JPH1140453A - コンデンサ用ポリエステルフィルムおよびフィルムコンデンサ - Google Patents

コンデンサ用ポリエステルフィルムおよびフィルムコンデンサ

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JPH1140453A
JPH1140453A JP9211377A JP21137797A JPH1140453A JP H1140453 A JPH1140453 A JP H1140453A JP 9211377 A JP9211377 A JP 9211377A JP 21137797 A JP21137797 A JP 21137797A JP H1140453 A JPH1140453 A JP H1140453A
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章 畑山
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聡 西野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンデンサ製造の際に十分な加工性を持ち、
かつ絶縁抵抗の良好な、フィルムコンデンサ用途に好適
なコンデンサ用ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 3次元表面粗さ計による中心面平均粗さ
SRa が20〜70nmの範囲にあり、高さ0.8〜
1.5μmの突起の個数が0〜25個/mm2 の範囲に
あり、かつ、3次元表面粗さ計による中心面山高さSR
p とフィルムの総厚さTとが下記の式 0.35≦SRp /T≦1 を満たすことを特徴とするコンデンサ用ポリエステルフ
ィルム、およびそれを用いてなるフィルムコンデンサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサ用ポリ
エステルフィルムおよびそれを用いたフィルムコンデン
サに関するものであり、さらに詳しくは、絶縁抵抗の優
れたコンデンサ用ポリエステルフィルムおよびそれを用
いたフィルムコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、有機高分子フィルムを誘電体
として用いたコンデンサは広く用いられている。特開昭
63−182351号公報、特開昭63−194318
号公報などに例示されるように、ポリエステルフィルム
と金属箔を交互に巻回するか、フィルムに金属を蒸着し
て電極とし、これを巻回または積層することによりコン
デンサを得る技術が知られている。
【0003】特開平6−312453号公報などに例示
されるように、これらのコンデンサ用ポリエステルフィ
ルムのほとんどは、加工性、すなわちコンデンサ製造工
程におけるスリット性、巻取り性、あるいは積層性など
をもたせるために、無機あるいは有機粒子を添加するこ
となどにより表面をある程度粗面化している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、ポリエステルフ
ィルムコンデンサの絶縁抵抗のさらなる改善が望まれる
ようになってきている。原料ポリマーの改良などによる
改善や、特開平3−122133号公報に例示されるよ
うな分子の結晶構造や配向による改善は従来から行われ
ているが、その要求に対し改善はまだ十分ではない。
【0005】本発明の課題は、コンデンサ製造の際に十
分な加工性を有し、かつ、絶縁抵抗の良好な、フィルム
コンデンサ用途に好適なコンデンサ用ポリエステルフィ
ルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のコンデンサ用ポリエステルフィルムは、3
次元表面粗さ計による中心面平均粗さSRa が20〜7
0nmの範囲にあり、高さ0.8〜1.5μmの突起の
個数が0〜25個/mm2 の範囲にあり、かつ、3次元
表面粗さ計による中心面山高さSRp とフィルムの総厚
さTとが下記の式 0.35≦SRp /T≦1 を満たすことを特徴とするものからなる。
【0007】また、本発明に係る金属化フィルムは、上
記のようなポリエステルフィルムをコンデンサ素子作成
用に少なくとも片面を金属化したものからなる。
【0008】さらに、本発明に係るフィルムコンデンサ
は、上記のようなポリエステルフィルムあるいは金属化
フィルムを用いてなるものである。
【0009】従来技術では、表面粗さと絶縁抵抗の関係
については全く知見がなく、表面形状は主にコンデンサ
製造の際の加工性のみを主眼に設計されていた。しかし
ながら、本発明者の検討によれば、表面形状は絶縁抵抗
を左右する一つの大きな要因であり、表面形状を本発明
で規定するように設計することによって、良好な絶縁抵
抗と十分な加工性を両立させた、従来にないコンデンサ
用途に好適なポリエステルフィルムを得ることができ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルフィ
ルムの表面は、表面粗さが3次元表面粗さ計による中心
面平均粗さSRa にして20〜70nmの範囲にあるこ
とが、コンデンサ製造の際の加工性および絶縁抵抗の観
点から必要である。20nm未満では、コンデンサの製
造工程での歩留まりが悪くなる。また、70nmを越え
るものでは、コンデンサの絶縁抵抗が悪くなる。より好
ましくは、23〜50nmの範囲であり、さらに好まし
くは25〜40nmの範囲である。
【0011】また、本発明におけるポリエステルフィル
ムの表面の、高さ0.8〜1.5μmの突起の個数は、
0〜25個/mm2 の範囲にある必要がある。25個/
mm2 を越えると、絶縁抵抗が悪くなる。より好ましく
は、1〜20個/mm2 の範囲であり、さらに好ましく
は2〜10個/mm2 の範囲である。
【0012】本発明におけるポリエステルフィルムは、
3次元表面粗さ計による中心面山高さSRp とフィルム
の総厚さTとが、下記の式 0.35≦SRp /T≦1 を満たす必要がある。SRp /Tが0.35未満では、
コンデンサ製造の際の加工性が悪くなる。1を越える
と、絶縁抵抗が低下する。SRp /Tの範囲は、好まし
くは0.4〜0.95の範囲にあるのが良く、より好ま
しくは0.5〜0.9の範囲である。
【0013】さらに、高さ1.5μmを越える突起の個
数は、0〜1個/mm2 であることが、絶縁抵抗および
耐電圧性、機械的強度の観点からより好ましい。
【0014】また、本発明におけるポリエステルフィル
ムは、表面粗さが3次元粗さ計による最大高さSRmax
にして、800〜1400nmの範囲にあることが絶縁
抵抗およびコンデンサ製造の際の加工性の観点からより
好ましい。より好ましくは850〜1200nmの範囲
であり、さらに好ましくは900〜1100nmの範囲
である。
【0015】加えて、本発明におけるポリエステルフィ
ルムの表面の、3次元表面粗さ計による中心面山高さS
Rp は600〜1200nmの範囲にあることが、絶縁
抵抗の観点から特に好ましい。より好ましくは700〜
1100nmの範囲であり、さらに好ましくは800〜
1000nmの範囲である。
【0016】本発明のポリエステルフィルムは、絶縁抵
抗の改良の観点から、中心面山高さSRp と、最大高さ
SRmax とが、以下の関係を満たすことが好ましい。 0.5≦SRp /SRmax ≦1 SRp /SRmax が小さくなることは、すなわち表面形
状を構成する山と谷のうち、山の高さに比べ谷の深さが
大きくなることを意味しており、この深い谷の部分では
金属電極の距離が近接し、絶縁性に不利となる。SRp
/SRmax が0.5未満であると、絶縁抵抗の改良効果
が小さくなる。定義上、常にSRmax ≧SRp であるの
で、SRp /SRmax は常に1以下となる。より好まし
くは、SRp /SRmax は0.6〜0.95の範囲であ
ることが良く、さらに好ましくは0.7〜0.9の範囲
である。
【0017】上記のような表面を形成する手段として
は、例えばポリエステルフィルム中に不活性粒子を添加
することにより所望の表面が得られる。さらに例示する
ならば、添加する不活性粒子として、シリカ、炭酸カル
シウム、酸化チタン、カオリン、タルク、アルミナなど
を用いることができる。さらに架橋高分子粒子などを用
いることもできる。
【0018】重合段階でこれらの粒子を添加する場合、
分散が良好でないとフィルム表面の粗大突起の原因とな
り、絶縁抵抗に悪影響を及ぼすことがある。ジェットア
ジタによる分散やメディア分散を行うことは、本発明の
表面を得るのに効果的である。フィルム上にプライマー
層を設ける場合には、プライマー層に粒子を添加し目的
の表面を形成することもできる。
【0019】本発明のポリエステルフィルムは、コンデ
ンサ用として用いられるためにいかなる厚さを持つこと
もできるが、20μm以下の厚さがより好適であり、
0.5〜5μmの厚さにおいて絶縁抵抗の改良効果が特
に大きい。より好ましくは0.7〜3μmの範囲であ
り、さらに好ましくは1〜2μmの範囲である。
【0020】本発明のポリエステルフィルムは、溶融比
抵抗が1×109 Ω・cm以上であることが絶縁抵抗の
観点から好ましい。より好ましくは1.5×109 Ω・
cm以上である。
【0021】本発明のポリエステルフィルムには、電気
伝導性のイオンなどが少ないことが絶縁抵抗の観点から
好ましい。ポリマーを重合する際の触媒などとして、方
法によってはやむなく金属化合物を添加する必要がある
が、金属イオンはリンで失活されるので、フィルム中の
Ca、Mg、Li、Mnなどの金属元素の合計量Mから
リン量Pを差し引いたM−Pなる量をこの指標とするこ
とができる。この金属イオン残存量M−Pは、0〜20
0ppmであることが、絶縁抵抗の観点から好ましい。
より好ましくは0〜170ppmであり、さらに好まし
くは0〜150ppmである。
【0022】本発明におけるポリエステルとは、エステ
ル結合によって高分子化されている結晶性の熱可塑性樹
脂化合物である。このようなポリエステルはジカルボン
酸成分とグリコール成分を重縮合することにより得られ
る。ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカ
ルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸などが例示で
き、グリコール成分としてはエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロ
ヘキサンジメタノールなどが例示できる。これらのうち
ジカルボン酸成分としてはテレフタル酸、ナフタレン−
2,6−ジカルボキシレートが好ましく、グリコール成
分としてはエチレングリコールが好ましい。該ポリエス
テルの融点は250℃以上であることが耐熱性の点から
好ましく、また280℃以下であることが生産性の面か
ら好ましい。二軸延伸性の面から溶融状態では光学的に
等方であることが好ましい。このような好ましいポリエ
ステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロ
ヘキシレンジメチレンテレフタレートなどを挙げること
ができる。これらのポリマに30モル%未満、好ましく
は15モル%未満の上述したような他の成分が共重合、
ブレンドされていることは差し支えない。
【0023】本発明のポリエステルはその極限粘度が
0. 5dl/g以上、好ましくは0.6dl/g以上、
より好ましくは0. 65dl/g以上、さらに好ましく
は0.7dl/g以上が耐電圧性、機械特性の観点から
好ましい。
【0024】本発明のポリエステルフィルムには、層間
接着性を向上させる目的、もしくは耐湿性を向上する目
的、加工性を向上させる目的などのために、各種のプラ
イマー層を設けることができる。実用的には、塗工の際
の安全性、加工性の観点から水溶性もしくは水分散性の
ものを用いるのが好ましいが、用途によってはそれ以外
のプライマーを用いることもできる。プライマーの成分
としては、アクリル、ウレタン系樹脂、ワックスなど、
各種の公知のプライマー剤を、目的に応じ単体もしくは
混合、あるいは共重合して用いることができる。
【0025】また、本発明のポリエステルフィルムを蒸
着などの方法により金属化して用いる際、コーティング
などの方法により、絶縁を目的とした非電導層などのコ
ート層を金属化層の上に設けることがより好ましい。
【0026】本発明のポリエステルフィルムは、2種以
上のポリエステルを、2層以上に積層あるいは貼合わせ
を行って得ることもできるが、絶縁抵抗、および誘電正
接(tanδ)の観点から、単層、単膜であることがよ
り好ましい。
【0027】本発明のポリエステルフィルムは、加熱収
縮率が長手方向について0.5〜2.5%、幅方向につ
いて0〜2.5%であることが、耐電圧性の観点から好
ましい。より好ましくは、長手方向について1〜1.9
%、幅方向について1〜2%であることが好ましい。
【0028】本発明のポリエステルフィルムは、示差走
査カロリメータ(DSC)による熱処理ピーク温度Tme
taが190℃〜240℃の範囲にあることが好ましい。
190℃未満では、コンデンサの誘電正接の観点から好
ましくない。240℃を越えるものではフィルムの機械
的特性やコンデンサの耐電圧や誘電正接が悪化し、好ま
しくない。より好ましくは200〜235℃の範囲であ
り、さらに好ましくは210〜230℃の範囲である。
【0029】次に本発明の製造方法について説明する
が、必ずしも以下の方法に限定されるものではない。ま
ず、前述のポリエステルをその融点を超える温度で押出
機にて溶融押出し、ガラス転移点以下に冷却、キャスト
し、ガラス転移点以上に加熱した後、長手方向に2.8
〜7.5倍延伸する。続いてステンターにてガラス転移
点以上に加熱し、幅方向に3〜6倍に延伸し、引き続き
熱処理する。熱処理温度はフィルムの温度にして220
℃〜[融点−5℃]であるのが好ましい。220℃未満
では高温ライフ性や誘電正接が悪くなり、[融点−5
℃]を越えるとポリエステルフィルムの耐電圧性や機械
的特性が低下するので、好ましくない。
【0030】プライマー層を設ける場合は、この熱処理
後のフィルムにコーティングを施す方法が例示できる
が、例えば長手方向に延伸した後にコーティング剤の塗
布を行い、ステンターで幅方向に延伸する前に乾燥する
インラインコーティングの手法を用いることもできる。
【0031】次に金属化ポリエステルフィルムとする場
合には、少なくとも片面にアルミニウムを蒸着してコン
デンサの内部電極となるアルミニウム蒸着膜を設ける
が、このときアルミニウムと同時あるいは逐次にたとえ
ばニッケル、銅、金、銀、クロム、亜鉛などの他の金属
成分を蒸着することもできる。また、蒸着膜上にオイル
などで保護層を設けることもできる。アルミニウムの蒸
着膜の厚さはコンデンサの電気特性とセルフヒール性の
点から20〜100nm(または表面電気抵抗で1〜5
Ω/□)であることが望ましい。
【0032】必要により、蒸着後に特定の温度でエージ
ング処理を行ったり、再度オフラインで熱処理を行った
りすることができる。また、絶縁もしくは他の目的で、
この金属化フィルムの少なくとも片面にコーティングを
施すこともできる。
【0033】こうして得られたフィルムは積層もしくは
巻回してフィルムコンデンサを得ることができる。巻回
型フィルムコンデンサを例示するならば、金属化するフ
ィルムの両面にアルミニウムを真空蒸着する。その際、
長手方向に走るマージン部を有するストライプ状に蒸着
する(表面と裏面のパターンは交互になるようにずらし
て蒸着する)。次に表面の各蒸着部の中央と各マージン
部の中央に刃を入れてスリットし、表面が一方にマージ
ンを有し、裏面が反対側にマージンを有するような、テ
ープ状の巻取リールにする。得られたリールと、金属化
しない合わせフィルム各1枚ずつを、幅方向に金属化フ
ィルムが合わせフィルムよりはみ出すように2枚重ね合
わせて巻回し、巻回体を得る。この巻回体から芯材を抜
いてプレスし、両端面にメタリコンを溶射して外部電極
とし、メタリコンにリード線を溶接して巻回型コンデン
サ素子を得る。
【0034】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法] (1)ポリエステルの極限粘度 ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し、25
℃において測定した。
【0035】(2)溶融比抵抗 押出機の出口短管部に25cm2 の電極を2枚1cmの
間隔を置いて対立して設置し(この際、電極間の空の絶
縁抵抗を1012Ω・cm以上にする。)、試料を280
℃で押し出しする。ついで電極間に直流5kVを印加
し、その際に流れる電流I(mA)を測定する。280
℃における溶融比抵抗ρは、下記の式から求められる。 ρ(Ω・cm)=1.25×108 /I
【0036】(3)金属イオン残存量(M−P) フィルム中のCa、Mg、Li、Mnなどの金属元素の
定量を原子吸光法により行い、リン元素量は比色法によ
り測定した。
【0037】(4)フィルムの表面粗さ(中心面平均粗
さSRa ,最大高さSRmax ,中心面山高さSRp ) 小坂研究所製の3次元表面粗さ計ETB−30HKを用
い、触針式で以下の条件で測定した。 触針先端径 :2μm 触針加重 :10mg 測定長 :1mm 送りピッチ :50μm 測定本数 :40本 カットオフ値:0.25mm 上記の条件で、粗さ曲面f(x,y)が得られたとき、
SRa は下記の式(数1)で与えられる。
【0038】
【数1】
【0039】但し、lx ;測定長=1mm、1y =(送
りピッチ)×(測定本数)=2mm、S=lx ×ly 上記測定範囲の最大の山と最深の谷を平均面と平行な2
面で挟み、その間隔を最大高さSRmax とする。測定範
囲における最大の山の頂上と、中心面との間の距離を中
心面山高さSRp とする。
【0040】(5)フィルム表面の突起個数 上記の装置を用いて同様の条件で表面形状を10回測定
し、各高さ毎の突起個数を出力し、高さ0.8〜1.5
μmの突起個数、高さ1.5μm以上の突起個数をそれ
ぞれ得る。この際、突起の高さは、中心線から山の頂上
までの高さである。測定面積は、(触針径)×(測定
長)×(測定本数)と見積もれるから、上記測定を10
回行った時の突起個数の合計Pより、突起高さ個数C
(個/mm2)は下記の式で求められる。 C=P/S =P/0.8 (但し、S:測定面積(=0.8mm2 ))
【0041】(6)熱処理ピーク温度 パーキンエルマー社の示差走査カロリメータDSC−7
を用いた。ポリエステルフィルムを10mg採って試料
とし、昇温速度10℃/分で300℃まで昇温し測定を
行った。熱処理を行ったフィルムは、融点のピークより
も低い温度に融点とは異なる小さい吸熱ピークが認めら
れる。このピークのピーク温度を読みとり、熱処理ピー
ク温度Tmetaとする。Tmetaが融点に近く、融点ピーク
の肩にある場合は、融点ピークと熱処理ピークをチャー
ト上で分離し、熱処理ピークのピーク温度を読みとっ
た。
【0042】(7)加熱収縮率 JIS−C2318に準じて測定した。
【0043】(8)コンデンサの製造 ポリエステルフィルムの片面に表面抵抗が2Ω/□とな
るようにアルミニウムを真空蒸着した。その際、長手方
向に走るマージン部を有するストライプ状に蒸着した
(蒸着部の幅8mm、マージン部の幅1mmの繰り返
し)。次に各蒸着部の中央と各マージン部の中央に刃を
入れてスリットし、左もしくは右に0.5mmのマージ
ンを有する全幅4.5mmのテープ状に巻取リールにし
た。得られたリールの左マージン及び右マージンのもの
各1本ずつを、幅方向に蒸着部分がマージン部より0.
5mmはみ出すように2枚重ね合わせて巻回し、静電容
量約0.5μFの巻回体を得た。素子巻回には皆藤製作
所製KAW−4NHBを用いた。この巻回体から芯材を
抜いて、そのまま150℃、10kg/cm2 の温度、
圧力で5分間プレスした。この両端面にメタリコンを溶
射して外部電極とし、メタリコンにリード線を溶接して
巻回型コンデンサ素子を得た。
【0044】(9)コンデンサ製造の際の加工性 上記のコンデンサの製造の際、巻き始めから巻き終わり
までを目視で観察し、しわやずれが発生したものを不合
格とし、不合格となったものの数の製造数全体に対する
割合を百分率で示し加工性の指標とした(以下素子巻収
率と称する)。素子巻収率は高いほど好ましい。95%
以上を良好、95%未満を不良とした。
【0045】(10)絶縁抵抗 25℃雰囲気下で、上記の方法で得たコンデンサ素子を
100Vにて1分荷電後の抵抗値を超絶縁計(HP製)
を用い測定した。10000MΩ以上を良好、1000
0MΩ未満を不良とした。
【0046】(11)絶縁破壊電圧 上記の方法で得たコンデンサ素子を試料とし、春日製高
電圧直流電源を用いて、100V/sの速度で昇圧しな
がら電圧を印加し、10mA以上流れた時絶縁破壊した
ものとした。絶縁破壊電圧は50個の測定結果の平均値
として求めた。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。 実施例1 熱可塑性樹脂としてポリエチレンテレフタレートを用い
た。重合段階に平均粒径0.4μmの凝集シリカ粒子
(以下粒子A)を0.6重量%、平均粒径1.1μmの
炭酸カルシウム粒子(以下粒子B)を0.075重量
%、それぞれ添加してチップを製造した。炭酸カルシウ
ム粒子は、直径50μmのガラスビーズを用いてメディ
ア分散した後に添加した。このチップの極限粘度は0.
6dl/g、溶融比抵抗は1.3×109 Ω・cmであ
った。
【0048】このチップを180℃で真空乾燥し、押出
機に供給し、290℃で溶融させた後Tダイよりシート
を吐出させ、冷却ドラムにてキャストした。このフィル
ムを90℃に加熱し、長手方向に3.5倍延伸し、10
0℃に加熱して幅方向に3.6倍に延伸し、引き続き2
10℃で4%弛緩処理をし、1.5μmの二軸延伸フィ
ルムを得た。これを片面金属化フィルムとした後、巻回
してコンデンサを得た。その結果、素子巻き収率が99
%、絶縁抵抗は13000MΩと共に良好であった。
【0049】実施例2 粒子Aの添加量を0.4重量%、粒子Bの添加量を0.
2重量%とする以外は実施例1と同様のフィルムを製造
し、コンデンサを得た。絶縁抵抗が11000MΩ、巻
き取り収率が98%と共に良好であった。
【0050】実施例3 粒子Bの代わりに平均粒径1.4μmの炭酸カルシウム
粒子を0.075重量%添加し、フィルム厚みを2.4
μmとする以外は実施例1と同様のフィルムを製造し、
コンデンサを得た。絶縁抵抗は11000MΩと良好で
あった。
【0051】実施例4 粒子Bの添加量を0.04%とし、フィルム厚みを1.
2μmとする以外は実施例1と同様のフィルムを製造
し、コンデンサを得た。絶縁抵抗が11000MΩ、巻
き取り収率が98%と共に良好であった。
【0052】比較例1 粒子Aの添加量を0.3重量%とし、長手方向に延伸す
る際の加熱温度を95℃にする以外は実施例1と同様の
フィルムを製造し、コンデンサを得た。絶縁抵抗は12
000MΩと良好であったが、巻き取り収率が83%と
不良となった。
【0053】比較例2 粒子Aを添加する代わりに平均粒径0.8μmの凝集シ
リカ粒子を0.6%添加する以外は実施例1と同様のフ
ィルムを製造し、コンデンサを得た。絶縁抵抗が600
0MΩと不良であった。
【0054】比較例3 粒子Aの代わりに平均粒径0.8μmの凝集シリカ粒子
を0.5%添加し、粒子Bの添加量を0.05%とし、
フィルム厚みを1.2μmとする以外は実施例1と同様
のフィルムを製造し、コンデンサを得た。絶縁抵抗が8
000MΩと不良であった。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、従来のコンデンサ用フ
ィルムに比べ、コンデンサ製造の際に十分な加工性を持
ち、かつ絶縁抵抗の良好な、フィルムコンデンサ用途に
好適なコンデンサ用ポリエステルフィルムを得ることが
できる。このフィルムを用いて、絶縁抵抗に優れたフィ
ルムコンデンサを製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 7:00 C08L 67:02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3次元表面粗さ計による中心面平均粗さ
    SRa が20〜70nmの範囲にあり、高さ0.8〜
    1.5μmの突起の個数が0〜25個/mm2の範囲に
    あり、かつ、3次元表面粗さ計による中心面山高さSR
    p とフィルムの総厚さTとが下記の式 0.35≦SRp /T≦1 を満たすことを特徴とするコンデンサ用ポリエステルフ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 高さ1.5μmを越える突起の個数が0
    〜1個/mm2 であることを特徴とする、請求項1に記
    載のコンデンサ用ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 3次元表面粗さ計による最大高さSRma
    x が800〜1400nmの範囲にあることを特徴とす
    る、請求項1または2に記載のコンデンサ用ポリエステ
    ルフィルム。
  4. 【請求項4】 3次元表面粗さ計による中心面山高さS
    Rp が600〜1200nmの範囲にあり、かつ、下記
    の式 0.5≦SRp /SRmax ≦1 を満たすことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれ
    かに記載のコンデンサ用ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 総厚さが0.5〜5μmの範囲にあるこ
    とを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の
    コンデンサ用ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 ポリエステルの溶融比抵抗が1×109
    Ω・cm以上であることを特徴とする、請求項1ないし
    5のいずれかに記載のコンデンサ用ポリエステルフィル
    ム。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載のポ
    リエステルフィルムを用いてなる金属化フィルム。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の金属化フィルムを用い
    てなるフィルムコンデンサ。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし6のいずれかに記載のポ
    リエステルフィルムの少なくとも片面を金属化し、該金
    属化層の上に絶縁体層もしくは誘電体層を設けることを
    特徴とする金属化フィルム。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の金属化フィルムを用
    いてなるフィルムコンデンサ。
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