JPH1143765A - Al合金系ターゲットおよびその製造方法 - Google Patents
Al合金系ターゲットおよびその製造方法Info
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- JPH1143765A JPH1143765A JP21132797A JP21132797A JPH1143765A JP H1143765 A JPH1143765 A JP H1143765A JP 21132797 A JP21132797 A JP 21132797A JP 21132797 A JP21132797 A JP 21132797A JP H1143765 A JPH1143765 A JP H1143765A
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- phase
- eutectic structure
- alloy
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 共晶組織形成可能元素を含有するAl合金タ
ーゲットにおいて欠陥が著しく少ない、すなわちスプラ
ッシュの発生を防止できるターゲットを提供することに
ある。 【解決手段】 本発明はAl相と、AlとAlとの共晶
組織形成可能元素で構成される共晶組織相とからなるミ
クロ組織からなるAl合金ターゲットである。好ましく
は、Alとの共晶組織形成可能元素1種以上を含有する
Al合金において、共晶組織相とAl相からなるミクロ
組織を有し、前記共晶組織の最大長径が200μm以下にな
るよう調整する。
ーゲットにおいて欠陥が著しく少ない、すなわちスプラ
ッシュの発生を防止できるターゲットを提供することに
ある。 【解決手段】 本発明はAl相と、AlとAlとの共晶
組織形成可能元素で構成される共晶組織相とからなるミ
クロ組織からなるAl合金ターゲットである。好ましく
は、Alとの共晶組織形成可能元素1種以上を含有する
Al合金において、共晶組織相とAl相からなるミクロ
組織を有し、前記共晶組織の最大長径が200μm以下にな
るよう調整する。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、Alを主体とする
Al系合金ターゲットに関し、特に液晶ディスプレイ
(Liquid Crystal Display)用の薄膜配線の形成に好ま
しいターゲットおよびその製造方法に関するものであ
る。
Al系合金ターゲットに関し、特に液晶ディスプレイ
(Liquid Crystal Display)用の薄膜配線の形成に好ま
しいターゲットおよびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ガラス基板上に薄膜デバイスを作成する
LCD、薄膜センサー等に用いる電気配線膜、電極等には
従来から主に高融点金属である純Cr膜、純Ta膜、純Ti膜
等の純金属膜またはそれらの合金膜が用いられている。
LCDの大型化、高精細化に伴い配線膜、電極膜には信号
の遅延を防止するために低抵抗化、低応力化とそれらの
特性の安定化が要求される。例えば、12インチ以上の大
型カラーLCDに用いられる電極用では15μΩ・cm以下に
することことが要求される。しかし従来のCr、Ta系の高
融点系合金膜では膜の安定性には優れるが、抵抗値高
く、Crで約30μΩ・cm、Taで約180μΩ・cm、Tiで約60
μΩ・cmである。このため、これらの金属より更に低比
抵抗なAl合金系配線材料を用いるようになっている。
LCD、薄膜センサー等に用いる電気配線膜、電極等には
従来から主に高融点金属である純Cr膜、純Ta膜、純Ti膜
等の純金属膜またはそれらの合金膜が用いられている。
LCDの大型化、高精細化に伴い配線膜、電極膜には信号
の遅延を防止するために低抵抗化、低応力化とそれらの
特性の安定化が要求される。例えば、12インチ以上の大
型カラーLCDに用いられる電極用では15μΩ・cm以下に
することことが要求される。しかし従来のCr、Ta系の高
融点系合金膜では膜の安定性には優れるが、抵抗値高
く、Crで約30μΩ・cm、Taで約180μΩ・cm、Tiで約60
μΩ・cmである。このため、これらの金属より更に低比
抵抗なAl合金系配線材料を用いるようになっている。
【0003】純Al膜では比抵抗は低いが、耐熱性に問
題があり、TFT製造プロセス上不可避である電極膜形成
後の加熱工程においてヒロックと呼ばれる微小な突起が
表面に生じるという問題点がある。このヒロックはスト
レスマイグレーション、サーマルマイグレーションに等
により発生すると考えられ、このヒロックが発生すると
Al配線膜上に絶縁膜や保護膜等を形成し更に配線膜、
電極膜等を形成しようとした場合に電気的短絡やヒロッ
クを通してエッチング液等が侵入しAl合金配線膜が腐
食してしまうという問題点がある。
題があり、TFT製造プロセス上不可避である電極膜形成
後の加熱工程においてヒロックと呼ばれる微小な突起が
表面に生じるという問題点がある。このヒロックはスト
レスマイグレーション、サーマルマイグレーションに等
により発生すると考えられ、このヒロックが発生すると
Al配線膜上に絶縁膜や保護膜等を形成し更に配線膜、
電極膜等を形成しようとした場合に電気的短絡やヒロッ
クを通してエッチング液等が侵入しAl合金配線膜が腐
食してしまうという問題点がある。
【0004】このため、純Alではなくこれらの問題を
解決する目的で高融点系の金属を添加する。例えば、特
開平4-323872号ではMn、Zr、Crを0.05〜1.0at%添加する
ことが有効であることが述べられている。また、特公平
4-48854号では、Bを0.002〜0.5wt%、Hf、Nb、Ta、Mo、W
を0.002〜0.7wt%添加する方法や、更にSiを0.5〜1.5wt%
加える方法が開示されている。また、特開平5-656631号
ではTi、Zr、Taを0.2〜10at%添加することがヒロックの
抑制に効果があることが述べられている。更に特開平7-
45555号で述べられている様にFe、Co、Ni、Ru、Rh、Ir
を0.1〜10at%、また希土類元素を0.05〜15at%添加する
方法や、特開平5-335271号のようにAl-Si合金にCu、T
i、Pd、Zr、Hf、Y、Scを0.01〜3wt%添加する方法が知ら
れている。
解決する目的で高融点系の金属を添加する。例えば、特
開平4-323872号ではMn、Zr、Crを0.05〜1.0at%添加する
ことが有効であることが述べられている。また、特公平
4-48854号では、Bを0.002〜0.5wt%、Hf、Nb、Ta、Mo、W
を0.002〜0.7wt%添加する方法や、更にSiを0.5〜1.5wt%
加える方法が開示されている。また、特開平5-656631号
ではTi、Zr、Taを0.2〜10at%添加することがヒロックの
抑制に効果があることが述べられている。更に特開平7-
45555号で述べられている様にFe、Co、Ni、Ru、Rh、Ir
を0.1〜10at%、また希土類元素を0.05〜15at%添加する
方法や、特開平5-335271号のようにAl-Si合金にCu、T
i、Pd、Zr、Hf、Y、Scを0.01〜3wt%添加する方法が知ら
れている。
【0005】上記合金系の相構成はいずれも固溶体相ま
たはAl相(以下Alマトリックス)と析出物または化
合物とから成り、これらがAlマトリックスの粒界また
は粒内に分散することによりヒロックを抑制すると考え
られている。従来Al合金ターゲットの製造に際して
は、小型のターゲットについては溶解鋳造後機械加工を
施し製造を行っていた。また、大型のターゲットについ
ては溶解鋳造後所定のサイズまで圧延等の塑性加工を施
して製造を行っていた。
たはAl相(以下Alマトリックス)と析出物または化
合物とから成り、これらがAlマトリックスの粒界また
は粒内に分散することによりヒロックを抑制すると考え
られている。従来Al合金ターゲットの製造に際して
は、小型のターゲットについては溶解鋳造後機械加工を
施し製造を行っていた。また、大型のターゲットについ
ては溶解鋳造後所定のサイズまで圧延等の塑性加工を施
して製造を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】通常、液晶の配線膜を
形成する場合にはDCマグネトロンスパッタ法によりスパ
ッタが行われている。Al合金系ターゲットに微細な欠
陥がある場合、欠陥部に局所的なアーク放電が発生し、
ターゲットの一部が溶落し基板に付着するという現象が
見られる。これはスプラッシュと呼ばれる現象で、液晶
パネルの製造歩留まりを著しく低減させるため大きな問
題となる。従来の溶解鋳造法によるターゲットは、熱収
縮による引け巣を生じ、欠陥となる場合がある。また、
金属間化合物生成可能なAl合金においては、偏析によ
り部分的に粗大な化合物が生成されると、鋳造後の圧延
時に化合物割れ欠陥を生じる場合がある。
形成する場合にはDCマグネトロンスパッタ法によりスパ
ッタが行われている。Al合金系ターゲットに微細な欠
陥がある場合、欠陥部に局所的なアーク放電が発生し、
ターゲットの一部が溶落し基板に付着するという現象が
見られる。これはスプラッシュと呼ばれる現象で、液晶
パネルの製造歩留まりを著しく低減させるため大きな問
題となる。従来の溶解鋳造法によるターゲットは、熱収
縮による引け巣を生じ、欠陥となる場合がある。また、
金属間化合物生成可能なAl合金においては、偏析によ
り部分的に粗大な化合物が生成されると、鋳造後の圧延
時に化合物割れ欠陥を生じる場合がある。
【0007】また、鋳造欠陥を生じない製法としては粉
末焼結法が知られている。しかし、純Al粉末と添加元
素粉末を混合し焼結した場合、添加元素粉末が焼結過程
で粗大な化合物に変化し、圧延割れ欠陥を生じる場合が
ある。本発明者は、Alにヒロックを防止する元素を添
加する形態を検討した。そして、ターゲット組織におけ
る添加元素の存在形態に起因する脆さが、スプラッシュ
の原因となる空孔の発生につながることを見いだした。
そして、ヒロック防止のために添加する元素によって生
成する化合物相もしくは析出相がAlマトリックスに単
独で存在するようなターゲット組織は、これらが脆く、
圧延、機械加工等の工程にかかる変形応力で、容易に微
小な割れが発生し空孔となる。
末焼結法が知られている。しかし、純Al粉末と添加元
素粉末を混合し焼結した場合、添加元素粉末が焼結過程
で粗大な化合物に変化し、圧延割れ欠陥を生じる場合が
ある。本発明者は、Alにヒロックを防止する元素を添
加する形態を検討した。そして、ターゲット組織におけ
る添加元素の存在形態に起因する脆さが、スプラッシュ
の原因となる空孔の発生につながることを見いだした。
そして、ヒロック防止のために添加する元素によって生
成する化合物相もしくは析出相がAlマトリックスに単
独で存在するようなターゲット組織は、これらが脆く、
圧延、機械加工等の工程にかかる変形応力で、容易に微
小な割れが発生し空孔となる。
【0008】以上の様な問題点を踏まえ本発明者等は粉
末焼結方法における粉末形態を種々検討した。その結
果、所定の組成のAl合金を溶解し、ガスアトマイズ法
等により急冷凝固させた粉末を用いた焼結体は、均一で
微細な化合物相を得やすく、圧延による化合物割れ欠陥
を生じにくいことが判った。しかし、上記Al合金ガス
アトマイズ粉を使用する場合であっても、添加元素量が
増加すると加圧焼結を行った場合や更に圧延を行った場
合でも焼結体にポア(空孔)が残留する場合がある。
末焼結方法における粉末形態を種々検討した。その結
果、所定の組成のAl合金を溶解し、ガスアトマイズ法
等により急冷凝固させた粉末を用いた焼結体は、均一で
微細な化合物相を得やすく、圧延による化合物割れ欠陥
を生じにくいことが判った。しかし、上記Al合金ガス
アトマイズ粉を使用する場合であっても、添加元素量が
増加すると加圧焼結を行った場合や更に圧延を行った場
合でも焼結体にポア(空孔)が残留する場合がある。
【0009】ここで、上記ポアが残留する原因について
説明する。共晶組織を形成するAl合金粉末は固溶体A
l相と析出相または化合物相からなり、個々の粒子の組
織には、析出相または化合物相が分散していることから
純Al粉末に比べて変形抵抗が増加する。特に添加元素
が多く析出相または化合物相の多いAl合金粉末は、変
形抵抗が著しく高く、HIP、ホットプレス等の通常の
加圧焼結設備では欠陥の無い完全な焼結を完了させるこ
とが難しい。
説明する。共晶組織を形成するAl合金粉末は固溶体A
l相と析出相または化合物相からなり、個々の粒子の組
織には、析出相または化合物相が分散していることから
純Al粉末に比べて変形抵抗が増加する。特に添加元素
が多く析出相または化合物相の多いAl合金粉末は、変
形抵抗が著しく高く、HIP、ホットプレス等の通常の
加圧焼結設備では欠陥の無い完全な焼結を完了させるこ
とが難しい。
【0010】本発明は上記の問題点に着目してなされた
ものである。その目的は共晶組織形成可能元素を含有す
るAl合金ターゲットにおいて欠陥が著しく少ない、す
なわちスプラッシュの発生を防止できるターゲットを提
供することにある。
ものである。その目的は共晶組織形成可能元素を含有す
るAl合金ターゲットにおいて欠陥が著しく少ない、す
なわちスプラッシュの発生を防止できるターゲットを提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は上述した問題
を解決するために鋭意検討した結果、純Al粉と、ヒロ
ック防止のために添加した元素が、微細な化合物相もし
くは析出相として分散した共晶組織を有するAl合金粉
末(以下Al合金粉)とを、所定の組成となるよう混合
し、加圧焼結することにより焼結体のポア(空孔)を著
しく低減できることを見出すに至った。すなわち、変形
抵抗の大きいAl合金で形成される共晶組織相に、変形
抵抗の小さいAl相を介在させバインダーの効果を持た
せることで、欠陥の発生の少ないターゲットを得ること
ができることを見いだしたのである。また、共晶組織相
とAl相を複合することにより、変形抵抗の小さいAl
相が共晶組織相にかかる変形応力を緩和することで、共
晶組織単独相のターゲットよりも組成変形時の微細な割
れに起因する欠陥の発生を押さえ、スプラッシュの発生
を抑えることができることを見いだしたのである。
を解決するために鋭意検討した結果、純Al粉と、ヒロ
ック防止のために添加した元素が、微細な化合物相もし
くは析出相として分散した共晶組織を有するAl合金粉
末(以下Al合金粉)とを、所定の組成となるよう混合
し、加圧焼結することにより焼結体のポア(空孔)を著
しく低減できることを見出すに至った。すなわち、変形
抵抗の大きいAl合金で形成される共晶組織相に、変形
抵抗の小さいAl相を介在させバインダーの効果を持た
せることで、欠陥の発生の少ないターゲットを得ること
ができることを見いだしたのである。また、共晶組織相
とAl相を複合することにより、変形抵抗の小さいAl
相が共晶組織相にかかる変形応力を緩和することで、共
晶組織単独相のターゲットよりも組成変形時の微細な割
れに起因する欠陥の発生を押さえ、スプラッシュの発生
を抑えることができることを見いだしたのである。
【0012】すなわち本発明は、Al相と、AlとAl
との共晶組織形成可能元素で構成される共晶組織相とか
らなるミクロ組織からなるAl合金ターゲットである。
好ましくは、Alとの共晶組織形成可能元素1種以上を
含有するAl合金において、共晶組織相とAl相からな
るミクロ組織を有し、前記共晶組織の最大長径が200μm
以下になるよう調整する。
との共晶組織形成可能元素で構成される共晶組織相とか
らなるミクロ組織からなるAl合金ターゲットである。
好ましくは、Alとの共晶組織形成可能元素1種以上を
含有するAl合金において、共晶組織相とAl相からな
るミクロ組織を有し、前記共晶組織の最大長径が200μm
以下になるよう調整する。
【0013】本発明のターゲットは、たとえばAlとA
lとの共晶組織形成可能元素で構成される急冷凝固粉末
と純Al粉末を混合し400℃以上600℃以下の温度で加圧
焼結することにより得ることができる。この際、上記タ
ーゲットの断面ミクロ組織において観察される共晶組織
相とAl相の面積比が(共晶組織相の面積)/(Al相
マトリックスの面積)<2を満たすようにする。また、
スパッタ面の面積が0.3m2以上の大型ターゲットに適用
する場合は加圧焼結の後、400℃以上600℃以下の温度範
囲での熱間圧延を施すことが必要である。上述したター
ゲットをスパッタリングにより成膜することで、スプラ
ッシュが少なく、ヒロックの発生も少ない液晶ディスプ
レイ用配線膜を得ることができる。
lとの共晶組織形成可能元素で構成される急冷凝固粉末
と純Al粉末を混合し400℃以上600℃以下の温度で加圧
焼結することにより得ることができる。この際、上記タ
ーゲットの断面ミクロ組織において観察される共晶組織
相とAl相の面積比が(共晶組織相の面積)/(Al相
マトリックスの面積)<2を満たすようにする。また、
スパッタ面の面積が0.3m2以上の大型ターゲットに適用
する場合は加圧焼結の後、400℃以上600℃以下の温度範
囲での熱間圧延を施すことが必要である。上述したター
ゲットをスパッタリングにより成膜することで、スプラ
ッシュが少なく、ヒロックの発生も少ない液晶ディスプ
レイ用配線膜を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】上述したように本発明の重要な特
徴の一つは、ターゲット組織に共晶組織相とAl相とを
存在させることである。すなわち、共晶組織相とAl相
とを存在させることにより、変形抵抗の大きいAl合金
で形成される共晶組織相に、変形抵抗の小さいAl相を
介在させバインダーの効果を持たせることができ焼結時
の欠陥の発生の防止しすることができる。また、変形抵
抗の小さいAl相が共晶組織相にかかる変形応力を緩和
することで、組成変形時の微細な割れに起因する欠陥の
発生を押さえる効果を得ることができるのである。
徴の一つは、ターゲット組織に共晶組織相とAl相とを
存在させることである。すなわち、共晶組織相とAl相
とを存在させることにより、変形抵抗の大きいAl合金
で形成される共晶組織相に、変形抵抗の小さいAl相を
介在させバインダーの効果を持たせることができ焼結時
の欠陥の発生の防止しすることができる。また、変形抵
抗の小さいAl相が共晶組織相にかかる変形応力を緩和
することで、組成変形時の微細な割れに起因する欠陥の
発生を押さえる効果を得ることができるのである。
【0015】本発明においては、共晶組織相とAl相が
存在すればその効果を発揮できるが、Al相の体積が少
ないと、空孔の発生を防止する効果が少ない。本発明に
おいては、特にターゲット断面のミクロ組織における
(共晶組織相の面積)/(Al相マトリックスの面積)
<2を満足するとき、顕著なスプラッシュ発生防止の効
果を見いだすことができる。具体的に、共晶組織相とA
l相とは、共晶組織を形成させたAl合金粉とAl粉末
との体積率によって調整することが可能である。本発明
において、更に好ましくは(共晶組織相の面積)/(A
l相マトリックスの面積)<1とする。
存在すればその効果を発揮できるが、Al相の体積が少
ないと、空孔の発生を防止する効果が少ない。本発明に
おいては、特にターゲット断面のミクロ組織における
(共晶組織相の面積)/(Al相マトリックスの面積)
<2を満足するとき、顕著なスプラッシュ発生防止の効
果を見いだすことができる。具体的に、共晶組織相とA
l相とは、共晶組織を形成させたAl合金粉とAl粉末
との体積率によって調整することが可能である。本発明
において、更に好ましくは(共晶組織相の面積)/(A
l相マトリックスの面積)<1とする。
【0016】Alとの共晶組織形成可能元素としては、
Si、Cu、Mg、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Ir、およびSc、Y、
ランタノイドでなる希土類元素等があり、これらの内1
種以上を含有する合金を製造する場合に、本発明は適し
ている。上記Al合金粉は所定の組成を溶解後、ガスア
トマイズ法等の急冷凝固法により得ることができる。ガ
スアトマイズ等で得られた粉末は、粒度に分布を持って
おり直径5mm程度の粗大な粉末が含まれる場合がある。
この様な粗大な粉末を含んだまま焼結を行うとターゲッ
ト表面の組成に分布を生じる原因となる。検討の結果、
合金粉中の析出物の大きさは粒径の大きさと相関があ
り、凝固速度の速い小径、典型的には粒径200μm以下の
粒子では微細な析出物が得やすく、これを焼結すれば成
形や圧延等の変形応力による欠陥をさらに抑制できるこ
とが見出された。
Si、Cu、Mg、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Ir、およびSc、Y、
ランタノイドでなる希土類元素等があり、これらの内1
種以上を含有する合金を製造する場合に、本発明は適し
ている。上記Al合金粉は所定の組成を溶解後、ガスア
トマイズ法等の急冷凝固法により得ることができる。ガ
スアトマイズ等で得られた粉末は、粒度に分布を持って
おり直径5mm程度の粗大な粉末が含まれる場合がある。
この様な粗大な粉末を含んだまま焼結を行うとターゲッ
ト表面の組成に分布を生じる原因となる。検討の結果、
合金粉中の析出物の大きさは粒径の大きさと相関があ
り、凝固速度の速い小径、典型的には粒径200μm以下の
粒子では微細な析出物が得やすく、これを焼結すれば成
形や圧延等の変形応力による欠陥をさらに抑制できるこ
とが見出された。
【0017】上記Al合金粉の組成は、個々の粉末粒子
中の化合物相、もしくは析出相の最大長径が40μmを
越えない組成を選択することが望ましい。これは化合物
相あるいは析出相の長径が40μm越えると塑性加工時
にこれらの相が割れ欠陥を生ずる場合があるからであ
る。また、原料粉の加圧焼結時には、温度を400℃以
上、600℃以下で焼結することが望ましい。これは400℃
未満では焼結が進行しにくく、600℃以上では溶解する
危険性があるためである。加圧焼結は空隙の無い緻密な
焼結体とするために、好ましくは50MPa以上の圧力で行
うものとする。
中の化合物相、もしくは析出相の最大長径が40μmを
越えない組成を選択することが望ましい。これは化合物
相あるいは析出相の長径が40μm越えると塑性加工時
にこれらの相が割れ欠陥を生ずる場合があるからであ
る。また、原料粉の加圧焼結時には、温度を400℃以
上、600℃以下で焼結することが望ましい。これは400℃
未満では焼結が進行しにくく、600℃以上では溶解する
危険性があるためである。加圧焼結は空隙の無い緻密な
焼結体とするために、好ましくは50MPa以上の圧力で行
うものとする。
【0018】本発明において、0.3m2以上のスパッタ面
積を有する製造するために、加圧焼結後圧延を施す。冷
間で圧延を行った場合、化合物や析出物に割れ欠陥を生
じる場合があるため、加工温度は400℃以上とし、圧延
による局所的温度上昇による溶解を防ぐため550℃以下
とすることが望ましい。
積を有する製造するために、加圧焼結後圧延を施す。冷
間で圧延を行った場合、化合物や析出物に割れ欠陥を生
じる場合があるため、加工温度は400℃以上とし、圧延
による局所的温度上昇による溶解を防ぐため550℃以下
とすることが望ましい。
【0019】
(実施例1)目標組成より添加元素量を高めたインゴッ
トを溶解鋳造し、ガスアトマイズを施して粉末とした。
次にこの粉末をふるいにより表1に示す粒度に分級し
た。次にこの粉末と純Al粉を所定の組成となるようロ
ッキングミキサーにより混合後φ133mm×10mmの充填容
積を持つ肉厚2mmの鉄製の缶に充填したのち、10マイナ
ス3乗Pa以下に排気を行いながら加熱温度400℃で3h脱気
を行い、封止した。この後、表1に示す加熱温度で、圧
力127MPa、保持時間3hでHIP(熱間静水圧プレス)を行
い、缶を除去した後機械加工を施し、φ100mm×4mmの円
板状のターゲットとした。比較例として、所定の組成通
りのインゴットを溶解鋳造し、ガスアトマイズした粉末
を作製し、これを150μm以下となるよう分級し上記本発
明例と同様に焼結し、機械加工を施した共晶組織相でな
るターゲットを得た。
トを溶解鋳造し、ガスアトマイズを施して粉末とした。
次にこの粉末をふるいにより表1に示す粒度に分級し
た。次にこの粉末と純Al粉を所定の組成となるようロ
ッキングミキサーにより混合後φ133mm×10mmの充填容
積を持つ肉厚2mmの鉄製の缶に充填したのち、10マイナ
ス3乗Pa以下に排気を行いながら加熱温度400℃で3h脱気
を行い、封止した。この後、表1に示す加熱温度で、圧
力127MPa、保持時間3hでHIP(熱間静水圧プレス)を行
い、缶を除去した後機械加工を施し、φ100mm×4mmの円
板状のターゲットとした。比較例として、所定の組成通
りのインゴットを溶解鋳造し、ガスアトマイズした粉末
を作製し、これを150μm以下となるよう分級し上記本発
明例と同様に焼結し、機械加工を施した共晶組織相でな
るターゲットを得た。
【0020】次に、ターゲットを採取した端材を鏡面研
磨した後、染色浸透探傷法により光学顕微鏡により観察
された長径10μm以上の空隙の数を数え、1mm2当たりの
欠陥数として求めた。また、ミクロ組織のAlマトリッ
クス相と共晶組織相を区別し、画像処理によりそれぞれ
の面積比を算出した。以上の結果を表1に示す。また、
典型的なターゲット組織を示す例として、表1に示す本
発明の試料3、および比較例の試料4を電解研磨を施し
て撮影したミクロ組織写真をそれぞれ図1および図2に
示す。
磨した後、染色浸透探傷法により光学顕微鏡により観察
された長径10μm以上の空隙の数を数え、1mm2当たりの
欠陥数として求めた。また、ミクロ組織のAlマトリッ
クス相と共晶組織相を区別し、画像処理によりそれぞれ
の面積比を算出した。以上の結果を表1に示す。また、
典型的なターゲット組織を示す例として、表1に示す本
発明の試料3、および比較例の試料4を電解研磨を施し
て撮影したミクロ組織写真をそれぞれ図1および図2に
示す。
【0021】図1〜2に示すように、共晶組織単独の組
織とした比較例においては、黒色で検出されるポア(空
孔)がターゲット組織に分散していることがわかる。一
方共晶組織相(斑模様の相)とAl相(灰色の相)を有
する本発明のターゲット組織においては、ほとんどポア
は認められない。また、表1に示すように、Al相の面
積が少ないと空隙の数が少なく、やや欠陥数が増加する
傾向が見られ、また焼結温度を下げると空隙の数が増加
する傾向が見られる。
織とした比較例においては、黒色で検出されるポア(空
孔)がターゲット組織に分散していることがわかる。一
方共晶組織相(斑模様の相)とAl相(灰色の相)を有
する本発明のターゲット組織においては、ほとんどポア
は認められない。また、表1に示すように、Al相の面
積が少ないと空隙の数が少なく、やや欠陥数が増加する
傾向が見られ、また焼結温度を下げると空隙の数が増加
する傾向が見られる。
【0022】
【表1】
【0023】(実施例2)目標組成より添加元素量を高
めたインゴットを溶解鋳造し、ガスアトマイズを施して
粉末とした。次にこの粉末をふるいにより表2に示す粒
度に分級した。次にこの粉末と純Al粉を所定の組成と
なるようロッキングミキサーにより混合し330mm×500mm
×50mmの充填容積を持つ肉厚2tの鉄製の缶に充填したの
ち、10マイナス3乗Pa以下に排気を行いながら加熱温度4
00℃で3h脱気を行い、封止した。この後加熱温度550
℃、圧力127MPa、保持時間3hでHIP(熱間静水圧プレ
ス)を行い、缶を除去した後、表1に示す加熱温度で加
工率75%の熱間圧延を行った後、機械加工を施し550mm
×690mm×6mmのターゲットとした。比較例として、所定
の組成通りのインゴットを溶解鋳造し、ガスアトマイズ
した粉末を作成し、これを150μm以下となるよう分級し
上記本発明例と同様に焼結し、熱間圧延、機械加工を施
した共晶組織相でなるターゲットを得た。
めたインゴットを溶解鋳造し、ガスアトマイズを施して
粉末とした。次にこの粉末をふるいにより表2に示す粒
度に分級した。次にこの粉末と純Al粉を所定の組成と
なるようロッキングミキサーにより混合し330mm×500mm
×50mmの充填容積を持つ肉厚2tの鉄製の缶に充填したの
ち、10マイナス3乗Pa以下に排気を行いながら加熱温度4
00℃で3h脱気を行い、封止した。この後加熱温度550
℃、圧力127MPa、保持時間3hでHIP(熱間静水圧プレ
ス)を行い、缶を除去した後、表1に示す加熱温度で加
工率75%の熱間圧延を行った後、機械加工を施し550mm
×690mm×6mmのターゲットとした。比較例として、所定
の組成通りのインゴットを溶解鋳造し、ガスアトマイズ
した粉末を作成し、これを150μm以下となるよう分級し
上記本発明例と同様に焼結し、熱間圧延、機械加工を施
した共晶組織相でなるターゲットを得た。
【0024】実施例1と同様に光学顕微鏡により観察さ
れた長径10μm以上の空隙の数を数え、1mm2当たりの欠
陥数として求めた。以上の結果を表2に示す。また、典
型的なターゲット組織を示す例として表1に示す本発明
の試料12、および比較例の試料13の電解研磨を施し
てから撮影したミクロ組織写真をそれぞれ図3および図
4に示す。図3〜4に示すように、共晶組織単独の組織
とした比較例においては、黒色で検出されるポアがター
ゲット組織に分散していることがわかる。一方共晶組織
相(斑模様の相)とAl相(灰色の相)を有する本発明
のターゲット組織においては、熱間圧延してもほとんど
ポアは認められない。また、表1に示すように、熱間圧
延を施した場合でもAl相の面積が少ないと空隙の数が
少なく、やや欠陥数が増加する傾向が見られ、また圧延
温度を下げると空隙の数が増加する傾向が見られる。
れた長径10μm以上の空隙の数を数え、1mm2当たりの欠
陥数として求めた。以上の結果を表2に示す。また、典
型的なターゲット組織を示す例として表1に示す本発明
の試料12、および比較例の試料13の電解研磨を施し
てから撮影したミクロ組織写真をそれぞれ図3および図
4に示す。図3〜4に示すように、共晶組織単独の組織
とした比較例においては、黒色で検出されるポアがター
ゲット組織に分散していることがわかる。一方共晶組織
相(斑模様の相)とAl相(灰色の相)を有する本発明
のターゲット組織においては、熱間圧延してもほとんど
ポアは認められない。また、表1に示すように、熱間圧
延を施した場合でもAl相の面積が少ないと空隙の数が
少なく、やや欠陥数が増加する傾向が見られ、また圧延
温度を下げると空隙の数が増加する傾向が見られる。
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、Al合金ターゲットの
スパッタリングに際して問題となるスプラッシュの原因
であるターゲットの欠陥が著しく少ないターゲットを得
られる。本発明は今後更にサイズの大型化が見込まれる
TFT-LCDに対応するAl合金ターゲットとしてLCDの歩留
まり向上を達成する上で極めて有効である。
スパッタリングに際して問題となるスプラッシュの原因
であるターゲットの欠陥が著しく少ないターゲットを得
られる。本発明は今後更にサイズの大型化が見込まれる
TFT-LCDに対応するAl合金ターゲットとしてLCDの歩留
まり向上を達成する上で極めて有効である。
【図1】焼結して得た本発明のターゲットの典型的な金
属ミクロ組織を示す顕微鏡写真である。
属ミクロ組織を示す顕微鏡写真である。
【図2】焼結して得た比較例のターゲットの典型的な金
属ミクロ組織を示す顕微鏡写真である。
属ミクロ組織を示す顕微鏡写真である。
【図3】焼結と熱間圧延して得た本発明のターゲットの
典型的な金属ミクロ組織を示す顕微鏡写真である。
典型的な金属ミクロ組織を示す顕微鏡写真である。
【図4】焼結と熱間圧延して得た比較例のターゲットの
典型的な金属ミクロ組織を示す顕微鏡写真である。
典型的な金属ミクロ組織を示す顕微鏡写真である。
Claims (7)
- 【請求項1】 Al相と、AlとAlとの共晶組織形成
可能元素で構成される共晶組織相とからなるミクロ組織
からなることを特徴とするAl合金系ターゲット。 - 【請求項2】 Alとの共晶組織形成可能元素1種以上
を含有するAl合金系において、共晶組織相とAl相か
らなるミクロ組織を有し、前記共晶組織の最大長径が20
0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のAl
合金系ターゲット。 - 【請求項3】 断面ミクロ組織において観察される共晶
組織相とAl相の面積比が(共晶組織相の面積)/(A
l相マトリックスの面積)<2を満たすことを特徴とす
る請求項1または2に記載のAl合金系ターゲット。 - 【請求項4】 スパッタ面の面積が0.3m2以上であるこ
とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のA
l系合金ターゲット。 - 【請求項5】 AlとAlとの共晶組織形成可能元素で
構成される急冷凝固粉末と純Al粉末を混合し400℃以
上600℃以下の温度で加圧焼結することを特徴とするA
l合金系ターゲットの製造方法。 - 【請求項6】 急冷凝固粉末は粒径150μm以下であるこ
とを特徴とする請求項5に記載のAl合金系ターゲット
の製造方法。 - 【請求項7】 加圧焼結の後、400℃以上600℃以下の温
度範囲で熱間圧延を施すことを特徴とする請求項5また
は6に記載のAl合金系ターゲットの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21132797A JPH1143765A (ja) | 1997-07-22 | 1997-07-22 | Al合金系ターゲットおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21132797A JPH1143765A (ja) | 1997-07-22 | 1997-07-22 | Al合金系ターゲットおよびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1143765A true JPH1143765A (ja) | 1999-02-16 |
Family
ID=16604126
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21132797A Pending JPH1143765A (ja) | 1997-07-22 | 1997-07-22 | Al合金系ターゲットおよびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1143765A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008106287A (ja) * | 2006-10-23 | 2008-05-08 | Hitachi Tool Engineering Ltd | 窒化物含有ターゲット材 |
| WO2009151032A1 (ja) * | 2008-06-09 | 2009-12-17 | 株式会社コベルコ科研 | Al基合金スパッタリングターゲット材の製造方法 |
| JP2012224890A (ja) * | 2011-04-18 | 2012-11-15 | Mitsubishi Materials Corp | スパッタリングターゲットおよびその製造方法 |
-
1997
- 1997-07-22 JP JP21132797A patent/JPH1143765A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008106287A (ja) * | 2006-10-23 | 2008-05-08 | Hitachi Tool Engineering Ltd | 窒化物含有ターゲット材 |
| WO2009151032A1 (ja) * | 2008-06-09 | 2009-12-17 | 株式会社コベルコ科研 | Al基合金スパッタリングターゲット材の製造方法 |
| JP2009293108A (ja) * | 2008-06-09 | 2009-12-17 | Kobelco Kaken:Kk | Al基合金スパッタリングターゲット材の製造方法 |
| JP2012224890A (ja) * | 2011-04-18 | 2012-11-15 | Mitsubishi Materials Corp | スパッタリングターゲットおよびその製造方法 |
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