pt点火プラグでは、使用期間が長くな
るに従って、中心電極の外周面への絶縁物デポジットの
付着割合が増加して、中心電極の露出面積が少なくな
り、イオン電流出力が低下する。
【0047】これに対し、図7(b)の多極プラグ53
では、中心電極52への絶縁物デポジットの付着による
イオン電流出力の低下はほとんど見られない(図9参
照)。つまり、多極プラグ53では、2本以上の接地電
極51の先端部が中心電極52の外周面に対向し、中心
電極52の外周面に向かって側方から火花放電が発生す
るため、図8(b)に示すように、放電エネルギによっ
て中心電極52の外周面が清浄化されて、絶縁物デポジ
ットの付着が少ない。従って、多極プラグ53を用いれ
ば、絶縁物デポジットの付着によるイオン電流出力の低
下を防ぐことができ、長期間に亘って出力割合の演算精
度を良好に維持できる。
【0048】同様に、図7(c)の沿面放電プラグ56
を用いても、中心電極55の外周面に向かって側方から
火花放電が発生するため、その放電エネルギによって中
心電極52の外周面を清浄化できて、絶縁物デポジット
の付着によるイオン電流出力の低下を防ぐことができ
る。
【0049】ところで、図10に示すように、点火プラ
グの種類によってイオン電流検出特性が変化する。従っ
て、イオン電流検出特性の異なる異種の点火プラグに付
け替えた場合や、点火プラグが劣化している場合に、同
じ判定基準値を用いると、診断精度が低下するおそれが
ある。
【0050】そこで、図11乃至図14に示す本発明の
実施形態(2)では、各気筒毎に判定基準値を補正し、
各気筒毎に最適な判定基準値で燃焼状態を精度良く診断
できるようにしている。以下、本実施形態(2)の診断
方法について説明する。まず、各気筒毎にイオン電流出
力I'#1 〜I'#63の平均値X# と標準偏差σ# ( #は気
筒番号)を前記実施形態(1)と同じ方法で求める。
【0051】この後、図11の判定基準値補正係数演算
プログラムを実行する。本プログラムでは、まずステッ
プ401で、各気筒毎にイオン電流出力I'#1 〜I'#63
の平均値X# と標準偏差σ# を読み込む。この後、ステ
ップ402で、第2の判定基準値I'#J2を次式により求
める。 I'#J2=X# −4σ# この第2の判定基準値I'#J2は、4σ点であるが、5σ
点(X# −5σ# )、6σ点(X# −6σ# )、…、n
σ点(X# −nσ# )としても良い。
【0052】そして、次のステップ403で、第2の判
定基準値I'#J2と、予め設定された第1の判定基準値
I'#J1との比ko を算出する(ko =I'#J2/I'#J
1)。これらの判定基準値I'#J1,I'#J2の関係を図1
2に示す。
【0053】そして、次のステップ404で、ko が1
(これ以外の数値でも可)よりも大きいか否か(つまり
第2の判定基準値I'#J2が第1の判定基準値I'#J1より
も大きいか否か)を判定し、ko ≦1の場合(第2の判
定基準値I'#J2が第1の判定基準値I'#J1以下の場合)
には、図12に示すように、異種プラグ装着時又はプラ
グ特性劣化時のイオン電流出力分布と推定されるため、
ステップ405に進み、点火プラグ異常の仮フラグKF
Pを点火プラグ異常検出を意味する「1」にセットした
後、ステップ406で、燃焼状態の診断を禁止して、本
プログラムを終了する。このステップ406の処理が特
許請求の範囲でいう診断禁止手段として機能する。
【0054】一方、ko >1の場合(第2の判定基準値
I'#J2が第1の判定基準値I'#J1よりも大きい場合)に
は、図12に示すように、通常のイオン電流出力分布と
推定されるため、ステップ404からステップ407に
進み、ko >1.5(これ以外の数値でも可)であるか
否かを判定する。もし、ko ≦1.5の場合、つまり第
2の判定基準値I'#J2と第1の判定基準値I'#J1との差
が比較的少ない場合には、標準偏差σ# が小さく、安定
したイオン電流出力が得られているので、ステップ41
0に進み、補正係数k# を「1」に設定する(つまり燃
焼状態の判定基準値を補正しない)。
【0055】一方、ko >1.5の場合、つまり、第2
の判定基準値I'#J2と第1の判定基準値I'#J1との差が
比較的大きい場合には、標準偏差σ# が大きく、燃焼状
態の判定基準値を補正する必要があるので、ステップ4
08に進み、ko に重み付け係数k3 を乗算して、補正
係数k# を算出する(k# =ko ×k3 )。ここで、重
み付け係数k3 は、0<k3 <1の範囲(通常はk3 =
0.5)に設定される。この重み付け係数k3 は、次の
ステップ409で、最新の補正係数k# に応じて更新さ
れる。
【0056】以上説明した図11の判定基準値補正係数
演算プログラムは、各気筒毎に実行され、各気筒毎に補
正係数k# が算出される。
【0057】尚、図13に示すように、エンジン回転数
Neと吸気管圧力Pmとをパラメータとする補正係数k
# の運転条件マップを予め設定しておき、現在のエンジ
ン回転数Neと吸気管圧力Pmに応じて、図13の運転
条件マップにより、k# =1とするか、k# =ko ×k
3 とするかを判別するようにしても良い。
【0058】一方、図14に示す失火判定プログラム
は、各気筒毎に実行され、各気筒毎に着火/失火の判定
が次のようにして行われる。まず、ステップ501で、
吸気管圧力Pmとエンジン回転数Neと気筒番号#を読
み込んだ後、ステップ502で補正係数k# と第1の判
定基準値I'#J1を読み込む。次のステップ503で、イ
オン電流出力I'#i を読み込んだ後、ステップ504
で、燃焼状態の判定基準値(I'#J1×k# )を算出し
て、この判定基準値(I'#J1×k# )とイオン電流出力
I'#i とを比較し、I'#i >I'#J1×kであれば、ステ
ップ505に進み、着火と判定して、燃焼フラグFNを
着火を意味する「0」にリセットする。もし、I'#i ≦
I'#J1×kであれば、ステップ506に進み、失火と判
定して燃焼フラグFNを失火を意味する「1」にセット
する。
【0059】以上説明した実施形態(2)では、イオン
電流出力I'#i の平均値X# と標準偏差σ# は、補正係
数k# を算出するのに用いられ、この補正係数k# によ
って燃焼状態の判定基準値(I'#J1×k# )が補正され
る。これにより、本実施形態(2)においても、イオン
電流出力I'#i の平均値X# と標準偏差σ# とを利用し
て失火/着火を精度良く判定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)における点火制御系と
イオン電流検出回路の構成を示す回路図
【図2】出力分布評価プログラムの処理の流れを示すフ
ローチャート
【図3】平均値・標準偏差算出プログラムの処理の流れ
を示すフローチャート
【図4】異常仮フラグセット/リセットプログラムの処
理の流れを示すフローチャート
【図5】X,σマップを概念的に示す図
【図6】異常診断プログラムの処理の流れを示すフロー
チャート
【図7】(a)は一般の点火プラグの発火部形状を示す
拡大正面図、(b)は多極プラグの発火部形状を示す拡
大正面図、(c)は沿面放電プラグの発火部形状を示す
拡大斜視図
【図8】(a)は一般の点火プラグの中心電極への絶縁
物デポジットの付着状態を示す拡大斜視図、(b)は多
極プラグの中心電極への絶縁物デポジットの付着状態を
示す拡大斜視図
【図9】多極プラグ、Niプラグ、Ptプラグについて
中心電極への絶縁物デポジットの付着によるイオン電流
出力劣化特性を示す図
【図10】多極プラグ、Niプラグ、Ptプラグについ
てイオン電流出力の対数正規分布を示す図
【図11】本発明の実施形態(2)で用いる判定基準値
補正係数演算プログラムの処理の流れを示すフローチャ
ート
【図12】異種プラグ装着時又はプラグ特性劣化時のイ
オン電流出力分布と、通常のイオン電流出力分布とを対
比して示す図
【図13】補正係数k# の運転条件マップを概念的に示
す図
【図14】失火判定プログラムの処理の流れを示すフロ
ーチャート
【符号の説明】
21…点火コイル、22…一次コイル、23…バッテ
リ、24…イグナイタ、25…パワートランジスタ、2
6…二次コイル、27…点火プラグ、31…イオン電流
検出抵抗、33…反転増幅回路、34…エンジン制御回
路、35…イオン電流検出回路(イオン電流検出手
段)、36…中心電極、37…接地電極、38…ノイズ
マスク、39…ピークホールド回路、41…マイクロコ
ンピュータ(出力分布評価手段,点火プラグ診断手段,
燃焼状態診断手段,診断禁止手段)、51…接地電極、
52…中心電極、53…多極プラグ、54…接地電極、
55…中心電極、56…沿面放電プラグ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高桑 栄司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 茂木 和久 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 岸 宏尚 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 点火プラグの電極に流れるイオン電流を
    検出するイオン電流検出手段と、 前記イオン電流検出手段の出力値の平均値と標準偏差を
    対数正規分布特性により求める出力分布評価手段と、 前記出力分布評価手段で求めた平均値と標準偏差とに基
    づいて前記点火プラグの状態を診断する点火プラグ診断
    手段とを備えていることを特徴とする内燃機関のイオン
    電流検出装置。
  2. 【請求項2】 点火プラグの電極に流れるイオン電流を
    検出するイオン電流検出手段と、 前記イオン電流検出手段の出力値の平均値と標準偏差を
    対数正規分布特性により求める出力分布評価手段と、 前記出力分布評価手段で求めた平均値と標準偏差とに基
    づいて内燃機関の燃焼状態を診断する燃焼状態診断手段
    とを備えていることを特徴とする内燃機関のイオン電流
    検出装置。
  3. 【請求項3】 前記出力分布評価手段で求めた平均値と
    標準偏差とに基づいて前記点火プラグの状態を診断する
    点火プラグ診断手段を備えていることを特徴とする請求
    項2に記載の内燃機関のイオン電流検出装置。
  4. 【請求項4】 前記出力分布評価手段で求めた平均値と
    標準偏差が所定範囲から外れた時に前記燃焼状態診断手
    段による燃焼状態の診断を禁止する診断禁止手段を備え
    ていることを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機
    関のイオン電流検出装置。
  5. 【請求項5】 前記出力分布評価手段は、イオン電流の
    発生状態が安定している特定の運転条件の時に平均値と
    標準偏差を求めることを特徴とする請求項1乃至4のい
    ずれかに記載の内燃機関のイオン電流検出装置。
  6. 【請求項6】 前記点火プラグ診断手段は、前記出力分
    布評価手段で求めた値が所定の平均値以下で且つ所定の
    標準偏差以下の場合に前記点火プラグの異常有りと診断
    することを特徴とする請求項1又は3に記載の内燃機関
    のイオン電流検出装置。
  7. 【請求項7】 前記燃焼状態診断手段は、予め設定され
    た第1の判定基準値と、「平均値−n×標準偏差(但し
    n>3)」の式で算出した第2の判定基準値とを比較し
    て、燃焼状態の判定基準値を補正することを特徴とする
    請求項2乃至4のいずれかに記載の内燃機関のイオン電
    流検出装置。
  8. 【請求項8】 前記燃焼状態診断手段は、各気筒毎に燃
    焼状態の判定基準値を設定することを特徴とする請求項
    2乃至4,7のいずれかに記載の内燃機関のイオン電流
    検出装置。
  9. 【請求項9】 前記出力分布評価手段は、所定点火サイ
    クル数毎に前記イオン電流検出手段の出力値の対数正規
    分布を求め、その50%累積頻度に相当する出力値を平
    均値とし、m%累積頻度(但しm<50)に相当する出
    力値から標準偏差を求めることを特徴とする請求項1乃
    至8のいずれかに記載の内燃機関のイオン電流検出装
    置。
  10. 【請求項10】 前記点火プラグとして多極プラグ又は
    沿面放電プラグを用いることを特徴とする請求項1乃至
    9のいずれかに記載の内燃機関のイオン電流検出装置。
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