JPH113724A - 固体高分子電解質を備えた直接型メタノ−ル燃料電池 - Google Patents
固体高分子電解質を備えた直接型メタノ−ル燃料電池Info
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Abstract
が接触すると、メタノールは、高分子固体電解質内のク
ラスター中の水に溶解し、その中を通って正極に達し、
正極の触媒上で酸化されることになり、正極の特性が著
しく悪くなる。この改善のため種々の方法が検討されて
いるが、実用的に十分な特性は得られていない。直接型
メタノール燃料電池の特性を改善するためには、燃料で
あるメタノールが固体高分子電解質を通って正極側に達
すること、すなわち、メタノールのクロスオーバーを、
できるだけ小さくするか、なくす必要があり、そのため
の具体的な手段が求められていた。 【解決手段】 二枚の固体高分子電解質層の間に酸性水
溶液を備え、この酸性水溶液を流動させることを特徴と
する、固体高分子電解質を備えた直接型メタノール燃料
電池。
Description
に供給し、負極で直接電気化学反応させて電力を得る、
直接型メタノール燃料電池に関するものである。
の両側に2つの電極を備え、一方の電極に酸素や空気な
どの酸化ガス(酸化剤)を供給し、他方の電極に水素や
炭化水素などの燃料(還元剤)を供給し、電気化学反応
を起こさせて電気を発生させる電池である。
接型メタノール燃料電池(DMFCと略す)は、燃料で
あるメタノールを直接負極に供給するもので、多くの燃
料電池が燃料としては水素、あるいは炭化水素を改質し
た水素を使用しているのと比較して、装置が簡単なだけ
でなく、燃料そのものの輸送や貯蔵も容易であり、しか
も100℃以下の温度で作動できる可能性があるため
に、小型・可搬用に最も適していると考えられており、
将来の自動車用動力源として有力視されている。
は、初期のアルカリ型から酸型へと変化し、最近では多
くの場合固体高分子電解質が使用されている。固体高分
子電解質を使用することにより、作動温度を液体電解質
の場合よりも高くすることができ、直接型メタノール燃
料電池の性能は初期のものよりかなり改善された。
ール燃料電池(PEM−DMFC)は、Du Pont
社製のナフィオンのようなプロトン導電性固体高分子電
解質の両側を、触媒を取り付けた2つの多孔性電極では
さんだ構造を持ち、負極にメタノールを直接供給し、正
極に酸素または空気を供給するものである。負極では、
メタノールと水が反応して二酸化炭素とプロトンと電子
が発生し、電子は外部回路を通って仕事をした後正極に
達する。また、プロトンは高分子固体電解質中を通って
正極に達する。正極では、酸素とプロトンと電子が反応
して水が生成する。したがって、直接型メタノール燃料
電池の全反応は、メタノールと酸素とから水と二酸化炭
素が生成する反応である。これらの反応は電極中の触媒
の助けを借りて進行する。この反応の理論電圧は1.1
8Vであるが、実際の電池においては、IRドロップな
どのために、この値よりも低い電圧となる。
なり改善されたとはいえ、その他の燃料電池と比較して
電池の出力と効率が低い、という欠点をもっている。そ
の原因は、メタノールを酸化する触媒の活性が低いこと
と、メタノールが電解質中を拡散して陽極に達し、そこ
で正極の触媒上で酸化剤と直接反応するという短絡現象
(この現象は「クロスオーバー」と呼ばれている)の2
つであることが明らかになっている[M.P.Hoga
rth and H.A.Hards Platinu
m Metals Rev.40 (4) 150
(1996)]。
極・負極とも触媒が必要であるが、特に負極の触媒が問
題である。すなわち、メタノールが白金触媒上で酸化さ
れる時、白金に吸着した一酸化炭素が生じ、これが白金
を被毒して触媒活性を低下させる[R.Parsons
and T.Vandernoot J.Elect
roanal.Chem.,257 9(1988)]
と考えられている。白金の表面から一酸化炭素をすみや
かに除去するために、二次金属の添加が検討され、現在
では白金−ルテニウム系が最も高活性触媒であることが
知られている。
膜は、乾燥状態では全く導電性を示さないが、通常は水
で膨潤させることによって高い導電性を示すようにな
る。
いるDu Pont社のナフィオン膜の構造は、主鎖で
ある撥水性のポリフルオロエチレン[−(CF2 )
n −]骨格部分と、側鎖に結合した親水性のイオン交換
基であるスルフォン酸基(−SO3 H)の部分からな
る。この膜が水を吸収した場合、親水性のイオン交換基
の部分が集合し、球状のクラスターを形成し、このクラ
スターがポリフルオロエチレンのマトリックス中に分散
しているというモデルが有力であり、このモデルでは、
水はクラスター部分に含有され、これらのクラスターが
細い通路で結ばれている、と考えられている[竹中 大
工試季報 36 81(1985)]。その他の固体高
分子電解質の場合も、同じような構造をしているものと
推定される。
体電解質にメタノールが接触すると、メタノールは水に
溶けやすいため、高分子固体電解質内のクラスター中の
水に溶解し、その中を通って正極に達し、正極の触媒上
で酸化されることになる。
属が、負極から電解質中を通ってきたメタノールを電気
化学的に酸化するために、 正極の特性が著しく悪くな
る。メタノールが電解質中を通って正極に達する現象、
いわゆるクロスオーバーを少しでも減少させる方法とし
て、酸素あるいは空気の圧力を高くする方法と、電池の
作動温度を100℃以上まで上げる方法が検討され、特
性はかなり改善されてきたが、実用的に十分な特性は得
られていない。また、酸素または空気の圧力を高くする
ため及び電池の作動温度を上げるためには、そのための
装置が必要になり、電池全体としては複雑になる。
るためには、燃料であるメタノールが固体高分子電解質
を通って正極側に達すること、すなわち、メタノールの
クロスオーバーを、できるだけ小さくするか、なくす必
要があり、そのための具体的な手段が求められていた。
ール燃料電池において、二枚の固体高分子電解質層の間
に酸性水溶液層を備えた三層の電解質層を使用するもの
であり、さらに、酸性電解液層を流動させるものであ
る。
使用した直接型メタノール燃料電池は、プロトン導電性
固体高分子電解質の両側に、触媒層を取り付けた多孔性
電極を接合し、負極にメタノールと水の混合物を、正極
には酸素あるいは空気を供給し、電気を取り出すもので
ある。
も、カーボンペーパー、カーボンの成形体、カーボンの
焼結体、焼結金属、発泡金属などの多孔性基体を撥水処
理して使用することができ、撥水剤としてはポリテトラ
フルオロエチレン等を使用することができる。
金合金、金、金合金、パラジウム、パラジウム合金な
ど、負極用には白金あるいは白金とルテニウム、金、レ
ニウムなどの合金が使用でき、これら貴金属の微粉末あ
るいは貴金属を担持したカーボン粉末を使用することが
できる。
た電極の表面に、触媒分散溶液を塗布して作製される。
触媒分散溶液は、白金ブラックなどの触媒の微粒子ある
いは触媒を担持したカーボン粉末と、ポリテトラフルオ
ロエチレン等の撥水剤と、アルコールなどに溶解した固
体高分子電解質を、適当な溶媒中で均一に混合すること
によつて作製する。
電解質層は、二枚の固体高分子電解質層の間に酸性水溶
液層を備えた三層からなっており、酸性水溶液を流動さ
せるものである。酸性水溶液を流動させる方法として
は、次に二つが考えられる。
で、自動車などの移動体に搭載する場合には、酸性水溶
液はあらかじめタンクに貯蔵しておき、これを燃料電池
に供給して二枚の固体高分子電解質層の間を通した後、
電池外部に取り出す。二枚の固体高分子電解質層の間を
通ってきた酸性水溶液には、負極側固体高分子電解質層
の中に含まれるメタノールを少量含むことになる。この
メタノールを含んだ酸性水溶液を固体高分子電解質層の
間に循環させると、酸性水溶液中のメタノールの濃度が
高くなり、固体高分子電解質層の間を通る時に、メタノ
ールは正極側固体高分子電解質層に移動し、さらに正極
に達して、クロスオーバーの原因となるため、別のタン
クに貯蔵しておき、移動体が停止後、取り出して、別の
装置で酸性水溶液とメタノールを分離すればよい。
が大型で、据え置き型として使用する場合、燃料電池の
二枚の固体高分子電解質層の間を通ってきたメタノール
を少量含んだ酸性水溶液を、燃料電池に併設した酸性水
溶液とメタノールを分離する装置で処理をしてメタノー
ルを除去した後、酸性水溶液を循環すればよい。
る固体高分子電解質としては、パーフルオロカーボンス
ルフォン酸系樹脂やスチレン−ジビニルベンゼン共重合
体系樹脂等の、各種イオン交換膜樹脂を使用することが
できる。
ど、あらゆる酸の水溶液を使用することができる。
造と特性を、好適な実施例を用いて詳述する。
間に希硫酸層を備えた三層の電解質層を備え、希硫酸層
を流動させた、直接型メタノール燃料電池を作製した。
カーボンペーパーを50mm×50mmの大きさに切
り、2−プロパノールで洗浄し、乾燥したものを、ポリ
テトラフルオロエチレンを20重量パーセント含むディ
スパージョンポリテトラフルオロエチレン水溶液中に数
秒間浸漬し、取り出して自然乾燥した後、アルゴンガス
雰囲気下で300℃、10分間焼成する。得られた撥水
処理済みカーボンペーパーには約3mg/cm2 のポリ
テトラフルオロエチレンがとりつけられている。
ステンレス製ビーカーに、白金を10重量%含む白金担
持カーボンを5g入れ、水80mlを加えて撹拌し、さ
らに2−プロパノール80mlを加えて1時間撹拌す
る。つぎに、ポリテトラフルオロエチレンを20重量パ
ーセント含むディスパージョンポリテトラフルオロエチ
レン水溶液2ml加え、撹拌し、さらに市販のナフィオ
ン溶液(ナフィオン5重量%含む、アルドリッチケミカ
ル製)10ml加え、超音波を照射しながら撹拌機で1
時間撹拌して、正極用触媒分散溶液を作製した。
量%を含む白金−ルテニウム担持カーボンを10gを使
用し、その他は正極用と同様の手順で、負極用触媒分散
溶液を作製した。
ンペーパーの表面に、それぞれ触媒分散溶液を塗布し、
自然乾燥した。さらに、再度塗布、自然乾燥の後、11
0℃で1時間乾燥して、片面に触媒層が取り付けられ
た、直接型メタノール燃料電池用電極を得た。なお、正
極用電極の触媒層の厚みは約0.05mm、電極表面の
白金量は約1.0mg/cm2 とし、負極用電極の触媒
層の厚みは約0.08mm、電極表面の白金量は約2.
0mg/cm2 とた。
高分子電解質としてのナフィオン112膜を、電極の触
媒を取り付けた面がナフィオン側になるようにして挟
み、140℃、3分間ホットプレスして接合し、正極用
電極/電解質膜接合体を作製した。同様にして、負極用
電極と固体高分子電解質としてのナフィオン112膜を
ホットプレスして接合し、負極用電極/電解質膜接合体
を作製した。
極用電極/電解質膜接合体とを、固体高分子電解質膜を
互いに向かい合わせ、その間に厚み約0.5mmの希硫
酸(1mol/l硫酸水溶液)層をとりつける。希硫酸
は燃料電池の外部から供給し、燃料電池の二枚の固体高
分子電解質層の間を通って、燃料電池の外部に流出する
ようになっている。希硫酸は、燃料電池の上部から下部
へ自然に流れるようにしてもよいし、ポンプを使用して
強制的に流してもよい。
料電池の断面構造を示したもので、図1において、1は
負極側固体高分子電解質としてのナフィオン112膜、
2は正極側固体高分子電解質としてのナフィオン112
膜、3は希硫酸層、4は希硫酸入り口、5は希硫酸出口
であり、希硫酸3は希硫酸入口4から電池に供給され、
希硫酸出口5から電池外部に流出する。6は負極触媒
層、7は負極用多孔性集電体としてのカーボンペーパー
であり、8は燃料であるメタノール水溶液の供給口、9
は負極の反応生成物の二酸化炭素と未反応のメタノール
および溶媒としての水の排出口である。10は正極触媒
層、11は正極用多孔性集電体としてのカーボンペーパ
ーであり、12は空気あるいは酸素の供給口、13は余
分の空気あるいは酸素および反応生成物の水の排出口で
ある。14は負極端子、15は正極端子、16は燃料電
池の枠体である。
(電池Aとする)では、あらかじめ二枚のナフィオン膜
の間に希硫酸を50ml/minの速度で流しておく。
一方、比較用の直接型メタノール燃料電池(電池Bとす
る)は、負極側のナフィオン膜と正極側ナフィオン膜の
間に希硫酸層を設けて電池内部にとどめ、流動させなか
った。
気を2l/minの速度で供給し、負極にメタノールを
lmol/l含む60℃の水溶液を供給して、直接型メ
タノール燃料電池の特性を測定した。図2はi−V曲線
を示したもので、硫酸層を流動しない比較電池Bにくら
べ、本発明になる電池Aの特性はかなり優れたものとな
った。
に流す酸性水溶液に1mol/lの塩酸水溶液を使用
し、その他の条件は実施例1と同様の直接型メタノール
燃料電池(電池Cとする)を作製した。電池Cの特性を
実施例1と同様の条件で測定した結果、そのi−V曲線
は電池Aの特性とほぼ同じであった。
ては、負極に燃料としてのメタノールを溶かした水溶液
を供給するが、メタノールが水を吸収した高分子固体電
解質と接触した場合、メタノールは速やかに高分子固体
電解質中の水と混合し、高分子固体電解質中に含まれる
水の中を拡散して正極に達し、正極の触媒上で反応する
ことになる。その結果、正極の触媒活性が低下し、電池
の特性が悪化する。
池では、電解質層が二枚の固体高分子電解質層の間に酸
性水溶液を備えた三層となっており、しかも酸性水溶液
を流動させているため、メタノールが負極から負極側固
体高分子電解質層を通って酸性水溶液に拡散した場合、
メタノールを含んだ酸性水溶液は燃料電池の外部に取り
出され、メタノールは正極側固体高分子電解質層へはほ
とんど移動しない。その結果、正極の触媒活性は元の状
態に保たれ、電池特性の劣化を防ぐことができる。ま
た、本発明においては、燃料電池の反応に使われなかっ
たメタノールは、回収して再使用することができる。
が、イオン電導度は通常は固体高分子電解質よりも大き
いために、酸性水溶液層を備えた場合も、燃料電池の放
電特性が悪くなることはない。また、実施例では酸性水
溶液として硫酸と塩酸を使用したが、本発明において使
用する酸性水溶液としては、その他の酸性水溶液を使用
した場合も同様の効果が得られるものである。
構造を示す図
較電池Bの特性を比較した図
Claims (5)
- 【請求項1】 二枚の固体高分子電解質層の間に酸性水
溶液を備え、該酸性水溶液を流動させることを特徴とす
る、固体高分子電解質を備えた直接型メタノール燃料電
池。 - 【請求項2】 酸性水溶液が電池の外部から供給され、
二枚の固体高分子電解質層の間を通った後、電池外部に
放出される構成としたことを特徴とする、請求項1記載
の固体高分子電解質を備えた直接型メタノール燃料電
池。 - 【請求項3】 酸性水溶液が、二枚の固体高分子電解質
層の間と、電池外部に備えた酸性水溶液中に含まれるメ
タノールの含有量を減少さる装置との間を循環する構成
としたことを特徴とする、請求項1記載の固体高分子電
解質を備えた直接型メタノール燃料電池。 - 【請求項4】 酸性水溶液が硫酸水溶液であることを特
徴とする、請求項1あるいは2または3記載の固体高分
子電解質を備えた直接型メタノール燃料電池。 - 【請求項5】 酸性水溶液が塩酸水溶液であることを特
徴とする、請求項1あるいは2または3記載の固体高分
子電解質を備えた直接型メタノール燃料電池。
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|---|---|---|---|
| JP16813397A JP3844022B2 (ja) | 1997-06-09 | 1997-06-09 | 固体高分子電解質を備えた直接型メタノ−ル燃料電池 |
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| JP16813397A JP3844022B2 (ja) | 1997-06-09 | 1997-06-09 | 固体高分子電解質を備えた直接型メタノ−ル燃料電池 |
Publications (3)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH113724A true JPH113724A (ja) | 1999-01-06 |
| JPH113724A5 JPH113724A5 (ja) | 2005-04-07 |
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| JP16813397A Expired - Fee Related JP3844022B2 (ja) | 1997-06-09 | 1997-06-09 | 固体高分子電解質を備えた直接型メタノ−ル燃料電池 |
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- 1997-06-09 JP JP16813397A patent/JP3844022B2/ja not_active Expired - Fee Related
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