JPH1146471A - 磁石式ブラシレス電動機 - Google Patents

磁石式ブラシレス電動機

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JPH1146471A
JPH1146471A JP9199727A JP19972797A JPH1146471A JP H1146471 A JPH1146471 A JP H1146471A JP 9199727 A JP9199727 A JP 9199727A JP 19972797 A JP19972797 A JP 19972797A JP H1146471 A JPH1146471 A JP H1146471A
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rotor
magnetic pole
magnet
rotors
magnetic
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JP9199727A
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English (en)
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Masahiro Masuzawa
正宏 増澤
Noriyoshi Hirao
則好 平尾
Takashi Sasaki
崇 佐々木
Masahiro Mita
正裕 三田
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い回転数の時は従来のものと同じように高
いトルクが得られ、さらに従来のものに比較して3倍近
い高い回転数まで高いトルクで変換効率よく使用できる
とともに高い回転数域での界磁用磁石の剥がれを防止し
た磁石式ブラシレス電動機を提供する。 【解決手段】 複数の固定子磁極とこの固定子磁極に回
転磁界を発生するための巻線を有する固定子、回転軸と
この回転軸に設けられており前記複数の固定子磁極に対
して回転する界磁用磁石を有する複数の回転子、及び回
転子の磁極の固定子に対する位置を検出してその位置に
応じて前記巻線に電流を供給する制御回路を有している
磁石式ブラシレス電動機において、前記複数の回転子の
合成した磁極の位相を第1の回転子の磁極に対して回転
子の回転に伴い変化させる機構を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は永久磁石を界磁に用
いた電動機(例えば、電気自動車の動力源用等。)とし
て有用な磁石式ブラシレス電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の内燃機関では高トルクを発生
する回転領域が非常に狭い。そこで、図10に示すよう
に、何種類ものギア比の異なる歯車で構成されたトラン
スミッションを用いて、低速から高速まで任意の速度で
走れるようにしている。
【0003】ところが、永久磁石を用いた従来のブライ
レスDC電動機の回転数とトルクの関係は図11に示す
ように、トルクは回転数に逆比例して回転数が大きくな
るに従い直線的に低下する。電動機にかける電圧をV、
電動機の界磁が作る磁界の強さに界磁の有効面積をかけ
た総磁束をΦ、電機子の巻線数をZ、抵抗をRとする
と、回転数の最大値(nmax)はV/ΦZ、トルクの最
大値(Tmax)はΦZV/Rとなる。電圧Vが二倍にな
ると最大トルク、最高回転数はともに二倍に増加する。
巻線数Zを変えることにより最大トルクや最高回転数を
変化させることもできる。また、総磁束Φが大きいほど
トルクは大きくなるが、電機子側での磁気飽和に留意し
て上限値を定める必要がある。
【0004】しかし、従来のブラシレスDC電動機で
は、低速回転域で高いトルクが得られるが、回転数の可
変範囲が狭いために高速回転することが困難であった。
そこで「弱め界磁」という手法により高速回転時には総
磁束Φを下げることによって回転数の最大値(nmax
を上げることが考えられる。低回転数のときは大きな総
磁束Φで図11の実線で示すようなトルクを得て、回転
数が高くなったときには総磁束Φを小さくして図11の
破線で示すような特性を得ることによって、より高い回
転数まで回転させることが考えられる。
【0005】また、回転数とともに総磁束を変えること
が発電機の場合に提案されている。特開平7−2362
59号「永久磁石式発電機」には、回転子に用いている
界磁用永久磁石の複数極からの鎖交磁束によって固定子
に起電力を生ずる永久磁石式発電機で、前記界磁用永久
磁石と近接してその側面で同軸上に回転自在に配置され
前記界磁用永久磁石と同一極数の磁束バイパス用の永久
磁石と、回転子の回転数に応じて変位するガバナ機構
と、このガバナ機構の変位に対応して前記磁束バイパス
用の永久磁石を磁極性の半サイクル分回転させ得るよう
になつており、回転子の停止時には前記バイパス用の永
久磁石の磁極性を界磁用永久磁石の磁極性と同極性に配
置し、高速域では前記ガバナ機構によって前記バイパス
用の永久磁石を界磁用永久磁石と逆極性の位置に回転す
るものが開示されている。このようにして、低速回転時
には界磁用永久磁石の磁極からの鎖交磁束を大として、
高速回転時には界磁用永久磁石からの鎖交磁束を弱くし
て、発電電力を一定にしようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記弱
め界磁制御方式は、トルクと回転数と、時には回転加速
度を常に監視し、それらの数値を元に複雑な計算を行っ
て電流の大きさと位相とを制御しなければならず、高速
なコンピュータを含む複雑で高価な制御回路が必要にな
る。また、従来の磁石式ブラシレスDC電動機におい
て、上記従来の発電機のように界磁用永久磁石の側面で
磁極を短絡させることによって鎖交磁束量を小さくしよ
うとしても十分には小さくできないことが判明した。す
なわち、回転数の最大値nmax=V/ΦZの式から明ら
かなように、nmax(無負荷回転数ともいう。)を2倍
以上にする手段が総磁束Φの単純な低下による場合には
50%以上も低下させる必要があるが、界磁用磁石の側
面を短絡しただけでは多くとも約20〜30%未満低下
するだけであることを本発明者らは確認している。ま
た、上記従来の発電機では、磁束バイパス用の永久磁石
が発電機の回転子と固定子とで構成されている閉じた磁
気回路の外にあるので発電機の出力にはほとんど寄与し
ないのみならず、磁束バイパス用の永久磁石の近傍にモ
ータケースなどの導電性および/または磁性の構造物が
存在する場合にはそのバイパス用の永久磁石の発する磁
束によってモータケースなどの内部に渦電流を発生させ
るか、あるいは磁性体との吸引力により電動機の変換効
率が低下する事が考えられる。さらに、そのバイパス用
永久磁石が追加部品となるため、発電機が大型化し易い
という欠点を有する。
【0007】また、近年の回転子の高速回転化の要求に
伴い従来の界磁用磁石の位置、例えば図12の要部断面
図で示した従来の表面磁石型回転子500における界磁
用磁石503には高速回転時に大きな遠心力が作用し、
回転子コア507から剥がれるおそれがあった。
【0008】そこで本発明は、低い回転数の時は従来の
ものと同じように高いトルクが得られ、さらに従来のも
のと比較して3倍近い高い回転数まで高いトルクで変換
効率よく使用できるとともに、高い回転数域での界磁用
磁石の剥がれを防止した磁石式ブラシレス電動機(例え
ば、自動車の駆動用等。)を提供することを課題とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明は、複数の固定子磁極とこの固定子磁極に回転磁界を
発生するための巻線を有する固定子、回転軸とこの回転
軸に設けられており前記複数の固定子磁極に対して回転
する界磁用磁石を有する回転子、及び回転子の磁極の固
定子に対する位置を検出してその位置に応じて前記巻線
に電流を供給する制御回路を有している磁石式ブラシレ
ス電動機において、前記回転子は、回転軸まわりに配置
されて回転方向に順次異なった極性の磁極が並んでいる
第1の界磁用磁石とこの第1の界磁用磁石の周面に配置
された円筒状覆いとを備えた第1の回転子と、この第1
の回転子に対して相対回転可能で回転軸まわりに配置さ
れて回転方向に順次異なった極性の磁極が並んでいる第
2の界磁用磁石とこの第2の界磁用磁石の周面に配置さ
れた円筒状覆いとを備えた第2の回転子からなり、前記
第1と第2の回転子は前記固定子磁極に対向していると
ともに、前記の第1と第2の回転子の合成した磁極の位
相を第1の回転子の磁極に対して回転子の回転に伴い変
化させる機構を有することを特徴とする磁石式ブラシレ
ス電動機である。
【0010】また、本発明は、複数の固定子磁極とこの
固定子磁極に回転磁界を発生するための巻線を有する固
定子、回転軸とこの回転軸に設けられており前記複数の
固定子磁極に対して回転する界磁用磁石を有する回転
子、及び回転子の磁極の固定子に対する位置を検出して
その位置に応じて前記巻線に電流を供給する制御回路を
有している磁石式ブラシレス電動機において、前記回転
子は、回転軸まわりに配置された第1の回転子コア内に
界磁用磁石が埋設されてこの第1の回転子コアの回転方
向に順次異なった極性の磁極が並んでいる第1の回転子
と、回転軸まわりに配置された第2の回転子コア内に界
磁用磁石が埋設されてこの第2の回転子コアの回転方向
に順次異なった極性の磁極が並んでいるとともに前記第
1の回転子に対して相対回転可能とされた第2の回転子
とからなり、前記第1と第2の回転子は前記固定子磁極
に対向しているとともに、前記の第1と第2の回転子の
合成した磁極の位相を第1の回転子の磁極に対して回転
子の回転に伴い変化させる機構を有することを特徴とす
る磁石式ブラシレス電動機である。
【0011】
【発明の実施の態様】以下に本発明を詳説する。図1に
本発明の一態様である内部磁石型回転子を配した磁石式
ブラシレスDC電動機の主要部を分解したものの斜視図
を示す。図1(A)において、固定子1には複数(この
図では12極)の固定子磁極11に回転磁界を発生する
ための界磁用巻線12が巻かれている。回転子2は、界
磁用磁石31,32の磁極位置を示すために回転軸21
に固定されているとともにその外周面の回転方向に第
1、第2の界磁用磁石31,32と同様の中心角を有し
た磁極パターンを形成したセンサ磁石22(例えば、フ
ェライト系のプラスチック磁石等。)を有している。回
転子2は第1の内部磁石型回転子2a及びこの第1の回
転子2aに相対回転できる第2の内部磁石型回転子2b
とからなっている。第1、第2の回転子2a、2bは各
々強磁性の回転子コア7、8(例えばSS400製)に
設けられた回転軸21に沿った磁極分の個数の貫通穴に
埋設された第1の界磁用磁石31、第2の界磁用磁石3
2(いずれも例えば日立金属製Nd−Fe−B系異方性
焼結磁石:HS37BH等)を有している。このため、
回転子コア7、8の外周面回転方向に等間隔に交互に磁
極N、Sが合計8極形成されている。そして、界磁用磁
極4の任意磁極の固定子1に対する位置をセンサ磁石2
2で示し、その磁極位置に応じて界磁用巻線12に通電
する電流を切り換える制御回路(図示せず)が付設され
ていて、固定子磁極11に所定の回転磁界を発生させる
ようになっている。図示の通り、第1、第2の回転子2
a、2bはともに狭いエアギャップ6を隔てて固定子磁
極11に対向配置されて本発明の磁石式ブラシレス電動
機50を構成している。この構成により、第1、第2の
回転子2a、2bから発した磁束はともに固定子磁極1
1に効率良く導かれて界磁用巻線12と鎖交するので、
周囲の構造物に通る洩れ磁束が小さく抑えられて周囲の
構造物で渦電流損等の損失を発生する問題を回避するこ
とができる。
【0012】図1(B),図2(B)に、第2の回転子
2bを第1の回転子2aに対して相対的に回転子2の回
転方向に回転させることによって両者の磁極位置をずら
した状態を示した。第1と第2の回転子2a、2bを合
成した磁極の第1の回転子2aの磁極に対する位相はこ
のように回転子2の回転に伴い変化することになる。界
磁用巻線12への通電は、センサ磁石22の磁極をホー
ル素子などの検出手段(図示せず)で検出し、制御を行
っている。ブラシレスDC電動機の場合、理論上回転磁
界発生用巻線の通電期間の中心は界磁用磁極のNS切り
替わり点と一致させることにより最大トルクを得られ
る。しかし、回転磁界発生用巻線のインダクタンス等に
よる通電司令信号に対する電流立ち上がりの遅れを見越
して、通電期間の中央を界磁用磁極のNS切り替わり点
より回転順方向に進ませる事が広く行われており、この
通電期間を進ませる角度を一般に進角と呼んでいる。本
発明ではこの進角の設定も重要である。
【0013】図2(A)及び図2(B)にセンサ磁石2
2の磁極と第1の回転子2a及び第2の回転子2bの磁
極との位置関係を示した。図1(A)及び図2(A)で
は第1の回転子2aと第2の回転子2bとは同じ磁極が
隣り合っているので第1と第2の回転子2a、2bの合
成した磁極の位相(例えば、その合成磁極の中心。)は
センサ磁石22及び第1の回転子2aの磁極と同じ位相
(例えば、その磁極の中心。)にあるが、図1(B)及
び図2(B)では第1の回転子2aに対して第2の回転
子2bが回転順方向にずれた状態を示している。ここ
で、第1の回転子2aと第2の回転子2bとが全く同じ
磁束量を発生しているとともに第2の回転子2bが第1
の回転子2aに対して(a度)回転順方向にずらされた
場合、第1と第2の回転子2a、2bの合成した磁極の
位相は第1と第2の回転子2a、2bの磁極位相の平均
値となり、その合成した磁極の位相(例えば、その合成
磁極の中心。)は第1の回転子2aの磁極の位相(例え
ば、その磁極の中心。)に対して回転順方向に進角:
(a/2度)分進むことになる。
【0014】そして、第1と第2の回転子の合成した磁
極の第1の回転子2aの磁極に対する位相を回転子2の
回転に伴い変化させる機構によって、回転子2の回転数
が低いときには図1(A),図2(A)のように第1と
第2の回転子2a、2bの同じ磁極が並ぶようにし、回
転数が高いときには両者の磁極がずれて図1(B),図
2(B)に示すようになることが望ましい。すなわち、
磁極がずれた場合には第1の回転子2aの任意のS極と
第2の回転子2bの任意のN極と、第1の回転子2aの
任意のN極と第2の回転子2bの任意のS極とが回転軸
21の長手方向から見た場合に部分的に重なることにな
る。このように両者の反対の磁極同士が隣接している部
分では発生磁束の局部的な短絡が生じるので固定子1側
の界磁用巻線12に到達する鎖交磁束量が減少すること
になる。すなわち、回転数が高い時には両者間の相対的
な磁極ずれ量に応じてその鎖交磁束量を減少させるとと
もに、回転数が低い場合には第1、第2の回転子2a、
2bの同磁極が回転軸21まわりで並ぶことにより鎖交
磁束量が最大となる。本発明の磁石式ブラシレス電動機
50は以上のような構成を備えているので、広範囲の回
転数変化に応じて鎖交磁束量を制御することが可能であ
るとともに、回転子2が高速回転された場合でも第1、
第2の界磁用磁石31、32は各々第1、第2の回転子
コア7、8の内部に固定されているので、上記図12の
従来の表面磁石型回転子500で問題となる高速回転時
の界磁用磁石の剥離が発生することはない。
【0015】上記内部磁石型回転子2a、2bは界磁用
磁石がアークセグメント状の場合であるが、他の形状の
界磁用磁石を埋設した構成としてもよいことは勿論であ
る。図4は厚み0.45mmの強磁性の薄板円板(例え
ばケイ素鋼製)308の中心に回転軸(図示省略)を挿
通する穴321と磁極分の個数のブロック状界磁用磁石
3を回転軸(図示省略)に沿って埋設するための穴34
9を形成したものを、回転軸(図示省略)に通すととも
に界磁用磁石3を配置して積層し上記図1用の内部磁石
型回転子100としてもよい。
【0016】また、内部磁石型回転子におけるさらに他
の態様として、図5(A)は界磁用磁石111の着磁方
向が回転子コア112の半径方向に対して角度(0<
θ’<90度)をもって配置された場合である。この配
置では界磁用磁石111の数が回転子コア112の外周
側に形成される1磁極あたり2個となり、また1磁極を
形成する2個の界磁用磁石は同極性磁極同志が対向配置
されている。この構成によって、角度θを変えることに
より1磁極当たりの有効磁束量を自在に変えることが出
来るという利点を有する。
【0017】また、内部磁石型回転子におけるさらに他
の態様として、図5(B)は界磁用磁石121における
着磁方向の中心線が回転子コア122の半径方向に配置
される場合である。この配置では、界磁用磁石121は
回転子コア122内部に配置されているが表面磁石型回
転子に近い有効磁束量が得られる。
【0018】また、内部磁石型回転子におけるさらに他
の態様として、図5(C)は界磁用磁石131の断面形
状がかまぼこ状になっている場合の要部断面図を示して
いる。この態様においては界磁用磁石131の中央の厚
みが両端部に比べ厚いため、この回転子130を本発明
の磁石式ブラシレス電動機に組み込んで駆動させた場
合、エアギャップ中における回転子130の回転方向の
有効磁束密度分布を正弦波に近づけることが出来るとい
う利点を有する。
【0019】上記図1では第1の回転子2aとセンサ磁
石22の磁極位相が固定され、第2の回転子2bが第1
の回転子2aに対して相対回転可能であるとともに、高
速回転時には第2の回転子2bの磁極が第1の回転子2
aの磁極に対して回転子2の回転順方向に相対的にずれ
る構成をとっている。本発明では回転子2a、2b及び
センサ磁石22の3部材に関して固定するか回転可能と
するかの組合わせは任意であり、例えば第2の回転子2
bとセンサ磁石22の磁極位相が固定されているととも
に高速回転時には第2の回転子2bの磁極が第1の回転
子2aの磁極に対して回転順方向に相対的にずれる構成
としてもよい。また、第2の回転子2bとセンサ磁石2
2の磁極位相が固定されているとともに、高速回転時に
は第2の回転子2bの磁極が第1の回転子2aの磁極に
対して回転逆方向に相対的にずれる構成としてもよい。
また、第1の回転子2aとセンサ磁石22の磁極位相が
固定されているとともに、高速回転時には第2の回転子
2bの磁極が第1の回転子2aの磁極に対して回転逆方
向に相対的にずれる構成としてもよい。また、第1の回
転子2aと第2の回転子2bの発生磁束量を異なるよう
に配置した一例として、例えば図1(A)の状態におい
て第1の回転子2aと第2の回転子2bの鎖交磁束量の
比率が1:2の場合は、その比率が1:1の場合に比べ
て同一の磁極ずれ動作で界磁用巻線12に鎖交する磁束
量の変化割合を増加させることができる。さらに、セン
サ磁石22に別個の位相変更機構を設けることで、低回
転時及び高回転時において回転数と独立に進角を変化さ
せることもできるし、低回転時及び高回転時において実
質的に進角に変化がない構成をとることも可能である。
【0020】第1と第2の回転子2a、2bの合成した
磁極の位相を第1の回転子2aの磁極に対して回転子2
の回転に伴い変化させる機構としては図3に示すものが
望ましい。図3において、第1の回転子2aは回転軸2
1に固定してあり、第2の回転子2bはその中央の軸穴
321に回転軸21が挿通されて回転軸21まわりに所
定量回るようになっている。第1の回転子2aと第2の
回転子2bとの間に作用する吸引力及び/又は反発力に
よって上記磁極ずれ動作が妨げられないように、両者間
に数mmの間隔5を開けておくことが望ましい。ガバナ
固定板33は回転軸21に固定されているとともに、こ
のガバナ固定板33の端面には中心角90度間隔で上下
左右対称位置に設けた4つの穴331に各々回転支軸3
41が嵌着されている。ガバナ34は略円弧状の部品で
両端部に貫通穴348,349を設けてある。貫通穴3
48には回転支軸341が嵌着され、貫通穴349には
可動側の軸342が嵌着されてガバナ34を保持してい
る。さらに、上記穴331の各近傍に点対称に4つの円
弧状の長穴332が設けてある。また、回転子コア8の
片端面には中心角90度間隔で上下左右対称な半径方向
に4つの長溝322が設けてあり、これらの各長穴およ
び各長溝に上記可動側の軸342が挿入されるととも
に、上記4本の可動側の軸342同士がばね343で接
続されてその弾性力で引き合うようになっている。この
ばね343の張力により回転子2の回転数が低いときに
は図3(A)に示すようにガバナ34の可動側軸342
は長穴332内において回転軸21に最も近い位置にあ
る。このときは第2の回転子2bと第1の回転子2aの
同磁極が並ぶように構成してある。回転子2の回転数が
大きくなってくると遠心力によりガバナ34は図3
(B)に示す状態に開きガバナ34の可動側の軸342
がガバナ固定板33の長穴332に沿って外周側に動く
と同時に、長溝322が長穴332に対して回転子2の
外周側に向かって回転方向にずれて設けてある分だけ可
動側の軸342の長溝322挿入部分がその長溝322
を介して回転子コア8を矢印方向に回転させるので第2
の回転子2bが第1の回転子2aに対して矢印方向に回
転することができる。回転子2の回転数が低くなってく
ると遠心力が小さくなるのでばね343の張力でガバナ
34が図3(A)の状態に閉じて第1、第2の回転子2
a、2bの同磁極が並ぶ位置に戻る。このように、第2
の回転子2bを第1の回転子2aに対し所定量回転軸2
1まわりで相対回転させる機構は外部からの制御および
動力を要せず、回転子2の構成部品に作用する遠心力の
みで動作されているので、簡単な機構で容易かつ安価に
磁石式ブラシレス電動機の鎖交磁束量の制御を行うこと
ができる。また、上記の通り回転子コア8に長溝322
を設けてあるので長溝322からガバナ34に至る軸方
向寸法(L)の長寸化を抑えることができるとともに、
作用する遠心力を考慮して所定の回転数で上記の磁極ず
れ動作が起こるようにばね343のばね定数を適宜設定
することで後述の実施例に示されるように幅広い回転数
領域で高いトルク及びモータ交換効率を獲得することが
できる。
【0021】図6に本発明の他の態様として円筒状覆い
付磁石回転子を配した磁石式ブラシレスDC電動機の主
要部分を分解したものの斜視図を示す。図6において図
1と同一符号のものは同一の構成部品を示している。図
6の磁石式ブラシレスDC電動機60に配置されている
2つの回転子20a,20bは各々強磁性の回転子コア
70a,70bの回転方向周面上に空隙16を介して第
1、第2の界磁用磁石61、62を各々磁極数分の個数
だけ配設し、さらにその上に非磁性の円筒状覆い(例え
ばSUS304製等)を配設し上記界磁用磁石を補強し
た構成となっている。このため、回転子20が高速回転
された場合でも上記界磁用磁石は剥離しないようになっ
ている。ここで、前記円筒状覆いは強磁性材料(例え
ば、炭素鋼等)で形成することもできる。また、前記円
筒状覆いを特開平8ー331784号公報に記載される
強磁性部分および非磁性部分が共存するとともにその強
磁性部分および非磁性部分の結晶構造が異なる同一素材
を用いて形成してもよい。
【0022】図7に上記磁石式ブラシレス電動機60に
用いる円筒状覆い付磁石回転子の他の態様を示す。図7
の円筒状覆い付磁石回転子70においては、界磁用磁石
71として上記アークセグメント磁石の代わりに、一体
リング品形状のラジアル異方性磁石又は多極異方性磁石
を用いており、磁石回転子70の組立を容易に行い得
る。
【0023】(実施例イ〜ニ)本発明の上記磁石式ブラ
シレス電動機50において、第1および第2の界磁用磁
石31,32として日立金属(株)製のNd−Fe−B
系の異方性焼結磁石:HS−30BVを用いるとともに
エアギャップ6の厚みを0.5mmとした条件で、回転
数増加に伴う上記磁極ずれ機構によって、一歯有効磁束
量減少率及び進角を下記表1の条件で同時に変化させた
場合の回転数−トルク特性を図8に、回転数−モータ変
換効率を図9に示した。ここで、一歯有効磁束量とは磁
石回転子から電機子の一磁極に流れ込む最大鎖交磁束量
をいう。 (従来例ホ)第2の回転子も第1の回転子と同じ磁極が
並ぶようにして回転軸に固定するとともに進角を5.5
度で固定した以外は上記実施例と同様にして評価した従
来の磁石式ブラシレス電動機の回転数−トルク特性を図
8に、回転数−モータ変換効率を図9に併記した。
【0024】
【表1】
【0025】図8、図9及び表1について実施例イの磁
石式ブラシレス電動機で代表して説明すると、1000
r.p.m.未満の回転数が低いときには低回転時進角が2
0度であるとともに、1000r.p.m.以上に回転数が
高くなって磁極ずれが28度(最大値)のときの高回転
時進角が6度となるように設定してある。すなわち、回
転数が1000r.p.m.未満のときには、第1と第2の
回転子2a、2bの磁極の位相ずれがなく同磁極が並ん
でいる状態でセンサ進角が20度にしてある。そして、
回転数が1000r.p.m.以上になったときに第2の回
転子2bは遠心力によるガバナ34の働きで回転子2の
回転方向に第1の回転子2aに対して28度回転して、
第1と第2の回転子2a、2bの合成した磁極の位相は
第2の回転子2bの磁極の位相の半分だけ進む。したが
って、進角はそれだけ遅れてくる。第2の回転子2bの
磁極ずれが最大の28度になったときにその半分の14
度だけ進角が遅れて6度となる。このときの一歯有効磁
束量減少率は34%(100%→66%)であり、従来
例ホに比べて幅広い回転数領域で高いトルク及びモータ
交換効率を獲得できていることがわかった。また、実施
例ロ、ハ、ニについても図示の通り、従来例ホに比べて
幅広い回転数領域で高いトルク及びモータ交換効率を獲
得できていることがわかった。さらに、実施例イ、ロ、
ハ、ニを比較すると、低回転時進角の大きいものほど幅
広い回転数領域で高いトルクおよびモータ交換効率を獲
得できていることがわかった。
【0026】図8、図9から明らかなように、本発明の
磁石式ブラシレス電動機は、従来仕様の電動機と比較し
て、定格トルク(7Nm)や最高効率を低下させること
なく、無負荷回転数(nmax)を2.8倍にまで引き上
げることができた。また、幅広い回転数領域で高いトル
ク及びモータ交換効率が得られた。
【0027】上記磁極ずれ角(θ:度)の大きさは、上
記第1と第2の回転子の外周側に対称n極の磁極パター
ンを形成した場合、そのn極の各磁極の中心角を(x:
度)とすると、x/2≦θ≦0.8x とすることが好
ましい。これは、(x/2:度)未満では回転数の増加
に伴う磁極ずれ動作による一歯有効磁束量の減少率が3
0%以上を確保でき難いとともに、(0.8x:度)を
超えると逆方向の回転力の発生を招来する可能性が高く
なり本発明の上記磁極ずれ機構に支障を来たすからであ
る。進角(α:度)は、0<α≦x/2 とすることが
好ましい。この上限値は進角の定義から自明であり、下
限値は0を含まない制御可能な進角を設定可能であるか
らである。
【0028】上記実施例では、一歯有効磁束量を34%
減少させた例を記載したが、本発明によれば一歯有効磁
束量の減少率を30%以上とすることが極めて容易であ
る。さらに、より好ましくはその減少率を40%以上、
特に好ましくは50%とすることも可能である。また、
上記本発明の態様では、第1、第2の回転子の外周面に
同じ対称8極の磁極パターンを形成した場合を記載した
が、両者が同じ非対称の磁極パターンであってもよい。
さらに、磁極数は限定されるものではないが好ましくは
2極〜128極、より好ましくは4〜32極のものに非
常に有用である。また、第1及び第2の回転子が異なる
磁極パターンを有していてもよい。さらには、例えば第
1及び第2の回転子の同じ磁極が並んだ状態において発
生する鎖交磁束量の比率を異なる適宜の値に設定するこ
とで、高回転数になるとともに1つの磁極ずれ動作によ
ってより大きな鎖交磁束量の変化が可能である。また、
上記本発明の態様では、同軸に配置した2つの回転子を
用いて回転数の変化に伴ってそのうちの1つを相対回転
させることで磁石式ブラシレス電動機の鎖交磁束量を減
少させたが、3つ以上の回転子を用いて1つまたは2つ
以上の回転子を回転軸に固定するとともに残りの回転子
を相対回転させることでも本発明を構成することができ
る。また、本発明では界磁用磁石の形状、寸法、個数等
は限定されるものではなく、回転子の外周面回転方向に
交互に異なる磁極が形成されるように回転子コアの内部
または外周面上に任意の界磁用磁石を配置可能である。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁石式ブ
ラシレス電動機は低い回転数の時は従来のものと同じよ
うに高いトルクが得られるとともに、従来のものと比較
して3倍近い高い回転数まで高いトルクで交換効率良く
使用できる。さらに高速回転時の界磁用磁石の剥がれを
防止したので、例えば自動車の駆動用電動機として内燃
機関に代えて使える有用なものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】内部磁石型回転子を配した本発明の磁石式ブラ
シレス電動機の一態様を示す主要部の分解斜視図であ
り、磁極ずれが無い状態(A)及び磁極ずれ状態(B)
を示している。
【図2】本発明の磁石式ブラシレス電動機において界磁
用磁石の磁極の進角を説明する図であり、磁極ずれが無
い状態(A)及び磁極ずれ状態(B)を示している。
【図3】本発明の磁石式ブラシレス電動機において、第
1と第2の回転子の合成した磁極の位相を第1の回転子
の磁極に対して回転子の回転に伴い変化させる機構を示
す分解斜視図であり、(A)は低回転数のとき、(B)
は高回転数のときである。
【図4】本発明に用いる内部磁石型回転子の他の態様を
示す図である。
【図5】本発明に用いる内部磁石型回転子のさらに他の
態様を示す要部断面図であり、(A)は界磁用磁石の着
磁方向が回転子コアの半径方向に対して角度を持って配
置された場合、(B)は界磁用磁石の着磁方向の中心線
が回転子コアの半径方向に配置された場合、(C)は界
磁用磁石が蒲鉾型の場合である。
【図6】円筒状覆い付の磁石回転子を用いた本発明の磁
石式ブラシレス電動機の一態様を示す主要部の分解斜視
図であり、磁極ずれが無い状態(A)及び磁極ずれ状態
(B)を示している。
【図7】円筒状覆い付磁石回転子の他の態様を示す図で
ある。
【図8】磁石式ブラシレス電動機の回転数−トルク特性
の一例を示す図である。
【図9】磁石式ブラシレス電動機の回転数−モータ変換
効率の一例を示す図である。
【図10】トランスミッション付の内燃機関の出力特性
図である。
【図11】従来のブラシレスDC電動機の特性図であ
る。
【図12】従来の磁石式ブラシレス電動機の回転子を示
す図である。
【符号の説明】
1 固定子、2 回転子、3,503 界磁用磁石、
4,40 磁極、5,15 間隔、6,16,506
空隙、7,8,70a,70b,72,507回転子コ
ア、11 固定子磁極、12 界磁用巻線、20,70
円筒状覆い付磁石回転子、21 回転軸、22 セン
サ磁石、31,61 第1の界磁用磁石、32,62
第2の界磁用磁石、33 固定部材、34 ガバナ、5
0,60磁石式ブラシレス電動機、2,100,11
0,120,130 内部磁石型回転子、111,12
1,131 界磁用磁石、112,122,132 回
転子コア、113,123,133 回転軸、18,7
8 円筒状覆い、308薄板、309 積層体、321
軸穴、322 長溝、331 穴、332 長穴、3
41 回転支軸(固定軸)、342 可動側軸、343
弾性部材、348,349 貫通穴、500 表面磁
石型回転子、502 回転軸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三田 正裕 埼玉県熊谷市三ケ尻5200番地日立金属株式 会社磁性材料研究所

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の固定子磁極とこの固定子磁極に回
    転磁界を発生するための巻線を有する固定子、 回転軸とこの回転軸に設けられており前記複数の固定子
    磁極に対して回転する界磁用磁石を有する回転子、 及び回転子の磁極の固定子に対する位置を検出してその
    位置に応じて前記巻線に電流を供給する制御回路を有し
    ている磁石式ブラシレス電動機において、 前記回転子は、回転軸まわりに配置されて回転方向に順
    次異なった極性の磁極が並んでいる第1の界磁用磁石と
    この第1の界磁用磁石の周面に配置された円筒状覆いと
    を備えた第1の回転子と、この第1の回転子に対して相
    対回転可能で回転軸まわりに配置されて回転方向に順次
    異なった極性の磁極が並んでいる第2の界磁用磁石とこ
    の第2の界磁用磁石の周面に配置された円筒状覆いとを
    備えた第2の回転子からなり、 前記第1と第2の回転子は前記固定子磁極に対向してい
    るとともに、前記の第1と第2の回転子の合成した磁極
    の位相を第1の回転子の磁極に対して回転子の回転に伴
    い変化させる機構を有することを特徴とする磁石式ブラ
    シレス電動機。
  2. 【請求項2】 複数の固定子磁極とこの固定子磁極に回
    転磁界を発生するための巻線を有する固定子、 回転軸とこの回転軸に設けられており前記複数の固定子
    磁極に対して回転する界磁用磁石を有する回転子、 及び回転子の磁極の固定子に対する位置を検出してその
    位置に応じて前記巻線に電流を供給する制御回路を有し
    ている磁石式ブラシレス電動機において、 前記回転子は、回転軸まわりに配置された第1の回転子
    コア内に界磁用磁石が埋設されてこの第1の回転子コア
    の回転方向に順次異なった極性の磁極が並んでいる第1
    の回転子と、回転軸まわりに配置された第2の回転子コ
    ア内に界磁用磁石が埋設されてこの第2の回転子コアの
    回転方向に順次異なった極性の磁極が並んでいるととも
    に前記第1の回転子に対して相対回転可能とされた第2
    の回転子とからなり、 前記第1と第2の回転子は前記固定子磁極に対向してい
    るとともに、前記の第1と第2の回転子の合成した磁極
    の位相を第1の回転子の磁極に対して回転子の回転に伴
    い変化させる機構を有することを特徴とする磁石式ブラ
    シレス電動機。
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