JPH1138008A - 自己抗体の検出方法および検出試薬 - Google Patents

自己抗体の検出方法および検出試薬

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JPH1138008A
JPH1138008A JP19096097A JP19096097A JPH1138008A JP H1138008 A JPH1138008 A JP H1138008A JP 19096097 A JP19096097 A JP 19096097A JP 19096097 A JP19096097 A JP 19096097A JP H1138008 A JPH1138008 A JP H1138008A
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JP
Japan
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protein
human
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gadii
leu
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Application number
JP19096097A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Kishimoto
利彦 岸本
Takaaki Tamura
隆明 田村
Yasutaka Makino
泰孝 牧野
Isanori Sasaki
功典 佐々木
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒトの体液または組織抽出液から抗ヒトGA
DII自己抗体を検出する検出方法および検出試薬を提
供すること。また、ヒトGADIIに対する自己抗体を
検出し、その発生量を健常人での発生量と比較すること
により特定の疾患、例えば、肝臓癌や自己免疫疾患を診
断することが可能であることを示すこと。 【解決手段】 ヒトGADII蛋白質または該蛋白質の
一部であって抗ヒトGADII自己抗体と抗原抗体反応
することが可能な蛋白質を用いて、ヒトの体液または組
織抽出液から抗ヒトGADII自己抗体を検出する検出
方法および検出試薬を提供する。また、前記自己抗体の
発生量を健常人での発生量と比較することにより特定の
疾患、例えば肝臓癌や自己免疫疾患の診断を行うことが
可能であることを示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自己抗体を検出す
る検出方法および検出試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】癌の発症は遺伝子の何らかの異常によっ
て起こることが知られており、特に、遺伝子の転写レベ
ルでの変動異常が癌の発症の主たる原因と考えられてい
る。本発明者は、肝臓癌で特異的に発現する遺伝子とし
てGADII遺伝子を単離し、その塩基配列および該遺
伝子がコードするアミノ酸配列を決定した。本発明者
は、そのアミノ酸配列からなる組み換え体GADII蛋
白質を作製し、国際出願公開番号WO97/10333
号公報に開示した。また、本発明者らにより、ラットで
はCSAD(GADIIと同じ)蛋白質に対する自己抗
体が発現していることが開示されている(Cancer
Research 56巻、5230−5237ペー
ジ(1996年))。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、或る特定
の疾患、例えば、肝臓癌や自己免疫疾患を発病している
ヒトにおいてヒトGADII蛋白質と反応する抗体が体
内に存在する、すなわち抗ヒトGADII自己抗体が体
内に存在するのではないかと考えた。本発明は、ヒトの
体液や組織抽出液から抗ヒトGADII自己抗体を検出
することを課題とする。そして、抗ヒトGADII自己
抗体を検出し、その発生量を健常人での発生量と比較す
ることにより、前記特定の疾患、例えば、肝臓癌や自己
免疫疾患を診断することが可能であることを示すことを
課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ヒトの体内に
存在する抗ヒトGADII自己抗体を、ヒトGADII
蛋白質と反応させることにより検出することを開示する
ものである。
【0005】本発明は、配列表の配列番号1に記載した
アミノ酸から成るヒトGADII蛋白質(以降、ヒトG
ADIIということがある)とヒトの体液または組織抽
出液とを反応させ、ヒトGADII蛋白質と反応する抗
ヒトGADII抗体を、該体液または該組織抽出液から
分離して検出する検出方法に関するものである。ここ
で、抗ヒトGADII抗体はヒトGADII蛋白質に対
して天然にヒト体内、特に体液内または組織内に存在す
る抗体であり、自己抗体である。
【0006】また、本発明は、ヒトの体液または組織抽
出液に存在することが前記の検出方法によって確認され
た抗ヒトGADII自己抗体と抗原抗体反応することが
可能な蛋白質であって、かつ該蛋白質が配列表の配列番
号1に記載のアミノ酸配列における連続する8アミノ酸
残基以上のアミノ酸配列からなる蛋白質に関するもので
ある。この蛋白質は、抗ヒトGADII自己抗体の検出
に使用することができる。
【0007】また、本発明は、ヒトGADII蛋白質と
反応する自己抗体を検出する検出試薬であって、前記に
記載の蛋白質を含むことを特徴とする検出試薬に関する
ものである。さらに、本発明は、前記検出試薬を用い
て、抗ヒトGADII自己抗体を検出する検出方法に関
するものである。
【0008】また、本発明は前記の検出試薬を含むこと
を特徴とする検出キットに関するものである。さらに、
本発明は前記検出キットを用いて抗ヒトGADII自己
抗体を検出する検出方法に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者は、ヒトGADII蛋白
質を利用して、ヒトの体液または組織抽出液から抗ヒト
GADII自己抗体の検出ができないか検討した。ま
ず、ヒトGADII蛋白質とヒトの血清を反応させるこ
とを試みた。具体的にはELISA法を試行した結果、
血清中に抗ヒトGADII自己抗体が天然に存在するこ
とを確認した。
【0010】本発明において、ヒト体液中または組織抽
出液中からヒトGADII蛋白質と反応する抗体を検出
する方法は、一般に抗原−抗体反応を利用する方法が使
用可能である。体液または組織抽出液中の抗ヒトGAD
II自己抗体を検出するには、抗原を標識しておくこと
あるいは自己抗体と結合もしくは反応する物質、例えば
標識化された二次抗体、抗原アナログまたはプロテイン
GもしくはプロテインAを用いることが可能である。抗
原アナログは、ペプチド、修飾ペプチド、高分子有機化
合物等がある。標識の手段としては蛍光物質(FITC
やローダミン等)等を用いることが可能であり、これ以
外にも、放射性同位元素(RI)、酵素(アルカリフォ
スファターゼ(AP)、西洋ワサビペルオキシダーゼ
(HRP)等)またはアビジンもしくはビオチンが利用
される。また、二次抗体としては、抗ヒトIg抗体等の
抗原特異性の広いものが好ましい。
【0011】酵素反応を利用する方法としては、例え
ば、ELISA法、免疫凝集法、ウェスタンブロット
法、フローサイトメトリーを用いた免疫反応分子の同定
方法又はそれらに類似する方法が挙げられる。前記以外
に、抗体を検出する方法としては、ウェスタンブロッテ
ィング法が使用可能であり、その結果現れるバンドの画
像情報ををイメージスキャナでコンピュータにデータと
して取り込み、コンピュータ上でバンドの密度を定量化
することも可能である。
【0012】また、抗体を検出する方法として免疫沈降
法も使用可能である。本発明の場合、検体に、抗原とな
るヒトGADIIをビーズ等に結合させて見かけ上大き
な分子としたものを加えて、抗原抗体反応によりヒトG
ADIIに結合または会合した抗体を遠心分離等により
分離することが可能である。
【0013】一般に、抗原において、ある抗体により認
識される部位はアミノ酸数でいうと4アミノ酸程度と言
われている。分子量の小さなポリペプチドの場合、好ま
しくは8アミノ酸残基以上からなるポリペプチドであれ
ば、該ポリペプチドを免疫することにより該ポリペプチ
ドに対する抗体が得られることが知られている。したが
って、本発明において、抗ヒトGADII自己抗体を検
出するには、必ずしも配列表の配列番号1に記載したア
ミノ酸配列の全長からなるヒトGADIIでなくとも、
その一部分であって、8アミノ酸残基以上からなる蛋白
質には、抗ヒトGADII自己抗体を検出することがで
きる蛋白質が存在することが予想される。実際に、この
蛋白質を得るためには、まず全長のヒトGADIIで抗
ヒトGADII自己抗体を検出し、その自己抗体によ
り、ヒトGADIIの一部分である蛋白質であって該自
己抗体と反応するものをスクリーニングして得ることが
出来る。スクリーニング時の検出方法は、一般に、前記
の抗原−抗体反応を利用する方法が使用可能である。
【0014】前記の配列表の配列番号1に記載したアミ
ノ酸配列からなるヒトGADIIの一部分であって、8
アミノ酸残基以上からなる蛋白質の作製には、公知の方
法が使用可能である。例えば、アミノ酸数が少ないとき
は、ペプチドシンセサイザーにより化学合成することが
可能である。
【0015】また、比較的大きな蛋白質(30アミノ酸
程度より多くのアミノ酸からなる蛋白質)の場合は、配
列表の配列番号2に記載の塩基配列からなる遺伝子(ヒ
トGADII遺伝子)を鋳型にしてPCR法により好み
の部位または全長を増幅し、該増幅して得られた遺伝子
を適当な制限酵素部位等で切断して短くし、該短くした
遺伝子を導入した形質転換体を作製し、該形質転換体に
蛋白質を作製させ、該形質転換体から蛋白質を回収して
精製することにより、目的とする蛋白質を得ることがで
きる。
【0016】本発明の抗ヒトGADII自己抗体を検出
する検出試薬は、前記の蛋白質を含むことを特徴とし、
該蛋白質以外に該試薬に含まれるのが好ましい物質は、
牛血清アルブミン(BSA)、スカシ貝ヘモシアニン
(KLH)、スキムミルク等、一般に使用されているも
のが使用可能である。
【0017】また、本発明の検出キットに含まれる要素
は前記の検出試薬の他、反応条件に適した緩衝液、ブロ
ッキング溶液、界面活性剤、発色試薬(酵素基質)、酵
素液等が挙げられる。発色剤として蛍光試薬を使用する
場合は、蛍光増強試薬、蛍光退色防止剤を使用すること
が好ましい。
【0018】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳述す
るが、本発明はこの例に限定されるものではない。な
お、酵素に関しては、特に記載がない限り、宝酒造社製
のものを、当該酵素の使用説明書にしたがって用いた。
【0019】I.ヒトGADII蛋白質の作製 1.ヒトGADII遺伝子導入形質転換体の調製 1)工業技術院生命科学研究所に受託番号FERM B
P−5653で寄託されているヒトGADII遺伝子
(配列表の配列番号2に記載の塩基配列からなる遺伝
子)を導入した形質転換大腸菌JM109から、アルカ
リ法(『Molecular Cloning Sec
ond Edition』1.33−1.43ページ)
によりプラスミド(pBluescriptIIベクタ
ー)を回収した。
【0020】2)ヒトGADII遺伝子を、図1に示さ
れるヒスチジンタグを導入したpET3aベクターに組
み込んだ。以下にその詳細を記す。 (1)まず、pBluescriptIIベクターを、
PCR法(『Current protocols i
n molecular biology』chapt
er15に記載)により、次の式(1)及び式(2)の
塩基配列のプライマーを用いて、ヒトGADII遺伝子
の第一メチオニン部分をコードする塩基配列の前にEc
oRIサイトを導入して増幅した。式(1)の塩基配列
を配列表の配列番号3に、式(2)の塩基配列を配列表
の配列番号4に示す。 5’GAA TTC CCC ATG GCT GAC TCA AAA CC A CTC AGA A 3’ ・・・式(1) 5’GCA CTG ACC AGA AAT GGC AC 3’ ・・・式(2)
【0021】(2)増幅された遺伝子をEcoRIおよ
びSacIで切断して切り出した。 (3)別に、ヒトGADII遺伝子を挿入したpBlu
escriptIIのヒトGADII遺伝子のC末端側
に存在する残りの部分をBglIIで切断した。その
後、クレノーフラグメントで平滑化した後、SacIで
切断して遺伝子を切り出した。 (4)(2)で切り出した遺伝子と(3)で切り出した
遺伝子とをLigation Pack(登録商標、日
本ジーン社製)を用いてその取扱説明書に従い連結し、
ヒトGADII遺伝子を作製した。 (5)図1に示すヒスチジンタグを導入したpET3a
ベクターをEcoRI、SmaIで切断した後、脱リン
酸化処理を行った。
【0022】(6)(4)で作製したヒトGADII遺
伝子と(5)で作製されたベクターとを、Ligati
on Pack(登録商標、日本ジーン社製)を用いて
その取扱説明書に従い連結した。なお、前記過程でのベ
クターに挿入された遺伝子の確認は、挿入断片の塩基配
列を読み取って行った。 (7)ヒトGADII遺伝子を組み込んだプラスミド
(pET3aベクター)を『Molecular Cl
oning Second Edition』chap
ter1に記載の方法で大量調製した。
【0023】2.ヒトGADII蛋白質の調製 1)大量調製したプラスミドを大腸菌BL21(DE
3)pLysSに導入した。 2)該大腸菌をアンピシリン100μg/ml、クロラ
ムフェニコール25μg/mlを含むLB培地で培養
し、分光光度計(ベックマン社製)で濁度が600nm
の波長で0.5になった時点でIPTGを0.5mMに
なるように加え、ヒトGADII蛋白質の発現誘導を行
った。この培養は計4l行った(800ml×5本)。
【0024】3)2時間後、遠心分離により大腸菌を回
収し、Lysis Buffer(10mM Tris
−HCl pH7.9、 10% Glycerol、
0.5M NaCl、 0.1% NP40、 5m
M 2−Mercaptoethanol、 1mM
PMSF)に懸濁した後4℃でソニケーションにより大
腸菌を破砕し、Beckman Optima XL−
80を使用し、50.2Tiローターで1800rp
m、4℃で15分間遠心分離した。その後、上清を取
り、1Mイミダゾール(pH7.5)を終濃度10mM
になるように加え、Ni−アガロース(登録商標、キア
ゲン社製)を用いて、非変性条件で取扱い説明書の通り
に精製した。また、沈殿物を6M塩酸グアジニンに溶解
し、Ni−アガロース(キアゲン製)を用いて、変性条
件で取扱い説明書の通りに精製した。以降の操作では沈
殿物から変性条件で精製したヒトGADII蛋白質を用
いた。
【0025】4)精製された標品の一部を、2×SDS
サンプルバッファーと等量ずつ混合し、3分間沸騰水中
でボイルした後、10%SDS−PAGE電気泳動にか
け、クマシーブリリアントブルーで染色したところ、5
2kD付近にバンドが現れ、得られた蛋白質がヒトGA
DII蛋白質であることが確認された。 5)次に残った精製ヒトGADII蛋白質を4)と同様
に2×SDSサンプルバッファーで処理し、5mmゲル
厚の10%SDS−PAGE電気泳動にかけ、泳動終了
後ゲルを4℃にて0.25MのKClで30分間染色を
行った。52kD付近の白く染色された目的のバンドを
カッターナイフで切り出し、そのバンドをカッターナイ
フでさらに細かく刻んだ。バイオラッド社製のモデル4
22エレクトロエリューターを用い、取扱説明書に従い
20mAで8時間蛋白質の溶出を行った後、溶出された
蛋白質を回収した。前記によりヒトGADII蛋白質
(配列表の配列番号1のアミノ酸配列からなる蛋白質)
を得た。
【0026】II.抗GADII抗体の検出1 肝臓癌が疑われる人48名について血清を得て、ELI
SA法により血清中から抗ヒトGADII自己抗体の検
出を行った。コントロールとして健常人7人の血清を用
いた。以下にその方法を示す。
【0027】1.抗原のコーティング 抗原としてGADII蛋白質を用意し、抗原濃度が10
μg/mlとなるように抗原液を調製した。この抗原液
を96ウェルプレートの各ウェルに100μlずつ入
れ、4℃で一晩置き、コーティングした。
【0028】2.ブロッキング前記のプレートの抗原液
を捨て、プレートが乾かないうちにブロッキング液(ブ
ロックエース(登録商標、雪印乳業社製)を純粋で4倍
希釈したもの)を各ウェルに200μlずつ加え室温で
2時間置き、ブロッキングした。
【0029】3.抗原抗体反応 ブロッキング液を捨てた後、プレートが乾かないうち
に、ヒト血清(100倍希釈したもの)を各ウェルに5
0μlずつ加え2時間置き、抗原抗体反応させた。ヒト
血清を捨て、0.05%Tween20 PBS(−)
で4回洗浄した。
【0030】4.二次抗体反応 HRP結合抗ヒトIgG抗体液をPBS(−)で500
倍希釈し、各ウェルに50μlずつ加え、室温で1時間
置き、ヒト血清中のIgGと反応させた。HRP結合抗
ヒトIgG抗体液を捨て、0.05%Tween20
PBS(−)で7回洗浄した。
【0031】5.発色反応 OPD(オルトフェニルジアミン、和光純薬社製)を1
錠を0.1M PCB30mlおよびH2212μlに
溶解した液を各ウェルに100μlずつ加え、室温で発
色するまで反応させた。2N H2SO4を各ウェルに5
0μlずつ加え発色反応を停止させた。
【0032】6.吸光度測定 490nmにおける吸光度をプレートリーダー(クラボ
ウ社製)で測定した。吸光度測定の結果、健常人7名の
血清のELISAの結果の平均値を取り、それを正常平
均値とした。また、前記健常人7名での結果の標準偏差
を取り、正常標準偏差とした。肝臓癌患者の血清のEL
ISAの結果については、490nmにおける結果が、
「(正常平均値)+(正常標準偏差)×2」の範囲外に
なるものを陽性とし、「正常平均値」と「(正常平均
値)+(正常標準偏差)×2」の間になるものを擬陽性
とした。
【0033】肝臓癌が疑われる人48名の血清について
のELISA法の結果と、他の診断方法により肝臓癌と
診断された結果とを対比して表1に示す。また、肝臓癌
特異的な蛋白質として知られているAFPまたはPIV
KA−IIの検出の結果も表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】肝臓癌が疑われるごく初期の段階におい
て、抗ヒトGADII自己抗体の検出方法結果が陽性ま
たは擬陽性となった人は、最終的に肝臓腫瘍有り(肝臓
癌)と診断された人においては30人中9人であり、そ
の比率は30%を占める。これは従来使用されているA
FPやPIVKA−IIよりも高い陽性率となってお
り、本発明の自己抗体の検出方法が肝臓癌の診断方法の
一つとして使用できるものであることを示している。
【0036】また、抗ヒトGADII自己抗体の検出結
果が陽性となった人は、肝臓癌と診断された人において
は30人中6人であり、最終的に肝臓腫瘍無し(肝臓癌
でない)と診断された人は18人中1人であることも、
本発明の抗ヒトGADII自己抗体の検出が肝臓癌の診
断方法の一つとして使用できるものであることを示して
いる。
【0037】III.抗GADII抗体の検出2 自己免疫疾患患者111人について血清を得て、ELI
SA法により血清中から抗ヒトGADII自己抗体の検
出を行った。コントロールとして正常人(自己免疫疾患
に罹患していない人)20人の血清を用いた。以下にそ
の方法を示す。
【0038】1.抗原のコーティング 抗原としてGADII蛋白質を用意し、抗原濃度が10
μg/mlとなるように抗原液を調製した。この抗原液
を96ウェルプレートの各ウェルに100μlずつ入
れ、4℃で一晩置き、コーティングした。
【0039】2.ブロッキング 前記のプレートの抗原液を捨て、プレートが乾かないう
ちにブロッキング液(ブロックエース(登録商標、雪印
乳業社製)を純粋で4倍希釈したもの)を各ウェルに2
00μlずつ加え室温で2時間置き、ブロッキングし
た。
【0040】3.抗原抗体反応 ブロッキング液を捨てた後、プレートが乾かないうち
に、ヒト血清(100倍希釈したもの)を各ウェルに5
0μlずつ加え2時間置き、抗原抗体反応させた。ヒト
血清を捨て、0.05%Tween20 PBS(−)
で4回洗浄した。
【0041】4.二次抗体反応 HRP結合抗ヒトIgG抗体液をPBS(−)で500
倍希釈し、各ウェルに50μlずつ加え、室温で1時間
置き、ヒト血清中のIgGと反応させた。HRP結合抗
ヒトIgG抗体液を捨て、0.05%Tween20
PBS(−)で7回洗浄した。
【0042】5.発色反応 OPD(オルトフェニルジアミン、和光純薬社製)を1
錠を0.1M PCB30mlおよびH2212μlに
溶解した液を各ウェルに100μlずつ加え、室温で発
色するまで反応させた。2N H2SO4を各ウェルに5
0μlずつ加え発色反応を停止させた。
【0043】6.吸光度測定 490nmにおける吸光度をプレートリーダー(クラボ
ウ社製)で測定した。吸光度測定の結果、正常人20名
の血清のELISAの結果の平均値を取り、それを正常
平均値とした。また、前記正常人20名での結果の標準
偏差を取り、正常標準偏差とした。自己免疫疾患患者の
血清のELISAの結果については、490nmにおけ
る結果が、「(正常平均値)+(正常標準偏差)×2」
の範囲外になるものを陽性とした。結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】SLE、強皮症または多発性筋炎もしくは
皮膚性炎の患者においては、陽性率(被検者中陽性とな
った患者の数)は0%であった。一方、慢性関節リウマ
チの患者においては陽性率は8.3%であり、自己免疫
性肝炎の患者においては陽性率は8.8%であった。ま
た、1例ながら原発胆汁性肝硬変の患者でも陽性となる
結果が得られた。以上の結果より、陽性となった血清が
採取された患者は自己免疫疾患、特に、慢性関節リウマ
チ、自己免疫性肝炎または原発胆汁性肝硬変が疑われ
る。このことは、本発明の自己抗体の検出方法が自己免
疫疾患、特に、慢性関節リウマチ、自己免疫性肝炎また
は原発胆汁性肝硬変の診断方法の一つとして使用できる
ものであることを示している。
【0046】
【発明の効果】本発明により、抗ヒトGADII自己抗
体をヒト体液または組織抽出液から検出することが可能
となる。そして、肝臓癌が疑われる患者の体液または組
織抽出液から前記自己抗体の発生量を健常人での発生量
と比較することにより肝臓癌の診断を行うことが可能と
なる。
【0047】また、本発明により、自己免疫疾患が疑わ
れる患者の体液または組織抽出液から前記自己抗体の発
生量を正常人での発生量と比較することにより自己免疫
性疾患、特に慢性関節リウマチ、自己免疫性肝炎または
原発性肝硬変の診断を行うことが可能となる。
【0048】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:493 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 配列 Met Ala Asp Ser Glu Ala Leu Pro Ser Leu Ala Gly Asp Pro Val Ala 1 5 10 15 Val Glu Ala Leu Leu Arg Ala Val Phe Gly Val Val Val Asp Glu Ala 20 25 30 Ile Gln Lys Gly Thr Ser Val Ser Gln Lys Val Cys Glu Trp Lys Glu 35 40 45 Pro Glu Glu Leu Lys Gln Leu Leu Asp Leu Glu Leu Arg Ser Gln Gly 50 55 60 Glu Ser Gln Lys Gln Ile Leu Glu Arg Cys Arg Ala Val Ile Arg Tyr 65 70 75 80 Ser Val Lys Thr Gly His Pro Arg Phe Phe Asn Gln Leu Phe Ser Gly 85 90 95 Leu Asp Pro His Ala Leu Ala Gly Arg Ile Ile Thr Glu Ser Leu Asn 100 105 110 Thr Ser Gln Tyr Thr Tyr Glu Ile Ala Pro Val Phe Val Leu Met Glu 115 120 125 Glu Glu Val Leu Arg Lys Leu Arg Ala Leu Val Gly Trp Ser Ser Gly 130 135 140 Asp Gly Ile Phe Cys Pro Gly Gly Ser Ile Ser Asn Met Tyr Ala Val 145 150 155 160 Asn Leu Ala Arg Tyr Gln Arg Tyr Pro Asp Cys Lys Gln Arg Gly Leu 165 170 175 Arg Thr Leu Pro Pro Leu Ala Leu Phe Thr Ser Lys Glu Cys His Tyr 180 185 190 Ser Ile Gln Lys Gly Ala Ala Phe Leu Gly Leu Gly Thr Asp Ser Val 195 200 205 Arg Val Val Lys Ala Asp Glu Arg Gly Lys Met Val Pro Glu Asp Leu 210 215 220 Glu Arg Gln Ile Gly Met Ala Glu Ala Glu Gly Ala Val Pro Phe Leu 225 230 235 240 Val Ser Ala Thr Ser Gly Thr Thr Val Leu Gly Ala Phe Asp Pro Leu 245 250 255 Glu Ala Ile Ala Asp Val Cys Gln Arg His Gly Leu Trp Leu His Val 260 265 270 Asp Ala Ala Trp Gly Gly Ser Val Leu Leu Ser Gln Thr His Arg His 275 280 285 Leu Leu Asp Gly Ile Gln Arg Ala Asp Ser Val Ala Trp Asn Pro His 290 295 300 Lys Leu Leu Ala Ala Gly Leu Gln Cys Ser Ala Leu Leu Leu Gln Asp 305 310 315 320 Thr Ser Asn Leu Leu Lys Arg Cys His Gly Ser Gln Ala Ser Tyr Leu 325 330 335 Phe Gln Gln Asp Lys Phe Tyr Asp Val Ala Leu Asp Thr Gly Asp Lys 340 345 350 Val Val Gln Cys Gly Arg Arg Val Asp Cys Leu Lys Leu Trp Leu Met 355 360 365 Trp Lys Ala Gln Gly Asp Gln Gly Leu Glu Arg Arg Ile Asp Gln Ala 370 375 380 Phe Val Leu Ala Arg Tyr Leu Val Glu Glu Met Lys Lys Arg Glu Gly 385 390 395 400 Phe Glu Leu Val Met Glu Pro Glu Phe Val Asn Val Cys Phe Trp Phe 405 410 415 Val Pro Pro Ser Leu Arg Gly Lys Gln Glu Ser Pro Asp Tyr His Glu 420 425 430 Arg Leu Ser Lys Val Ala Pro Val Leu Lys Glu Arg Met Val Lys Glu 435 440 445 Gly Ser Met Met Ile Gly Tyr Gln Pro His Gly Thr Arg Gly Asn Phe 450 455 460 Phe Arg Val Val Val Ala Asn Ser Ala Leu Thr Cys Ala Asp Met Asp 465 470 475 480 Phe Leu Leu Asn Glu Leu Glu Arg Leu Gly Gln Asp Leu 485 490
【0049】配列番号:2 配列の長さ:1926 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 CGGCGCGCCT GTAATCCCAG CACTCTGGGA GACCGAGATT CTTGGTTGAT GCAAATCAAA 60 TAGAGATCCT G ATG GCT GAC TCA GAA GCA CTC CCC TCC CTT GCT GGG GAC 110 CCA GTG GCT GTG GAA GCC TTG CTC CGG GCC GTG TTT GGG GTT GTT GTG 158 GAT GAG GCC ATT CAG AAA GGA ACC AGT GTC TCC CAG AAG GTC TGT GAG 206 TGG AAG GAG CCT GAG GAG CTG AAG CAG CTG CTG GAT TTG GAG CTG CGG 254 AGC CAG GGC GAG TCA CAG AAG CAG ATC CTG GAG CGG TGT CGG GCT GTG 302 ATT CGC TAC AGT GTC AAG ACT GGT CAC CCT CGG TTC TTC AAC CAG CTC 350 TTC TCT GGG TTG GAT CCC CAT GCT CTG GCC GGG CGC ATT ATC ACT GAG 398 AGC CTC AAC ACC AGC CAG TAC ACA TAT GAA ATC GCC CCC GTG TTT GTG 446 CTC ATG GAA GAG GAG GTG CTG AGG AAA CTG CGG GCC CTG GTG GGC TGG 494 AGC TCT GGG GAC GGA ATC TTC TGC CCT GGT GGC TCC ATC TCC AAC ATG 542 TAT GCT GTA AAT CTG GCC CGC TAT CAG CGC TAC CCG GAT TGC AAG CAG 590 AGG GGC CTC CGC ACA CTG CCG CCC CTG GCC CTA TTC ACA TCG AAG GAG 638 TGT CAC TAC TCC ATC CAG AAG GGA GCT GCG TTT CTG GGA CTT GGC ACC 686 GAC AGT GTC CGA GTG GTC AAG GCT GAT GAG AGA GGG AAA ATG GTC CCC 734 GAG GAT CTG GAG AGG CAG ATT GGT ATG GCC GAG GCT GAG GGT GCT GTG 782 CCG TTC CTG GTC AGT GCC ACC TCT GGC ACC ACT GTG CTA GGG GCC TTT 830 GAC CCC CTG GAG GCA ATT GCT GAT GTG TGC CAG CGT CAT GGG CTA TGG 878 CTG CAT GTG GAT GCT GCC TGG GGT GGG AGC GTC CTG CTG TCA CAG ACA 926 CAC AGG CAT CTC CTG GAT GGG ATC CAG AGG GCT GAC TCT GTG GCC TGG 974 AAT CCC CAC AAG CTC CTC GCA GCA GGC CTG CAA TGC TCT GCA CTT CTT 1022 CTC CAG GAT ACC TCG AAC CTG CTC AAG CGC TGC CAT GGG TCC CAG GCC 1070 AGC TAC CTT TTC CAG CAG GAC AAG TTC TAC GAT GTG GCT CTG GAC ACG 1118 GGA GAC AAG GTG GTG CAG TGT GGC CGC CGT GTG GAC TGT CTG AAG CTG 1166 TGG CTC ATG TGG AAG GCA CAG GGC GAT CAA GGG CTG GAG CGG CGC ATC 1214 GAC CAG GCC TTT GTC CTT GCC CGG TAC CTG GTG GAG GAA ATG AAG AAG 1262 CGG GAA GGG TTT GAG CTA GTC ATG GAG CCT GAG TTT GTC AAT GTG TGT 1310 TTC TGG TTC GTA CCC CCC AGC CTG CGA GGG AAG CAG GAG AGT CCA GAT 1358 TAC CAC GAA AGG CTG TCA AAG GTG GCC CCC GTG CTC AAG GAG CGC ATG 1406 GTG AAG GAG GGC TCC ATG ATG ATT GGC TAC CAG CCC CAC GGG ACC CGG 1454 GGC AAC TTC TTC CGT GTG GTT GTG GCC AAC TCT GCA CTG ACC TGT GCT 1502 GAT ATG GAC TTC CTC CTC AAC GAG CTG GAG CGG CTA GGC CAG GAC CTG 1550 TGA GCCTTCTCTG TCTTGCTGCC GGCCTTGATA CCACCCCTCA CCCGCAGAGT 1603 CACTGCATTC CCTCCCAGCC TTTGAGGCCG GGTGCAGTGG CTCACGCCTG TAATCCCAGC 1663 ACTTTGGGAG GCCGAGGCGG GTGGATCACT TGAGGTCAGG AGTTCGAGAC CAGCCTGGCC 1723 AATAAGGTGA AACCCTGTCT CTACTAAAAA TACAAAAATT AGCCGAGCAT GGTGGCCTGT 1783 GCCTGTAAAC CCAGCTACTC AGGAGGTTGG GGCAGAATTG CTTGAACCCA GGGGGCAGAG 1843 GTTGCAGTGA GCCGAGATTG CACCCCTGCA CTCCAGGCTG GGCAACAGTA CGAGACTCTG 1903 TTCCAAAAAA AATAAAAAAG CCG 1926
【0050】配列番号:3 配列の長さ:34 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 配列 GAATTCCCCA TGGCTGACTC AAAACCACTC AGAA
【0051】配列番号:4 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 配列 GCACTGACCA GAAATGGCAC
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒスチジンタグを導入したpET3aベクター
を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 功典 山口県字部市小串1144番地 山口大学医学 部第二病理学講座内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配
    列から成る蛋白質とヒトの体液または組織抽出液とを反
    応させて、該体液または該組織抽出液中に存在し、かつ
    配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列から成る蛋白
    質と反応する自己抗体を検出する検出方法。
  2. 【請求項2】 肝臓癌患者の体液または組織抽出液中に
    存在し、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列から
    成る蛋白質と反応し、かつ肝臓癌で発生量が増加する自
    己抗体を検出することを特徴とする請求項1に記載の検
    出方法。
  3. 【請求項3】 自己免疫疾患患者の体液または組織抽出
    液中に存在し、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配
    列から成る蛋白質と反応し、かつ自己免疫疾患で発生量
    が増加する自己抗体を検出することを特徴とする請求項
    1に記載の検出方法。
  4. 【請求項4】 配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配
    列における連続する8アミノ酸残基以上のアミノ酸配列
    からなる蛋白質であって、請求項1ないし3のいずれか
    一項に記載の検出方法により存在が確認されたヒトの体
    液または組織抽出液に存在する自己抗体と抗原抗体反応
    することが可能であることを特徴とする蛋白質。
  5. 【請求項5】 ヒトの体液または組織抽出液中に存在
    し、かつ配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列から
    なる蛋白質と反応する自己抗体を検出する検出試薬であ
    って、請求項4に記載の蛋白質を含むことを特徴とする
    検出試薬。
  6. 【請求項6】 肝臓癌患者の体液または組織抽出液中に
    存在し、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列から
    なる蛋白質と反応し、かつ肝臓癌で発生量が増加する自
    己抗体を検出することを特徴とする請求項5に記載の検
    出試薬。
  7. 【請求項7】 自己免疫疾患患者の体液または組織抽出
    液中に存在し、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配
    列からなる蛋白質と反応し、かつ自己免疫疾患で発生量
    が増加する自己抗体を検出することを特徴とする請求項
    5に記載の検出試薬。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし7のいずれか一項に記載
    の検出試薬を含むことを特徴とする検出キット。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013506837A (ja) * 2009-10-05 2013-02-28 アンバージェン, インコーポレイテッド 自己抗原を使用する原発性胆汁性肝硬変(pbc)を診断するための方法
JP2013083644A (ja) * 2011-10-07 2013-05-09 Korea Center For Disease Control And Prevention 血液内アミロイドβ抗体に特異的に結合する新規なAβ22(pE)−42ペプチドを有効成分として含む痴呆症診断用キット

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