JPH1140194A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JPH1140194A
JPH1140194A JP9192239A JP19223997A JPH1140194A JP H1140194 A JPH1140194 A JP H1140194A JP 9192239 A JP9192239 A JP 9192239A JP 19223997 A JP19223997 A JP 19223997A JP H1140194 A JPH1140194 A JP H1140194A
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aqueous electrolyte
secondary battery
electrolyte secondary
battery
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JP9192239A
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Inventor
Kenichi Sakai
賢一 酒井
Kenji Yamamoto
賢治 山本
Naoki Ueda
直樹 植田
Masaru Urushibara
勝 漆原
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】充放電サイクルに伴う容量劣化の小さい、サイ
クル特性の優れた非水電解液二次電池を供給する。 【解決手段】本発明の非水電解液二次電池は、電解質を
有機溶媒に溶解させた非水電解液を備える非水電解液二
次電池であって、該非水電解液には、ナフトキノン、フ
ルオレン、エポキシド、1,1−ジフェニル−2−ピク
リルヒドラジル及びヒンダードアミン(HALS)系光
安定剤のうちの少なくとも一種が添加されていることを
特徴とする。また、本発明のもう一つは、非水電解液に
は、ベンゾトリアゾール及びベンゾキノンの両者が添加
されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解質を有機溶媒
に溶解させた非水電解液を備える非水電解液二次電池に
関し、特にリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エステルやエーテルなど有機
溶媒に電解質を溶解させた非水電解液を備える非水電解
液二次電池がある。中でも電池反応にリチウムが寄与す
るリチウム二次電池では、高い電池容量を有するとして
特に注目を集め、数々の改良がなされてきた。その一例
として、リチウムを吸蔵、放出することのできる炭素材
料や酸化物から負極を構成したもの(特開平6−132
027号公報など)がある。
【0003】しかしながら、このような非水電解液の溶
媒にエステルやエーテルなどの有機溶媒を用いた非水電
解液二次電池では、充放電を繰り返すにつれて電極表面
で溶媒が分解され、充放電サイクルに伴う電池容量の劣
化が大きいという問題があった。
【0004】
【解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑みてな
されたものであり、充放電サイクルに伴う容量劣化の小
さい、サイクル特性の優れた非水電解液二次電池を供給
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、電解質を
有機溶媒に溶解させた非水電解液に、さらに少なくとも
ナフトキノン、フルオレン、エポキシド、1,1−ジフ
ェニル−2−ピクリルヒドラジル、HALS系光安定剤
のうち1種類または2種類以上を添加し、これを非水電
解液二次電池に用いたところ、充放電サイクルに伴う電
池の容量劣化が小さくなることを見出した。また、非水
電解液にベンゾトリアゾール及びベンゾキノンの両者を
添加し、これを非水電解液二次電池に用いたところ、充
放電サイクルに伴う電池の容量劣化が小さくなることを
見出した。本発明は、これらの知見に基づいてなされた
ものである。
【0006】すなわち、本発明の非水電解液二次電池
は、電解質を有機溶媒に溶解させた非水電解液を備える
非水電解液二次電池であって、該非水電解液には、ナフ
トキノン、フルオレン、エポキシド、1,1−ジフェニ
ル−2−ピクリルヒドラジル、HALS系光安定剤のう
ちの少なくとも一種が添加されていることを特徴とす
る。
【0007】また、本発明のもう一つの非水電解液二次
電池は、電解質を有機溶媒に溶解させた非水電解液を備
える非水電解液二次電池であって、該非水電解液には、
ベンゾトリアゾール及びベンゾキノンが添加されている
ことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の非水電解液二次電池は、
いずれも電解質を有機溶媒に溶解させた非水電解液を備
える非水電解液二次電池であるが、こうした非水電解液
において、ナフトキノン、フルオレン、エポキシド、
1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル及びHA
LS系光安定剤の少なくとも一種が添加されているもの
(前者)と、ベンゾトリアゾール及びベンゾキノンの両
者が添加されているもの(後者)とに大別される。
【0009】それぞれの非水電解液を説明する前に電池
の全体構造から先ず説明する。電池の種類については特
に限定されるものではないが、リチウム二次電池が最も
好ましい。また、電池全体の構造については、いずれの
電池においても特に限定されるものではなく、円筒型、
ボタン型、角型等の各種形態で公知の構造とすることが
できる。
【0010】また、いずれの電池とも、正極を構成する
正極活物質については特に限定されるものではないが、
リチウム二次電池であるならば、LiCoO2 、LiN
iO 2 、LiMn24 等を用いることができる。ま
た、負極を構成する材料についても特に限定されるもの
ではないが、グラファイト等の炭素材料からなることが
好ましい。
【0011】次に非水電解液について説明する。その有
機溶媒及び電解質については、いずれの非水電解液二次
電池においても特に限定されるものではなく、それぞれ
公知のものを用いることができる。有機溶媒について
は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、
ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−
ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、エチルメチ
ルカーボネート、ジエチルカーボネート等のエステルや
エーテルを用いることができ、これらの中から複数種選
んで適当な割合で混合した混合有機溶媒を用いることが
好ましい。電解質については、LiPF6 、LiB
4 、LiClO4 、LiCF3 SO3 などを用いるこ
とができる。また、その溶解量は0.5〜1.5mol
/Lの割合が好ましい。
【0012】前者の電池では、有機溶媒に電解質を溶解
し、この溶液にナフトキノン、フルオレン、エポキシ
ド、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル及び
HALS系光安定剤の少なくとも一種を添加することで
非水電解液を調製することができる。ここで、エポキシ
ドについては特に限定されるものではないが、1,2−
エポキシ−3−フェノキシプロパン、3,4−エポキシ
シクロヘキサンカルボン酸及び3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチルのうちの少なくとも一種であることが望
ましい。これらの物質を選択的に含ませることにより、
電池のサイクル特性をさらに向上させることができる。
【0013】また、HALS系光安定剤についても特に
限定されるものではないが、ビス−(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)セパケート、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)セパケート、〔コハク酸ジメチル−1−(2−ヒド
ロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン〕縮合物、ポリ{〔6−(1,
1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ〕−1,3,
5−トリアジン−2,4−ジイル〔(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレ
ン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノール〕}、テトラギス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタン
テトラカルボキシレート、並びに1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジノール及び3,9−ビス
(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,
4,8,10−テトラスビロ〔5,5〕ウンデカンとブ
タンテトラカルボン酸のエステル化合物のうちの少なく
とも一種であることが望ましい。これらの物質を選択的
に含ませることにより、電池のサイクル特性をさらに向
上させることができる。
【0014】ところで、非水電解液は、ナフトキノン、
フルオレン、エポキシド、1,1−ジフェニル−2−ピ
クリルヒドラジル及びHALS系光安定剤のうちの少な
くとも一種を1〜0.0001mol/L含むことが望
ましい。0.0001mol/L未満では、含有量が少
なすぎてサイクル特性を十分に向上させることができな
くなる。一方、1mol/Lを超える場合では、含有量
が多すぎて有機溶媒及び電解質の働きが阻害され、電池
の特性が低下する恐れがある。
【0015】さらに、非水電解液は、ナフトキノン、フ
ルオレン、エポキシド、1,1−ジフェニル−2−ピク
リルヒドラジル、HALS系光安定剤のうちの少なくと
も1種の他に、ベンゾトリアゾール及びベンゾキノンの
いずれかを含むことが望ましい。その際の添加量も非水
電解液1リットル当り1〜0.0001molが好まし
い。ベンゾトリアゾール及びベンゾキノンを非水電解液
にさらに含ませることにより、より一層の電池のサイク
ル特性の向上が可能となる。
【0016】一方、後者の電池でも、非水電解液の調製
にあたっては、有機溶媒に電解質を溶解し、この溶液に
ベンゾトリアゾール及びベンゾキノンの両者を添加する
ことで調製可能である。このとき、両者の添加量につい
ては特に限定されるものではない。また、添加順序に関
しても特に限定されない。なお、以上のナフトキノン、
フルオレン、エポキシド、1,1−ジフェニル−2−ピ
クリルヒドラジル及びHALS系光安定剤の少なくとも
一種、並びにベンゾトリアゾール及びベンゾキノンの添
加剤は、いずれも高純度でかつ水分の混入が少ないもの
を用いることが好ましい。これら添加剤を通じて水分が
非水電解液中に混入すると、電池の特性が低下してしま
う恐れがあるからである。
【0017】
【作用】本発明の非水電解液二次電池は、従来のものに
比べてサイクル特性に特に優れる。これは、非水電解液
に添加したナフトキノン、フルオレン、エポキシド、
1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル及びHA
LS系光安定剤のうちの少なくとも1種、あるいはベン
ゾトリアゾール及びベンゾキノンが、電池のサイクル特
性を向上させるからである。
【0018】電池のサイクル特性が向上する原因につい
ては今のところ明確にはわかっていないが、これらの添
加剤が、電池の充放電時において、非水電解液の酸化還
元の抑制、重合の抑制、酸の抑制、溶媒の分解物や電極
表面におけるラジカルの捕捉等の働きをすることによ
り、非水電解液の分解及び劣化を防いでいることが考え
られる。こうした非水電解液の分解及び劣化を防ぐ作用
には、添加剤が電極表面に析出して形成された添加剤被
膜も関与している可能性がある。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (実施例1)本実施例の非水電解液二次電池は、図1に
模式的に示すように角型のリチウム二次電池である。こ
の電池1では、電極体2が非水電解液(図示せず)に浸
されてケース4の中に固定配置されている。この電極体
2は、方形板状の正極22と負極24とを、それらの間
にセパレータ26を介在させて積層したものである。
【0020】正極22については、正極活物質にLiC
oO2 を採用し、このLiCoO2と、導電材である炭
素材料と、結着材であるポリフッ化ビニリデンとを9
4:4:2の重量比で混合し、n−メチル−2−ピロリ
ドンに分散させてスラリーを調製した後、正極集電体で
あるアルミニウム箔に塗布し、続いて密度をあげるため
にプレスして作製したものを用いた。
【0021】負極24については、格子面(002)面
におけるd値(d0 0 2 )が0.337nm以下である
炭素材料(グラファイト)を負極材料に採用し、この炭
素材料と、結着材であるポリフッ化ビニリデンとを9
2.5:7.5の重量比で混合し、n−メチル−2−ピ
ロリドンに分散させてスラリーを調製した後、負極集電
体である銅箔に塗布し、続いて密度をあげるためにプレ
スして作製したものを用いた。
【0022】セパレータ26については、ポリエチレン
製の微多孔膜を使用した。非水電解液については、エチ
レンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(D
EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチ
ルカーボネート(EMC)とを体積割合で25:20:
15:40で混合した混合有機溶媒に、LiPF6 の電
解質を1mol/L溶解し、この溶液にナフトキノンを
0.001mol/L添加したものを用いた。 (実施例2)本実施例では、ナフトキノンの代わりにフ
ルオレンを0.01mol/L添加した他は、実施例1
と同様にして非水電解液を調製した。この非水電解液を
用いて、実施例1の電池と同じ構成をもつリチウム二次
電池を作製した。 (比較例1)本比較例では、実施例1と同様にして混合
有機溶媒と電解質との溶液を調製したが、この溶液には
ナフトキノンなどの添加剤を何も添加しなかった。この
溶液を非水電解液として用いて、実施例1と同じ構成を
もつリチウム二次電池を作製した。 [サイクル特性の評価]実施例1及び実施例2、並びに
比較例1の各電池を用いて充放電試験を行い、各電池の
サイクル特性を評価した。
【0023】本充放電試験では、正極面積に対する電流
密度を3.1mA/cm2として、先ず充電を電圧4.
2Vで行い、続いて放電を電圧3.0Vで行うといった
一連の充放電を30サイクル繰り返した。次に、正極面
積に対する電流密度を0.62mA/cm2 に変え、先
と同じ電圧で充放電を1サイクル行い、このときの放電
容量を測定した。これら合計31サイクルの充放電を基
本パターンとして測定した。
【0024】実施例1及び実施例2、並びに比較例1の
各電池について、前記充放電の基本パターンを10回繰
り返して放電容量を測定した。その際、正極面積に対す
る電流密度が0.62mA/cm2時の放電容量比をプ
ロットした。測定結果を図2に示す。この図2のグラフ
は、充放電サイクル数と放電容量との関係を示してお
り、放電容量の大きさは初回の放電容量を1とした比
(放電容量比)で表した。
【0025】図2より、いずれの電池も初期の放電容量
が同じであることがわかる。また、実施例1及び実施例
2の電池では、充放電サイクル数の増加に伴う放電容量
比の低下が比較例1の電池のものに比べて低いことがわ
かる。従って、この充放電試験の結果より、電解質を有
機溶媒に溶解させた非水電解液を備える非水電解液二次
電池において、その非水電解液にナフトキノンあるいは
フルオレンを添加することにより、初期の放電容量が低
下することなく、充放電サイクル特性が向上することが
明らかとなった。
【0026】このようにナフトキノンを非水電解液に添
加することによって、充放電サイクル特性が向上する原
因は明確にはわかっていないが、ナフトキノンが非水電
解液に発生するラジカルを捕捉することにより溶媒の分
解の進行を抑えていることが原因であると考えられる。
一方、フルオレンを非水電解液に添加することによっ
て、充放電サイクル特性が向上する原因についても明確
にはわかっていないが、非水電解液に溶解していたこの
添加物が電極表面に析出して被膜を形成することにより
溶媒の分解を抑えていることが原因であると考えられ
る。 (実施例3)本実施例では、ナフトキノンの代わりにエ
ポキシドの一種である1,2−エポキシ−3−フェノキ
シプロパンを0.01mol/L添加した他は、実施例
1と同様にして非水電解液を調製した。この非水電解液
を用いて実施例1の電池と同じ構成をもつリチウム二次
電池を作製した。 (実施例4)本実施例では、ナフトキノンの代わりに
1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジルを0.0
1mol/L添加した他は、実施例1と同様にして非水
電解液を調製した。この非水電解液を用いて、実施例1
の電池と同じ構成をもつリチウム二次電池を作製した。 (実施例5)本実施例では、ナフトキノンの代わりにH
ALS系光安定剤の一種であるポリ{〔6−(1,1,
3,3−テトラメチルブチル)イミノ〕−1,3,5−
トリアジン−2,4−ジイル〔(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン
〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノール〕}(以下、化合物Aと称する)を3.94
g/L(約0.001〜0.0001mol/L)添加
した他は、実施例1と同様にして非水電解液を調製し
た。この非水電解液を用いて、実施例1の電池と同じ構
成をもつリチウム二次電池を作製した。 [サイクル特性の評価]実施例3〜5の各電池につい
て、先述の実施例1らの電池の充放電試験と同様の充放
電試験を行った。なお、本試験においては前記充放電の
基本パターンを1回行って放電容量を測定した。その測
定結果を表1に示す。また、比較のため、比較例1の電
池についての測定結果も表1に併せて示した。なお、表
1では放電容量の大きさは初回の放電容量を1とした比
(放電容量比)で表した。
【0027】
【表1】 表1より、実施例3〜5の各電池では、充放電サイクル
数が31サイクル目での放電容量比の低下が比較例1の
電池のものに比べて低いことがわかる。また、ここでは
表示しなかったが、いずれの電池も初期の放電容量が同
じであった。
【0028】従って、この充放電試験の結果より、電解
質を有機溶媒に溶解させた非水電解液を備える非水電解
液二次電池において、その非水電解液に1,2−エポキ
シ−3−フェノキシプロパン、1,1−ジフェニル−2
−ピクリルヒドラジル及び化合物Aのいずれかを添加す
ることにより、初期の放電容量が低下することなく、充
放電サイクル特性が向上することが明らかとなった。
【0029】1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパ
ンを非水電解液に添加することにより、電池の充放電サ
イクル特性が向上する原因は明確にはわかっていない
が、この添加物が充放電に伴って非水電解液中に発生す
る酸等の不純物を捕捉することにより、サイクル特性が
改善されていると考えられる。一方、1,1−ジフェニ
ル−2−ピクリルヒドラジルを添加することによって、
充放電サイクル特性が向上する原因についても明確には
わかっていないが、1,2−エポキシ−3−フェノキシ
プロパンを添加した場合と同様の原因が考えられる。
【0030】また、化合物Aを非水電解液に添加するこ
とによって充放電サイクル特性が向上する原因について
も明確にはわかっていないが、溶媒の分解に伴って発生
するラジカルをこの添加物が捕捉することにより溶媒の
分解の進行が抑えられていることが原因であると考えら
れる。なお、実施例3では1,2−エポキシ−3−フェ
ノキシプロパンを添加剤として用いたが、3,4−エポ
キシシクロヘキサンカルボン酸や3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチルを用いても同じような作用と効果があ
る。 (実施例6)ECとDECとDMCとを体積割合で3
5:45:20で混合した混合有機溶媒に、LiPF6
の電解質を1mol/L溶解し、この溶液にナフトキノ
ンを0.0005mol/L添加し、さらにベンゾトリ
アゾールを0.005mol/L添加して非水電解液を
調製した。この非水電解液を用いて、実施例1の電池と
同じ構成をもつリチウム二次電池を作製した。 (実施例7)本実施例では、ナフトキノンの代わりにベ
ンゾキノンを0.005mol/Lした他は、実施例6
と同様にして非水電解液を調製した。すなわち、この非
水電解液にはベンゾキノンとベンゾトリアゾールとの両
方が添加されている。この非水電解液を用いて、実施例
1の電池と同じ構成をもつリチウム二次電池を作製し
た。 (比較例2)本比較例では、実施例6と同様にして混合
有機溶媒と電解質との溶液を調製したが、この溶液には
ナフトキノンなどの添加剤を何も添加しなかった。この
溶液を非水電解液として用いて、実施例1と同じ構成を
もつリチウム二次電池を作製した。 (比較例3)本比較例では、ナフトキノンは添加せずに
ベンゾトリアゾールのみを0.005mol/L添加し
た他は、実施例6と同様にして非水電解液を調製した。
この非水電解液を用いて、実施例1の電池と同じ構成を
もつリチウム二次電池を作製した。 (比較例4)本比較例では、ナフトキノン及びベンゾト
リアゾールの代わりにベンゾキノンのみを0.005m
ol/L添加した他は、実施例6と同様にして非水電解
液を調製した。この非水電解液を用いて、実施例1の電
池と同じ構成をもつリチウム二次電池を作製した。 [サイクル特性の評価]実施例6及び実施例7、並びに
比較例2〜4の各電池について、先述の実施例1らの電
池の充放電試験と同様の充放電試験を行った。なお、本
試験においては前記充放電の基本パターンを7回(21
7サイクル)行って放電容量を測定した。その測定結果
を表2に示す。また、比較のため、比較例1の電池につ
いての測定結果も表2に併せて示した。なお、表2で
は、放電容量の大きさは初回の放電容量を1とした比
(放電容量比)で表した。
【0031】
【表2】 表2より、実施例6及び実施例7の各電池では、充放電
サイクル数が217サイクル目での放電容量比の低下
が、比較例2〜4比較例の電池のものに比べて低いこと
がわかる。
【0032】従って、この充放電試験の結果より、電解
質を有機溶媒に溶解させた非水電解液を備える非水電解
液二次電池において、その非水電解液にナフトキノンと
ベンゾトリアゾールの両方を添加したり、あるいはベン
ゾキノンとベンゾトリアゾールの両方を添加することに
より、初期の放電容量が低下することなく、充放電サイ
クル特性が向上することが明らかとなった。
【0033】このようにナフトキノンとベンゾトリアゾ
ールの両方を非水電解液に添加することによって、電池
の充放電サイクル特性が向上する原因は明確にはわかっ
ていないが、次の2つの原因が考えられる。1つは、ナ
フトキノンとベンゾトリアゾールとが共に電極表面に付
着して電極表面に機械的に強固な被膜を形成し、金属リ
チウムのデンドライト析出の禁止作用をしているという
考えである。もう一つは、非水電解液中に溶解している
これらの添加物が溶媒の分解によって発生するラジカル
を捕捉することにより、溶媒の分解が抑えられていると
いう考えである。いずれの考えもまだはっきり証明され
ていないが、少なくともナフトキノンとベンゾトリアゾ
ールとが協働して充放電サイクル特性を向上させている
と考えられる。
【0034】一方、ベンゾキノンとベンゾトリアゾール
の両方を非水電解液に添加することによって電池の充放
電サイクル特性が向上する原因についても明確にはわか
っていないが、この場合についても先のナフトキノンと
ベンゾトリアゾールの両方を非水電解液に添加した場合
と同じ原因が考えられる。なお、実施例6ではナフトキ
ノンとベンゾトリアゾールの両方を添加剤として用いた
が、ここでは特に例示しなかったがナフトキノンとベン
ゾキノンの両方を用いてもサイクル特性が改善されるこ
とが明らかとなっている。この原因も先のナフトキノン
とベンゾトリアゾールの両方を非水電解液に添加した場
合と同じ原因が考えられる。
【0035】
【発明の効果】本発明の非水電解液二次電池は、非水電
解液に、ナフトキノン、フルオレン、エポキシド、1,
1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル及びHALS
系光安定剤の少なくとも一種、あるいは、ベンゾトリア
ゾール及びベンゾキノンの両者が添加されているため、
充放電時の電解液の分解劣化が生じにくく、その結果、
充放電サイクル特性に非常に優れる。
【0036】それゆえ、本発明の非水電解液二次電池は
長い寿命の二次電池が特に要求される用途に最適であ
る。例えば、携帯電話、携帯用ノート型パソコン等、使
用頻度が高く頻繁に充放電がなされる電子機器のバッテ
リーに使用すれば、長い期間一つの電池で電子機器を正
常に作動することができる。このことは、電池の交換回
数を減らすことにつながり、利用する者にとっては交換
の手間が省けるだけでなく、交換コストも省けるため経
済的にも大変便利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、実施例1の非水電解液二次電池を模
式的に示す電池の部分断面図である。
【図2】この図は、実施例1及び実施例2、並びに比較
例1の各電池の充放電サイクル特性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1:電池、2:電極体 3:ケース 22:正極 2
4:負極 26:セパレ−タ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 漆原 勝 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電解質を有機溶媒に溶解させた非水電解液
    を備える非水電解液二次電池であって、 該非水電解液には、ナフトキノン、フルオレン、エポキ
    シド、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル及
    びヒンダードアミン(HALS)系光安定剤のうちの少
    なくとも一種が添加されていることを特徴とする非水電
    解液二次電池。
  2. 【請求項2】前記エポキシドは、1,2−エポキシ−3
    −フェノキシプロパン、3,4−エポキシシクロヘキサ
    ンカルボン酸及び3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
    ルのうちの少なくとも一種である請求項1に記載の非水
    電解液二次電池。
  3. 【請求項3】前記HALS系光安定剤は、ビス−(2,
    2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパケー
    ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
    ペリジル)セパケート、〔コハク酸ジメチル−1−(2
    −ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,
    6−テトラメチルピペリジン〕縮合物、ポリ{〔6−
    (1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ〕−
    1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〔(2,2,
    6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキ
    サメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
    ペリジル)イミノール〕}テトラギス(2,2,6,6
    −テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブ
    タンテトラカルボキシレート、並びに1,2,2,6,
    6−ペンタメチル−4−ピペリジノール及び3,9−ビ
    ス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,
    4,8,10−テトラスビロ〔5,5〕ウンデカンとブ
    タンテトラカルボン酸のエステル化合物のうちの少なく
    とも一種である請求項1に記載の非水電解液二次電池。
  4. 【請求項4】前記非水電解液には、ナフトキノン、フル
    オレン、エポキシド、1,1−ジフェニル−2−ピクリ
    ルヒドラジル及びHALS系光安定剤のうちの少なくと
    も一種が1〜0.0001mol/L添加されている請
    求項1に記載の非水電解液二次電池。
  5. 【請求項5】前記非水電解液には、ナフトキノン、フル
    オレン、エポキシド、1,1−ジフェニル−2−ピクリ
    ルヒドラジル、HALS系光安定剤のうちの少なくとも
    1種の他に、ベンゾトリアゾール及びベンゾキノンのい
    ずれかが添加されている請求項1に記載の非水電解液二
    次電池。
  6. 【請求項6】電解質を有機溶媒に溶解させた非水電解液
    を備える非水電解液二次電池であって、 該非水電解液には、ベンゾトリアゾール及びベンゾキノ
    ンが添加されていることを特徴とする非水電解液二次電
    池。
  7. 【請求項7】負極が炭素材料より構成される請求項1〜
    6のいずれかに記載の非水電解液二次電池。
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