JPH1143397A - シリコン単結晶およびその製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶およびその製造方法

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JPH1143397A
JPH1143397A JP19754997A JP19754997A JPH1143397A JP H1143397 A JPH1143397 A JP H1143397A JP 19754997 A JP19754997 A JP 19754997A JP 19754997 A JP19754997 A JP 19754997A JP H1143397 A JPH1143397 A JP H1143397A
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克彦 中居
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Toshio Iwasaki
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 チョクラルスキー法により製造される結晶に
おいて、COPおよびCOP発生原因となる微小欠陥を
低減させる結晶引上げ方法を提供する。 【解決手段】 結晶を融点から1300℃以上の温度領
域を400分以上徐冷して引き上げる(方法1)、方法
1に加えて1350℃以上の温度領域を通過する時間を
60分未満とする(方法2)、方法1に加えて引上げ速
度(v:mm/分)と凝固界面の結晶温度勾配(G:℃
/mm)の比v/Gが0.13よりも大きくなる条件で
結晶引上げを行う(方法3)、方法1あるいは方法2あ
るいは方法3に加えて1100℃から1000℃の温度
領域を結晶冷却速度1.0℃/分未満で徐冷する(方法
4)、方法1あるいは方法2あるいは方法3に加えて、
1100℃から1000℃の温度領域を結晶冷却速度
1.0℃/分以上で急冷する(方法5)より成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶欠陥を大幅に
低減させたチョクラルスキー法(以下、CZ法)により
製造されたシリコン単結晶およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】CZシリコン単結晶は結晶強度が高いな
どのすぐれた特徴を有しているため、従来よりLSI用
の材料として広く用いられている。近年のMOSデバイ
ス集積度の増大にともない、ゲート酸化膜の信頼性向上
やPN接合リーク低減等のデバイス特性に優れ、また素
子間分離における不良が生じにくいCZシリコン単結晶
の製造技術開発が望まれていた。特に、COPは鏡面研
磨後のシリコンウエハー表面に存在する微小ピットで、
このピット自身およびピットを発生させる原因となる微
小欠陥が先に述べたデバイス特性や素子間分離の不良原
因となることが最近明らかにされ、その低減が切望され
ていた。
【0003】COP(Crystal Originated Particle)
とは、シリコンウエハー加工工程において研磨後、ウエ
ハー表面をアンモニア水と過酸化水素水の混合液(アン
モニア:過酸化水素:水=1:1:5)で洗浄(SC−
1洗浄と呼ばれる)した後に、ウエハー表面に微小欠陥
に起因したピットが形成し、レーザーパーティクルカウ
ンターで測定すると真性のパーティクルとともにパーテ
ィクルとして検出される。このようなピットを真性パー
ティクルと区別するためにCOPと呼ばれる。この低減
方法については、従来、CZシリコン単結晶製造におけ
る酸化膜耐圧の向上と関係してその低減技術が知られて
いた。特開平6−279188号公報においては、12
00℃〜1420℃の温度領域に1時間以上保持して結
晶引上げする方法が開示され、特開平8−2993号公
報では、1200℃までの高温域を通過する時間が20
0分以上となるようにし、1200℃〜1000℃の低
温域を通過する時間が150分以下とする方法、特開平
8−157293号公報では、1200℃までの高温域
を通過する時間を200分未満とし1200℃〜100
0℃の低温域を通過する時間を130分以下とする方法
が開示されている。
【0004】これらの従来技術においては、本発明者ら
は、引上げ中の結晶の冷却条件を極端に変更した種々の
結晶を育成し、また、引上炉内で結晶を保持する実験と
単に研磨・洗浄直後のウエハーのCOP観察のみなら
ず、洗浄と観察を繰り返し行い真性パーティクルを除去
しCOP発生原因の欠陥のみの体積密度を評価する方
法、および赤外レーザ干渉法によりCOP発生原因の微
小欠陥の体積密度のみならずサイズも同時測定しCOP
発生原因となっている微小欠陥を構成する点欠陥の総量
を評価する観察実験にもとづいて、COPおよびCOP
発生原因となっている微小欠陥の低減には1200℃〜
1300℃の温度領域の保持では効果がなく、さらに、
その温度領域における結晶通過時間も60〜200分程
度ではCOPおよびCOP発生原因の微小欠陥の顕著な
低減は見られないことを見いだした。
【0005】したがって、引上げ中の結晶において顕著
にCOPおよびCOP発生原因となる微小欠陥を低減さ
せる結晶引上げ方法、さらに、現在市場において流通し
ている大部分を占める、R−OSF(Ringlikely distr
ibuted Oxidation-induced-Stacking-Faults:リング状
分布積層欠陥、参考文献:雑誌「応用物理」57巻、1
541頁、1988年)領域が面内に存在せずエッジ部
で消失している結晶あるいはR−OSF領域がウエハー
中心で消失していない結晶に関して、COPおよびCO
P発生原因となる微小欠陥を極端に低減する最適方法は
存在しなかった。また、R−OSF領域がウエハー面内
に存在せず、またウエハー中心でも消失していない結晶
において、COPおよびCOP発生原因となる微小欠陥
を極端に低減させた結晶も存在しなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、チョクラル
スキー法(以下、CZ法)により製造される結晶におい
て、顕著にCOPおよびCOP発生原因となる微小欠陥
を低減させる結晶引上げ方法、さらに、現在市場におい
て流通している大部分を占める、R−OSF領域が面内
に存在せずエッジ部で消失している結晶あるいはR−O
SF領域がウエハー中心で消失していない結晶に関し
て、COPおよびCOP発生原因となる微小欠陥を極端
に低減させたシリコン単結晶およびその製造法に関す
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明においては、引上げ中の結晶に関して、結晶温
度が1300℃以上の領域で、400分以上の保持され
る条件で結晶引上げ成長を行う(方法1)。さらに、R
−OSF領域を結晶エッジ部外に除去しCOPおよびC
OP発生原因の微小欠陥を低減するために融点から13
50℃の結晶温度領域の通過時間を60分未満とし、1
350℃〜1300℃の結晶温度領域を400分以上保
持する結晶引上げを行う(方法2)。あるいはR−OS
F領域を結晶エッジ部外に除去しCOPおよびCOP発
生原因の微小欠陥を低減するために、引上げ速度をv
(mm/分)とし凝固界面での結晶温度勾配G(℃/m
m)とするとき、v/G>0.13となる条件で引上
げ、かつ1300℃以上の結晶温度域内を通過する時間
が400分以上となるよう結晶引き上げ成長する(方法
3)。さらに、(方法1)あるいは(方法2)あるいは
(方法3)に加えて、COPおよびCOP発生原因の微
小欠陥密度をさらに小さくするために、1100℃から
1000℃の温度範囲の冷却速度を1.0℃/分未満と
し徐冷する(方法4)。また、(方法1)あるいは(方
法2)あるいは(方法3)に加えて、COPおよびCO
P発生原因の微小欠陥サイズをさらに小さくするために
1100℃から1000℃の温度範囲の冷却速度を1.
0℃/分以上とし急冷する(方法5)。
【0008】本発明方法1ないし2ないし3ないし5の
方法で製造することによって0.13μm以上の大きな
COPが存在しないシリコン単結晶が得られる。また、
本発明方法1ないし2ないし3ないし4ないし5の方法
によって、シリコン単結晶から切断および鏡面加工した
ウエハー表面において0.11μm以上のCOPが0.
1個/cm以下であるシリコン単結晶を製造できる。
本発明の1〜5の製造方法によると、シリコン単結晶中
に存在するCOPを形成する微小結晶欠陥の体積密度は
5×10/cm以下であり、また、当該微小欠陥を
構成する点欠陥濃度が、母相の単位体積(1cm)に
対し1012nm以下である通常従来結晶に比べて1
桁以上微小欠陥密度および点欠陥濃度を低減したシリコ
ン単結晶が得られ、絶縁酸化膜の耐電圧特性やP/Nリ
ーク特性などのデバイス特性も優れている。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者らは、引上げ中の結晶の
冷却条件を極端に変更した種々の結晶を育成し、また、
引上炉内で結晶を保持する実験と単に研磨・洗浄直後の
ウエハーのCOP観察のみならず、洗浄と観察を繰り返
し行い真性パーティクルを除去しCOP発生原因の欠陥
のみの体積密度を評価する方法、および赤外レーザ干渉
法によりCOP発生原因の微小欠陥の体積密度のみなら
ずサイズも同時測定しCOP発生原因となっている微小
欠陥を構成する点欠陥の総量を評価する観察実験にもと
づいて、COPおよびCOP発生原因となる微小欠陥の
形成と結晶冷却条件の間に次のような関係があることを
発見した。すなわち、引上げ中の結晶を引上げ途中で引
上げ速度を極端にほぼ停止状態まで減速し引上炉内で結
晶を保持しCOPおよびCOP発生原因となる微小欠陥
の発生挙動を調べたところ、図1に示すような結果とな
った。図1(a)には0.11μm以上のCOPの面密
度、図1(b)にはR−OSF領域を示すためのX線ト
ポグラフ写真、そして図1(c)には赤外レーザー干渉
法により測定したCOP発生原因となる微小欠陥の体積
密度をそれぞれ引上げ中の結晶の保持温度の関数として
示している。図1(a)および(c)から明らかなよう
に、COPおよびCOP発生原因となる微小欠陥が面密
度でゼロレベル、体積密度で10/cm以下に減少
す温度領域は1300℃以上である。また、図1(b)
のX線トポグラフ写真において、融点から1350℃の
温度領域を保持された部位は、R−OSF領域が結晶中
心部で閉じ消失しているのが明らかである。したがっ
て、COPあるいはCOPを発生させる原因となる微小
欠陥を低減させるためには1300℃以上の徐冷が必要
であるが、1350℃以上を徐冷しすぎるとR−OSF
領域が結晶中心側に存在するようになる。また、図1
(c)において1100℃〜1000℃の温度範囲にお
いて体積密度が減少するのが認められ、図1(a)で
は、同温度範囲において0.11μm以上のCOP面密
度の一時的な減少と一時的な増加が認められる。0.1
1μm以上のCOP面密度が一時的に減少する位置は
0.16μm以上の大きなCOPが増加する位置と一致
していることから、この温度領域ではCOP発生原因と
なる微小欠陥が成長することがわかる。特に、大きな微
小欠陥はより高温側で成長し小さな微小欠陥は低温側で
成長する。この結果、0.11μm以上のCOPの一時
的な増加は、小さなCOP発生原因微小欠陥が成長した
領域であると考えられる。この結果から、この温度領域
の冷速を高めることによりCOP発生原因となる微小欠
陥の成長を抑制することが可能で、また、この温度領域
を徐冷することで、微小欠陥密度をさらに低減すること
が可能である。
【0010】上記は、引上炉内における引上げ結晶の保
持による微小欠陥観察結果であったが、実際に引上炉内
で引上げ中の結晶を減速し保持することなく、一定速度
で結晶成長した場合の高温域の徐冷効果を調べたとこ
ろ、図2に示す結果を得た。すなわち、図2(a)は1
300℃以上の温度領域を通過する結晶の滞在時間に対
する0.11μm以上のCOPの個数の変化を示し、図
2(b)は1300℃以上の温度領域を通過する結晶の
滞在時間に対するCOP発生原因となる微小欠陥の総体
積、すなわち当該微小欠陥を構成する点欠陥の総量変化
に対応する結果を示す。この結晶においてはR−OSF
領域は結晶エッジ部に位置し中心領域に存在しない。図
2から明らかなように、1300℃以上の温度領域を4
00分以上通過することによってCOPはほぼゼロレベ
ルで、COPを発生させる微小欠陥構成要素である点欠
陥の総量がほぼ1桁減少することがわかる。
【0011】以上の結果から、COPおよびCOP発生
原因となる微小欠陥の形成を抑制するためには高温徐冷
が必要であるが、効果的な温度範囲は1300℃以上で
あり必要とする徐冷時間は400分以上である。
【0012】さらに、現在市場において流通している大
部分を占める、R−OSF領域が面内に存在せずエッジ
部で消失している結晶あるいはR−OSF領域がウエハ
ー中心で消失していない結晶の製造条件は以下の二つの
条件であることがわかった。すなわち、徐冷温度を13
50℃以上にすると、徐冷時間にともなってR−OSF
領域が結晶エッジ部から中心側に入り込むようになる。
本発明においては、R−OSF領域を結晶中心部で消失
させない条件として1350℃以上の徐冷時間は60分
未満が好ましいことが明らかとなった。R−OSF領域
が結晶中心部において消失しない別の条件として、引上
げ速度(v:mm/分)と凝固界面の結晶温度勾配
(G:℃/mm)の比v/Gが0.13よりも大きくな
る条件で結晶引上げを行えばよいことがわかった。この
引上げ速度(v:mm/分)と凝固界面の結晶温度勾配
(G:℃/mm)の比v/Gによって、R−OSF領域
の発生位置が変化することは特開平7−257991号
公報に記載されているが、本発明においては、R−OS
F領域が結晶中心部において消失しない結晶引上げ条件
はv/Gが0.13よりも大きくなる条件であることが
わかった。
【0013】COP欠陥制御のための低温側の結晶冷却
条件に関しては、その効果は特開平8−2993号公報
において、COP発生原因となる微小欠陥の成長に関係
し冷速が大きい方が当該微小欠陥の成長が抑制され、冷
速を小さくすることで成長が進むが密度を低減すること
ができることが開示されている。しかしながら、本発明
においては、1300℃以上の高温徐冷を十分行ってお
けば1100℃〜1000℃の低温度領域においての急
冷速度が1.0℃/分程度でもCOPおよびCOP発生
原因となる微小欠陥は十分に低減できることが初めて見
いだされた。さらに、1300℃以上の高温徐冷を十分
に行っておけば、1100℃〜1000℃の低温度領域
において1.0℃/分以下の冷速で徐冷を行うことによ
り大きなCOP発生原因となる微小欠陥は成長せず、む
しろ一層の密度低下をもたらすことも初めて見いだされ
た。また、本発明の1300℃以上の十分な高温徐冷と
1100℃〜1000℃の低温度領域の急冷(冷却速度
が1.0℃/分以上)を組み合わせることによってCO
Pサイズの低減によるCOP発生の抑制効果が顕著とな
ることは言うまでもない。1100℃〜1000℃の温
度領域の効果は、冷却速度が1.0℃/分未満の徐冷の
場合はCOPおよびCOP発生原因となる微小欠陥の構
成要素である点欠陥の凝集を促進することによりCOP
およびCOP発生原因の微小欠陥密度を低減させる効果
があり、冷却速度が1.0℃/分以上の急冷の場合は、
逆にCOPおよびCOP発生原因となる微小欠陥の構成
要素である点欠陥の凝集を抑制することによりCOPお
よびCOP発生原因の微小欠陥のサイズを低減させる効
果がある。
【0014】本発明方法1では、結晶引き上げ炉内に温
度制御機能を設置し1300℃以上の温度領域におい
て、引上げられる結晶を400分以上徐冷することでC
OPおよびCOP発生原因となる微小欠陥を構成する主
たる点欠陥である原子空孔を結晶外方へ拡散させ減少さ
せることにより、当該微小欠陥の形成を低減する。
【0015】本発明方法2では、方法1の作用に加え
て、R−OSF領域が結晶中心側に入り込まないように
するために1350℃以上の温度領域を通過する時間を
60分未満とする。
【0016】本発明方法3では、方法1の作用に加え
て、R−OSF領域が結晶中心側に入り込まないように
するために引上げ速度(v:mm/分)と凝固界面の結
晶温度勾配(G:℃/mm)の比v/Gが0.13より
も大きくなる条件で結晶引上げを行う。
【0017】本発明方法4では、方法1あるいは方法2
あるいは方法3の作用に加えて、さらにCOPおよびC
OP発生原因となる微小欠陥密度を低減させるために1
100℃から1000℃の温度領域を結晶冷却速度1.
0℃/分未満で徐冷する。
【0018】本発明方法5では方法1あるいは方法2あ
るいは方法3の作用に加えて、さらにCOPおよびCO
P発生原因となる微小欠陥サイズを低減させるために1
100℃から1000℃の温度領域を結晶冷却速度1.
0℃/分以上で急冷する。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、
本発明がこれらの実施例の記載によって制限されるもの
でないことは言うまでもない。
【0020】実施例に先立ち、本発明により製造したシ
リコン単結晶のCOPおよびCOP発生原因となる微小
欠陥、さらにR−OSF領域の有無の評価方法、またデ
バイス特性評価方法を以下に説明する。
【0021】COPは、製造した結晶をウエハー加工し
鏡面研磨後、アンモニア:過酸化水素:水=1:1:5
のSC−1洗浄液で洗浄した後、レーザーパーティクル
カウンターLS6000でパーティクル数を測定した。
さらに、真性パーティクルを除去しCOP発生原因の欠
陥のみの体積密度を評価するためにSC−1洗浄とパー
ティクル測定を10回繰り返し、その増分から体積密度
を求めた。COP発生原因となる微小欠陥は、赤外レー
ザ干渉法による測定装置(OPP:Oxygen Precipitate
Profiler)により密度、サイズを計測した。R−OS
F領域の形成の有無については、OSFを発生させるた
めに1100℃で酸化雰囲気中で90分熱処理後、X線
トポグラフにより観察した。
【0022】酸化膜耐圧は鏡面加工を施したシリコンウ
ェーハ試料上にMOSダイオードを形成し、1000℃
の乾燥酸素雰囲気中で形成された25.0nmの二酸化
珪素膜であるゲート酸化膜(絶縁酸化膜)の電気特性を
調べることによって行った。酸化膜を通して流れる電流
密度が1μA/cmの時のゲート酸化膜に印加される
平均電界を測定した。特に、その平均電界が8.0MV
/cm以上である場合は、真性絶縁破壊領域(Cモード
領域)と呼ばれ耐圧劣化を起こす結晶欠陥が存在しない
領域である。したがって、耐圧特性評価において、平均
電界が8.0MV/cm以上で破壊する(Cモード領域
にある)MOSダイオードの個数の総数に対する割合が
多いシリコンウェーハが耐圧特性の優れた結晶である。
【0023】以下に、実施例および比較例を述べるが、
引上げ育成した結晶の仕様は、伝導型:p型(ボロンド
ープ)、結晶径:6インチ用(直径160mm)、抵抗
率:10Ω・cm、酸素濃度:8.5〜9.5×10
17atoms/cm(日本電子工業振興協会による
酸素濃度換算係数を用いて算出)、炭素濃度:<1.0
×1016atoms/cm(日本電子工業振興協会
による炭素濃度換算係数を用いて算出)である。
【0024】表1に、本発明の実施例1から実施例5、
および比較例1、比較例2におけるウェーハのレーザー
パーティクルカウンターLS6000で測定したCO
P、赤外レーザ干渉法(OPP)にて計測したCOP発
生原因となる微小欠陥の体積密度、および酸化膜耐圧、
さらにR−OSFの存在位置それぞれの測定結果のまと
めを示す。
【0025】実施例1 本発明に用いられるシリコン単結晶製造装置は、通常チ
ョクラルスキー法によるシリコン単結晶製造に用いられ
るものであれば特に限定されるものではなく、本実施例
では図3に示すような製造装置を用いた。このチョクラ
ルスキー法シリコン単結晶製造装置の特徴は、結晶冷却
温度および速度パターンが図6中(実施例1)のような
引き上げ条件、結晶引き上げ炉内で1300℃以上の温
度域を400分以上経過して結晶が通過するような徐冷
領域をを形成するために温度制御装置を設置した。温度
制御装置としては、引き上げ育成されるシリコン単結晶
インゴットを取り囲むように設置された黒鉛などの断熱
保温材や加熱ヒータなどが有効である。
【0026】この装置を使用して、以下の条件でシリコ
ン単結晶を育成した。この単結晶インゴットから切りだ
したウェーハのCOPおよび赤外レーザ干渉法(OP
P)にて計測したCOP発生原因となる微小欠陥の体積
密度、酸化膜耐圧、R−OSFの存在位置を表1に示し
た。これらのシリコンウェーハにおいては、0.13μ
m以上のCOPはゼロレベルで、0.11μm以上の小
さなCOPを含めても約10個程度(0.05個/cm
)で従来技術に比べて1桁程度低減されている。ま
た、COPおよびCOP発生原因となる微小欠陥の体積
密度は1.0×10/cm以下でやはり1桁低減さ
れている。結果的に耐圧特性も非常に良好である。本結
晶においては1350℃以上の徐冷の効果のためにR−
OSF領域が若干エッジから内側に入っている。
【0027】実施例2 実施例1の装置を用いて、以下の条件でシリコン単結晶
を育成した。結晶冷却温度および速度パターンが図6中
(実施例2)のような引き上げ条件、すなわち1350
℃以上の温度領域の通過時間は60分未満であるが、1
350℃〜1300℃の結晶温度領域を400分程度経
過しゆっくり冷却されるような条件でシリコン単結晶を
育成した。この単結晶インゴットから切りだしたウェー
ハのCOPおよび赤外レーザ干渉法(OPP)にて計測
したCOP発生原因となる微小欠陥の体積密度、酸化膜
耐圧、R−OSFの存在位置を表1に示した。これらの
シリコンウェーハにおいても実施例1と同様、0.13
μm以上のCOPはほぼゼロレベルで、0.11μm以
上の小さなCOPを含めても20個(0.1個/c
)以下で従来技術に比べて1桁程度低減されてい
る。また、COPおよびCOP発生原因となる微小欠陥
の体積密度は1.0×10/cmレベルで顕著に低
減されている。結果的に耐圧特性も非常に良好である。
本結晶においては1350℃以上の保持時間を60分未
満としたためにR−OSF領域は結晶インゴットエッジ
ないしはエッジより外方に消滅している。
【0028】実施例3 実施例1の装置を用いて、以下の条件でシリコン単結晶
を育成した。引上げ速度v(mm/分)と凝固界面での
結晶側の温度勾配G(℃/mm)の比v/Gが0.13
より大きくなるようにした。すなわち、本実施例におい
ては凝固界面での結晶温度勾配は約1.8℃/mmで、
引上げ速度vを0.6mm/分に設定し(この場合v/
G=0.33)結晶引上げを実施した。さらに、130
0℃以上のの結晶温度領域を400分程度経過しゆっく
り冷却されるような条件でシリコン単結晶を育成した。
この場合の結晶冷却温度および速度パターンは図6中
(実施例3)で、実施例1に比べて引上げ速度が高めの
ため高温での徐冷時間が短くなっている。しかしなが
ら、凝固界面付近の断熱や加温条件を変更することによ
り温度勾配を本実施例よりさらに小さくしたり、高温領
域を延長する事が可能であり徐冷時間は長くすることが
できる。本実施例にて引上げ育成した単結晶インゴット
から切りだしたシリコンウェーハのCOP数、繰り返し
洗浄により求めたCOP体積密度、赤外レーザー干渉法
(OPP)により求めたCOP発生原因となる微小欠陥
密度、酸化膜耐圧の測定結果、表1に示す。これらのシ
リコンウェーハにおいても実施例1、2と同様、0.1
3μm以上のCOPはほぼゼロレベルで、0.11μm
以上の小さなCOPを含めても20個(0.1個/cm
)以下で従来技術に比べて1桁程度低減されている。
また、COPおよびCOP発生原因となる微小欠陥の体
積密度は1.0×10/cmレベルで顕著に低減さ
れている。結果的に耐圧特性も非常に良好である。本結
晶においてはR−OSF領域は結晶インゴットエッジよ
り外方に消滅している。
【0029】実施例4 本実施例では図4に示すような製造装置を用いた。すな
わち、実施例1および図3で示した製造装置に加えて、
さらに1100℃から1000℃の低温温度領域も1.
0℃/分以下の冷却速度で徐冷するために図3に示した
温度制御装置の上方に、さらに保温断熱材や加温ヒータ
で構成される保温あるいは加温装置を設置した。なお、
図4のように新たに保温あるいは加温装置を設置しなく
とも、図3の温度制御装置を上方、すなわち結晶温度が
低い側に延長するのでもよい。このような製造装置を用
い、1300℃以上の結晶温度領域を400分以上保持
した後、さらに1100℃から1000℃の温度領域を
1.0℃/分以下の冷却速度で徐冷し結晶引上げを行っ
た。このシリコン単結晶インゴットから切りだしたウェ
ーハのCOP数、繰り返し洗浄により求めたCOP体積
密度、赤外レーザー干渉法(OPP)により求めたCO
P発生原因となる微小欠陥密度、酸化膜耐圧の測定結
果、表1に示す。これらのシリコンウェーハにおいて
は、0.13μm以上のCOPも0.11μm以上の小
さなCOPも10個(0.05個/cm)以下で低減
効果が著しい。しかしながら、1100℃から1000
℃の徐冷効果により0.13μm以上の大きなCOPの
若干の増加が見られるのが特徴である。また、COPお
よびCOP発生原因となる微小欠陥の体積密度も5.0
〜8.0×10/cmレベルで最も低くなってい
る。その結果、耐圧特性も非常に良好である。本結晶に
おいてはR−OSF領域は結晶インゴットエッジあるい
はエッジ外方に消滅している。
【0030】実施例5 本実施例では図5に示すような製造装置を用いた。すな
わち、実施例1および図3で示した製造装置に加えて、
さらに1100℃から1000℃の低温温度領域を1.
0℃/分以上の冷却速度で冷却するために図3に示した
温度制御装置の上方に、冷却速度を高めるために円筒型
の冷却装置を設置した。冷却装置としては、熱伝導性の
良く輻射率の大きい黒鉛板や金属板が有効で、当該冷却
装置によって結晶からの輻射熱を抜熱し、さらに当該冷
却装置と引上げ途中の結晶の間を流れる雰囲気ガス(本
実施例ではアルゴンガス)による対流伝熱による抜熱効
果で冷却される。当該冷却装置として用いられる黒鉛板
や金属板をガスや液体を用いて強制冷却してもよい。こ
のような製造装置を用い、1300℃以上の結晶温度領
域を400分以上保持した後、さらに1100℃から1
000℃の温度領域を1.0℃/分以上の冷却速度で冷
却し結晶引上げを行った。このシリコン単結晶インゴッ
トから切りだしたウェーハのCOP数、繰り返し洗浄に
より求めたCOP体積密度、赤外レーザー干渉法(OP
P)により求めたCOP発生原因となる微小欠陥密度、
酸化膜耐圧の測定結果、表1に示す。これらのシリコン
ウェーハにおいては、0.13μm以上のCOPはゼロ
で、0.11μm以上の小さなCOPも10個(0.0
5個/cm)以下で低減効果が著しい。また、COP
およびCOP発生原因となる微小欠陥の体積密度も1.
0×10/cmレベルで顕著に密度が低減されてい
る。その結果、耐圧特性も非常に良好である。本結晶に
おいてはR−OSF領域は結晶インゴットエッジあるい
はエッジ外方に消滅している。
【0031】比較例1 本比較例は、従来技術の一例である。図3に示した実施
例1で用いた製造装置と同様な結晶成長装置を用いた。
しかしながら、結晶冷却温度および速度パターンは図6
中(比較例1)のような引き上げ条件、すなわち、結晶
引き上げ炉内で1300℃以上の温度領域に保持される
時間は40分程度で、1200℃以上に保持される時間
も80分程度であるような高温冷却条件を実現するよう
温度制御装置を設置し、さらに1200℃〜1000℃
の温度領域通過時間が80分程度であるようなシリコン
単結晶引上げ装置である。温度制御装置としては、引き
上げ育成されるシリコン単結晶インゴットを取り囲むよ
うに設置された黒鉛などの断熱保温材や加熱ヒータなど
が有効である。ただし、実施例1と比較して高温領域の
徐冷結晶長さあるいは時間が短いことが特徴である。本
比較例の結晶冷却パターンは、高温領域の徐冷時間が1
00分程度以下で比較的短いことから冷却条件を制御す
る温度制御装置を必ずしも用いる必要はなく、結晶成長
速度すなわち引上げ速度を低速にすることによっても実
現可能である。
【0032】この引上げ装置を使用して、結晶成長した
シリコン単結晶インゴットから切りだしたウェーハのC
OPおよび赤外レーザ干渉法(OPP)にて計測したC
OP発生原因となる微小欠陥の体積密度、酸化膜耐圧、
R−OSFの存在位置を表1に示した。これらのシリコ
ンウェーハにおいては、0.13μm以上のCOPは2
00個(1.0個/cm)で、0.11μm以上の小
さなCOPを含めると500個(2.5個/cm)程
度である。また、COPおよびCOP発生原因となる微
小欠陥の体積密度は1.0×10/cm程度ある。
耐圧特性は、その特性の指標である8.0MV/cm以
上の印加電界で破壊する面積比率は20%程度である。
これら本比較例の結果は、本発明の実施例に比べてCO
Pの個数および密度、あるいはCOP発生原因となって
いる微小欠陥の密度いずれも非常に悪い。また、酸化膜
耐圧も良好ではない。
【0033】比較例2 本比較例では、比較例1で用いた装置と同様な装置を用
いて結晶育成した。ただし、本比較例の結晶冷却温度お
よび速度パターンは図6中(比較例2)のような引き上
げ条件、すなわち1300℃以上の温度領域を通過する
時間が120分程度で、1200℃以上の温度領域に保
持される時間が220分程度であり、さらに1200℃
〜1000℃の温度領域通過時間が100分程度である
ことが特徴である。
【0034】この引上げ装置を使用して、結晶成長した
シリコン単結晶インゴットから切りだしたウェーハのC
OPおよび赤外レーザ干渉法(OPP)にて計測したC
OP発生原因となる微小欠陥の体積密度、酸化膜耐圧、
R−OSFの存在位置を表1に示した。これらのシリコ
ンウェーハにおいては、0.13μm以上のCOPは5
0個(0.25個/cm)で、0.11μm以上のC
OP数は100個(0.5個/cm)程度であり、比
較例1に比較してCOP数が低減している。また、CO
PおよびCOP発生原因となる微小欠陥の体積密度は
8.0×10/cm〜1.0×10/cm程度
で、やはり比較例1に比べて若干減少が認められる。し
かしながら、本発明で実現したようなCOP数がほぼゼ
ロに近いレベル、あるいはCOP発生原因の微小欠陥の
体積密度も1桁減少させ、耐圧特性も8.0MV/cm
以上の破壊面積比率が60%以上である品質レベルから
は、はるかに劣るものである。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明のシリコン単結晶あるいは本発明
の製造方法によるシリコン単結晶は、従来知られていた
方法によって育成したシリコン単結晶に比べて顕著にC
OPおよびCOP発生原因となる微小欠陥を低減化し、
酸化膜耐圧などのデバイス特性を向上させ、素子間分離
不良率を低減化させる優れた結晶であり今後さらに高集
積化が進むデバイス用ウェーハに適する。また、本発明
のシリコン単結晶製造方法は、顕著にCOPおよびCO
P発生原因となる微小欠陥を低減化し、酸化膜耐圧など
のデバイス特性を向上させ、素子間分離不良率を低減化
させる優れた結晶を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、それぞれ、結晶冷却条件と
0.11μm以上のCOPの面密度、R−OSF領域の
発生状況、COP発生原因となる微小欠陥の体積密度の
関係を示す。
【図2】(a)、(b)は一定速度で結晶成長した場合
の1300℃以上の温度領域を結晶が滞在する時間に対
する0.11μm以上のCOPの個数の変化および13
00℃以上の温度領域を結晶が滞在する時間に対するC
OP発生原因となる微小欠陥の総体積、すなわち当該微
小欠陥を構成する点欠陥の総量変化に対応する結果を示
す。
【図3】は1300℃以上の高温領域での結晶を徐冷す
る温度制御装置20を有するCZ法シリコン単結晶製造
装置。
【図4】は図3に1100℃〜1000℃の低温領域を
徐冷するために別の温度制御装置30を付加したCZ法
シリコン単結晶製造装置。
【図5】は図3に1100℃〜1000℃の低温領域を
急冷するために別の結晶冷却装置40を付加したCZ法
シリコン単結晶製造装置。
【図6】は実施例および比較例で用いた結晶引上時の結
晶冷却温度パターンを示す。
【符号の説明】
1…CZ法シリコン単結晶引き上げ炉 2…ワイヤ巻き上げ機 3…断熱材 4…加熱ヒータ 5…回転治具 6…ルツボ 6a…石英ルツボ 6b…黒鉛ルツボ 7…ワイヤ 8…種結晶 9…チャック 10…ガス導入口 11…ガス排出口 20…温度制御装置(結晶徐冷装置) 30…温度制御装置(結晶徐冷装置) 40…温度制御装置(結晶冷却装置)
フロントページの続き (72)発明者 宮内 雅弘 山口県光市大字島田3434番地 ニッテツ電 子株式会社内 (72)発明者 岩崎 俊夫 山口県光市大字島田3434番地 ニッテツ電 子株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チョクラルスキー法によるシリコン単結
    晶の製造において、融点から1300℃の結晶温度領域
    内を通過する時間が400分以上である結晶引き上げ成
    長をすることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 チョクラルスキー法によるシリコン単結
    晶の製造において、融点から1350℃の結晶温度領域
    の通過時間が60分未満、1350℃〜1300℃の結
    晶温度領域内の通過時間が400分以上である結晶引き
    上げ成長をすることを特徴とするシリコン単結晶の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 チョクラルスキー法によるシリコン単結
    晶の製造において、引上げ速度v(mm/分)、凝固界
    面での結晶温度勾配G(℃/mm)が、v/G>0.1
    3となる条件で引上げ、かつ1300℃以上の結晶温度
    領域内の通過時間が400分以上である結晶引き上げ成
    長をすることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 1100℃から1000℃の温度範囲の
    冷却速度が1.0℃/分未満であることを特徴とする請
    求項(1)および(2)に記載の結晶製造方法。
  5. 【請求項5】 1100℃から1000℃の温度範囲の
    冷却速度が1.0℃/分以上であることを特徴とする請
    求項(1)および(2)に記載の結晶製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項(1)ないし(2)ないし(3)
    ないし(5)の方法で製造されたシリコン単結晶であっ
    て、0.13μm以上の大きなCOPが存在しないシリ
    コン単結晶。
  7. 【請求項7】 請求項(1)ないし(2)ないし(3)
    ないし(4)ないし(5)の方法で製造されたシリコン
    単結から切り出され鏡面加工されたウエハーにおいて、
    0.11μm以上のCOPの表面密度が0.1個/cm
    以下であるシリコン単結晶。
  8. 【請求項8】 請求項(1)ないし(2)ないし(3)
    ないし(4)ないし(5)の方法で製造されたシリコン
    単結において、COPを形成する微小結晶欠陥の体積密
    度が5×10個/cm以下であるシリコン単結晶。
  9. 【請求項9】 請求項(1)ないし(2)ないし(3)
    ないし(4)ないし(5)の方法で製造されたシリコン
    単結晶であって、COPを形成する微小結晶欠陥体積
    が、母相の単位体積(1cm)に対し1012nm
    以下であるシリコン単結晶。
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