JPH1137345A - パイプの高強度接続方法及び接続装置 - Google Patents

パイプの高強度接続方法及び接続装置

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JPH1137345A
JPH1137345A JP9198725A JP19872597A JPH1137345A JP H1137345 A JPH1137345 A JP H1137345A JP 9198725 A JP9198725 A JP 9198725A JP 19872597 A JP19872597 A JP 19872597A JP H1137345 A JPH1137345 A JP H1137345A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業性の良い形状記憶合金製継手の特徴を生
かしながら、構造体としても有効に利用し得る高強度の
パイプ接続方法とそのための接続装置を提供することを
目的とする。 【解決手段】 接続後は地中などで構造体として使用さ
れるパイプ1を、形状記憶合金製円筒継手2によって接
続するに際し、パイプ端部から一定位置の外面円周上に
設けた溝と、円筒継手の内面円周上に設けた、前記パイ
プの溝に対応する2条の溝の、いずれか一方にC形リン
グ5を挿入しておき、円筒継手の両側からパイプを差し
込んだ後、該継手を所定温度に加熱して収縮させる。パ
イプは継手の収縮力に加えてC形リングによる締結力に
よって、より強固に接続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パイプの高強度接
続方法及び接続装置、特に、地中における支保工用構造
体やケーブル等の地中埋設物の包囲保護体(以下単に構
造体という)として用いられるパイプの接続に最適な高
強度の接続方法とこれを実施するための接続装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】新しいトンネルや地下構造物を構築・建
設する際に、土中を掘削し、この掘削済み部分の内壁が
土圧によって潰れるのを防止するため、内壁に沿って円
弧状の曲線パイプを地中に精度よく埋設する、いわゆる
「曲線ボーリング工法」が開発されている((社)日本
建設機械化協会:建設機械化技術・技術審査証明報告
書,曲線ボーリング装置(TULIP工法),199
4.8)。この曲線ボーリング工法においては、円弧状
パイプを順次接続して最終的に所定長さの円弧状パイプ
を複数条土中に平行に埋設し、支保工用構造体として使
用するものである。
【0003】本発明者らは、上記した曲線ボーリング工
法に最適なパイプの接続方法として、従来の溶接による
接続手段に代わり、段付き加工したパイプを形状記憶合
金製継手にて接続し、該継手の収縮力によりパイプ相互
を強固に締結しようとする接続手段を開発し、作業性の
面でほぼ良好な結果を得ている(特願平8−21025
6号)。
【0004】しかして、例えば大断面のトンネル用のパ
イプ支保工などの構造体として使用される際には、パイ
プ自体に引抜力や曲げ応力が作用するため、形状記憶合
金製円筒継手の収縮力だけでは不十分となる場合があ
る。鉄系形状記憶合金は鋼の一種と考えられるが、ステ
ンレス鋼と同じオーステナイト組織のため、一般の鋼に
比べると塑性変形が比較的低い応力から起こり得る軟質
材料としての特徴を有する反面、塑性変形の進行と共に
加工硬化が進むため、破壊強度自体は並の高強度鋼以上
の高い値を有している。一般の配管の場合には、パイプ
自体は他の構造物に支えられるか、地中などに埋設され
ることが多いため、パイプ間の接続強度は形状記憶合金
継手の加熱による収縮力に頼っても支障のない場合がほ
とんどである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、パイプそのも
のを構造体とする用途の場合には、上述したような形状
記憶効果のみに頼るのでは、強度の不足する事態が生じ
がちである。形状記憶合金製パイプ用継手は施工が簡単
で、特に狭い場所でも安全に作業を行うことができるい
う大きな特徴がある。しかしながら、一方において形状
記憶合金製継手の締結力は、通常はパイプ外面と継手内
面との間の摩擦力に主として依存しているが、この摩擦
力は、締結している形状記憶合金製継手が外力によって
塑性変形してしまうと、急速に失われてしまう性質のも
のである。特に、継手の端面部分には、締結しているパ
イプに曲げ応力が作用した場合に、継手を径方向に広げ
ようとする強い力が発生する。一旦端部が広がってしま
うと摩擦力が減少するため、締結力が大幅に低下するこ
とから、パイプの接合が外れてしまう危険が大きくな
る。構造体としてのパイプ接続体においては、この問題
は決定的である。
【0006】また、パイプを地中の構造体として用いる
場合の他、地中に埋設する電線、各種ケーブル等の埋設
物を保護するためのケースとしてパイプを利用する態様
も考えられるが、この場合にはパイプ接続部に対しある
程度の引き抜き強度と曲げ強度と共にパイプ外部からの
液体等の浸入を防止するためのシール性も要求される。
【0007】本発明はこのような問題を解決するため
に、作業性の良い形状記憶合金製継手の特性を生かしな
がら、接続後はそのまま構造体としても有効に利用し得
る高強度のパイプ接続方法とそのための接続装置を提供
することを目的とする。加えて、本発明は必要に応じて
高いシール性能を発揮することができるパイプ接続手段
を提供することを他の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明に係る請求項1のパイプ接続方法は、接続後は
地中などで構造体として使用されるパイプを、形状記憶
合金製円筒継手によって接続するに際し、パイプ端部か
ら一定位置の外面円周上に溝を設けると共に、形状記憶
合金製円筒継手の内面円周上に、前記パイプの溝に対応
する2条の溝を形成し、パイプ側溝もしくは継手側溝の
一方にC形リングを挿入しておき、円筒継手の両側から
パイプを差し込んでから継手を所定温度に加熱して収縮
させることを特徴とする。形成する溝は、パイプ側もし
くは円筒継手側のいずれか一方もしくは両方を、底部に
軸方向に延びる平行部を設けた形状とすることもでき、
これにより継手に対してパイプを差し込むときの位置合
わせを容易とすることができる(請求項2)。また、溝
やリングの断面形状は、円形、楕円、矩形等任意でよい
が、溝及びリング形状は互いに類似した形状とすること
が望ましい。リングに使用する線材は、高強度鋼、ばね
材、ステンレス鋼などの合金や、炭素繊維、硬質樹脂等
が適当である。
【0009】さらに、本発明の請求項3の接続方法は、
円筒継手の内面に予めシール剤を塗布又は貼付してお
き、パイプを継手に差し込んで継手を加熱収縮させたと
き、パイプと継手間がシール剤にて充填され、前記のC
形リングとこのシール剤によって接続部は高い強度とシ
ール性をもつことを特徴とする。シール剤としては、止
水効果とできれば接着効果をも合せ持つ樹脂系シール剤
等が有効である。
【0010】また、本発明の請求項4の接続装置は、接
続すべきパイプと形状記憶合金製円筒継手とが接触する
範囲におけるパイプ外面及び継手内面に形成した円周溝
にC形リングを挿入することにより構成している。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示す実施形態
例に基づいて説明する。図1は特に引き抜き強度の向上
を狙いとした本発明に係るパイプ接続手段を示すもの
で、接続すべき2本のパイプ1A、1Bの各端部から一
定位置の外面円周上に断面半円形(U字形)の溝3を設
けると共に、形状記憶合金製円筒継手2の内面円周上
に、前記パイプの溝3に対応する2条の断面半円形(U
字形)の溝4を形成する。接続に際しては、パイプ側の
溝3もしくは継手側の溝4の一方に、図2(b)に示す
ような円形断面の線材をC形状に曲げて形成したC形リ
ング5を挿入しておき(図1ではばね鋼製のC形リング
5をそのばね性を利用して継手側の溝4に挿入保持した
例を示す)、円筒継手2の両側からパイプ1A、1Bを
差し込み、C形リング5を対応する溝間で保持してか
ら、継手2を所定温度に加熱して収縮させれば、C形リ
ング5は緊密にパイプ及び継手の各溝の中に保持され
る。
【0012】図2(a)は継手両側から挿入したパイプ
の接続部の断面を示すもので、図の左側が継手加熱前、
右側が継手加熱後の状態を示している。図2(b)はC
形リング5の斜視図である。また、図3(a)は図2の
A−A断面、(b)は図2のB−B断面を示す。
【0013】図2(a)の右側及び図3(b)において
は、パイプ1B外面と円筒継手2の内面間に、シール剤
6が充填された態様を示している。このシール剤6の充
填によってパイプ接続部は、そのシール性が向上すると
共に場合によってはシール剤の接着力により接続強度が
高まる効果が期待できるが、特に、本発明の如く円筒継
手の加熱収縮によってC形リングを介在させて接続する
ような場合、継手の収縮後でもパイプと継手間に間隙が
残存することが皆無ではないことから、C形リングに加
えてシール剤充填手段を併用することは有効なものとい
える。
【0014】このシール剤を充填するには、例えば、締
結前の円筒継手2の内面の全面或いは一部に、シール性
能や接着性能を合せ持つ樹脂系シール剤(エポキシ樹脂
など)を予め塗布(液状の場合)もしくは貼付(粘性が
あってシート状に形成できる場合)しておいてから、該
継手の両側からパイプを装入した後、継手を加熱して収
縮させればよい。シール剤の塗布又は貼付に際しては、
特に継手の全内面や溝内に塗布又は貼付していなくと
も、継手の加熱収縮時にシール剤が拡がって溝内を隙間
なく充填することになる。この樹脂系シール剤による接
続部に対する付加手段は、パイプ接続部に高いシール性
が要求される用途(例えば、ケーブル等の地中埋設物を
包囲保護するためのパイプ)に対して有効である。
【0015】なお、円筒継手2としては、低コストで加
工性のよい鉄系形状記憶合金(例えば、28%Mn−6
%Si−5%Cr−Fe合金、32%Mn−6%Si−
Fe合金)製とすることが好ましい。該円筒継手は、ま
ず、接続するパイプの外径よりも僅かに細い内径をもつ
円筒を製作し、これを記憶処理(熱処理)した後、次に
パイプ外径よりも大きい内径をもつように円筒を拡径す
ることによって得られる。また、形状記憶性能を顕著に
向上させるため、形状記憶処理後に一定の加工と熱処理
を少なくとも一回施すこともできる(トレーニング効
果)。後述する実施形態例においても最初に用意する円
筒継手は同様に構成されたものである。
【0016】溝とC形リングの断面形状は上記の円形が
基本であるが、図4に示すような形状も使用可能であ
る。すなわち、図4(a)ではC形リング15として断
面楕円形のものを用い、パイプ側の溝13として、底部
に外面との平行部を設けた例であり、(b)ではC形リ
ング25として断面矩形のものを用い、継手及びパイプ
の両方の溝23、24の底部に平行部を設けた例を示し
ている。このようにパイプ側もしくは円筒継手側のいず
れか一方もしくは両方の溝を、底部に平行部を設けた形
状とすることにより、継手に対してパイプを差し込むと
きの位置合わせを容易にする。また、これらの例におい
ても図1の例と同様に、パイプと継手間にシール剤を充
填することも勿論可能である。
【0017】溝やC形リングの断面形状は、図示の形状
に限らず、他の任意の断面でもよいことは勿論である。
また、リングの材質としては、高強度鋼、ばね材、ステ
ンレス鋼等の金属材料や、炭素繊維や硬質樹脂等の非金
属であってもよい。
【0018】図示した例では締結後の円筒継手がパイプ
外面から突出した場合を示しているが、これは説明の都
合上複雑さを避けるためであり、例えば、本発明を「曲
線ボーリング工法」に適用する場合には、パイプ径に近
い掘削孔内に敷設するパイプ相互の接続という観点か
ら、先願の特願平8−210256号にて示したよう
な、パイプ及び継手の少なくとも一方に段付き加工を施
して、できるだけ収縮後の継手外面がパイプ外面から突
出しないようにする手段も合わせて適用し得るものであ
る。
【0019】
【実施例】
(実施例1) パイプ 材 質:STK400 寸 法:外径216mmφ、肉厚18.5mm、長さ10
00mm、両端部外径199.1mmφ(継手に差し込む7
7mm長さ部分を切削加工して段部形成) 外面側溝:端部から45mmの位置の外周に幅10mm、コ
ーナー部半径2.0mmの溝を加工 形状記憶合金製継手 材 質:28%Mn−6%Si−5%Cr−Fe合金 寸 法:内径202.5mmφ、肉厚9.7mm、長さ1
50mm(拡径処理後) 内面側溝:端部から30mmの位置の内周にU溝(溝半径
2.1mm、深さ2.5mm)を加工し、C形リングをはめ
込んだ。 C形リング 材 質:4mmφのばね用炭素鋼オイルテンパー線 寸 法:210mmφの円形に曲げ、5mm幅の切り欠きを
付けた。 シール剤 不使用の場合と、継手内面及び溝部分への樹脂系接着剤
塗布の場合 締結方法 継手の両側にパイプを差し込み、位置合わせをした状態
で、誘導加熱により継手部分を300℃まで加熱した。
形状記憶合金製継手の内径が収縮してパイプを締結し
た。一方、樹脂使用のものは、拡径後の形状記憶合金製
継手の内面とC形リングを装着するU溝内の両方に、パ
イプを差し込む直前に、セラミックス系接着剤「朝日化
学工業製スミセラムS(商品名)」を塗り込んでおき、
樹脂不使用の場合と同じ方法で締結を行った。
【0020】(比較例1) パイプ 材質:STK400 寸法:外径216mmφ、肉厚18.5mm、長さ1000
mm 形状記憶合金製継手 材質:28%Mn−6%Si−5%Cr−Fe合金 寸法:内径200.1mmφ、肉厚9.7mm、長さ150
mm(拡径処理後) シール剤 不使用の場合と、継手内面への樹脂系接着剤塗布の場合 締結方法 継手の両側にパイプを差し込み、誘導加熱により継手部
分を300℃まで加熱し、形状記憶合金製継手の内径が
収縮してパイプを固定して締結作業を完了した。一方、
樹脂使用のものは、セラミックス系接着剤「朝日化学工
業製スミセラムS(商品名)」を拡径後の形状記憶合金
製継手の内面に塗布した状態で上記の同じ方法で締結を
行った。
【0021】以上の実施例及び比較例にて行ったパイプ
締結作業の結果得られた接続部の強度とシール性の比較
を下記表1にて示す。比較例の単なる形状記憶合金製継
手の収縮力のみの場合に比較して、本発明のC形リング
を用いた実施例では、格段に引き抜き強度が向上してい
るのがわかる。また、シール性についてもシール剤を適
用したものは満足すべき値であった。しかも、シール剤
として上記した接着剤を用いる場合には、パイプ締結後
にC形リングが溝の中で強固に固定されるので、本発明
の目的をより一層高めることが認められた。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る接続
方法によれば、形状記憶合金製パイプ用継手を用いてパ
イプを接続するにあたり、継手の収縮力による締結力に
加えてC形リングのごとき機械的な締結力を付与し得る
ため、より引き抜き強度の高い接続を達成することがで
きる。従って、パイプを構造体として残すようなパイプ
の接続手段として、特に曲線ボーリング工法に適用する
接続手段として最適なものといえる。また、樹脂系シー
ル剤を併用する場合には、より一層継手強度を高めると
共に、優れたシール性も発揮するため、特に、シール性
の要求される接続部に適用して効果的である。また、本
発明に係る接続装置によれば、上記の方法を効果的に実
施し得ると共に、構造的にも大掛かりな手段を必要とす
ることなく、簡単な工夫で済むことから、実用性にも優
れたものといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る接続手段の一実施例を示す部分断
面図。
【図2】(a)は図1における手段にて締結されたパイ
プ接続部の断面図、(b)はC形リングの斜視図。
【図3】(a)は図2のA−A線断面図、(b)は図2
のB−B線断面図。
【図4】図1の別の実施形態例を示す断面図。
【符号の説明】
1 パイプ 2 形状記憶合金製パイプ用円筒継手 3,13.23 パイプ側の溝 4,24 継手側の溝 5,15,25 C形リング 6 シール剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 都丸 光紀 東京都千代田区神田小川町2−3−13 M &Cビル4F 淡路産業株式会社内 (72)発明者 森谷 卓雄 東京都千代田区三崎町2−5−3 鉄建建 設株式会社内 (72)発明者 粕谷 太郎 東京都千代田区三崎町2−5−3 鉄建建 設株式会社内 (72)発明者 三木 甫 東京都杉並区荻窪2−26−9−102 (72)発明者 三木 昭男 東京都杉並区阿佐ヶ谷北5−5−9

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接続後は地中などで構造体として使用さ
    れるパイプを、形状記憶合金製円筒継手によって接続す
    るに際し、前記パイプ端部から一定位置の外面円周上に
    設けた溝と、円筒継手の内面円周上に設けた、前記パイ
    プの溝に対応する2条の溝の、いずれか一方に予めC形
    リングを挿入しておき、円筒継手の両側からパイプを差
    し込んだ後、該継手を所定温度に加熱して収縮させるこ
    とを特徴とするパイプの高強度接続方法。
  2. 【請求項2】 パイプの溝及び円筒継手の溝の少なくと
    も一方の溝底面に、軸方向に延びる平行部を形成するこ
    とよりなる請求項1記載のパイプの高強度接続方法。
  3. 【請求項3】 パイプを差し込む前の円筒継手の内面
    に、予めシール剤を塗布又は貼付しておくことよりなる
    請求項1又は2記載のパイプの高強度接続方法。
  4. 【請求項4】 接続後は地中などで構造物として使用さ
    れるパイプを、形状記憶合金製円筒継手の加熱収縮によ
    って接続する装置において、前記パイプと継手とが接触
    する範囲におけるパイプ外面及び継手内面に形成した円
    周溝にC形リングを挿入して接続することにより構成し
    たことを特徴とするパイプの高強度接続装置。
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