JPH11500954A - 塩素含有ガス流の膜処理法 - Google Patents
塩素含有ガス流の膜処理法Info
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Abstract
(57)【要約】
塩素含有ガス流から塩素を分離するための膜方法(1)が開示される。この方法では、塩素選択性があり、塩素が長期に存在しても安定である、選択透過性膜(2)を用いる。上記方法は、例えば、クロル−アルカリプラントからのテールガスの処理に使用できる。
Description
【発明の詳細な説明】
塩素含有ガス流の膜処理法
技術分野
本発明は、膜を主体としたガス分離、具体的には塩素含有ガス流からの塩素の
除去及び回収に関する。
背景技術
塩素は、世界的に製造されている最も重要な10の商品化学薬品の中に入って
いる。1991年における米国における塩素の総生産量は、約14,000,0
00トン(12,700,000メートルトン)であって、そのほとんどがブラ
インの電気分解により製造されたと報告されている。電気分解の生成物は、水、
水素、空気及び他の不純物で汚染された塩素ガスである。水及び他の不純物を除
去した後、ほとんどの塩素は、圧縮して液化し冷却後、販売される。全ての圧縮
/凝縮法と同様に、温度と圧力を極限条件にしないと、全ての凝縮性塩素ガスを
回収することは困難である。したがって、液化プロセスからのテールガスが塩素
を40%も含有していることはめずらしいことではない。
ガス流に水素が存在すると、面倒な問題が増える。塩素含有ガス流又は酸素含
有ガス流に、圧力や温度によって異なるが、約4%未満の濃度で水素が存在する
と、通常このガス流は非爆発性である。しかしながら、水素濃度がこの爆発下限
値を超えて増加すると、発火反応の激しさが増し、最後にはデトネーション段階
に到達することがある。これを回避するために、日常的には、ガス流を十分な空
気や窒素で希釈して水素濃度を限界値4%より低く保っている。典型的には、こ
のような添加は、凝縮性成分を除去してより高濃度の水素をベント流に導入する
凝縮工程の後になされる。
過去40年の間、テールガスは、四塩化炭素に吸収させることにより処理して
きた。塩素の液化からのテールガス、及びこのプラントからの他の廃流(「スニ
ッフガス」)は、加圧下で四塩化炭素アブソーバに供給される。塩素非含有(〜
1ppm)ガスは、大気にベントされる。塩素リッチ四塩化炭素をストリッパー
に供給し、そこで塩素を脱着し、液化装置に送る。ストリッピングにより除去さ
れた溶媒をポンプにより吸収塔に戻す。回収された塩素1トン当り約30ポンド
(14kg)が、このプロセスで失われる。推定では、年間9,000,000
ポンド(4,000,000kg)の四塩化炭素が、塩素液化テールガス処理プ
ラントにより放出されている。紙、繊維及び塩化ポリビニル工業において使用さ
れている同様の塩素吸収プロセスからも、さらに放出されている。四塩化炭素に
よりオゾンが大きく減少される可能性があるので、米国のEnvironmet
al Protection Agencyは、これらの放出を無くし、四塩化
炭素の生産を1995年後は中止することを命令した。したがって、代替処理技
術が緊急に必要とされている。
また、多数の金属、例えば、マグネシウム、カルシウム、ベリリウム及びナト
リウムが、それらの溶融塩化物の電気分解により製造されている。全ての場合に
おいて、塩素含有ガスは、セルのアノードで放出され、マグネシウムの生産では
、このガスは90%にもおよぶ多量の塩素を含有することがある。ガス流から塩
素を除去又は回収することが必要である他のプロセスには、塩素化化学薬品、漂
白、冷凍及び伝熱流体の製造、塩素移送及びクリーンナップ操作、鉱石処理及び
廃水処理などがあるが、これらには限定されない。
膜によるガス分離は、公知である。例えば、米国特許第4,230,463号
(Henis及びTripodi)は、空気から酸素を分離するための複合膜を
記載している。米国特許第4,180,552号(Graham及びMacLe
an)、米国特許第4,180,553号(Null及びPerry)、及び米
国特許第4,654,063号(Auvil及びAgrawal)は、種々のガ
ス流からの水素の膜分離法を記載している。天然ガスからの二酸化炭素の分離は
、米国特許第4,130,403号(Cooley及びCoady)に教示され
ている。米国特許第4,553,983号(Baker)は、高有機物選択性膜
を用いて、空気から有機蒸気を除去する方法を記載している。
これらの膜及び膜プロセスは、10〜15年間種々の工業用途に使用されてき
た。しかしながら、いままで、膜は他のガスから塩素を分離するのには使用され
てこなかった。これは、塩素ガスと、膜の製造に典型的に使用されるポリマーと
の公知又は予測される極端に高い反応性によるものと思われる。事実、本発明者
等は、塩素の分離についての透過性のデータについては知らない。いままで、他
のガスに対して塩素に選択性を有する膜を作製できるかどうかは知られていなか
った。さらに、塩素は膜システムを構成するのにしばしば使用される数多くの材
料、アルミニウム、ポリ塩化ビニル(PVC)、シリコーン、エポキシ樹脂等に
対して非常に腐蝕性がある。液状塩素の貯蔵又は輸送用容器に一般的に使用され
る材料であるスチールを除いて、毎日膜分離システムに一般的に使用されている
数多くの材料は、塩素ガス又は液体に対して極めて限られた耐性しかない。
塩素の存在下でポリマー膜を操作するときに遭遇する困難は、逆浸透(RO)
工業によく現れるものである。とりわけ、セルロースアセテート、ポリアミド及
びポリエーテルウレアは、工業用RO用途に使用され、この産業では、もっと数
多くのものについて実験を行っている。工業用又は開発用のほとんどの膜は、微
生物を殺生するための予備処理(予備処理をしないと微生物が膜表面に付着する
)として使用される塩素に対する耐性が中〜無である。塩素処理後、供給流を脱
塩素化してから膜に接触させなければならず、総処理プロセスにかかるコストが
増加する。したがって、RO工業の開始以来、膜産業界は、ROプロセスに使用
するための塩素耐性膜に関する進行中の研究に関与してきた。この問題に関する
二三の代表的な特許が、米国特許第4,302,336号、第4,661,25
4号、第4,913,816号、第4,941,972号及び第5,013,4
48号である。
出願人は、ガス状塩素の高分子膜透過に関する刊行物については、一つしか知
らない。これは、Hardy等による”A Personal Chlorin
e Monitor Utilizing Permeation Sampl
ing”と題したEnvironmetal Science and Tec
hnologyから1979年9月に発行された論文である。この論文には、個
々に、例えば、ベルトの上に装着される小さな装置(線量計の大きさ)を付ける
ことにより低レベルの塩素に対する人間の暴露量を測定する方法が記載されてい
る。装置には、塩素の存在下でエオシンに転化するフルオレセン−臭素吸収液1
0mlが入っている。一定時間の暴露後に存在するエオシンの量を測定し、装着
者が暴露した塩素の量を計算するのに使用できる。25μmシリコーンゴム膜に
より、吸収液の減少を防止しながら、塩素を装置に入れることができる。
塩素が膜透過して装置に入るのは、濃縮駆動であり、外部駆動力がかからない
。したがって、透過が遅いことがあり、文献で指摘されているように、「レスポ
ンスに数時間かかることがある」。膜透過流束の大きさは、塩素が多少装置に入
り、得られたエオシン含量を以前に作成した構成曲線と比較する限りでは問題で
はない。さらに、膜は、そこでは、塩素を空気中の他の成分から分離濃縮せず、
単に、塩素が装置に入り、そこに含有されている液体と接触することができるよ
うにする通路を提供するだけである。上記文献には、膜が塩素に関して有するか
有さない分離特性については触れられていない。
また、装置は、極めて低濃度の塩素にしか暴露されず且つ数時間しか使用され
ないので、塩素の存在下での膜の安定性は問題ではなく、したがって、検討され
ていない。
このように、RO用途において遭遇する公知の塩素の攻撃的な化学的性質及び
公知の膜劣化の問題から、ガス又は蒸気流から塩素を分離するには、膜を主体と
したシステムを使用するのはよくないことがわかる。出願人が知る限りでは、当
該技術分野においてはガス透過又は分離に関するデータがない。
発明の開示
本発明は、ガス流から塩素を除去及び回収するための膜処理法に関する。これ
らのガス流は、いままで何らかの他の処理法(単一又は複数)に附されていた流
出流でよい。また、塩素を回収して販売再使用するのが望ましい内部プロセス流
であってもよい。本発明の方法では、塩素選択透過性の膜を横断して塩素含有供
給流を流すことが含まれる。したがって、塩素は、膜を透過する流れに濃縮され
、非透過残留流は、塩素分が減少する。膜を介しての透過駆動力は、供給側と透
過側の圧力差である。プロセスの効率(供給物における塩素と他のガスの相対的
割合)、透過流及び残留流は、圧力差、膜の選択性、膜を透過する供給物の割合
及び膜厚さを含む多数の因子により決定される。
本発明により、希薄濃度から高濃度までの範囲の供給流に適用できる方法が教
示される。好ましくは、本発明の方法により、透過流を冷却及び/又は圧縮する
ことにより塩素を液体として回収できる程度に充分に濃縮された透過流が得られ
る。通常、供給物の塩素分の80〜99%以上が、一段又は二段膜システムによ
り除去できる。本発明の方法は、クロル−アルカリプラントからのガスを処理す
るための四塩化炭素吸収の代替法として特に有用であり、且つ塩素及び四塩化炭
素の放出による公害が減少するか排除できる点で環境への影響の面でも利点があ
る。経済計算から、本発明の方法が数多くの供給流についての従来の技術よりも
実質的に安価であることが明らかである。
本発明の目的は、塩素をガス流から効率的に除去するための膜処理法を提供す
ることである。
また、本発明の目的は、ガス流から塩素を効率的に回収するための膜処理法を
提供することである。
さらに、本発明の目的は、長期間にわたって塩素含有ガス流の腐蝕性に耐える
ことができる膜を提供することである。
さらに、本発明の目的は、広範な濃度範囲にわたって塩素含有ガス流を処理す
るために適合させることができる膜処理法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、大気への望ましくない放出を減少させることである
。
本発明の他の目的及び利点は、当業者には、本発明の説明から明らかであろう
。
以上の目的を達成するために、本発明によれば、塩素含有流を処理するための
、膜を主体とした処理方法が提供される。本発明の方法には、薄選択透過性膜の
供給側を横断して塩素含有流を流すことが含まれる。膜は、供給流の塩素成分に
対して選択透過性があるので、塩素成分は、供給流と比較して透過流に濃縮され
る。本発明に使用される選択透過性膜材料は、好ましくはシステムの運転条件で
ゴム状ポリマー、即ち、供給ガスの温度よりも低いガラス転移温度を有すること
が好ましい。予想外にも、本発明者等は、高濃度の塩素の存在下であっても良好
な分離性能と良好な長期安定性を提供する材料を見出した。
透過成分の高流束を達成するために、膜の選択透過性層は、できるだけ薄くな
ければならず、好ましくは25μm未満、より好ましくは20μm未満、さらに
より好ましくは10μm未満、最も好ましくは5μm未満である。本発明の好ま
しい実施態様では、微孔質支持体上にゴム状選択透過性層が極薄塗膜として付着
して含んでなる複合膜を使用することが含まれる。好ましい膜の作製は当該技術
分野において公知であり、以下で詳細に説明する。
膜構成は、本発明では重要ではない。好ましい実施態様では、膜を流延し、フ
ラットシートとして塗布した後、巻いて螺旋巻きモジュールとする。しかしなが
ら、中空繊維、プレート・アンド・フレーム又はフラットシート膜等の他の構成
も可能であり、本発明の範囲内であることが意図される。
ポリマー膜を通過するガス又は蒸気の流束は、膜を横断するガス又は蒸気の圧
力差に比例する。透過成分の高流束を達成するには、選択透過性膜を極薄に作製
するだけでなく、膜の両面間の圧力降下が適当であるシステムを操作することも
望ましい。圧力降下は、好ましくは供給側で加圧して操作するか、膜の透過側か
ら部分真空とすることにより達成される。好ましくは、透過流を、冷却・圧縮し
て純液体溶媒流を形成してもよい。残留流を直接排出してもよいほど十分に清浄
なものとしてもよいし、必要に応じて第二処理に附してもよい。
上記の簡単な説明及び以下の詳細な説明は、本発明を説明するためのものであ
り、その範囲を限定するものではない。
図面の簡単な説明
第1図は、塩素含有流を処理するための、一段膜システムの概略図である。
第2図は、膜システムの低圧実施態様の概略図である。
第3図は、膜システムの高圧実施態様の概略図である。
第4図は、膜システムをテールガス処理及び塩素回収に適用することを含む典
型的な塩素製造法の概略図である。
第5図は、供給物の塩素分圧が塩素/窒素選択度に及ぼす影響を示すグラフで
ある。
第6図は、供給温度が塩素/窒素選択度に及ぼす影響を示すグラフである。
第7図は、供給物塩素活性が塩素/窒素選択度に及ぼす影響を示すグラフであ
る。
第8図は、コンピュータモデリングプログラムに使用される膜分離法の概略図
である。
第9図は、試験期間にわたる膜モジュールにおける酸素及び窒素圧力−標準化
流束の変化を示すグラフである。
発明を実施するための最良の形態
本明細書で使用される用語「選択透過性」とは、混合物中の少なくとも一種の
ガス又は蒸気を混合物の他成分よりも選択的に透過して成分間の分離の目安とす
ることができる、ポリマー又はポリマーから作製した膜を意味する。
本明細書で使用される用語「多層」とは、支持膜及び一層以上の塗層を意味す
る。
本明細書で使用される用語「ガス」とは、ガス又は蒸気を意味する。
本明細書で使用される用語「膜装置」又は「一段膜装置」とは、一つ以上の膜
モジュールを平行に配置して、入ってくるガス流の一部分が各々を通過するよう
にしたものを意味する。
用語「直列配置」とは、一つのモジュール又は装置からの残留流が次のモジュ
ール又は装置の供給流となるように、膜モジュール又は装置を一緒に接続配置す
ることを意味する。
用語「カスケード配置」とは、一つのモジュール又は装置からの透過流が次の
モジュール又は装置の供給流となるように膜モジュール又は装置を一緒に接続配
置することを意味する。
本明細書で使用される「%」とは、特記のない限りは容積基準である。
本発明の範囲は、特定の流れに限定されないが、塩素含有ガス流を塩素分離処
理すべきであるいずれの状況をも包含する。本発明の方法により処理できる供給
流は、酸素、窒素、二酸化炭素、水素又はいずれかの他のガスとの混合物として
塩素を含有していてもよいし、塩素と他の一成分、又は塩素と他の多成分を含有
していてもよい。
ガスの組成は、塩素100ppm以下含有する混合物から、5%、10%又は
20%等のより多くの量の塩素を含有する流れ、主成分として塩素を含有する流
れまで、広く異なっていてもよい。塩素液化プラントからのテールガスは、塩素
含有流の主要源である。これらのプラントは、塩素を40%も含有する100〜
1000scfm(2.8〜28Nm3)のテールガスを生じることがある。高
塩素分を有するガス流の別源は、マグネシウムの製造である。マグネシウムプラ
ントは、塩素含量90%の流量数千scfmの流れを生じる。塩素含有ガス流を
放出する他のプロセスには、塩素化化学薬品の生産、漂白、冷凍及び伝熱流体の
製造、塩素移送及びクリーンナップ操作、鉱石処理及び廃水処理などがある。
範囲の他端は、数ppmの塩素しか含有しない流れである。このような流れは
、例えば、流れを希釈又はプールすることにより生成することがある。
本発明の方法では、塩素含有供給流を、薄選択透過性膜を横断して通過させる
。選択透過性膜は、塩素に対して相対的に透過性であるが他のガスに対しては相
対的に不透過性であるバリヤーを形成する。
予想外にも、公知である塩素の腐蝕性に鑑みて、本発明者等は、塩素を含有し
ている供給流の存在下で(高濃度であっても且つ高運転圧力をかけたときであっ
ても)一体性と分離性能を維持できる膜及び膜モジュールを製造できることを見
出した。
本発明の好ましい実施態様では、微孔質支持体上にゴム状ポリマーからなる選
択透過性層を塗布して含んでなる薄膜状複合膜を用いる。微孔質支持膜の流れ抵
抗は、選択透過性層と比較して極めて小さくなければならない。好ましい支持膜
は、薄緻密微孔質スキン層を備えた比較的開放している多孔質基材からなる、非
対称Loeb−Sourirajan型膜である。好ましくは、スキン層におけ
るポアは、スキンに欠陥のない選択透過性層をコーティングできるように直径1
μm未満でなければならない。支持膜は、選択透過性層を適用するのに使用され
る溶媒に対して耐性を有しなければならない。
微孔質支持層と選択透過性層の両方は、高濃度の塩素ガスの存在下で長期安定
性を有しなければならない。膜を製造するのに一般的に使用される数多くの材料
は、不適当である。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスルホン及び
セルロースアセテートは、全て塩素により容易に攻撃される。入手できる文献及
び以前に行った実験から、以下の材料は、全て不適当であると思われる:芳香族
線状ポリアミド、完全架橋ポリアミド、エチレン−プロピレン、エチレン−プロ
ピレン−ジエン、エチレン−プロピレンターポリマー、ポリアセタール、ポリス
チレン、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリカーボネート、並びにシリコーン
オイル及び低分子量(<10,000g/mol)シリコーンゴム等のある種の
シリコーン。
事実、本発明者等は、数種の材料しか微孔質支持膜を形成するのに適当でない
ことを見出した:ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(ビニリデンフルオリ
ド)及びそれらのコポリマー。他のフッ素化低反応性ポリマーや、以下で述べる
数多くの安定な結合及びあるとしても少ない不安定な結合を特徴とする他のポリ
マーも適当である。
ポリ(ビニリデンフルオリド)〔PVDF〕(Kynar(登録商標)461
、ペンシルバニア州フィラデルフィアにあるPennwalt社製)は、微孔質
支持膜を形成するのに好ましい材料である。ガス状及び液状塩素に対する耐性の
他に、典型的な圧力標準化流束窒素流束1.5×10-1cm3(STP)/cm2
・s・cmHgによって示されるガス移送に対して極めて小さな耐性を有する、
改良Loeb−Sourirajanプロセにより形成される非対称微孔質PV
DF膜を作製できる。支持膜の透過性が選択透過性層と比較して大きいので、そ
の厚さは重要ではない。しかしながら、厚さは、通常100〜300μmの範囲
であり、好ましくは約150μmである。必要に応じて、支持膜を、それを支持
ウエブ状にキャストすることにより強化してもよい。
選択透過性層に使用されるポリマー材料は、塩素ガスに対して耐性があり且つ
許容できる流束及び選択特性を有しなければならない。塩素に対するポリマーの
化学的耐性は、ポリマー鎖に存在する反応性結合及び基の数に依存する。反応性
結合及び基を有するある種の材料は、架橋によってより安定、したがって反応性
を低くできる。予想外にも、本発明者等は、架橋ゴム状ポリマーが塩素に対して
耐性があることを見出した。高度に架橋したシリコーンゴムは、極めて耐性があ
った。安定であることが判明したか、架橋によりより安定にすることができた他
の材料には、クロロスルホン化ポリエチレン(CSE)、エチレン−プロピレン
−ジエンターポリマー(EPD)及びエチレン−プロピレンコポリマー(EPM
)などがある。実施例7でより詳細に説明するように、本発明者等は、候補材料
を用いて二ヵ月の純塩素ガス試験を実施した。実施例1〜7から集めた実験デー
タに基づいて、モジュール試験のために、架橋シリコーンゴムからなる薄選択性
層をコーティングしたPVDF支持膜を選択した。この膜は、供給流中の塩素分
圧とは無関係に、高塩素/窒素選択度を示した。また、膜は、その性能レベルを
、長期塩素接触及び100%塩素供給流への暴露後であっても維持した。
少なくとも1×10-6cm3/cm2・s・cmHg、より好ましくは1×10-5
cm3/cm2・s・cmHg、最も好ましくは1×10-4cm3/cm2・s・
cmHg等の高流束を達成するために、選択透過性層は薄くなければならない。
好ましくは、膜の厚さは、25μm未満、より好ましくは20μm未満、さらに
より好ましくは10μm未満、最も好ましくは5μm未満であろう。選択透過性
層を堆積するための好ましい方法は、ディップコーティングである。ディップコ
ーティング法は、例えば米国特許第4,243,701号(Riley等)に記
載されており、引用することにより本明細書の開示の一部とされる。例えば、供
給ロールからの支持膜は、コーティングステーションを通過させた後、乾燥オー
ブンに通じさせ、次に製品ロールに巻く。コーティングステーションは、希薄ポ
リマー又は、プリポリマー溶液を入れたタンクであってもよく、塗膜を典型的に
は50〜100μmの厚さで支持体に堆積させる。典型的なポリマー濃度1重量
%と仮定すると、溶媒を蒸発させた後には厚さ0.5〜1μmのフィルムが残留
する。
別法として、ポリマー溶液の薄膜を水浴表面に広げてキャストして選択透過性
膜としてもよい。溶媒を蒸発した後に、微孔質支持体上に選択透過性層を付着さ
せてよい。この方法は、実施するのに困難性が大きくなるが、所望の支持体が使
用される溶媒によって攻撃されて選択透過性材料を溶解する場合には有用なこと
がある。この手法は、当該技術分野において周知であり、例えば、W.J.Wa
rd等、”Ultrathin silicone/Polycarbonat
e Membranes for Gas Separation Proce
sses”、Journal of Membrane Science(1)
、1976に記載されている。
本発明に使用される選択透過性膜は、好ましくは窒素に対する塩素の選択度が
、少なくとも10、より好ましくは少なくとも20、最も好ましくは少なくとも
30である。本発明者等は、上記で開示した膜材料がこのような選択度を有する
ことを見出した。また、本発明者等は、選択度は温度の低下とともに向上するこ
とを見出した。したがって、必要に応じて、好ましい態様は、室温より低い温度
、即ち、20℃未満での操作であり、より好ましくは、0℃未満での操作である
。塩素液化プラントでは、液化プロセスが−20℃への冷却及びしばしばそれ以
上低い温度への冷却を必要とするので、これは容易に達成できる。膜システムに
冷却供給流を流すと、分離性能が向上し、膜及びモジュール部品の劣化を抑制す
るさらなる利点が得られる。膜の劣化、したがって膜性能は、約−10℃又は−
20℃で、室温よりも3〜10倍遅くなると思われる。
本発明で使用される膜の形態は、重要ではない。これらの膜は、例えば、フラ
ットシート若しくはディスク、塗布中空繊維又は螺旋巻きモジュールとして使用
してよく、これらの全ての形態は当該技術分野において公知である。螺旋巻きモ
ジュールは、好ましく選択される。膜材料自体と同様に、全てのモジュール材料
は、高濃度の塩素への長時間の暴露に対して耐性がなければならない。螺旋巻き
モジュールを教示している文献には、S.S.Kremen、”Technol
ogy and Engineering of ROGA Spiral W
ound Reverse Osmosis Membrane Module
s”、Reverse Osmosis and Synthetic Mem
branes、S.Sourirajan(編)、National Rese
arch Council of Canada、Ottawa、1977及び
米国特許第4,553,983号第10欄第40頁〜第60頁がある。また、膜
は、例えば、米国特許第5,344,702号(Haubs等)に記載されてい
るように、選択透過性ポリマー材料をコーティングした後モジュールに入れた微
孔質中空繊維として構成してもよい。
本発明の方法は、供給物から除去される塩素百分率又は透過物の濃縮度の面で
の特定の要件に適合するシステム設計を用いて実施できる。その最も一般的な態
様での方法を、第1図に概略示す。この図において、供給流1は一つ以上の膜モ
ジュールを含む膜装置2を通過する。処理流3は、大気に排出されるか、プロセ
スに再循環されるか、後処理される。塩素が濃縮された透過蒸気4は、集合容器
に通じるか、再循環するか、他の所望の場所に送る。プロセスを進めるには駆動
力が必要である。駆動力は、例えば、膜の透過側の真空ポンプ、供給側の圧縮機
又はそれらの両方により提供できる。
駆動力が透過側の真空ポンプにより提供される低圧実施態様を、第2図に示す
。この図において、供給流11は、膜装置12を通過する。処理流13は、大気
に排出するか、プロセスに再循環するか、後処理に附する。真空ポンプ16を膜
装置の透過側で使用し、透過蒸気流14は凝縮器17を通過し、そこで凝縮して
液体塩素流15となる。勿論、ガス状生成物が望ましいならば、凝縮器は必要で
ある。透過側の真空は、1mmHg以下の高真空から大気圧よりすぐ下、即ち、
約759mmHgの範囲内のいずれであってもよい。
駆動力が供給側の圧縮機により提供される高圧実施態様を、第3図に示す。こ
の図において、供給流21は、圧縮機26を通過した後圧縮機27に行き、ここ
で流れの一部分が凝縮して液状塩素流25となる。非凝縮部28は、膜装置22
に進む。処理流23は、大気に排出するか、プロセスに再循環するか、後処理に
附する。塩素濃縮透過流24を圧縮機の上流に戻ししてさらに凝縮する。ここで
も、もしガス状製品が望ましいならば、凝縮工程は不要である。供給側の圧力は
、50psig(448kPa)、100psig(793kPa)、150p
sig(1138kPa)、200psig(1483kPa)、500psi
g(3552kPa)等のいずれかの都合のよい値に上昇できる。長時間の操作
には300psig(2172kPa)等の極めて高い真空は、塩素により膜及
びモジュールの劣化を加速する傾向があるので、避けるのが好ましい。
本発明の方法の典型的な目標は、大気に直接ベントできる、実質的に塩素非含
有、例えば、塩素分が1ppm未満である残留流を生成することである。もしよ
り高塩素分を有する流れをベントすることが許容されか、流れをベントしないか
、流れをさらなる処理に附するべきであるならば、例えば、残留物の典型的な目
標塩素濃度は、10ppm、100ppm、1000ppm、1%以上でよいこ
ともある。
一段膜装置では、一般的に膜特性及び操作条件に応じて、供給流から80%、
90%以上の塩素を除去することができる。もしこれが不適当であるならば、第
一装置からの残留物が第二装置の供給物となる直列配置の二段又は多段プロセス
を使用してもよい。もし各装置がそれに到達する90%の供給ガスを除去できる
ならば、例えば、二段配置では原料ガスの塩素分の99%が除去され、三段では
99.9%が除去される。このような多工程直列配置は、当該技術分野で公知で
ある。典型的な構成が、米国特許第4,906,256号第4図及び第13欄第
41頁〜第64頁に示され及び記載されている。これらは、引用することにより
本明細書の開示の一部とされる。
もし所望ならば、残留流は、米国特許第5,376,164号(Zarchy
等)に記載されているような、苛性ソーダを用いたスクラビング、ある形態の吸
着、例えば、圧力スイング吸着等のさらなる非膜処理に附してもよい。
また、塩素濃縮透過流の目標組成は、その目的に応じて異なるであろう。ここ
でも、膜特性及び操作条件に応じて、一段膜装置では、典型的に、供給物と比較
して、透過物の塩素濃度が3倍、5倍又は10倍に濃縮できる。もし供給濃度が
数%以上と比較的高いならば、この濃縮レベルが適当である。もし透過流を液化
して液状塩素生成物を得たいのであれば、穏やかな温度及び圧力条件下で凝縮を
容易にするために少なくとも30%又は40%等の少なくとも20%の透過流の
塩素濃度が好ましい。もしこの濃縮度が一段装置で得ることができないのであれ
ば、第一装置からの透過物が第二装置への供給物となるカスケード配置における
二段又は多段プロセスを使用してもよい。ここでも、このような配置は、当該技
術分野において一般的であり、任意に凝縮器を備えた二段設計の一例が、米国特
許第4,906,256号、第3図及び第13欄第18頁〜第41頁に記載され
ている。これに記載されている内容は、引用することにより本明細書の開示の一
部とされる。
膜を主体とした塩素分離に使用できる数多くの他の膜システム構成は公知であ
る。例えば、米国特許第5,071,451号(これに開示されている内容全体
は、引用することにより本明細書の開示の一部とされる)は、全第二段なしに、
主膜装置の透過側に補助モジュール(単一又は複数)を取り付けことにより効率
を向上させた膜システム設計を記載している。米国特許第5,256,296号
第5図及び第8欄第32頁〜第10欄第7頁(引用することにより本明細書の開
示の一部とされる)は、生成物濃度が主膜装置の透過側の湾曲部で増加する、凝
縮器がないが同様な設計を示し且つ記載している。米国特許第5,256,29
5号第5図及び第8欄第26頁〜第10欄第6頁(引用することにより本明細書
の開示の一部とされる)は、補助モジュール(単一又は複数)を用いた二段設計
を示し且つ記載している。本発明の方法は、これら及び他の適当なシステム構成
を包含する。
第4図は、膜システムをテールガス処理及び塩素の回収に適用した典型的なク
ロル―アルカリ塩素製造法の概要を示している。塩化ナトリウム(ブライン)の
水溶液101を電気分解セル102に導入し、そこで分解し、水酸化ナトリウム
103、水素104及び塩素ガス105を生成する。原料塩素ガスを、典型的に
冷却及び硫酸を用いる等の乾燥106、圧縮107及び吸収/吸着又は他の方法
108により不純物を除去することを含む、一連の処理工程に附する。クリーン
ガスを、ガス状塩素製品109として取り出すか、さらに圧縮、冷却又はそれら
の両方により凝縮110に附して、液状塩素製品111を得て、販売するか使用
する。主要液化プロセスのテールガス112を、膜処理への供給流とする。
この供給流は、圧縮機113を通過し、圧縮機115に供給し、そこで流れの
一部分が凝縮されて液体塩素流116となる。非凝縮部117は、膜装置118
を通過する。塩素濃縮透過流119を、圧縮機121により再圧縮し、得られた
流れ122を圧縮流れ114と一緒にしてから、さらに凝縮する。塩素が減少し
た残留流120を最終処理工程、通常苛性スクラビング塔124に附する。塩素
非含有ベント流123は、排出基準を満たす。スクラビングプロセスからの残留
物125は、使用可能な次亜塩素酸ナトリウム溶液である。この次亜塩素酸ナト
リウムが、市場にはだせないか、廃棄問題を生じる場合には、溶液を接触分解し
て塩化ナトリウムを再生回収して、ブラインフィード101に再循環できる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、以下の実施例は本発明の説明
を目的としており、本発明の範囲又はこれに基づく原理を制限するものではない
。
実施例1:膜材料の選択と膜の製造
非対称微孔質ポリ(ビニリデンフルオリド)〔PVDF〕支持膜を作製した。
複合膜を、以下のコーティング溶液を用いて作製した:
・メチルエチルケトンにクロロスルホン化ポリエチレン(CSE)(Hypa
lon、R.T.Vanderbilt)5重量%を添加。
・トルエンにエチレン/プロピレン/ジエンターポリマー(EPD)(Sci
entific Polymer Products社製)2.2重量%添加。
・シクロヘキサンにエチレン/プロピレンコポリマー(EPM)(Scien
tific Polymer Products社製)2重量%添加。
・イソオクタンに架橋シリコーンゴム(Wacker Adhesive社製
)15重量%添加(架橋は、低分子量シリコーンオリゴマーとペルオキシド系架
橋剤及び塩化白金酸系触媒とを混合することにより達成された)。
支持膜を、3種から選択したポリマー溶液又はシリコーンゴム溶液に、コーテ
ィング速度1フィート/分(0.3m/min)でディップコーティングした後
、オーブン中、60℃で20分間乾燥させた。得られた膜の選択層厚さは、1〜
15μmであった。各完成した複合膜の試料を、切断して12.6cm2スタン
プとし、純酸素及び純窒素を用いた透過試験セル装置で、供給温度23℃及び供
給圧力50psig(448kPa)の条件で試験した。膜のガス流束を測定し
、酸素/窒素選択度を算出した。材料の固有選択度よりも低い選択度を有する膜
は、不良品とみなした。表1に、複合膜の選択度をまとめて示す。
クロロスルホン化ポリエチレン(CSE)膜は、窒素に対する酸素の選択性が
実質的になく、一方、CSE材料の固有選択度は約2.4である。このことは、
メチルエチルケトンコーティング溶媒が支持膜を浸蝕したことによるものと思わ
れる欠陥が膜にあることを示している。他の3種の膜は、実質的に欠陥がなく、
窒素流束が大きかった。これらの膜を、塩素/窒素混合物を用いてさらに評価し
た。
実施例2:エチレン/プロピレン/ジエン(EPD)膜スタンプの透過特性
膜を、実施例1と同様に作製した。エチレン/プロピレン/ジエン複合膜を、
切断して12.6cm2スタンプとし、窒素に塩素約4.5%を添加したガス混
合物を用いて、供給温度23℃の条件で試験した。スタンプを試験セルに取付け
、実施例1と概略同様な方法で透過実験を行った。測定を、3種の供給圧、した
がって3種の塩素分圧で行った。透過流量の供給流量に対する比として定義され
るステージカットは、1%未満に維持した。透過側は、大気圧に維持した。各試
験中、供給、透過及び残留組成を、ガスクロマトグラフィー(GC)により分析
した。塩素及び窒素の圧力−標準化流束並びに塩素/窒素選択度を、自家コンピ
ュータプログラムを用いて計算した。
結果を、表2に示す。
実施例3:エチレン/プロピレンコポリマー(EPM)膜スタンプの透過特性
膜を、実施例1と同様に作製した。エチレン/プロピレンコポリマー複合膜を
、切断して12.6cm2スタンプとした。スタンプを試験セルに取付け、実施
例2と概略同様な方法で透過実験を行った。結果を、表3に示す。
実施例4:シリコーンゴム膜スタンプの透過特性
膜を、実施例1と同様に作製した。シリコーンゴム複合膜を、切断して12.
6cm2スタンプとした。スタンプを試験セルに取付け、実施例2と概略同様な
方法で透過実験を行った。結果を、表4に示す。
実施例5:供給塩素分圧の塩素/窒素選択度に及ぼす影響
実施例2〜4で得られた結果を比較し、グラフにプロットした。結果を、第5
図に示す。全ての材料は、検討した分圧範囲で塩素について許容できる圧力−標
準化流束及び選択度を示した。便宜上、一つの材料(シリコーンゴム)を選択し
て、膜モジュールを作製し、試験した。
実施例6:供給温度が膜スタンプに及ぼす影響
種々の温度で膜性性能を測定する実験を実施した。実施例1と概略同じ方法で
シリコーンゴム複合膜を作製した。面積12.6cm2のスタンプを切取り、窒
素に塩素10%を添加した混合物と窒素に塩素を20%添加した混合物を用いて
、実施例2に記載したのと概略同様な方法で透過試験を行った。供給圧は50p
sig(448kPa)であり、透過圧は大気圧であり、ステージカットは≦1
%であった。透過特性を、4種の温度、−10℃、0℃、10℃及び20℃、で
測定した。試験セルをエチレングリコール溶液の低温循環浴に浸漬することによ
りこれらの温度とした。結果を、第6図に示す。温度が減少するにつれて、塩素
流束が増加するが、窒素流束が減少し、その結果、選択度が増加する。
実施例7:膜スタンプ及び膜内部安定試験
膜材料及び膜モジュール部品の塩素の存在下での安定性を測定する試験を行っ
た。被試験膜とモジュール部品の試料を、漏れのないステンレス鋼圧力容器に入
れた。容器の入口を、塩素ガスボンベに接続した。容器からの出口流を50%水
酸化ナトリウム溶液の入ったスクラバーを通して、塩素を吸収させた。容器を、
まず純塩素で加圧化して空気を除去した後、圧力を抜いた。次に、圧力30ps
ig(310kPa)、温度23℃の純塩素を充填した。一週間後、容器の圧力
を抜き、窒素パージし、内容物を取り出した。内容物の状態と一体性を目視と物
理的試験で検査した。膜を、さらにガス透過測定により試験し、結果を、膜安定
性の評価基準とした。塩素耐性があると思われた材料を容器に戻し、試験をさら
に一週間継続した。安定試験を、2ヶ月以上継続した。
安定性試験期間と膜材料の透過特性との関係を、表5にまとめて示す。膜の番
号は、支持膜に適用したポリマー溶液の塗層数を示す。したがって、番号は、選
択透過性層の相対厚さも示す。モジュール部品の物理的一体性試験の結果を、表
6及び7に示す。
便宜上、一つの膜と選択膜材料を選択して、螺旋巻きモジュールに組み込み、
モジュールをさらなる試験に附した。
実施例8:モジュールの作製
安定試験で耐塩素性があることが判明した材料を用いて、4種類の螺旋巻き膜
モジュールを構成した。モジュールを、厚さ20μmのシリコーンゴム選択層を
有する実施例1と同様に作製したシリコーンゴム/PVDF複合膜を用いて巻い
た。モジュールは、長さ12インチ(30cm)、直径2インチ(5cm)であ
った。モジュールを実施例1と同様の透過装置を用いて一体性試験に附した。結
果を、表8に示す。初期酸素/窒素選択性試験からみて、2つのモジュールが不
良であると見なされた。残りの2つのモジュールを、以下の性能試験に使用した
。
実施例9:供給圧が膜モジュールの性能に及ぼす影響
実施例8のモジュールの一つを実施例1の試験装置に使用して、種々の供給圧
条件下でガス透過特性を測定した。結果を、表9に示す。
膜選択度は、供給圧の増加とともに増加する。この増加は、塩素流束の増加及
び窒素流束の減少によるものである。
混合物試験後、モジュールを、3日間純塩素でパージした後、純窒素及び酸素
を用いて再試験して、モジュールの一体性について確認した。酸素/窒素選択度
は、最初得られた2.1に対して、1.7に減少し、モジュールに欠陥が生じた
ことが分かった。欠陥位置を確認するための染色試験を行ったところ、膜エンベ
ローブに多少のしわがあり、接着剤ラインにピンホールがあることが判明した。
全ての他のモジュール試験は、第二モジュールを用いて行った。
実施例10:供給組成が膜モジュールの性能に及ぼす影響
実施例8で作製した第二の欠陥のないモジュールを、実施例1の試験装置に使
用して、供給組成の変化が塩素/窒素選択性に及ぼす影響を測定した。結果を、
表10に示す。
第7図では、供給物塩素活性(実験温度での供給物中の塩素の分圧のその蒸気
圧に対する比として定義される)を、シリコーンゴムモジュールの塩素/窒素選
択度に対してプロットしてある。塩素の供給活性は、供給圧又は供給物塩素分を
増加することによるか、操作温度を低下することにより増加できる。第7図から
、調査した供給物塩素活性の範囲においては、選択度が顕著には変化せず、32
〜42の範囲であることがわかる。
実施例11:膜厚が分離性能に及ぼす影響
自家コンピュータモデリングプログラムを使用して、第8図に示す分離法を実
施するのに必要とする膜面積を予測した。この方法では、供給流301は、圧縮
機302を通過し、凝縮器304に供給され、そこで供給流の一部分が凝縮され
て液体塩素流305となる。非凝縮部306は、膜装置307に進む。塩素濃縮
透過流309を圧縮機310により再圧縮し、得られた流れ311を圧縮流30
3と一緒にしてさらに凝縮する。塩素分が減少した残留流308は、後処理に附
することができる。
入力条件及び本発明者等が行った計算は、厚さ20μmのシリコーンゴム膜ス
タンプの実験的に測定した選択度に基づいた。表11に、これら及び他の仮定を
示す。
計算は、3種の膜圧について行った:3.5μm,10μm及び20μm。結果
を、表12に示す。
上記データから、膜が厚いほど透過速度が小さくなり、したがって同じ分離を
行うのに必要とする膜面積が大きくなることが分かる。塩素の回収量は、3種の
膜厚全てについて同じであった。
実施例12:シリコーンゴム膜モジュールの安定性試験の結果
塩素/窒素混合物を用いた試験及び純塩素ガスを用いた試験期間を通じて、並
びに試験後に、一つのシリコーンゴム膜モジュールを、酸素ガス及び窒素ガスを
用いて再試験した。酸素と窒素の両方の透過流束は減少したが、酸素/窒素選択
度は、塩素に暴露する前よりもわずかに高かった。第9図に、窒素圧−標準化流
束と、完全なモジュール評価試験期間にわたっての時間との関係を示す。酸素及
び窒素圧−標準化流束並びにモジュールの酸素/窒素選択度を、表13に示す。
これらの酸素/窒素選択度は、モジュールが、試験中の塩素への暴露後に良好な
状態であったことを示している。
産業上の利用可能性
本発明の方法の利点は、多種多様である。これらの方法は、実質的に放出物を
生じず、且つ第二廃棄物を生じないので、塩素製造業者がさらに処理を施して排
出流を許容レベルとする必要性を軽減できる。また、本発明の方法は、公知のオ
ゾン減少化学薬品である四塩化炭素を使用する必要が無くなる。さらに、本発明
の方法により、四塩化炭素が米国及びおそらく他の国々でももはや入手できなく
なったときに、代替処理が可能となる。また、本発明の方法は、柔軟性があり、
信頼性があり、そして保守の必要性が低く、可動部がほとんどない。膜システム
は、既存のプロセス装置に容易に組み込むことができる。多くの場合、膜システ
ムを操作して、水素分が爆発下限よりも低い透過流を製造することにより、希釈
や、膜装置のの下流の他の監視及び制御システムの必要性を減少できる。最後に
、本発明の方法により、四塩化炭素の使用に伴う追加のコストなしに、既存の方
法から回収されるよりも多量の塩素を回収し、販売できる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ロカンドワラ,カエイド・エー
アメリカ合衆国 カリフォルニア 94587
ユニオンシティ マックキーオウン コ
ート 33124
(72)発明者 ヌイェン,ホン
アメリカ合衆国 カリフォルニア 94555
フレモント ナンタケット コモン
34548
(72)発明者 トイ,ロラ・ジー
アメリカ合衆国 カリフォルニア 94121
サンフランシスコ カリフォルニア ス
トリート 6110
(72)発明者 ヤコブス,マルク・エル
アメリカ合衆国 カリフォルニア 94703
バークリー カーロタ アヴェニュー
1347
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.(a)供給側と透過側とを有する膜を準備する工程と; (b)前記供給側と前記塩素含有ガスとを接触させる工程と; (c)前記透過側から塩素濃縮透過流を取り出す工程と; (d)前記供給側から塩素減少残留流を取り出す工程と、 を含んでなる、塩素含有ガス流から塩素を除去する方法。 2.前記膜は、微孔質支持層と選択透過性コーティング層とを含んでなる複合 膜である、請求項1に記載の方法。 3.前記選択透過性コーティング層が、ゴム状ポリマーを含んでなる、請求項 2に記載の方法。 4.前記選択透過性コーティング層が、架橋ポリマーを含んでなる、請求項2 に記載の方法。 5.前記選択透過性コーティング層が、架橋シリコーンゴムを含んでなる、請 求項2に記載の方法。 6.前記選択透過性コーティング層の厚さが、20μm未満である、請求項2 に記載の方法。 7.前記膜の混合ガス塩素/窒素選択率が、前記方法の操作条件で10以上で ある、請求項1に記載の方法。 8.前記塩素含有ガス流と比較して前記透過流中の塩素濃縮が少なくとも3倍 である、請求項1に記載の方法。 9.前記塩素の少なくとも90%が、前記塩素含有ガス流から除去される、請 求項1に記載の方法。 10.前記塩素の少なくとも99%が、前記塩素含有ガス流から除去される、 請求項1に記載の方法。 11.前記塩素含有ガス流が、少なくとも10%の塩素を含有する、請求項1 に記載の方法。 12.前記塩素含有ガス流が、空気中の塩素を含んでなる、請求項1に記載の 方法。 13.前記塩素含有ガス流が、窒素中の塩素を含んでなる、請求項1に記載の 方法。 14.前記塩素含有ガス流が、少なくとも3成分を含んでなる、請求項1に記 載の方法。 15.前記塩素含有ガス流の温度が、20℃未満である、請求項1に記載の方 法。 16.前記塩素含有ガス流の温度が、0℃未満である、請求項1に記載の方法 。 17.前記塩素含有ガス流の温度が、−20℃未満である、請求項1に記載の 方法。 18.前記塩素含有ガス流の圧力が、少なくとも100psig(793kP a)である、請求項1に記載の方法。 19.前記塩素含有ガス流の圧力が、少なくとも150psig(1138k Pa)である、請求項1に記載の方法。 20.前記塩素含有ガス流が、乾燥して水蒸気を除去したものである、請求項 1に記載の方法。 21.前記塩素含有ガス流が、凝縮したものである、請求項1に記載の方法。 22.前記塩素含有ガス流が、空気希釈したものである、請求項1に記載の方 法。 23.前記透過流を、さらなる処理に附する、請求項1に記載の方法。 24.前記さらなる処理が凝縮である、請求項23に記載の方法。 25.前記透過流の塩素分が、少なくとも20%である、請求項1に記載の方 法。 26.2つの膜分離工程を、第一膜装置と第二膜装置とを第一膜装置からの透 過流が第二膜装置により処理される供給流を提供するようにカスケード配置で用 いて実施する、請求項1に記載の方法。 27.前記残留流を、更なる処理に附する、請求項1に記載の方法。 28.前記さらなる処理がスクラビングである、請求項27に記載の方法。 29.前記さらなる処理が、吸着である、請求項27に記載の方法。 30.前記残留流の塩素分が、1%未満である、請求項1に記載の方法。 31.前記残留流の塩素分が、100ppm未満である、請求項1に記載の方 法。 32.前記残留流の塩素分が、10ppm未満である、請求項1に記載の方法 。 33.2つの膜分離工程を、第一膜装置と第二膜装置とを第一膜装置からの残 留流が第二膜装置により処理される供給流を提供するように直列配置で用いて実 施する、請求項1に記載の方法。 34.(a)塩素含有ガス流を準備する工程と; (b)凝縮工程を行う工程と; (c)塩素を液状で含んでなる凝縮流を取り出す工程と; (d)前記塩素含有ガス流と比較して塩素が減少した非凝縮流を取り出 す工程と; (e)供給側と透過側とを有する膜を準備し、 前記供給側を前記凝縮工程からの非凝縮流とを接触させ、 前記透過側から前記非凝縮流と比較して塩素が濃縮された透過流を取り出し、 前記供給側から塩素減少残留流を取り出す、 ことを含んでなる膜分離工程を実施する工程と; (f)前記透過流を前記凝縮工程に再循環する工程と、 を含んでなる、塩素含有ガス流から塩素を除去する方法。 35.前記膜が、架橋シリコーンゴムを含んでなる、請求項34に記載の方法 。 36.前記膜が、厚さ20μm未満の選択透過性層を含んでなる、請求項34 に記載の方法。 37.前記膜の塩素/窒素選択率が、前記方法の操作条件で10以上である、 請求項34に記載の方法。 38.前記塩素の少なくとも90%が、前記塩素含有ガス流から除去される、 請求項34に記載の方法。 39.前記塩素含有ガス流の温度が、−10℃未満である、請求項34に記載 の方法。 40.前記塩素含有ガス流の圧力が、少なくとも100psig(793kP a)である、請求項34に記載の方法。 41.前記透過流の塩素分が、少なくとも20%である、請求項34に記載の 方法。 42.前記残留流の塩素分が、1%未満である、請求項34に記載の方法。 43.(1)電解工程を実施して原料塩素ガスを製造すること; (2)前記原料塩素ガスを一つ以上の処理工程に附すること; (3)前記処理工程後に残存する塩素含有ガスの少なくとも一部分を、 (a)供給側と透過側とを有する膜を準備すること、 (b)前記供給側と前記塩素含有ガスとを接触させること、 (c)前記透過側から塩素濃縮透過流を取り出すこと、 (d)前記供給側から塩素減少残留流を取り出すこと、 を含んでなる塩素分離プロセスに附すること、 を含んでなる塩素製造方法。 44.前記一つ以上の処理工程が、冷却を含んでなる、請求項43に記載の方 法。 45.前記一つ以上の処理工程が、圧縮を含んでなる、請求項43に記載の方 法。 46.前記一つ以上の処理工程が、吸収を含んでなる、請求項43に記載の方 法。 47.前記一つ以上の処理工程が、乾燥を含んでなる、請求項43に記載の方 法。
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