JPH1143630A - カチオン型電着塗料組成物 - Google Patents

カチオン型電着塗料組成物

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JPH1143630A
JPH1143630A JP20108697A JP20108697A JPH1143630A JP H1143630 A JPH1143630 A JP H1143630A JP 20108697 A JP20108697 A JP 20108697A JP 20108697 A JP20108697 A JP 20108697A JP H1143630 A JPH1143630 A JP H1143630A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平滑な金属基材表面でも、初期及び耐湿試験
後での密着性に優れた電着塗膜が得られ、かつ硬化性及
び長期の貯蔵安定性に優れた電着塗料を得る。 【解決手段】 (1)水酸基及びカチオン性基を有する
樹脂(A)と、イミダゾール環1個あたりの分子量が6
8〜300であるイミダゾール化合物(B)とが、酸に
て中和され、水性媒体中に安定に分散されてなる第1の
エマルジョン粒子、及び(2)上記樹脂(A)と、脂環
式骨格及び/又は有橋脂環式骨格にエポキシ基が結合し
てなるエポキシ基含有官能基を1分子あたり平均2個以
上有するエポキシ基含有硬化剤(C)とを有し、該樹脂
(A)が酸にて中和され、水性媒体中に安定に分散され
てなる第2のエマルジョン粒子、を含有することを特徴
とする安定なカチオン型電着塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材との密着性に
優れた塗膜を形成でき、かつ硬化性及び貯蔵安定性に優
れたカチオン型電着塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び解決すべき課題】従来、有機溶剤型塗
料や粉体塗料において、エポキシ樹脂の硬化剤として、
イミダゾール系化合物を使用することは知られている。
【0003】しかしながら、イミダゾール系化合物は、
一般に結晶性が高く水性塗料中で塗料樹脂に混和しにく
く、析出し分離してしまうので水系塗料中でエポキシ樹
脂の硬化剤としてイミダゾール系化合物を使用すること
は行われていなかった。
【0004】水系塗料において、水性塗料樹脂中へイミ
ダゾール系化合物を混和させる方法として、イミダゾー
ル系化合物を加熱、溶解させ、塗料樹脂と混合して、水
性媒体中に分散してエマルジョンとする方法が考えられ
るが、本来、イミダゾール系化合物が水性塗料樹脂との
混和性に乏しく、また水性媒体への溶解性も乏しいた
め、貯蔵中に徐々に析出し、析出物が核となってエマル
ジョン粒子を凝集、沈降させてしまったり、塗膜の硬化
性が低下してしまうといった問題があった。また、加
熱、溶解時にエポキシ樹脂の重合硬化反応が起こってゲ
ル化してしまうこともあるという問題があった。
【0005】本出願人は、特開平2−255874号公
報において、水酸基とカチオン性基を含有する樹脂とエ
ポキシ基含有硬化剤と硬化触媒である金属化合物とを含
有する水性塗料組成物を提案した。この組成物は、概ね
優れた塗膜性能を示すが、電着塗料組成物として使用し
た場合、金属基材表面が平滑な場合に電着塗膜の付着力
が十分でなく、特に耐湿試験後の電着塗膜の金属基材表
面への密着性が低下する傾向があり、さらに、電着塗膜
の硬化性が十分でないという問題があった。
【0006】そこで本発明者らは、上記問題を解決する
方法として、上記水性塗料組成物中に、中和したイミダ
ゾール化合物を添加することを提案した(特願平9−6
9396号参照)。この組成物は、塗膜の密着性、硬化
性に優れるが、長期間の貯蔵安定性が不十分であるとい
う問題があった。
【0007】本発明の目的は、水酸基とカチオン性基と
を含有する樹脂及びエポキシ樹脂を含有する電着塗料に
おいて、金属基材表面が平滑な場合にも十分な付着力を
示し、耐湿試験後においても金属基材表面への密着性が
優れた電着塗膜を得ることができ、電着塗膜の硬化性に
優れ、かつ長期間の貯蔵安定性にも優れた電着塗料を得
ることである。
【0008】本発明者らは、上記目的を達成するために
鋭意研究を行った結果、上記樹脂系において、硬化触媒
であるイミダゾール化合物と硬化剤であるエポキシ樹脂
とを、それぞれ別のエマルジョン粒子中に存在させて分
離することによって上記目的を達成できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(1)水酸基及びカチオン性基を有する樹脂(A)と、
イミダゾール環1個あたりの分子量が68〜300であ
るイミダゾール化合物(B)とが、酸にて中和され、水
性媒体中に安定に分散されてなる第1のエマルジョン粒
子、及び(2)上記樹脂(A)と、脂環式骨格及び/又
は有橋脂環式骨格にエポキシ基が結合してなるエポキシ
基含有官能基を1分子あたり平均2個以上有するエポキ
シ基含有硬化剤(C)とを有し、該樹脂(A)が酸にて
中和され、水性媒体中に安定に分散されてなる第2のエ
マルジョン粒子、を含有することを特徴とする安定なカ
チオン型電着塗料組成物を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の電着塗料組成物は、水性
媒体中にそれぞれ安定に分散された第1のエマルジョン
粒子と第2のエマルジョン粒子とを含有する。それぞれ
のエマルジョン粒子について以下に説明する。
【0011】第1のエマルジョン粒子 第1のエマルジョン粒子は、水酸基及びカチオン性基を
有する樹脂(A)とイミダゾール化合物(B)とが、酸
にて中和され、水性媒体中に安定に分散されてなるエマ
ルジョン粒子である。以下に第1のエマルジョン粒子に
おける各成分について説明する。
【0012】水酸基及びカチオン性基を含有する樹脂
(A) 樹脂(A)は、エポキシ基含有硬化剤(B)中のエポキ
シ基と反応しうる水酸基を含有し、かつ安定な水性分散
物を形成するのに十分な数のカチオン性基を有する任意
の樹脂が包含される。樹脂(A)としては例えば次のも
のを挙げることができる。
【0013】(イ)ポリエポキシ樹脂とカチオン化剤と
を反応せしめて得られる反応生成物; (ロ)ポリカルボン酸とポリアミンとの重縮合物(米国
特許第2,450,940号明細書参照)を酸でプロト
ン化したもの; (ハ)ポリイソシアネート及びポリオールとモノ又はポ
リアミンとの重付加物を酸でプロトン化したもの; (ニ)水酸基ならびにアミノ基含有アクリル系又はビニ
ル系モノマーの共重合体を酸でプロトン化したもの(特
公昭45−12395号公報、特公昭45−12396
号公報参照); (ホ)ポリカルボン酸樹脂とアルキレンイミンとの付加
物を酸でプロトン化したもの(米国特許第3,403,
088号明細書参照);等。
【0014】これらのカチオン性樹脂の具体例及び製造
方法については、例えば特公昭45−12395号公
報、特公昭45−12396号公報、特公昭49−23
087号公報、米国特許第2,450,940号明細
書、米国特許第3,403,088号明細書、米国特許
第3,891,529号明細書、米国特許第3,96
3,663号明細書等に記載されている。
【0015】本発明における樹脂(A)として特に望ま
しいのは、前記(イ)に包含される、ポリフェノール化
合物とエピクロルヒドリンとから得られる防食性に優れ
ているポリエポキシド化合物のエポキシ基にカチオン化
剤を反応せしめて得られる反応生成物である。
【0016】前記ポリエポキシド化合物は、エポキシ基
を1分子中に2個以上有する化合物で、一般に少なくと
も200、好ましくは400〜4,000、さらに好ま
しくは800〜2,000の範囲内の数平均分子量を有
するものが適している。そのようなポリエポキシド化合
物としてはそれ自体公知のものを使用することができ、
例えば、ポリフェノール化合物をアルカリの存在下にエ
ピクロルヒドリンと反応させることにより製造すること
ができるポリフェノール化合物のポリグリシジルエーテ
ルが包含される。ここで使用しうるポリフェノール化合
物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−2,2−プロパン、4,4′−ジヒドロキシベンゾフ
ェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エ
タン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イ
ソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェ
ニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフ
チル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ビス
(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、テトラ(4
−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラ
ック、クレゾールノボラック等が挙げられる。上記した
ポリエポキシド化合物の中で、基体樹脂(A)の製造に
特に適当なものは、数平均分子量が少なくとも約38
0、より好適には約800〜約2,000、及びエポキ
シ当量が190〜2,000、好適には400〜1,0
00の範囲内のポリフェノール化合物のポリグリシジル
エーテルであり、殊に下記式
【0017】
【化5】
【0018】で示されるものである。該ポリエポキシド
化合物は、ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリ
エステルポリオール、ポリアミドアミン、ポリカルボン
酸、ポリイソシアネート等と部分的に反応させてもよ
く、さらに、ε−カプロラクトン、アクリルモノマー等
をグラフト重合させてもよい。
【0019】一方、上記ポリエポキシド化合物にカチオ
ン性基を導入するためのカチオン化剤としては、脂肪族
又は脂環族又は芳香−脂肪族の第1級もしくは第2級ア
ミン塩、第3級アミン塩、第2級スルフィド塩、第3級
ホスフィン塩等が挙げられる。これらはエポキシ基と反
応してカチオン性基を形成する。さらに第3級アミノア
ルコールとジイソシアネートの反応によって得られる第
3級アミノモノイソシアネートをエポキシ樹脂の水酸基
と反応させてカチオン性基とすることもできる。
【0020】前記カチオン化剤におけるアミン化合物の
例としては、例えば次のものを例示することができる。
【0021】(あ)メチルアミン、エチルアミン、n−
又は iso−プロピルアミン、モノエタノールアミン、n
−又は iso−プロパノールアミン等の第1級アミン; (い)ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジn−又
は iso−プロパノールアミン、N−メチルエタノールア
ミン、N−エチルエタノールアミン等の第2級アミン; (う)エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒド
ロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチル
アミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノ
エチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン等のポリ
アミン。
【0022】これらの中で水酸基を有するアルカノール
アミン類が好ましい。また、第1級アミノ基を予めケト
ンと反応させてブロックした後、残りの活性水素でエポ
キシ基と反応させてもよい。
【0023】さらに、上記アミン化合物以外にアンモニ
ア、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、ヒドロキシエチ
ルヒドラジン、N−ヒドロキシエチルイミダゾリン化合
物等の塩基性化合物も同様に使用することができる。こ
れらの化合物を用いて形成される塩基性基は酸、特に好
ましくはギ酸、酢酸、グリコール酸、乳酸等の水溶性有
機カルボン酸でプロトン化してカチオン性基とすること
ができる。
【0024】さらに、トリエチルアミン、トリエタノー
ルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メ
チルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノール
アミン、N−エチルジエタノールアミン等の第3級アミ
ン等も使用でき、これらは酸で予めプロトン化し、エポ
キシ基と反応させて第4級塩にすることができる。
【0025】また、アミノ化合物以外に、ジエチルスル
フィド、ジフェニルスルフィド、テトラメチレンスルフ
ィド、チオジエタノール等のスルフィド類とホウ酸、炭
酸、有機モノカルボン酸等との塩をエポキシ基と反応さ
せて第3級スルホニウム塩としてもよい。
【0026】さらに、トリエチルホスフィン、フェニル
ジメチルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、ト
リフェニルホスフィン等のホスフィン類と上記のごとき
酸との塩をエポキシ基と反応させて、第4級ホスホニウ
ム塩としてもよい。
【0027】樹脂(A)の水酸基としては、例えば、上
記カチオン化剤中のアルカノールアミン、エポキシド化
合物中に導入されることがあるカプロラクトンの開環物
及びポリオール等から導入できる第1級水酸基;エポキ
シ樹脂中の2級水酸基;等が挙げられる。このうち、ア
ルカノールアミンにより導入される第1級水酸基はエポ
キシ基含有硬化剤(B)との架橋硬化反応性が優れてい
るので好ましい。このようなアルカノールアミンは前記
カチオン化剤で例示したものが好ましい。
【0028】樹脂(A)における水酸基の含有量は、エ
ポキシ基含有硬化剤(B)に含まれるエポキシ基との架
橋硬化反応性の点からみて、水酸基当量で20〜5,0
00、特に100〜1,000の範囲内が好ましく、特
に第1級水酸基当量は200〜1,000の範囲内にあ
ることが望ましい。また、イオン性基の含有量は、樹脂
(A)を安定に分散しうる必要な最低限以上が好まし
く、KOH(mg/g固形分)換算で一般に3〜200、
特に10〜80の範囲内にあることが好ましい。しか
し、イオン性基の含有量が3以下の場合であっても、界
面活性剤等を使用して水性分散化して使用することも可
能である。
【0029】樹脂(A)は、水酸基及びイオン性基を有
しており、遊離のエポキシ基は原則として含まないこと
が望ましい。
【0030】イミダゾール化合物(B) イミダゾール化合物(B)は、樹脂(A)と後記エポキ
シ基含有硬化剤(C)との硬化反応の触媒、又は該硬化
剤(C)の硬化剤として働く。
【0031】イミダゾール化合物(B)は、イミダゾー
ル環1個あたりの分子量が68〜300であるイミダゾ
ール化合物であり、イミダゾール環1個の場合は、分子
量が68〜300の範囲にあることが必要であり、例え
ばイミダゾール環を2個有する場合は、分子量が136
〜600の範囲にあることが必要である。
【0032】イミダゾール化合物(B)の具体例として
は、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾ
ール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイ
ミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、
1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−エチルイ
ミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−フェ
ニル−4−ベンジルイミダゾール、1−シアノエチル−
2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−
ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−イソ
プロピルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニ
ルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−〔2′−メチ
ルイミダゾリル−(1)′〕−エチル−S−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−〔2′−エチル−4−メチ
ルイミダゾリル−(1)′〕−エチル−S−トリアジ
ン、2−メチルイミダゾリウムイソシアヌル酸付加物、
2−フェニルイミダゾリウムイソシアヌル酸付加物、1
−アミノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニ
ル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フ
ェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾー
ル、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチ
ルイミダゾール等の1分子中にイミダゾール環を1個有
する化合物;上記2−フェニル−4,5−ジヒドロキシ
メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−
ヒドロキシメチルイミダゾール又は2−フェニル−4−
ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のヒド
ロキシメチル基含有イミダゾール化合物を脱水、脱ホル
ムアルデヒド反応により縮合させてなる1分子中にイミ
ダゾール環を2個以上有する化合物、例えば4,4′−
メチレン−ビス−(2−エチル−5−メチルイミダゾー
ル)等を挙げることができる。
【0033】イミダゾール化合物(B)において、イミ
ダゾール環1個あたりの分子量が300を超えると、中
和、水分散化しても本発明電着塗料中での分散安定性が
十分でなく、経時で電着塗料中にイミダゾール化合物が
析出しやすくなる。
【0034】本発明電着塗料組成物において、樹脂
(A)及びイミダゾール化合物(B)は、酸によって中
和され、水性媒体中に安定に分散された第1のエマルジ
ョン粒子を形成する。
【0035】本発明において、「水性媒体」とは水と無
限に溶解可能な媒体であり、好ましくは水を50重量%
以上、さらに好ましくは水を80重量%以上含有する媒
体である。水性媒体における水を除く残部としては親水
性有機溶剤、中和剤などを挙げることができる。
【0036】上記中和に使用される酸としては、塩酸、
硫酸、リン酸等の鉱酸;酢酸、ギ酸、プロピオン酸、ト
リメチル酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、乳酸、ヒド
ロキシ酢酸、クロトン酸、モノクロル酢酸、マレイン酸
モノエチルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イ
タコン酸モノメチルエステル等の有機酸を挙げることが
できる。これらの中和剤は1種で又は2種以上の混合物
として使用することができる。
【0037】第1のエマルジョン粒子は、水性媒体中で
樹脂(A)、イミダゾール化合物(B)及び中和用の酸
を混合し、中和、分散することによって得ることができ
る。この酸による樹脂(A)及びイミダゾール化合物
(B)の中和当量は、樹脂(A)中のカチオン性基とイ
ミダゾール化合物(B)のイミダゾール環の合計に対し
て、0.2〜1.2当量の範囲であることが好ましく、
0.3〜1.0の範囲であることがさらに好ましい。第
1のエマルジョン粒子における樹脂(A)とイミダゾー
ル化合物(B)との比率は特に限定されるものではない
が、通常、前者:後者の固形分重量比が100:0.1
〜20となる範囲で使用される。
【0038】第2のエマルジョン粒子 第2のエマルジョン粒子は、水酸基及びカチオン性基を
有する樹脂(A)とエポキシ基含有硬化剤(C)とを含
有し、該樹脂(A)が酸にて中和され、該樹脂(A)及
び該硬化剤(C)が水性媒体中に安定に分散されてなる
エマルジョン粒子である。以下に第2のエマルジョン粒
子における各成分について説明する。
【0039】水酸基及びカチオン性基を含有する樹脂
(A) 樹脂(A)としては、前記第1のエマルジョン粒子にお
ける水酸基及びカチオン性基を有する樹脂(A)と同様
のものを使用することができる。
【0040】エポキシ基含有硬化剤(C) エポキシ基含有硬化剤(C)(以下このものを「硬化剤
(C)」ということもある)は、樹脂(A)と主として
前記のごとくエーテル化反応等によって架橋硬化塗膜を
形成するための硬化剤であって、特定の「エポキシ基含
有官能基」を1分子あたり平均2個以上、好ましくは3
個以上有するものである。
【0041】すなわち、硬化剤(C)における該エポキ
シ基含有官能基は、脂環式骨格及び/又は有橋脂環式骨
格とエポキシ基とからなり、脂環式骨格は、4〜10
員、好ましくは5〜6員の飽和炭素環式環又は該環が2
個以上縮合した縮合環を含有し、また、有橋脂環式骨格
は、上記環式又は多環式環を構成する炭素原子2個の間
に直鎖状もしくは分岐鎖状のC1-6 (好ましくはC1-4)
アルキレン基〔例えば−CH2 −、−CH2 CH2 −、
−CH(CH3)−、−CH(CH3)CH2 −、−C(C
H3)2 −、−CH(C2 H5)CH2 −等〕の橋(エンド
メチレン、エンドエチレン等)が結合した環を含有する
ものである。
【0042】一方、エポキシ基
【0043】
【化6】
【0044】は、該エポキシ基中の炭素原子の1つが上
記脂環式骨格又は有橋脂環式骨格中の環炭素原子に直接
結合している(例えば下記式〔1〕、〔2〕参照)か、
あるいは該エポキシ基の2個の炭素原子と上記脂環式骨
格又は有橋脂環式骨格中の環を構成する隣接する2個の
炭素原子とが共通している(例えば下記式〔3〕、
〔4〕参照)ことが重要である。
【0045】そのようなエポキシ基含有官能基の具体例
としては、下記式〔1〕〜〔4〕で示されるものが挙げ
られる。
【0046】
【化7】
【0047】
【化8】
【0048】
【化9】
【0049】
【化10】
【0050】(式中、R1 、R2 、R3 、R5 、R6 、
R7 、R10及びR11はそれぞれH、CH3 又はC2 H5
を表わし、そしてR4 、R8 及びR9 はそれぞれH又は
CH3を表わす。) 硬化剤(C)は、上記式〔1〕〜〔4〕等によって表わ
されるエポキシ基含有官能基を1分子あたり平均少なく
とも2個、好ましくは3個以上、より好ましくは4個以
上有することができる。硬化剤(C)におけるエポキシ
基含有官能基は同一であっても異なっていてもよく、ま
た硬化剤(C)は単独であっても2種以上の混合物であ
ってもよい。
【0051】上記のうち、式〔1〕及び〔3〕で示され
るエポキシ基含有基が好ましく、殊に下記式〔5〕
【0052】
【化11】
【0053】で示されるエポキシ基含有官能基、及び下
記式〔6〕
【0054】
【化12】
【0055】で示されるエポキシ基含有官能基が好適で
ある。
【0056】硬化剤(C)のエポキシ当量及び分子量は
厳密に制限されるものではなく、その製造方法や最終の
塗料組成物の要求性能等に応じて変えることができる
が、一般的に言えば、エポキシ当量は通常、100〜
2,000、好ましくは150〜500、さらに好まし
くは150〜250の範囲内にあることができ、また、
数平均分子量は通常400〜100,000、好ましく
は700〜50,000、さらに好ましくは700〜3
0,000の範囲内にあるのが適当である。
【0057】このようなエポキシ基含有官能基を1分子
中に2個以上有する硬化剤(C)は、例えば、特公昭5
6−8016号公報、特開昭57−47365号公報、
特開昭60−166675号公報、特開昭63−221
121号公報、特開昭63−234028号公報等の文
献に記載されており、それ自体既知のものを使用するこ
とができる。
【0058】あるいはまた、上記エポキシ基含有官能基
を有する硬化剤(C)はそれ自体既知の方法によって得
られ、その主な製造法を以下に列挙するが、これらに限
定されるものではない。
【0059】第1の製造方法:1分子中に炭素−炭素二
重結合を2個以上有する脂環化合物の該二重結合の一部
を部分エポキシ化し、そのエポキシ基を開環重合した
後、重合体に残る該二重結合をエポキシ化する方法。
【0060】第2の製造方法:同一分子中にエポキシ基
を2個以上有する脂環化合物を該エポキシ基に基づい
て、該エポキシ基のすべてが消去しない程度に開環重合
する方法。
【0061】第3の製造方法:同一分子中にエポキシ基
含有官能基と重合性不飽和結合とを有する化合物を重合
する方法。
【0062】以下、これらの製造方法についてさらに具
体的に説明する。
【0063】第1の製造方法:1分子中に炭素−炭素二
重結合を2個以上有する脂環化合物(以下、「脂環化合
物(a)」と略称する)は、脂環式骨格又は有橋脂環式
骨格について前述した脂環式環又は有橋脂環式環構造を
基本骨格とし、さらに二重結合を、環を構成する隣接炭
素原子2つの間で存在するか、又は該環構造を構成する
炭素原子に他の炭素原子に基づく二重結合が直接結合す
る状態で少なくとも2個以上含有する化合物である。
【0064】脂環化合物(a)の代表例を示せば次のと
おりである。
【0065】
【化13】
【0066】脂環化合物(a)に含まれる炭素−炭素二
重結合の一部を過酸化物等によってエポキシ基に変性す
る(部分エポキシ化)。部分エポキシ化物は、前記脂環
化合物(a)に含まれる複数の二重結合のうち一部をエ
ポキシ基に変性したものであり、1分子中にエポキシ基
と炭素−炭素二重結合とをそれぞれ少なくとも1個ずつ
有しており、該二重結合は環を構成する隣接の炭素原子
2個の間に存在するかもしくは該環の炭素原子に他の炭
素原子に基づく二重結合が結合していることが必要であ
る。
【0067】次に、この部分エポキシ化物中のエポキシ
基に基づいて開環重合して脂環化合物(a)の重合体を
得る。この開環重合には開始剤を用いることが好まし
く、硬化剤(C)の末端には該開始剤成分による残基X
が結合していてもよい。ここで、Xは活性水素を有する
有機化合物残基であり、その前駆体である活性水素を有
する有機化合物としては、例えば、アルコール類、フェ
ノール類、カルボン酸類、アミン類、チオール類等が挙
げられる。
【0068】開環重合の際に、部分エポキシ化物を単独
もしくは必要に応じてその他のエポキシ化合物を併存さ
せて、これらに含まれるエポキシ基を開環重合(エーテ
ル結合)させることによって得られる。
【0069】開環重合体におけるその他のエポキシ化合
物の構成比率は目的に応じて任意に選ぶことができる
が、具体的には、得られる開環共重合体1分子あたり前
記構造式〔1〕〜〔4〕のいずれか1種又は複数種を平
均2個以上、好ましくは平均3個以上、より好ましくは
4個以上有する範囲内で選ぶことが望ましい。
【0070】このようにして得られる該(共)重合体の
数平均分子量は一般に400〜100,000、特に7
00〜50,000、さらに700〜30,000の範
囲内にあることが好ましい。
【0071】開環重合体には脂環化合物(a)に基づく
二重結合が存在しており、そのすべてもしくは一部をエ
ポキシ化することによって硬化剤(C)が得られる。二
重結合のエポキシ化は例えば過酸類、ハイドロパーオキ
サイド類等のエポキシ化剤を用いて行うことができる。
【0072】このようにして得られる硬化剤(C)のエ
ポキシ当量は一般に100〜2,000、特に150〜
500、さらに150〜250の範囲内であることが好
ましい。
【0073】このような硬化剤(C)の市販品として
は、例えばEHPE−3150、EHPE−3100、
EHPE−1150〔ダイセル化学工業(株)製商品
名〕等が挙げられ、これらは4−ビニルシクロヘキセン
−1−オキサイドを用いたシクロヘキサン骨格をもつ下
記構造式のエポキシ樹脂である。
【0074】
【化14】
【0075】(式中、nは2以上であり、好ましくは3
以上、より好ましくは4以上であり、Xは開始剤成分の
残基である。)第2の製造方法: 例えば、前記脂環化合物(a)に含ま
れる二重結合のうち少なくとも2個をエポキシ化し、次
いでエポキシ基が残存するように開環重合することによ
って得られる。
【0076】上記1分子あたり平均2個以上のエポキシ
基を有する脂環化合物としては、単環式もしくは縮合環
式の下記化合物が代表的に示される。
【0077】
【化15】
【0078】開環重合は、上記1分子あたり平均2個以
上のエポキシ基を有する脂環化合物の1種以上を前記第
1の製造方法で述べたのと同様にして、必要に応じ開始
剤、触媒を使用し、開環重合反応を行いエポキシ基が残
存している所定の反応点で反応を止めることにより硬化
剤(C)を得ることができる。
【0079】このようにして得られる開環重合体〔硬化
剤(C)〕の数平均分子量は一般に400〜100,0
00、特に700〜50,000の範囲内にあることが
好ましく、また、エポキシ当量は一般に100〜2,0
00、特に150〜500、さらに150〜250の範
囲内にあることが好都合である。
【0080】第3の製造方法:同一分子中にエポキシ基
含有官能基と重合性不飽和結合とをそれぞれ少なくとも
1個ずつ有する化合物(以下、「重合性エポキシモノマ
ー」と略称することがある)としては、例えば以下の一
般式〜に示すものが挙げられる。
【0081】
【化16】
【0082】(式中、R12は水素原子又はメチル基を表
わし、R13は炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素
基を表わす。) 上記重合性エポキシモノマーにおいて、R13によって表
わされる炭素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素基として
は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基、例えばメチレ
ン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、エチルエ
チレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン基等を挙げる
ことができる。
【0083】上記一般式〜で示される重合性エポキ
シモノマーの具体例としては、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチルアクリレート及び3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチルメタクリレート等が挙げられる。さら
に、4−ビニルシクロヘキセンオキサイドも重合性エポ
キシモノマーとして使用できる。
【0084】重合性エポキシモノマーから選ばれる1種
もしくは2種以上を重合することによって硬化剤(B)
を製造することができるが、その際他の重合性不飽和モ
ノマーを共重合させることもできる。
【0085】上記他の重合性不飽和モノマーとしては、
得られる(共)重合体に望まれる性能に応じて広範に選
択することができ、その代表例を示せば次のとおりであ
る。 (a)アクリル酸又はメタクリル酸のエステル;例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリ
ル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタ
クリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル等のアクリル
酸又はメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステ
ル;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチル
メタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメ
タクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステ
ル。
【0086】(b)ビニル芳香族化合物;例えば、スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロ
ルスチレン。
【0087】(c)ポリオレフィン系化合物;例えば、
ブタジエン、イソプレン、クロロプレン。
【0088】(d)その他;アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、ベオバモノマー(シェル化学社製品)、
ポリカプロラクトン鎖をもつビニル化合物(例えば、F
M−3Xモノマー;ダイセル化学工業製商品名)。
【0089】重合性エポキシモノマーと他の重合性不飽
和モノマーとの構成比率は、目的に応じて任意に選択す
ることができ、これらの共重合反応によって得られる硬
化剤(C)の1分子中あたりエポキシ基含有官能基が平
均少なくとも2個、好ましくは平均3個以上、より好ま
しくは平均4個以上含有するような範囲で選択すること
ができるが、十分な硬化性を付与する官能基として利用
するためには、特に該硬化剤(C)固形分中重合性エポ
キシモノマー含有率が5〜100重量%、より好ましく
は20〜100重量%の範囲内となるようにするのが好
ましい。
【0090】上記第3の製造方法によって得られる硬化
剤(C)は、通常のアクリル樹脂やビニル樹脂等の重合
性不飽和結合に基づく重合反応と同様の方法、条件を用
いて製造することができる。
【0091】上記第3の製造例の硬化剤(C)は、数平
均分子量が一般に約3,000〜約100,000の範
囲内にあるものが好ましく、特に4,000〜10,0
00の範囲内にあるものがより好ましい。
【0092】上記した硬化剤(C)の中で、好適なもの
は、1分子あたりにエポキシ基含有官能基を平均して3
個以上、より好ましくは平均して4個以上、最も好まし
くは平均して5個以上有するものであり、また、エポキ
シ当量が好ましくは100〜2,000、より好ましく
は150〜500、特に150〜250の範囲内にあ
り、そして数平均分子量が好ましくは400〜100,
000、より好ましくは700〜50,000、特に好
ましくは700〜30,000の範囲内にあるものであ
る。
【0093】第2のエマルジョン粒子は、水性媒体中
に、樹脂(A)及び硬化剤(C)の混合物を安定に分散
することによって得ることができる。該混合物の分散
は、樹脂(A)を酸によって中和して水分散性を付与す
ることによって行うことができる。中和に使用される酸
としては、前記第1のエマルジョン粒子形成の際に、樹
脂(A)やイミダゾール化合物(B)の中和に使用され
る酸として挙げたものを使用することができる。
【0094】第2のエマルジョン粒子形成の際の、酸に
よる樹脂(A)の中和当量は、樹脂(A)中のカチオン
性基に対して、0.2〜1.2当量の範囲であることが
好ましく、0.3〜1.0の範囲であることがさらに好
ましい。第2のエマルジョン粒子における樹脂(A)と
硬化剤(C)との比率は、特に限定されるものではない
が、通常、前者:後者の固形分重量比が100:25〜
200となる範囲で使用される。
【0095】本発明組成物において、第1のエマルジョ
ン粒子と第2のエマルジョン粒子との混合比は特に限定
されるものではないが、第1のエマルジョン粒子と第2
のエマルジョン粒子の合計において、一般には、硬化剤
(C)の樹脂(A)に対する固形分重量比が、0.2〜
1.0、特に0.25〜0.85、さらに望ましくは
0.25〜0.65の範囲内となる割合で、かつ樹脂
(A)と硬化剤(C)との合計固形分量に対するイミダ
ゾール化合物(B)の固形分重量比が、0.0005〜
0.10、特に0.001〜0.05、さらに望ましく
は0.002〜0.03の範囲となるように選択して使
用するのが望ましい。
【0096】本発明電着塗料組成物の調整方法は、上記
第1のエマルジョン粒子と第2のエマルジョン粒子と
が、経時においても安定に分散された電着塗料組成物が
得られる限り、特に限定されるものではない。本発明電
着塗料組成物は、例えば、水性媒体中に安定に分散させ
た第1のエマルジョン粒子分散液と、水性媒体中に安定
に分散させた第1のエマルジョン粒子分散液とを混合
し、必要に応じて、カーボンブラック、チタン白、鉛
白、酸化鉛、ベンガラのような着色顔料;クレー、タル
クのような体質顔料;あるいはさらに他の添加剤を混合
することによって行うことができる。配合し得る他の添
加剤としては、例えば、分散剤又はハジキ防止剤として
の少量の界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙
げられる。
【0097】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重
量基準によるものとする。水酸基及びカチオン性基を有する樹脂(A)の製造 製造例1 EHPE3150(*1)155部、ジエタノールアミ
ン70部及び予めエポキシ当量190のビスフェノール
Aジグリシジルエーテル475部とビスフェノールA2
85部とジエタノールアミン53部とカルビトール80
部とを混合し130℃で3時間保持して反応させてなる
反応生成物全量からなる混合物を160℃で5時間反応
後、メチルプロパノール692部を加え、固形分含有率
60%、アミン価63、第1級水酸基当量443のカチ
オン性樹脂溶液(A−1)を得た。
【0098】(*1)EHPE3150:ダイセル化学
工業(株)製、下記式で示される繰返し単位を有するエ
ポキシ当量約175〜195のエポキシ樹脂。
【0099】
【化17】
【0100】式中、mは2以上の整数を示す。
【0101】エポキシ基含有硬化剤(B)の製造 製造例2 デュラネートTPA−100〔旭化成(株)製商品名、
ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート化
物、イソシアネート当量185〕14.5部と3,4−
エポキシテトラヒドロベンジルアルコール〔ダイセル化
学工業(株)製、エポキシ当量135〕10.5部を1
20℃で3時間反応させ、イソシアネート価が0である
ことを確認してからメチルプロパノール6.3部を加え
て、固形分80%の硬化剤溶液(B−2)を得た。この
硬化剤樹脂は数平均分子量970、エポキシ当量325
を有していた。
【0102】樹脂エマルジョンの製造 製造例3(第1のエマルジョン粒子の製造) 上記60%カチオン性樹脂溶液(A−1)8.3部に、
2−フェニルイミダゾール1部、ギ酸0.1部を加え、
十分に撹拌しながら脱イオン水20.6部を加えて固形
分20%、pH6.5、エマルジョン粒子径0.1μm の
第1のエマルジョン粒子分散液(E−1−1)を得た。
【0103】製造例4(第1のエマルジョン粒子の製
造) 上記60%カチオン性樹脂溶液(A−1)8.3部に、
2−ウンデシルイミダゾール2部、ギ酸0.15部を加
え、十分に撹拌しながら脱イオン水20.55部を加え
て固形分20%、pH6.0、エマルジョン粒子径0.0
5μm の第1のエマルジョン粒子分散液(E−1−2)
を得た。
【0104】製造例5(第2のエマルジョン粒子の製
造) 上記60%カチオン性樹脂溶液(A−1)75部と前記
EHPE−3150をエチレングリコールモノエチルエ
ーテルに溶解してなる固形分80%の硬化剤溶液(B−
1)62.5部とギ酸0.6部を加え、十分に撹拌しな
がら脱イオン水336.9部を添加して、固形分20
%、pH6.6、エマルジョン粒子径0.05μm の第2
のエマルジョン粒子分散液(E−2−1)を得た。
【0105】製造例6(第2のエマルジョン粒子の製
造) 上記60%カチオン性樹脂溶液(A−1)75部と上記
製造例2で得た固形分80%の硬化剤溶液(B−2)6
2.5部とギ酸0.5部を加え、十分に撹拌しながら脱
イオン水337部を添加して、固形分20%、pH6.
3、エマルジョン粒子径0.1μm の第2のエマルジョ
ン粒子分散液(E−2−2)を得た。
【0106】製造例7(比較用エマルジョンの製造) 上記60%カチオン性樹脂溶液(A−1)83.3部
に、前記EHPE−3150をエチレングリコールモノ
エチルエーテルに溶解してなる固形分80%の硬化剤溶
液(B−1)62.5部とギ酸0.6部を加え、十分に
撹拌しながら脱イオン水312部を添加して、固形分2
0%、pH6.2、エマルジョン粒子径0.10μm のエ
マルジョン粒子分散液(EC−1)を得た。
【0107】製造例8(比較用エマルジョンの製造) 上記60%カチオン性樹脂溶液(A−1)83.3部
に、前記製造例2で得た固形分80%の硬化剤溶液(B
−2)62.5部とギ酸0.6部を加え、十分に撹拌し
ながら脱イオン水312部を添加して、固形分20%、
pH6.2、エマルジョン粒子径0.10μm のエマルジ
ョン粒子分散液(EC−2)を得た。
【0108】実施例1 前記製造例3で得た固形分20%の第1のエマルジョン
粒子分散液(E−1−1)30部に前記製造例5で得た
固形分20%の第2のエマルジョン粒子分散液(E−2
−1)475部を混合、撹拌して、pH6.1、固形分2
0%のカチオン電着塗料−1を得た。
【0109】実施例2 前記製造例4で得た固形分20%の第1のエマルジョン
粒子分散液(E−1−2)35部に前記製造例6で得た
固形分20%の第2のエマルジョン粒子分散液(E−2
−2)475部を混合、撹拌して、pH6.3、固形分2
0%のカチオン電着塗料−2を得た。
【0110】実施例3 前記製造例1で得たカチオン性樹脂溶液(A−1)10
0部にチタン白50部、クレー50部、ギ酸3.0部、
脱イオン水55部を加え、練合せた後、ガラスビーズ8
00部を加えてペイントシェーカーで分散し、ガラスビ
ーズを除去して固形分約62%の顔料分散物(P−1)
を得た。
【0111】前記製造例3で得た固形分20%の第1の
エマルジョン粒子分散液(E−1−1)30部に前記製
造例5で得た固形分20%の第2のエマルジョン粒子分
散液(E−2−1)475部、上記顔料分散物(P−
1)7.1部及び脱イオン水14.9部を混合、撹拌し
て、pH6.1、固形分20%のカチオン電着塗料−3を
得た。
【0112】比較例1 2−フェニルイミダゾール1部に対して、ギ酸0.1部
を水0.9部に溶解してなる10%ギ酸水溶液1部及び
水3.5部を加え、撹拌してイミダゾール化合物中和分
散液(C−1)を得た。この分散液(C−1)は、固形
分20%で、均一な白濁したコロイダルディスパージョ
ンであった。
【0113】前記製造例7で得た固形分20%のエマル
ジョン粒子分散液(EC−1)500部に対して、上記
イミダゾール化合物中和分散液(C−1)5部を混合、
撹拌して、pH6.2、固形分20%のカチオン電着塗料
−4(比較用)を得た。
【0114】比較例2 2−ウンデシルイミダゾール1部に対して、ギ酸0.1
部を水0.9部に溶解してなる10%ギ酸水溶液1部及
び水3.5部を加え、撹拌してイミダゾール化合物中和
分散液(C−2)を得た。この分散液(C−2)は、固
形分20%で、均一な白濁したコロイダルディスパージ
ョンであった。
【0115】前記製造例8で得た固形分20%のエマル
ジョン粒子分散液(EC−2)500部に対して、上記
イミダゾール化合物中和分散液(C−1)10部を混
合、撹拌して、pH6.2、固形分20%のカチオン電着
塗料−5(比較用)を得た。
【0116】比較例3 前記製造例7で得た固形分20%のエマルジョン粒子分
散液(EC−1)500部に対して、前記実施例1で使
用したイミダゾール化合物中和分散液(C−1)5部及
び前記実施例3で使用した顔料分散物(P−1)7.1
部を混合、撹拌して、pH6.2、固形分20%のカチオ
ン電着塗料−6(比較用)を得た。
【0117】比較例4 前記製造例5で得た第2のエマルジョン粒子分散液(E
−2−1)そのものをカチオン電着塗料−7(比較用)
とした。
【0118】比較例5 前記製造例5で得た第2のエマルジョン粒子分散液(E
−2−1)500部に固形分20%の酢酸鉛水溶液10
部を混合、撹拌して、pH6.2、固形分20%のカチオ
ン電着塗料−8(比較用)を得た。
【0119】比較例6 前記製造例5で得た第2のエマルジョン粒子分散液(E
−2−1)500部、2−フェニルイミダゾール1部及
び前記実施例3で使用した顔料分散物(P−1)7.1
部を混合、撹拌して、pH6.2、固形分20%のカチオ
ン電着塗料−9(比較用)を得た。
【0120】上記実施例1〜3及び比較例1〜6で得た
電着塗料について、塗膜のゲル分率、塗膜の伸び率、付
着性、塗膜硬度及び開放撹拌に対する塗料安定性につい
て下記試験方法に基づいて試験を行った。試験結果を後
記表1に示す。
【0121】試験塗板の作成 (1)塗膜のゲル分率及び伸び率については、ブリキ板
に各電着塗料を塗膜厚約20μm となるように印加電圧
150Vの条件でカチオン電着塗装を行い、水洗後、2
00℃で20分間焼き付けた塗装ブリキ板を使用して試
験を行った。
【0122】(2)塗膜の付着性及び塗膜硬度について
は、冷延磨き鋼板に各電着塗料を塗膜厚約20μm とな
るように印加電圧170Vの条件でカチオン電着塗装を
行い、水洗後、200℃で20分間焼き付けた塗装磨き
鋼板を使用して試験を行った。
【0123】試験方法 ゲル分率:塗装ブリキ板の、ブリキ板から剥離した塗膜
を300メッシュのステンレススチール製の網状容器に
入れ、アセトン/メタノール=1/1の溶媒を用いて還
流温度で6時間抽出した後次式に従ってゲル分率を算出
した。
【0124】ゲル分率(%)=(抽出後の塗膜重量)/
(抽出前の塗膜重量)×100 塗膜伸び率:塗装ブリキ板から剥離した塗膜を切断し、
幅5mm、長さ20mmの測定塗膜について、オートグラフ
(島津製作所製)で、温度20℃、引張り速度20mm/
分の条件で塗膜伸び率を測定した。塗膜伸び率は、塗膜
が切れた時の元の長さに対する伸びの割合(%)であ
る。
【0125】付着性:初期の塗装磨き鋼板及び約100
℃の沸騰水中に30分間浸漬した塗装磨き鋼板について
塗膜の付着性試験を行った。付着性試験は、JIS K
−5400 8.5.2(1990)碁盤目テープ法に
準じて、塗膜に素地に達する切目を入れ、1mm×1mmの
マス目を100個作成し、その表面にセロハン粘着テー
プを密着させ、急激に剥離した後に剥離せずに残ったマ
ス目の数で評価した。100は、塗膜の剥離が認められ
ず付着性が良好であることを意味する。
【0126】塗膜硬度:塗装磨き鋼板の塗膜に、JIS
K−5400 8.4.2(1990)に規定する鉛
筆引っかき試験を行い、やぶれ法による評価を行った。
【0127】塗料安定性:電着塗料組成物を30℃に保
持し、アルミ箔で軽くフタをして1週間及び3週間撹拌
した後の塗料組成物の状態を調べた。塗料状態に大きな
変化の認められないものを○と表示した。塗料に凝集、
ゲル化の認められるものを×と表示した。
【0128】
【表1】
【0129】
【発明の効果】本発明の電着塗料組成物は、水酸基とカ
チオン性基を含有する樹脂とエポキシ樹脂とイミダゾー
ル化合物とを含有する電着塗料系において、エポキシ樹
脂とイミダゾール化合物とがそれぞれ別のエマルジョン
中に存在しており、安定に分散されたものである。本発
明の電着塗料組成物は金属触媒を含有しないため、金属
基材表面が平滑な場合にも十分な付着力を示し、耐湿試
験後においても金属基材表面への密着性が優れた電着塗
膜を得ることができる。本発明の電着塗料組成物は、エ
ポキシ樹脂とイミダゾール化合物とが分離されているた
め、長期における貯蔵安定性にも優れるとともに硬化性
にも優れるものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)水酸基及びカチオン性基を有する
    樹脂(A)と、イミダゾール環1個あたりの分子量が6
    8〜300であるイミダゾール化合物(B)とが、酸に
    て中和され、水性媒体中に安定に分散されてなる第1の
    エマルジョン粒子、及び(2)上記樹脂(A)と、脂環
    式骨格及び/又は有橋脂環式骨格にエポキシ基が結合し
    てなるエポキシ基含有官能基を1分子あたり平均2個以
    上有するエポキシ基含有硬化剤(C)とを有し、該樹脂
    (A)が酸にて中和され、水性媒体中に安定に分散され
    てなる第2のエマルジョン粒子、を含有することを特徴
    とするカチオン型電着塗料組成物。
  2. 【請求項2】 樹脂(A)において、カチオン性基の含
    有量がKOH(mg/g固形分)換算で3〜200であ
    り、水酸基当量が20〜5,000であることを特徴と
    する請求項1記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 硬化剤(C)におけるエポキシ基含有官
    能基が、下記式〔1〕〜〔4〕 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 (式中、R1 、R2 、R3 、R5 、R6 、R7 、R10及
    びR11は、それぞれH、CH3 又はC2 H5 を表わし、
    R4 、R8 及びR9 は、それぞれH又はCH3 を表わ
    す。)で示されるものから選ばれる少なくとも1種であ
    る請求項1又は2記載の塗料組成物。
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