JPH1146794A - 直接型ビリルビンの測定方法及び測定用キット - Google Patents

直接型ビリルビンの測定方法及び測定用キット

Info

Publication number
JPH1146794A
JPH1146794A JP22121197A JP22121197A JPH1146794A JP H1146794 A JPH1146794 A JP H1146794A JP 22121197 A JP22121197 A JP 22121197A JP 22121197 A JP22121197 A JP 22121197A JP H1146794 A JPH1146794 A JP H1146794A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bilirubin
sample
direct
reaction
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP22121197A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3733704B2 (ja
Inventor
Makoto Kojima
良 小島
Yoshikiyo Sasagawa
吉清 笹川
Takeshi Nagasawa
健 長澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Boseki Co Ltd
Original Assignee
Nitto Boseki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Boseki Co Ltd filed Critical Nitto Boseki Co Ltd
Priority to JP22121197A priority Critical patent/JP3733704B2/ja
Publication of JPH1146794A publication Critical patent/JPH1146794A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3733704B2 publication Critical patent/JP3733704B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 間接型ビリルビンの干渉を回避し、自動
分析装置に適用可能な直接型ビリルビンの測定方法及び
測定用キットの提供をその目的とする。 【解決手段】 本発明は、試料にカオトロピックイオン
類の存在下で亜硝酸を作用させ、該試料の光学的変化を
測定することにより、間接型ビリルビンの影響なく、試
料中の直接型ビリルビンを、選択的に短時間で測定する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料中に含まれる
直接型ビリルビンの測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビリルビンは老化赤血球由来のヘモグロ
ビンの代謝産物で胆汁色素の主成分である。血液中に
は、側鎖のプロピオン酸基が肝臓で酵素的に主にグルク
ロン酸とエステル結合し水溶性が増加した画分(抱合
型)と、プロピオン酸基が遊離の状態のままであり水溶
性が低い画分(遊離型)が主に存在する。前者はジアゾ
試薬と容易に反応するために直接型ビリルビンと称さ
れ、後者はアルコールなどの反応促進剤の存在下におい
て初めてジアゾ試薬と反応するため、間接型ビリルビン
として捉らえられている。間接型ビリルビンは、反応促
進剤の存在下全てのビリルビンをジアゾ発色して求めら
れる総ビリルビンから直接型ビリルビンを差し引いて求
めることができる。これらの抱合型(直接型)及び遊離
型(間接型)の各ビリルビン濃度を分別測定することに
より各種肝疾患、溶血性疾患などによる黄だんの鑑別及
び診断を行うことができるため、ビリルビンの定量は臨
床検査における重要な項目となっている。
【0003】直接型ビリルビンの測定方法としては、以
下に示すように、ジアゾ試薬によるもの、ビリルビンオ
キシダーゼによるもの、高速液体クロマトグラフィーに
よるもの、化学的酸化剤によるものなどが報告されてい
る。
【0004】A)ジアゾ試薬による直接型ビリルビンの
測定方法 ジアゾ試薬によるものは、ビリルビンがジアゾ試薬と反
応してアゾビリルビンを生成し、その結果、ビリルビン
本来の可視部極大吸収波長より長波長域にアゾビリルビ
ンの極大吸収が発生するため、この波長における吸光度
変化によりビリルビンを定量するものである。これら
は、間接型ビリルビンの反応促進剤の種類、反応停止条
件、アゾビリルビンの検出条件の違いにより種々のもの
が報告されている(Malloy,H.T.,Evelyn,K.A. ; J. Bio
l. Chem. 119 481 (1937) ; The determination of bi
lirubin with the photoelectric colorimeter. Jend
rassik,L.,Grof,P. ; Biochem.Z. 297 81 (1938); Ver
einfachte Photometrische Methoden zur Bestimmung d
es Blutbilirubins.. Micha ёlsson,M ; Scand JCli
n Lab Invest. 12(Supp 56) 1〜80 (1937) ; Bilirubi
n determination inserum and urine )。
【0005】B)ビリルビンオキシダーゼによる直接型
ビリルビンの測定方法 ビリルビンオキシダーゼによるものは、ビリルビンを含
む検体にビリルビンオキシダーゼを作用させて、ビリル
ビンをビリベルジンに酸化させ、この際、ビリルビンの
極大吸収波長域の吸光度が消失するので、この吸光度の
減少量により定量するものである。この測定法では、間
接型ビリルビンの反応抑制の方法に種々の工夫がなされ
ており、下記のごとく多数報告されている。
【0006】B1)pH3.5 〜4.5 でビリルビンオキシ
ダーゼを作用させることを特徴とする直接型ビリルビン
の測定方法(特開昭 59-125899)。B2)陰イオン界面
活性剤を含有するpH5 〜6 の酸性緩衝液中で、ビリル
ビンオキシダーゼを作用させることを特徴とする直接型
ビリルビンの測定方法(Shogo Otsuji : Clin.Biochem.
21 33〜38 (1988) 及び特開昭 60-152955)。B3)p
H 9〜10の緩衝液中でビリルビンオキシダーゼを作用さ
せ生じた吸光度の変化を測定することを特徴とする抱合
型ビリルビンの測定方法(特開昭 62-58999 )。B4)
pH 2.0〜3.3 のフェロシアン化カリウム又は/及びフ
ェリシアン化カリウムを含む緩衝液中でビリルビンオキ
シダーゼを作用させ、生じた吸光度変化を測定すること
を特徴とする直接型ビリルビンの測定方法(特開昭 64-
5499)。B5)ビリルビンオキシダーゼとともに、フッ
素化合物又は還元剤を共存させることを特徴とする直接
型ビリルビンの測定方法(特開平 5-276992 )。B6)
ビリルビンオキシダーゼとともに、テトラピロール環化
合物を共存させることを特徴とする直接型ビリルビンの
測定方法(特開平 7-231795 )。
【0007】C)高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)による直接型ビリルビンの測定方法 HPLCによる直接型ビリルビンの測定法は、逆相カラ
ムに有機溶剤の濃度勾配をかけビリルビンの画分を親水
性/疎水性の序列により分画するものである。HPLC
によると血清中のビリルビンは主にα、β、γ、δの4
画分に分離され、それぞれ、α画分は遊離型ビリルビ
ン、β画分は1分子中に2つある側鎖のプロピオン酸基
の1つのみがグルクロン酸とエステル結合をしているビ
リルビン(ビリルビンモノグルクロナイド)、γ画分は
プロピオン酸基が2つともグルクロン酸とエステル結合
をしているビリルビン(ビリルビンジグルクロナイ
ド)、δ画分はアルブミンとビリルビンが共有結合をし
ているものと同定されている。また、δ画分はγ画分と
アルブミンが非酵素的に反応した結果、生成したものと
推定されている(山本 俊夫 : 日内会誌 78(11) 36〜
41 (1989) )。なお、HPLCでのα画分は上記A)の
ジアゾ試薬による方法では間接型ビリルビンに相当し、
一方、βとγ及びδ画分は直接型ビリルビンに相当する
とされる(John J.Lauff : Clin.Chem. 28(4) 629〜637
(1982))。HPLC法は、煩雑な検体前処理工程を極
力省略した形で改良が進められており、種々の報告がな
されている(Nakamura H. : Bunsekikagaku 36 352〜35
5 (1987).Yukihiko Adachi : Gastroenterologia Japo
nica 23(3) 268〜272 (1988).加藤 裕子 : 近畿大医
誌 第14巻1 号 97 〜112 (1989).)。
【0008】D)化学的酸化剤による直接型ビリルビン
の測定方法 化学的酸化剤によるものは、ビリルビンオキシダーゼの
代わりに、低分子量の酸化剤を作用させて、ビリルビン
をビリベルジンに酸化し、この際のビリルビンに基づく
吸光度減少量により定量するものである。これらも、間
接型ビリルビンの反応抑制の方法に種々の工夫がなされ
ており、下記のごとく報告されている。D1)銅イオン
及びチオ尿素もしくはその誘導体を被検液に作用させる
ことを特徴とする直接型ビリルビンの定量方法(特開昭
63-118662)。D2)バナジン酸イオン又は3価のマン
ガンイオンを酸化剤として作用させ、試料の光学的変化
を測定することを特徴とするビリルビンの定量方法(特
開平 5-18978)。この方法で直接型ビリルビンを測定す
るためには、間接型ビリルビンの反応抑制剤として、ヒ
ドラジン類、ヒドロキシルアミン類、オキシム類、脂肪
族多価アミン類、フェノール類、水溶性高分子及びHL
Bが15以上の非イオン型界面活性剤からなる群より選
ばれた1種以上の化合物を使用する。D3)亜硝酸を酸
化剤として作用させ、試料の光学的変化を測定すること
を特徴とするビリルビンの測定方法(WO 96-17251
)。この方法で直接型ビリルビンを測定するために
は、間接型ビリルビンの反応抑制剤として、HLBが1
2〜15のポリオキシエチレン(n−アルキルあるいは
iso−アルキル)エーテル、チオ尿素、ヒドラジン、
ポリビニルピロリドン等を使用する。
【0009】上記A)〜D)の各測定法にはそれぞれ一
長一短があり、現在のところ、必ずしも、満足のいく測
定方法は存在しない。以下に各測定法の問題点を列記す
る。
【0010】ジアゾ試薬による方法A)は、反応促進剤
が共存しない場合での反応をジアゾ直接反応と定義し、
直接型ビリルビンの名称の由来ともなっている。しかし
ながら、このジアゾ直接反応は間接型ビリルビンの一部
に対しても起こり得ることが多数報告がなされている
(例えば、Killenberg PG : Gastroenterology 78 1011
〜1015 (1980) . Blankaert N : J.Lab.Clin.Med. 96
198〜212 (1980). 真鍋幸男 : 分析化学 30 736 〜
740 (1981). Chan KM : Clin.Chem. 31 1560〜1563
(1985) . 高坂彰 : 検査と技術 14 971 〜975 (198
6). 足立幸彦 :生物試料分析 9 33 〜42 (1986) )。
従ってジアゾ直接反応により定義されたビリルビン測定
値は、正確には”直接型ビリルビン”を定量していると
は言い切れない。
【0011】ビリルビンオキシダーゼによる方法B)
は、ジアゾ直接反応により定義されたビリルビン測定値
と近似し得るように測定系を開発した結果、間接型ビリ
ルビンの一部に対しても酸化反応が認められ、一般的に
は”直接型ビリルビン”を定量しているとは言い切れな
い。その中で、ビリルビンオキシダーゼにフッ素化合物
を共存させる方法(特開平 5-276992 )やテトラピロー
ル環化合物を共存させる方法(特開平 7-231795 )は、
間接型ビリルビンに対する反応を回避し得るものであ
る。しかし、フッ素化合物を使用するため環境汚染に問
題を有し、またテトラピロール環化合物を試薬中に存在
させるため安定性に欠け、溶液状態で長時間使用するこ
とに問題を有する。
【0012】高速液体クロマトグラフィーによる方法
C)は、高い分析性能を有するが1検体の処理に約1時
間を要するので、多数の検体を処理するには不向きであ
る。また高価で特殊な装置を必要とし汎用性に欠ける。
【0013】化学的酸化剤による方法D)は、ビリルビ
ンオキシダーゼによるものと同様にジアゾ直接反応によ
り定義された直接型ビリルビン測定値と近似し得るよう
に測定系を開発した結果、間接型ビリルビンの一部に対
しても酸化反応が認められ、やはり正確には”直接型ビ
リルビン”を定量しているとは言い切れない。
【0014】以上述べてきたように、間接型ビリルビン
に対する反応を回避し、安定かつ安全な直接型ビリルビ
ンの定量方法の開発が待ち望まれている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した現状
に鑑みなされたもので、間接型ビリルビンの干渉を回避
し、自動分析装置に適用可能な直接型ビリルビンの測定
方法及び測定用キットの提供をその目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の酸
化条件で抱合型ビリルビンと非抱合型ビリルビンの反応
性を比較検討したところ、カオトロピックイオン類共存
下で酸化剤として亜硝酸を作用させると、抱合型ビリル
ビンに対する酸化反応が著しく促進され、さらに非抱合
型ビリルビンの酸化反応が効果的に防止され、しかも、
それらの促進及び防止が、弱酸性のpH範囲内において
起こり得ることを偶然にも発見し、本発明を完成するに
至った。
【0017】すなわち、本発明は、試料にカオトロピッ
クイオン類の存在下で亜硝酸を作用させ、該試料の光学
的変化を測定することにより該試料中の直接型ビリルビ
ンを測定することを特徴とする直接型ビリルビンの測定
方法である。この場合、亜硝酸を作用させる際のpHが
5〜6であることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明では、試料は、直接型ビリ
ルビン又は/及び間接型ビリルビンを含むものであれば
特に限定しない。通常、試料は、血しょう、血清、尿等
の生体体液試料、又はこれらのモデルサンプルである。
【0019】本発明の方法において、試料に反応させる
ときの亜硝酸の濃度は、0.01mM〜20mMが好ま
しく、0.05mM〜4mMが特に好ましい。亜硝酸の
濃度が高すぎると間接型ビリルビンに対する酸化反応が
進みやすく、低過ぎると十分な直接型ビリルビンの定量
性を得ることができない。亜硝酸を作用させる際は、亜
硝酸塩と酸性溶液を測定時に混合して亜硝酸を測定系で
発生させて作用させることが好ましい。
【0020】本発明においては、亜硝酸を作用させる際
は、弱酸性溶液中で行うことができ、亜硝酸を作用させ
るときの液のpHは、5.0〜6.0が好ましく、5.
2〜5.8がさらに好ましい。pHが高すぎると亜硝酸
と直接型ビリルビンが反応しにくくなり、また、pHが
低すぎると間接型ビリルビンも反応しやすくなる。
【0021】本発明において、亜硝酸を作用させる際の
温度は、20〜50℃が好ましく、25〜40℃がさら
に好ましい。反応させる際の反応時間は、反応条件によ
り異なるが、通常、3〜15分である。
【0022】本発明においては、カオトロピックイオン
類としては、チオシアン酸イオン(SCN- )、ヨウ素
イオン(I- )を例示できるが、さらに、これらイオン
のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム
塩等が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカ
リ金属塩がさらに好ましい。
【0023】本発明において、亜硝酸を作用させる際、
共存するカオトロピックイオン類の濃度範囲は、低濃度
に過ぎると直接型ビリルビンの反応昂進効果が十分に得
られず、また、高濃度に過ぎると亜硝酸による酸化反応
が妨害され直接型ビリルビンを正確に測定しにくい。従
って、試料と亜硝酸との反応中の液において、カオトロ
ピックイオン類の濃度は、通常、1mM〜800mM、
好ましくは10mM〜500mM、さらに好ましくは2
0mM〜300mMである。
【0024】本発明の直接型ビリルビン測定用キット
は、i)酸性緩衝液及びii) 亜硝酸塩溶液から構成されて
おり、かつ、上記i)又は/及びii) の液にカオトロピッ
クイオン類を含む直接型ビリルビン測定用キットであ
る。
【0025】この場合、カオトロピック類は、第1試薬
液にのみ含むことが好ましい。また、キット中の亜硝酸
塩としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等を例
示できる。
【0026】本発明の直接型ビリルビンの測定方法は、
例えば、本発明のキットにおいて、i)酸性緩衝液を第1
試薬液とし、かつ、ii) 亜硝酸塩溶液を第2試薬液とす
ることにより、以下のように実施できる。試料と上記の
第1試薬液とを混合し、この混合液中のビリルビンに基
づく波長域(430 〜460nm )の特定の波長、好ましくは
波長450nm における吸光度を測定する(吸光度1)。つ
いで、得られる液に亜硝酸塩を含む第2試薬液を添加し
て25 〜40℃で、3 〜15分間、ビリルビンの酸化反応を
行った後、再度溶液中のビリルビンに基づく前記特定の
波長における吸光度を測定する(吸光度2)。得られた
吸光度1及び吸光度2の値に液量補正等を処した後、酸
化反応前後での吸光度変化量を求める。この値と、予め
濃度既知の標準液を用いて上記と同様の操作により得ら
れた吸光度変化量に基づいて作成した検量線から、試料
中の直接型ビリルビン濃度を求めることができる。この
ようなキットによる直接型ビリルビンの測定方法は、日
立7070型自動分析装置等の汎用型の自動分析装置に
適用可能である。なお、試料は、0.005〜1mlが
好ましい。
【0027】本発明の直接型ビリルビン測定用キット
は、その構成中の必須成分である亜硝酸塩やカオトロピ
ックイオン類が特に水溶液中で不安定ではないので、こ
のキットは、水溶液の状態で液状試薬として使用するこ
とも可能である。
【0028】また、第1試薬液又は/及び第2試薬液に
は、他の成分、例えば、食塩、防腐剤、キレート剤、界
面活性剤等の通常の試薬やキットに使用し得るものであ
れば公知の方法に準じて適宜選択して使用することがで
きる。さらに、第1試薬液や第2試薬液には、亜硝酸に
よる間接型ビリルビンの反応を抑制できる他の物質を共
存させても構わない。そのような物質として、チオ尿
素、N−メチルチオ尿素、1,3−ジメチルチオ尿素を
例示できる。
【0029】
【実施例】
実施例1,2及び比較例1 カオトロピックイオン類存
在下での直接型ビリルビンの反応促進効果 ビリルビンに亜硝酸を作用させる際、チオシアン酸イオ
ン(実施例1)、ヨウ素イオン(実施例2)等のカオト
ロピックイオン類の存在下では、直接型ビリルビンの酸
化反応が促進するかどうかを観察するため、以下の実験
を行った。なお、比較として、比較例1では、カオトロ
ピックイオン類を含まない条件で行った。それらの試
薬、試料、測定、結果を以下に示す。
【0030】 (実施例1で用いた第1試薬液) :フタル酸水素カリウム 150 mM チオシアン酸ナトリウム 200 mM トリトンX−100 0.05% pH 5.20/NaOH (実施例2で用いた第1試薬液) :フタル酸水素カリウム 150 mM ヨウ化ナトリウム 200 mM トリトンX−100 0.05% pH 5.20/NaOH (比較例1で用いた第1試薬液) :フタル酸水素カリウム 150 mM トリトンX−100 0.05% pH 5.20/NaOH (実施例1,2及び比較例1で用いた第2試薬液) 亜硝酸ナトリウム 5 mM 塩化ナトリウム 150 mM
【0031】(試料)試料は、直接型ビリルビン濃度5
0mg/dlでありかつヒト血清アルブミン濃度6.0
g/lのものを用いた。その試料は、合成抱合型ビリル
ビンであるジタウロビリルビン5mgを秤量し、ヒト血
清アルブミンを含む100mMトリス緩衝液(pH7.
00)10mlにて溶解して調製した。
【0032】(実施例1,2及び比較例1での測定)日
立7070型自動分析装置において、試料10μl、第
1試薬液300μl、第2試薬液75μlの条件で、主
波長450nm、副波長546nmにおける吸光度変化
を2Point End法にて求めた。即ち、自動分析
装置上で第1試薬液と試料とを混合し、 37 ℃で5 分間
インキュベーションした後、この溶液中のビリルビンに
基づく吸光度を主波長450nm、副波長546nmに
て測定する(吸光度1)。ついで、得られる溶液に、亜
硝酸塩を含む第2試薬液を添加して 37 ℃で、5 分間ビ
リルビンの酸化反応を行った後、再度、溶液中のビリル
ビンに基づく吸光度を前記の波長で測定する(吸光度
2)。得られた吸光度1及び吸光度2の値に液量補正等
を処した後、酸化反応前後での吸光度減少量を求める。
なお、この条件下では、ビリルビンに亜硝酸が作用する
際、反応液のpHの範囲は、5.2〜5.3である。ま
た、これらの測定及び計算は、自動分析装置で自動的に
行われる。
【0033】(実施例1,2及び比較例1での結果)実
施例1,2及び比較例1における吸光度減少量の結果を
表1に示す。また、実施例1及び比較例1、実施例2及
び比較例1における自動分析装置での反応経過過程(反
応タイムコース)をそれぞれ、図1、図2に示す。カオ
トロピックイオン類の存在下(実施例1,2)では、直
接型ビリルビンの反応促進効果が認められる。
【0034】
【表1】
【0035】実施例3 直接型ビリルビンと間接型ビリ
ルビンとを含む試料中の直接型ビリルビンの測定 (試料の調製)100 mMトリス緩衝液(pH 7.00)中に合成
抱合型ビリルビンであるジタウロビリルビンを 5 mg/dl
(ビリルビン相当濃度)とヒト血清アルブミンを 6.0 g
/l 含む溶液を直接型ビリルビン溶液として調製した。
また、それとは別に、100 mMトリス緩衝液(pH 7.00)中
に非抱合型ビリルビンを 5 mg/dl とヒト血清アルブミ
ンを 6.0 g/l 含む溶液を間接型ビリルビン溶液として
調製した。次いで、直接型ビリルビン溶液を間接型ビリ
ルビン溶液にて希釈し、総ビリルビン濃度が同一( 5 m
g/dl)でかつ直接型ビリルビン濃度が異なる種々の試料
を調整した。なお、試料は、総ビリルビンに対する直接
型ビリルビンの比が0.0、0.2、0.4、0.6、
0.8、1.0の6種のものを調製した。
【0036】(測定条件)この試料を用いた以外は、実
施例1記載の測定試薬、測定条件で、吸光度減少量を測
定し、実施例3のデータを得た。
【0037】(結果)結果を図3に示す。図3では、横
軸に総ビリルビンに対する直接型ビリルビンの比、縦軸
に吸光度減少量を表わしている。本発明の方法(実施例
3)では、直接型ビリルビンの量に比例して吸光度減少
量が大きくなり、原点回帰の良好な希釈直線性が得られ
た。これは、カオトロピックイオン類の存在下(実施例
3)では、間接型ビリルビンの干渉がなく、直接型ビリ
ルビンを選択的に定量していることを示している。
【0038】比較例2 従来法による直接型ビリルビン
と間接型ビリルビンとを含む試料中の直接型ビリルビン
の測定 一方、実施例3に用いた試料を用いて、従来法で直接型
ビリルビンを定量した。従来法は、pH3.5 〜4.5 の条
件でビリルビンオキシダーゼを作用させる測定法(特開
昭59-125891 .Shogo Otsuji : Clin.Biochem. 21 33〜
38 (1988) )で行った。即ち、以下の組成の試薬条件に
よるものである。
【0039】 (従来法の第1試薬液) クエン酸三ナトリウム・三水和物 17.65 g/l 乳酸 30.0 g/l トリトンX−100 1.0 g/l EDTA・2Na・2H2 O 18.6 mg/l pH3.70 (従来法の第2試薬液) クエン酸三ナトリウム・三水和物 3.0 g/l 乳酸 160 mg/l トリトンX−100 1.0 g/l CuSO4 ・5H2 O 1.25 g/l ビリルビンオキシダーゼ 0.2 U/ml pH6.50
【0040】(測定法)従来法の測定条件は、試薬液以
外は、実施例1記載の測定条件と同一とした。
【0041】(結果)結果を図3に示す。従来法(比較
例2)では、試料中の直接型ビリルビン濃度と測定され
た吸光度減少量との間に直線性が得られないことが判明
した。従来法では、試料中の間接型ビリルビンの干渉を
大きく受け、試料中の直接型ビリルビンを正確に定量し
ていないことを示す。
【0042】実施例4及び比較例3 本発明の測定方法
条件下でビリルビン高値患者検体中の間接型ビリルビン
が反応しないことをHPLCで確認した例 (試料)試料としてビリルビン高値の患者プール血清検
体を用いた。血清検体に対しては、硫酸ナトリウムによ
る塩析を行わず、未処理のまま分析に処した。試料中の
グロブリンがカラムに吸着し劣化を早める結果となる
が、ビリルビン画分の変性を防止することを目的とした
為である。
【0043】(試薬)実施例4では、実施例1で用いた
試薬を使用した。比較例3では、比較例2で用いた試薬
を使用した。
【0044】(試料中のビリルビンの酸化反応)試料1
6μlに対して第1試薬液480μlを添加し、37℃
で5分間加温した。さらに、得られる液に、120μl
の第2試薬液を添加し、37℃で5分間加温した後、1
20μlの2%アスコルビン酸水溶液を添加した。
【0045】(HPLCによる分析)HPLCの分析
は、文献(John J. Lauff : Clin.Chem. 28(4) 629〜63
7 (1982))記載の方法により行い、反応前後における間
接型ビリルビンに基づくピーク面積の変化を調べた。反
応前のデータは、第2試薬液として生理食塩水を用いた
以外は、上記した酸化反応と同様の操作を行い、間接型
ビリルビンに基づくピーク面積を求めた。HPLCは、
日立HPLCシステム(Column Oven L-7300、UV Detec
tor L-7400、PumpL-7100、Integrator D-7500 )に関東
化学(株)製の逆相系カラム Lichrspher 100 RP-18 (1
0 μm)を接続して使用した。すなわち、上記の酸化反応
で得られる液を、0.45μmのメンブランフィルター
にてろ過し、ろ液150μlをHPLCのカラムに注入
して反応後の間接型ビリルビンに基づくピーク面積を求
めた。溶出は、ビリルビン画分を、A液:(精製水95
0容/2−メトキシエタノール50容/りん酸にてpH
2.1に調製)とB液:(イソプロパノール950容/
2−メトキシエタノール50容/りん酸2.5容)の2
液間におけるイソプロパノールの直線勾配により行い、
450nmの波長により検出した。
【0046】(結果)反応前のデータを100とし、そ
のデータと反応後の間接型ビリルビンに基づくピーク面
積のデータとの比較により、間接型ビリルビンの残存比
率を求めた。結果を表2に示す。反応前後で間接型ビリ
ルビンに基づくピーク面積がほとんど変わらず、カオト
ロピックイオン類を含む条件下(実施例4)では、亜硝
酸と間接型ビリルビンとが反応しないことが確認され
た。一方、従来法(比較例3)では、間接型ビリルビン
が16.5%減少していた。従来法の条件下では、間接
型ビリルビンの一部が反応したことを示している。
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明の測定方法によれば、カオトロピ
ックイオン類の存在下で亜硝酸を作用させることによ
り、間接型ビリルビンの影響なく、試料中の直接型ビリ
ルビンを、選択的に短時間で測定することができる。ま
た、本発明の測定方法は、汎用型の自動分析装置に適用
可能である。更にまた、本発明の測定方法は、pH5〜
6の弱い酸性溶液中で実施できるので測定のため用いる
試薬も安全である。しかも、本発明で測定するため用い
る試薬液は、安定であるので液状試薬として使用でき
る。したがって、本発明は、臨床検査に寄与すること大
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】チオシアン酸イオンを含む条件下(実施例1)
での、亜硝酸による直接型ビリルビンの反応タイムコー
スを示す。また、カオトロピックイオン類が存在しない
場合(比較例1)での亜硝酸による直接型ビリルビンの
反応タイムコースを示す。横軸に測光ポイント(1ポイ
ントは約20秒)、縦軸には、吸光度×10000を示
す。
【図2】ヨウ素イオンを含む条件下(実施例2)での、
亜硝酸による直接型ビリルビンの反応タイムコースを示
す。また、カオトロピックイオン類が存在しない場合
(比較例1)での亜硝酸による直接型ビリルビンの反応
タイムコースを示す。横軸に測光ポイント(1ポイント
は約20秒)、縦軸には、吸光度×10000を示す。
【図3】直接型ビリルビンと間接型ビリルビンとを含む
試料中の直接型ビリルビンを、チオシアン酸イオンを含
む条件下(実施例3)で亜硝酸と反応させて、測定した
結果を示す。横軸に総ビリルビンに対する直接型ビリル
ビンの比、縦軸に吸光度減少量を示す。また、比較とし
て従来法(比較例2)で行った結果も併せて示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料にカオトロピックイオン類の存在下
    で亜硝酸を作用させ、該試料の光学的変化を測定するこ
    とにより該試料中の直接型ビリルビンを測定することを
    特徴とする直接型ビリルビンの測定方法。
  2. 【請求項2】 亜硝酸を作用させる際のpHが5〜6で
    ある請求項1の直接型ビリルビンの測定方法。
  3. 【請求項3】 直接型ビリルビン測定用キットであっ
    て、かつ、i)酸性緩衝液及びii) 亜硝酸塩溶液から構成
    されており、かつ、上記i)又は/及びii) の液にカオト
    ロピックイオン類を含む直接型ビリルビン測定用キッ
    ト。
JP22121197A 1997-08-04 1997-08-04 直接型ビリルビンの測定方法及び測定用キット Expired - Fee Related JP3733704B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22121197A JP3733704B2 (ja) 1997-08-04 1997-08-04 直接型ビリルビンの測定方法及び測定用キット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22121197A JP3733704B2 (ja) 1997-08-04 1997-08-04 直接型ビリルビンの測定方法及び測定用キット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1146794A true JPH1146794A (ja) 1999-02-23
JP3733704B2 JP3733704B2 (ja) 2006-01-11

Family

ID=16763214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22121197A Expired - Fee Related JP3733704B2 (ja) 1997-08-04 1997-08-04 直接型ビリルビンの測定方法及び測定用キット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3733704B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002086151A1 (en) * 2001-04-17 2002-10-31 International Reagents Corporation Method of assaying biological component
JP2012112884A (ja) * 2010-11-26 2012-06-14 Kanto Chem Co Inc 色素成分の測定方法及び測定用試薬

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002086151A1 (en) * 2001-04-17 2002-10-31 International Reagents Corporation Method of assaying biological component
JP2012112884A (ja) * 2010-11-26 2012-06-14 Kanto Chem Co Inc 色素成分の測定方法及び測定用試薬

Also Published As

Publication number Publication date
JP3733704B2 (ja) 2006-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Raabo et al. On the enzymatic determination of blood glucose
EP0432642B1 (en) Reagent composition, methods and kits for quantification of magnesium or calcium and magnesium
JP2796462B2 (ja) エタノール分析用組成物
CN108613976B (zh) 直接胆红素检测试剂盒
US6326208B1 (en) Assay for total and direct bilirubin
CN112710854B (zh) 一种抗干扰、稳定的血清总胆红素(酶法)测定试剂盒及其制备方法和应用
EP0678580B1 (en) Reagent for measuring direct bilirubin
EP0510190B1 (en) Reagent and method for serum iron assay
CN111190003A (zh) 一种视黄醇结合蛋白检测试剂盒及其制备方法
JP3541677B2 (ja) 直接型ビリルビンの測定方法および測定用試薬
JP3733704B2 (ja) 直接型ビリルビンの測定方法及び測定用キット
EP0795753B1 (en) Method for determining bilirubin
CN112710853A (zh) 一种抗干扰、稳定的血清直接胆红素(酶法)测定试剂盒及其制备方法和应用
EP0882800B1 (en) Method for determination of direct bilirubin and reagent therefor
JPWO1996017251A1 (ja) ビリルビンの測定方法
CN114480565A (zh) 一种稳定、抗干扰能力强的高灵敏度糖化白蛋白测定试剂盒
JP3727392B2 (ja) 抱合ビリルビン測定試薬
JP4652697B2 (ja) 直接型ビリルビンの測定方法および測定用試薬
JPH1118797A (ja) 直接型ビリルビンの定量方法及び定量用試薬
Morimoto et al. Novel assay for measuring serum conjugated bilirubin and its clinical relevance
JP4123181B2 (ja) カルシウムの測定方法および測定試薬
JPH0772157A (ja) 糖化蛋白の定量方法およびその定量用キット
JP2632989B2 (ja) 不飽和鉄結合能の測定方法
JP2007202568A (ja) 直接型ビリルビンの測定方法および測定用試薬
JP3714689B2 (ja) ビリルビン測定用試薬

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050805

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050831

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050927

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051010

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091028

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101028

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111028

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111028

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111028

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121028

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121028

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121028

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131028

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees