JPH1149557A - 着色磁器焼結体とその製造方法 - Google Patents
着色磁器焼結体とその製造方法Info
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- JPH1149557A JPH1149557A JP20476197A JP20476197A JPH1149557A JP H1149557 A JPH1149557 A JP H1149557A JP 20476197 A JP20476197 A JP 20476197A JP 20476197 A JP20476197 A JP 20476197A JP H1149557 A JPH1149557 A JP H1149557A
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- Japan
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- porcelain
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- nickel oxide
- powder
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 フォルステライト磁器の組成や製造方法につ
いては今までに多くの研究がなされてきたが、その多く
は電気特性の向上を目指す研究やフォルステライト磁器
の比較的大きな熱膨率を生かした用途開発であって、特
定の色調を持たせたり、美的な質感を求めた例はない。 【解決手段】 主原料としての合成フォルステライト粉
末100〜65重量%と焼結助材0〜35重量%とから
成る原料粉末に、発色材としての酸化ニッケル若しくは
焼成によって酸化ニッケルとなるニッケル化合物を0.
5〜30外重量%添加して焼成した、主構成相がフォル
ステライト結晶相(2MgO・SiO2 )から成り、残
部が焼結助材由来のガラスから成る着色磁器焼結体であ
る。
いては今までに多くの研究がなされてきたが、その多く
は電気特性の向上を目指す研究やフォルステライト磁器
の比較的大きな熱膨率を生かした用途開発であって、特
定の色調を持たせたり、美的な質感を求めた例はない。 【解決手段】 主原料としての合成フォルステライト粉
末100〜65重量%と焼結助材0〜35重量%とから
成る原料粉末に、発色材としての酸化ニッケル若しくは
焼成によって酸化ニッケルとなるニッケル化合物を0.
5〜30外重量%添加して焼成した、主構成相がフォル
ステライト結晶相(2MgO・SiO2 )から成り、残
部が焼結助材由来のガラスから成る着色磁器焼結体であ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は着色磁器焼結体とそ
の製造方法に関し、特に緑黄〜黄緑色を呈し、工芸部
材、装飾部材、食器、インテリア用品、照明具、或いは
表示装置用部材などに用いられる着色磁器焼結体とその
製造方法に関する。
の製造方法に関し、特に緑黄〜黄緑色を呈し、工芸部
材、装飾部材、食器、インテリア用品、照明具、或いは
表示装置用部材などに用いられる着色磁器焼結体とその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】やきも
のの起源は古く、その始まりは定かではないが我国の土
器は10,000年以上昔に遡ると言われている。その
間に土器を始めとして多くのやきものが造られてきた
が、その中で土器や陶器に比して明るい色調と透光感を
持った磁器は、中国で唐の時代(618〜906年)に
生まれ、人が作る物の中で最も玉器に近い質感を持つも
のであるとされた。
のの起源は古く、その始まりは定かではないが我国の土
器は10,000年以上昔に遡ると言われている。その
間に土器を始めとして多くのやきものが造られてきた
が、その中で土器や陶器に比して明るい色調と透光感を
持った磁器は、中国で唐の時代(618〜906年)に
生まれ、人が作る物の中で最も玉器に近い質感を持つも
のであるとされた。
【0003】現代では磁器は明るい白色であることを貴
ぶが、古くから玉(ぎょく)にたとえられたり玉に比し
て語られるやきものに青磁と呼ばれる青緑系の色調を持
つ磁器がある。青磁は磁器素地に鉄分を含む釉薬をかけ
て、還元雰囲気に保った炉内で1250℃〜1320℃
の焼成温度で釉に溶け込んだ鉄分によって青く発色させ
るもので、釉の組成や厚みや素地に含まれる不純物等に
よって青色系〜青緑色〜緑色系の深みのある色調のもの
が得られる。
ぶが、古くから玉(ぎょく)にたとえられたり玉に比し
て語られるやきものに青磁と呼ばれる青緑系の色調を持
つ磁器がある。青磁は磁器素地に鉄分を含む釉薬をかけ
て、還元雰囲気に保った炉内で1250℃〜1320℃
の焼成温度で釉に溶け込んだ鉄分によって青く発色させ
るもので、釉の組成や厚みや素地に含まれる不純物等に
よって青色系〜青緑色〜緑色系の深みのある色調のもの
が得られる。
【0004】通常、着色した磁器を作るには、釉薬だけ
を着色する場合と磁器の素地自体を着色する場合とがあ
るが、素地自体による発色であるほうが色むらが出なく
てよい。
を着色する場合と磁器の素地自体を着色する場合とがあ
るが、素地自体による発色であるほうが色むらが出なく
てよい。
【0005】素地が青緑色を帯びた磁器を作るには、例
えば良く精製された白く焼き上がる磁器原料に着色顔料
として酸化クロム(Cr2 O3 )を5〜20%加えて磁
器杯土として用いることができる。しかし青緑の色調を
出すには焼成温度を1200℃程度に押さえなければな
らず、これ以上の温度で焼成すれば素地の色調は灰色を
帯び、焼成温度が高くなるにつれて黒くなる。磁器を焼
結させるには1200℃程度の焼成では十分ではなく、
焼結したとしても緻密で固く美しい磁器本来の質感を発
揮するには至らない。
えば良く精製された白く焼き上がる磁器原料に着色顔料
として酸化クロム(Cr2 O3 )を5〜20%加えて磁
器杯土として用いることができる。しかし青緑の色調を
出すには焼成温度を1200℃程度に押さえなければな
らず、これ以上の温度で焼成すれば素地の色調は灰色を
帯び、焼成温度が高くなるにつれて黒くなる。磁器を焼
結させるには1200℃程度の焼成では十分ではなく、
焼結したとしても緻密で固く美しい磁器本来の質感を発
揮するには至らない。
【0006】近年になってファインセラミックスが多種
製作されるようになり、その中にはさまざまな色調を持
つものが見受けられる。なかでもアルミナセラミック
は、例えば特開昭63−239154号のように、各種
の金属の酸化物を少量添加して様々の美しい色調に発色
させることができ、強度も優れているので、電気・電子
用部材のみならず、人工宝石として時計や装飾品等にも
用いられている。
製作されるようになり、その中にはさまざまな色調を持
つものが見受けられる。なかでもアルミナセラミック
は、例えば特開昭63−239154号のように、各種
の金属の酸化物を少量添加して様々の美しい色調に発色
させることができ、強度も優れているので、電気・電子
用部材のみならず、人工宝石として時計や装飾品等にも
用いられている。
【0007】例えば、高純度微粉アルミナに酸化ニッケ
ルを1〜3重量%添加した原料を成型して真空炉で17
00℃を超える温度で焼結させたセラミックは透光感の
ある空色となるが、これを大気中で1700℃以上で再
焼成すると素地が黄緑〜深緑のセラミックとなる。
ルを1〜3重量%添加した原料を成型して真空炉で17
00℃を超える温度で焼結させたセラミックは透光感の
ある空色となるが、これを大気中で1700℃以上で再
焼成すると素地が黄緑〜深緑のセラミックとなる。
【0008】しかし、ファインセラミックは、高価な高
純度原料を用いると共に、焼成には真空高温炉を始めと
する特殊な雰囲気炉等が必要であり、場合によってはこ
れを再度にわたって高温焼成することで好ましい色調や
質感を発現させるのであって、このような特殊な原料や
炉を用いて食器や工芸品等のように比較的大きな部材を
作れば、製造に要する価格は並外れて高価になり、用途
が著しく限られてしまうという問題がある。
純度原料を用いると共に、焼成には真空高温炉を始めと
する特殊な雰囲気炉等が必要であり、場合によってはこ
れを再度にわたって高温焼成することで好ましい色調や
質感を発現させるのであって、このような特殊な原料や
炉を用いて食器や工芸品等のように比較的大きな部材を
作れば、製造に要する価格は並外れて高価になり、用途
が著しく限られてしまうという問題がある。
【0009】このような背景のもとに、本発明者は、磁
器本来の固くて緻密で美しい質感を損なうことなく、明
るい緑系の色調を持った磁器焼結体を通常の陶磁器生産
で用いる装置や炉によって製作するべく、磁器あるいは
ニューセラミックを構成する鉱物(結晶体)について広
く調査を行ない、フォルステライト(2MgO・SiO
2 )に着目した。
器本来の固くて緻密で美しい質感を損なうことなく、明
るい緑系の色調を持った磁器焼結体を通常の陶磁器生産
で用いる装置や炉によって製作するべく、磁器あるいは
ニューセラミックを構成する鉱物(結晶体)について広
く調査を行ない、フォルステライト(2MgO・SiO
2 )に着目した。
【0010】鉱物としてのフォルステライトは、融点が
1900℃と高く、耐火性に優れていることから、製鉄
製鋼用の炉材(耐火物セラミック)として用いられてい
る。また、フォルステライトを焼結させた磁器は、マイ
クロ波領域において優れた性能を有することから、高周
波絶縁物、ガラスや金属との封着部品、薄膜抵抗、IC
基板、或いはICパッケージなどの電子部品に利用され
ている。
1900℃と高く、耐火性に優れていることから、製鉄
製鋼用の炉材(耐火物セラミック)として用いられてい
る。また、フォルステライトを焼結させた磁器は、マイ
クロ波領域において優れた性能を有することから、高周
波絶縁物、ガラスや金属との封着部品、薄膜抵抗、IC
基板、或いはICパッケージなどの電子部品に利用され
ている。
【0011】電子部品用のフォルステライト磁器は、暗
いアイボリー(象牙色)ないしは黄土色の色調を呈し、
比較的安価に製造されている。この原料として「合成フ
ォルステライト」粉末が市販されている。
いアイボリー(象牙色)ないしは黄土色の色調を呈し、
比較的安価に製造されている。この原料として「合成フ
ォルステライト」粉末が市販されている。
【0012】フォルステライト磁器の組成や製造方法に
ついては今までに多くの研究がなされてきたが、その多
くは例えば特開平5−262562号や特開平5−34
5622号のように、絶縁性を高めて高周波誘電体損失
をより小さくするなど電気特性の向上を目指す研究、或
いは特開平5−178659号のように、フォルステラ
イト磁器の比較的大きな熱膨率を生かした用途開発であ
って、フォルステライト磁器の素地自体に特定の色調を
持たせたり美的な質感を求める例はない。
ついては今までに多くの研究がなされてきたが、その多
くは例えば特開平5−262562号や特開平5−34
5622号のように、絶縁性を高めて高周波誘電体損失
をより小さくするなど電気特性の向上を目指す研究、或
いは特開平5−178659号のように、フォルステラ
イト磁器の比較的大きな熱膨率を生かした用途開発であ
って、フォルステライト磁器の素地自体に特定の色調を
持たせたり美的な質感を求める例はない。
【0013】本発明者はフォルステライト磁器素地の着
色或いは発色について研究を重ね、あらかじめ合成した
フォルステライト粉末あるいは組成がほぼフォルステラ
イト(2MgO・SiO2 )となるように調合した粉末
を主原料に、焼結助剤を配合して磁器原料にし、これに
着色剤として酸化ニッケルを0.5〜35外重量%含有
してなる組成物を成型し、大気中もしくは酸化雰囲気中
で焼成して焼結させることで、磁器素地を明るい緑黄〜
黄緑色系の色調に発色できることを見いだし、本発明を
完成するに至ったものである。
色或いは発色について研究を重ね、あらかじめ合成した
フォルステライト粉末あるいは組成がほぼフォルステラ
イト(2MgO・SiO2 )となるように調合した粉末
を主原料に、焼結助剤を配合して磁器原料にし、これに
着色剤として酸化ニッケルを0.5〜35外重量%含有
してなる組成物を成型し、大気中もしくは酸化雰囲気中
で焼成して焼結させることで、磁器素地を明るい緑黄〜
黄緑色系の色調に発色できることを見いだし、本発明を
完成するに至ったものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の着
色磁器焼結体は、主原料としての合成フォルステライト
粉末100〜65重量%と焼結助材0〜35重量%とか
ら成る原料粉末に、発色材としての酸化ニッケル若しく
は焼成によって酸化ニッケルとなるニッケル化合物を酸
化ニッケルに換算して0.5〜30外重量%相当量添加
して焼成した、主構成相がフォルステライト結晶相(2
MgO・SiO2 )から成り、残部が焼結助材由来のガ
ラスから成る。
色磁器焼結体は、主原料としての合成フォルステライト
粉末100〜65重量%と焼結助材0〜35重量%とか
ら成る原料粉末に、発色材としての酸化ニッケル若しく
は焼成によって酸化ニッケルとなるニッケル化合物を酸
化ニッケルに換算して0.5〜30外重量%相当量添加
して焼成した、主構成相がフォルステライト結晶相(2
MgO・SiO2 )から成り、残部が焼結助材由来のガ
ラスから成る。
【0015】この場合、前記原料粉末が主原料としての
合成フォルステライト粉末95〜65重量%と焼結助材
5〜35重量%とから成ることが望ましい。
合成フォルステライト粉末95〜65重量%と焼結助材
5〜35重量%とから成ることが望ましい。
【0016】請求項3に係る発明の着色磁器焼結体の製
造方法は、主原料としての合成フォルステライト粉末1
00〜65重量%と焼結助材0〜35重量%とから成る
原料粉末に、発色材としての酸化ニッケル若しくは焼成
によって酸化ニッケルとなるニッケル化合物を0.5〜
30外重量%添加して大気中もしくは酸化雰囲気中12
00〜1500℃の温度で焼成する。
造方法は、主原料としての合成フォルステライト粉末1
00〜65重量%と焼結助材0〜35重量%とから成る
原料粉末に、発色材としての酸化ニッケル若しくは焼成
によって酸化ニッケルとなるニッケル化合物を0.5〜
30外重量%添加して大気中もしくは酸化雰囲気中12
00〜1500℃の温度で焼成する。
【0017】請求項4に係る発明の着色磁器焼結体の製
造方法は、主原料としての合成フォルステライト粉末1
00〜65重量%と焼結助材0〜35重量%とから成る
原料粉末を1100℃以下の温度で焼成して素焼き体を
形成し、この素焼き体に酸化ニッケル若しくは焼成によ
って酸化ニッケルとなるニッケル化合物の水溶液を塗布
あるいは浸透させて、大気中もしくは酸化雰囲気中12
00〜1500℃の温度で焼成する。
造方法は、主原料としての合成フォルステライト粉末1
00〜65重量%と焼結助材0〜35重量%とから成る
原料粉末を1100℃以下の温度で焼成して素焼き体を
形成し、この素焼き体に酸化ニッケル若しくは焼成によ
って酸化ニッケルとなるニッケル化合物の水溶液を塗布
あるいは浸透させて、大気中もしくは酸化雰囲気中12
00〜1500℃の温度で焼成する。
【0018】
【作用】本発明による磁器は、フォルステライトライト
結晶相とこれを結合するガラス相から成り、磁器原料に
添加する酸化ニッケルは、磁器の主構成相であるフォル
ステライト結晶中に固溶して結晶相を緑黄〜黄緑色に発
色させる。
結晶相とこれを結合するガラス相から成り、磁器原料に
添加する酸化ニッケルは、磁器の主構成相であるフォル
ステライト結晶中に固溶して結晶相を緑黄〜黄緑色に発
色させる。
【0019】酸化ニッケルそのものは黒色である。ガラ
スに添加した酸化ニッケルはNi2+で6配位あるいは4
配位をとり、6配位の時には黄褐色、4配位の時には暗
紫色にガラスを着色することが知られており、本発明に
おいてもガラス相自体は黄褐色であると思われる。
スに添加した酸化ニッケルはNi2+で6配位あるいは4
配位をとり、6配位の時には黄褐色、4配位の時には暗
紫色にガラスを着色することが知られており、本発明に
おいてもガラス相自体は黄褐色であると思われる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
請求項1に係る着色磁器焼結体では、主原料として合成
フォルステライト粉末を用いる。市販の合成したフォル
ステライト粉末、あるいはマグネシア(MgO)または
水酸化マグネシウム(Mg(OH)2 )もしくはマグネ
サイト(MgCO3 )など焼成によって酸化物になるマ
グネシウム化合物粉末に、滑石(タルク、3MgO・4
SiO2 ・H2 O)粉末または珪石(SiO2 )粉末
を、焼成したときの組成がほぼ2MgO・SiO2 とな
るように配合した原料を用いる。後者の場合、成型して
焼成すればフォルステライト鉱物(2MgO・Si
O2 )が合成され、そのまま焼結すればフォルステライ
ト磁器になる。
請求項1に係る着色磁器焼結体では、主原料として合成
フォルステライト粉末を用いる。市販の合成したフォル
ステライト粉末、あるいはマグネシア(MgO)または
水酸化マグネシウム(Mg(OH)2 )もしくはマグネ
サイト(MgCO3 )など焼成によって酸化物になるマ
グネシウム化合物粉末に、滑石(タルク、3MgO・4
SiO2 ・H2 O)粉末または珪石(SiO2 )粉末
を、焼成したときの組成がほぼ2MgO・SiO2 とな
るように配合した原料を用いる。後者の場合、成型して
焼成すればフォルステライト鉱物(2MgO・Si
O2 )が合成され、そのまま焼結すればフォルステライ
ト磁器になる。
【0021】この合成フォルステライト粉末は100〜
65重量%用いる。合成フォルステライト粉末が95重
量%より多い(焼結助剤が5重量%より少ない)場合
は、焼結はできるが、焼結するのに高い温度を要し、実
用的な焼成温度での焼結が困難になることから、実用的
な面から95重量%以下であることが望ましい。また、
この主原料としての合成フォルステライト粉末が65重
量%より少ない(焼結助剤が35重量%より多い)場合
は、焼結しやすくなるが焼結時に軟化や変形が生じやす
くなり、形状を保ったままでの磁器化が困難になる。
65重量%用いる。合成フォルステライト粉末が95重
量%より多い(焼結助剤が5重量%より少ない)場合
は、焼結はできるが、焼結するのに高い温度を要し、実
用的な焼成温度での焼結が困難になることから、実用的
な面から95重量%以下であることが望ましい。また、
この主原料としての合成フォルステライト粉末が65重
量%より少ない(焼結助剤が35重量%より多い)場合
は、焼結しやすくなるが焼結時に軟化や変形が生じやす
くなり、形状を保ったままでの磁器化が困難になる。
【0022】この主原料を焼結させて磁器化する為に焼
結助剤が配合される。通常、陶磁器の焼結助剤は長石で
ある。長石はフォルステライト磁器においても有効であ
る。また、長石と複数の金属酸化物を混合したものや長
石の一部ないしは全てをコレマナイト(灰硼石)に置き
換えたものはさらに効果がある。
結助剤が配合される。通常、陶磁器の焼結助剤は長石で
ある。長石はフォルステライト磁器においても有効であ
る。また、長石と複数の金属酸化物を混合したものや長
石の一部ないしは全てをコレマナイト(灰硼石)に置き
換えたものはさらに効果がある。
【0023】焼結助剤は焼成温度で溶融し、その際主原
料の一部をも取り込んでガラス化して主原料を結合す
る。つまり焼結を促進する作用をするのであるが、ガラ
ス化した時の粘度が高く、成形したままの形状を保ちな
がら収縮し、ついには焼結して磁器化する。この焼結助
剤は主原料との関係から0〜35重量%用いる。
料の一部をも取り込んでガラス化して主原料を結合す
る。つまり焼結を促進する作用をするのであるが、ガラ
ス化した時の粘度が高く、成形したままの形状を保ちな
がら収縮し、ついには焼結して磁器化する。この焼結助
剤は主原料との関係から0〜35重量%用いる。
【0024】フォルステライト磁器は本来ならば薄黄色
〜アイボリー〜クリーム色の素地であるが、原料に酸化
ニッケルあるいは焼成によって酸化ニッケルになるニッ
ケル化合物を酸化ニッケルに換算して0.5〜30外重
量%添加して焼成すれば磁器の素地は緑黄色になり、添
加量を増すにつれて黄緑色になり、さらに増すとオリー
ブ色を帯びてくる。しかしながら、30外重量%を超え
る添加量ではオリーブ色の素地に黒い斑点が混在するよ
うになり、焼結しにくくなる。
〜アイボリー〜クリーム色の素地であるが、原料に酸化
ニッケルあるいは焼成によって酸化ニッケルになるニッ
ケル化合物を酸化ニッケルに換算して0.5〜30外重
量%添加して焼成すれば磁器の素地は緑黄色になり、添
加量を増すにつれて黄緑色になり、さらに増すとオリー
ブ色を帯びてくる。しかしながら、30外重量%を超え
る添加量ではオリーブ色の素地に黒い斑点が混在するよ
うになり、焼結しにくくなる。
【0025】次に、請求項3に係る着色磁器焼結体の製
造方法の実施形態について説明する。請求項3に係る着
色磁器焼結体の製造方法では、主原料としての合成フォ
ルステライト粉末100〜65重量%と焼結助材0〜3
5重量%とから成る原料粉末に、発色材としての酸化ニ
ッケル若しくは焼成によって酸化ニッケルとなるニッケ
ル化合物を0.5〜30外重量%添加して大気中もしく
は酸化雰囲気中1200〜15500℃の温度で焼成す
る。
造方法の実施形態について説明する。請求項3に係る着
色磁器焼結体の製造方法では、主原料としての合成フォ
ルステライト粉末100〜65重量%と焼結助材0〜3
5重量%とから成る原料粉末に、発色材としての酸化ニ
ッケル若しくは焼成によって酸化ニッケルとなるニッケ
ル化合物を0.5〜30外重量%添加して大気中もしく
は酸化雰囲気中1200〜15500℃の温度で焼成す
る。
【0026】この磁器は通常の陶磁器を焼成するガスや
灯油などを燃料にした炉や電気炉を用いて焼成できる
が、大気中あるいは酸化雰囲気中で焼成して焼結させる
ことが美しい緑黄〜黄緑系の色調を得るために必須の条
件である。例えば本発明の磁器をわずかにでも還元雰囲
気にしたガス炉中で焼結させた場合には、磁器素地は黒
味を帯び、暗灰緑〜暗灰青色を呈して美しくない。
灯油などを燃料にした炉や電気炉を用いて焼成できる
が、大気中あるいは酸化雰囲気中で焼成して焼結させる
ことが美しい緑黄〜黄緑系の色調を得るために必須の条
件である。例えば本発明の磁器をわずかにでも還元雰囲
気にしたガス炉中で焼結させた場合には、磁器素地は黒
味を帯び、暗灰緑〜暗灰青色を呈して美しくない。
【0027】焼成温度は、焼結助材を用いる場合は通常
の陶磁器の焼成条件である1200〜1400℃で良い
が、焼結助材を用いない場合は、1400〜1500℃
以上の高温で焼成しなければならない。焼結助材を用い
る場合でも、1200℃未満では焼結しなかったり、緑
の発色が不十分で、緻密感も劣る。本発明の磁器は主構
成相が高耐火性のフォルステライト鉱物であるが、焼結
助材を用いる場合は、焼結助材に由来するガラス相も含
んでいるので、1400℃を超える高温焼成では焼結と
同時に磁器が軟化や変形を生じたり、耐火材の敷粉に付
着したりする。また、このような高い焼成温度はファイ
ンセラミック製品を製造するような高温炉によらねば実
現できず、通常の陶磁器を製造する場合には実際的では
ない。
の陶磁器の焼成条件である1200〜1400℃で良い
が、焼結助材を用いない場合は、1400〜1500℃
以上の高温で焼成しなければならない。焼結助材を用い
る場合でも、1200℃未満では焼結しなかったり、緑
の発色が不十分で、緻密感も劣る。本発明の磁器は主構
成相が高耐火性のフォルステライト鉱物であるが、焼結
助材を用いる場合は、焼結助材に由来するガラス相も含
んでいるので、1400℃を超える高温焼成では焼結と
同時に磁器が軟化や変形を生じたり、耐火材の敷粉に付
着したりする。また、このような高い焼成温度はファイ
ンセラミック製品を製造するような高温炉によらねば実
現できず、通常の陶磁器を製造する場合には実際的では
ない。
【0028】こうして、主構成相がフォルステライトラ
イト結晶相で、残りが焼結助剤等に由来するガラス相
と、希にこれ等が反応して析出した微量のその他の結晶
からなり、緑黄〜黄緑色の色調が美麗で且つ緻密な質感
を持つ磁器焼結体を得ることができる。
イト結晶相で、残りが焼結助剤等に由来するガラス相
と、希にこれ等が反応して析出した微量のその他の結晶
からなり、緑黄〜黄緑色の色調が美麗で且つ緻密な質感
を持つ磁器焼結体を得ることができる。
【0029】また、請求項4に係る着色磁器焼結体の製
造方法では、主原料としての合成フォルステライト粉末
100〜65重量%と焼結助材0〜35重量%とから成
る原料粉末を1100℃以下の温度で焼成して素焼き体
を形成し、この素焼き体に酸化ニッケル若しくは焼成に
よって酸化ニッケルとなるニッケル化合物を塗布して、
大気中もしくは酸化雰囲気中1200〜1500℃の温
度で焼成する。この場合、酸化ニッケル若しくは焼成に
よって酸化ニッケルとなるニッケル化合物は、酸化ニッ
ケル若しくはニッケル化合物の水溶液を素焼き体に浸透
含浸させることによって塗布する。このように形成する
と、酸化ニッケルを局部的に塗布して発色させることが
でき、磁器焼結体の一部のみに黄緑色の加飾を施すこと
ができる。
造方法では、主原料としての合成フォルステライト粉末
100〜65重量%と焼結助材0〜35重量%とから成
る原料粉末を1100℃以下の温度で焼成して素焼き体
を形成し、この素焼き体に酸化ニッケル若しくは焼成に
よって酸化ニッケルとなるニッケル化合物を塗布して、
大気中もしくは酸化雰囲気中1200〜1500℃の温
度で焼成する。この場合、酸化ニッケル若しくは焼成に
よって酸化ニッケルとなるニッケル化合物は、酸化ニッ
ケル若しくはニッケル化合物の水溶液を素焼き体に浸透
含浸させることによって塗布する。このように形成する
と、酸化ニッケルを局部的に塗布して発色させることが
でき、磁器焼結体の一部のみに黄緑色の加飾を施すこと
ができる。
【0030】
−実施例1− 主原料に合成フォルステライト粉末(Kyorix M
SI‐B:共立窯業(株):MgO/SiO2 ;2.0
62、その他Al2 O3 ;1.78重量%、CaO;
0.87重量%、Fe2 O3 ;0.10重量%)を用
い、焼結助剤に長石(金丸長石F−1:共立窯業
(株):(重量%):SiO2 ;68.78、Al2 O
3 ;l6.84、Fe2 O3 ;0.34、TiO2 ;
0.04、CaO;0.11、MgO;0.07、K2
O;9.76、Na2 O;3.19、灼減;0.41)
を10%配合した磁器原料に、着色材として試薬の酸化
ニッケルを種々秤量して加え、鋳込み成型して、134
0〜1400℃で焼成して着色磁器を得た。
SI‐B:共立窯業(株):MgO/SiO2 ;2.0
62、その他Al2 O3 ;1.78重量%、CaO;
0.87重量%、Fe2 O3 ;0.10重量%)を用
い、焼結助剤に長石(金丸長石F−1:共立窯業
(株):(重量%):SiO2 ;68.78、Al2 O
3 ;l6.84、Fe2 O3 ;0.34、TiO2 ;
0.04、CaO;0.11、MgO;0.07、K2
O;9.76、Na2 O;3.19、灼減;0.41)
を10%配合した磁器原料に、着色材として試薬の酸化
ニッケルを種々秤量して加え、鋳込み成型して、134
0〜1400℃で焼成して着色磁器を得た。
【0031】なお、鋳込み成形は、原料(主原料+焼結
助剤)100g、純水43ml、分散剤(デイスペック
A405)2ml、バインダー(アクリルエマルジョン
系のWA320)2mlを秤量して自動乳鉢を用いて4
5分間調合してスラリー化し、このスラリーを石膏製の
鋳型に流し入れ、約3時間後に離型して板状の成形体を
2日間自然乾燥することにより行った。また、焼成は室
温から14時間かけて所定温度に昇温して0.5時間保
持し、3時間で300℃下げて電源を遮断することによ
り行った。
助剤)100g、純水43ml、分散剤(デイスペック
A405)2ml、バインダー(アクリルエマルジョン
系のWA320)2mlを秤量して自動乳鉢を用いて4
5分間調合してスラリー化し、このスラリーを石膏製の
鋳型に流し入れ、約3時間後に離型して板状の成形体を
2日間自然乾燥することにより行った。また、焼成は室
温から14時間かけて所定温度に昇温して0.5時間保
持し、3時間で300℃下げて電源を遮断することによ
り行った。
【0032】1340℃で焼成した場合、原料に着色材
として酸化ニッケルを0.3外重量%添加するとアイボ
リーの磁器素地は微かに緑がかった色となり、0.5外
重量%添加すると淡い黄緑色となる。酸化ニッケルの添
加を増すにつれて磁器の色調は僅かずつ濃くなり、添加
が15外重量%を超えると黄緑色になる。酸化ニッケル
を30外重量%添加した素地は焼結せずに多孔質体で黄
緑色である。
として酸化ニッケルを0.3外重量%添加するとアイボ
リーの磁器素地は微かに緑がかった色となり、0.5外
重量%添加すると淡い黄緑色となる。酸化ニッケルの添
加を増すにつれて磁器の色調は僅かずつ濃くなり、添加
が15外重量%を超えると黄緑色になる。酸化ニッケル
を30外重量%添加した素地は焼結せずに多孔質体で黄
緑色である。
【0033】1400℃で焼成した場合は、磁器の色調
が少し濃くなった。酸化ニッケルを0.3外重量%添加
すると磁器素地は僅かに緑を帯び、0.5外重量%添加
すると薄い黄緑色で、酸化ニッケルの添加量を増すにつ
れて色が濃くなり、添加が15外重量%を超えると黄緑
色、30外重量%添加したときにはオリーブがかった黄
緑色になる。添加が35外重量%でも焼結するが、素地
の色調に明るさが無くなり、黄緑色の素地に小さな茶色
の斑点が混在していて添加量としては明らかに過剰であ
る。
が少し濃くなった。酸化ニッケルを0.3外重量%添加
すると磁器素地は僅かに緑を帯び、0.5外重量%添加
すると薄い黄緑色で、酸化ニッケルの添加量を増すにつ
れて色が濃くなり、添加が15外重量%を超えると黄緑
色、30外重量%添加したときにはオリーブがかった黄
緑色になる。添加が35外重量%でも焼結するが、素地
の色調に明るさが無くなり、黄緑色の素地に小さな茶色
の斑点が混在していて添加量としては明らかに過剰であ
る。
【0034】−実施例2− 主原料に合成フォルステライト粉末(Kyorix M
SI‐B)を用い、焼結助剤としてコレマナイト(灰硼
石:コレマナイトカルボロン200B:共立窯業
(株):組成(重量%):B2 O3 ;36.27、Si
O2 ;6.37、A12 O3 ;0.18、Fe2 O3 ;
0.08、CaO2 ;26.01、MgO;2.57、
Na2 O;0.31、K2 O;0.31、SrO;1.
45、As2 O3 ;<0.01)を6重量%配合した磁
器原料に、着色材として酸化ニッケルを加えて実施例1
に準じた鋳込み成型をし、1260℃で焼成して着色磁
器焼結体を得た。
SI‐B)を用い、焼結助剤としてコレマナイト(灰硼
石:コレマナイトカルボロン200B:共立窯業
(株):組成(重量%):B2 O3 ;36.27、Si
O2 ;6.37、A12 O3 ;0.18、Fe2 O3 ;
0.08、CaO2 ;26.01、MgO;2.57、
Na2 O;0.31、K2 O;0.31、SrO;1.
45、As2 O3 ;<0.01)を6重量%配合した磁
器原料に、着色材として酸化ニッケルを加えて実施例1
に準じた鋳込み成型をし、1260℃で焼成して着色磁
器焼結体を得た。
【0035】1260℃で焼成した磁器は、着色材を添
加しない時は黄色がかったクリーム色の磁器で素地にコ
レマナイト由来のガラス相を含むが、着色材として酸化
ニッケルを0.5外重量%添加すると僅かに緑味を帯び
た黄色となり、l外重量%添加すると薄い黄緑となる。
酸化ニッケルの添加を増すにつれて色調は濃くなり、酸
化ニッケルを30外重量%添加したものはオリーブがか
った黄緑色、35外重量%添加したものでは地味な茶味
がかった薄緑色となり添加量として過剰である。
加しない時は黄色がかったクリーム色の磁器で素地にコ
レマナイト由来のガラス相を含むが、着色材として酸化
ニッケルを0.5外重量%添加すると僅かに緑味を帯び
た黄色となり、l外重量%添加すると薄い黄緑となる。
酸化ニッケルの添加を増すにつれて色調は濃くなり、酸
化ニッケルを30外重量%添加したものはオリーブがか
った黄緑色、35外重量%添加したものでは地味な茶味
がかった薄緑色となり添加量として過剰である。
【0036】−実施例3− 主原料に合成フォルステライト粉末(Kyorix M
SI‐B)を用い、焼結助剤は加えずに、着色材として
酸化ニッケルを量を変えながら加え、実施例1に準じた
鋳込み成型と焼成によって磁器を得た。
SI‐B)を用い、焼結助剤は加えずに、着色材として
酸化ニッケルを量を変えながら加え、実施例1に準じた
鋳込み成型と焼成によって磁器を得た。
【0037】Kyorix MSI一Bは耐火度が高
く、焼結助剤を用いない場合は1400℃を超えないと
焼結しないので、焼成は高温電気炉を用いて1460℃
で行なった。
く、焼結助剤を用いない場合は1400℃を超えないと
焼結しないので、焼成は高温電気炉を用いて1460℃
で行なった。
【0038】1460℃で焼成した場合、着色材を添加
しない原料を用いると薄めのアイボリー磁器であるが、
着色材として酸化ニッケルを0.3外重量%添加すると
磁器素地は微かに緑味を帯び、酸化ニッケルの添加量が
増すにつれ黄緑色が濃くなる。ここで用いた組成では焼
結助剤を含まないので、磁器中のガラス相が少なく、し
たがって磁器の色調にガラス相の色が影響することは少
ない。
しない原料を用いると薄めのアイボリー磁器であるが、
着色材として酸化ニッケルを0.3外重量%添加すると
磁器素地は微かに緑味を帯び、酸化ニッケルの添加量が
増すにつれ黄緑色が濃くなる。ここで用いた組成では焼
結助剤を含まないので、磁器中のガラス相が少なく、し
たがって磁器の色調にガラス相の色が影響することは少
ない。
【0039】原料に酸化ニッケルを0.5外重量%添加
すると、磁器は薄い緑黄を呈し、2外重量%添加すると
薄い黄緑を呈する。添加量が9外重量%を超えたあたり
から色調の変化は緩慢になる。30外重量%添加すると
僅かにオリーブ色がかり、35外重量%の添加では14
60℃焼成では焼結しなくなった。
すると、磁器は薄い緑黄を呈し、2外重量%添加すると
薄い黄緑を呈する。添加量が9外重量%を超えたあたり
から色調の変化は緩慢になる。30外重量%添加すると
僅かにオリーブ色がかり、35外重量%の添加では14
60℃焼成では焼結しなくなった。
【0040】酸化ニッケルを35外重量%加えて146
0℃で焼成した薄茶を帯びた淡緑色の多孔体の結晶構造
をX線回折で調べたところ、Mg2 SiO4 (フォルス
テライト)と少量のNiO(酸化ニッケル)が検出され
た。酸化ニッケルを30外重量%加えて僅かにオリ一ブ
がかった黄緑の焼結体の結晶構造をX線回折で調べたと
ころ、Mg2 SiO4 と微量のNiOが検出された。酸
化ニッケルを25外重量%加えた黄緑の焼結体の結晶構
造をX線回折で調べたところMg2 SiO4 のみが検出
された。この磁器が酸化ニッケルを添加すると緑色に発
色するのは、磁器の主構成相であるフォルステライト結
晶が酸化ニッケルを固溶して緑色を呈するからだと推察
できる。
0℃で焼成した薄茶を帯びた淡緑色の多孔体の結晶構造
をX線回折で調べたところ、Mg2 SiO4 (フォルス
テライト)と少量のNiO(酸化ニッケル)が検出され
た。酸化ニッケルを30外重量%加えて僅かにオリ一ブ
がかった黄緑の焼結体の結晶構造をX線回折で調べたと
ころ、Mg2 SiO4 と微量のNiOが検出された。酸
化ニッケルを25外重量%加えた黄緑の焼結体の結晶構
造をX線回折で調べたところMg2 SiO4 のみが検出
された。この磁器が酸化ニッケルを添加すると緑色に発
色するのは、磁器の主構成相であるフォルステライト結
晶が酸化ニッケルを固溶して緑色を呈するからだと推察
できる。
【0041】−実施例4− 組成がほぼ2MgO・SiO2 となるように、試薬のマ
グネシア(MgO)55部と高純度微粉珪石45部(微
粉珪石SP−3:共立窯業(株):組成(重量%):S
iO2 ;99.75、Fe2 O3 ;0.01、A12 O
3 ;0.01、灼減;0.08)を混合して主原料に用
いた。これに焼結助剤として長石(金丸長石F−1:共
立窯業(株))を8重量%+炭酸バリウム4重量%+炭
酸カルシウム8重量%を添加した磁器原料に、着色剤と
して酸化ニッケルを4.l外重量%添加して自動乳鉢で
粉砕混合してスラリー化して鋳込み成型をした。乾燥後
電気炉を用いて焼成し磁器を得た。
グネシア(MgO)55部と高純度微粉珪石45部(微
粉珪石SP−3:共立窯業(株):組成(重量%):S
iO2 ;99.75、Fe2 O3 ;0.01、A12 O
3 ;0.01、灼減;0.08)を混合して主原料に用
いた。これに焼結助剤として長石(金丸長石F−1:共
立窯業(株))を8重量%+炭酸バリウム4重量%+炭
酸カルシウム8重量%を添加した磁器原料に、着色剤と
して酸化ニッケルを4.l外重量%添加して自動乳鉢で
粉砕混合してスラリー化して鋳込み成型をした。乾燥後
電気炉を用いて焼成し磁器を得た。
【0042】成型体をl260℃で焼成して焼結させた
素地は黄緑色を示した。この破片をX線回折したとこ
ろ、主構成相としてMg2 SiO4 結晶と微量の同定で
きない結晶相が検出された。
素地は黄緑色を示した。この破片をX線回折したとこ
ろ、主構成相としてMg2 SiO4 結晶と微量の同定で
きない結晶相が検出された。
【0043】焼成温度を1400℃に上げた場合、濃黄
緑色の磁器となった。この破片をX線解析したところ、
結晶としてはMg2 SiO4 のみが検出された。
緑色の磁器となった。この破片をX線解析したところ、
結晶としてはMg2 SiO4 のみが検出された。
【0044】−実施例5− 滑石(タルク:組成(重量%):SiO2 ;61.6、
A12 O3 ;1.6、Fe2 O3 ;0.9、CaO;
0.8、MgO3 ;30.l、灼減;4.9)と、試薬
の炭酸マグネシウムを用いて実験をした。
A12 O3 ;1.6、Fe2 O3 ;0.9、CaO;
0.8、MgO3 ;30.l、灼減;4.9)と、試薬
の炭酸マグネシウムを用いて実験をした。
【0045】組成がほぼ2MgO・SiO2 となるよう
に、炭酸マグネシウム(MgCO3)粉末61部に滑石
(タルク:3MgO・SiO2 ・H2 O)粉末39部を
混合して主原料に用いた。この原料は嵩のある炭酸マグ
ネシウムを多く含むのでこのままでは鋳込み成型が困難
であり、一旦仮焼をしてから用いた。
に、炭酸マグネシウム(MgCO3)粉末61部に滑石
(タルク:3MgO・SiO2 ・H2 O)粉末39部を
混合して主原料に用いた。この原料は嵩のある炭酸マグ
ネシウムを多く含むのでこのままでは鋳込み成型が困難
であり、一旦仮焼をしてから用いた。
【0046】先ず、この混合物を耐熱磁器るつぼに取
り、電気炉でl150℃焼成して完全に酸化物にした
(重量は65%に減少した)。これを80部と焼結助剤
として長石2部十灰硼石8部+炭酸バリウム10部を配
合して自動乳鉢で良く粉砕し、これに着色剤として酸化
ニッケルを10外重量%添加して混合してスラリー化
し、鋳込み成型をした。成型体は乾燥後電気炉を用いて
1220℃で焼成し磁器を得た。
り、電気炉でl150℃焼成して完全に酸化物にした
(重量は65%に減少した)。これを80部と焼結助剤
として長石2部十灰硼石8部+炭酸バリウム10部を配
合して自動乳鉢で良く粉砕し、これに着色剤として酸化
ニッケルを10外重量%添加して混合してスラリー化
し、鋳込み成型をした。成型体は乾燥後電気炉を用いて
1220℃で焼成し磁器を得た。
【0047】1220℃で焼成して焼結した素地は黄緑
色であった。焼成温度を上げると磁器の色調は僅かに濃
くなる。この組成はガラス相を多く含むので1360℃
焼成で敷き粉が付着していたが、しっとりと濡れた感じ
の黄緑色磁器になった。
色であった。焼成温度を上げると磁器の色調は僅かに濃
くなる。この組成はガラス相を多く含むので1360℃
焼成で敷き粉が付着していたが、しっとりと濡れた感じ
の黄緑色磁器になった。
【0048】この破片をX線回析したところ結晶として
はMg2SiO4のみが検出されたが、2θ=10°〜
40°にかけてバックグラウンドの盛り上がりが顕著
で、焼結助剤由来のガラスが多いことを伺わせた。
はMg2SiO4のみが検出されたが、2θ=10°〜
40°にかけてバックグラウンドの盛り上がりが顕著
で、焼結助剤由来のガラスが多いことを伺わせた。
【0049】−実施例6− 主原料に合成フォルステライト(Kyorix MSI
一B)を用い、焼結助剤として金丸長石を8重量%+炭
酸バリウム4重量%+炭酸カルシウム8重量%を配合し
た磁器原料を成型して素焼きし、着色剤として硝酸ニッ
ケル50%水溶液を含浸させ、乾燥後に仮焼して着色剤
を酸化させてから再度秤量して素焼き素地に含まれた酸
化ニッケルの量を調べたところ、4.l外重量%に相当
した。
一B)を用い、焼結助剤として金丸長石を8重量%+炭
酸バリウム4重量%+炭酸カルシウム8重量%を配合し
た磁器原料を成型して素焼きし、着色剤として硝酸ニッ
ケル50%水溶液を含浸させ、乾燥後に仮焼して着色剤
を酸化させてから再度秤量して素焼き素地に含まれた酸
化ニッケルの量を調べたところ、4.l外重量%に相当
した。
【0050】これを1260℃で本焼成して焼結させ、
黄緑色を示す磁器を得た。この磁器はさらに焼成温度を
上げると色調が濃くなり、1400℃焼成では軽度の敷
き粉の付着が見られたが、しっとりと濡れた感じの濃黄
緑色の素地となった。
黄緑色を示す磁器を得た。この磁器はさらに焼成温度を
上げると色調が濃くなり、1400℃焼成では軽度の敷
き粉の付着が見られたが、しっとりと濡れた感じの濃黄
緑色の素地となった。
【0051】−実施例7− 主原料に合成フォルステライト(Kyorix MSI
‐B)を用い、焼結助剤として金丸長石を8重量%+炭
酸バリウム4重量%+炭酸カルシウム8重量%を配合
し、着色剤として酸化ニッケルを4.l外重量%添加し
て、鋳込み成型後に電気炉を用いて1260℃で焼成し
て黄緑色に着色した磁器を得た。色調は実施例6に近似
している。
‐B)を用い、焼結助剤として金丸長石を8重量%+炭
酸バリウム4重量%+炭酸カルシウム8重量%を配合
し、着色剤として酸化ニッケルを4.l外重量%添加し
て、鋳込み成型後に電気炉を用いて1260℃で焼成し
て黄緑色に着色した磁器を得た。色調は実施例6に近似
している。
【0052】この磁器も前実験と同様に焼成温度を上げ
ると色調が濃くなり、1400℃焼成では軽度の敷き粉
付着を生じ、濡れた感じの濃黄緑色の素地となった。
ると色調が濃くなり、1400℃焼成では軽度の敷き粉
付着を生じ、濡れた感じの濃黄緑色の素地となった。
【0053】−実施例8− 主原料に合成フォルステライト(Kyorix MSI
‐B)を用い、焼結助剤に金丸長石を8重量%+炭酸バ
リウム4重量%+炭酸カルシウム8重量%を配合し、着
色剤として(酸化ニッケル換算で4.1外重量%に相当
する)炭酸ニッケル(NiCO3 ・2Ni(OH)2 ・
4H2 O)を20.7外重量%添加して、鋳込み成型後
に電気炉を用いて1260℃で焼成して黄緑色に着色し
た磁器を得た。色調は実施例6ならびに実施例7の着色
磁器焼結体に近似している。
‐B)を用い、焼結助剤に金丸長石を8重量%+炭酸バ
リウム4重量%+炭酸カルシウム8重量%を配合し、着
色剤として(酸化ニッケル換算で4.1外重量%に相当
する)炭酸ニッケル(NiCO3 ・2Ni(OH)2 ・
4H2 O)を20.7外重量%添加して、鋳込み成型後
に電気炉を用いて1260℃で焼成して黄緑色に着色し
た磁器を得た。色調は実施例6ならびに実施例7の着色
磁器焼結体に近似している。
【0054】この磁器も上記実施例と同様に焼成温度を
上げると色調が濃くなり、1400℃の焼成では軽度の
敷き粉付着を生じ、濡れた感じの濃黄緑色の素地となっ
た。
上げると色調が濃くなり、1400℃の焼成では軽度の
敷き粉付着を生じ、濡れた感じの濃黄緑色の素地となっ
た。
【0055】この実施例6〜実施例8を比較して、フォ
ルステライト磁器原料にニッケル化合物を酸化ニッケル
に換算して同量になるように添加して、同じ温度で焼成
して得た磁器素地は近似した色調を呈することが分かっ
た。
ルステライト磁器原料にニッケル化合物を酸化ニッケル
に換算して同量になるように添加して、同じ温度で焼成
して得た磁器素地は近似した色調を呈することが分かっ
た。
【0056】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係わる着色磁
器焼結体は、発色材としての酸化ニッケル若しくは焼成
によって酸化ニッケルとなるニッケル化合物を酸化ニッ
ケルに換算して0.5〜30外重量%相当量添加するこ
とから、磁器本来の固くて緻密で美しい質感を損なうこ
となく、素地自体に明るい緑系の色調を持った磁器焼結
体を通常の陶磁器生産で用いる装置や炉によって実現す
ることができる。また、この着色磁器焼結体では、磁器
の主原料としてあらかじめ合成されたフォルステライト
原料に代えて、焼成によってフォルステライトライト鉱
物となる混合物を用いることにより、製作に要する費用
の削減を図ることができる。さらに、磁器を発色させる
発色材については高価な酸化ニッケルに代えて、広く焼
成によって酸化ニッケルとなる化合物の中から比較的安
価な物を選んで用いることができるので製造費用の削減
を図ることができる。
器焼結体は、発色材としての酸化ニッケル若しくは焼成
によって酸化ニッケルとなるニッケル化合物を酸化ニッ
ケルに換算して0.5〜30外重量%相当量添加するこ
とから、磁器本来の固くて緻密で美しい質感を損なうこ
となく、素地自体に明るい緑系の色調を持った磁器焼結
体を通常の陶磁器生産で用いる装置や炉によって実現す
ることができる。また、この着色磁器焼結体では、磁器
の主原料としてあらかじめ合成されたフォルステライト
原料に代えて、焼成によってフォルステライトライト鉱
物となる混合物を用いることにより、製作に要する費用
の削減を図ることができる。さらに、磁器を発色させる
発色材については高価な酸化ニッケルに代えて、広く焼
成によって酸化ニッケルとなる化合物の中から比較的安
価な物を選んで用いることができるので製造費用の削減
を図ることができる。
【0057】また、請求項3に係る着色磁器焼結体の製
造方法では、主原料としての合成フォルステライト粉末
100〜65重量%と焼結助材0〜35重量%とから成
る原料粉末に、発色材としての酸化ニッケル若しくは焼
成によって酸化ニッケルとなるニッケル化合物を0.5
〜30外重量%添加して大気中もしくは酸化雰囲気中1
200〜1500℃の温度で焼成することから、緑黄〜
黄緑色を呈するフォルステライト焼結体となり、工芸部
材、装飾部材、食器、インテリア用品、照明具、或いは
表示装置用部材などに好適に用いることができる着色磁
器焼結体となる。
造方法では、主原料としての合成フォルステライト粉末
100〜65重量%と焼結助材0〜35重量%とから成
る原料粉末に、発色材としての酸化ニッケル若しくは焼
成によって酸化ニッケルとなるニッケル化合物を0.5
〜30外重量%添加して大気中もしくは酸化雰囲気中1
200〜1500℃の温度で焼成することから、緑黄〜
黄緑色を呈するフォルステライト焼結体となり、工芸部
材、装飾部材、食器、インテリア用品、照明具、或いは
表示装置用部材などに好適に用いることができる着色磁
器焼結体となる。
【0058】さらに、請求項4に係る着色磁器焼結体の
製造方法では、主原料としての合成フォルステライト粉
末100〜65重量%と焼結助材0〜35重量%とから
成る原料粉末を1100℃以下の温度で焼成して素焼き
体を形成し、この素焼き体に酸化ニッケル若しくは焼成
によって酸化ニッケルとなるニッケル化合物の水溶液を
塗布もしくは浸透させて、大気中もしくは酸化雰囲気中
1200〜1500℃の温度で焼成することから、フォ
ルテライト磁器を局部的に加飾して緑黄〜黄緑に発色さ
せることができ、工芸、装飾用部材、食器、インテリア
用品、照明具、或いは表示装置部材として好適に用いる
ことができる。
製造方法では、主原料としての合成フォルステライト粉
末100〜65重量%と焼結助材0〜35重量%とから
成る原料粉末を1100℃以下の温度で焼成して素焼き
体を形成し、この素焼き体に酸化ニッケル若しくは焼成
によって酸化ニッケルとなるニッケル化合物の水溶液を
塗布もしくは浸透させて、大気中もしくは酸化雰囲気中
1200〜1500℃の温度で焼成することから、フォ
ルテライト磁器を局部的に加飾して緑黄〜黄緑に発色さ
せることができ、工芸、装飾用部材、食器、インテリア
用品、照明具、或いは表示装置部材として好適に用いる
ことができる。
フロントページの続き (72)発明者 永田 憲一 鹿児島県国分市山下町1番1号 京セラ株 式会社鹿児島国分工場内
Claims (4)
- 【請求項1】 主原料としての合成フォルステライト粉
末100〜65重量%と焼結助材0〜35重量%とから
成る原料粉末に、発色材としての酸化ニッケル若しくは
焼成によって酸化ニッケルとなるニッケル化合物を酸化
ニッケルに換算して0.5〜30外重量%相当量添加し
て焼成した、主構成相がフォルステライト結晶相(2M
gO・SiO2 )から成り、残部が焼結助材由来のガラ
スから成る着色磁器焼結体。 - 【請求項2】 前記原料粉末が主原料としての合成フォ
ルステライト粉末95〜65重量%と焼結助材5〜35
重量%とから成ることを特徴とする請求項1に記載の着
色磁器焼結体。 - 【請求項3】 主原料としての合成フォルステライト粉
末100〜65重量%と焼結助材0〜35重量%とから
成る原料粉末に、発色材としての酸化ニッケル若しくは
焼成によって酸化ニッケルとなるニッケル化合物を0.
5〜30外重量%添加して大気中もしくは酸化雰囲気中
1200〜1500℃の温度で焼成する着色磁器焼結体
の製造方法。 - 【請求項4】 主原料としての合成フォルステライト粉
末100〜65重量%と焼結助材0〜35重量%とから
成る原料粉末を1100℃以下の温度で焼成して素焼き
体を形成し、この素焼き体に酸化ニッケル若しくは焼成
によって酸化ニッケルとなるニッケル化合物の水溶液を
塗布あるいは浸透させて、大気中もしくは酸化雰囲気中
1200〜1500℃の温度で焼成する着色磁器焼結体
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20476197A JPH1149557A (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 着色磁器焼結体とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20476197A JPH1149557A (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 着色磁器焼結体とその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1149557A true JPH1149557A (ja) | 1999-02-23 |
Family
ID=16495917
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20476197A Pending JPH1149557A (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 着色磁器焼結体とその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1149557A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002282348A (ja) * | 2001-03-28 | 2002-10-02 | Katsuhiko Yagi | 臭気・有害ガス除去装置 |
-
1997
- 1997-07-30 JP JP20476197A patent/JPH1149557A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002282348A (ja) * | 2001-03-28 | 2002-10-02 | Katsuhiko Yagi | 臭気・有害ガス除去装置 |
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