JPH1140866A - 酸化物超電導論理回路装置 - Google Patents

酸化物超電導論理回路装置

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JPH1140866A
JPH1140866A JP9189383A JP18938397A JPH1140866A JP H1140866 A JPH1140866 A JP H1140866A JP 9189383 A JP9189383 A JP 9189383A JP 18938397 A JP18938397 A JP 18938397A JP H1140866 A JPH1140866 A JP H1140866A
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logic circuit
circuit device
oxide superconducting
layer
oxide
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JP9189383A
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Haruhiro Hasegawa
晴弘 長谷川
Yoshinobu Taruya
良信 樽谷
Tokumi Fukazawa
徳海 深沢
一正 ▲高▼木
Kazumasa Takagi
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 層構成やジョセフソン接合の配置に関する制
約を満足した、量子磁束パラメトロン素子からなる酸化
物超電導論理回路を実現できない。 【解決手段】 量子磁束パラメトロン素子の素子パター
ン91と接地パターン92とをジョセフソン接合部分で
分け、かつ各素子パターン間を接続する接続パターンを
連続形状で形成する酸化物超電導体層と、成膜された酸
化物超電導体層にジョセフソン接合を形成させる部分を
連続した線上に有し各接地パターンを一つの共通接地パ
ターンで形成させる基板90と、素子パターンと接続パ
ターンおよび接地パターンを被う絶縁層上に成膜され素
子パターンの超電導閉ループを形成するインダクタ部分
に磁気結合される金属層とからなり、酸化物超電導体層
を接地面の領域101とそれ以外の領域102に分割
し、全ての量子磁束パラメトロン素子をそれ以外の領域
102に含ませた酸化物超電導論理回路装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化物超電導体を
用いて作製された量子磁束パラメトロン素子からなる酸
化物超電導論理回路に係り、特に、量子磁束パラメトロ
ン素子の動作条件と回路の作製制約条件とを満足させた
構成の酸化物超電導論理回路装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、量子磁束パラメトロン素子の設計
や素子動作に関しては、アイ・イー・イー・イー トラ
ンザクションズ オン アップライド スーパーコンダ
クティビィティー 第3巻 1993年 第3022頁
から第3028頁(IEEE Transactions on Applied Sup
erconductivity vol. 3 (1993) pp.3022-3028)に記載
されている。以下、これを第1の従来例として引用す
る。また、酸化物超電導体からなる論理回路の設計や動
作に関しては、アイ・イー・イー・イー トランザクシ
ョンズ オン アップライド スーパーコンダクティビ
ィティー 第5巻 1995年 第3401頁から第3
404頁(IEEE Transactions on Applied Superconduc
tivity vol. 5 (1995) pp.3401-3404)に記載されてい
る。以下、これを第2の従来例として引用する。
【0003】酸化物超電導体からなる量子磁束パラメト
ロン素子を作製するためには、酸化物超電導論理回路を
作製する際に生じる固有の制約条件を考慮しながら、量
子磁束パラメトロン素子の動作条件を満足する必要があ
る。まず、量子磁束パラメトロン素子動作のためには、
第1の従来例に記載されているように、超電導閉ループ
のループインダクタンス、すなわち第1のインダクタン
スと第2のインダクタンスの和と第1および第2のジョ
セフソン接合の超電導臨界電流の積を概ね磁束量子程度
に設定する必要がある。
【0004】また、信号電流は熱雑音を打ち消す程度の
大きさが必要であり、このため数十Kの動作温度では、
超電導臨界電流は概ね数十μA以上が必要である。従っ
てループインダクタンスは、概ね数十pH以下の小さい
値に抑えなければならない。さらに、出力電流は負荷イ
ンダクタンスに反比例する。従って、十分大きな出力電
流を得るためには、量子磁束パラメトロン素子間の距離
をできるだけ短くして、負荷インダクタンスを小さくす
る必要がある。
【0005】一方、一般に酸化物超電導論理回路では酸
化物超電導体の積層構造を実現することは難しい。例え
ば、上下2層の酸化物超電導体層の超電導性を保つため
には、SrTiO3等の特定の絶縁体層や成膜条件が必要
であり、回路作製のプロセス条件を制限している。ま
た、酸化物超電導体の成膜時には微粒子の異物が形成さ
れやすい。これらの微粒子は、層間絶縁膜である絶縁体
層を破壊し、層間をショートさせ、回路動作の障害を引
き起こす原因となっている。従って、酸化物超電導論理
回路では、できる限り酸化物超電導体の積層構造を含ま
ない層構成が望ましい。
【0006】また、酸化物超電導論理回路におけるジョ
セフソン接合としては、基板に段差を形成したステップ
エッジ型や、基板としてバイクリスタルを用いたバイク
リスタル型が用いられる。これらによるジョセフソン接
合は、上記第2の従来例の図1に記載されているよう
に、エッジや基板接合が存在する一直線上にのみ配置可
能であり、任意の位置に配置することはできない。従っ
て、酸化物超電導論理回路を作製する際には、これらジ
ョセフソン接合の配置に関する制約を考慮して回路を構
成する必要がある。
【0007】特に、第2の従来例は、RSFQ素子(R
SFQ:Rapid Single Flux Quantum)を用いて酸化物
超電導論理回路を作製した例であるが、このRSFQ素
子では、回路素子要素が直接結合型のみで接続され、磁
気結合型を含まない。そのため素子の構成が比較的簡単
である。これに対し、量子磁束パラメトロン素子は、回
路素子要素が、直接結合型と磁気結合型の両方で接続さ
れ、素子の構成が複雑である。そのため、複数の量子磁
束パラメトロン素子を用いて酸化物超電導論理回路を作
製した例はなく、最適なレイアウトの構成も示されてい
ない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、従来の技術では、量子磁束パラメトロン素子の動
作条件を満足し、かつ、層構成やジョセフソン接合の配
置に関する制約が考慮された酸化物超電導論理回路装置
を作製することができない点である。本発明の目的は、
これら従来技術の課題を解決し、量子磁束パラメトロン
素子を用いた実用化が可能な酸化物超電導論理回路装置
を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の酸化物超電導論理回路装置は、基板上に、
酸化物超電導体層と絶縁体層および金属層を設けた層構
成とし、1層の酸化物超電導体層を用いた量子磁束パラ
メトロン素子の作製を可能とした。このことにより、層
構成やジョセフソン接合の配置に関する制約が十分に考
慮された、かつ、量子磁束パラメトロン素子の動作条件
を満足するレイアウトの構成が可能となる。すなわち、
酸化物超電導体層により、量子磁束パラメトロン素子の
素子パターンと接地パターンとをジョセフソン接合部分
で分けて形成すると共に、各素子パターン間を接続する
接続パターンを連続した形状で形成することにより、複
数の量子磁束パラメトロン素子を、一層の酸化物超電導
体で作成することができる。特に、接続パターンが連続
している、すなわち、量子磁束パラメトロン素子は全て
接地パターンの領域面以外の連続した領域に形成されて
いるので、量子磁束パラメトロン素子間を接地パターン
の領域を介せずに接続でき、接続長を短くして、負荷イ
ンダクタンスを小さくすることができる。また、接地パ
ターンは、ジョセフソン接合部分で素子パターンと分け
られており、接地面と量子磁束パラメトロン素子とが近
接して形成される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、図面に
より詳細に説明する。図1は、本発明の酸化物超電導論
理回路装置の本発明に係る構成の第1の実施例を示すブ
ロック図であり、図2は、図1における酸化物超電導論
理回路装置内の量子磁束パラメトロン素子の等価回路を
示す回路図、図3は、図1における酸化物超電導論理回
路装置内の量子磁束パラメトロン素子のレイアウトを示
す説明図である。
【0011】図1に示す本例の酸化物超電導論理回路装
置は、ステップエッジ型ジョセフソン接合を用いて、1
4個の量子磁束パラメトロン素子と1個のdc−SQU
ID(:Direct Current Superconducting Quantum Int
erference Device、量子干渉計)を形成し、これによ
り、8:1マルチプレクサを作製したものである。本図
1において、90はSrTiO3からなる基板、91は量
子磁束パラメトロン素子の素子パターン、92は接地パ
ターン、93は接続パターン、101は接地パターン9
2からなる接地面の領域、102はそれ以外の領域であ
る。
【0012】素子パターン91、接地パターン92、接
続パターン93のそれぞれの構成は、図2の等価回路で
示されるが、まず、このような量子磁束パラメトロン素
子の作製プロセスを、図3を用いて説明する。図3にお
いて、10は酸化物超電導体層、20は金属層、30は
絶縁層、40はジョセフソン接合位置、90は基板であ
る。
【0013】基板90としてSrTiO3を用い、この基
板90上に電子線リソグラフィを用いて、Siからなる
マスクパターンを作製する。このマスクパターンは、ジ
ョセフソン接合位置40を境界として基板90の半平面
を覆うように形成する。そして、Ar+O2イオンエッチ
ングにより基板90をエッチングして、ジョセフソン接
合位置40に、高さh=240nmのステップを形成する。次
に、基板90上に、膜厚t=120nmのYBa2Cu3O7からな
る酸化物超電導体層10を、レーザアブレーション法に
より成膜する。これにより、ジョセフソン接合が、酸化
物超電導体層10とジョセフソン接合位置40の交線に
形成されることになる。
【0014】そして、電子線リソグラフィやArイオン
エッチングにより酸化物超電導体層10を加工し、図の
ような形状で素子パターン91と接続パターン93およ
び接地パターン92を形成した後、シャドーマスクを用
いて抵抗加熱蒸着法により膜厚t=600nmのSiOからなる
絶縁体層30を成膜する。このSiO蒸着時、基板の温
度は500℃以上に上昇することはない。従って、酸化
物超電導体層10は酸素が離脱せず、特性の劣化も起こ
らない。さらに、同様にして抵抗加熱蒸着法により膜厚
t=280nmのAuからなる金属層20を成膜し、電子線リソ
グラフィやArイオンエッチングにより加工する。この
ようにして、本図3に示す量子磁束パラメトロン素子を
作製する。
【0015】尚、酸化物超電導体の成膜時には、微粒子
の異物が形成されやすい。これらの微粒子は、層間絶縁
膜である絶縁体層を破壊し、層間をショートさせ、回路
動作の障害を引き起こす原因となっている。しかし、本
実施例では、この微粒子の直径は高々100nm程度とあ
り、SiO絶縁体層30の膜厚(t=600nm)に比べて十分
小さく、この微粒子は、SiO絶縁体層30により十分
被覆できる。また、基板温度の低い蒸着法を用いるの
で、酸化物超電導体層10を劣化させることなく、十分
厚い膜厚のSiO絶縁体層30を成膜することができ
る。
【0016】一方、酸化物超電導体の積層構造を実現す
るために、金属層20として酸化物超電導体を用いる。
この時、上下2層の酸化物超電導体層の超電導性を保つ
ため、絶縁体層30には、SrTiO3等特定の材料を用
いる。尚、一般にSrTiO3を成膜するためには500
℃以上の高温の基板温度が必要であるが、この時、酸化
物超電導体層10は、酸素の離脱等により特性が劣化し
やすくなる。従って、回路作製プロセス条件、たとえ
ば、YBa2Cu3O7、SrTiO3成膜時の酸素分圧、入射
エネルギーは許容範囲が狭まり、SrTiO3の膜厚等の
作製プロセスパラメータは所望の値が得られにくくな
る。その結果、YBa2Cu3O7の超電導性やSrTiO3の
絶縁性も劣化しやすくなる。
【0017】次に、このようにして作製した量子磁束パ
ラメトロン素子の構成を、図2を用いて説明する。本実
施例の量子磁束パラメトロン素子は、図2の等価回路に
示すように、図3の酸化物超電導体層10からそれぞれ
形成された信号入力線12、負荷インダクタ13、第
1,第2のジョセフソン接合111,112、第1,第
2のインダクタ113,114、接地面115と、図3
の金属層20からそれぞれ形成されたクロック入力線2
1、第3,第4のインダクタ22,23から構成されて
いる。
【0018】第1のジョセフソン接合111、第1のイ
ンダクタ113、第2のインダクタ114、第2のジョ
セフソン接合112が順に接続されて、超電導閉ループ
11が形成され、第1のジョセフソン接合111と第2
のジョセフソン接合112の接続点が接地面115に接
続されている。第1,第2のジョセフソン接合111,
112と、第1,第2のインダクタ113,114とに
より図1および図2における素子パターンが形成され、
信号入力線12、負荷インダクタ13により図2におけ
る接続パターン93が形成され、そして、第3,第4の
インダクタ22,23により図2における接地パターン
92が形成される。
【0019】信号入力線12の端子の一方と負荷インダ
クタ13の端子の一方は、超電導閉ループ11の一部で
ある第1のインダクタ113と第2のインダクタ114
の接続点に接続されている。そして、クロック入力線2
1と第3のインダクタ22と第4のインダクタ23は順
に直列接続され、図3の絶縁体層30を介して、第1の
インダクタ113と第3のインダクタ22、および、第
2のインダクタ114と第4のインダクタ23がそれぞ
れ磁気結合されている。
【0020】このように、本例では、第3のインダクタ
22と第4のインダクタ23を、図3の酸化物超電導体
層10とは異なる層、すなわち図3の金属層20から形
成している。従って、直接結合型および磁気結合型の両
方で回路素子要素を接続しながら、超電導閉ループ11
を小さくすることができる。実際の具体的な例では、第
1、第2のジョセフソン接合111,112の幅を2μ
m、第1、第2のインダクタンス113,114の幅を
3μm、中央のホールを縦2μm×横6μmとすること
により、素子動作に適当な小さいループインダクタンス
L=8pHを実現することができた。
【0021】このようして構成された量子磁束パラメト
ロン素子を複数個組み合わせて接続ることにより、図1
および図4に示す8:1マルチプレクサを作製すること
ができる。図4は、図1における酸化物超電導論理回路
装置の等価回路を示す回路図である。本等価回路で示す
複数の量子磁束パラメトロン素子からなる8:1マルチ
プレクサの作製プロセスは、Siからなるマスクのパタ
ーンを除いて、図2および図3で示した作製プロセスと
同様である。すなわち、Siからなるマスクパターン
は、基板の半平面を覆うのではなく、ジョセフソン接合
を形成する付近にのみ形成する。
【0022】本例の8:1マルチプレクサは、基板(9
0)上に形成された酸化物超電導体層(10)と絶縁体
層(30)と金属層(20)とから構成された14個の
量子磁束パラメトロン素子と1個のdc−SQUIDか
らなり、量子磁束パラメトロン素子は、酸化物超電導体
層から形成された第1のジョセフソン接合(111)と
第2のジョセフソン接合(112)と第1のインダクタ
(113)と第2のインダクタ(114)と信号入力線
(12)と負荷インダクタ(13)と接地面(115)
と、金属層から形成されたクロック入力線(21)と第
3のインダクタ(22)と第4のインダクタ(23)か
らなる。
【0023】第1のジョセフソン接合と第1のインダク
タと第2のインダクタと第2のジョセフソン接合が順に
接続されて超電導閉ループを形成している。また、クロ
ック入力線と第3のインダクタと第4のインダクタが順
に直列接続され、信号入力線の端子の一方と負荷インダ
クタの端子の一方が超電導閉ループの一部に接続されて
いる。また、第1のジョセフソン接合と第2のジョセフ
ソン接合の接続点が接地面に接続されている。
【0024】さらに、第1のインダクタと第3のインダ
クタが磁気結合され、第2のインダクタと第4のインダ
クタが磁気結合される。各量子磁束パラメトロン素子を
形成する負荷インダクタの端子の他方は、隣接する他の
量子磁束パラメトロン素子の信号入力線の端子の他方に
接続されるか、負荷インダクタの端子の他方、もしく
は、接地面に接続される。このような構成とすることに
より、基板は接地面の領域とそれ以外の2つの領域に分
割して形成でき、量子磁束パラメトロン素子は全てそれ
以外の領域に含ませることができる。さらに、接地面を
各量子磁束パラメトロン素子に近接して形成することが
できる。
【0025】本図4におけるIb,S0,S1,S2,Ig2
は、それぞれ、クロック入力線に印加される信号電流で
あり、これらの配線は図3の金属層20から形成する。
また、I0−I7は、信号入力線に印加する信号電流、I
g1およびVoutは、dc−SQUIDに印加する電源電
流、出力電圧であり、これらの配線は、共に、図3の酸
化物超電導体層10から形成する。さらに、I0−I7は
8ビットの入力信号、S0,S1,S2は3ビットの選択
信号である。入力信号はこれらの選択信号により選択さ
れ、dc−SQUIDを通して出力されることになる。
【0026】量子磁束パラメトロン素子は、図3におけ
る酸化物超電導体層10のレイアウトが重要である。ま
た、一般に、論理回路を作製するためには複数の素子を
接続しなければならない。量子磁束パラメトロン素子で
論理回路を作製する場合、1つの素子の図2に示す負荷
インダクタ13の端子の一方は、他の素子の図2に示す
信号入力線12の端子の一方、または、他の素子の図2
に示す負荷インダクタ13の端子の一方、または図2に
示す接地面115に接続する。そして、十分大きな出力
電流を得るためには、負荷インダクタンスは小さくしな
ければならないが、これまでの従来例では、負荷インダ
クタンスを小さく保ちながら複数の量子磁束パラメトロ
ン素子を接続するための好適なレイアウトを示した例は
なかった。
【0027】本例では、図3の酸化物超電導体層10
を、図1に示すレイアウトとすることにより、このよう
な、負荷インダクタンスを小さく保ちながら複数の量子
磁束パラメトロン素子を接続することができる。すなわ
ち、図3で示すように、量子磁束パラメトロン素子の酸
化物超電導体層10は、ジョセフソン接合位置40を境
として、接地面の領域とそれ以外の領域に分けることが
でき、図1において、基板90上の図3の酸化物超電導
体層10を、接地面の領域101とそれ以外の領域10
2の2つに分割できる。そして、全ての量子磁束パラメ
トロン素子は、それ以外の領域102に含まれるように
レイアウトする。
【0028】さらに、この基板90に関しては、それ以
外の領域102は、接地面の領域101により分割され
ていない、いわゆる単連結となっている。従って、各量
子磁束パラメトロン素子は、全ての負荷インダクタと信
号入力線を、接地面の領域を介さずに接続できる。ま
た、量子磁束パラメトロン素子の配線は、接地面の領域
101に近接し、全ての素子が接地面の領域101に埋
めこまれるようにレイアウトされている。このことによ
り、量子磁束パラメトロン素子の負荷インダクタンスが
低減する。それと共に、接地面についても、線幅が増大
するのでインダクタンスが低減する。このようにして、
素子の動作条件を満足する回路素子要素の値が得られる
ので、量子磁束パラメトロン素子からなる酸化物超電導
論理回路を実現できる。
【0029】このような配線のインダクタンスを見積も
るため、実際に、別の基板上に直接結合型dc−SQU
IDを作製し、注入電流/SQUID電圧を測定し、そ
の周期特性から配線のインダクタンスを求めた。その結
果、本実施例の層構成である1層のYBa2Cu3O7で
は、線幅w=0.5mm−3.0mmについて、正方形当た
りのインダクタンスは、温度60K以下の十分低温でL
=1.25pH/squareであった。従って、本図1のレ
イアウトでは、量子磁束パラメトロン素子の負荷インダ
クタンスは、高々30pHとなる。これは、素子動作を
実現するために十分に小さい値であリ、本図1のレイア
ウトにより、8:1マルチプレクサを実現できる。
【0030】次に、他のレイアウトでの8:1マルチプ
レクサの構成例を説明する。図5は、本発明の酸化物超
電導論理回路装置の本発明に係る構成の第2の実施例を
示すブロック図である。本第2の例は、バイクリスタル
型ジョセフソン接合を用いて、14個の量子磁束パラメ
トロン素子と1個のdc−SQUIDを形成し、これに
より、第1の実施例の図4で示した同じ等価回路で表さ
れる8:1マルチプレクサを作製した例である。層構成
は、第1の実施例と同じAu/SiO/YBa2Cu3O7で
あリ、成膜、リソグラフィ、エッチング等の各作製プロ
セスも第1の実施例と同様である。
【0031】本例の基板90aはバイクリスタル基板で
あり、ジョセフソン接合位置40aがバイクリスタルの
接合面である。ジョセフソン接合は、酸化物超電導体層
とジョセフソン接合位置40aの交線に形成される。酸
化物超電導体層は、ジョセフソン接合位置40aを境と
して、接地面の領域101aとそれ以外の領域102a
の2つに分割されている。そして、全ての量子磁束パラ
メトロン素子は、それ以外の領域102aに含まれるよ
うにレイアウトされている。
【0032】このように、基板90上において、それ以
外の領域102aは、接地面の領域101aにより分割
されていないので、量子磁束パラメトロン素子の負荷イ
ンダクタと信号入力線は全て接地面の領域101aを介
することなく接続できる。これにより、負荷インダクタ
ンスを低減した量子磁束パラメトロン素子からなる酸化
物超電導論理回路を実現できる。
【0033】さらに、第1の実施例のステップエッジ型
ジョセフソン接合では、基板に段差を形成しているの
で、Au配線がこの段差を乗り越えるために十分な膜厚t
=280nmを必要としたが、本第2の実施例では、ジョセフ
ソン接合としてバイクリスタル型を用いたので、このよ
うな段差がなくなり、回路作製プロセスの制約はより緩
くなリ、実際、膜厚t=200nmのAuを用いて回路を作製で
き、歩留まりも向上する。また、金属層であるAu配線
の段差による断線が減少し、回路作製の歩留まりがさら
に向上する。
【0034】図6は、本発明の酸化物超電導論理回路装
置の本発明に係る構成の第3の実施例を示すブロック図
であり、図7は、その等価回路を示す回路図である。図
6で示す本第3の実施例は、バイクリスタル型ジョセフ
ソン接合を用いて、8個の量子磁束パラメトロン素子と
1個のdc−SQUIDを形成し、これより図7の等価
回路で表される8:1マルチプレクサを作製したもので
ある。層構成は、第1,第2の実施例と同じAu/SiO
/YBa2Cu3O7であリ、成膜、リソグラフィ、エッチ
ング等の各作製プロセスも第1,第2の実施例と同様で
ある。
【0035】第1,第2の実施例では、選択信号のビッ
ト数はS0,S1,S2の3ビットと小さいが、量子磁束
パラメトロン素子は14個を要した。本第3の実施例で
は、選択信号は8ビットと大きいが、量子磁束パラメト
ロン素子は8個と少ない数で構成できる。図6および図
7中のIb0−Ib7は、金属層から形成されたクロック入
力線に印加される信号電流であり、これらが選択信号と
なる。
【0036】図6において、基板90bはバイクリスタ
ル基板であり、ジョセフソン接合位置40bがバイクリ
スタルの接合面である。ジョセフソン接合は酸化物超電
導体層とジョセフソン接合位置40bの交線に形成され
る。酸化物超電導体層は、ジョセフソン接合位置40b
を境として、接地面の領域101bとそれ以外の領域1
02bの2つに分割されている。そして、全ての量子磁
束パラメトロン素子は、それ以外の領域102bに含ま
れるようにレイアウトされている。
【0037】このように、基板90b上において、それ
以外の領域102bは、接地面の領域101bにより分
割されていないので、第1、第2の実施例と同様に、量
子磁束パラメトロン素子の負荷インダクタと信号入力線
は全て接地面の領域101bを介することなく接続でき
る。これにより、負荷インダクタンスを低減した量子磁
束パラメトロン素子からなる酸化物超電導論理回路を実
現できる。さらに、第2の実施例と同様に、ジョセフソ
ン接合としてバイクリスタル型を用いたので、このよう
な段差がなくなり、回路作製プロセスの制約はより緩く
なリ、かつ、段差による断線が減少し、回路作製の歩留
まりが向上する。
【0038】図8は、本発明の酸化物超電導論理回路装
置の本発明に係る構成の第4の実施例を示すブロック図
である。本例は、基板90c上において、接地面の領域
101cが、それ以外の領域102cにより分割された
構成となっている。このようなレイアウトにおいても、
第1〜第3の実施例と同様に、量子磁束パラメトロン素
子の負荷インダクタと信号入力線は全て接地面の領域1
01cを介することなく接続でき、負荷インダクタンス
を低減した量子磁束パラメトロン素子からなる酸化物超
電導論理回路を実現できる。尚、本例の酸化物超電導論
理回路装置では、各接地面の領域101c間は回路外で
接続する。
【0039】以上、図1〜図8を用いて説明したよう
に、本実施例の酸化物超電導論理回路装置は、基板上
に、酸化物超電導体層と絶縁体層および金属層を設けた
層構成からなり、さらに、酸化物超電導体層について、
接地面の領域とそれ以外の領域に分割し、全ての量子磁
束パラメトロン素子を、それ以外の領域に含むように形
成する。従って、量子磁束パラメトロン素子の負荷イン
ダクタと信号入力線は全て接地面の領域を介せずに接続
できるので、量子磁束パラメトロン素子の動作条件を満
足する最適なレイアウトを構成でき、量子磁束パラメト
ロン素子からなる酸化物超電導論理回路を実現できる。
【0040】すなわち、本実施例の酸化物超電導論理回
路装置は、酸化物超電導体層と絶縁体層および金属層の
層構成であり、少なくとも1層の酸化物超電導体層を用
いて作製される。このように、1層構成の酸化物超電導
体層で量子磁束パラメトロン素子と接地面を形成する場
合、接地面の領域が量子磁束パラメトロン素子の含まれ
る領域を2つ以上に分け、基板が3つ以上の領域に分割
されると、異なる領域に含まれる量子磁束パラメトロン
素子間の負荷インダクタと信号入力線は接地面の領域を
介せずには接続できないことになるが、本例では、基板
を接地面の領域とそれ以外の2つの領域に分割し、全て
の量子磁束パラメトロン素子がそれ以外の領域に含まれ
るようにする。
【0041】このことにより、それ以外の領域は単連結
となるので、量子磁束パラメトロン素子の負荷インダク
タと信号入力線は全て接地面の領域を介せずに接続でき
ることになる。従って、層構成やジョセフソン接合の配
置に関する制約の下で動作条件を満足するに好適なレイ
アウトを構成でき、これにより、量子磁束パラメトロン
素子からなる酸化物超電導論理回路を実現できる。具体
的には、金属層と絶縁体層の材料を適宜に選択すること
により、酸化物超電導体層、金属層、絶縁体層の成膜条
件を最適化し、層間ショートを抑え回路動作の障害のな
い酸化物超電導論理回路を実現する。
【0042】尚、本発明は、図1〜図8を用いて説明し
た実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲において種々変更可能である。例えば、本例の
層構成では、金属層は超電導体であるが、必ずしも超電
導体である必要はなく、絶縁体層と同様に、材料は自由
に選択できる。この場合、各層が形成する回路素子要素
は適当に選択しなければならない。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、量子磁束パラメトロン
素子の動作条件を満足し、かつ、層構成やジョセフソン
接合の配置に関する回路構成の制約が考慮された酸化物
超電導論理回路を作製することができ、量子磁束パラメ
トロン素子を用いた酸化物超電導論理回路装置を実用化
することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化物超電導論理回路装置の本発明に
係る構成の第1の実施例を示すブロック図である。
【図2】図1における酸化物超電導論理回路装置内の量
子磁束パラメトロン素子の等価回路を示す回路図であ
る。
【図3】図1における酸化物超電導論理回路装置内の量
子磁束パラメトロン素子のレイアウトを示す説明図であ
る。
【図4】図1における酸化物超電導論理回路装置の等価
回路を示す回路図である。
【図5】本発明の酸化物超電導論理回路装置の本発明に
係る構成の第2の実施例を示すブロック図である。
【図6】本発明の酸化物超電導論理回路装置の本発明に
係る構成の第3の実施例を示すブロック図である。
【図7】図6における酸化物超電導論理回路装置の等価
回路を示す回路図である。
【図8】本発明の酸化物超電導論理回路装置の本発明に
係る構成の第4の実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10:酸化物超電導体層、11:超電導閉ループ、1
2:信号入力線、13:負荷インダクタ、20:金属
層、21:クロック入力線、22:第3のインダクタ、
23:第4のインダクタ、30:絶縁体層、40,40
a,40b:ジョセフソン接合位置、90,90a〜9
0c:基板、91:素子パターン、92:接地パター
ン、93:接続パターン、101,101a〜101
c:接地面の領域、102,102a〜102c:それ
以外の領域、111:第1のジョセフソン接合、11
2:第2のジョセフソン接合、113:第1のインダク
タ、114:第2のインダクタ、115:接地面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼木 一正 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の量子磁束パラメトロン素子を接続
    してなる酸化物超電導論理回路装置であって、上記量子
    磁束パラメトロン素子の素子パターンと接地パターンと
    をジョセフソン接合部分で分けて形成すると共に、各素
    子パターン間を接続する接続パターンを連続した形状で
    形成する酸化物超電導体層と、該酸化物超電導体層が成
    膜され、該成膜された上記酸化物超電導体層に上記ジョ
    セフソン接合を形成させる部分を連続した線上に有し、
    複数の上記接地パターンを一つの共通接地パターンで形
    成させる基板と、該基板上で上記素子パターンと上記接
    続パターンおよび上記接地パターンを形成した上記酸化
    物超電導体層を被う絶縁層と、該絶縁層上に成膜され、
    上記酸化物超電導体層の上記素子パターンでの超電導閉
    ループを形成するインダクタ部分に信号を磁気結合によ
    り供給する金属層とからなることを特徴とする酸化物超
    電導論理回路装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の酸化物超電導論理回路
    装置において、上記素子パターンは、上記超電導閉ルー
    プを形成する第1,第2の上記インダクタと第1,第2
    の上記ジョセフソン接合からなり、上記接続パターン
    は、上記第1,第2のインダクタの中間点に接続される
    入力線および負荷インダクタとからなり、該負荷インダ
    クタを、隣接する上記量子磁束パラメトロン素子の上記
    入力線もしくは上記負荷インダクタに接続し、上記接地
    パターンは、上記第1,第2のインダクタに上記第1,
    第2のジョセフソン接合を挾んで対向して上記超電導閉
    ループを形成し、上記金属層は、上記第1,第2のイン
    ダクタのそれぞれと磁気結合する第3,第4のインダク
    タからなることを特徴とする酸化物超電導論理回路装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1、もしくは、請求項2のいずれ
    かに記載の酸化物超電導論理回路装置において、上記金
    属層は、酸化物超電導体からなることを特徴とする酸化
    物超電導論理回路装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の酸化物超電導論理回路装置装置において、上記基板
    は、全ての上記ジョセフソン接合を形成させる部分を、
    一つの連続した線上に有し、全ての上記接地パターンを
    一つの共通接地パターンで形成させることを特徴とする
    酸化物超電導論理回路装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の酸化物超電導論理回路装置において、上記基板は、上
    記ジョセフソン接合を形成する部分として、連続した段
    差を有することを特徴とする酸化物超電導論理回路装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の酸化物超電導論理回路装置において、上記基板は、上
    記ジョセフソン接合を形成させる部分を連続した直線上
    に有することを特徴とする酸化物超電導論理回路装置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の酸化物超電導論理回路
    装置において、上記基板はバイクリスタル基板からな
    り、該バイクリスタルの接合面で上記ジョセフソン接合
    を形成することを特徴とする酸化物超電導論理回路装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007324180A (ja) * 2006-05-30 2007-12-13 Fujitsu Ltd 超電導素子とその製造方法

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JP2007324180A (ja) * 2006-05-30 2007-12-13 Fujitsu Ltd 超電導素子とその製造方法

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