JPH114637A - 子豚の生産性を向上させる方法 - Google Patents

子豚の生産性を向上させる方法

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JPH114637A
JPH114637A JP9176607A JP17660797A JPH114637A JP H114637 A JPH114637 A JP H114637A JP 9176607 A JP9176607 A JP 9176607A JP 17660797 A JP17660797 A JP 17660797A JP H114637 A JPH114637 A JP H114637A
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piglets
iron
section
transferrin
anemia
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JP9176607A
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Kiyoshi Hashimoto
清 橋本
Kazuhiko Sawada
一彦 澤田
Yoshiyuki Konno
精之 金野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飼養規模が拡大された養豚業において、初生
子豚の貧血予防を図り、子豚の生産性を向上させるため
に個々の子豚に鉄剤を投与する従来法に代わる生産性向
上のための効率的な方策を提供すること。 【解決手段】 トランスフェリンを妊娠母豚に投与する
ことを特徴とする子豚の生産性を向上させる方法並びに
トランスフェリンを有効成分として含有する初生子豚の
貧血予防剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、子豚の生産性を向
上させる方法に関し、トランスフェリン(以下、Tfと
略記する。)を妊娠母豚に投与することにより初生子豚
の生産性を向上させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Tfは、鉄結合性タンパク質であり、自
然界では脊椎動物の血漿 (Serotransferrin)、鳥類の卵
白 (Ovotransferrin) 、哺乳類の乳汁 (Lactoferrin)に
分布しており、主に肝臓で合成される。Tfは、生体内
においてヘモグロビン、ミオグロビン、ビオテン、ヘモ
ジデリン、細胞、骨髄等への鉄イオンの運搬供給をする
作用を有しており、極めて重要な生理機能を担ったタン
パク質である。近年は、脊椎動物 (主にヒト、豚、牛、
馬) の血液から分離、精製されるようになったが、Tf
は細胞の増殖因子、代謝吸収、生化学などの研究用試薬
として利用されているにすぎない。
【0003】ところで、豚は出生時の成熟度が低く、他
の家畜よりも生理的に未熟である。そのため、哺育には
十分な配慮が必要である。特に鉄欠乏を起こし易く、初
生子豚の貧血は重要な問題である。この貧血の主な原因
は、初乳にある。初乳は、子豚にとって完全栄養食であ
るが、唯一の欠点は鉄含量が1〜2ppmと非常に低い
ことである。初生子豚が初乳を飲むと、初乳成分が腸管
から吸収され、血中に大量に流入する。その結果、循環
血漿量が増加し、それに基づいて血液が希釈されるた
め、赤血球が相対的減少をきたし、生理的な貧血を生ず
る。これはパイノサイトーシス(飲細胞現象) と言われ
ている。さらに、出生後の急速な発育による鉄要求量の
増加に対し、鉄供給量が追いつかず、鉄収支が破綻する
ため、鉄欠乏性貧血が引き起こされる。これらのパイノ
サイトーシスから鉄欠乏性貧血までの一連の貧血を総称
して、初生子豚の貧血と呼ばれている。
【0004】初生子豚の貧血の症状は、多くの場合、貧
血が長引いて全身の組織や臓器における酸素不足が慢性
化し、食欲不振や下痢等を起こすため、発育速度および
抗病力の極度な低下を招く。しかし、急性の場合には、
これらの症状が悪化し、急激な酸素不足から急死するこ
ともある。
【0005】このような初生子豚の貧血は、予防処理を
行わないと、多くの場合、2〜3週齢前後で起こる。従
来、初生子豚の貧血予防方法としては、鉄剤の投与が一
般的である。鉄剤の投与方法は、新生期に鉄剤を筋肉内
注射することにより投与するのが一般的で、鉄剤として
は通常、デキストラン鉄などが用いられている。この方
法により、鉄欠乏性貧血の予防と回復を図ると共に、体
重増加、成長促進などを図ることが可能である。しか
し、この方法は子豚1頭毎に注射を行わなければなら
ず、多大な労力と時間を要する。とりわけ、豚の飼育規
模が年々拡大されている現状を鑑みるとき、養豚農家に
とって大きな問題となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、我が
国における豚の飼養規模は年々拡大されつつあり、一戸
当たりの使用頭数は、平成2年には272頭であったも
のが、平成7年には545頭と、2倍になっている。ま
た、飼養頭数1000頭/戸以上の大規模養豚農家が全
体の56.7%もを占めるに至っている。このように養豚
農家の飼養規模が拡大された今日、初生子豚の貧血の予
防にあたり、従来の鉄剤注射投与による方法を用いたの
では、非常に長い時間と余計な労力とが農家に要求され
ることになる。さらに、注射投与にかかる費用も、頭数
に比例してかなりの高額となり、経済的にも養豚農家に
とって大きな負担となってしまう。そのため、初生子豚
の貧血予防を図り、子豚の生産性を向上させるための効
率的な方策が切望されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた。母豚は、通常約10頭
の子豚を産むが、妊娠母豚に貧血防止剤を投与すること
により、子豚に直接投与した場合と同様な効果が得られ
るならば、作業時間は1/10となり、大きな省力化と
なる。そこで、このような作用を有する物質を検索すべ
く努力した結果、Tfに従来知られていなかった初生子
豚の貧血予防、体重増加、成長促進という優れた作用が
あること並びにTfを妊娠母豚に投与することにより、
かかる効果が得られることを見出し、本発明に到達し
た。
【0008】請求項1記載の本発明は、トランスフェリ
ンを妊娠母豚に投与することを特徴とする子豚の生産性
を向上させる方法である。請求項5記載の本発明は、ト
ランスフェリンを有効成分として含有する初生子豚の貧
血予防剤である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において用いるTfについては、鉄原子を結合す
る鉄結合体であるか、鉄原子を遊離した状態の鉄フリー
体であるかを問わない。また、その起源についても特に
限定はなく、脊椎動物の血漿、鳥類の卵白、哺乳類の乳
汁など、何れから得られるものでもよい。その中で、薬
理学的に許容できる程度に精製されたものが好ましい。
特に、薬理学的な面からは、ヒト、豚、牛、馬を含む脊
椎動物の新鮮な血液から、夾雑物を除去した高度に精製
したTfを用いるのが最も好ましい。
【0010】Tfを含有する初生子豚の貧血予防剤に
は、経口用として飼料等に添加しやすくした形状、性状
のもの(例えば粉状、顆粒状、ペレット状等)や、注射
用として凍結乾燥製剤、粉末充填製剤、液剤等がある。
固形状、粉末状の薬剤を注射投与する場合は、これらの
薬剤を必要に応じて生理食塩水などの適当な希釈剤で、
適当な濃度に溶解して使用する。投与経路については、
Tfの投与効果の点から、経口投与よりも注射投与の方
が好ましい。注射投与は、筋肉内注射、皮下注射、静脈
内注射などのいずれでもよいが、ある程度の持続効果が
期待できる筋肉内注射や皮下注射が好適である。
【0011】Tfは、前記したように、母豚に投与す
る。Tfの母豚への投与時期は、分娩後では好ましい結
果が得られないので、分娩前の妊娠母豚に投与すること
が必要である。Tfの投与は、妊娠後期であればいつで
も効果が期待できるが、分娩前30日以内が好ましく、
分娩前7日以降に投与する方法が特に好ましい。したが
って、出産予定日30日前、より好ましくは出産予定日
7日前から出産直前までに投与する。投与スケジュール
は、毎日、隔日、3日毎投与などの他、全期間を通じて
1回のみ等様々なスケジュールを選択できるが、効果、
作業性、費用などを考慮して適宜決定すればよい。投与
回数については、1回/日あるいは2回/日が適当であ
るが、作業性からは前者が好ましい。また、Tf投与量
は、10〜5000mg/頭/回/日で、好ましくは5
0〜1000mg/頭/回/日である。
【0012】Tfを母豚へ投与する際に、従来の鉄剤と
併用して投与すると、Tfの効果をさらに確実なものに
することができる。併用できる鉄剤は、従来使用されて
いたものでよく、例えばデキストラン鉄を含有する鉄剤
等を挙げることができる。妊娠母豚へのTfの投与は、
初生子豚の貧血予防が主目的であり、これによって子豚
の生産性を向上させることにあるが、前述の如く、体重
増加や成長促進という効果も奏される。なお、Tfを子
豚に投与して貧血を改善したり、体重増加や成長促進を
図ることもできる。
【0013】本発明の貧血予防剤を注射用として用いる
場合の製造例としては、次のような方法が挙げられる。
まず、注射用凍結乾燥製剤とする場合は、精製Tfを秤
取し、0.9%食塩溶液を加えて溶解した後、ろ過滅菌す
る。次いで、注射用バイアルに分注し、無菌下で凍結乾
燥し、バイアルを無菌的に封入することにより、製剤を
得ることができる。また、注射用アンプル剤とする場合
は、精製Tfを秤取し、0.9%食塩溶液を加えて溶解し
た後、ろ過滅菌する。次いで、注射用アンプルに分注
し、無菌的に封管する。
【0014】本発明の方法により、Tfを妊娠母豚へ投
与することにより、子豚の貧血を有効に予防すると共
に、体重増加、成長促進などを達成することができる。
その結果、子豚の生産性の向上を図ることができる。ま
た、従来の方法のように子豚1頭1頭について処理しな
くても、妊娠母豚1頭にTfを投与するだけで効果を奏
することができるので、養豚農家の省力化を図ることが
できる。豚の一腹産子数は、通常約10頭である。した
がって、妊娠母豚1頭にTfを投与すれば所望の効果を
得られる本発明の方法は、子豚1頭1頭に処理を行わな
ければならない従来の方法と比べて、作業回数は1/1
0となり、大きな省力化となる。ところで、平成7年の
母豚の飼養頭数は、97万頭であるから、母豚が1産に
つき子豚を10頭産むとすると、従来法では鉄剤を注射
する回数が970万回となる。これに対して、本発明の
方法によれば、注射する回数を90%も激減させること
が可能となる。
【0015】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに詳細に
説明するが、これらは単なる例示であって、これらによ
り本発明の範囲が限定されるものではない。
【0016】実施例1 妊娠母豚へのTfの投与が、子豚の体重、母豚の乳汁成
分および母子の血液成分等に与える影響について検討を
行った。養豚場で飼養されている妊娠母豚(LW種(ラ
ンドレース種×大ヨークシャー種)繁殖豚)12頭を実
験に供した。これらの母豚を、Tfのみ投与する4頭
(以下、Tf区とする。)、Tfと鉄剤とを投与する4
頭(以下、Tf+Fe区とする。)および無投与の4頭
(以下、対照区とする。)の3区に区分して、以下の実
験を行った。各区の母豚の飼養条件は、実験期間を通じ
てストール内で制限給餌による単飼とした。
【0017】Tf(商品名:YUトランスフェリンType
-3、ヤガイ社製、Apo型で、鉄飽和の状態で調製され
たもの)は、生理食塩水5mlにTfを1gの割合で溶
解し、1バイアル5ml中に1gのTfを含有するもの
を用いた。鉄剤(商品名:アイアン2000、三鷹製薬
社製)は、100ml当たりデキストラン鉄を20g含
有するものを用いた。
【0018】これらのTfまたはTfおよびFeを、T
f区およびTf+Fe区の妊娠母豚の耳根部へ筋肉内注
射によって投与した。すなわち、Tf区およびTf+F
e区の母豚には、分娩の7日前、5日前および3日前
に、1頭当たり2.5ml (Tfとして500mg)を耳
根部に筋肉内注射により投与した。また、Tf+Fe区
の母豚には、この他に分娩の7日前に鉄剤200mgを
同様に耳根部に筋肉内注射することにより投与した。一
方、対照区には、Tfおよび鉄剤のいずれも投与しなか
った。また、初生子豚には、試験終了時まで鉄剤の投与
を行わなかった。
【0019】(1)初生子豚の成長の検討 まず、各区の母豚から出生した初生子豚の体重測定を行
った。測定は、分娩時(生時)、出生から24時間後、
7日後および21日後の計4回行い、デジタルバランス
式豚衝器を用いた。すべての計測値について棄却検定を
行った後、一元配置分散分析による検定を行った。その
結果、有意差がある場合は、さらにTukey の方法で検定
した。初生子豚の各時期の体重測定結果を第1表に示
す。
【0020】
【表1】 第1表〔初生子豚の体重(g)に及ぼすTf投与の影響〕 ──────────────────────────────────── 分娩時 24時間後 7日齢 21日齢 ──────────────────────────────────── Tf区 1,381±221 a 1,467±248 a 2,569±357 4,718±787 Tf+Fe区 1,374±163 b 1,441±195 2,608±440 4,862±884 対照区 1,234±220 a,b 1,334±238 a 2,435±398 4,373±908 ──────────────────────────────────── (平均±標準偏差) a,b:同符号間に有意差(P<0.05)あり
【0021】第1表から明らかなように、Tf区および
Tf+Fe区の初生子豚の平均体重は、測定したいずれ
の時期においても、対照区の初生子豚の平均体重を上回
る傾向にあり、特に分娩時におけるTf区およびTf+
Fe区の初生子豚の平均体重は、検定の結果、対照区の
初生子豚のそれよりも有意に大きいことがわかった。ま
た、21日齢の離乳時にも有意差があり、Tfによる成
長促進効果が認められた。
【0022】なお、第1表の21日齢の子豚の体重平均
値から daily gain(1日平均増体量)を算出すると、T
f区で225g、Tf+Fe区で232g、対照区で2
08gであり、対照区よりもTfを投与した試験区の方
が高い。この数値もTf投与の効果を裏付けるものであ
る。また、7日齢および21日齢までの増体重を以下の
式により算出した。
【0023】
【数1】増体重=測定時体重−分娩時体重
【0024】算出した増体重については、各区間におい
て、体重の測定値で行ったのと同様の検定法による有意
差の検討を行った。各区の初生子豚の増体重の結果を第
2表に示す。
【0025】
【表2】 第2表〔初生子豚の増体重(g)に及ぼすTf投与の影響〕 ────────────────────────────── 7日齢 21日齢 ────────────────────────────── Tf区 1,183±257 3,337±694 Tf+Fe区 1,234±316 3,487±797 対照区 1,201±250 3,139±772 ────────────────────────────── (平均±標準偏差)
【0026】各区の増体重について検討した結果、いず
れの間にも有意差が認められなかった。しかしながら、
第2表の21日齢時の増体重を各区について比較する
と、Tf区の子豚の増体重の方が対照区の子豚よりも高
い傾向にあり、Tf投与による成長促進効果が認められ
た。また、第2表から、7日齢時と21日齢時のいずれ
の測定時期においても、Tf+Fe区の子豚の増体重の
方がTf区よりも若干高い傾向にあったことがわかる。
これは、Tfと鉄剤を併用することによる成長促進効果
を示唆するものである。
【0027】(2)初乳成分の検討 各試験区において、分娩開始後の母豚から、用手法によ
り初乳約100ml/頭を採取した。採取した初乳に含
まれる鉄含量、Tf含量、IgG含量について測定し、
得られた測定値について、先に行った子豚の体重測定値
と同様の検定による各試験区間における比較を行った。
各区の母豚の初乳中成分の測定値を第3表に示す。
【0028】
【表3】 第3表〔初乳性状に及ぼすTf投与の影響〕 ──────────────────────────────────── 鉄含量(mg/100g) IgG 含量(mg/100g) Tf含量(mg/100g) ──────────────────────────────────── Tf区 0.27±0.10 51.6±4.9 1.12±0.38 Tf+Fe区 0.30±0.07 55.6±5.1 1.12±0.30 対照区 0.20±0.05 46.1±5.6 0.90±0.16 ──────────────────────────────────── (平均±標準偏差)
【0029】第3表から明らかなように、初乳中の鉄含
量、IgG含量およびTf含量のいずれも、Tf区およ
びTf+Fe区の方が、対照区より高い傾向にあった。
このことから、妊娠母豚へのTf投与により、初乳中の
鉄分含量を増加させることが可能であり、子豚の貧血の
予防と改善を期待できる。また、Tf区よりもTf+F
e区の方がFeおよびIgG含量とも若干高い傾向にあ
ったことから、鉄剤との併用効果も認められた。
【0030】(3)血液成分の検討 各試験区の母豚および該母豚からの初生子豚の血液を採
取した。母豚の血液の採取は、分娩予定日の7日前(T
f区およびTf+Fe区の母豚については、Tfまたは
Tfおよび鉄剤を投与する前)および分娩直後の2回行
った。採血は、無保定で尾静脈より約5mlずつ行っ
た。また、子豚からの採血は、出生時(初乳吸引前)、
出産から24時間後および1週間後の計3回行った。採
血方法は、仰臥保定(必要に応じて吸入麻酔下)で前大
静脈より行い、採血量は約5mlずつである。
【0031】各区の母豚および子豚から採取した血液約
5ml/頭のうち、1mlはヘパリンによる凝固防止処
理を行い、これを全血試料とした。残りの血液は、3,0
00rpmで15分間遠心分離し、その上清を血清試料
とした。全血試料においては、赤血球数(以下、RBC
という。)、血色素量(以下、Hbという。)および血
球容積比(以下、Htという。)を測定し、血清試料に
おいては血清総蛋白量(以下、TPという。)、血清鉄
含有量(以下、Feという。)、鉄結合能(以下、TI
BCという。)、血清IgG量(以下、IgGとい
う。)および血清トランスフェリン量(以下、Tfとい
う。)について測定した。母豚の血液分析結果を第4表
に、子豚の血液分析結果を第5表に示す。
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】母豚については、第4表に示した通り、各
区間、各測定項目とも有意差が見られなかった。つま
り、Tfや鉄剤の投与は、母豚の血液中の鉄分含量に対
して何の影響も及ぼさないことがわかる。一方、子豚の
場合は、第5表から明らかなように、分娩時および7日
齢では、各測定項目とも各試験区間で有意差は認められ
なかったが、24時間後のRBC、HbおよびHtにつ
いて、Tf区およびTf+Fe区の子豚の方が、対照区
の子豚よりも高い値を示した。このことから、母豚への
Tf投与により子豚の貧血が防止または改善されること
がわかる。また、Feについては、Tf区の子豚の方が
Tf+Fe区の子豚よりも高い測定値が得られ、母豚へ
のTf投与が子豚の貧血防止および改善効果に有効であ
ることがわかる。
【0035】この他に注目すべきことは、対照区の母豚
から出生した子豚に下痢が発生したのに対し、Tf区お
よびTf+Fe区の母豚から出生した子豚には、下痢発
生が1頭も認められなかった。このことは、Tf投与に
よる感染防御効果を示唆するものである。
【0036】実施例2(注射用凍結乾燥製剤) 精製Tf20gを秤取し、0.9%食塩溶液を加えて溶解
し、全量100mlとした後、ろ過滅菌した。次いで、
注射用バイアルに5mlずつ分注し、無菌下で凍結乾燥
してバイアルを無菌的に密封した。このものは、1バイ
アル中に1gのTfを含有している。
【0037】実施例3(注射用バイアル剤) 精製Tf(実施例1で用いたものと同じ)20gを秤取
し、0.9%食塩溶液を加えて溶解し、全量100mlと
した後、ろ過滅菌した。次いで、注射用バイアルに5m
lずつに分注し、無菌的に密封した。このものは、1バ
イアル5ml中に1gのTfを含有している。
【0038】
【発明の効果】本発明に従いTfを妊娠中の母豚に投与
することにより、初生子豚の貧血を有効に防止すること
ができ、同時に、子豚の出生時平均体重の増加、成長促
進をも図ることができる。そのため、子豚の生産性を向
上させることができる。しかも、本発明の方法は妊娠中
の母豚に薬剤を投与する方法であり、従来のように子豚
1頭ずつに投与する方法に比べて、大きな省力化を達成
することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスフェリンを妊娠母豚に投与する
    ことを特徴とする子豚の生産性を向上させる方法。
  2. 【請求項2】 注射によりトランスフェリンを投与する
    請求項1記載の子豚の生産性を向上させる方法。
  3. 【請求項3】 筋肉内注射又は皮下注射によりトランス
    フェリンを投与する請求項2記載の子豚の生産性を向上
    させる方法。
  4. 【請求項4】 出産予定日30日前から出産直前までに
    トランスフェリンを投与する請求項1〜3のいずれかに
    記載の子豚の生産性を向上させる方法。
  5. 【請求項5】 トランスフェリンを有効成分として含有
    する初生子豚の貧血予防剤。
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Cited By (3)

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CN103609525A (zh) * 2013-12-12 2014-03-05 湖北鑫物成生态农业发展有限公司 一种母猪的饲养管理方法
CN109221008A (zh) * 2018-10-29 2019-01-18 安徽徽名山农业股份有限公司 一种黑猪仔猪选育的方法
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