JPH1140860A - スクッテルダイト系熱電材料およびその製造方法 - Google Patents
スクッテルダイト系熱電材料およびその製造方法Info
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- JPH1140860A JPH1140860A JP9195855A JP19585597A JPH1140860A JP H1140860 A JPH1140860 A JP H1140860A JP 9195855 A JP9195855 A JP 9195855A JP 19585597 A JP19585597 A JP 19585597A JP H1140860 A JPH1140860 A JP H1140860A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 スクッテルダイト系化合物からなる熱電材料
において、その熱伝導率を大幅に下げ、これにより性能
指数を大きくする手段を提供する。 【解決手段】 その平均結晶粒径が1μm以下であるス
クッテルダイト系熱電材料。また、原料を粉砕して平均
粒径1μm以下の粉末にし、この粉末を温度300〜7
00℃、圧力2MPa以上で20時間以内加圧焼結し
て、平均結晶粒径が1μm以下の焼結体を製造するスク
ッテルダイト系熱電材料の製造方法。また、メカニカル
アロイング法により原料の粉砕・混合と一部合金化を行
なって、平均粒径1μm以下の粉末にする上記の製造方
法。さらに、前記の加圧焼結をプラズマ放電焼結法によ
り行なう上記の製造方法。
において、その熱伝導率を大幅に下げ、これにより性能
指数を大きくする手段を提供する。 【解決手段】 その平均結晶粒径が1μm以下であるス
クッテルダイト系熱電材料。また、原料を粉砕して平均
粒径1μm以下の粉末にし、この粉末を温度300〜7
00℃、圧力2MPa以上で20時間以内加圧焼結し
て、平均結晶粒径が1μm以下の焼結体を製造するスク
ッテルダイト系熱電材料の製造方法。また、メカニカル
アロイング法により原料の粉砕・混合と一部合金化を行
なって、平均粒径1μm以下の粉末にする上記の製造方
法。さらに、前記の加圧焼結をプラズマ放電焼結法によ
り行なう上記の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱電発電や熱電冷
却に用いることができる熱電材料およびその製造方法に
関し、とくにスクッテルダイト型結晶構造を有する化合
物からなる熱電材料およびその製造方法に関するもので
ある。
却に用いることができる熱電材料およびその製造方法に
関し、とくにスクッテルダイト型結晶構造を有する化合
物からなる熱電材料およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】熱電材料は、ゼーベック効果により熱を
直接電気に変換する熱電発電、及びペルチェ効果による
熱電冷却に用いることができる材料であって、広汎な利
用が期待されることから、近年その研究が活溌に行われ
ている。
直接電気に変換する熱電発電、及びペルチェ効果による
熱電冷却に用いることができる材料であって、広汎な利
用が期待されることから、近年その研究が活溌に行われ
ている。
【0003】従来から熱電材料として、ビスマス・テル
ル系、鉛テルル系、ゲルマニウム・シリコン系、鉄シリ
コン系等の材料が用いられてきたが、熱電変換効率の点
でさらなる改善が望まれている。そのため、新しい熱電
材料として、近年スクッテルダイト型結晶構造を有する
化合物が注目されている。
ル系、鉛テルル系、ゲルマニウム・シリコン系、鉄シリ
コン系等の材料が用いられてきたが、熱電変換効率の点
でさらなる改善が望まれている。そのため、新しい熱電
材料として、近年スクッテルダイト型結晶構造を有する
化合物が注目されている。
【0004】これは、周期表第8族の元素A(Co,R
h,Ir)と第5B族の元素B(P,As,Sb)が
1:3の比で結合したもので、代表的なものにCoSb
3があげられる。また、A又はBの一部を他の元素で置
換したものや、スクッテルダイト型結晶構造内に少量の
他の元素が侵入したものも含まれる。
h,Ir)と第5B族の元素B(P,As,Sb)が
1:3の比で結合したもので、代表的なものにCoSb
3があげられる。また、A又はBの一部を他の元素で置
換したものや、スクッテルダイト型結晶構造内に少量の
他の元素が侵入したものも含まれる。
【0005】このスクッテルダイト系化合物からなる熱
電材料として、例えばPCTのWO95/04377に
は、CoSb3、RhSb3、IrSb3又はCo1-x-yR
hxIrySb3からなる熱電材料が、また特開平8−1
86294には、置換型化合物Co1-xMxSb3(Mは
Pd、Rh、Ruの一種以上で、x=0.001〜0.
2)からなる熱電材料が開示されている。
電材料として、例えばPCTのWO95/04377に
は、CoSb3、RhSb3、IrSb3又はCo1-x-yR
hxIrySb3からなる熱電材料が、また特開平8−1
86294には、置換型化合物Co1-xMxSb3(Mは
Pd、Rh、Ruの一種以上で、x=0.001〜0.
2)からなる熱電材料が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】熱電材料の性能は、ゼ
ーベック係数(単位温度差当たり素子に発生する熱起電
力、以下これを熱電能という)S、電気伝導度σ、熱伝
導率κをパラメータとして、 Z=S2σ/κ で表わされる。
ーベック係数(単位温度差当たり素子に発生する熱起電
力、以下これを熱電能という)S、電気伝導度σ、熱伝
導率κをパラメータとして、 Z=S2σ/κ で表わされる。
【0007】このZは性能指数とよばれ、熱電変換効率
を決める重要な材料パラメーターである。ここで、S2
σは出力因子とよばれている。熱電能Sが大きく、電気
伝導度σが大きい材料ほど出力因子が高い。性能指数Z
を決めるもう一つの因子は、上式の分母の熱伝導率κで
ある。この値をどこまで小さくできるかが、性能指数Z
を高める重要な鍵になっている。
を決める重要な材料パラメーターである。ここで、S2
σは出力因子とよばれている。熱電能Sが大きく、電気
伝導度σが大きい材料ほど出力因子が高い。性能指数Z
を決めるもう一つの因子は、上式の分母の熱伝導率κで
ある。この値をどこまで小さくできるかが、性能指数Z
を高める重要な鍵になっている。
【0008】スクッテルダイト系化合物は電気伝導率σ
が高く、比較的大きな熱電能Sを示すが、熱伝導率κが
高いために十分大きな性能指数Zが得られておらず、性
能指数向上のためには熱伝導率を低下させることが大き
な課題となっている。
が高く、比較的大きな熱電能Sを示すが、熱伝導率κが
高いために十分大きな性能指数Zが得られておらず、性
能指数向上のためには熱伝導率を低下させることが大き
な課題となっている。
【0009】とくに、この化合物の単結晶は高い熱伝導
率(例えば、CoSb3単結晶は20℃で10.5W/
m・Kの熱伝導率)をもっているため、性能指数Zの値
が小さい。しかし、熱伝導率を例えば単結晶での値の1
/2程度まで低下できれば、性能指数Zは大幅に増大
し、実用的に満足しうる性能を有する熱電材料を得るこ
とができる。
率(例えば、CoSb3単結晶は20℃で10.5W/
m・Kの熱伝導率)をもっているため、性能指数Zの値
が小さい。しかし、熱伝導率を例えば単結晶での値の1
/2程度まで低下できれば、性能指数Zは大幅に増大
し、実用的に満足しうる性能を有する熱電材料を得るこ
とができる。
【0010】本発明は、上記のような従来技術の問題点
に鑑み、スクッテルダイト系化合物からなる熱電材料に
おいて、その熱伝導率を大幅に下げ、これにより性能指
数を大きくする手段を提供することを目的とする。
に鑑み、スクッテルダイト系化合物からなる熱電材料に
おいて、その熱伝導率を大幅に下げ、これにより性能指
数を大きくする手段を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者らは、多
結晶体のスクッテルダイト系熱電材料においては、その
平均結晶粒径をきわめて小さくすることにより、熱伝導
率が大幅に低下することを見出した。この知見に基づく
本発明の要旨は、 (1)スクッテルダイト系化合物からなる熱電材料であっ
て、その平均結晶粒径が1μm以下であるスクッテルダ
イト系熱電材料である。
結晶体のスクッテルダイト系熱電材料においては、その
平均結晶粒径をきわめて小さくすることにより、熱伝導
率が大幅に低下することを見出した。この知見に基づく
本発明の要旨は、 (1)スクッテルダイト系化合物からなる熱電材料であっ
て、その平均結晶粒径が1μm以下であるスクッテルダ
イト系熱電材料である。
【0012】ここで、スクッテルダイト系化合物とは、
スクッテルダイト型結晶構造を有するAB3型(ここで、
元素AはCo,Rh,Irのうちの一種以上、元素Bは
P,As,Sbのうちの一種以上からなる)化合物、一
般式A1-XMX(B1-yNy)3(ここで、Mは元素Aと置換
する元素でx=0〜0.2、Nは元素Bと置換する元素
でy=0〜0.2)で表わされる置換型化合物又は一般
式AB3Cz(ここで、Cはスクッテルダイト型結晶構造
内に侵入する元素でz=0〜0.3)で表わされる侵入
型化合物をいう。
スクッテルダイト型結晶構造を有するAB3型(ここで、
元素AはCo,Rh,Irのうちの一種以上、元素Bは
P,As,Sbのうちの一種以上からなる)化合物、一
般式A1-XMX(B1-yNy)3(ここで、Mは元素Aと置換
する元素でx=0〜0.2、Nは元素Bと置換する元素
でy=0〜0.2)で表わされる置換型化合物又は一般
式AB3Cz(ここで、Cはスクッテルダイト型結晶構造
内に侵入する元素でz=0〜0.3)で表わされる侵入
型化合物をいう。
【0013】(2)前項(1)記載の熱電材料を製造するに
際して、原料を粉砕して平均粒径1μm以下の粉末に
し、この粉末を温度300〜700℃、圧力2MPa以
上で20時間以内加圧焼結して、平均結晶粒径が1μm
以下の焼結体を製造することを特徴とするスクッテルダ
イト系熱電材料の製造方法である。
際して、原料を粉砕して平均粒径1μm以下の粉末に
し、この粉末を温度300〜700℃、圧力2MPa以
上で20時間以内加圧焼結して、平均結晶粒径が1μm
以下の焼結体を製造することを特徴とするスクッテルダ
イト系熱電材料の製造方法である。
【0014】また、(3)メカニカルアロイング法により
原料の粉砕・混合と一部合金化を行なって、平均粒径1
μm以下の粉末にすることを特徴とする前項(2)記載の
スクッテルダイト系熱電材料の製造方法である。
原料の粉砕・混合と一部合金化を行なって、平均粒径1
μm以下の粉末にすることを特徴とする前項(2)記載の
スクッテルダイト系熱電材料の製造方法である。
【0015】さらに、(4)前記の加圧焼結をプラズマ放
電焼結法により行なうことを特徴とする前項(2)又は
(3)記載のスクッテルダイト系熱電材料の製造方法であ
る。
電焼結法により行なうことを特徴とする前項(2)又は
(3)記載のスクッテルダイト系熱電材料の製造方法であ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明におけるスクッテルダイト
系熱電材料は、前記のスクッテルダイト系化合物(AB3
型化合物、その置換型化合物又はその侵入型化合物)か
らなり、微量の不可避的不純物と必要に応じて微量の添
加不純物とを含むものである。
系熱電材料は、前記のスクッテルダイト系化合物(AB3
型化合物、その置換型化合物又はその侵入型化合物)か
らなり、微量の不可避的不純物と必要に応じて微量の添
加不純物とを含むものである。
【0017】AB3型化合物の代表的なものとして、C
oSb3化合物があげられる。また、置換型化合物の代
表的なものとして、Co1-xMxSb3(元素MはPd、
Rh、Ru、Ptのうちの一種以上を含み、x=0〜
0.2)があげられる。
oSb3化合物があげられる。また、置換型化合物の代
表的なものとして、Co1-xMxSb3(元素MはPd、
Rh、Ru、Ptのうちの一種以上を含み、x=0〜
0.2)があげられる。
【0018】本発明の熱電材料は、上記のスクッテルダ
イト系熱電材料であって、その平均結晶粒径が1μm以
下であることを特徴とする。平均結晶粒径を1μm以下
に制限する理由は、これにより熱伝導率κを大幅に低下
させて、熱電材料としての性能指数Z(=S2σ/κ)
を大きくするためである。
イト系熱電材料であって、その平均結晶粒径が1μm以
下であることを特徴とする。平均結晶粒径を1μm以下
に制限する理由は、これにより熱伝導率κを大幅に低下
させて、熱電材料としての性能指数Z(=S2σ/κ)
を大きくするためである。
【0019】従来から、多結晶体は粒界におけるフォノ
ン散乱によって、単結晶より低い熱伝導率をもつことが
知られているが、一般的には熱伝導率の低下の割合は、
せいぜい20%〜30%程度と比較的小さい。
ン散乱によって、単結晶より低い熱伝導率をもつことが
知られているが、一般的には熱伝導率の低下の割合は、
せいぜい20%〜30%程度と比較的小さい。
【0020】これに対して、本発明者らはスクッテルダ
イト系熱電材料においては、平均結晶粒径を微細化する
ことにより、大幅に熱伝導率を低下させうること、およ
びその低下の割合は低温域の方が大きいことを見出し
た。
イト系熱電材料においては、平均結晶粒径を微細化する
ことにより、大幅に熱伝導率を低下させうること、およ
びその低下の割合は低温域の方が大きいことを見出し
た。
【0021】すなわち、後記の実施例の図1に見られる
ように、例えば多結晶体のCoSb3熱電材料の熱伝導
率は、平均結晶粒径が1〜10μmの間で急激に変化
し、1μm以下の領域では、その変化は比較的少ない。
また平均結晶粒径10μm→1μmでの熱伝導率の低下
は、測定温度400℃では0.75倍程度であるのに対
して、20℃では約0.45倍になっている。
ように、例えば多結晶体のCoSb3熱電材料の熱伝導
率は、平均結晶粒径が1〜10μmの間で急激に変化
し、1μm以下の領域では、その変化は比較的少ない。
また平均結晶粒径10μm→1μmでの熱伝導率の低下
は、測定温度400℃では0.75倍程度であるのに対
して、20℃では約0.45倍になっている。
【0022】このように、低温域ほど結晶粒微細化によ
る熱伝導率低下の割合が大きくなるのは、低温域ほど結
晶粒界におけるフォノン散乱の影響を強く受けるためと
推測される。スクッテルダイト系熱電材料は、広い温度
範囲で良好な熱電特性を示すことが知られており、通常
その使用温度域は0〜600℃である。
る熱伝導率低下の割合が大きくなるのは、低温域ほど結
晶粒界におけるフォノン散乱の影響を強く受けるためと
推測される。スクッテルダイト系熱電材料は、広い温度
範囲で良好な熱電特性を示すことが知られており、通常
その使用温度域は0〜600℃である。
【0023】したがって、本発明の熱電材料は平均結晶
粒径を1μm以下に制限することにより、例えば単結晶
の熱電材料と比較して1/2又はそれ以下の熱伝導率に
することが可能であり、これにより性能指数Zの大幅な
向上が期待される。
粒径を1μm以下に制限することにより、例えば単結晶
の熱電材料と比較して1/2又はそれ以下の熱伝導率に
することが可能であり、これにより性能指数Zの大幅な
向上が期待される。
【0024】本発明のスクッテルダイト系熱電材料の製
造方法は、上記のような平均結晶粒径1μm以下の熱電
材料を製造する方法を提供するものであって、請求項2
の本発明は、原料を粉砕して平均粒径1μm以下の粉末
にし、この粉末を温度300〜700℃、圧力2MPa
以上で20時間以内加圧焼結することを特徴とする。
造方法は、上記のような平均結晶粒径1μm以下の熱電
材料を製造する方法を提供するものであって、請求項2
の本発明は、原料を粉砕して平均粒径1μm以下の粉末
にし、この粉末を温度300〜700℃、圧力2MPa
以上で20時間以内加圧焼結することを特徴とする。
【0025】一般に多結晶体を製造するには、粉末冶金
法(粉末原料から焼結体を製造する)又は溶解・凝固法
(原料の融液を凝固させて細かい凝固組織を得る)が用
いられるが、平均結晶粒径を1μm以下まで微細化する
ことは、溶解・凝固法では困難であり、粉末冶金法によ
らざるを得ない。
法(粉末原料から焼結体を製造する)又は溶解・凝固法
(原料の融液を凝固させて細かい凝固組織を得る)が用
いられるが、平均結晶粒径を1μm以下まで微細化する
ことは、溶解・凝固法では困難であり、粉末冶金法によ
らざるを得ない。
【0026】したがって、本発明においては粉末冶金法
を用い、原料を粉砕して平均粒径1μm以下の粉末に
し、かつ焼結時の結晶粒の成長を抑制して、平均結晶粒
径1μm以下の焼結体を製造する。
を用い、原料を粉砕して平均粒径1μm以下の粉末に
し、かつ焼結時の結晶粒の成長を抑制して、平均結晶粒
径1μm以下の焼結体を製造する。
【0027】このため本発明においては、焼結体の製造
を温度300〜700℃、圧力2MPa以上で20時間
以内加圧焼結することによって行なう。焼結温度の上限
を700℃とするのは、これを超えると結晶粒の成長速
度が大きくなって、焼結体の平均結晶粒径を1μm以下
にするのが困難になるためである。
を温度300〜700℃、圧力2MPa以上で20時間
以内加圧焼結することによって行なう。焼結温度の上限
を700℃とするのは、これを超えると結晶粒の成長速
度が大きくなって、焼結体の平均結晶粒径を1μm以下
にするのが困難になるためである。
【0028】また、温度の下限を300℃、圧力の下限
を2MPaとするのは、両者のいずれかがこれ未満で
は、焼結体の機械的強度が十分大きくならないためであ
る。さらに、加圧焼結の時間の上限を20時間とするの
は、これを超えても焼結体の強度はあまり向上せず、逆
に結晶粒が成長するおそれがあって好ましくないためで
ある。
を2MPaとするのは、両者のいずれかがこれ未満で
は、焼結体の機械的強度が十分大きくならないためであ
る。さらに、加圧焼結の時間の上限を20時間とするの
は、これを超えても焼結体の強度はあまり向上せず、逆
に結晶粒が成長するおそれがあって好ましくないためで
ある。
【0029】なお、焼結体の強度の向上と結晶粒の成長
抑制とを両立させるいう観点から、好ましい焼結温度範
囲は400〜600℃である。また、結晶粒の成長は、
焼結温度のみならず焼結時間に依存するから、好ましい
焼結時間は、温度400〜500℃では10〜20時
間、温度500〜600℃では2〜10時間である。
抑制とを両立させるいう観点から、好ましい焼結温度範
囲は400〜600℃である。また、結晶粒の成長は、
焼結温度のみならず焼結時間に依存するから、好ましい
焼結時間は、温度400〜500℃では10〜20時
間、温度500〜600℃では2〜10時間である。
【0030】請求項3の本発明は、メカニカルアロイン
グ法により原料の粉砕・混合と一部合金化を行って、平
均粒径1μm以下の粉末にすることを特徴とする。スク
ッテルダイト系熱電材料の場合に、原料の粉砕等をメカ
ニカルアロイング法によるのが特に望ましいのは下記の
理由による。
グ法により原料の粉砕・混合と一部合金化を行って、平
均粒径1μm以下の粉末にすることを特徴とする。スク
ッテルダイト系熱電材料の場合に、原料の粉砕等をメカ
ニカルアロイング法によるのが特に望ましいのは下記の
理由による。
【0031】スクッテルダイト系化合物、例えばCoS
b3では、単に原料のCoとSbを1:3の比で混合す
るだけでなく、これを所定温度(例えば600〜700
℃)で数十時間熱処理してCoSb3化合物を生成させ
なければ、良好な特性の熱電材料は得られない。
b3では、単に原料のCoとSbを1:3の比で混合す
るだけでなく、これを所定温度(例えば600〜700
℃)で数十時間熱処理してCoSb3化合物を生成させ
なければ、良好な特性の熱電材料は得られない。
【0032】しかし、メカニカルアロイング法を用いれ
ば、原料の粉砕過程で粉末粒子の微細化と均一混合およ
び一部合金化(CoSb3化合物の生成)が行われるか
ら、焼結工程での短時間の熱処理で、焼結体全体を均質
なCoSb3化合物にすることができる。したがって、
メカニカルアロイング法の原料は必ずしも合金状態のも
のを用いる必要はなく、元素状態のものを所定組成に配
合してもよい。
ば、原料の粉砕過程で粉末粒子の微細化と均一混合およ
び一部合金化(CoSb3化合物の生成)が行われるか
ら、焼結工程での短時間の熱処理で、焼結体全体を均質
なCoSb3化合物にすることができる。したがって、
メカニカルアロイング法の原料は必ずしも合金状態のも
のを用いる必要はなく、元素状態のものを所定組成に配
合してもよい。
【0033】メカニカルアロイングに用いる装置の形式
等については特に制約はなく、通常のものを用いればよ
い。ただし、スクッテルダイト系熱電材料においては、
微量の不純物により熱電特性が大幅に低下することがあ
るから、粉砕容器や粉砕用装填材は摩耗しにくく、不純
物として影響の少ないものを用いる。また、粉砕時間を
短縮するために、2〜3mm程度に粗粉砕したものを原
料とすることが好ましい。さらに、不活性雰囲気中でメ
カニカルアロイングを行ない、酸素ガスなどの混入を最
小限に抑えることが好ましい。
等については特に制約はなく、通常のものを用いればよ
い。ただし、スクッテルダイト系熱電材料においては、
微量の不純物により熱電特性が大幅に低下することがあ
るから、粉砕容器や粉砕用装填材は摩耗しにくく、不純
物として影響の少ないものを用いる。また、粉砕時間を
短縮するために、2〜3mm程度に粗粉砕したものを原
料とすることが好ましい。さらに、不活性雰囲気中でメ
カニカルアロイングを行ない、酸素ガスなどの混入を最
小限に抑えることが好ましい。
【0034】本発明においては、前記の加圧焼結をプラ
ズマ放電焼結法により行なうことが望ましい。プラズマ
放電焼結法が望ましい理由は、加圧焼結の時間を短縮で
き、これにより粒成長が抑制され、より微細な結晶粒か
らなる焼結体を得やすいためである。また、焼結時にプ
ラズマ放電により粒界がクリーンになることが期待され
る。
ズマ放電焼結法により行なうことが望ましい。プラズマ
放電焼結法が望ましい理由は、加圧焼結の時間を短縮で
き、これにより粒成長が抑制され、より微細な結晶粒か
らなる焼結体を得やすいためである。また、焼結時にプ
ラズマ放電により粒界がクリーンになることが期待され
る。
【0035】プラズマ放電焼結は通常の方法、例えば黒
鉛製ダイス内に粉末を充填し、黒鉛製パンチで上下から
プレスする際に、このパンチに電極を配して通電するよ
うな方法によればよく、10〜200kW/cm2程度
の入力密度にすればよい。なお、プラズマ放電焼結にお
いても、温度300〜700℃、圧力2MPa以上にす
ることは前記と同じである。
鉛製ダイス内に粉末を充填し、黒鉛製パンチで上下から
プレスする際に、このパンチに電極を配して通電するよ
うな方法によればよく、10〜200kW/cm2程度
の入力密度にすればよい。なお、プラズマ放電焼結にお
いても、温度300〜700℃、圧力2MPa以上にす
ることは前記と同じである。
【0036】
【実施例】原料として純度99.9985%のCo粉末
と99.999%の粒状Sbを用い、これを混合、粉砕
後Ar雰囲気中、650℃で50時間反応させてCoS
b3を合成した。得られたCoSb3化合物を粉砕し、こ
れを焼結して熱電材料を製造するに際し、表1に示す各
種の粉砕条件、焼結条件で、平均結晶粒径の異なる焼結
体を製造し、温度20℃および400℃でそれぞれの熱
伝導率を測定した。
と99.999%の粒状Sbを用い、これを混合、粉砕
後Ar雰囲気中、650℃で50時間反応させてCoS
b3を合成した。得られたCoSb3化合物を粉砕し、こ
れを焼結して熱電材料を製造するに際し、表1に示す各
種の粉砕条件、焼結条件で、平均結晶粒径の異なる焼結
体を製造し、温度20℃および400℃でそれぞれの熱
伝導率を測定した。
【0037】
【表1】
【0038】測定された熱伝導率と平均結晶粒径との関
係を図1に示す。すでに述べたように、CoSb3熱電
材料の熱伝導率は、平均結晶粒径が10μm以下になる
と大幅に低下し、とくに低温域において低下の度合が大
きい。20℃での熱伝導率は、平均結晶粒径を1μm以
下にすることにより、10μm以上での値の1/2以下
になることが確かめられた。
係を図1に示す。すでに述べたように、CoSb3熱電
材料の熱伝導率は、平均結晶粒径が10μm以下になる
と大幅に低下し、とくに低温域において低下の度合が大
きい。20℃での熱伝導率は、平均結晶粒径を1μm以
下にすることにより、10μm以上での値の1/2以下
になることが確かめられた。
【0039】なお、本実施例において熱伝導率の測定は
全自動レーザフラッシュ法熱定数測定装置(真空理工
(株)製、形式TC−7000)を用いて行った。また、
平均結晶粒径の測定は、焼結体を研磨後濃硝酸でエッチ
ングし、光学顕微鏡あるいは走査型電子顕微鏡(SE
M)により観察し写真を撮影することによって行なっ
た。平均結晶粒径はインターセプト法(任意に引いた直
線の単位長さ当りの粒界との交点数を求める)により算
出した。
全自動レーザフラッシュ法熱定数測定装置(真空理工
(株)製、形式TC−7000)を用いて行った。また、
平均結晶粒径の測定は、焼結体を研磨後濃硝酸でエッチ
ングし、光学顕微鏡あるいは走査型電子顕微鏡(SE
M)により観察し写真を撮影することによって行なっ
た。平均結晶粒径はインターセプト法(任意に引いた直
線の単位長さ当りの粒界との交点数を求める)により算
出した。
【0040】表1の実施例2および3において、メカニ
カルアロイング装置は、アトライタD型(三井三池化工
機(株)製、形式MA5D−X)を用い、前記の原料を回
転数200rpmで30時間Ar雰囲気中で処理した。
メカニカルアロイング装置を用いることにより、他の粉
砕方法、例えば遊星ボールミルによるよりも粉末の粒径
を小さくすることが容易になり、これにより焼結体の平
均結晶粒径も小さくなった。
カルアロイング装置は、アトライタD型(三井三池化工
機(株)製、形式MA5D−X)を用い、前記の原料を回
転数200rpmで30時間Ar雰囲気中で処理した。
メカニカルアロイング装置を用いることにより、他の粉
砕方法、例えば遊星ボールミルによるよりも粉末の粒径
を小さくすることが容易になり、これにより焼結体の平
均結晶粒径も小さくなった。
【0041】また、実施例3のプラズマ放電焼結は、住
石放電プラズマ焼結機DR.SINTER(住友石炭鉱
業(株)製、形式SPS−1020)を用い、電流密度約
200A/cm2で焼結体を製造した。加圧焼結の時間
はホットプレスでは550℃で10時間必要であった
が、プラズマ放電焼結法を用いることにより、これを1
5分に短縮することができ、これにより焼結体の平均結
晶粒径も小さくなった。
石放電プラズマ焼結機DR.SINTER(住友石炭鉱
業(株)製、形式SPS−1020)を用い、電流密度約
200A/cm2で焼結体を製造した。加圧焼結の時間
はホットプレスでは550℃で10時間必要であった
が、プラズマ放電焼結法を用いることにより、これを1
5分に短縮することができ、これにより焼結体の平均結
晶粒径も小さくなった。
【0042】次ぎに、置換型のスクッテルダイト系化合
物の例として、Co0.9Pd0.05Pt0.05Sb3につい
て、侵入型化合物の例としてFe0.75Co0.25Sb3C
e0.25について、平均結晶粒径の異なる焼結体を製造
し、平均結晶粒径と熱伝導率の関係を調査した。
物の例として、Co0.9Pd0.05Pt0.05Sb3につい
て、侵入型化合物の例としてFe0.75Co0.25Sb3C
e0.25について、平均結晶粒径の異なる焼結体を製造
し、平均結晶粒径と熱伝導率の関係を調査した。
【0043】用いた原料は、上記のCo粉末と粒状Sb
の他に、高純度のPd、Pt、CeおよびFeの粉末
で、これらを所定の組成に配合し、混合粉砕後Ar雰囲
気中、650℃で50時間反応させて、それぞれの化合
物を合成した。得られた化合物を表2に示す粉砕条件、
焼結条件で処理して焼結体を製造した。
の他に、高純度のPd、Pt、CeおよびFeの粉末
で、これらを所定の組成に配合し、混合粉砕後Ar雰囲
気中、650℃で50時間反応させて、それぞれの化合
物を合成した。得られた化合物を表2に示す粉砕条件、
焼結条件で処理して焼結体を製造した。
【0044】
【表2】
【0045】表2内に示したように、平均結晶粒径1μ
m以下と10μmでの熱伝導率κの比κ<1μ/κ
10μは、Co0.9Pd0.05Pt0.05Sb3の場合、20℃
で0.56、400℃で0.8であった(実施例4と比
較例4)。また、Fe0.75Co0.25Sb3Ce0.25の場
合、この比は20℃で0.63、400℃で0.7とな
り(実施例5と比較例5)、いずれも結晶粒の微細化によ
り、低温域での熱伝導率が大幅に低下することが確かめ
られた。
m以下と10μmでの熱伝導率κの比κ<1μ/κ
10μは、Co0.9Pd0.05Pt0.05Sb3の場合、20℃
で0.56、400℃で0.8であった(実施例4と比
較例4)。また、Fe0.75Co0.25Sb3Ce0.25の場
合、この比は20℃で0.63、400℃で0.7とな
り(実施例5と比較例5)、いずれも結晶粒の微細化によ
り、低温域での熱伝導率が大幅に低下することが確かめ
られた。
【0046】
【発明の効果】本発明により、スクッテルダイト系熱電
材料の熱伝導率を大幅に低下させることが可能となり、
これによりこの熱電材料の性能指数Z(=S2σ/κ)
を実用上満足できる水準まで高めることが可能となっ
た。
材料の熱伝導率を大幅に低下させることが可能となり、
これによりこの熱電材料の性能指数Z(=S2σ/κ)
を実用上満足できる水準まで高めることが可能となっ
た。
【図1】本実施例におけるCoSb3焼結体の平均結晶
粒径と熱伝導率の関係を示す図である。
粒径と熱伝導率の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B22F 1/00 B22F 1/00 E 3/14 3/14 101B (72)発明者 谷口 求 山口県宇部市大字沖宇部573番地の3 株 式会社超高温材料研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 スクッテルダイト型結晶構造を有するA
B3型(ここで、元素AはCo,Rh,Ir,のうちの一
種以上、元素BはP,As,Sbのうちの一種以上から
なる)化合物、一般式A1-XMX(B1-yNy)3(ここで、M
は元素Aと置換する元素でx=0〜0.2、Nは元素B
と置換する元素でy=0〜0.2)で表わされる置換型
化合物又は一般式AB3Cz(ここで、Cはスクッテルダ
イト型結晶構造内に侵入する元素でz=0〜0.3)で
表わされる侵入型化合物からなる熱電材料であって、そ
の平均結晶粒径が1μm以下であるスクッテルダイト系
熱電材料。 - 【請求項2】 請求項1記載の熱電材料を製造するに際
して、原料を粉砕して平均粒径1μm以下の粉末にし、
この粉末を温度300〜700℃、圧力2MPa以上で
20時間以内加圧焼結して、平均結晶粒径が1μm以下
の焼結体を製造することを特徴とするスクッテルダイト
系熱電材料の製造方法。 - 【請求項3】 メカニカルアロイング法により原料の粉
砕・混合と一部合金化を行なって、平均粒径1μm以下
の粉末にすることを特徴とする請求項2記載のスクッテ
ルダイト系熱電材料の製造方法。 - 【請求項4】 前記の加圧焼結をプラズマ放電焼結法に
より行なうことを特徴とする請求項2又は3記載のスク
ッテルダイト系熱電材料の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9195855A JPH1140860A (ja) | 1997-07-22 | 1997-07-22 | スクッテルダイト系熱電材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9195855A JPH1140860A (ja) | 1997-07-22 | 1997-07-22 | スクッテルダイト系熱電材料およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1140860A true JPH1140860A (ja) | 1999-02-12 |
Family
ID=16348128
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9195855A Pending JPH1140860A (ja) | 1997-07-22 | 1997-07-22 | スクッテルダイト系熱電材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1140860A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005325419A (ja) * | 2004-05-14 | 2005-11-24 | Dainippon Printing Co Ltd | 無機ナノ粒子およびその製造方法 |
| JP2008535277A (ja) * | 2005-04-06 | 2008-08-28 | サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィック(セーエヌエールエス) | 機械的合成による熱電材料の製造方法 |
| US20140186209A1 (en) * | 2011-01-06 | 2014-07-03 | Trustees Of Boston College | Thermoelectric skutterudite compositions and methods for producing the same |
| KR20150044823A (ko) * | 2013-10-17 | 2015-04-27 | 주식회사 엘지화학 | 열전 재료 및 그 제조 방법 |
-
1997
- 1997-07-22 JP JP9195855A patent/JPH1140860A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005325419A (ja) * | 2004-05-14 | 2005-11-24 | Dainippon Printing Co Ltd | 無機ナノ粒子およびその製造方法 |
| JP2008535277A (ja) * | 2005-04-06 | 2008-08-28 | サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィック(セーエヌエールエス) | 機械的合成による熱電材料の製造方法 |
| US8444915B2 (en) | 2005-04-06 | 2013-05-21 | Centre National De La Recherche Scientifique (Cnrs) | Making thermoelectric materials by mechanosynthesis |
| US20140186209A1 (en) * | 2011-01-06 | 2014-07-03 | Trustees Of Boston College | Thermoelectric skutterudite compositions and methods for producing the same |
| KR20150044823A (ko) * | 2013-10-17 | 2015-04-27 | 주식회사 엘지화학 | 열전 재료 및 그 제조 방법 |
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