【発明の詳細な説明】
新規c−MPLリガンド
本出願は、1995年2月4日付けで出願され本明細書文献として援用した、米国特
許出願番号第 08/383,035 号の一部継続出願である。
発明の技術分野
本発明は、造血の分化及び膨張活性を有するヒトc−mplリガンド(トロン
ボポイエチン)に関する。
発明の背景
巨核球(MK)の成熟及び血小板の生成は、赤血球(エリトロポイエチン)及
び顆粒球(G−CSF)の膨張及び成熟を誘発するシトキン(cytokine)のように
、系列特異性を有する液性成長因子により調節されていると昔から考えられてき
た。血小板は、静脈の傷による出血を予防することができる。従って、血小板の
生成は、造血調整作用にとって非常に重要な役割をもっている。化学療法又は骨
髄移植を受けている患者は、通常、血小板濃度の著しい減少(血小板減少症)を
経験しており、これによって出血による生命の危険に曝される恐れもある。既知
成長因子のあるもの及びシトキン類が巨核球及び血小板生成を刺激することが見
いだされているが、その多くは、生体外でも生体内でも多面的に作用する(IL
−3、IL−6、IL−11、SCF)。血小板減少症に罹ったイヌ及びヒトから
採取した血漿、血清、及び尿は、全ての既知シトキン類とは異なる固有の巨核球
生産及び血小板新生活性を有する成長因子を含んでいることが認められた。これ
らの因子は、Meg−CSF、MK−CSF、巨核球成長及び発生因子(MGD
F)、メガカリオポイエチン、及びトロンボポイエチンと命名された。しかし、
その分子構造は、最近まで確認されるに至っていない。
血小板新生シトキン、c−mplリガンドの特定は、骨髄増殖性白血病ウ
ィルスの同定から始まった(MPLV,Wending ら,VIROLOGY 149: 2
42-246[1986])。このウィルスに感染したマウスは、多血統骨髄増殖を起こす。
その後の研究(Souyri ら,Cell 63: 1137-1147,[1990])により、このレト
ロウィルスがウィルスエンベロープ遺伝子と融合したときに、造血成長因子レセ
プター科の細胞質ドメインに似た、膜固定たんぱく質を生成するオンコジーン(
v−mpl)をコード化することが明らかになった。V−mplは、ヒト及びネ
ズミRNAの相同性遺伝子ライブラリーの探索に使用された。ヒト及びネズミで
クローンを特定し、c−mplと命名した(Vigon ら,PNAS 89: 5640-564
4[1992],Vigonら,Oncogene 8: 2607-2615[1993])。c-mplは、mIL−
5rc、IL3rc、IL4rc、mEPOrc及びmGCSFrcと相同部を
有するシトキン・レセプター上科のメンバーである。c−mpl細胞内ドメイン
及びhIL−4rc細胞内ドメインのキメラを、成長因子依存セルライン(Ba
F3)にトランスフェクトした。一度トランスフェクトすると、これらの細胞は
hIL4に反応して増殖した。このことは、c−mpl細胞質ドメインが、増殖
シグナルを形質導入するに充分な量存在することを示している(Skoda ら,E
MBO J.12(7): 2645-2653[1993])。
多能性セルラインTF−1、Mo−7E、UT−7及びKU812、及び赤血
球/巨核球セルラインHEL、DAMI及びK153を含む、逆トランスクリプ
ターゼ・ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)により、多くの造血セルライン
にc−mplのメッセージが見いだされた。転写体は、骨髄、胎児の肝臓、巨核
球、血小板及びCD34+濃縮細胞の中でも存在が確認された(Methia ら,B
lood82(5): 1395-1401[1993])。
推定レセプターの存在が実際に確認されたことにより、いくつかの研究チーム
が、天然に存在するc−mplリガンドの探索を開始した。1994年6月、いくつ
かの報告が同時に出され、c−mplに結合し、巨核球生産性を有するリガンド
に関して報告された(de Sauvage ら,Nature 369: 533-539[1994]; Lok ら
,Nature 369:565-568[1994]; Wendling ら,Nature 369: 571-574[1994];
及び Bartley ら,
Cell 77: 1117-1124[1994])。c−mplリガンド、巨核球成長及び発生因
子(MGDF)又はトロンボポイエチン(TPO)と呼ばれるこのリガンドは、
推定分子質量 35,000 kDa のペプチドである。このたんぱく質は、エリトロポ
イエチン(153 個のアミノ酸からなる)と相同性を有するアミノ末端基ドメイン
、並びにセリン、トレオニン及びプロリン残基に多数のカルボキシ末端基を含む
2重ドメイン構造を有し、いくつかのグリコシル化された部位も含んでいる。ア
ルギニン開裂を行い得る部位も2か所あり、これにより、25 kDa及び 31kDa型
の2つの短いペプチドが生成し、これらの短いペプチドは生物活性を有している
。ヒト、ネズミ、ブタ、イヌ、ラット及びウサギのc−mplリガンドの間には
高い種間相同性が存在し、殆ど全ての形が、試験を行った全ての種に対して活性
を示した。
c−mplリガンドは、CD34+細胞を刺激して、巨核球の特性を有する細
胞に分化させることが分かっている。CD34+細胞は、c−mplリガンドの
存在下に核内分裂を起こし(Kaushansky ら,Nature 369: 568-571[1994])、
巨核球系列に固有の細胞表面抗原CD41aの特徴を示した。形態特性も巨核球
と同じであった。c−mplリガンドを生体内投与することにより、正常なマウ
スの循環血小板の濃度増加が起こった(Lok ら,Nature 369: 565-568[1994]
)。遺伝子ターゲティングにより生まれたc−mpl欠乏マウスは、循環血小板
及び巨核球濃度が85%の減少を示していたが、その他造血系列濃度は正常であっ
た(Gurney ら,Science 265: 1445-1447[1994])。これらの動物には、絶対
血小板減少症は観察されず、このことは、MK系列の膨張において、他のシトキ
ン類が何がしかの活性を有していることを示している。
これまでの研究結果は、c−mplリガンドが、巨核球の成熟及び血小板の生
産に対して固有活性を有するシトキンであることを示している。IL−3、IL
−6、IL−11及びc−kitリガンドを含む他のシトキン類は、巨核球の膨張
及び分化に対して活性を有することが分かっている。最近の研究結果から、これ
らのシトキン類(IL−3を除く)は、c−mplリガンドの生産を刺激するこ
とによって効果を発揮するが、それ自体は巨核球刺激活性を持たないことが示さ
れている(Kaushansky ら,PNAS 92:3234-3236[1995])。
GB2,285,446 は、巨核球及び血小板減少症の治療に使用される先祖巨核球の
複製、分化及び成熟に影響を与える、c−mplリガンド(トロンボポエチン)
及び種々の形のトロンボポエチンに関する。
c−mplリガンドに、巨核球の増殖及び成熟、並びに血小板の生産を刺激す
る能力があることから、病気、もしくは放射線又は化学療法或いはその両者を併
用して治療を行ったために血小板数が減少したような場合、循環血小板濃度を通
常水準まで回復させるために、c−mplリガンドを使って治療できることが分
かる。
EP675,201 A1は、c−mplリガンド(巨核球の成長及び発生因子[MG
DF])、c−mplリガンドの対立遺伝子の変種、及びポリエチレングリコー
ルのような水溶性ポリマーに付加したc−mplリガンドに関する。
WO95/21920は、ネズミ及びヒトのc−mplリガンド及びそのポリペプチド
・フラグメントを提供する。これらのたんぱく質は、血小板生産を刺激するため
に、生体内及び生体外治療に使用できる。
前に公報に掲載されたことのある要約書(Eaton ら,Blood 84(10)補足要
約書948,[1994])には、c−mplリガンドの代替スプライス形として、ヒト、
イヌ及びマウスで特定されたc−DNAについて報告されている。このコード化
たんぱく質は、aa112−115の位置で4個のアミノ基が欠失している。こ
の分子は、彼らが行ったバイオアッセイでは活性を示さなかったが、この変異体
のmRNAは、3つの種全てで豊富に存在することが分かった。このことから、
c−DNAは天然に存在するc−mplリガンドの代替形であると考えられる。
我々は、前の報告に反して、1−153 Δ112−115 c−mplリガン
ド
及び1−332 Δ112−115 c−mplリガンドが生物活性を有するこ
とを見いだした。
発明の要約
本発明は、下記の式で示される新規のc−mplリガンドに関する。
ここに、
位置37のXaaはThr、Asp又はGluである。
位置46のXaaは、Phe、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tr
p又はMetである。
位置47のXaaは、Ser、Asp又はGluである。
位置112のXaaは、欠失又はLeu、Ala、Val、Ile、Pro、
Phe、Trp、又はMetである。
位置113のXaaは、欠失又はPro、Phe、Ala、Val、Leu、I
le、Trp、又はMetである。
位置114のXaaは、欠失又はPro、Phe、Ala、Val、Leu、I
le、Trp、又はMetである。
位置115のXaaは、欠失又はGln、Gly、Ser、Thr、Tyr、又
はAsnである。
位置122のXaaはLys、Arg、His、Glu、又はAspである。
位置200のXaaはTrp、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Ph
e、Met、Arg及びLys、又はHisである。
また、1から179のアミノ酸をC末端基から除くことが可能であり、少なくと
もXaaで示されるアミノ酸の一つは、天然に存在するc−mplリガンド(1
−332)の対応アミノ酸と異なっている。
本発明は、また、下記の式を有するc−mplフラグメントを指向している。
ここに、
位置37のXaaは、Thr、Asp又はGluである。
位置46のXaaは、Phe、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tr
p、又はMetである。
位置47のXaaは、Ser、Asp又はGluである。
位置112のXaaは、欠失又はLeu、Ala、Val、Ile、Pro、P
he、Trp、又はMetである。
位置113のXaaは、欠失又はPro、Phe、Ala、Val、Leu、I
le、Trp、又はMetである。
位置114のXaaは、欠失又はPro、Phe、Ala、Val、Leu、I
le、Trp、又はMetである。
位置115のXaaは、欠失又はGln、Gly、Ser、Thr、Tyr、又
はAsnである。
位置122のXaaは、Lys、Arg、His、Glu、又はAspであり、
また、少なくともXaaで示したアミノ酸の一つは、天然のc−mplリガンド
(1−332)の対応アミノ酸とは異なっている。これらのc−mplリガンド
変異体は、増殖活性が増しているとか、副作用が減少しているとか、の生理的性
質が改良されているとか、或いは半減期、安定性、再生効率が改善されてい
るとか言った、物理学的プロフィールの改善が認められる。
本発明によるc−mplリガンドを生体内で使用することに加え、患者に注入
する前に、骨髄及び血球を刺激して活性化したり成長させたりするように、生体
外でこれを使用することも考えられる。
本発明は、シトキン(サイトカイン)、リンフォカイン、インターロイキン、造
血成長因子(ここでは一括して「コロニー刺激因子」と呼ぶ)を含む1つ又は2
つ以上のコロニー刺激因子(CSF)に結びついた、組み換えヒトc−mplリ
ガンドの突然変異たんぱく質からなるキメラたんぱく質も包含する。これらの因
子には、GM−CSF、CSF−1、G−CSF、M−CSF、エリトロポイエ
チン(EPO)、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−
6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13
、IL−15、IL−16、LIF、flt3/flk2、ヒト成長ホルモン、B−
細胞成長因子、B−細胞分化因子、好酸球分化因子、及びスチール因子又はc−
kitリガンド又はIL−3変異体としても知られ、リンカーを有し又はこれを
有しない幹細胞因子(SCF)も含まれる。これらのヒトc−mplリガンド突
然変異たんぱく質には、アミノ酸の置換、欠失、挿入の全て又は一部が含まれる
こともあり、N−及びC−末端基のいずれか又はその両方において、アミノ酸欠
失がある場合もある。
本発明には、共有結合ポリペプチドから形成される混合機能コロニー刺激因子
(キメラたんぱく質)も含まれ、これらの因子は、それぞれ異なる固有細胞レセ
プターによって、補助生物活動を開始することができる。これらのキメラは、キ
メラ分子を形成している両方のペプチドが通常示す活性を示し、さらに、ヒトc
−mplリガンド又は第2コロニー刺激因子のそれぞれの機能を合計した生物学
的又は生理学的活性より大きな活性を有するのがその特徴である。このキメラ分
子は、驚くべきことに、ヒトc−mplリガンド又は第2コロニー刺激因子の存
在から予想される活性より高い活性を示し、或いは期待される活性と異なる活性
を示す。このキメラ分子は、天然ヒトc−mplリガンド又は天然シトキンに関
連する好ましからざる生物活性が減少するなど、活性プロフィールの改善も認め
られる。
本発明によるキメラ分子を生体内で使用することに加え、患者に注射する前に
骨髄及び血球細胞を、刺激して活性化・成長させる能力を生体外で利用すること
も考えられる。
本発明は、シトキン、リンフォカイン、インターロイキン、造血成長因子(こ
こでは、一括して「コロニー刺激因子」と呼ぶ)など、1種又は2種以上の付加
コロニー刺激因子(CSF)と共同投与する、組み換えヒトc−mplリガンド
変異体又は突然変異たんぱく質(muteins)も包含する。これらの因子には、G
M−CSF、CSF−1、G−CSF、M−CSF、エリトロポイエチン(EP
O)、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−
7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−15
、IL−16、LIF、flt3/flk2、ヒト成長ホルモン、B−細胞成長因
子、B−細胞分化因子、好酸球分化因子、及びスチール因子又はc−kitリガ
ンドとしても知られる幹細胞因子(SCF)も含まれる。本発明は、共同投与さ
れるコロニー刺激因子も包含すし、これらの各刺激因子は、それぞれ異なる特定
の細胞レセプターによって補助的な生物学的活動を開始させる働きもある。c−
mplリガンド及び他のコロニー刺激因子の共同投与には、両方のペプチドの通
常活性を有し、且つヒトc−mplリガンド又は第2コロニー刺激因子の単独使
用における効果の合計より大きな、生物学的又は生理学的活性を有することに特
徴がある。驚くべきことに、同時投与により、活性効果が期待以上に高められ、
或いはヒトc−mplリガンド又は第2コロニー刺激因子又はヒトc−mplリ
ガンド変異体の存在から期待される効果とは、異なる効果が得られる場合もある
。共同投与により、天然ヒトc−mplリガンド又は天然シトキンに起因する好
ましくない生物活性が減少するなど、活性プロフィールも改善される。
本発明における生体への共同投与法に加え、骨髄及び血球細胞の活性化及び成
長の刺激能力を、患者に注入する前に体外で利用することも考えられる。
本発明におけるc−mplリガンドだけを使用し、他のコロニー刺激因子と共
同投与し、又はキメラ分子の構成成分として使用する方法は、血液銀行にも応用
できるものと考えられる。このc−mplリガンドを予めドナーに与えて血小板
計数値を高めておけば、血小板移入コストを節減できる。
好ましくは、本発明におけるc−mplリガンドの突然変異たんぱく質は、S
CF、c−kitリガンド、flt3/flk2、G−CSF、IL−3又はI
L−3変異体とのキメラたんぱく質と 共投与するか、或いはこれらキメラたん
ぱく質に組み込んで使用するとよい。
さらに好ましくは、本発明のc−mplリガンドの突然変異たんぱく質は、G
−CSF、又はIL−3変異体とのキメラたんぱく質と共投与し、或いはこれら
をキメラたんぱく質に組み込んで使用するとよい。
発明の詳細な説明
本発明におけるc−mplリガンド変異体は、造血系巨核球細胞濃度が減少す
る病気の治療に使用できる。
c−mplリガンド変異体、即ち突然変異たんぱく質は、血小板減少症の治療
又は予防に使用できる。現在、血小板減少症に対する唯一の治療法は、血小板の
移入である。しかし、この方法は高価であり、また、これにより病気(HIV、
HBV)に感染したり、同種異系免疫を起こす重大な危険性を秘めている。c−
mplリガンド変異体又は突然変異たんぱく質を使用することにより、血小板移
入の必要性を減らすことができる。ファンコーニ貧血、ウィスコット・アルドリ
ッヒ症候群、又はメイ・ヘグリン症候群のような遺伝子欠失によって、ひどい血
小板減少症が起こる。免疫性血小板減少紫斑、全身深在性エリテマトーデス、遺
伝性の溶血性貧血、又は胎児母体不適合の場合のように、自己抗体又は同種異系
抗体反応により、後天性血小板減少症が引き起こされる。これに加え、巨脾腫、
播種性血管内凝固、血栓性血小板減少性紫斑病、ウィルス感染又は人工弁によっ
て、血小板減少症が起こることもある。癌、或いは化学療法及び放射線療法又は
そのいずれかにより、ひどい血小板減少症が起こることもある。骨髄がカルチノ
ーマ、リンパ腫、白血病又は線維症に侵され、これによって、ひどい血小板減少
症が起こることもある。本発明に係わるc−mplリガンドにより、造血始原細
胞及び幹細胞を末梢血の中へ可動化することができる。末梢血から誘導された始
原細胞は、自家移植骨髄を定植させ、患者の再形成に有効であることが認められ
ている。G−CSF及びGM−CSFを含む造血成長因子は、末梢血の中にある
循環始原細胞及び幹細胞の数を増やすことも知られている。これによって、末梢
幹細胞の採取操作を単純化でき、必要な血漿交換回数を減らすことにより、本操
作に要するコストを大きく削減することができた。本発明によるc−mplリガ
ンドは、幹細胞の可動化に有効であり、末梢幹細胞の移植効率を、さらに高める
ことができる。このc−mplリガンドにより、血漿交換の前に各ドナーの投与
して、ドナーの血小板計数値を増加させることもできる。
多くの薬剤が骨髄抑止症或いは造血欠失症の原因になることが知られている。
このような薬剤の例に、AZT、DDI、アルキル化試薬、抗代謝剤のような化
学療法用薬剤、クロラムフェニコール、ペニシリン、ガンシクロヴィール、ダウ
ノマイシンのような抗生物質、フェノチアゾンのようなサルファ剤、メプロバメ
ートのような精神安定剤、アミノピリン、ジピロンのような鎮痛剤、フェニトイ
ン又はカルバマゼピンのような抗てんかん薬、プロピルチオウラシル、メチマゾ
ールのような抗甲状腺薬、及び利尿薬がある。c−mplリガンドは、これらの
薬剤で治療を受けた患者によく起こる、骨髄抑止症又は造血欠失症の予防又は治
療に有効である。
造血欠失症は、ウィルス、微生物又は寄生虫に感染して起こることもあり、腎
臓病又は腎臓障害の治療、例えば透析を行うことにより起こることもある。c−
mplリガンドは、このような造血欠失症の治療に有効である。
幹細胞及び系列の制限を受けた始原細胞の増殖及び発育は、多数の造血成長因
子或いはシトキンによって制御される。これらの成長因子の生体内における役割
は複雑で、まだ充分に解明されていない。インターロイキン−3(IL−3)の
ような成長因子は、多能幹細胞及び系列による拘束を受けた始原細胞に刺激を与
えることができる。エリトロポイエチン(EPO)及びc−mplリガンドのよ
うなその他因子は、系列による拘束を受けている。造血には一連の複雑な細胞反
応が関与する必要があり、これらの反応によって、幹細胞が連続的に生成し、全
主要系列の成熟細胞の大集落を形成して行く。これら多くの増殖調節遺伝子は、
生体外で、1−2種類のコロニー形成に刺激を与えることができ、各調節遺伝子
により刺激されるコロニー形成のパターンは、極めて明確に区別できる。2種類
の調節遺伝子が、全く同じコロニー形成パターンを刺激することはない。このパ
ターン識別に使われる要素は、コロニーの数、並びに発育中のコロニーを形成し
ている細胞系列及び成熟パターンであり、細胞系列及び成熟パターンは、より重
要な要素である。増殖反応は、簡略化した生体外の培養系で容易に解析できる。
3種類の全く異なる指標、即ちコロニーの大きさ、コロニーの数、細胞系列によ
って、コロニー形成パターンを区別することができる。より大きな数の後代を形
成してコロニーサイズを大きくするなど、2つ以上の要因が始原細胞に作用する
こともある。2つ以上の要因が作用すると、より多くの始原細胞が増殖する。そ
の理由は、只一つだけの要因に反応する、異なる小区分の始原細胞が存在するか
、或いはある始原細胞が、2つ以上の要因の刺激を受けて始めて反応を起こすか
、いずれかであると考えられる。2つ以上の要因により、一つの細胞上でさらに
多くのレセプターが活性化されると、最初は別々だったシグナル経路が融合して
、核に達する1つの共通経路を形成するために、細胞分裂シグナルの強度を高め
る可能性がある(Metcalf D.,Nature 339: 27,1989。)相乗効果の説明に、そ
の他の機構を考えることもできる。例えば、第2の要因により第2のシグナル経
路が活性化され、これによって第1のシグナル経路が制約を受け、反応が増幅さ
れる場合である。ある場合には、あるレセプター型が活性化されると、これが他
のレセ
プターの発現を誘発することも考えられる(Metcalf D.,Blood 82: 3515-352
3,1993)。2つ以上の要因がある場合には、その細胞系列が、要因が1つだけの
場合と異なるパターンを示す可能性もある。本発明に係わるc−mplリガンド
を含むキメラ分子を使用するか、或いは本発明に係わるc−mplリガンドを同
時投与することによって、単一要因の場合には起こらなかった増殖反応が起こり
、治療効果を高めることができる。
本発明に係わる新規化合物は、下記グループのいずれかの式で示される。
R1−L−R2,R2−L−R1,R1−R2,R2−R1,R1−L−R1,R1−R1
ここに、R1はc−mplリガンド変異体であり、R2は、異なる、しかし補助
的(相補的)な作用を有するコロニー刺激因子である。ここに言う補助活性とは、
他の細胞修飾物質の反応を高めたり変化させたりする活性のことである。R1ポ
リペプチドは、直接又はリンカー・セグメントを介してR2ポリペプチドに結合
している。ここに、「直接」とは、ポリペプチド同士がペプチド・リンカーなし
で結合しているキメラを意味している。従って、Lは化学結合を表す場合もあり
、R1とR2が結合して形成したポリペプチド・セグメントのフレームを表す場
合もある。通常Lは線状ペプチドであり、R1のカルボキシ末端基がLのアミノ
末端基に、Lのカルボキシ末端基がR2のアミノ末端基に結合する形で、LにR
1とR2がアミド結合で結びついている。「結合してフレームを形成する」とは
、R1とR2をコード化する遺伝子の読取りフレームの間で、翻訳終結又は分断
が起こっていないことを意味している。本発明に係わるc−mplリガンド変異
体と組み合わせることができる他の成長因子、コロニー刺激因子(CSF)、シ
トキン、リンフォカイン、インターロイキン、R2の定義範囲内における増血成
長因子には、GM−CSF、CSF−1、G−CSF、M−CSF、エリトロポ
イチン(EPO)、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL
−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−
13、IL−15、IL−16、LIF、flt3/flk2、ヒト成長ホルモン、B
−細胞成長因子、B
−細胞分化因子、好酸性分化因子、及びスチール因子又はc−kitリガンドと
しても知られる幹細胞因子(SCF)などがある。これに加え、本発明には修飾
R2分子、或いはこれらのR2分子をコード化する突然変異又は修飾DNA配列
の使用も包含される。さらに本発明には、R2がhIL−3変異体であるような
キメラ分子も包含される。「hIL−3変異体」とは、WO94/12639、WO94/1
2638、WO95/00646で開示されたhIL−3変異体、及び当該技術で知られる、
その他hIL−3変異体として定義される。
結合グループ(L)は、通常、1個から 500個のアミノ酸が配列したポリペプ
チドである。2個の分子を繋いでいるリンカーは、下記のように設計されている
ことが好ましい。即ち、(1)これら2つの分子が折り畳まれて、相互に独立に
行動できること。(2)秩序ある二次構造を形成すると、これが2個のたんぱく
質の機能ドメインを妨害する可能性があるので、そのような性向が無いこと。(
3)疎水性又は荷電特性は、たんぱく質の機能ドメインと相互作用を起こす可能
性があるので、このような特性がなるべく無いこと。(4)R1とR2が、単一
細胞上にあるそれぞれの対応レセプターと同時に作用し合えるように、R1とR
2を立体的に分離すること。柔軟たんぱく質領域にある表面アミノ酸には、通常
、Gly、Asn、Serが含まれる。事実上、Gly、Asn、Serを含む
アミノ酸配列の並べ換えが起こり、リンカー配列の上記基準が満たされることが
期待される。Thr、Alaのようなその他中性アミノ酸も、リンカー配列に使
用できる。キメラの生成を容易にするために、リンカー配列に独自の抑制場を加
えることによって、その他のアミノ酸もリンカーに加えることができる。このよ
うなキメラ分子をつくる方法に関しては、ここに参考文献として掲げたWO95/2
1254に、その全容が述べられている。
活性を弱めたc−mplリガンドも、キメラ分子に使用することができる。例
えば、キメラ分子の他の成長因子構成成分の活性に比較して、ほんの少量、IL
−3のような巨核球成熟活性及び血小板生成活性を加えれば、これが多能性幹細
胞、及び巨核球を含む数系列の拘束始原細胞を刺激できるという利点が生じる。
逆に、巨核球成熟活性及び血小板生成活性が、キメラ分子の他の成長因子構成成
分の活性に比較して強いことが要求されるときには、活性を強めたc−mplリ
ガンドが使用できる。
本発明に係わるc−mplリガンドを、マウスの修飾Fc(IgG2a)の定
常領域に結合したキメラの構成成分の一つとすることも可能である(Gross A
.H.ら,J.Clin.Invest.95: 2783-2789[1995]。 このようなキメラは、
c−mplリガンドの精製、たんぱく質の安定性増加、Fc領域におけるダイマ
ーの精製に使用できるかも知れない。
本発明の1つの側面は、幹細胞の選択的エクス・ビボ膨張の方法を提供するこ
とにある。「幹細胞」という用語は、全能の造血幹細胞、並びに骨髄、脾臓、又
は末梢血から分離できる初期前駆細胞及び始原細胞を表している。「膨張」とい
う用語は、細胞の分化及び増殖を表している。本発明は、幹細胞を選択的に半ビ
ボ膨張させる方法を提供し、下記のステップからなる。即ち、(a)幹細胞を他
の細胞から分離するステップ。(b)当該分離幹細胞を、c−mplリガンド、
又は部分的にc−mplリガンドからなるキメラたんぱく質で構成された培地を
選んで、その中で培養するステップ。(c)当該幹細胞を収穫するステップ。幹
細胞、及び将来好中球、赤血球、血小板などになる拘束始原細胞は、CD34の
ような特定の始原細胞標識抗原が表面に存在するかどうか、或いはそれがどんな
形態的特徴を持っているかによって、他の大部分の細胞から区別できる。高度に
富化されたヒト幹細胞分画の表現型は、CD34+、Thy−1+、lin−と
して報告されている。しかし、本発明は、この幹細胞固体群の膨張に限定される
ものではない。CD34+で富化したヒト幹細胞分画は、既に報告されている多
くの方法によって分離できる。これらの方法には、アフィニティカラム又はアフ
ィニティビーズ、磁気ビーズ、或いはCD34+のような表面抗原指向の抗体を
使用するフローサイトメトリーなどがある。さらに、向流式水ひ法のような物理
的な分離方法を用いて、造血始原細胞を富化することもできる。CD34+始原
細胞は不均質で、さらにいくつかの小固体群に再分割できる。これらの小固体群
は、種々の系列の細胞分子に関連した同時表現が,表面に有るかどうかによって
特徴付け
られる。成熟度が最も低い始原細胞には、HLA−DR又はCD38のような、
既知系列に関連した標識が表現されていない。しかし、これらの始原細胞にCD
90(thy−1)は表現される。CD33、CD38、CD41、CD71、
HLA−DR、又はc−kitのような、他の表面抗原も、造血始原細胞を選択
的に分離するために使用できる。分離した細胞は、培養フラスコ、滅菌バッグ、
又は中空繊維の中の選択培地で培養できる。種々のコロニー刺激因子を、選択的
な細胞膨張に使用できる。これまで骨髄の半ビボ膨張に使用された代表的な要因
には、c−kitリガンド、IL−3、G−CSF、GM−CSF、IL−1、
IL−6、IL−11、flt−3リガンド又はこれらの組合せがある。標準的
な方法(例えば、血球計算盤、CFU、LTCIC)、或いはフローサイトメト
リーによって、培養前後に幹細胞及び他の細胞の数を数えることによって、これ
らの幹細胞の増殖状況が監視できる。
幹細胞のex-vivo膨張については、種々の選択方法、並びにc−kitリガン
ド(Brandtら,Blood 83: 1507-1514[1994]、McKenna ら,Blood 86:3413-3
420[1995])、IL−3(Brandtら,Blood 83: 1507-1514[1994]、佐藤ら,Blo
od 82: 3600-3609[1993])、G−CSF(佐藤ら,Blood 82: 3600-3609[1993])
、 GM−CSF(佐藤ら,Blood 82:3600-3609[1993])、IL−1(Muenchら
,Blood 81:3463-3473[1993])、IL−6(佐藤ら,Blood 82: 3600-3609[1993
])、 IL−11(Lemoliら,Exp.Hem.21: 1668-1672[1993]、佐藤ら,Bloo
d 82、3600─3609[1993])、flt−3リガンド(McKenna ら,Blood 86: 341
3-3420[1995])、 上記個々のコロニー刺激因子又はその組合せ(Brandtら,Bl
ood 83:1507-1514[1994]、Haylock ら,Blood 80:1405-1412[1992]、Koller
ら,Biotechnology 11: 358-363[1993]、Lemoliら,Exp.Hem.21:1668-167
2[1993]、McKennaら,Blood 86:3413-3420[1995]、Muenchら,Blood 81:34
63-3473[1993]、Patchen ら,Biotherapy 7: 13-26[1994]、佐藤ら,Blood 8
2:3600-3609[1993]、Smith ら,Exp.Hem.21:870-877[1993]、Steen ら,
Stem Cells 12:214-224[1994]、辻野ら,Exp.Hem.21:1379-1386[1993])を
含む種々のコロニー刺激因子による膨張方法を用いた報告がある。個々のコロニ
ー刺激因子の中で、hIL−3は、末梢血CD34+細胞の膨張に最も効力のあ
る因
子の一つであることが示されている(佐藤ら,Blood 82: 3600-3609[1993]、小
林ら,Blood 73: 1836-1841[1989])。 しかし、単一の因子で、組合せ多重因
子と同等の効力を有する因子は報告されていない。本発明は、IL−3単独より
さらに有効な分子を使用する、半ビボ膨張の方法を提供する。
提案されている成長因子を使用するその他の臨床的な方法は、遺伝子治療の目
的で、造血始原細胞及び幹細胞を生体内で活性化する方法であった。造血始原細
胞の寿命が長いこと、及び娘細胞が体全体に分布していることにより、造血始原
細胞は、半ビボ遺伝子移入に適している。必要な遺伝子を造血始原細胞又は幹細
胞のゲノムに組み込むには、細胞分割及びDNAの転写を刺激する必要がある。
造血幹細胞のサイクル頻度は非常に低く、このことは、遺伝子の形質導入を促進
するために成長因子が使えること、これによって臨床的な遺伝子治療の可能性が
高まることを意味している。遺伝子治療応用の可能性(Review Crystal,Scie
nce 270:404-410[1995])としては、1)多くの代謝障害及び免疫欠失症(Kay
及び Woo,Trends Genet.10:253-257[1994])、2)精神障害(Freedmann,
Trends Genet.10:210-214[1994])、3)癌(Culver 及び Blaese,Trends
Genet.10: 174-178[1994]、4)感染症(Gilboa及び Smith,Trends Genet
.10: 139-143[1994])などの治療がある。
当該技術に精通した者には、遺伝子物質を宿主細胞に導入する種々の方法が知
られている。治療遺伝子を一次細胞の中へ移入するために、ウィルス性及び非ウ
ィルス性のベクターが数多く開発された。ウィルス性ベクターには、複製欠失組
み換えレトロウィルス(Boris-Lawrie及び Temin,Curr.Opin.Genet.
Dev.3: 102-109[1993]、Boris-Lawrie及び Temin,Annal.New York A
cad.Sci.716:59-71[1994]、Miller,Current Top.Microbiol.Immunol
.158: 1-24[1992])及び複製欠失組み換えアデノウィルス(Berkner,BioTech
niques 6: 616-629[1988]、Berkner,Current Top.Microbiol.Immunol
.158: 39-66[1992]、Brody 及び Crystal,Annal.New York Acad.Sci
.716: 90-103[1994])などがある。非ウィルス性ベクターには、たんぱく質・D
NA複合体(Cristiano ら,PNAS USA 90:2122-2126[1993],Curiel ら
,PNAS USA 88:8850-8854[1991]、Curiel,Annal.New York Acad
.Sci.716:36-58[1994])、エレクトロポレーションによる移入、及びカチオン
性リポソームのようなリポソーム
を媒介とする移入(Farhood ら,Annal.New York Acad.Sci.716:23-35
[1994])などがある。
本発明は、新しい遺伝子物質の導入により、既存造血細胞膨張法の改良法を提
供する。即ち、単一のコロニー刺激因子には見られないような活性を有するなど
、生物学的性質が改良され、その上に物理的性質も改良されたキメラたんぱく質
を使用する方法を提供する。
本発明は、c−mplリガンド及びキメラたんぱく質をコード化し、遺伝子治
療を行うために細胞に導入し得る遺伝子も提供する。
本発明のもう一つの側面として、新規系列のヒトc−mplリガンド突然変異
たんぱく質を製造する新しい方法も提供する。本発明の方法には、DNA配列の
コード化を含む、新規c−mplリガンド突然変異ポリペプチドを表現するため
に、ベクターで形質転換した適切な細胞又は細胞系を培養することも包含される
。適切な細胞又は細胞系としては、細菌性の細胞を使用することが多い。例えば
、種々のE.coli 株は、生化学の分野では、宿主細胞としてよく知られている
。このような菌株の例には、E.coli 株JM101(Yanisch-Perronら,Gen
e 33: 103-119[1985])及びMON105(Obukowicz ら,Appl.and Envir.
Micr.58: 1511-1523[1992])などがある。種々のB.subtilis 株も、この方法
に使用できる。この技術に精通した人達には公知の酵母細胞の多くも、本発明に
おけるポリペプチド発現のために、宿主細胞として使用できる。
本発明において、チャイニーズハムスターの卵巣細胞(CHO)のような、哺
乳類の細胞も使用できる。哺乳類の細胞の異種遺伝子を発現させる通常の方法に
ついても、調査が行われている(Kaufman,R.J.[1987]:High level produc
tion of proteins in mammalian cells,Genetic Engineering,Principles
and Methods,Vol.9, J.K.Setlow 編,出版 Plenum Press,New Yor
k)。発現ベクターが組み立てられ、哺乳類の細胞の中で機能する強力な促進因子
が、真核性分泌シグナルペプチドのコード化領域における転写を促進し、これを
翻訳してコード化領域に組入れ、c−mplリガンド変異体をつくる。例えば、
pcDNA I/Neo、pRc/RSV、pRc/CMVのようなプラスミド
(Invitrogen Corp.,San Diego,California で入手できる)
を使用することができる。c−mplリガンド遺伝子を含むベクターを組み立て
た後で、このベクターDNAを哺乳類の細胞に移入する。このような細胞として
は、例えば、COS7、HeLa、BHK、CHO、又はマウスのL細胞系があ
る。これらの細胞を培養し、例えばDMEM培地(JRH Scientific社)の
中で培養する。細胞移入後の一過性発現から24−72時間後に、或いはネオマ
イシン耐性を有する細胞系を選択し、その安定細胞系を確立した後で、この培地
の中へ分泌されたc−mplリガンドを、標準的な生化学的方法で回収すること
ができる。哺乳類宿主細胞の選択、及び形質変換、培養、増幅、スクリーニング
及び生成物生産、精製の方法は文献に公知である。例えば、Gething 及び Sam
brook、Nature 293: 620-625[1981]、或いは Kaufmanら,Mol.Cell Biol
.5(7): 1750-1759[1985]、又は Howley ら,米国特許第 4,419,446号を参照
されたい。もう一つの適切な哺乳類細胞系は、サルのCOS−1細胞系である。
CV−1細胞系も、これと同じように使える哺乳類細胞系である。
必要なら、本発明の方法で、昆虫の細胞も宿主細胞として使用できる。これに
ついては、例えば、Miller ら,Genetic Engineering 8:277-298(Plenum P
ress 1986)及びその中に引用されている文献を参照されたい。これに加え、昆虫
の細胞の中に、バキュロウィルスのベクターを用いて異種遺伝子を発現させる通
常の方法については、Summers,M.D.及び Smith,G.E.(1987)− A ma
nual of methods for Baculovirus vectors and insect cell culture procedu
res,Texas Agricultural Experiment Station Bulletin 第 1555号に述べ
られている。バキュロウィルス移植ベクターを含む発現ベクターを組み立て、こ
の中で、(ポリヘドロン促進因子のような)強力なバキュロウィルス促進因子が
、真核性分泌シグナルペプチドのコード化領域転写を促進する。このコード化領
域は翻訳されてコード化領域に組み入れられ、c−mplリガンドのポリペプチ
ドが得られる。例えば、プラスミドpVL1392(Invitrogen Corp.,San
Diego,California から入手できる)が使用できる。c−mplリガンド遺
伝子を持ったベクターを組み立てた後、このDNA2マイクログラムをバキュロ
ウィルス1マイクログラムとともに、昆虫細胞株SF9に同時移入する(Summe
rs 及び Smith,1987を参照)。hIL−3変異体を持つ、純粋な組み換えバキ
ュロウィルスを使用して、培養される細胞、例えば Excell 401 の血清を除い
た培地に感
染させる(JRH Biosciences,Lenexa,Kansas)。培地の中へ分泌されるc
−mplリガンドは、標準の生化学的方法で回収できる。
本発明のもう一つの側面は、これら新規c−mplリガンド突然変異たんぱく
質の発現方法で使用する、プラスミドDNAベクターを提供する。これらのベク
ターは、上記の新規DNA配列を含み、これが本発明に係わる新規ポリペプチド
をコード化する。c−mplリガンド突然変異たんぱく質の発現能力を持った微
生物を形質転換できる適切なベクターとして、ヌクレオチド配列を有する発現ベ
クターがある。このベクターは、転写及び翻訳調整配列に結合したc−mplリ
ガンド突然変異たんぱく質をコード化する。これらの突然変異たんぱく質は用い
る宿主細胞に応じて選択される。
上記の修飾された配列を組み込むベクターも本発明の範囲に含まれ、c−mp
lリガンド突然変異ポリペプチドの生産に使用することができる。この方法で使
用されるベクターは、本発明のDNAコード化配列の操作に関連して選択され、
調節配列も含み、選択された宿主細胞の中で、その転写及び発現の方向付けを行
う能力を有している。
本発明のその他側面は、上記の状態を治療する方法及びこれに使用する治療用
組成物に関する。このような組成物は、医薬品グレードの担体を使用し、これに
本発明に係わる1種又は2種以上の、治療に有効な量のc−mplリガンド突然
変異たんぱく質を添加、混合して調製する。この組成物は、非経口投与、静脈内
投与、皮下投与のいずれかの方法で投与できる。本発明で使用される治療用組成
物は、発熱因子を含まない、非経口投与に適した水溶液の形で投与することが好
ましい。このような非経口投与に適したたんぱく質溶液は、pH、等張性、安定
性などに気をつけて調製するが、その方法は、当該技術に精通した者には公知で
ある。
上記の状態を治療する場合の投与計画は、治療に立ち会う医師が、薬剤の作用
を修飾する種々の要因を考慮した上で決定する。これらの要因には、例えば、患
者の病気の容体、体重、性別、食物、及び感染のひどさ、投与時刻、その他の臨
床要因がある。通常、日常の養生は、体重1kg 当たり、未グリコシル化c−m
plリガンドたんぱく質 0.1-100μ g/kgの範囲内にある。与えられた突然変異
たんぱく質の活性によって、投与量を調節する。投与養生で使用する、体重1kg
、 1日当たりの投与量は、0.1 マイクログラムという低い投与量でも、1マイ
クログラムという高い投与量でもよいことに注意しよう。これに加え、c−mp
lリガンド突然変異たんぱく質の投与量を、体重1 kg当たり、0.1-100μ g/kg
の範囲より高く又は低く調節するような、特定の状況も存在すると考えられる。
これらの状況には、他のCSF又は成長因子と同時投与する場合、化学療法薬品
又は放射線或いはそのいずれかと同時投与する場合、グリコシル化c−mplリ
ガンドを使用する場合、患者に既に本節で述べた種々の問題がある場合がある。
上に指摘したように、本療法及び組成物には、他のヒト因子と同時投与する場合
も含まれる。同時又は逐次投与する他の適切な造血剤、CSF、インターロイキ
ン、或いは本発明によるポリペプチドとのキメラの非独占リストには、GM−C
SF、CSF−1、G−CSF、Meg−CSF、M−CSF、エリトロポイエ
チン(EPO)、IL−1、IL−3、IL−4、IL−2、IL−5、IL−
6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13
、IL−15、IL−16、LIF、flt2/flk3リガンド、B−細胞成長因
子、B−細胞分化因子及び好酸性分化因子、スチール因子又はc−kitリガン
ドとしても知られる幹細胞因子(SCF)(これらを一括して「コロニー刺激因
子」と呼ぶ)、又はこれらの組合せなどが含まれる。上記リストに加え、WO 9
4/12638、WO 94/12639、WO 95/00646 で開示されたIL−3変異体も、同時
投与するか、本発明によるc−mplリガンドポリペプチドとのキメラとして使
用できる。本発明によるc−mplリガンドは、WO 95/20977 及びWO 95/21
254 で開示されたような方法で、上述した他の「コロニー刺激因子」と同時投与
するか、又はこれと結合して使用できる。上述した治療用組成物への添加量は、
このような付加成分を勘案して調節される。治療を受けている患者の容体変化は
、血液学的プロフィール、例えば分化細胞計数値などを定期的に評価することに
より監視できる。
ここに引用した全ての参考文献、特許、又は用途については、参考のために、
その全容を記載した。
組み換えDNA法
他に記載が無い限り、全ての専門薬品は Sigma社(St Louis,MO)から入
手した。制限エンドヌクレアーゼ及びT4DNAリガーゼは、New England
Biolabs(Bevedy,MA)から入手した。
逆転写酵素及びポリメラーゼ連鎖反応
c−mplリガンドの異性体は、逆転写酵素及びポリメラーゼ連鎖反応(RT
/PCR)の技術を使用して分離することができる。合成プライマーを、第1鎖
相補DNA(cDNA)の合成を活性化するために、c−mplリガンドDNA
又はmRNA(遺伝子銀行アクセス番号#L33410又は de Sauvage ら
,Nature 369: 533-538[1994])に基づくc−mplリガンド配列にアニールす
るように設計する。その結果生じるcDNAをPCRの鋳型として使用し(佐伯
,1985)、二本鎖DNA(dsDNA又はDNA)をつくり、この二本鎖DNA
をその他のPCRに使用するか、或いは適切な制限酵素とともに消化して、哺乳
類のバキュロウィルス、或いは E.coliの表現プラスミドのような細菌類のバ
キュロウィルスに移入する。
逆転写酵素(RT)反応のために、ヒト胎児の肝臓(ロット番号#38130)及び
成人の肝臓(ロット番号#46018)のA+RNAは、Clontech 社(Palo Alto,
CA)から入手できる。このRT反応は、Invitrogen 社(San Diego,CA)
から入手するcDNA Cycle TM Kitを使用して実施する。各RNAサンプル
1マイクログラム(μg)を、ランダム・プライマー、オリゴdTプライマー、又
は特殊3’アンチセンス・プライマーいずれかの存在下に、65℃で10分間かけて
変性する。変性を行った後、このサンプルを氷の上で2分間冷却し、10,000xg
で10秒間遠心分離する。RNAse阻害因子、逆転写酵素緩衝液、デオキシヌク
レオチド、ピロリン酸ナトリウム、及び逆転写酵素をメーカーの説明書に従って
添加し、20マイクロリットルの反応液を42℃で1時間インキュベートする。
PCR特殊5’センス・プライマー及び特殊3’アンチセンス・プライマーを
RT反応液に添加し、Boehringer Mannheim 社(Indianapolis,IN)又は
Perkin-Elmer 社(Norwalk,CT)から入手した試薬を使用し、メーカーの説
明書に従い、Taqポリメラーゼを使用して、PCRを実施する。PCR反応に
対して、94℃−1分、58℃−1分、72℃−90秒のサイクルを30回繰り返す。1x
TBE/EtBr(トリスボレート−EDTAプラス臭化エチジウム、Sambrook
ら,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring
Harbor Laboratory Press 社,Cold Spring Harbor,NY[1989])の存在
下に、1% SeaKem R LEアガロース(FMC社,Rockland,ME)ゲル
を通してエレクトロフォレーシスを実施するために、10マイクロリットルの最終
生成物に等容の負荷色素(ブロモフェノール青及びキシレンサイアノール青各 0
.01 %)を添加する。分子量の標準として、HaeIII抑制酵素(New Engla
nd Biolabs 社,Beverly,MA)で消化した、1マイクログラムのphiX1
74ファージDNAをゲルに負荷する。短波UVを使用して、生成物(約 1090
個の塩基対)を視覚化する。Promega 社(Madison,WI)の Wizard TM P
CR Preps kitを使用し、この反応液を精製する。簡単に言えば、PCR反応
液を 100マイクロリットルの Direct Purification緩衝液に添加し、1ミ
リリットル(mL)のPCRPreps DNA Purification Resin をこの混合
物に添加する。24℃で1分間インキュベートした後、上澄液を濾過カラムで真空
濾過して除く。2mL の80%イソプロパノールを使用して真空濾過し、樹脂を洗
浄する。次に、樹脂を含むカラムを、10,000xgで30秒間遠心分離し、残留イソ
プロパノールPCR生成物を、50マイクロリットルの10 mM トリス−HCl、
1 mM EDTA、pH 7.4で、10,000xgで30秒間遠心分離して溶出し、上澄
液を新しい試験管に移す。
c−mplリガンド型の発現ベクターへのサブクローニング
c−mplリガンドPCR生成物を適切な抑制酵素で消化し、バキュロウィル
ス、哺乳類発現ベクター、E.coli 発現ベクターのいずれかに結合する。哺乳
類発現ベクターは、哺乳類発現カセットを含むpUC18ベースのベクター(p
MON3359)の誘導体である。このカセットは、単純ヘルペスウィルス促進
因子IE110(−800から+120)、及びpUC18ポリリンカー
(Hippenmeyer ら,Bio/Technology: 1037-1041[1993]参照)の中に予めサブ
クローニングされたSV40末期ポリアデニル化(poly−A)シグナルを含
んでいる。メーカーの説明書にある通り、37℃で1時間インキュベートして抑制
酵素で消化してから、1%アガロース/1XTBE/EtBrゲルを通して、エ
レクトロフォレーシスを行う。DNAの断片は、先ず長波UVで視覚化し、Qia
ex DNA Extraction キット(Qiagen 社,Chatsworth,CA)を使用
してゲル精製する。このDNAの断片にDNA結合用樹脂を添加し、樹脂を水で
満遍なく洗浄してから、アガロースで可溶化して樹脂から溶出する。このように
して精製したDNA生成物を、過剰モル数のPCRベクター移入生成物と一緒に
して、T4DNAリガーゼ用のメーカー推奨条件に従って、結紮反応を行わせる
。細胞形質中で非相同たんぱく質の高レベル生産の方向付けをするE.coli表現
ベクターは、他の論文に述べられている表現ベクター(Olins ら,Methods E
nzym.,185: 115-119[1988]、Rangwalaら,Gene 122: 263-269[1992])の誘導
体である。この表現カセットは、recA促進因子及びT7遺伝子10リボソー
ム結束場(RBS)、並びに転写又はファージP22遺伝子の縦列逆位反復(転
写読み終わり暗号として作用)のM13起始からなっている。これらのカセット
は、pBR327を転写起始とするプラスミド上にあり、遺伝子をコード化して
、スペクチノマイシン又はアンピシリン抵抗を与える。
E.coli菌株の形質転換
TGI(Amersham Corp.社,Arlington Heights,IL)、JM101(Yan
ish-Perron,C.ら,Gene 33: 103-119[1985])、又はDH5α(Life Techn
ologies 社,Gaithersburg,MD)などのE.coli菌株は、リゲーション反応の
形質転換に使用され、哺乳類細胞に移入する場合のプラスミドDNA源となる。
E.coli 菌株MON105及びJM101は、American Type Culture Co
llection 社(ATCC 社,Rockville,MD)から入手でき、E.coli の細胞
形質及び周縁細胞質空間に、異種c−mplリガンド型を表現する宿主細胞とし
て使用できる。
MON105 ATCC#55204: F-,lambda-,IN(rrnD,rrE)l,rpoD+,rpo
H358
JM101 ATCC#33876: delta(pro lac)、supE,thi,F’(traD36,pro
A+B+,lacIq,lacZdeltaM15)
TG1: delta(lac-pro),supE,thi,hsdD5/F’(traD36,proA+B+,l
acIq,lacZdeltaM15)
DH5α: F- Φ80dlacZM15 Δ(lacZYA-argF)U169 deoR recAl end
AlhsdR17(rK -,mK +)supE44 λ- thi-1 gyr96 relAl1
E.coli 菌株には、CaCl2法によってDNA生着能力を持たせることができ
る。通常、Baush & Lomb 社(Rochester,NY)製スペクトル分光光度計によ
る 600ナノメートルにおける光学密度単位が約 1.0(OD600)になるまで、20−5
0 mL の細胞をLB培地(1%バクトトリプトン、0.5 %バクトイースト抽出
物、150 ミリモルNaCl)で成育させる。これらの細胞を遠心分離して採集し
、CaCl2溶液(CaCl2 50ミリモル、pH 7.4のトリスHCl10ミリモル
)の1/5容培地中に再懸濁させ、4℃で30分間放置する。これらの細胞を再度
遠心分離して採集し、CaCl2溶液の1/10容培地中に再懸濁する。結紮DN
Aを 0.2 mLのこれら細胞に添加し、このサンプルを4℃で1時間保持する。さ
らに、このサンプルを42℃で2分間保持し、1.0 mLのLBを添加してから、37
℃で1時間振り混ぜる。これらのサンプルから得られる細胞を、抗アンピシリン
形質転換株が欲しいときはアンピシリン(100 マイクログラム/mL、μ g/mL)
を含むシャーレに、抗スペクチノマイシン形質変換株が欲しいときにはスペクチ
ノマイシン(75μ g/mL)を含むシャーレ(LB培地プラス1.5 %細菌寒天)に
広げる。このシャーレを37℃で一晩インキュベートする。単一コロニーを拾い、
適切な抗生物質を補ったLB中で、37℃で6−16時間、振り混ぜながら育成する
。コロニーを拾い、適切な抗生物質(100 μ g/mL のアンピシリン又は 75 μ
g/mLのスペクチノマイシン)を添加したLBに接種し、37℃で振り混ぜながら
成育させる。1μlの細胞をPCRで分析して、c−mplリガンド遺伝子の存
在を確認してから、培養株を収穫する。c−mplリガンド遺伝子又はベクター
、或いはその両方にアニ
ールする組合せプライマーを使用して、PCRを実施する。PCRが完了したら
、サンプルに負荷色素を添加して、前述したエレクトロフォレーシスを実施する
。期待通りのサイズのPCR生成物が観察されたら、遺伝子はベクターへの結紮
を完了している。
DNAの分離及び特性評価
Promega Wizard TM Miniprep キット(Madison,WI)又は Qiagen Q
IAwell Plasmid 分離キット(Chatsworth,CA) を使用して、プラスミ
ドDNAを分離する。これらのキットの操作法は、いずれも一般的には同じで、
これらによってプラスミドDNAを分離できる。簡単に言えば、細胞を遠心分離
(5000 xg)してペレット化し、先ずNaOH処理、続いて酸処理を行ってプラ
スミドDNAを放出させ、遠心分離(10000 x g)して細胞の残骸を除く。上澄液
(プラスミドDNAを含む)を、DNA結合樹脂を含むカラムに供給し、カラム
を洗浄し、TEでプラスミドDNAを溶出する。切形されたc−mplリガンド
のクローンから得られた 0.2−1.0μgのプラスミドDNAを、適切な抑制酵素
で消化し、前述したようにエレクトロフォレーシスを行って、ベクターから放出
されたc−mpl遺伝子断片の存在を確認する。希望するプラスミドDNAに宿
を提供している E.coliを、適切な抗生物質を添加した 100 mL のLB中へイ
ンキュベートし、空気インキュベーターの中で、37℃で一晩、振り混ぜながら育
成する。Qiagen Plasmid Midi キット(Chatsworth,CA)を使用して、プ
ラスミドDNAを分離する。このMidi キットは、前述した Qiagen QIAwel
l Plasmid 分離キットのスケールアップ版である。このDNAを使用して、D
NA配列の決定、抑制酵素による消化の続行、DNA断片のサブクローニングの
続行、哺乳類又は E.coli細胞への移入を行う。
Applied Biosystems 社製(ABI,Foster City,CA)PRISM T
M Ready Reaction DyeDeoxy TM Terminator Sequencing System 又は
United States Biochemical 社(Cleveland,OH)製 Sequenase TM 第
2版DNA配列決定用キットを使用して、精製した組み換え二本鎖DNAの配列
を決定する。ABIシステムでは、増幅を何度も繰り返す間に、4種類の蛍光標
識を付けたジデオキシヌクレオチドを単一鎖DNAに組み込んで使用する。プラ
スミドDNA及び配列決定プライマーを反応混合物(TaqDNAポリメラ
ーゼ、緩衝液、ヌクレオチドを含む)に添加し、この混合物について25サイクル
の増幅を行う(96℃で30秒、50℃で15秒、60℃で4分)。増幅に続き、Princet
on Separations 社(Adelphia,NJ) に述べられている方法で、Centri-
Sepスピンカラム(水中で平衡させておく)を使用して、残留ヌクレオチドを除
く。簡単に述べれば、2分間遠心分離(700 x g)して過剰の水を除いたカラム
にサンプルを、供給し、精製配列決定用生成物を、4分間遠心分離(700 x g)
して溶出させる。次にSpeed Vac(Savant 社,Hicksville,NY)で サン
プルを乾燥し、負荷溶液を添加する。1X TBE中に7Mの尿素を含む4.75%
のポリアクリルアミド配列決定ゲルを通して、70ワットの一定電力で、サンプル
のエレクトロフォレーシスを行う。ABIシステムには、エレクトロフォレーシ
スを行ったときに各分差標識PCR生成物を認識する、検出器が使用されている
。
SequenaseTM配列決定システムで分析を行う場合、(メーカーの説明書に書い
てあるように)プラスミドDNAをNaOHで変性し、水酸化アンモニウムで中
和し、単一鎖DNAを得て、その配列を決定する。緩衝液の存在下で、配列決定
プライマーを変性DNAに30分間アニールしてから、アルファ[33P]デオキシ
アデノシン・トリホスフェート、DDT、デオキシ及びジデオキシヌクレオチド
を添加する。室温で5分間保持した後、反応液を4本の試験管に分割する。その
各々は、追加分のデオキシヌクレオチド、及びジデオキシヌクレオチド1種類を
含んでいる。37℃で5分間保持してから、反応を負荷色素で停止する。サンプル
を80℃で2分間加熱し、7M尿素の1X TBE溶液を含む6.0 %のポリアクリ
ルアミド配列決定ゲル上で、70ワットの一定電力でエレクトロフォレーシスにか
ける。ゲルを10%酢酸中で30分間かけて固定し、80℃で30分間、真空乾燥する。
乾燥したゲルをX線フィルムに隣接して一晩、室温で保持し、Eastman Kodak
社(Rochester,NY)製 X-OMAT M20 プロセサーを使用して、フィルム
を現像する。
新型c−mplリガンドの生産
哺乳類細胞への移入及び馴化培地の生産
BHK−21細胞系は、ATCC社(Rockville,MD)から入手できる。この
細胞
を、ダルベッコ修飾イーグル培地(高グルコースDMEM)中で培養し、2ミリ
モル(mM) L−グルタミン及び10%胎仔ウシ血清(FBS)に補充する。こ
の処方は、BHK育成培地と呼ばれている。選択培地は、453 単位/ mLのハイ
グロマイシンB(Calbiochem 社,San Diego,CA)を補充したBHK育成培
地である。BHK−21細胞系は、前に安定な状態でHSVトランス活性化たん
ぱく質VP16を移入したものである。このトランス活性化たんぱく質VP16
は、プラスミドpMON3359に見出されるIE110促進因子をトランス活
性化する(Hippenmeyer ら,Bio/Technology: 1037-1041[1993]参照)。 VP
16たんぱく質は、IE110促進因子の背後に挿入された遺伝子表現の原動力
となる。トランス活性化たんぱく質VP16を表現するBHK−21細胞は、B
HK−VP16と呼ばれている。プラスミドpMON1118(Highkin ら,
Poultry Sci.70: 970-981[1991]参照)は、SV40促進因子から得られる抗
ハイグロマイシン遺伝子を表現する。同じようなプラスミド(pSV2−hph
)が、ATCC社から入手できる。
BHK−VP16細胞は、移入24時間前に、60ミリリットル(mm)の組織培養
皿に、1皿当たり3x 10 5個が接種される。細胞は16時間で、10μgのプラスミ
ドDNAを含む、3mL の OPTIMEM"TM(Gibco-BRL 社,Gaithers
burg,MD)の中に移入される。このプラスミドには目的の遺伝子が含まれ、そ
の量は1皿当たり3μgの抗ハイグロマイシン・プラスミド(pMON1118
)及び80μgのLIPOFECTAMINE"TM(Gibco-BRL 社)である
。その後、この培地を吸い出し、3 mLの成長培地と置換する。後移入後48時間
目に、各皿の培地(一過性馴化培地)を集め、その活性を評価する。細胞をトリ
プシン−EDTAにより皿から取り出し、1:10に希釈し、10 mL の選択培地
を含む 100 mm の組織培養皿に移す。選択培地に移してから約7日後、耐性細胞
は成長して、直径5−6ミリメートルのコロニーを形成する。このコロニーを、
(コロニーとほぼ同じ大きさに切り、トリプシン/EDTAに浸した)濾紙とと
もに皿から取り出し、1 mL の選択培地を入れた24個の凹みがあるシャーレの
、個々の凹みに移した。クローンが成長して集合を形成した後、馴化培地の再評
価を行い、確実なクローンを成長培地の中で展開する。
E.coli から得られた組み換えc−mplリガンドたんぱく質の発現及び精製
目的のプラスミドを宿している E.coli菌株MON105を、New Brun
swick Scientific 社(Edison,New Jersey)製空気インキュベーター型式
G25に入れ、37℃のM9+カザミノ酸培地の中で、振り混ぜながら育成する。
OD600で、その値が 1.0に達するまで、育成状態を監視する。この値に達した
ら、ナリジクス酸(10ミリグラム /mL)の 0.1N NaOH溶液を添加して、最終
濃度を50μ g/mLに調節する。次に、この培地を37℃で、さらに3−4時間振り
混ぜる。目的とする遺伝子生成物の生産量を最大にするために、培養期間中は高
度のエアレーションを維持する。この細胞を顕微鏡で調べ、封入小体(IB)の
存在を確認する。培養液1mLを分取し、ペレット化細胞を煮沸し、還元性緩衝
液で処理し、SDS−PAGE(Maniatis ら,Molecular Cloning:A Labo
ratory Manual[1982]参照)を通してエレクトロフォレーシスを行い、たんぱく
質含量を分析する。遠心分離(5000 x g)して細胞をペレット化した後、音波処
理又は均質化のいずれかの方法により、第1ステップのたんぱく質精製を行う。
音波処理では、細胞を(培養サイズに対して)1/10容の音波処理用緩衝液(ト
リスHCl 10 mM、 pH 7.5、EDTA 1mM) に再懸濁する。これら
の再懸濁細胞を、Heat Systems-Ultrasonics 社(Farmingdale,New Yo
rk)製 SonicatorCell Disruptor 型式W−375のマイクロチップを使用し
、音波処理で破裂させる。音波処理がどの程度進行したかは、光学顕微鏡でホモ
ジェネートを調べて監視する。全ての細胞が破裂したら、ホモジェネートを4℃
で、JA−20ローターとJ2−21遠心分離機(Beckman 社製,Fullerton
,CA)を使用し、10000 x g で20分間遠心分離して分画する。もう一つの方法
は、細胞を音波処理緩衝液の中で、Manton-Gaulin ホモジナイザー(オランダ
製)で溶解し、細胞からIBを放出させ、上記のようにして遠心分離する。IB
ペレットの組み換えたんぱく質は高度に富化されているが、これに対してもう一
度、上記の音波処理と遠心分離を繰り返す。この組み換えたんぱく質を、種々の
標準法で精製する。最も一般的な方法として、IBを4−6モルの尿素又はpH
9−12ノグアニジン−HCl緩衝液で可溶化し、触媒量のシステイン、ベータ・
メルカトエタノール、又はジチオスレイトールの存在下で、24−72時間空気酸化
して折り
畳む方法である。このたんぱく質を、Q−セファローズ(陰イオン)又はS−セ
ファローズ(陽イオン)のようなイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過、疎
水性クロマトグラフィー又は逆相HPLCを使用して、残留 E.coliから分離
、精製する。イオン強度の弱い緩衝液に対して透析を行った後、精製たんぱく質
を、凍結状態又は凍結乾燥して貯蔵する。
変異体及びキメラたんぱく質をつくり、細菌、哺乳類又は昆虫の細胞の中に発
現するために使用する組み換えDNA法について、その他の詳細、希望するたん
ぱく質の精製及び再折り畳み、並びにたんぱく質の生物活性決定のための評価方
法に関する情報については、ここに文献として全容を引用した、WO 95/00646
、WO 94/12639、WO 94/12638、WO 95/20976、WO 95/21197、WO 95/20
977、WO 95/21254 の中に記述されている。
本技術に精通した者に知られている、これ以上の詳細情報については、T.M
aniatis ら,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring
Harbor Laboratory(1982)(本特許に引用)及びその引用文献、及びJ.Samb
rook ら,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,第2版,Cold
Spring Harbor Laboratory(1989)(本特許に引用)及びその引用文献の中に
述べられている。
以上の説明により、当該技術に精通した者であれば、本発明を最大限に活用で
きるものと考えられる。従って、下記の優先態様は単なる例証であり、ここに開
示されていない内容について、これが制限を加えるものでは決してない。
例1
c−mplリガンド遺伝子生成物の分離
A.逆転写酵素反応
ヒト胎児(ロット番号# 38130)及び成人の肝臓(ロット番号# 46018)のA+RNA
は、Clontech 社(Palo Alto,CA)から入手した。第1鎖cDNAの反応は
、
Invitrogen 社(San Diego,CA)から入手したcDNA CycleTMキッ
トを使用して実施した。第1の逆転写酵素反応(RT#1)では、ランダムプラ
イマー(cDNA CycleTMキットとともに供給)を使用した。第2の逆転
写酵素反応(RT#2)では、オリゴdTプライマー(cDNA CycleTM
キットとともに供給)及び特定3’アンチセンスプライマー、c−mplEco
RI[SEQ ID No:23(配列番号23)]を使用した。c−mplEco
RIプライマーは、c−mplリガンド遺伝子コード化配列(Genebankアクセス
番号# L33410又は de Sauvage ら,Nature 369: 533-538[1994])のc−mp
lリガンド配列に基づく塩基番号#1257−1278)の3’末端にアニールし、Ec
oRI制限酵素サイト3’を読み終わりコードンに合わせてコード化する。
B.重合酵素連鎖反応
1.1−332c−mplリガンド
1−332アミノ酸c−mplリガンド遺伝子断片を増幅するために、逆転写酵
素反応RT#1及びRT#2の生成物を、PCRにおける鋳型として使用した。
第1の重合酵素連鎖反応(PCR#1)においては、RT#1が鋳型として役立
ったので、プライマーc−mplEcoRI[SEQ ID NO:23]及び
5’センスプライマーc−mplBglII[SEQ ID NO:24]を反
応に添加した。c−mplBglII[SEQ ID NO:24]プライマー
は、c−mplリガンド遺伝子(塩基#207−230)のコード化配列の5’
末端にアニールし、BglII制限酵素サイト5’を、読み始め暗号メチオニン
コードンに合わせてコード化する。(PCR#2)において、RT#2は鋳型と
して役立ったので、c−mplBglII[SEQ ID NO:24]プライ
マーのみを添加した。
2.1−153c−mplリガンド
1−153アミノ酸c−mplリガンド遺伝子の断片を、下記プライマーの組合
せを用いて増幅する場合に、PCR#2が鋳型として役立った。
c−mplNcoI[SEQ ID NO:25]、c−mplHindIII
[SEQ ID NO:26]、Ecocmpl[SEQ ID NO:29]
重合酵素連鎖反応#3(PCR#3)において、翻訳読み終わりコードンで、
アミノ酸#153に続いて1−153c−mplリガンドを生成させるために、
c−mplNcoI[SEQ ID NO:25]及びc−mplHindII
I[SEQ ID NO:26]プライマーを使用した。c−mplNcoIプ
ライマー[SEQ ID NO:25]はc−mplリガンド遺伝子(塩基#2
79−311)にアニールし、コードン選択縮退を起こす。その結果、この遺伝
子を Escherichia coli(E.coli)の中に効率良く転写し、翻訳することができ
る。外来遺伝子の E.coliへの転写及び翻訳は、この遺伝子の5’末端におけ
るコードンの選択によって影響を受け、E.coli優先コードン(Chenら,DN
A:365-374[1982]参照)を使用することにより、通常、より高度の表現水準を得
ることができる。コードン配列の多重選択により、多重クローンをスクリーニン
グして、高度の表現を得ることができる。メチオニン・コードン及びアラニン・
コードンの遺伝子コードの5’末端に、セリンより前に付加したNcoI制限酵
素サイトを、ここではc−mplリガンド・アミノ酸#1と呼ぶ。c−mplH
indIII[SEQ ID NO:26] は、読み終わりコードン及びHi
ndIII制限酵素サイトを、最終コードン(アルギニン)の直後に付加する。
この最終コードンを、ここではアミノ酸#153と呼ぶ。重合酵素連鎖反応#4
(PCR#4)において、読み終わりコードンなしでアミノ酸#153に続き1
−153c−mplリガンドを生成させるために、PCR#2を鋳型として、c
−mplNcoI[SEQ ID NO:25]及びEcocmpl[SEQ
ID NO:29]プライマーを使用した。Ecocmpl[SEQ ID N
O:29]プライマーは、EcoRIサイト(GAATTC)を骨格内でc−m
plリガンド遺伝子でコード化し、これによって、グルタメート及びフェニルア
ラニンのコードンが形成される。配列の中に塩基#279−737から生じた生
成物が、アミノ酸#1−153をコード化し、これらのアミノ酸を多重表現シス
テムの中へ移入できるように、これらのPCR反応を設計した。
例2
1−332c−mplリガンド遺伝子生成物のBHK発現プラスミド
完全な長さのc−mplリガンドPCR生成物(PCR#1及びPCR#2)を
BglII及びEcoRI制限酵素で消化し、組み合わせて、哺乳類c現ベクタ
ーへ移入した。この発現ベクター(pMON3976)をBamHI及びEco
RI(約3750 bp)で消化し、これによって、BglII−EcoRI PCR
断片(約1050 bp)を受け入れられるようにした。pMON3976は、pMON
3359の誘導体で、pUC18を基本とするベクターで、哺乳類発現カセット
を含んでいる。このカセットは、pUC18ポリリンカー(Hippenmeyer ら,
Bio/Technology: 1037-1041[1993]参照)にサブクローニングした単純ヘルペ
スウィルス促進因子IE110(−800〜+120)及びSV40末期ポリア
デニル化(poly−A)シグナルを含んでいる。この促進因子の元のEcoR
Iサイト5’は既に除かれ、新しいEcoRIサイトがBamHIサイトに対し
て3’に付加されている。これらの固有制限酵素サイトは、促進因子とpoly
−Aシグナルの間に位置して、BamHI−EcoRI断片又はBglII−E
coRI断片としてのDNA断片を5’−3’方向にサブクローニングし、転写
及び翻訳を容易に行えるようにしている。BglIIサイト(遺伝子の5’末端
)は、ベクターのBamHIサイトに結紮されたときに破壊される。プラスミド
DNAを個々のクローンから調製し、c−mplリガンド挿入部の配列を決定し
た。同定したクローンの一つ(pMON26451−3)は、アミノ酸#1−3
32のc−mplリガンドをアミノ酸#112−115の欠失をでコード化する
。プラスミドpMON26451−3はDNA配列[SEQ ID NO:39
]を含み、このDNA配列が、[SEQ ID NO:37]で表されるポリペ
プチドをコード化する。同定されたクローンの一つ(pMON26451−1)
は、アミノ酸1−332のc−mplリガンドを、アミノ酸置換体K(122)
Eでコード化する。プラスミドpMON26451−1はDNA配列[SEQ
ID NO:59]を含み、これが[SEQ ID NO:66]で表されるポ
リペプチドをコード化する。同定されたクローンの一つ(pMON26451−
4)
は、アミノ酸1−332のc−mplリガンドを、2つのアミノ酸置換体、P(
46)L及びW(200)Rでコード化する。プラスミドpMON26451−
4はDNA配列[SEQ ID NO:60]を含み、これが[SEQ ID
NO:67]で表されるポリペプチドをコード化する。
例3
1−153c−mplリガンド遺伝子生成物のBHK発現プラスミド
1−153c−mplリガンドPCR生成物(PCR#3)をNcoI及びHi
ndIII制限酵素(約460 bp)で消化し、哺乳類発現ベクターに移入した。この
発現ベクター(pMON3934)をNcoI及びHindIII(約3800 bp)
で消化した。pMON3934は、pMON3359の誘導体であり、pMON
3359はpUC18を基本とし、哺乳類の発現カセットを含むベクターである
。このカセットには、修飾ヒトIL−3シグナルペプチド配列である単純ヘルペ
スウィルス促進因子IE110(−800〜+120)及びpUC18ポリリン
カー(Hippenmeyer ら,Bio/Technology: 1037-1041[1993]参照)にサブクロ
ーニングしたSV40末期ポリアデニレーション(poly−A)シグナルが含
まれている。BamHI断片として、IE110促進因子とpoly−Aシグナ
ルの間にある固有BamHIサイトの中へサブクローニングされた、ヒトIL−
3シグナルペプチド配列は、その3’末端にNcoIサイトを含み、その後にH
indIIIサイトがある。このクローニングもBamHIサイト5’をシグナ
ルペプチドに残し、もう一つのBamHIサイト3’をHindIIIサイトに
残す。NcoI−HindIII断片をpMON3934の中へサブクローニン
グすると、NcoIサイトとHindIIIサイトの間のDNA配列が消失しる
。この発現カセットは、細胞の外にあるたんぱく質の分泌に有用である。シグナ
ルペプチドのDNA配列を下記に示す(制限酵素のサイトを、その上に示す)。
NcoIサイトの中のATG(メチオニン)コードンは、シグナルペプチド(下
線部)の: :開始ATGとともにフレームの中にある。
個々のクローンからプラスミドDNAを調製し、c−mplリガンド挿入部の配
列を決定した。同定されたクローンの一つ(pMON26448)がアミノ酸1
−153c−mplリガンドをコード化する。プラスミドpMON26448は
DNA配列[SEQ ID NO:58]を含み、この配列は、[SEQ ID
NO:65]で表されるポリペプチドをコード化する。同定されたクローンの
一つ(pMON26450)は、アミノ酸1−153のc−mplリガンドをア
ミノ酸#112−115の欠失でコード化する。プラスミドpMON26450
はDNA配列[SEQ ID NO:40]を含み、この配列は、[SEQ I
D NO:38]で表されるポリペプチドでコード化する。
例4
1−153Δ112−115c−mplリガンド遺伝子生成物の E.coli発現
プラスミド1
153c−mplリガンドPCR生成物(PCR#3)を、NcoI及びHi
ndIII制限酵素(約 460 bp)を消化し、NcoI及びHindIII(約3250
bp)で消化した E.coli発現ベクターpMON3935に移入する。pMON
3935は、細胞形質の中で非相同たんぱく質の高水準生産を方向付ける。pM
ON3935の発現カセットは、他の報告(Olins ら,Methods Enzym.185:1
15-119[1988]) に述べられているrecA促進因子及びT7遺伝子10リボソ
ーム結束サイト(RBS)、及び転写ターミネーターとして機能するファージP
22遺伝子の縦
列逆位繰り返し配列からなっている。カセットは、複製のpBR327起始、及
びスペクチノマイシン抵抗をコード化する遺伝子を含むプラスミド上にある。N
coI制限酵素サイトは遺伝子10RBSの後にあり、HindIII制限酵素
サイトは、NcoIサイトとP22転写ターミネーターの間に位置している。前
述したように、いくつかの異なるクローンを、SDS−PAGEを通してスクリ
ーニングし、固有17kdたんぱく質を発現させた。アミノ酸1−153のc−
mplリガンドを、アミノ酸#112−115の欠失でコード化するpMON2
6453は、このクローニングの結果生じる。プラスミドpMON26453は
、DNA配列[SEQ ID NO:49]を含み、この配列は、[SEQ I
D NO:38]で表されるポリペプチドをコード化する。
例5
1−153c−mplリガンド/マウスFcのバキュロウィルス発現プラスミド
1−153c−mplリガンドPCR生成物(PCR#4)をNcoI制限酵素
及びEcoRI制限酵素(約460 bp)で消化し、バキュロウィルス発現ベクター
に移入した。この発現ベクターpMON26440をNcoI及びEcoRI(
約10 kb)で消化した。pMON26440は、修飾マウスFc(IgG2a)の
定常領域及び蝶番部(Gross A.H.,J.Clin.Invest 95: 2783-2789[1995]
)をコード化するDNA配列を含むpVL1393(インビトローゲン)の誘導
体である。hIL−3分泌シグナルペプチドをコード化するDNA配列をベクタ
ーのBamHIサイトにサブクローニングし、クローニングに使用するシグナル
配列のNcoIサイトを3’末端に残した。マウスFc遺伝子断片(EcoRI
−BglII)を、このベクターのBglIIサイトの中にサブクローニングし
、このFcの5’末端で、EcoRIサイトがクローニングに使用できるように
した。これによって、遺伝子をNcoI−EcoRI断片として、ベクターの中
へ容易にクローニングできるようになる。 :終結コ ドンを、目的の遺伝子と
EcoRIサイトの間のフレーム中へ導入する。EcoRIサイト(GAATT
C)を目的の遺伝子の3’末端に直接付加し、これがグルタメート(GAA)及
びフェニルアラ
ニン(TTC)コードンをコード化する。EcoRIサイトの後に、第Xa因子
たんぱく質分解サイトをコード化するDNA配列がある。このたんぱく質分解サ
イトは、小さなポリペプチド・リンカー領域で、この後にはマウスFc遺伝子断
片がある。各クローンからプラスミドDNAを調製し、c−mplリガンド挿入
部の配列を決定した。マウスFcに結合した1−153Δ#112−115c−
mplリガンドからなるキメラたんぱく質をコード化するpMON26454−
4は、このクローニングによって得られたものである。プラスミドpMON26
454−4はDNA配列[SEQ ID NO:50]を含み、この配列が[S
EQ ID NO:41]で表わされるポリペプチドをコード化する。マウスF
cに結合したアミノ酸1−153c−mplリガンドからなるキメラたんぱく質
をコード化するpMON26454−8も、このクローニングの結果生じたもの
である。プラスミドpMON26454−8はDNA配列[SEQ ID NO
:61]を含み、この配列が[SEQ ID NO:68]で表されるポリペプ
チドをコード化する。
例6
1−153c−mplリガンドΔ112−115/マウスFcのBHK発現プラ
スミド
1−153c−mplリガンドΔ112−115/マウスFcを発現するBHK
プラスミドをつくるために、pMON26448のNcoI−PstI断片(約3
10 bp)を、pMON26454−4のPstI−EcoRI断片(約 150bp)と組
み合わせ、pMON3993(約4550 bp)のNcoI−EcoRIベクター断片
に結紮した。pMON3993はpMON3934(上記)の誘導体で、修飾マ
ウスFc遺伝子断片を含んでいる。EcoRI−BglIIマウスFc遺伝子断
片を:NcoIサイトのベクター3’の中へ移入し、NcoIサイトとマウスF
c遺伝子の間にEcoRIサイトを残した。ベクターの中のどこか別の場所にあ
るEcoRIサイトは、既に破壊されている。これによって、NcoI−Eco
RI断片として遺伝子をベクター内に容易にクローニングできるようにな
り、目的の遺伝子をマウスFcのフレーム内に融合させる。 終結コ ドンを
、目的の遺伝子とEcoRIサイトの間に導入した。EcoRIサイト(GAA
TTC)を問題の遺伝子の3’に直接付加し、グルタメート(GAA)コードン
及びフェニルアラニン(TTC)コードンをコード化する。マウスFcに結合し
たアミノ酸1−153Δ112−115c−mplリガンドをコード化するpM
ON26465は、このクローニングの結果生成したものである。プラスミドp
MON26465はDNA配列[SEQ ID NO:51] を含み、この配
列が、[SEQ ID NO:42]で表されるポリペプチドをコード化する。
例7
1−153c−mplリガンド△112−115のBHK発現プラスミド
アミノ酸1−153△112−115c−mplリガンドをコード化する第2の
BHK発現プラスミドを組み立てた。この中で、その結果生じるアミノ酸配列が
変化しないように、1−153Δ112−115c−mplリガンド遺伝子の5
’末端のDNA配列を変化させ、このたんぱく質の分泌量が増えるように、その
発現を最適化した。pMON26465(約370 bp)のNcoI−BamHI断片
、pMON26448(約90 bp)のBamHI−HindIII断片、及びp
MON3934(約3800 bp)のNcoI−HindIII断片を結紮することに
より、このプラスミドpMON30214を組み立てた。プラスミドDNAを個
々のクローンおよびc−mplリガンド挿入部から調製した。プラスミドpMO
N30214はDNA配列[SEQ ID NO:48]を含んでいる。この配
列は、[SEQ ID NO:38]で表されるポリペプチドをコード化する。
例8
1−153c−mplリガンド/グリサー(glyser)/IL−3変異体13288の
E.coli表現プラスミド
キメラたんぱく質1−153c−mplリガンド/グリサー/IL−3変異体1
3288(WO 94/12638)をコード化するpMON26461を、pMON26
454−8(約460 bp)のNcoI−EcoRI断片と合成リンカー(EcoS
nal[SEQ ID NO:30]、EcoSna2[SEQ ID NO:
31]をpMON13057(WO 95/21254)のSnaBI−NcoIベクトル
断片(約3500 bp)に結紮することにより組み立てた。プラスミドpMON264
61はDNA配列[SEQ ID NO:72]を含み、この配列は、[SEQ
ID NO:73]で表されるポリペプチドをコード化する。
例9
1−153c−mplリガンド/FXa/グリサー/IL−3変異体13288
のBHK発現ベクター
キメラたんぱく質1−153c−mplリガンド/FXa/グリサー/IL−3
変異体をコード化するpMON26474を、pMON26472(約860 bp)の
NcoI−HindIII断片を、pMON3934(約3800 bp)のNcoI−
HindIII断片に結紮することによって組み立てた。pMON26472(
アミノ酸1−153c−mplリガンド/FXa/グリサー/IL−3変異体1
3288)の E.coliを現プラスミドを、pMON26461(約 460 bp)のN
coI−SnaBI断片及びpMON3988(約400 bp) (WO 95/21254)の
SnaBI−HindIII断片をpMON3935(約3250 bp)のNcoI−
HindIIIベクター断片に組み合わせ、結紮することによって組み立てた。
プラスイミドpMON26474はDNA配列[SEQ ID NO:64]を
含み、この配列が、[SEQ ID NO:71]で表されるポリペプチドをコ
ード化する。
例10
1−153Δ112−115c−mplリガンド/FXa/グリサー/IL−3
変異体13288のBHK発現プラスミド。IL−3変異体13288に結合し
た
キメラたんぱく質1−153Δ#112−115c−mplリガンドをコード化
するpMON26469を組み立てた。pMON26454−4(約370 bp)の
NcoI−BamHI断片を、pMON26474(約490 bp)のBamHI−
HindIII断片及びpMON3934(約3800 bp)のNcoI−HindI
IIベクター断片と組合せた。プラスミドpMON26469はDNA配列[S
EQ ID NO:52] を含み、この配列は、[SEQ ID NO:43
]で表されるポリペプチドをコード化する。
例11
1−153Δ112−115c−mplリガンド/IL−3変異体13288キ
メラのBHK発現プラスミド
IL−3変異体13288に結合したキメラたんぱく質1−153Δ112−1
15c−mplリガンドをコード化するpMON30243を、pMON264
69(約460 bp)のNcoI−SnaBI断片を、pMON26427(WO 9
5/21254)のSnaBI−HindIII断片(約400 bp)と組み合わせ、pMO
N3934のNcoI−HindIII断片(約3800 bp)に結紮することによっ
て組み立てた。プラスミドpMON30243はDNA配列[SEQ ID N
O:53]を含む。この配列が、[SEQ ID NO:44]で表されるポリ
ペプチドをコード化する。
例12
IL−3変異体13288/FXa/グリサー/1−153c−mplリガンド
の E.coli発現プラスミド
pMON26460(キメラたんぱく質IL−3変異体13288/FXa/グ
リサー/アミノ酸1−153c−mplリガンド生産用 E.coli発現プラスミ
ド)を、pMON26448(約460 bp)のNcoI−HindIII断片をp
MON13018(WO 95/21254)のAflIII−HindIIIベクター断
片
(約3500 bp)に結紮ことによって組み立てた。プラスミドpMON26460は
DNA配列[SEQ ID NO:62]を含み、この配列が、[SEQ ID
NO:69]で表されるポリペプチドをコード化する。
例13
IL−3変異体13288/グリサー/1−153c−mplリガンドの E.c
oli発現プラスミド
pMON26471(キメラたんぱく質IL−3変異体13288/グリサー/
1−153c−mplリガンドの E.coli発現プラスミド)を、pMON26
426(約370 bp)のNcoI−SmaI断片を、pMON26460(約490 b
p)のSmaI−HindIII断片に結紮することによって、pMON3935
(3250 bp)のNcoI−HindIIIベクター断片の中に組み立てた。pMO
N26426は、pMON13056(WO 95/21254)のNcoI−HindI
II断片(約950 bp)を、pMON3934(約3800 bp)のNcoI−Hind
IIIベクター断片(約3800 bp)に移入することによって組み立てた。プラスミ
ドpMON26471はDNA配列[SEQ ID NO:63]を含み、この
配列が、[SEQ ID NO:70]で表されるポリペプチドをコード化する
。
例14
IL−3変異体13288/グリサー/1−153Δ112−115c−mpl
リガンドのBHK発現プラスミド
グリシン−セリン・リンカーを経由してアミノ酸1−153Δ112−115c
−mplリガンドに結合したIL−3変異体13288を発現するpMON30
272を、pMON26473(約700 bp)のNcoI−pstI断片を、pM
ON30214(約160 bp)のpstI−HindIII断片と組み合わせ、p
MON3934(約3800 bp)のNcoI−HindIII断片に結紮することに
よって組み立てた。pMON26471(約880 bp)のNcoI−HindII
I断片を、pMON3934(約 3800 bp)のNcoI−HindIIIベクタ
ー断片に結紮することによりpMON26437を組み立てた。プラスミドpM
ON30272はDNA配列[SEQ ID NO:54]を含み、この配列が、
[SEQ ID NO:45]で表されるポリペプチドをコード化する。
例15
1−153Δ112−115/his6c−mplリガンドのBHK発現プラス
ミド
1−153Δ112−115/his6c−mplリガンドを街現するpMON
30253を、pMON26465をEcoRIで消化し、C−末端にポリヒス
チジン標識を付加する合成リンカーを結紮することによって組み立てた。このリ
ンカーは、HisC1[SEQ ID NO:32]プライマー及びHisC2
[SEQ ID NO:33]プライマーをアニールすることによって組み立て
た。このリンカーは、c−mplリガンド分子の直後に、GluPheHisH
isHisHisHisHis[SEQ ID NO:57]尾部をつくる。最
後のHisコ ドンに続く: :終結コ ドンにより、この点から先の翻訳が阻止
される。このDNAは、c−mplリガンド遺伝子に対して直接3’、ポリヒス
チジン尾部に対して5’の位置にある、固有EcoRIサイトを保つリンカーの
向きを確認するように配列された。プラスミドpMON30253はDNA配列
[SEQ ID NO:55]を含み、この配列が[SEQ ID NO:46
]で表されるポリペプチドをコード化する。
例16
his6/1−153Δ112−115c−mplリガンドのBHK発現プラス
ミド
his6/1−153Δ112−115c−mplリガンドを発現するpMON
30274を、pMON30214をNcoIで消化し、N−末端にポリヒスチ
ジン標識を付加する、合成リンカーを結紮することにより組み立てた。このリン
カーは、HisN1[SEQ ID NO:34] プライマー及びHisN2
[SEQ ID NO:35]プライマーをアニーリングすることによって組み
立てられた。このリンカーは、c−mplリガンド分子のすぐ前に、HisHi
sHisHisHisHisAlaMetAla[SEQ ID NO:36]
標識をつくる。DNAは、この標識に対して3’、c−mplリガンド遺伝子に
対して5’の固有NcoIサイトを保持する、リンカーの向きを確認するように
配列した。プラスミドpMON30274はDNA配列[SEQ ID NO:
56]含み、この配列が、[SEQ ID NO:47]で表されるポリペプチ
ドをコード化する。
例17
前例における遺伝子の組み立て
例1−6から、制限酵素消化及び結紮(Sambrook ら,Molecular Cloning:
A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press
社,Cold Spring Harbor,NY[1989]参照)によって、種々の遺伝子断片を
組み合わせ、種々の異なるc−mplリガンド遺伝子を組み立てることができる
。これらの例から得られる遺伝子は、制限酵素で遺伝子のいずれかの末端及び内
部で消化し、希望する遺伝子断片を切り離すことができる。次に、種々の断片を
相補末端部を介して、DNAリガーゼで相互又は発現ベクターに結紮することが
できる。結紮したDNAは、E.coli の中へ形質変換することができ、プラス
ミドDNAの配列を決定してコロニーをスクリーニングし、希望する遺伝子生成
物を得ることができる。ポジティブクローンを特定した後、プラスミドDNAを
適切な哺乳類細胞又は E.coli菌株に移入して、生産することができる。
例18
サイト指向突然変異生成
合成遺伝子組み立て技術又はサイト指向突然変異変異生成技術(Taylor ら,N
ucl.Acids Res.13: 7864-8785[1985]、Kunkel ら,Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 82: 488-492[1985]、Sambrook ら,Molecular Cloning: A L
aboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press 社,
Cold Spring Harbor,NY[1989]、WO 94/12639、WO 94/12638 参照)の
いずれかを用いて、各位置で種々のアミノ酸置換を行うことができる。これらの
置換は一度に一つずつしかできない場合もあれば、他のアミノ酸置換と組み合わ
せて行える場合もある。変化した配列を確認後、プラスミドDNAを、適切な哺
乳類細胞又は E.coli菌株の中へ移入して、生産に移すことができる。
例19
c−mplキメラたんぱく質のSDS折り畳みプロトコル
A.封入体からのc−mplキメラたんぱく質の回収
キメラたんぱく質を表現している300 mlの培養液から得られた E.coli細胞を
トリスHCl 20 mM、EDTA5mM、pH 8.0からなる溶液 150 ml の中に
再懸濁する。細胞の再懸濁液を標準手段で3分間、氷の上で音波処理し、次に5
000 x g で 30 分間遠心分離する。回収した封入体(IB)のペレットを、トリ
スHCl 20 mM、EDTA 1ml、 pH 8.0からなる溶液 150 ml の中に再
懸濁して2回洗浄し、上記の通り音波処理し、5000 x gで30分間遠心分離する
。洗浄したIBペレットは、直ちに、或いは70℃で貯蔵した後に使用できる。I
B物質を処理する場合、大規模処理を行う場合と同じように、Manton-Gaulin
ホモジナイザーを使用して、多量の細胞を分断することもできる。
B.モノマー c−mplリガンド・キメラたんぱく質の可溶化及び再折り畳み
洗浄したIBペレットを、0.1 %(w/v)のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を
50 mL/1 g 細胞ペレットの割合で含む、pH 9.0(pH 8.0-9.75 が適当)の
100 mM トリスHClに、手動組織ホモジナイザーを使用して再懸濁する。懸
濁液を同じ緩衝液で200 mLに希釈し、4℃で(5−15分間)掻き混ぜ、完全
に混合する。ジチオスレイトール(DTT)を添加して濃度を20 mM とし、次
にL−システイン(Sigma #4820)を添加して、最終濃度を1mM とする(DT
Tは、新しく50倍に希釈した元溶液を、システインは新しく 100倍に希釈した元
溶液を添加する。元溶液は、pH 9.00 の100 mMトリスHClを溶媒として調
製する)。折り畳み溶液を、緩く蓋をした容器の中で、適当に掻き混ぜながら4
℃(4℃−25℃が適当)で(18−72時間)空気酸化する。rHPLC分析を使用
して、折り畳み状況を監視し、その完了を確認する。
例20
c−mplリガンド及びキメラ分子の生物活性の定量
下記の定量分析においては、 pMON26448(1−332c−mplリ
ガンド)及びhIL−3変異体(pMON13288、WO 94/12638)を、活性
対照標準として使用する。
1.TF1増殖量の定量分析
c−mplリガンドの増殖活性を、多潜能力のヒト細胞系TF1(北村ら,J
.Cell Physiol 140: 323-334[1989])のサブクローンを使用して定量する。T
F1細胞はh−IL3(100 U/mL)の中で保持される。c−mplリガンドに
反応するサブクローンを確定するために、1−153型のc−mplリガンド(
pMON26448)を表現している遺伝子とともに移入した、BHK細胞の上
澄液10%を含む継代培地の中で、細胞を保持する。大部分の細胞は死ぬが、サブ
セットの細胞は生き延びる。希釈クローニングを行った後、分析の準備ができる
までに、c−mplリガンドに反応するクローンを選び出し、これらの細胞を、
0.3 x 10 6細胞/mL の密度まで、継代培地の中へ分割添加する。これらの細胞
には、RP
MI1640(Gibco 社)、10%FBS(Harlan 社、ロット番号91206
)、形質移入したBHK細胞から得た10%c−mplリガンド上澄液、1mMピ
ルビン酸ナトリウム(Gibco 社)、2mMグルタミン(Gibco 社)、及び100μ g
/mLペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco 社)からなる継代培地を使用し
た。翌日、細胞を収穫し、RPMI又はIMDM培地で2回洗浄して、最後にA
TL即ち分析に使用する培地の中で洗浄する。ATL培地は、IMDM(Gibco
社)、ウシ血清アルブミン 500 μg/mL、ヒト・トランスフェリン 100 μ g/m
L、大豆脂質 50 μ g/mL、ベータ−メルカプトエタノール4x10-8M、及びA
9909(Sigma 社、抗生物質溶液)2mL/1000 mL ATLから成っている。
細胞を、96個に区画された低蒸発プレート(Costar 社)の分析培地の中で、最
終密度0.25 x 106細胞/mL、最終体積 50 μlまで希釈する。移入クローンから
得られる一過性上澄液(馴化培地)50 μlを二重サンプルとして添加し、最終
濃度を 50 %とし、3倍希釈を繰り返して、最終濃度を 1.8%とした。1 ng/mL
から出発して3倍希釈を重ね、0.0014 ng/mL まで希釈したIL−3変異体(
pMON13288)の投与量曲線の三重サンプルを、陽性対照標準として分析
サンプルに含めた。平板を5%CO2 及び37℃でインキュベートした。培養6日
目に、0.5 ciの 3H/区画(NEN)を、プレートに 20 μl/区画ずつ間欠
的に添加し、5%CO2 及び 37 ℃で4時間インキュベートした。プレートを収
穫し、ベータプレート・カウンターで計数を行った。
表1.上表に挙げたc−mplリガンドの試験は、TF1増殖分析法で実施した
。試験した全c−mplリガンドは、この分析で活性を示した。
その他体外細胞分析も、キメラで構成されるコロニー刺激因子の種類によって
は、c−mplリガンド又はキメラ分子の活性定量に有用である。下記は、その
他有用な分析方法の例である。さらに,キメラの構成成分の一つに対抗してつく
られた単一クローン性遮断抗体が、キメラの各構成成分の活性を確認する細胞増
殖分析に使用できる。
32D増殖分析:32DはネズミのIL−3に依存する細胞系で、ヒトのIL−
3には反応しないが、ヒトのG−CSF(種の制限を受けない)には反応する。
Baf/3増殖分析:Baf/3はネズミのIL−3に依存する細胞系で、ヒト
のIL−3又はヒトのc−mplリガンドには反応しないが、ヒトのG−CSF
(種の制限を受けない)には反応する。
T1165増殖分析:T1165細胞はIL−6に依存するネズミの細胞系(No
rdan ら,1986)で、IL−6及びIL−11に反応する。
AML193増殖分析:急性骨髄性貧血患者から確定されたこの細胞系は、成長
因子依存性の細胞系で、培地にGM−CSFを補充すると成長が高められること
が認められた(Lange,B.ら(1987)、 Valtieri,M.ら(1987)。 AML
細胞系も、ヒトのIL−3及びG−CSFに反応する。
トランスフェクト(移入)細胞系:Baf/3細胞系のような細胞系は、細胞系が
持っていないヒトIL−3レセプター又はヒトc−mplリガンド・レセプター
のような、コロニー刺激因子レセプターとともに移入できる。細胞系にレセプタ
ーを移入したリガンドの活性確定に、これらの形質移入細胞系が使用できる。
c−mpl反応性細胞系のライブラリーから採取した、c−mplコード化c
DNAをクローニングして、このような移入Baf/3細胞系の一つをつくり、
これをプラスミドpcDNA3(Invitrogen 社,San Diego,Ca)の多重ク
ローニング・サイトの中にクローニングした。Baf/3細胞は、エレクトロポ
ーテーション法で、このプラスミドとともに形質移入した。この細胞を、マウス
IL−3の存在下、Wehi馴化培地の中で、G418選択法で育成した。限界
希釈法でクローンを確立した。
表2.pMON26465及びpMON26458の増殖活性は、ヒトc−mp
l−R(Baf/3−cmpl−R)とともに形質移入したBaf/3細胞、及
びTF1.2.B4細胞系の中で分析した。細胞には、1μCi/トリチウム標識区
画を一晩に亘り間歇添加(Baf/3−cmpl−R細胞)するか、又は4時間
に亘り間歇添加(TF1.2.B4細胞)し、ベータプレート・カウンターで全計数
値 cpm(3H)を定量した。
2.骨髄増殖分析
a.CD34+細胞の増殖:
15−20 mL の骨髄吸引物を、正常な骨髄ドナーからインフォームド・コンセ
ントを得て採取した。細胞を食塩加リン酸緩衝液(PBS社、Gibco−BR
L
社)の中に1:3の割合で希釈し、30 mL を 15 mLの Histopaque-1077(S
igma社)上に層状に重ね、30分間300 RCFで遠心分離した。単核界面層を
採取し、PBS中で洗浄する。PBS中でCD+34細胞を単核細胞試料から、
メーカーの説明(CellPro 社,Bothell WA)に従い、アフィニティカラムを
使用して富化する。富化後、フルオロセインに共役した抗CD34モノクロナー
ル抗体及びフィコエリトリンに共役したCD38(Becton Dickinson 社,San
Jose CA)を使用し、フローサイトメトリック分析法で測定した結果、CD3
4+細胞の純度は平均70%であった。
細胞を40,000個/mL の濃度で10種類の半ビボ培地(Bio-Whittaker 社,Wal
kersville MD)に再懸濁し、1mLを12個の区画を有する組織培養プレート(C
ostar 社)で平板培養した。ヒトIL−3変異体pMON13288を10 ng/m
L又は100 ng/mL使用する。c−mplリガンドをコード化するプラスミドとと
もに形質移入したBHK細胞から馴化培地を採取、この馴化培地100 μlの上澄
液を1mL の培養液に添加(約10%に希釈)してテストする。細胞を、37℃の加
湿インキュベーターの中で、CO2濃度5%、37℃で8−14日間インキュベート
する。
b.細胞の収穫及び分析:
培養期間の終わりに、各条件について、全細胞計数値を求める。蛍光分析及び
倍数分析のために、細胞を巨核球緩衝液(MK緩衝液、クエン酸ナトリウム 13.
6mM、テオフィリン 1mM、PGEl 2.2μ m、グルコース 11 mM、BSA
3% v/w、PBS溶液中、pH 7.4)で洗浄(Tomer ら,Blood 70(6): 1735-4
2[1987])する。即ち、抗CD41aFITC抗体を含むMK緩衝液 500μl の
中に再懸濁(1:200、AMAC社,Westbrook 社,ME)して洗浄する。DN
A分析のために、氷の上で20分かけて、0.5 %の Tween20(Fisher 社,Fair
Lawn NJ)を含むMK緩衝液の中に細胞を浸透させ、30分かけて、0.5 %の
Tween 20 及び1%のパラホルムアルデヒド(Fisher Chemical 社)で固定し
、氷の上で、55% v/v MK緩衝液(200 mOsm)中にRNAase(400 U/mL
)を加えて調製したヨウ化プロピジウム(50μ g/mL、Calbiochem 社,La Jo
lla CA)の中で1−2時間インキュベートする。細胞をFACScan又は V
antageフロー・サイトメーター(Becton Dickinson 社,
San Jose CA)で分析する。緑色蛍光(CD41a−FITC)を、赤色蛍光
(PI)の直線及びログ信号とともに集め、DNA倍数性を求めた。全ての細胞
を採取し、CD41+細胞の割合を求める。LYSISソフトウェア(Becton
Dickinson 社,San Jose CA)を使用してデータ解析を行う。フロー・サイ
トメトリー分析から、CD41抗体を表現している細胞の割合(%)を求める。
CD41+細胞/mL の絶対(Abs)数を下式により計算する:(Abs)=
(細胞計数値)*(%)/100
表3.上記c−mplリガンドの試験は、巨核球液体培養分析で実施した。この
分析において、pMON26448及びpMON26451−1が活性を示した
。
表4.上記c−mplリガンドは、上記の巨核球液体培養分析法でテストした。
pMON26450及びpMON26451−3は、それ自体に活性は認められ
なかったが、ヒトIL−3レセプター作動薬pMON13288とともに同時投
与した場合には、pMON13288を越える活性を示した。
3.巨核球フィブリン凝固分析
CD34+富化固体群を、上記のように分離した。シトキンの存在下又は不存
在下に、細胞を 25,000 個/mL の濃度で、基本IscovesIMDM培地に
BSA 0.3%、アポトランスフェリン 0.4 mg/mL、FeCl2 6.67 μM、C
aCl2 25 μ g/mL、L−アスパラギン 25 μ g/mL、E−アミノ−n−カプ
ロイン酸 500μ g/mL、及びペニシリン/ストレプトマイシンからなる培地に懸
濁す
る。35 mm のプレートの中に移植する前に、トロンビンを添加(0.25単位/mL
)し、凝固物生成を開始させる。CO2濃度5%で、細胞を37℃で13日間、加湿
インキュベーターの中でインキュベートする。培養期間の終わりに、プレートを
メタノール:アセトン(1:3)混合物で固定し、空気乾燥し、-200 ℃で貯蔵
し、染色する。 抗CD41a、抗CD42、及び抗CD61からなる第1モノ
クロナール抗体カクテルによる、ペルオキシダーゼ免疫細胞化学染色法(Zymed
、Histostain-SP 社,San Francisco CA)で染色する。染色後、コロニー
を数え、陰性、CFU−MK(焦点数1−2個、細胞数25個未満の小コロニー
)、BFU−MK(多焦点、細胞数25個を越える大コロニー)、又は混合コロ
ニー(陽性細胞と陰性細胞の混合体)に分類する。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年2月28日
【補正内容】
請求の範囲
1.下式のc−mplリガンド:
ここに、
位置37のXaaは、Thr、Asp、又はGluであり、
位置46のXaaは、Phe、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tr
p、又はMetであり、
位置47のxaaは、Ser、Asp、又はGluであり、
位置112のXaaは、欠失又はLeu、Ala、Val、Ile、Pro、P
he、Trp、又はMetであり、
位置113のXaaは、欠失又はPro、Phe、Ala、Val、Leu、I
le、Trp、又はMetであり、
位置114のXaaは、欠失又はPro、Phe、Ala、Val、Leu、I
le、Trp、又はMetであり、
位置115のXaaは、欠失又はGln、Gly、Ser、Thr、Tyr、又
はAsnであり、位置122のXaaは、Lys、Arg、His、Glu、又
はAspであり、位置200のXaaは、Trp、Ala、Val、Leu、I
le、Pro、Phe、Met、Arg、Lys、又はHisであり、
ここに、アミノ酸1から179をC−末端から欠失することができ、且つ、Xa
aで示した少なくともアミノ酸の一つは、天然のc−mplリガンド(1−33
2)のアミノ酸配列と異なり、当該たんぱく質は、Met−1、Ala−1又はM
et−2Ala−1によって、場合により先行されていてもよい。
2.請求項1のc−mplリガンドにおいて、
位置37のXaaは、Thr、Asp、又はGluであり、
位置46のXaaは、Phe、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tr
p、又はMetであり、
位置47のXaaは、Ser、Asp、又はGluであり、
位置112のXaaは、欠失し、
位置113のXaaは、欠失し、
位置114のXaaは、欠失し、
位置115のXaaは、欠失し、
位置122のXaaは、Lys、Arg、His、Glu、又はAspであり、
位置200のXaaは、Trp、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、P
he、Met、Arg、Lys、又はHisであるc−mplリガンド、
ここに、アミノ酸112−115は欠失し、アミノ酸1−179はC−末端から
除くことができ、Xaaで示される1つ又は2つ以上のアミノ酸は対応する天然
c−mplリガンド(1−332)のアミノ酸と異なり、これらのアミノ酸はM
et−1、Ala−1又はMet−2Ala−1によって、場合により先行さ
れていてもよい。
3.請求項1のc−mplリガンドにおいて、
位置37のXaaは、Thr、Asp、又はGluであり、
位置46のXaaは、Ala、Val、Leu、又はIleであり、
位置47のXaaは、Ser、Asp、又はGluであり、
位置112のXaaは、欠失又はAla、Val、Ile、或いはPheであり
、
位置113のXaaは、欠失又はPhe、Ala、Val、Leu、Ile、T
rp、或いはMetであり、
位置114のXaaは、欠失又はPhe、Ala、Val、Leu、Ile、T
rp、或いはMetであり、
位置115のXaaは、欠失又はAsnであり、
位置122のXaaは、Arg、His、Glu、又はAspであり、
位置200のXaaは、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、又はMet
であるc−mplリガンド。
4.請求項1のc−mplリガンドにおいて、
位置37のXaaは、Thr、Asp、又はGluであり、
位置46のXaaは、Ala、Val、Leu、又はIleであり、
位置47のXaaは、Ser、Asp、又はGluであり、
位置112のXaaは、Ala、Val、Ile、又はPheであり、
位置113のXaaは、Phe、Ala、Val、Leu、Ile、Trp、又
はMetであり、
位置114のXaaは、Phe、Ala、Val、Leu、Ile、Trp、又
はMetであり、
位置115のXaaはAsnであり、
位置122のXaaは、Arg、His、Glu、又はAspであり、
位置200のXaaは、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、又はMet
であるc−mplリガンド。
5.請求項1のc−mplリガンドにおいて、
位置37のXaaは、Thr、Asp、又はGluであり、
位償46のXaaは、Leu、又はPheであり、
位置47のXaaは、Ser、Asp、又はGluであり、
位置112のXaaは、欠失又はLeuであり、
位置113のXaaは、欠失又はProであり、
位置114のXaaは、欠失又はProであり、
位置115のXaaは:欠失又はGlnであり、
位置122のXaaは、Lys又はGluであり、
位置200のXaaは、Trp又はArgであるc−mplリガンド。
6.請求項1のc−mplリガンドにおいて、
位置46における当該XaaがLeuであり、
位置112におけるXaaがLeuであり、
位置113におけるXaaがProであり、
位置114におけるXaaがProであり、
位置115におけるXaaがGlnであり、
位置122における当該XaaがGluであり、且つ、
位置200における当該XaaがArgであるc−mplリガンド。
7.下記突然変異の一つを有する天然c−mplリガンド(1−332)配列
を有する請求項1のc−mplリガンド。
位置122がGlu、又は
位置46がLeuで、且つ位置200がArg、又は、
位置200がArg。
8.下式のc−mplリガンド、
ここに、
位置37のXaaは、Thr、Asp、又はGluであり、
位置46のXaaは、Phe、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tr
p、又はMetであり、
位置47のXaaは、Ser、Asp、又はGluであり、
位置112のXaaは、欠失又はLeu、Ala、Val、Ile、Pro、P
he、Trp、或いはMetであり、
位置113のXaaは、欠失又はPro、Phe、Ala、Val、Leu、I
le、Trp、或いはMetであり、
位置114のXaaは、欠失又はPro、Phe、Ala、Val、Leu、I
le、Trp、或いはMetであり、
位置115のXaaは、欠失又はGln、Gly、Ser、Thr、Tyr、或
いはAsnであり、
位置122のXaaは、Lys、Arg、His、Glu、又はAspであり、
ここに、Xaaで示されるアミノ酸の少なくとも一つは、天然のc−mplリガ
ンド(1−153)のアミノ酸配列と異なり、且つ、Met−1、Ala−1又は
Met−2Ala−1によって、場合により先行されていてもよい。
9.請求項8のc−mplリガンドにおいて、
位置37のXaaは、Thr、Asp、又はGluであり、
位置46のXaaは、Phe、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tr
p、又はMetであり、
位置47のXaaは、Ser、Asp、又はGluであり、
位置112のXaaは、欠失し、
位置113のXaaは、欠失し、、
位置114のXaaは、欠失し、
位置115のXaaは、欠失し、
位置122のXaaは、Lys、Arg、His、Glu、又はAspである、
c−mplリガンド、
ここに、Xaaで示される1つ又は2つ以上のアミノ酸は、天然c−mplリガ
ンド(1−153)のアミノ酸配列と異なり、当該たんぱく質は、Met−1、
Ala-1又はMet-2Ala-1によって、場合により先行されていてもよい。
10.請求項8のc−mplリガンドにおいて、
位置37のXaaがThr、Asp、又はGluであり、
位置46のXaaがLeu、又はPheであり、
位置47のXaaがSer、Asp、又はGluであり、
位置112のXaaが欠失又はLeuであり、
位置113のXaaが欠失又はProであり、
位置114のXaaが欠失又はProであり、
位置115のXaaが欠失又はGlnであり、
位置122のXaaがLys又はGluであり、且つ、
11.天然のc−mplリガンド(1−153)配列を有し、次の突然変異の一
つ、位置122にGlu、又は、
位置46にLeuを有する請求項8のc−mplリガンド。
12.請求項1に準拠し、[SEQ ID NO:37]のたんぱく質配列を有
する請求項1のc−mplリガンド。
13.請求項8に準拠し、[SEQ ID NO:38]のたんぱく質配列を有
する請求項8のc−mplリガンド。
14.請求項1に準拠し、マウスFc定常領域のキメラであり、[SEQ ID
NO:41]及び[SEQ ID NO:42]のグループから選ばれたたん
ぱく質配列を有するc−mplリガンド。
15.R1は請求項1のc−mplリガンドであり、
R2 は、GM−CSF、CSF−1、G−CSF、M−CSF、エリトロポイ
エチン(EPO)、IL−1、IL−2、IL−3、hIL−3変異体、IL−
5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12
、IL−13、IL−15、IL−16、LIF、flt3/flk2、ヒト成長ホル
モン、B−細胞成長因子、B−細胞分化因子、好酸性分化因子、及び幹細胞因子
(SCF)からなるグループから選ばれたコロニー刺激因子であり、且つ、
LはR1及びR2の連結が可能なリンカーである、
R1−L−R2、R2−L−R1、R1−L−R1からなるグループから選ば
れた式を有するキメラたんぱく質。
16.R1は請求項8のc−mplリガンドであり、
R2は、GM−CSF、CSF−1、G−CSF、M−CSF、エリトロポイ
エチン(EPO)、IL−1、IL−2、IL−3、hIL−3変異体、IL−
4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11
、IL−12、IL−13、IL−15、IL−16、LIF、flt3/flk2、ヒ
ト成長ホルモン、B−細胞成長因子、B−細胞分化因子、好酸性分化因子、及び
幹細胞因子(SCF)からなるグループから選ばれたコロニー刺激因子であり、
且つ、
LはR1及びR2の連結が可能なリンカーである、
R1−L−R2、R2−L−R1、R1−L−R1からなるグループから選ば
れた式を有するキメラたんぱく質。
17.[SEQ ID NO:43]、[SEQ ID NO:44]、及び[SE
Q ID NO:45]からなるグループから選ばれたアミノ酸配列を有する、
請求項16に準拠するキメラたんぱく質。
18.[SEQ ID NO:40]、[SEQ ID NO:48]、及び[SE
Q ID NO:49]からなるグループから選ばれたDNA配列を有するベク
ターDNA、及び請求項8のリガンドをコード化するDNAを含む組み換えDN
A配列。
19.[SEQ ID NO:39]のDNA配列を有するベクターDNAを有
し、且つ請求項12のリガンドをコード化するDNAを含む組み換えDNA配列。
20.[SEQ ID NO;50]及び[SEQ ID NO:51]からな
るグループから選ばれたDNA配列を有するベクターDNA、及び請求項14のリ
ガンドをコード化するDNAを含む組み換えDNA配列。
21.[SEQ ID NO:52]、[SEQ ID NO:53]、及び[SE
Q ID NO:54]からなるグループから選ばれたDNA配列を有するベク
ターDNA、及び請求項16のリガンドをコード化するDNAを含む組み換えDN
A配列。
22.下記のステップを含む変異体c−mplリガンドを生産する方法。
(a)ベクターDNA、及び請求項1のポリペプチド、請求項2のポリペプチ
ド、請求項3のポリペプチド、請求項4のポリペプチド、請求項5のポリペプチ
ド、請求項6のポリペプチド、請求項7のポリペプチド、請求項8のポリペプチ
ド、請求項9のポリペプチド、請求項10のポリペプチド、請求項11のポリペプチ
ド、請求項12のポリペプチド、請求項13のポリペプチド、請求項14のポリペプチ
ド、請求項15のポリペプチド、請求項16のポリペプチド、請求項17のポリペプチ
ドからなるグループから選ばれた、組み換えDNAからコード化ポリペプチドの
発現を許容できる条件下で、ポリペプチドのアミノ酸配列を有するc−mplリ
ガンドをコードするDNA配列からなる組み換えDNA配列を含む宿主細胞培養
ステップ、および
(b)この培養液からポリペプチドを収穫するステップ。
23.治療有効量の、請求項1、2、8、9、11、12、13、14、15、16、又は17
のc−mplリガンド、並びに医薬品に許容される担体を含む医薬 組成物。
24.治療有効量の、請求項1のc−mplリガンド、
GM−CSF、CSF−1、G−CSF、M−CSF、エリトロポイエチン(E
PO)、IL−1、IL−2、IL−3、hIL−3変異体、IL−4、IL−
5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12
、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、LIF、flt3/flk2、ヒ
ト成長ホルモン、B−細胞成長因子、B−細胞分化因子、好酸球分化因子、及び
幹細胞因子(SCF)からなるグループから選ばれたコロニー刺激因子、
並びに、医薬品に許容される担体を含む
医薬 組成物。
25.治療有効量の、請求項8のc−mplリガンド、
GM−CSF、CSF−1、G−CSF、M−CSF、エリトロポイエチン(E
PO)、IL−1、IL−2、IL−3、hIL−3変異体、IL−4、IL−
5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12
、IL−13、LIF、flt3/flk2、ヒト成長ホルモン、B−細胞成長因
子、B−細胞分化因子、好酸球分化因子、及び幹細胞因子(SCF)、
のグループから選ばれたコロニー刺激因子、
並びに、医薬品に許容される担体を含む
医薬 組成物。
26.下記式のc−mplリガンドから成る医薬 組成物、
ここに、位置37のXaaはThr、Asp、又はGluであり、位置46のX
aaはPhe、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Trp、又はMet
であり、
位置47のXaaはSer、Asp、又はGluであり、
位置112のXaaは、欠失又はLeu、Ala、Val、Ile、Pro、P
he、Trp、或いはMetであり、
位置113のXaaは、欠失又はPro、Phe、Ala、Val、Leu、I
le、Trp、或いはMetであり、
位置114のXaaは、欠失又はPro、Phe、Ala、Val、Leu、I
le、Trp、或いはMetであり、
位置115のXaaは、欠失又はGln、Gly、Ser、Thr、Tyr、或
いはAsnであり、
位置122のXaaは、Lys、Arg、His、Glu、又は、Aspであり
、
位置200のXaaは、Trp、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、P
he、Met、Arg、Lys、又は、Hisであり、
ここに、アミノ酸1から179まではC−末端から欠失でき、且つ、位置112
、113、114、115のアミノ酸の少なくとも一つは欠失するか、又は天然
のc−mplリガンド(1−332)のアミノ酸配列と異なり、位置37、46
、47、122、又は200のアミノ酸の少なくとも一つは場合により、天然c
−mplリガンドのアミノ酸配列と異なり、同タンパク質は場合によりMet-1
、Ala-1またはMet-2Ala-1により先行されていてもよい。
27.患者の体内で造血細胞生産を刺激する、薬剤を製造するための、請求項1、
2、8、9、11、12、13、14、15、16、又は17記載のc−mplリガンド、或いは請
求項26で定義されるc−mplリガンドの使用。
28.(a)幹細胞を他の細胞から分離し、(b)当該分離幹細胞を、請求項1
、2、8、9、11、12、13、14、15、16、又は17のc−mplリガンド、或いは
請求項26のc−mplリガンドを含む選択培地で培養し、(c)当該培養細胞を
収穫する、
各ステップを含む幹細胞の選択的ex-vivo膨張方法。
29.請求項1、2、8、9、11、12、13、14、15、16、又は17のc−mplリ
ガンド、或いは請求項26で定義されるc−mplリガンドの使用であって、(a
)幹細胞を取り出し、(b)幹細胞を他の細胞から分離し、(c)当該分離細胞
を、治療薬剤を含む選択培地で培養し、(d)当該培養細胞を収穫する、
各ステップを含む造血障害患者の治療薬剤を調製するための使用。
30.請求項1、2、8、9、11、12、13、14、15、16、又は17のc−mplリ
ガンド、或いは請求項26で定義されるc−mplリガンドを使用であって、(a
)幹細胞を取り出し、(b)幹細胞を他の細胞から分離し、(c)当該分離幹細
胞にDNAを導入し、(d)当該分離幹細胞を、当該リガンドを含む選択培地で
培養し、(e)当該培養細胞を収穫し、(f)当該収穫細胞を、このような治療
を必要とする患者に移植する、
各ステップを含むヒト遺伝子治療用薬剤の調製のための使用。
31.請求項1、2、8、9、11、12、13、14、15、16、又は17のc−mplリ
ガンド、或いは請求項26で定義されるc−mplリガンドを使用であって、(a
)当該リガンドを投与し、(b)造血細胞を 血液ドナーから採取する、血液
ドナー造血細胞の生産刺激薬剤の調製のための使用。
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A61K 38/27 C07K 19/00
48/00 C12P 21/02 C
C07K 14/52 A61K 37/02 ABY
19/00 37/36
C12P 21/02 37/24
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U
G),UA(AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM
),AL,AM,AT,AU,AZ,BB,BG,BR
,BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,
ES,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,K
G,KP,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU
,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,
NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S
I,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US
,UZ,VN
(72)発明者 ファーバラ,ジーン ピー.
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ールウィン,ホーリィ ガーデン ドライ
ブ 142
(72)発明者 カーン,ラリー イー.
アメリカ合衆国 63146 ミズーリ州 セ
ントルイス,テンポ ドライブ 1030
(72)発明者 バウム,チャールズ エム.
アメリカ合衆国 63131 ミズーリ州 セ
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1712
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アメリカ合衆国 63017 ミズーリ州 チ
ェスターフィールド,オーク バラ ドラ
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アメリカ合衆国 63038 ミズーリ州 セ
ントルイス,バブラー メドウズ ドライ
ブ 18612