JPH1146027A - 放電励起型レーザ装置における制御装置 - Google Patents

放電励起型レーザ装置における制御装置

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JPH1146027A
JPH1146027A JP9198627A JP19862797A JPH1146027A JP H1146027 A JPH1146027 A JP H1146027A JP 9198627 A JP9198627 A JP 9198627A JP 19862797 A JP19862797 A JP 19862797A JP H1146027 A JPH1146027 A JP H1146027A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】電源電圧を変化させる制御を行う場合であって
も放電励起型レーザ装置の発振効率、エネルギー効率を
一定レベル以上にする。 【解決手段】主スイッチ18がオンされてから電源17
の電圧Vの大きさに応じた時刻に、第2のコンデンサC
2に蓄積された電荷の第3のコンデンサC3への転送が開
始される。そこで、第1のコンデンサC1の蓄積電荷が
全て第2のコンデンサC2に転送された時点τ1で、磁気
スイッチSR1が第2のコンデンサC2から第3のコンデ
ンサC3への電荷の転送を開始するタイミングとなるよ
う電源17の電圧値VMが予め求められ、この電圧値が
制御最大電圧VMとして設定されておかれる。そして、
検出されたレーザ光の出力Eが目標値Ec又は目標範囲
内からずれたことが検出された場合に、レーザ光の出力
Eが目標値Ecに一致するか又は目標範囲内に入るよう
に、電源17の電圧Vが制御最大電圧Vmax(=VM)以
下の範囲で変化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、材料の加工、縮小
投影露光用などの光源に用いられる放電励起型レーザ装
置に関し、特に放電励起型レーザ装置の充放電回路にお
けるエネルギー転送効率を向上させることによってレー
ザのエネルギー効率を向上させることができる制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】放電励起型レーザ装置の充放電回路とし
て、スイッチの耐久性の向上等のために、近年、磁気パ
ルス圧縮回路を使用したものが用いられている。
【0003】図5は、日立金属技報Vol.8 199
2.1「ファインメットを用いたパルスパワー用磁気ス
イッチ磁芯の動特性」に紹介されている磁気パルス圧縮
回路を使用したエキシマレーザ用充放電回路を示してい
る。
【0004】図5では、コンデンサの容量C1=C2=C
3の条件下でコンデンサC1に蓄積された電荷がすべてコ
ンデンサC2に転送された時点で磁気スイッチSRが飽
和するように設計されており、このような場合にコンデ
ンサC1に蓄積された電荷が最も効率的にコンデンサC3
に転送されることなる。このときの主要各部の電圧V、
電流iの波形の時間変化を図4に示している。
【0005】すなわち、直流高電圧電源の電圧値VEに
応じてコンデンサC1は充電され、電荷が蓄積される。
そして、サイラトロンQがオン動作され、サイラトロン
Qが導通されると電流i1が流れて、コンデンサC1の
蓄積電荷がコンデンサC2へ転送される。そして、コン
デンサC1のすべての蓄積電荷がコンデンサC2に移っ
た瞬間τ1に、磁気スイッチSRが飽和されて電流i2が
流れ始め、コンデンサC3への電荷の転送が開始され
る。そして、電流i3が流れることによってレーザの放
電電極5で放電がなされる。このようにしてコンデンサ
C1の電荷はコンデンサC2を経てコンデンサC3に効率
良く転送され、コンデンサC3の蓄積電荷がレーザ電極
5の放電とレーザ光放出とを引き起こす。
【0006】また、図4に示すように磁気圧縮の作用に
より、電流i1に比べて電流i2の方がピーク値が高く
なるとともに、パルスの時間幅が狭まるので、レーザ電
極5において、短時間の間に強い放電が得られ、レーザ
発振用としては望ましい特性となる。一方、エキシマレ
ーザは、レーザガスとして反応性の高いハロゲンガスを
使用していることから、レーザ発振を繰り返すと、ハロ
ゲンガスの反応の進行に伴いハロゲンガスの減少や、ハ
ロゲン化金属であるダストの増加を引き起こす。このよ
うにレーザガスが劣化すると、発振、出力されるレーザ
光のエネルギーが低下してしまう。つまり、レーザ励起
強度(電源の電圧値)を一定に維持したままでは、レー
ザ光エネルギーを一定レベルに維持することはできな
い。
【0007】とりわけ、半導体露光装置の光源として、
エキシマレーザを使用した場合には、光源として一定の
エネルギーの光を常時出力することが要求される。
【0008】そこで、通常は、時間の経過に応じてレー
ザ励起強度(電源の電圧値)を上昇させる制御を行うこ
とで、光エネルギーの低下を防止するようにしている。
また、電源の電圧値が上昇し過ぎた場合には、レーザチ
ャンバ内の劣化したレーザガスを、新規なガスに交換す
ることも行われている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、電源電
圧を上昇変化させる制御を行った場合に、図5に示す磁
気圧縮回路で生ずる不具合について説明する。
【0010】さて、一般に、磁気スイッチSRが飽和し
て導通するタイミングは、磁気スイッチSRに印加され
る電圧と印加時間との積、すなわち図4で斜線を施した
面積によって定まる。この面積は電圧時間積VTと称さ
れ、下記式(1)で表される。
【0011】 但し、上記(1)式においてNは磁気スイッチの巻数、
Aeは磁心有効断面積、ΔBmは最大動作磁束密度量と
いう設計値である。よって電圧時間積VTはこれら各設
計値で決まる一定の値である。
【0012】したがって、上記(1)より、電圧vc2が
大きくなれば磁気スイッチSRが飽和するまでの時間τ
1は短くなり、電圧vc2が小さくなれば磁気スイッチS
Rが飽和するまでの時間τ1は長くなることがわかる。
【0013】図4に示すように、この電圧vc2のピーク
値は電源の電圧値VEであり、電源の電圧値VEの大きさ
によって電圧vc2の大きさが定まる。そして、電圧vc2
がピーク値VEに達した時点で磁気スイッチSRが飽和
する(時間τ1に達する)ので、電源の電圧値VEが大き
いほど磁気スイッチSRが飽和するタイミング、つまり
コンデンサC2の蓄積電荷をコンデンサC3に転送するタ
イミングが早まることになる。
【0014】ここで問題になるのは、電源の電圧値VE
が大きくなり電圧vc2が大きくなることによって、コン
デンサC1の蓄積電荷がすべてコンデンサC2へ転送さ
れるよりも前(図4において電流値i1の「山」が0に
なる時点よりも前)に、磁気スイッチSRが飽和してし
まい、コンデンサC2からコンデンサC3に蓄積電荷が転
送され始めてしまう(電流i2が流れ始めてしまう)場
合である。かかる場合には、図4に示す電流i2、つま
り磁気圧縮後の電流i2のピーク値が著しく低くなって
しまうとともにパルス時間幅が増大してしまう。これ
は、短時間の間に強い放電を得ることが必要なレーザ発
振用の充放電回路の特性としては望ましいことではな
い。
【0015】本発明はこうした実状に鑑みてなされたも
のであり、電源電圧を変化させる制御を行う場合であっ
ても短時間での強い放電を維持できるようにして、放電
励起型レーザ装置の発振効率、エネルギー効率を一定レ
ベル以上にすることを解決課題とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段および効果】そこで、本発
明では、上記解決課題達成のために、電源と、該電源の
電圧を放電電極に印加させる主スイッチと、該主スイッ
チと前記放電電極との間に介在されて、前記電源から前
記放電電極に流れる電流を前記電源の電圧の大きさに応
じた時間の間阻止する磁気スイッチとを有した充放電回
路を具えるとともに、前記放電電極が配設されたレーザ
チャンバ内にレーザガスを供給して前記放電電極間の放
電によって前記レーザガスを励起し、レーザ光を発振、
出力させるようにした放電励起型レーザ装置において、
前記充放電回路は、前記電源の電圧に応じて充電される
第1のコンデンサと、前記主スイッチのオン動作に応じ
て前記第1のコンデンサに蓄積された電荷が転送される
第2のコンデンサと、該第2のコンデンサに蓄積された
電荷が転送される第3のコンデンサと、前記主スイッチ
がオンされてから前記電源の電圧の大きさに応じた時刻
に、前記第2のコンデンサに蓄積された電荷の前記第3
のコンデンサへの転送を開始する前記磁気スイッチとを
具えており、前記第1のコンデンサの蓄積電荷が全て前
記第2のコンデンサに転送された時点で、前記磁気スイ
ッチが前記第2のコンデンサから前記第3のコンデンサ
への電荷の転送を開始するタイミングとなるよう前記電
源の電圧値を予め求めておき、この電圧値を制御最大電
圧として設定する制御最大電圧設定手段と、前記レーザ
光の出力を検出する出力検出手段と、前記出力検出手段
によって検出された前記レーザ光の出力が目標値又は目
標範囲内からずれたことが検出された場合に、前記レー
ザ光の出力が前記目標値に一致するか又は前記目標範囲
内に入るように、前記電源の電圧を前記制御最大電圧設
定手段で設定された制御最大電圧以下の範囲で変化させ
る電圧制御手段とを具えるようにしている。
【0017】かかる構成によれば、図1に示すように、
充放電回路1で、電源17の電圧Vに応じて第1のコン
デンサC1が充電される。そして、主スイッチ18のオ
ン動作に応じて第1のコンデンサC1に蓄積された電荷
が第2のコンデンサC2に転送される。そして、第2の
コンデンサC2に蓄積された電荷が第3のコンデンサC3
に転送される。そして、磁気スイッチSRにより、主ス
イッチ18がオンされてから電源17の電圧Vの大きさ
に応じた時刻に、第2のコンデンサC2に蓄積された電
荷の第3のコンデンサC3への転送が開始される。
【0018】そこで、図3に示すように、第1のコンデ
ンサC1の蓄積電荷が全て第2のコンデンサC2に転送さ
れた時点τ1で、磁気スイッチSR1によって第2のコン
デンサC2から第3のコンデンサC3への電荷の転送を開
始させるタイミングとなるよう電源17の電圧値VMが
予め求められ、この電圧値が制御最大電圧VMとして設
定されておかれる。
【0019】そして、図2(ステップ107〜110)
に示すように、検出されたレーザ光の出力Eが目標値E
c又は目標範囲内からずれたことが検出された場合に、
レーザ光の出力Eが目標値Ecに一致するか又は目標範
囲内に入るように、電源17の電圧Vが制御最大電圧V
max(=VM)以下の範囲で変化される。
【0020】この結果、図3に示すように、電源17の
電圧値が制御最大電圧VM以下に抑えられ電圧vc2(vc
21、vc22、vc23)が抑えられることによって、コンデ
ンサC1の蓄積電荷がすべてコンデンサC2へ転送され
るよりも前(図4において時刻τ1よりも前)に、磁気
スイッチSRが飽和してしまい、コンデンサC2からコ
ンデンサC3に蓄積電荷が転送され始めてしまうことは
なくなる。つまり、少なくともコンデンサC1の蓄積電
荷がすべてコンデンサC2へ転送された時点よりも後で
磁気スイッチSR1が飽和し、コンデンサC2からコンデ
ンサC3に蓄積電荷が転送され始めるので、電流i21、
i22、i23に示すように、磁気圧縮後の電流のピーク値
を一定レベル以上に維持することができるとともに、時
間幅を一定レベル以下に維持することができる。これに
より電源電圧Vを変化させる制御を行う場合であっても
短時間での強い放電を維持できるようになり、放電励起
型レーザ装置の発振効率、エネルギー効率を一定レベル
以上に維持することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る放電励起型レーザ装置の制御装置の実施形態について
説明する。
【0022】図1は、本実施形態におけるレーザ装置の
構成を示している。
【0023】同図に示すように、実施形態装置は、大き
くは、主電極5、5間における放電を行わせる充放電回
路1と、レーザガスが供給、充填され、主電極5、5間
の放電によってレーザガスの励起、レーザ光Laの発振
が行われるレーザチャンバ4と、レーザチャンバ4にレ
ーザガスを供給し、チャンバ4内からレーザガスを排気
する給・排気回路2と、後述する図2に示されるように
圧力センサ13の出力等に基づいて充放電回路1および
給・排気回路2を制御する制御器3とから構成されてい
る。なお、レーザチャンバ4内には、熱交換器7および
レーザ媒質ガス(以下「レーザガス」という)を強制対
流、冷却させるブロア8が組み込まれており、数十〜数
百Hzの高い繰返し周波数での運転を可能としている。
【0024】希ガスボンベ9には、希ガス(Xe、Kr、
Ar等)が充填され、ハロゲンガスボンベ10には、ハ
ロゲンガス(F2、HCl等をバッファガスによって希
釈したガス)が充填され、バッファガスボンベ11に
は、バッファガス(He、Ne等)が充填されている。こ
れら各ボンベ9、10、11とレーザチャンバ4との間
は、各バルブ14a〜14fおよび排気ポンプ12を介
して配管がなされており、制御器3から各バルブ14a
〜14fに対してバルブ開閉信号S1が出力されるとと
もに排気ポンプ12に対してポンプ駆動信号S2が出力
されることによって、レーザチャンバ4へのレーザガス
の供給およびチャンバ4内からのガス排気が制御され
る。圧力センサ13は、レーザチャンバ4内のガス圧P
を検出し、その検出出力Pを制御器3に入力させる。
【0025】レーザチャンバ4内でレーザガスが放電励
起され、これによって発光した光が図示されていない共
振器によって共振されることによりレーザ発振が行われ
る。発振レーザ光Laは図示されていない、ウインド
ウ、フロントミラー等を介して出力される。
【0026】出力されたレーザ光Laは、光出力検出器
15に入力され、この光出力検出器15によってレーザ
出力(エネルギー)Eが検出され、該検出出力Eが制御
器3に入力される。なお、光出力検出器15は、たとえ
ばピンフォトダイオードのピーク値をホールドすること
によりレーザ出力Eを検出するものである。さて、光出
力検出器15としては、光エネルギーを直接的に検出す
るものでもよく、ハロゲンガス濃度、希ガス濃度等光パ
ワーに関連するパラメータを検出することによって、間
接的に光パワーを検出するものであってもよい。
【0027】また、光出力検出器15で光が検出される
毎にこれをカウントするカウンタ(図示せず)が設けら
れている。このカウンタによってレーザ光Laの発振パ
ルス数Nがカウントされ、このカウンタの出力Nが制御
器3に入力される。
【0028】充放電回路1は、直流高圧電源17を駆動
源として主電極5、5間で放電を行わせる。この電源1
7の充電電圧Vも図示されていない電圧検出器によって
検出され、制御器3に入力される。
【0029】本レーザ装置の制御装置は、運転中のレー
ザ出力を安定化するために、レーザ出力を光センサでモ
ニタし、このモニタ結果に基づいて充電電圧を変化させ
て、レーザガスの劣化、ウインドの汚損等に伴う出力低
下をきたさないような出力安定化制御を行うものであ
る。
【0030】すなわち、制御器3は、光出力検出器15
で検出したレーザ出力E、圧力センサ13で検出したガ
ス圧P、上記パルスカウンタで検出したカウント数Nお
よび上記電圧検出器で検出した電源17の充電電圧Vに
基づいて電源17に指令電圧Vaを出力し、該電源17
の充電電圧Vが指令した電圧値Vaになるように充電電
圧の制御を行う。
【0031】充放電回路1は、磁気アシスト19が付設
された主スイッチであるサイリスタ18がオンされるこ
とにより動作する。制御器3は、充放電回路1を動作さ
せるための駆動信号S3を駆動回路16に送出し、これ
に応じて駆動回路16がオン信号S4を主スイッチ18
に加えることにより充放電回路1が動作する。
【0032】なお、主スイッチ18は、サイリスタを使
用しているが、他の半導体スイッチ例えばGTO、IG
BTを使用することもできる。
【0033】充放電回路1は、パルストランス20を有
した2段の磁気圧縮回路、つまり磁気スイッチSRを2
つ具えた回路構成となっている。
【0034】すなわち、充放電回路1は、電源17の電
圧Vに応じて充電される第1のコンデンサC1と、主ス
イッチ18のオン動作に応じて第1のコンデンサC1に
蓄積された電荷が転送される第2のコンデンサC2と、
第2のコンデンサC2に蓄積された電荷が転送される第
3のコンデンサC3と、主スイッチ18がオンされてか
ら電源17の電圧Vの大きさに応じた時間までの間電流
を阻止し、当該電源17の電圧Vの大きさに応じた時間
が経過した時点で、第2のコンデンサC2に蓄積された
電荷の第3のコンデンサC3への転送を開始する磁気ス
イッチSRとを具えている。さらに同様の磁気スイッチ
SRが後段に設けられている。
【0035】本実施形態では、2段の磁気圧縮回路を想
定しているが、もちろん1段の磁気圧縮回路、3段以上
の磁気圧縮回路にも本発明は適用可能である。
【0036】制御器3による制御開始前に、図3に示す
ように、第1のコンデンサC1の蓄積電荷が全て第2の
コンデンサC2に転送された時点τ1で、磁気スイッチS
R1が第2のコンデンサC2から第3のコンデンサC3へ
の電荷の転送を開始するタイミングとなるような電源1
7の電圧値VMが予め求められておかれ、この電圧値が
制御最大電圧VMとして制御器3に設定されておかれ
る。
【0037】この制御最大電圧VMは、後述するように
電源17の電圧Vを変化させる制御を行ったときの、電
圧Vの上限値とされ、この制御最大電圧VM以下で電源
17の電圧Vが変化される。
【0038】ここで、電圧Vの変化範囲を制御最大電圧
VM以下にする意味について、図3を用いて説明する。
【0039】図3においてvc21,vc22,vc23はコン
デンサC2の電圧を示しており、図4のvc2に対応して
いる。一方、図3においてi21、i22,i23はコンデン
サC2からコンデンサC3に流れる電流を示しており、図
4のi2に対応している。
【0040】図3のv21、i21はそれぞれ図4のvc2、
i2に相当する電圧波形、電流波形を示している。この
とき電源17の電圧Vは上記制御最大電圧VMに一致し
ており、コンデンサC1の電荷が全てC2へ転送された
瞬間τ1(vc21がピークになる瞬間)に、磁気スイッチ
SRが飽和してコンデンサC2からコンデンサC3に電荷
が転送され始めることになる。
【0041】これに対して、vc22,i22,vc23,i23
はそれぞれ電源17の電圧Vを上記制御最大電圧VMよ
りも小さな値とした場合の電圧波形、電流波形を示して
いる。ただし、(vc21>)vc22>vc23である。これ
らの関係を上記(1)式にあてはめると、下記(2)式
が得られる。
【0042】 上記(2)式からτ1<τ3<τ4であることがわか
り、図3に示すように、電源17の電圧Vの低下に伴い
磁気スイッチSRが飽和するタイミング、つまり電流i
2(i21、i22、i23)が流れ始めるタイミングが遅く
なっていくことがわかる。そして、その電流i2が流れ
始めるタイミングはコンデンサC1の蓄積電荷がすべて
コンデンサC2へ転送された時点τ1以後になってい
る。
【0043】このように、電源17の電圧値Vが制御最
大電圧VM以下に抑えられ電圧vc2(vc21、vc22、vc
23)が抑えられることによって、コンデンサC1の蓄積
電荷がすべてコンデンサC2へ転送されるよりも前(図
3において時刻τ1よりも前)に、磁気スイッチSRが
飽和してしまい、コンデンサC2からコンデンサC3に蓄
積電荷が転送され始めてしまうことはなくなる。つま
り、少なくともコンデンサC1の蓄積電荷がすべてコン
デンサC2へ転送されてしまった時点τ1よりも後で磁
気スイッチSRが飽和し、コンデンサC2からコンデン
サC3に蓄積電荷が転送され始めるので、電流波形i2
1、i22、i23に示すように、磁気圧縮後の電流のピー
ク値を一定レベル以上に、時間幅を一定レベル以下に維
持することができる。これにより電源電圧Vを変化させ
る制御を行う場合であっても短時間での強い放電を維持
できるようになり、放電励起型レーザ装置の発振効率、
エネルギー効率を一定レベル以上に維持することができ
る。いいかえれば、コンデンサC1の蓄積電荷を効率良
くコンデンサC3まで転送できるとともにレーザ電極5
の放電用電流波形の圧縮(ピーク値増大と時間幅縮小)
を達成でき、レーザガス劣化やその他の要因で生ずるレ
ーザ光のエネルギーの変動を電源電圧Vの調整で補正す
る制御を行ったとしても磁気圧縮への悪影響を回避する
ことができる。
【0044】図3において、vc21,vc22,vc23の各
電圧波形は、時刻τ1でピークに達する。電圧波形vc2
2,vc23に関しては、τ1でピークに達した後それぞれ
時刻τ3,τ4までほぼ一定の値を保つ。
【0045】ただし、電圧値vc22,vc23がそれぞれτ
3、τ4に至るまで徐々に低下していくのはつぎのような
理由による。
【0046】たとえば、電圧波形vc22を例にとると、
時刻τ1まではコンデンサC2にかかる電圧が上昇し、時
刻τ1から時刻τ3までの間は、磁気スイッチSRがダイ
オードに似た作用をして電流i22の流れを阻止する。し
かし、電流i22の流れを完全に阻止するのではなく、電
流がわずかに磁気スイッチSRから漏れてコンデンサC
3および充放電回路1の後段のコイルへ流れてしまった
り、磁気アシスト19方向へ逆流したりする。こうした
漏れや逆流が電圧値vc22,vc23の徐々なる低下を招来
するものである。また、こうした漏れや逆流は回路内で
のジュール熱発生を招来してコンデンサ間でのエネルギ
ー転送効率を幾分か低下させることになる。
【0047】なお、主スイッチ18などの損失を考慮せ
ずに理想的な素子として計算すると、コンデンサC1か
らコンデンサC2に電荷が完全に移行されるまでの時間
(電流i1が0になるまでの時間)τ1は、コンデンサ
C1,C2、コイルL1(磁気アシスト19)が形成す
る電流i1の流れるループの各容量、インダクタンスで
決まり、次の回路方程式(3)から求めることができ
る。
【0048】 L1・di1/dt+1/C1・∫i1dt+1/C2・∫i2dt=0 … (3) 故に、 τ1=π(L1・C1・C2/(C1+C2))1/2 が得られる。
【0049】以下、制御器3で行われる具体的な制御の
内容を図2に示すフローチャートを併せ参照して説明す
る。本実施形態では、レーザガスの制御を併用すること
によって電源17の電圧Vを上記制御最大電圧VM以下
で変化させ、レーザ光LaのエネルギーEを所望の一定
レベルに制御する場合を想定している。
【0050】レーザ装置の運転開始にあたり、まず真空
ポンプによって所定のガス圧になるまで排気が行われ、
レーザチャンバ4内の旧ガスが排気される。つぎにバル
ブ14a…が所要に開閉され、圧力センサ13の出力P
が所定の設定値になるまで、希ガス、ハロゲンガスおよ
びバッファガスのそれぞれが順次注入される。
【0051】こうしたレーザガスのチャンバ4内への注
入がなされると、その後チャンバ4内のガス循環用のブ
ロア8の起動、電源17のウオームアップ等といったシ
ーケンシャルな制御が順次実行されていき、レーザ装置
の運転が可能な状態となる。そこで、レーザ装置の運転
に先だって、まず、図2のステップ101に示されるよ
うに、目標レーザ出力Ec、ハロゲンガス注入パルス数
間隔Nc、電源17の電圧Vの許容最大値Vmax、許容最
小値Vminが設定されると共に、パルス数カウンタリセ
ット(N=0)が行われる。
【0052】ここで、許容最大値Vmaxは、上述した制
御最大電圧VMの値そのものを使用してもよく、制御最
大電圧VMよりも微小量Δvだけ低い値VM−Δv(Δ
v>0)を用いてもよい。
【0053】結局、電源電圧の許容最大値Vmaxが制御
最大電圧VMと同一またはその値以下の値VM−Δvに
なっていれば、コンデンサC1からコンデンサC2への全
電荷転送終了前にコンデンサC2からコンデンサC3への
電荷転送が開始されるという不具合が回避でき、本発明
の目的を達成することができる。
【0054】許容最小値Vminは、ガスレーザの発振効
率等のパラメータに配慮して適宜設計しておけばよい。
【0055】その後、レーザ装置の運転が開始される
と、光出力検出器15によって検出されたレーザ出力
E、電圧検出器によって検出された充電電圧V、圧力セ
ンサ13によって検出されたチャンバ内圧力Pが制御器
3に逐次入力される。但し、検出充電電圧Vは指令電圧
Vaで代用してもよい(ステップ102)。
【0056】制御器3は、検出レーザ出力Eを目標レー
ザ出力Ecと比較し(ステップ103)、E<Ecであれ
ば充電電圧を|ΔV|だけ増加させて指令充電電圧Va
とし(ステップ105)、E=Ecであれば検出電圧V
をそのまま指令充電電圧Vaとし(ステップ104)、
E>Ecであれば、検出充電電圧Vを|ΔV|だけ下げ
て充電指令電圧Vaとする(ステップ106)。なお、
以上のΔVの計算は下記(4)式による。
【0057】ΔV=K・(Ec−E) … (4) 但し、Kは正の定数であって、レーザ光のエネルギーを
一定量だけ増減させるのに必要な電圧変化量を予め実測
しておき、決定することができる。
【0058】さて、一般に目標値に近付ける制御を行う
場合、検出器の分解能や各種ノイズを考慮して不感帯が
設けられる。本実施形態においても、上記目標レーザ出
力Ecに不感帯を設けてもよい。すなわち、目標範囲の
下限値Ec−ΔEと上限値Ec+ΔEを設定しておき、こ
の目標範囲Ec−ΔE〜Ec+ΔE内に、レーザ出力Eが
入るように制御してもよい。
【0059】さらに、制御器3は、上記ステップ104
〜106で求められた指令充電電圧Va(現在の充電電
圧V)を、充電電圧制御範囲の最大値Vmax及び最小値
Vminと比較し(ステップ107)、Vmin≦Va≦Vmax
であれば、レーザガス圧Pを現在の圧力に維持した状態
で(ステップ108)、次のステップ111へ移行す
る。
【0060】しかし、Va>Vmaxであれば、希ガスボン
ベ9およびバッファガスボンベ11から所定量の希ガス
ΔG1およびバッファガスΔG3をレーザチャンバ4内
に補給する処理を行い、ガス圧PをΔPだけ上昇させて
からステップ111へ移行する(ステップ110)。
【0061】Va<Vmaxであれば、レーザチャンバ4内
からレーザガスを所定量ΔG4だけ排気してガス圧をΔ
Pだけ減少させてからステップ111へ移行する(ステ
ップ109)。通常は、不純物ガスの発生およびウイン
ド等の汚損によりレーザガスは低下する傾向にあり、レ
ーザチャンバ4内の全ガス圧Pはガス補給と共に上昇す
るので、上記排気工程(ステップ109)は不要な場合
が多い。
【0062】以上のようにレーザガスの制御(レーザガ
スの補給工程(ステップ110))を行っているのは、
電圧の制御(電圧の上昇変化(ステップ105))だけ
では、レーザ出力Eを補償できないほどにレーザガスが
劣化してしまうことがあり、これに対処するためであ
る。こうしたレーザガスの制御は既に多数の文献で開示
されているものを用いることができる。
【0063】すなわち、ガスを補給する場合には(ステ
ップ110)、レーザチャンバ4内部を排気ポンプ12
で真空排気して上で新規なレーザガスをレーザチャンバ
4内部に封入するというガス制御を行うことが考えられ
る。このとき、レーザチャンバ4を開封はせず、各ガス
のボンベ9,10,11からバルブ14a,14b,14c,14
d,14eで流量を制御しながらガスをチャンバ内へ送るこ
とができる。
【0064】また、レーザ装置運転中には、ハロゲンガ
スをレーザチャンバ4内に補給する制御も行っている。
【0065】すなわち、エキシマレーザ運転中は、電極
蒸発物等とハロゲンガスが反応してフッ化金属を生成
し、ハロゲンガスは減少する一方である。この減少はレ
ーザ運転時間あるいはレーザ発振パルス数Nに比例して
いる。
【0066】そこで、発振パルス数Nに比例した量のハ
ロゲンガスをレーザチャンバ4内に補給するために、カ
ウントパルス数Nが所定の設定値Ncに達する毎に、ハ
ロゲンガスを所定量ΔG2だけレーザチャンバ内に補給
している(ステップ113,114,115)。
【0067】この補給時点でカウントNが0にリセット
され(ステップ116)、ステップ11へ移行する。上
記パルス数Nは、光出力検出器15における検出回数を
カウントすることによって得るようにしてもよく、ある
いはレーザ発振指令であるトリガ信号の回数をカウント
することによって得るようにしてもよい。
【0068】ステップ111では、レーザチャンバ4内
のガス圧力Pが許容範囲内(最小値Pminと最大値Pmax
の間)にあるか否かを判断している。この圧力許容範囲
外ではレーザ発振の効率低下などの問題があり、レーザ
運転の継続は好ましくない。また、レーザチャンバ4内
の全ガスの交換、劣化部品の交換が必要である。 そこ
で、圧力許容範囲外の場合には、ステップ112におい
てアラーム表示、エラー処理等の異常処理がなされる。
この異常処理は、例えばレーザチャンバ4を真空引きし
て新しいレーザガスを封入するという処理のことであ
る。
【0069】なお、上述したレーザガス制御は、既に周
知となっているさまざまな制御が可能である。例えば、
カナダのLUMONICS社が公表している技術(Excimer Lase
rs.Current Trendes and Future Directions Paper Pre
sented at SPIE O-E/LASE'89J.Reid etal.)のように、
電源電圧が上昇してある設定値に達したときに、ハロゲ
ンガスを注入して電源電圧を下げる制御(上記文献のFi
gure.4)を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施形態の構成を示す図であ
る。
【図2】図2は本実施形態の処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図3】図3は実施形態の充放電回路の各部の電圧、電
流の波形を示すグラフである。
【図4】図4は図5に示す充放電回路の各部の電圧、電
流の波形を示すグラフである。
【図5】図5は磁気圧縮回路を用いた充放電回路を例示
した図である。
【符号の説明】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源と、該電源の電圧を放電電極に
    印加させる主スイッチと、該主スイッチと前記放電電極
    との間に介在されて、前記電源から前記放電電極に流れ
    る電流を前記電源の電圧の大きさに応じた時間の間阻止
    する磁気スイッチとを有した充放電回路を具えるととも
    に、前記放電電極が配設されたレーザチャンバ内にレー
    ザガスを供給して前記放電電極間の放電によって前記レ
    ーザガスを励起し、レーザ光を発振、出力させるように
    した放電励起型レーザ装置において、 前記充放電回路は、 前記電源の電圧に応じて充電される第1のコンデンサ
    と、前記主スイッチのオン動作に応じて前記第1のコン
    デンサに蓄積された電荷が転送される第2のコンデンサ
    と、該第2のコンデンサに蓄積された電荷が転送される
    第3のコンデンサと、前記主スイッチがオンされてから
    電源の電圧の大きさに応じた時刻に、前記第2のコンデ
    ンサに蓄積された電荷の前記第3のコンデンサへの転送
    を開始する前記磁気スイッチとを具えており、 前記第1のコンデンサの蓄積電荷が全て前記第2のコン
    デンサに転送された時点で、前記磁気スイッチが前記第
    2のコンデンサから前記第3のコンデンサへの電荷の転
    送を開始するタイミングとなるよう前記電源の電圧値を
    予め求めておき、この電圧値を制御最大電圧として設定
    する制御最大電圧設定手段と、 前記レーザ光の出力を検出する出力検出手段と、 前記出力検出手段によって検出された前記レーザ光の出
    力が目標値又は目標範囲内からずれたことが検出された
    場合に、前記レーザ光の出力が前記目標値に一致するか
    又は前記目標範囲内に入るように、前記電源の電圧を前
    記制御最大電圧設定手段で設定された制御最大電圧以下
    の範囲で変化させる電圧制御手段とを具えた放電励起型
    レーザ装置における制御装置。
  2. 【請求項2】 前記電源の電圧が前記制御最大電圧
    よりも大きくならないように、レーザチャンバ内のレー
    ザガスを制御するレーザガス制御手段をさらに具えた請
    求項1記載の放電励起型レーザ装置における制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御最大電圧設定手段で設定さ
    れた制御最大電圧よりも所定量だけ小さい許容最大電圧
    を予め設定する許容最大電圧設定手段をさらに具え、 前記電圧制御手段は、 前記出力検出手段によって検出された前記レーザ光の出
    力が目標値又は目標範囲内からずれたことが検出された
    場合に、前記レーザ光の出力が前記目標値に一致するか
    又は前記目標範囲内に入るように、前記電源の電圧を前
    記許容最大電圧設定手段で設定された許容最大電圧以下
    の範囲で変化させるようにした、 請求項1記載の放電励起型レーザ装置における制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記電源の電圧が前記許容最大電圧よ
    りも大きくなった場合に、前記電源の電圧が前記許容最
    大電圧以下になるように、レーザチャンバ内のレーザガ
    スを制御するレーザガス制御手段をさらに具えた請求項
    3記載の放電励起型レーザ装置における制御装置。
  5. 【請求項5】 前記レーザガス制御手段は、前記レー
    ザチャンバ内を真空引きした後に、新規なレーザガスを
    当該レーザチャンバ内に封入する制御を行うものである
    請求項2または4記載の放電励起型レーザ装置における
    制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101523673B1 (ko) * 2013-12-27 2015-05-28 에이피시스템 주식회사 레이저 조사 방법 및 레이저 조사 모듈

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