JPH114125A - 電力増幅器 - Google Patents
電力増幅器Info
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- JPH114125A JPH114125A JP9169416A JP16941697A JPH114125A JP H114125 A JPH114125 A JP H114125A JP 9169416 A JP9169416 A JP 9169416A JP 16941697 A JP16941697 A JP 16941697A JP H114125 A JPH114125 A JP H114125A
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- power amplifier
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 広い範囲の温度変化に対して簡単な構成で確
実に温度補償を行い所望の特性を維持することができる
電力増幅器の提供。 【解決手段】 本発明の電力増幅器には、ゲート電圧V
gの変化に対してドレイン電流Idsの変化量が一定の電
界効果トランジスタFETが設けられる。このFET
は、温度変化に起因してゲート電圧−ドレイン電流特性
が変動するが、温度変化をゲートリーク電流Igの変化
として検出するゲートバイアス供給用抵抗R1が所定値
に選定されているので、このゲートバイアス変化によっ
てドレイン電流変動がうまく相殺される。この電力増幅
器は、不純物がパルス状にドープされた活性層を備える
パルスドープFETを使用することにより温度補償効果
が確実化され、また、隣接送信チャンネルを備える屋外
用送受信設備に適用することができる。
実に温度補償を行い所望の特性を維持することができる
電力増幅器の提供。 【解決手段】 本発明の電力増幅器には、ゲート電圧V
gの変化に対してドレイン電流Idsの変化量が一定の電
界効果トランジスタFETが設けられる。このFET
は、温度変化に起因してゲート電圧−ドレイン電流特性
が変動するが、温度変化をゲートリーク電流Igの変化
として検出するゲートバイアス供給用抵抗R1が所定値
に選定されているので、このゲートバイアス変化によっ
てドレイン電流変動がうまく相殺される。この電力増幅
器は、不純物がパルス状にドープされた活性層を備える
パルスドープFETを使用することにより温度補償効果
が確実化され、また、隣接送信チャンネルを備える屋外
用送受信設備に適用することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電力増幅器、よ
り詳細には、砒化ガリウム(GaAs)を基材にしてパ
ルスドープ構造としたメス型電界効果トランジスタ(me
tal semiconductor field effect transistor :MES
FET)を用いた電力増幅器に関する。
り詳細には、砒化ガリウム(GaAs)を基材にしてパ
ルスドープ構造としたメス型電界効果トランジスタ(me
tal semiconductor field effect transistor :MES
FET)を用いた電力増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年急速に市場が成長している携帯電話
やPHS(personal handyphone system)をはじめとす
る移動体通信(mobile communication)においては、周
波数の有効活用や高い伝送速度を求めるために、ディジ
タル変調の技術が使用されている。これらのシステムに
おいては、一般に、使用されるデバイス特に送受信部に
使用される電力増幅器には高い線形性が求められ、ま
た、屋外に設置される送信設備は、公衆用PHS基地局
等にみられるように、一般に、使用温度条件が苛酷であ
り、そこで使用される電力増幅器には、例えば、少なく
とも -20〜75℃の温度範囲において、一定の特性を維持
することが要求される。
やPHS(personal handyphone system)をはじめとす
る移動体通信(mobile communication)においては、周
波数の有効活用や高い伝送速度を求めるために、ディジ
タル変調の技術が使用されている。これらのシステムに
おいては、一般に、使用されるデバイス特に送受信部に
使用される電力増幅器には高い線形性が求められ、ま
た、屋外に設置される送信設備は、公衆用PHS基地局
等にみられるように、一般に、使用温度条件が苛酷であ
り、そこで使用される電力増幅器には、例えば、少なく
とも -20〜75℃の温度範囲において、一定の特性を維持
することが要求される。
【0003】一方、このような高い線形性を要する用途
に使用可能と考えられる電界効果トランジスタとして、
例えば、パルスドープ構造をもつものがある。そこで、
このようなパルスドープ電界効果トランジスタの中でも
特に線形性に優れているパルスドープ構造GaAsME
SFETの一例を簡単に説明する。
に使用可能と考えられる電界効果トランジスタとして、
例えば、パルスドープ構造をもつものがある。そこで、
このようなパルスドープ電界効果トランジスタの中でも
特に線形性に優れているパルスドープ構造GaAsME
SFETの一例を簡単に説明する。
【0004】〔パルスドープ構造電界効果トランジスタ
例〕図1には、パルスドープ構造GaAsMESFET
の断面図が示されている。この電界効果トランジスタ
は、デバイス各層のドーピング分布が2つのチャンネル
層でパルス状に突出するという大きな特徴を有してい
る。半絶縁性のGaAs製半導体基板S上に、p- Ga
Asバッファー層Bが形成され、その上に、Si(シリ
コン)を高密度で薄く( 200〜400 オングストローム程
度)パルスドープ(ヘテロドープともいう)した第1の
パルスドープGaAsチャンネル層PD1が形成され
る。このGaAsチャンネル層PD1の上には、第1G
aAs層GLを介して、Siを高密度(厚さ50〜100 オ
ングストローム程度)パルスドープした第2のパルスド
ープGaAsチャンネル層PD2が形成され、その上に
第2GaAs層が形成される。
例〕図1には、パルスドープ構造GaAsMESFET
の断面図が示されている。この電界効果トランジスタ
は、デバイス各層のドーピング分布が2つのチャンネル
層でパルス状に突出するという大きな特徴を有してい
る。半絶縁性のGaAs製半導体基板S上に、p- Ga
Asバッファー層Bが形成され、その上に、Si(シリ
コン)を高密度で薄く( 200〜400 オングストローム程
度)パルスドープ(ヘテロドープともいう)した第1の
パルスドープGaAsチャンネル層PD1が形成され
る。このGaAsチャンネル層PD1の上には、第1G
aAs層GLを介して、Siを高密度(厚さ50〜100 オ
ングストローム程度)パルスドープした第2のパルスド
ープGaAsチャンネル層PD2が形成され、その上に
第2GaAs層が形成される。
【0005】この電界効果トランジスタは、さらに、ゲ
ート電極Gが形成され、第2GaAs層表面からのSi
イオンの選択的且つ非対称注入によるn+ 注入領域成I
R1及びn- 注入領域成IR2が形成され、ゲート電極
下にn- GaAsキャップ層CPが形成されている。そ
して、n+ 注入領域成IR1上にソース電極S及びドレ
イン電極Dが形成されている。なお、ゲート電極Gにつ
いては、図面の左右方向のゲート長(以下、“Lg”で
表す)に対して紙面に垂直な寸法をゲート幅(以下、
“Wg”で表す)という。
ート電極Gが形成され、第2GaAs層表面からのSi
イオンの選択的且つ非対称注入によるn+ 注入領域成I
R1及びn- 注入領域成IR2が形成され、ゲート電極
下にn- GaAsキャップ層CPが形成されている。そ
して、n+ 注入領域成IR1上にソース電極S及びドレ
イン電極Dが形成されている。なお、ゲート電極Gにつ
いては、図面の左右方向のゲート長(以下、“Lg”で
表す)に対して紙面に垂直な寸法をゲート幅(以下、
“Wg”で表す)という。
【0006】表面側の第2のパルスドープ層PD2は、
表面空乏層が第1のパルスドープ層PD1へ拡がるのを
防ぐために設けられ、ドレイン電極D側の表面空乏層に
より実行ゲート長ガ増大する長ゲート効果を抑制する働
きをする。図2には、ゲートバイアスVgを変化させた
場合(ゲート長Lg=0.7 μm,ゲート幅Wg=20μ
m,ドレイン電圧Vd=2V)のドレイン電流Ids及び
相互コンダクタンス(transconductance)gm の特性例
が示されており、IdssoはVg=0Vのときのドレイン
電流値を表す。
表面空乏層が第1のパルスドープ層PD1へ拡がるのを
防ぐために設けられ、ドレイン電極D側の表面空乏層に
より実行ゲート長ガ増大する長ゲート効果を抑制する働
きをする。図2には、ゲートバイアスVgを変化させた
場合(ゲート長Lg=0.7 μm,ゲート幅Wg=20μ
m,ドレイン電圧Vd=2V)のドレイン電流Ids及び
相互コンダクタンス(transconductance)gm の特性例
が示されており、IdssoはVg=0Vのときのドレイン
電流値を表す。
【0007】図2に示すように、この電界効果トランジ
スタの長ゲート効果抑制機能によって、ドレイン電流I
dsは、ゲートバイアス電圧Vgの変化に対してほぼ線形
の関係を保ちながら増加し、例えば、Vgo= 0.4ボルト
〔V〕付近までほぼ線形に増加する優れた特性が得られ
る。即ち、相互コンダクタンスgm は、ゲートバイアス
に依存せず、平坦な特性を有する(gm=∂Ids/∂V
g)。従って、∂2 Ids/∂Vg2 の成分はほぼゼロと
なり、後述する3次相互変調歪みが極めて小さくなる。
また、このことは、ゲートバイアスを深くし(負の方向
に大きくし)ドレイン電流を絞った領域においても、電
界効果トランジスタの増幅率即ち出力効率が低下しない
ことをも意味する。
スタの長ゲート効果抑制機能によって、ドレイン電流I
dsは、ゲートバイアス電圧Vgの変化に対してほぼ線形
の関係を保ちながら増加し、例えば、Vgo= 0.4ボルト
〔V〕付近までほぼ線形に増加する優れた特性が得られ
る。即ち、相互コンダクタンスgm は、ゲートバイアス
に依存せず、平坦な特性を有する(gm=∂Ids/∂V
g)。従って、∂2 Ids/∂Vg2 の成分はほぼゼロと
なり、後述する3次相互変調歪みが極めて小さくなる。
また、このことは、ゲートバイアスを深くし(負の方向
に大きくし)ドレイン電流を絞った領域においても、電
界効果トランジスタの増幅率即ち出力効率が低下しない
ことをも意味する。
【0008】しかしながら、このような電界効果トラン
ジスタは、温度変化に起因して例えばゲート電圧に対す
るドレイン電流が変動する。図3には、この種の電界効
果トランジスタのゲート電圧−ドレイン電流相対値特性
が示されている。図3に示されるように、ゲート電圧V
g=0Vのときのドレイン電流Idssoに対するドレイン
電流Idsの相対値「Idsso/Ids」の対ゲート電圧Vg
特性は、温度の上昇に伴って太線Aから細線Bへと変動
し勾配(即ち、相互コンダクタンスgm )が低下してゆ
く。従って、公衆用PHS基地局等の屋外設備のように
電力増幅器の使用温度条件が厳しい送受信設備に用いよ
うとすると、所望の特性を維持することができない。
ジスタは、温度変化に起因して例えばゲート電圧に対す
るドレイン電流が変動する。図3には、この種の電界効
果トランジスタのゲート電圧−ドレイン電流相対値特性
が示されている。図3に示されるように、ゲート電圧V
g=0Vのときのドレイン電流Idssoに対するドレイン
電流Idsの相対値「Idsso/Ids」の対ゲート電圧Vg
特性は、温度の上昇に伴って太線Aから細線Bへと変動
し勾配(即ち、相互コンダクタンスgm )が低下してゆ
く。従って、公衆用PHS基地局等の屋外設備のように
電力増幅器の使用温度条件が厳しい送受信設備に用いよ
うとすると、所望の特性を維持することができない。
【0009】また、7通話チャンネル用PHS基地局送
信部などの隣接送信チャンネルでは、後述するように、
3次相互変調歪みや隣接チャンネル漏洩電力等の歪み特
性が生じてこれらを規定値以下にしなければならないと
いう新たな問題を投げかけているが、特に、このような
隣接送信チャンネルに電界効果トランジスタを用いよう
とする場合、これらの歪み特性は、ドレイン電流に比例
する関係があるので、温度が上昇していくと悪化する温
度依存傾向があり、さらに深刻な温度変動の問題を提起
している。
信部などの隣接送信チャンネルでは、後述するように、
3次相互変調歪みや隣接チャンネル漏洩電力等の歪み特
性が生じてこれらを規定値以下にしなければならないと
いう新たな問題を投げかけているが、特に、このような
隣接送信チャンネルに電界効果トランジスタを用いよう
とする場合、これらの歪み特性は、ドレイン電流に比例
する関係があるので、温度が上昇していくと悪化する温
度依存傾向があり、さらに深刻な温度変動の問題を提起
している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の主た
る目的は、このような諸事情を考慮して、簡単な構成で
しかも確実に、広範囲にわたる温度変化による特性変動
を補償し、一定の特性を維持することができる電力増幅
器を提供することにある。
る目的は、このような諸事情を考慮して、簡単な構成で
しかも確実に、広範囲にわたる温度変化による特性変動
を補償し、一定の特性を維持することができる電力増幅
器を提供することにある。
【0011】また、本発明の目的は、線形性に優れた電
界効果トランジスタを用いて温度補償作用をより確実に
すると共に、隣接送信チャンネルに用いられた際にも両
送信チャンネル間で生じる歪み特性を改良することがで
きる電力増幅器を提供することにある。
界効果トランジスタを用いて温度補償作用をより確実に
すると共に、隣接送信チャンネルに用いられた際にも両
送信チャンネル間で生じる歪み特性を改良することがで
きる電力増幅器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題は、本発明
に従い、少なくとも最終段の増幅素子として電界効果ト
ランジスタ(FET)を備える電力増幅器において、該
FETのゲートバイアスが所定の抵抗値をもつ抵抗を介
して供給することによって達成することができる。
に従い、少なくとも最終段の増幅素子として電界効果ト
ランジスタ(FET)を備える電力増幅器において、該
FETのゲートバイアスが所定の抵抗値をもつ抵抗を介
して供給することによって達成することができる。
【0013】つまり、電界効果トランジスタは、温度上
昇に応じて所定ゲート電圧に対するドレイン電流が減少
するという第1の温度依存特性を有するが、ゲートリー
ク電流が温度上昇に応じて増大するという第2の温度依
存特性も備えている。本発明は、この第2の温度依存特
性に着目し、このゲートリーク電流特性に基づくゲート
電圧変化の方向を、第1の温度依存特性によるドレイン
電流変動とは逆の方向に作用させてドレイン電流変動を
補償することができるようにしている。本発明によれ
ば、所定値の抵抗を介してゲートバイアスを供給するの
で、温度変化に起因してドレイン電流変動を効果的に抑
制することができる。
昇に応じて所定ゲート電圧に対するドレイン電流が減少
するという第1の温度依存特性を有するが、ゲートリー
ク電流が温度上昇に応じて増大するという第2の温度依
存特性も備えている。本発明は、この第2の温度依存特
性に着目し、このゲートリーク電流特性に基づくゲート
電圧変化の方向を、第1の温度依存特性によるドレイン
電流変動とは逆の方向に作用させてドレイン電流変動を
補償することができるようにしている。本発明によれ
ば、所定値の抵抗を介してゲートバイアスを供給するの
で、温度変化に起因してドレイン電流変動を効果的に抑
制することができる。
【0014】本発明の大きな特徴によると、ゲートバイ
アス供給用抵抗にゲートリーク電流が流れることにより
発生する電圧降下によってゲートバイアスが変化させら
れ、ゲートバイアス供給用抵抗の抵抗値は、このゲート
バイアス変化によって、前記FETのドレイン電流の温
度特性を相殺するように選定されている。これによっ
て、温度に起因するドレイン電流の変動をうまく補償す
ることができる。
アス供給用抵抗にゲートリーク電流が流れることにより
発生する電圧降下によってゲートバイアスが変化させら
れ、ゲートバイアス供給用抵抗の抵抗値は、このゲート
バイアス変化によって、前記FETのドレイン電流の温
度特性を相殺するように選定されている。これによっ
て、温度に起因するドレイン電流の変動をうまく補償す
ることができる。
【0015】本発明の別の特徴に従うと、電界効果トラ
ンジスタとして、不純物が活性層のみにパルス状にドー
プされたGaAs−MESFETが用いられ、これによ
って、線形性等の優れた特性を活かすと共に温度補償効
果を確実にすることができる。この種のパルスドープ電
界効果トランジスタは、図2に示すように、ドレイン電
流Idsがゲート電圧Vgに対して優れた線形性、つま
り、広いゲート電圧範囲にわたって一定の相互コンダク
タンスgm を有している。本発明によると、温度変化に
起因して生じるドレイン電流変動ΔIdst は、温度変化
に応答して発生されるゲート電圧変化ΔVgt に基づい
て補償されるので、電流電圧変化比ΔIdst /ΔVgt
(つまりgm )の一定性が高ければ高い程補償効果が確
実になる。従って、パルスドープ構造電界効果トランジ
スタのもつ優れた線形性が本発明の補償作用にうまく適
合し、このトランジスタを用いることによって温度補償
効果を確実にすることができる。
ンジスタとして、不純物が活性層のみにパルス状にドー
プされたGaAs−MESFETが用いられ、これによ
って、線形性等の優れた特性を活かすと共に温度補償効
果を確実にすることができる。この種のパルスドープ電
界効果トランジスタは、図2に示すように、ドレイン電
流Idsがゲート電圧Vgに対して優れた線形性、つま
り、広いゲート電圧範囲にわたって一定の相互コンダク
タンスgm を有している。本発明によると、温度変化に
起因して生じるドレイン電流変動ΔIdst は、温度変化
に応答して発生されるゲート電圧変化ΔVgt に基づい
て補償されるので、電流電圧変化比ΔIdst /ΔVgt
(つまりgm )の一定性が高ければ高い程補償効果が確
実になる。従って、パルスドープ構造電界効果トランジ
スタのもつ優れた線形性が本発明の補償作用にうまく適
合し、このトランジスタを用いることによって温度補償
効果を確実にすることができる。
【0016】本発明の他の特徴によれば、本発明の電力
増幅器は隣接送信チャンネルを備える屋外用送受信設備
で使用され、これによって、3次相互変調歪みや隣接チ
ャンネル漏洩電力等の歪み特性の悪化をも防止すること
ができる。
増幅器は隣接送信チャンネルを備える屋外用送受信設備
で使用され、これによって、3次相互変調歪みや隣接チ
ャンネル漏洩電力等の歪み特性の悪化をも防止すること
ができる。
【0017】この発明の他の特徴及び利点は、添付した
図面を用いた実施例についてなされる以下の説明からよ
り明瞭に理解することができるが、本発明の範囲は、こ
れらの説明によって何ら限定されず、特許請求の範囲の
規定のみによって限定される。
図面を用いた実施例についてなされる以下の説明からよ
り明瞭に理解することができるが、本発明の範囲は、こ
れらの説明によって何ら限定されず、特許請求の範囲の
規定のみによって限定される。
【0018】
〔トランジスタゲートバイアス回路〕図4には、本発明
の一実施例による電力増幅器の要部の構成が示されてい
る。図4に示されるように、電力増幅器の増幅素子であ
る電界効果トランジスタFETは、ゲート電圧Vgの変
化ΔVgに対するドレイン電流Idsの変化量ΔIdsがほ
ぼ一定であるという特性を有しており、例えば、図1で
説明したパルスドープ構造GaAsMESFETを用い
ることができる。電界効果トランジスタFETのゲート
Gには、例えば-3Vのゲートバイアス用電源Vggから微
小なバイアス電流Ibが通流される直列抵抗R1〜R3
からなる分圧回路を介してゲートバイアスが与えられる
ようになっている。
の一実施例による電力増幅器の要部の構成が示されてい
る。図4に示されるように、電力増幅器の増幅素子であ
る電界効果トランジスタFETは、ゲート電圧Vgの変
化ΔVgに対するドレイン電流Idsの変化量ΔIdsがほ
ぼ一定であるという特性を有しており、例えば、図1で
説明したパルスドープ構造GaAsMESFETを用い
ることができる。電界効果トランジスタFETのゲート
Gには、例えば-3Vのゲートバイアス用電源Vggから微
小なバイアス電流Ibが通流される直列抵抗R1〜R3
からなる分圧回路を介してゲートバイアスが与えられる
ようになっている。
【0019】図5(a)には、電界効果トランジスタF
ETのゲートリーク電流Igが温度Tに依存して変化す
る第2の温度依存特性が示されている。電界効果トラン
ジスタFETは、図5(a)に示されるように、温度T
が上昇するにつれてゲートリーク電流Igが増大すると
いう温度依存性を有し、例えば、後述する電力増幅器の
ようにゲート幅10.4mmの電界効果トランジスタで出力
30dBm の場合には、動作温度Tが25℃から75℃に変化
したとき、ゲートリーク電流Igは変化分ΔIgt=20μ
Aだけ増大する。
ETのゲートリーク電流Igが温度Tに依存して変化す
る第2の温度依存特性が示されている。電界効果トラン
ジスタFETは、図5(a)に示されるように、温度T
が上昇するにつれてゲートリーク電流Igが増大すると
いう温度依存性を有し、例えば、後述する電力増幅器の
ようにゲート幅10.4mmの電界効果トランジスタで出力
30dBm の場合には、動作温度Tが25℃から75℃に変化
したとき、ゲートリーク電流Igは変化分ΔIgt=20μ
Aだけ増大する。
【0020】他方で、電界効果トランジスタFETのド
レイン電流Idsは、第1の温度依存特性を示す図3を用
いて前述したように、温度変化に起因して変動する。図
5(b)には、バイアス点BP近傍が図3より拡大され
た状態で、このトランジスタFETのゲート電圧Vgに
対するドレイン電流相対値Ids/Idssoの特性が示され
ている。図5(b)に示されるように、電界効果トラン
ジスタFETのドレイン電流Idsは、温度上昇に応じ、
電流相対値Ids/Idssoで表すと所定のゲート電圧(-
1.8V)のクロスポイントCP(Ids/Idsso=20%)
を支点として、太線Aから細線Bのように減少する。し
かしながら、本発明に従うと、温度変化に対して図5
(a)のように応答するゲートリーク電流Igの変化を
図4の回路構成により利用することによって、このよう
なドレイン電流Idsの変動をうまく補償することができ
る。
レイン電流Idsは、第1の温度依存特性を示す図3を用
いて前述したように、温度変化に起因して変動する。図
5(b)には、バイアス点BP近傍が図3より拡大され
た状態で、このトランジスタFETのゲート電圧Vgに
対するドレイン電流相対値Ids/Idssoの特性が示され
ている。図5(b)に示されるように、電界効果トラン
ジスタFETのドレイン電流Idsは、温度上昇に応じ、
電流相対値Ids/Idssoで表すと所定のゲート電圧(-
1.8V)のクロスポイントCP(Ids/Idsso=20%)
を支点として、太線Aから細線Bのように減少する。し
かしながら、本発明に従うと、温度変化に対して図5
(a)のように応答するゲートリーク電流Igの変化を
図4の回路構成により利用することによって、このよう
なドレイン電流Idsの変動をうまく補償することができ
る。
【0021】本発明の一実施例による温度補償動作を説
明すると、次のとおりである。電界効果トランジスタF
ETのゲートバイアスを供給する抵抗R1は後述する所
定の抵抗値Rに選定され、いま、このトランジスタFE
Tが或る温度下で図5(b)の特性曲線Aのバイアス点
BPで示されるゲートバイアスが供給されているものと
する。ここで温度が変化分ΔTだけ上昇すると、第1の
温度依存特性に従って、電界効果トランジスタFETの
動作は曲線B上に移行し、ドレイン電流Idsは、曲線B
上の同一ゲートバイアス点BPtに対応する値に、つま
り、同図のΔに相当する電流変動量ΔIdst だけ、減少
しようとする。この電流変動量ΔIdstは、比例定数k
dを用いて次式(1)で近似することができる。 ΔIdst =kdΔT (1)
明すると、次のとおりである。電界効果トランジスタF
ETのゲートバイアスを供給する抵抗R1は後述する所
定の抵抗値Rに選定され、いま、このトランジスタFE
Tが或る温度下で図5(b)の特性曲線Aのバイアス点
BPで示されるゲートバイアスが供給されているものと
する。ここで温度が変化分ΔTだけ上昇すると、第1の
温度依存特性に従って、電界効果トランジスタFETの
動作は曲線B上に移行し、ドレイン電流Idsは、曲線B
上の同一ゲートバイアス点BPtに対応する値に、つま
り、同図のΔに相当する電流変動量ΔIdst だけ、減少
しようとする。この電流変動量ΔIdstは、比例定数k
dを用いて次式(1)で近似することができる。 ΔIdst =kdΔT (1)
【0022】一方、この温度上昇分ΔTにより、図5
(a)に示される第2の温度依存特性に従って、ゲート
リーク電流Igは電流変化分ΔIgtだけ増大し、この電
流変化分ΔIgtも、同様に、 ΔIgt=kgΔT (2) で表すことができる。この変化は抵抗R1により電圧降
下として検出され、ゲート電圧Vgはこれに応答して電
圧変化量ΔVgtだけ増大させられる。このゲート電圧変
化量ΔVgtは、本発明に従って温度補償のために利用さ
れ、近似的に、比例定数kgを導入して次式(3)で示
すことができる。 ΔVgt=ΔIgt×R (3)
(a)に示される第2の温度依存特性に従って、ゲート
リーク電流Igは電流変化分ΔIgtだけ増大し、この電
流変化分ΔIgtも、同様に、 ΔIgt=kgΔT (2) で表すことができる。この変化は抵抗R1により電圧降
下として検出され、ゲート電圧Vgはこれに応答して電
圧変化量ΔVgtだけ増大させられる。このゲート電圧変
化量ΔVgtは、本発明に従って温度補償のために利用さ
れ、近似的に、比例定数kgを導入して次式(3)で示
すことができる。 ΔVgt=ΔIgt×R (3)
【0023】このゲート電圧Vgの変化に伴い、電界効
果トランジスタFETは、第1の温度依存特性に従っ
て、図5(b)の曲線B上の補償用変化量ΔVgtだけ増
大した点BPcにバイアス点が移される。ここで、電界
効果トランジスタFETは、パルスドープ構造GaAs
MESFETのように、ゲート電圧Vgの変化ΔVgに
対するドレイン電流Idsの変化量ΔIdsは、ほぼ一定、
つまり、 ΔIds/ΔVg=gm =一定 (4) である。従って、ドレイン電流Idsは、この(4)式か
ら、 ΔIdsc =gm ×ΔVgt (5) で示される変化分ΔIdsc だけ増大し、この電流変化分
ΔIdsc は温度補償量として機能する。
果トランジスタFETは、第1の温度依存特性に従っ
て、図5(b)の曲線B上の補償用変化量ΔVgtだけ増
大した点BPcにバイアス点が移される。ここで、電界
効果トランジスタFETは、パルスドープ構造GaAs
MESFETのように、ゲート電圧Vgの変化ΔVgに
対するドレイン電流Idsの変化量ΔIdsは、ほぼ一定、
つまり、 ΔIds/ΔVg=gm =一定 (4) である。従って、ドレイン電流Idsは、この(4)式か
ら、 ΔIdsc =gm ×ΔVgt (5) で示される変化分ΔIdsc だけ増大し、この電流変化分
ΔIdsc は温度補償量として機能する。
【0024】つまり、(2)、(3)及び(5)式か
ら、ゲート電圧変化量ΔVgtによるドレイン電流変化分
ΔIdsc は、 ΔIdsc =R×gm ×kg×ΔT (6) で表される。ここで、ゲートバイアス供給用抵抗R1の
抵抗値Rは、 R=kd/(kg×gm ) (7) となるように選定されているので、 ΔIdsc =kd×ΔT (8) となる。
ら、ゲート電圧変化量ΔVgtによるドレイン電流変化分
ΔIdsc は、 ΔIdsc =R×gm ×kg×ΔT (6) で表される。ここで、ゲートバイアス供給用抵抗R1の
抵抗値Rは、 R=kd/(kg×gm ) (7) となるように選定されているので、 ΔIdsc =kd×ΔT (8) となる。
【0025】式(1)及び(8)を対比して明らかなよ
うに、温度変化分ΔTに起因して生起されるドレイン電
流変動量ΔIdst は、温度変化分ΔTが抵抗R1により
検出されることに応答して発生されるゲート電圧変化量
ΔVgtによるドレイン電流変化分ΔIdsc に等しく、こ
のドレイン電流変化分ΔIdsc によって相殺される。つ
まり、電界効果トランジスタFETは、図5(b)にお
いて、温度変化ΔTが生じると、曲線B上の点BPtに
バイアス点を移そうとするが、補償用ゲート電圧変化量
ΔVgtにより同一ドレイン電流の点BPcを新たなバイ
アス点として動作するので、温度変動に拘わらず一定し
たドレイン電流特性が得られるわけである。
うに、温度変化分ΔTに起因して生起されるドレイン電
流変動量ΔIdst は、温度変化分ΔTが抵抗R1により
検出されることに応答して発生されるゲート電圧変化量
ΔVgtによるドレイン電流変化分ΔIdsc に等しく、こ
のドレイン電流変化分ΔIdsc によって相殺される。つ
まり、電界効果トランジスタFETは、図5(b)にお
いて、温度変化ΔTが生じると、曲線B上の点BPtに
バイアス点を移そうとするが、補償用ゲート電圧変化量
ΔVgtにより同一ドレイン電流の点BPcを新たなバイ
アス点として動作するので、温度変動に拘わらず一定し
たドレイン電流特性が得られるわけである。
【0026】このように、本発明によると、バイアス供
給用抵抗値Rを(7)式に従い適当な値に選定すること
によって、温度変化があったとき、ドレイン電流Idsが
変動する現象が、ゲートリーク電流Igの変化に応答し
て抵抗R1及びゲート電極Gの作用を介してドレイン電
流Idsを逆方向に変化させる効果によってキャンセルす
ることができる。そして、このキャンセル効果は、
(4)式のように一定のドレイン電流変化率をもつもの
であれば、パルスドープ構造の電界効果トランジスタに
限らず、他の電界効果トランジスタに適用することがで
きる。
給用抵抗値Rを(7)式に従い適当な値に選定すること
によって、温度変化があったとき、ドレイン電流Idsが
変動する現象が、ゲートリーク電流Igの変化に応答し
て抵抗R1及びゲート電極Gの作用を介してドレイン電
流Idsを逆方向に変化させる効果によってキャンセルす
ることができる。そして、このキャンセル効果は、
(4)式のように一定のドレイン電流変化率をもつもの
であれば、パルスドープ構造の電界効果トランジスタに
限らず、他の電界効果トランジスタに適用することがで
きる。
【0027】なお、温度変化に起因するドレイン電流変
動ΔIdst やゲートリーク電流変化ΔIgtが、式(1)
や(2)のように、「kd」、「kg」を定数として線
形近似できない場合には、これらの値を温度Tの関数k
d(T) 、kg(T) とし、抵抗R1或いは分圧回路R1〜
R3に適当な温度応答要素(例えば、非線形な温度依存
性抵抗素子乃至回路)を用いる等の適当な方法によっ
て、等価的なバイアス抵抗値Rが、 R=kd(T) /〔kg(T) ×gm 〕 (7’) を満足するようにすればよい。
動ΔIdst やゲートリーク電流変化ΔIgtが、式(1)
や(2)のように、「kd」、「kg」を定数として線
形近似できない場合には、これらの値を温度Tの関数k
d(T) 、kg(T) とし、抵抗R1或いは分圧回路R1〜
R3に適当な温度応答要素(例えば、非線形な温度依存
性抵抗素子乃至回路)を用いる等の適当な方法によっ
て、等価的なバイアス抵抗値Rが、 R=kd(T) /〔kg(T) ×gm 〕 (7’) を満足するようにすればよい。
【0028】〔電力増幅器の具体的構成例〕図6には、
本発明の一実施例による2段の電界効果トランジスタ増
幅素子FET1 ,FET2 を使用する電力増幅器の一回
路構成例が示されている。この回路は、各増幅素子FE
T1 ,FET2 に前述したパルスドープ構造GaAsM
ESFETを用いて、7通話チャンネル用PHS基地局
送信部などの隣接送信チャンネルで使用することができ
るようにしたものであり、使用温度範囲 -20〜75℃、消
費電力を 3.5W以下(電圧5V、電流 700mA以下)、
出力信号Soの電力を30dBm (1W〔ワット〕)と
し、30dBm 出力時において、26dB以上の利得を得る
と共に隣接チャンネル漏洩電力PAC600 ,PAC900 を夫
々-60 dBc 、-65 dBc 以下とすることを目標に設定
して構成されている。
本発明の一実施例による2段の電界効果トランジスタ増
幅素子FET1 ,FET2 を使用する電力増幅器の一回
路構成例が示されている。この回路は、各増幅素子FE
T1 ,FET2 に前述したパルスドープ構造GaAsM
ESFETを用いて、7通話チャンネル用PHS基地局
送信部などの隣接送信チャンネルで使用することができ
るようにしたものであり、使用温度範囲 -20〜75℃、消
費電力を 3.5W以下(電圧5V、電流 700mA以下)、
出力信号Soの電力を30dBm (1W〔ワット〕)と
し、30dBm 出力時において、26dB以上の利得を得る
と共に隣接チャンネル漏洩電力PAC600 ,PAC900 を夫
々-60 dBc 、-65 dBc 以下とすることを目標に設定
して構成されている。
【0029】〔7通話チャンネル用PHS基地局の例〕
例えば、PHSでは、1.9 GHz帯( 1895.75〜1918.5
5 MHz)の搬送無線周波数を使用し、この周波数帯域
に 300kHz毎に77チャンネルが割当てられ、信号はマ
ルチキャリアTDMA方式で4元に多重されて通信され
る。最近は、PHSの利用者が急速に増大しているた
め、基地局に送受信チャンネルを増設して1つの基地局
エリアでアクセスすることができる端末の数を従来の3
台から7台に増やす試みが行われているので、7台の端
末にアクセスすることができるようにした7通話チャン
ネル用基地局の例を図7,8により簡単に説明しておこ
う。
例えば、PHSでは、1.9 GHz帯( 1895.75〜1918.5
5 MHz)の搬送無線周波数を使用し、この周波数帯域
に 300kHz毎に77チャンネルが割当てられ、信号はマ
ルチキャリアTDMA方式で4元に多重されて通信され
る。最近は、PHSの利用者が急速に増大しているた
め、基地局に送受信チャンネルを増設して1つの基地局
エリアでアクセスすることができる端末の数を従来の3
台から7台に増やす試みが行われているので、7台の端
末にアクセスすることができるようにした7通話チャン
ネル用基地局の例を図7,8により簡単に説明しておこ
う。
【0030】図7,8に示すようにこの基地局には2組
の送受信チャンネルが備えられ、隣接する送受信チャン
ネルは、互いに所定周波数だけ隔てられた2つの搬送無
線周波数f1 ,f2 で動作するようにしており、各送受
信チャンネル(f1 ,f2 )には図8のように通話チャ
ンネルが割当てられる。図8に示されるように、1フレ
ームfrは8チャンネルスロットcs0 〜cs7 (夫々
625 μs)からなり、第1の送受信チャンネル(f1 )
では、1チャンネルスロット対cs0 ;cs4が制御チ
ャンネルch0 として使用され3チャンネルスロット対
cs1 ;cs5〜cs3 ;cs7 は3端末との通話チャ
ンネルch1 〜ch3 に夫々割当られる。第2の送受信
チャンネル(f2 )では4チャンネルスロット対c
s0 ;cs4〜cs3 ;cs7 が全て4端末との通話チ
ャンネルch4 〜ch7 に夫々割当てることができるの
で、計7台の端末にアクセスすることができる。つま
り、各送受信チャンネル(f1 ,f2 )にて送信(Tx
1 ,Tx2 )と受信(Rx1 ,Rx2 )で一周波数
f1 ,f2 を使用する時分割二重(TDD)方式が併用
され、4通話チャンネル(2.5 ms)毎の送受信切換え
によって、各チャンネルスロット対にて送信及び受信を
一定時間ずつ交互に行う。
の送受信チャンネルが備えられ、隣接する送受信チャン
ネルは、互いに所定周波数だけ隔てられた2つの搬送無
線周波数f1 ,f2 で動作するようにしており、各送受
信チャンネル(f1 ,f2 )には図8のように通話チャ
ンネルが割当てられる。図8に示されるように、1フレ
ームfrは8チャンネルスロットcs0 〜cs7 (夫々
625 μs)からなり、第1の送受信チャンネル(f1 )
では、1チャンネルスロット対cs0 ;cs4が制御チ
ャンネルch0 として使用され3チャンネルスロット対
cs1 ;cs5〜cs3 ;cs7 は3端末との通話チャ
ンネルch1 〜ch3 に夫々割当られる。第2の送受信
チャンネル(f2 )では4チャンネルスロット対c
s0 ;cs4〜cs3 ;cs7 が全て4端末との通話チ
ャンネルch4 〜ch7 に夫々割当てることができるの
で、計7台の端末にアクセスすることができる。つま
り、各送受信チャンネル(f1 ,f2 )にて送信(Tx
1 ,Tx2 )と受信(Rx1 ,Rx2 )で一周波数
f1 ,f2 を使用する時分割二重(TDD)方式が併用
され、4通話チャンネル(2.5 ms)毎の送受信切換え
によって、各チャンネルスロット対にて送信及び受信を
一定時間ずつ交互に行う。
【0031】基地局送信部の両送信チャンネルTx1 ,
Tx2 には、625 μs毎の制御・通話チャンネルチャン
ネルch0 〜ch3 ;ch4 〜ch7 に対応して、図7
に示すように、所定無線周波数の送信信号s1 ,s2 が
夫々与えられ、それぞれ、ミクサM1 ,M2 で周波数増
大用の電圧制御発振器VCOからの高周波信号が混合さ
れ、自動レベル調整増幅器ALCA1 ,ALCA2 及び
帯域フィルタBPF1,BPF2 を介して、搬送無線周
波数f1 ,f2 に高められて(Si1 ,Si2)電力増
幅器PA1 ,PA2 に与えられる。電力増幅器PA1 ,
PA2 によって個別に増幅された送信信号So1 ,So
2 はアイソレータIS1 ,IS2 を通り、方向性結合器
DC(例、3dB)にてパワー合成された後、送受切換
スイッチS及び帯域フィルタBPFを介して、アンテナ
ATから、例えば22.0dBm (160 mW〔ミリワッ
ト〕)の瞬時出力で発信することができる。
Tx2 には、625 μs毎の制御・通話チャンネルチャン
ネルch0 〜ch3 ;ch4 〜ch7 に対応して、図7
に示すように、所定無線周波数の送信信号s1 ,s2 が
夫々与えられ、それぞれ、ミクサM1 ,M2 で周波数増
大用の電圧制御発振器VCOからの高周波信号が混合さ
れ、自動レベル調整増幅器ALCA1 ,ALCA2 及び
帯域フィルタBPF1,BPF2 を介して、搬送無線周
波数f1 ,f2 に高められて(Si1 ,Si2)電力増
幅器PA1 ,PA2 に与えられる。電力増幅器PA1 ,
PA2 によって個別に増幅された送信信号So1 ,So
2 はアイソレータIS1 ,IS2 を通り、方向性結合器
DC(例、3dB)にてパワー合成された後、送受切換
スイッチS及び帯域フィルタBPFを介して、アンテナ
ATから、例えば22.0dBm (160 mW〔ミリワッ
ト〕)の瞬時出力で発信することができる。
【0032】電力増幅器PA1 ,PA2 間には方向性結
合器DCを介して出力信号S12,S21が互いに回り込み
合う現象Cが生じる。この回り込み現象Cによって、電
力が漏洩して隣接チャンネル漏洩電力が生じるだけでな
く「リバースIM3 」と呼ばれる第3次相互変調歪み等
の信号歪みをもたらす。このような隣接チャンネル漏洩
電力やリバースIM3 等の歪み特性は、システムの規格
等によって所定値以下に制限されており、この制限を満
足する必要がある。なお、隣接チャンネル漏洩電力PAC
については、本明細書では、両送信チャンネルTx1 ,
Tx2 から同時に送信される周波数f1 ,f2 の周波数
差(通常 600又は900 kHz離調が採用される)に対応
して記号「PAC600 」、「PAC900 」等で表しており
("ACP600又は900"とも呼ばれる)、通常、中心周波数
(f1 ,f2 )の送信電力成分に対するdB値「dBc
」で表される。
合器DCを介して出力信号S12,S21が互いに回り込み
合う現象Cが生じる。この回り込み現象Cによって、電
力が漏洩して隣接チャンネル漏洩電力が生じるだけでな
く「リバースIM3 」と呼ばれる第3次相互変調歪み等
の信号歪みをもたらす。このような隣接チャンネル漏洩
電力やリバースIM3 等の歪み特性は、システムの規格
等によって所定値以下に制限されており、この制限を満
足する必要がある。なお、隣接チャンネル漏洩電力PAC
については、本明細書では、両送信チャンネルTx1 ,
Tx2 から同時に送信される周波数f1 ,f2 の周波数
差(通常 600又は900 kHz離調が採用される)に対応
して記号「PAC600 」、「PAC900 」等で表しており
("ACP600又は900"とも呼ばれる)、通常、中心周波数
(f1 ,f2 )の送信電力成分に対するdB値「dBc
」で表される。
【0033】〔隣接チャンネル用電力増幅器への適用〕
本発明の一実施例による図6の電力増幅器PAは、この
ように隣接する送信チャンネルTx1 ,Tx2 の電力増
幅器PA1 ,PA2 として使用することができる。一般
に、公衆用PHS基地局等の屋外で使用される送信設備
は温度条件が比較的厳しいので、このような設備内に設
置される電力増幅器には、少なくとも -20〜75℃の温度
範囲で一定の特性を維持することが要求されるが、既に
説明した本発明による電力増幅器の温度補償効果は、こ
のように広い温度変動範囲においても十分に奏し得るこ
とが確認されている。
本発明の一実施例による図6の電力増幅器PAは、この
ように隣接する送信チャンネルTx1 ,Tx2 の電力増
幅器PA1 ,PA2 として使用することができる。一般
に、公衆用PHS基地局等の屋外で使用される送信設備
は温度条件が比較的厳しいので、このような設備内に設
置される電力増幅器には、少なくとも -20〜75℃の温度
範囲で一定の特性を維持することが要求されるが、既に
説明した本発明による電力増幅器の温度補償効果は、こ
のように広い温度変動範囲においても十分に奏し得るこ
とが確認されている。
【0034】また、前述した隣接チャンネル漏洩電力や
リバースIM3 等の歪み特性は、電力増幅器の電界効果
トランジスタ増幅素子のドレイン電流に比例するので、
温度変化に起因して変動し、温度が上昇すると悪化する
傾向にあったが、本発明による電力増幅器の温度補償効
果は、このような歪み特性の悪化を防止することができ
る。
リバースIM3 等の歪み特性は、電力増幅器の電界効果
トランジスタ増幅素子のドレイン電流に比例するので、
温度変化に起因して変動し、温度が上昇すると悪化する
傾向にあったが、本発明による電力増幅器の温度補償効
果は、このような歪み特性の悪化を防止することができ
る。
【0035】図9には、図6の電力増幅器PAを隣接送
信チャンネルTx1 ,Tx2 の電力増幅器PA1 ,PA
2 に使用し、周波数 1906.55MHz、Vdd=5V、Vgg
=-3Vの動作条件とした場合に、出力電力POUT が30d
Bm のときに得られた消費電流Ids及び隣接チャンネル
漏洩電力PACの温度特性が示されている。この図に示さ
れるように、出力電流Idsの変動量は、-20 〜75℃の温
度範囲で10mA以下になり、600 kHz離調の隣接チャ
ンネル漏洩電力PAC600 の温度変動量は 1.5dBc 以下
になるという良好な結果が得られ、本発明により所望の
温度補償効果を奏することを十分に確認することができ
た。
信チャンネルTx1 ,Tx2 の電力増幅器PA1 ,PA
2 に使用し、周波数 1906.55MHz、Vdd=5V、Vgg
=-3Vの動作条件とした場合に、出力電力POUT が30d
Bm のときに得られた消費電流Ids及び隣接チャンネル
漏洩電力PACの温度特性が示されている。この図に示さ
れるように、出力電流Idsの変動量は、-20 〜75℃の温
度範囲で10mA以下になり、600 kHz離調の隣接チャ
ンネル漏洩電力PAC600 の温度変動量は 1.5dBc 以下
になるという良好な結果が得られ、本発明により所望の
温度補償効果を奏することを十分に確認することができ
た。
【0036】PHS基地局のような屋外設備では、電力
増幅器の消費電力の低減により放熱設計を簡単にするだ
けでなく設備容量やバッテリ容量を低減して設備コスト
を下げることが要請されている。このような電力増幅器
にパルスドープ構造電界効果トランジスタを使用する
と、消費電力を低減しつつ隣接チャンネル漏洩電力PAC
等の隣接チャンネル間障害を制限することができること
が分かっているが、本発明による温度補償効果によって
これらの障害の温度変動量も少なくなるので、さらに、
消費電力を低減することができる。
増幅器の消費電力の低減により放熱設計を簡単にするだ
けでなく設備容量やバッテリ容量を低減して設備コスト
を下げることが要請されている。このような電力増幅器
にパルスドープ構造電界効果トランジスタを使用する
と、消費電力を低減しつつ隣接チャンネル漏洩電力PAC
等の隣接チャンネル間障害を制限することができること
が分かっているが、本発明による温度補償効果によって
これらの障害の温度変動量も少なくなるので、さらに、
消費電力を低減することができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電力増幅
器によると、温度変化により電界効果トランジスタのゲ
ートリーク電流が変化するのに応答するように、所定値
に設定されたゲートバイアス供給用抵抗を介してゲート
電圧を変化し、このゲート電圧の変化に応じてドレイン
電流が変化させられ、このドレイン電流変化量によっ
て、温度変化に起因して生じるドレイン電流の変動量を
相殺するという極く簡単な構成で、温度補償を効果的に
行うことができる。
器によると、温度変化により電界効果トランジスタのゲ
ートリーク電流が変化するのに応答するように、所定値
に設定されたゲートバイアス供給用抵抗を介してゲート
電圧を変化し、このゲート電圧の変化に応じてドレイン
電流が変化させられ、このドレイン電流変化量によっ
て、温度変化に起因して生じるドレイン電流の変動量を
相殺するという極く簡単な構成で、温度補償を効果的に
行うことができる。
【0038】また、電界効果トランジスタには不純物が
パルス状にドープされた活性層を備えるパルスドープ構
造GaAsMESFETを用いることによって、線形性
等の優れた特性を活かすと共に温度補償効果を確実にす
ることができる。さらに、本発明の電力増幅器を隣接送
信チャンネルを備える屋外用送受信設備に使用すること
によって、3次相互変調歪みや隣接チャンネル漏洩電力
等の歪み特性の悪化をも防止することができ、この種の
送信設備の消費電力低減にも寄与することができる。
パルス状にドープされた活性層を備えるパルスドープ構
造GaAsMESFETを用いることによって、線形性
等の優れた特性を活かすと共に温度補償効果を確実にす
ることができる。さらに、本発明の電力増幅器を隣接送
信チャンネルを備える屋外用送受信設備に使用すること
によって、3次相互変調歪みや隣接チャンネル漏洩電力
等の歪み特性の悪化をも防止することができ、この種の
送信設備の消費電力低減にも寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パルスドープ構造の電界効果トランジスタの構
造例を示す断面図。
造例を示す断面図。
【図2】パルスドープ構造電界効果トランジスタのゲー
ト電圧に対するドレイン電流の特性を示す図。
ト電圧に対するドレイン電流の特性を示す図。
【図3】電界効果トランジスタのドレイン電流の温度依
存性を示す図。
存性を示す図。
【図4】本発明の一実施例による電力増幅器のトランジ
スタゲートバイアス回路要部を示す図。
スタゲートバイアス回路要部を示す図。
【図5】本発明の一実施例による電力増幅器におけるト
ランジスタのゲートリーク電流及びドレイン電流の温度
依存性を示す図。
ランジスタのゲートリーク電流及びドレイン電流の温度
依存性を示す図。
【図6】本発明の一実施例による電力増幅器の具体的回
路構成を示す図。
路構成を示す図。
【図7】PHSの7通話チャンネル用基地局の送信部を
示す図。
示す図。
【図8】PHSの7通話チャンネル用基地局のチャンネ
ル割当てを示す図。
ル割当てを示す図。
【図9】本発明の一実施例による電力増幅器の温度変化
に対する消費電流及び隣接チャネル漏洩電力を示す図。
に対する消費電流及び隣接チャネル漏洩電力を示す図。
A GaAs基板、 B p- GaAsバッファー層、 PD1,PD2 第1及び第2のパルスドープGaAs
チャンネル層、 GL 第1GaAs層、 IR1 ソース電極S及びドレイン電極Dの下に形成さ
れるn+ 注入領域、 IR2 n- 注入領域、 CP ゲート電極Gの下に形成されるn- GaAsキャ
ップ層、 Ids ドレイン電流、 Vg ゲート電圧、 gm 相互コンダクタンス、 Ig ゲートリーク電流、 FET,FET1,FET2 電界効果トランジスタ、 R1〜R3,R 抵抗、 PA,PA1 ,PA2 電力増幅器、 CP クロスポイント、 Δ 温度上昇前後の動作曲線A,B上のバイアス点B
P,BPtの変動量、 ΔVgt 補償用ゲートバイアス変化量、 BPc 補償用バイアス点、 TX1 ,TX2 周波数f1 ,f2 で同時に動作する隣
接送信チャンネル、 S12,S21 PA1 からPA2 へ及びPA2 からのPA
1 への回り込み信号、 PAC600 ,PAC900 隣接チャンネル漏洩電力。
チャンネル層、 GL 第1GaAs層、 IR1 ソース電極S及びドレイン電極Dの下に形成さ
れるn+ 注入領域、 IR2 n- 注入領域、 CP ゲート電極Gの下に形成されるn- GaAsキャ
ップ層、 Ids ドレイン電流、 Vg ゲート電圧、 gm 相互コンダクタンス、 Ig ゲートリーク電流、 FET,FET1,FET2 電界効果トランジスタ、 R1〜R3,R 抵抗、 PA,PA1 ,PA2 電力増幅器、 CP クロスポイント、 Δ 温度上昇前後の動作曲線A,B上のバイアス点B
P,BPtの変動量、 ΔVgt 補償用ゲートバイアス変化量、 BPc 補償用バイアス点、 TX1 ,TX2 周波数f1 ,f2 で同時に動作する隣
接送信チャンネル、 S12,S21 PA1 からPA2 へ及びPA2 からのPA
1 への回り込み信号、 PAC600 ,PAC900 隣接チャンネル漏洩電力。
Claims (3)
- 【請求項1】少なくとも最終段の増幅素子として電界効
果トランジスタ(FET)を備える電力増幅器におい
て、該FETのゲートバイアスが所定の抵抗値をもつ抵
抗を介して供給されることを特徴とする電力増幅器。 - 【請求項2】前記抵抗値は、前記FETのゲートリーク
電流が前記抵抗に流れて発生する電圧降下によるゲート
バイアスの変化によって、前記FETのドレイン電流の
温度特性を相殺するように選定されていることを特徴と
する請求項1に記載の電力増幅器。 - 【請求項3】前記FETは、不純物が活性層のみにパル
ス状にドープされたGaAs−MESFETであること
を特徴とする請求項1又は2に記載の電力増幅器
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9169416A JPH114125A (ja) | 1997-06-11 | 1997-06-11 | 電力増幅器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9169416A JPH114125A (ja) | 1997-06-11 | 1997-06-11 | 電力増幅器 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH114125A true JPH114125A (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=15886201
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9169416A Withdrawn JPH114125A (ja) | 1997-06-11 | 1997-06-11 | 電力増幅器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH114125A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6486724B2 (en) | 2000-02-23 | 2002-11-26 | Japan Radio Co., Ltd. | FET bias circuit |
| EP1137074A3 (en) * | 2000-03-17 | 2006-02-15 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Power field effect transistor |
| JPWO2022075315A1 (ja) * | 2020-10-06 | 2022-04-14 |
-
1997
- 1997-06-11 JP JP9169416A patent/JPH114125A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6486724B2 (en) | 2000-02-23 | 2002-11-26 | Japan Radio Co., Ltd. | FET bias circuit |
| EP1137074A3 (en) * | 2000-03-17 | 2006-02-15 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Power field effect transistor |
| JPWO2022075315A1 (ja) * | 2020-10-06 | 2022-04-14 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040907 |